JPH11111204A - 偏向磁場発生手段を有するx線管およびそのx線管を具備するx線装置 - Google Patents

偏向磁場発生手段を有するx線管およびそのx線管を具備するx線装置

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JPH11111204A
JPH11111204A JP29055497A JP29055497A JPH11111204A JP H11111204 A JPH11111204 A JP H11111204A JP 29055497 A JP29055497 A JP 29055497A JP 29055497 A JP29055497 A JP 29055497A JP H11111204 A JPH11111204 A JP H11111204A
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喜明 円谷
Keiji Koyanagi
慶二 小柳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィラメントの長さ方向(焦点長さ方向)に
ついて電子ビームを偏向し陽極の熱膨張によるX線源の
移動を補償することができるX線管を提供する。 【解決手段】 図2はX線管の陰極要部の拡大図で、集
束体(9)は電磁石部(22)とフィラメント支持部
(23)とから成る。電磁石部(22)は、集束体
(9)の外周部を構成し、集束溝部(21)と共に磁路
を形成する。コイル巻部(24)にはコイル(10)が
巻かれ、X線管の外部に設けられた電磁石電源(25)
より励磁電流が供給される。集束溝部(21)には偏向
磁場が形成され、この偏向磁場強度に応じてフィラメン
ト(5)からの熱電子は焦点長さ方向に偏向される。こ
のとき、X線源の位置が熱電子の焦点長さ方向での偏向
距離に従って移動するので、コイル(10)の励磁電流
を変えて、X線源の移動量を補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線CT装置など
に使用されるX線管に係り、特にX線源(焦点)を形成
する電子ビームをX線管軸と直交する半径方向(焦点長
さ方向)に偏向して、X線源を移動することができるX
線管に関する。
【0002】
【従来の技術】X線管は、図7に示す如く、負電位を持
つ陰極1と、この陰極1に対向して配置された正電位を
持つ傘形のターゲット3と、このターゲット3に結合さ
れた筒状のロータ12と、このロータ12の内側に同軸
で配置された回転軸(図示せず)と、回転軸とロータ1
2の間に配設された筒状の固定部13と、この固定部1
3と回転軸の間に配設され、回転軸を固定部13に対し
て回転自在に支持する軸受(図示せず)とから成る陽極
2と、陰極1と陽極2とを真空気密に内部に封入する外
囲器4とで構成される。陰極1は、熱電子を放出するフ
ィラメント5と、この熱電子をターゲット3上に集束さ
せて所望のサイズのX線源(焦点)8を形成するための
集束溝を有する集束体6とから成る。集束体6とフィラ
メント5の一端は通常同電位に保持されている。
【0003】X線管には、使用中陰極1と陽極2との間
に百数十kVの高電圧が印加され、フィラメント5から
放出された熱電子がターゲット3のX線源8に衝突する
ことによりX線が発生すると共に、ターゲット3に熱が
発生する。この熱により、ターゲット3の全体は約1,
000゜C程度に加熱され、同時に陽極2の各部も温度
上昇し、数100゜Cに達する。この陽極2の温度上昇
により、陽極2の各部が熱膨張し、その結果ターゲット
3がX線管軸方向に沿って陰極側へ移動する。X線管の
負荷印加の前後において、その移動距離は、大きいもの
では500μm以上にも達する。この陽極2の熱膨張に
起因するターゲット3の移動の結果、X線源8もX線管
軸方向に同量だけ変位することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、X線管の
使用中にフィラメント5からの熱電子がターゲット3に
衝突することにより、衝突時に発生する熱エネルギーが
ターゲット3に蓄積され、陽極2が加熱され、陽極2全
体として陰極側に熱膨張し、その結果として、X線源8
の位置は陰極側に移動する。本来、X線源8はX線管の
X線放射中心にあるべきであるが、X線管の負荷印加中
にX線源8が陰極側に移動してしまうことにより、X線
管の放出するX線量分布が変動し、撮像するX線画像に
多大の悪影響を与える。この影響は、X線CT装置にお
いて顕著に現われ、特に小さなスライス幅で使用した場
合に画像の劣化が甚だしい。
【0005】このX線源8の移動の問題に対するX線管
での対応策としては、X線管の陰極構造を変更してX線
源の移動を補償する技術が提案されている。X線源を移
動する技術としては、陰極部分に偏向電界をかけて電子
ビームを偏向する技術や複数のフィラメントを使用して
電子ビームを移動させる技術などが開示されている。
【0006】前者の例としては、USP No.4,6
89,809号に、集束体をフィラメントの長手方向を
中心線にして両側に2つの半片集束体に分割し、かつ両
者を絶縁して、いずれか一方の半片集束体にバイアス電
圧を印加して、フィラメントの長手方向と直角方向に偏
向電界を作ることにより、フィラメントから放出された
熱電子を半片集束体の一方側に偏向する技術が開示され
ている。また、USPNo.4,229,657号に
は、陰極と陽極の中間に電子ビームを偏向する偏向電極
を陰極とは独立して設けて、フィラメントからの熱電子
を偏向する技術が開示されている。
【0007】後者の例としては、特開平8−27356
7号公報に、集束体に複数個の集束溝を設け、これらの
集束溝にフィラメント長さ方向に予め決められた間隔で
フィラメント取付位置をずらして同じ長さのフィラメン
トを平行に取り付け、各フィラメントを管軸中心に近い
ものから順次点灯を切り替えて行くことにより、ターゲ
ット上に形成されるX線源の位置を管軸中心から外側に
向けて移動させる技術が開示されている。
【0008】しかし、陰極部分に電界をかけて電子ビー
ムを偏向する技術については、フィラメントの長さ方向
と垂直な方向について電子ビームを偏向するものである
ので、管軸方向のX線源の移動には対応できない。ま
た、複数のフィラメントを使用して電子ビームを移動さ
せる技術については、複数のフィラメントを集束体に配
置するため集束体の構造が複雑になること、フィラメン
ト加熱のためのリード線が増加するため、リード線を導
入するのに、高電圧ケーブルの端子数を増加しなければ
ならないことなどの問題点がある。
【0009】このため、本発明では、フィラメントの長
さ方向(焦点長さ方向)について電子ビームを偏向し陽
極の熱膨張によるX線源の移動を補償することができる
X線管を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のX線管は、熱電子を放出するフィラメント
と、該フィラメントから放出された熱電子を陽極のター
ゲット上に集束する集束体とを含む陰極と、該陰極に対
向して配置され、その対向面上に前記熱電子を受けてX
線を放射する焦点を形成するターゲットを含む陽極と、
陰極および陽極とを真空気密に封入する外囲器とを具備
するX線管において、前記集束体の一部に磁路を構成
し、前記集束体のフィラメントの周辺部に前記熱電子を
偏向する偏向磁場を形成する偏向磁場発生手段を具備
し、該偏向磁場発生手段により前記フィラメントから放
出された熱電子を前記焦点の長さ方向に偏向するもので
ある(請求項1)。
【0011】この構成では、集束体に設けた偏向磁場発
生手段により、フィラメントの周辺部に偏向磁場を形成
し、フィラメントから放出された熱電子を焦点の長さ方
向に偏向することができるので、陽極の温度上昇により
X線源(焦点)の移動距離が大きくなるのに合わせて、
偏向磁場の磁束強度を上昇させることにより熱電子の偏
向距離を大きくして、X線源(焦点)の移動を補償する
ことができる。
【0012】本発明のX線装置は、上記のX線管および
X線制御手段を含み、前記X線制御手段が前記X線管の
動作中の焦点位置のX線管軸方向の変位を検出する焦点
位置移動検出手段を具備し、該焦点位置移動検出手段か
らの焦点位置移動情報に基づき前記偏向磁場発生手段に
よって発生される偏向磁場の磁場強度を調整するもので
ある(請求項2)。
【0013】この構成では、X線装置に本発明のX線管
と焦点位置検出手段が適用されているので、X線管の焦
点の移動量が焦点移動量検出手段により検出されて、そ
の情報により、X線管の偏向磁場発生手段のコイルの励
磁電流を自動的に調整することができるので、X線受光
系より見た焦点の移動はなくなり、X線画像上の問題は
解決される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。図1に本発明のX線管の第1の実
施例の基本構成の概略図を、図2に陰極要部の拡大図
を、図3にX線源の移動量補償の説明図を示す。
【0015】図1において、本実施例のX線管は、熱電
子を放出する陰極1と、この陰極1に対向して配置され
た陽極2と、陰極1と陽極2を真空気密に封入する外囲
器4とから構成される。陰極1は、熱電子を放出するフ
ィラメント5と、このフィラメント5からの熱電子を集
束する集束溝部21を有する集束体9とを備え、フィラ
メント5は集束溝部21内に取り付けられている。集束
体9は、電磁石としての構造を有し、フィラメント5の
周辺に磁場を形成し、この磁場によりフィラメント5か
らの熱電子を偏向する。集束体9の周辺の構造の詳細お
よびフィラメント5からの熱電子の偏向については後に
述べる。
【0016】陽極2は、陰極1のフィラメント5からの
熱電子が衝突してX線を発生する傘形のターゲット3
と、ターゲット3を支持するロータ12と、ロータ12
を軸受を介して回転自在に支持する固定部13とを具備
する。陽極2には、X線管への負荷印加中に熱が蓄積さ
れ、ターゲット3が温度上昇し、約1,000°Cまで
加熱される。この熱の一部は、熱伝導によりロータ12
や固定部13などの陽極部材を約100〜800゜Cに
温度上昇させる。この結果、陽極部材全体として管軸方
向に熱膨張し、ターゲット3上のX線源(焦点)8が移
動する。このX線源8の移動量は大きいものでは約50
0μm以上になる。
【0017】図2は、本発明のX線管の陰極要部の拡大
図である。図2において、集束体9の一部が電磁石を構
成している。集束体9は集束溝部21を有し、電磁石部
22とフィラメント支持部23とから構成される。電磁
石部22は、集束体9の外周部を構成し、集束溝部21
と共に磁路を形成する。電磁石部22のコイル巻部24
にはコイル10が巻かれている。このコイル10にはX
線管の外部に設けられた電磁石電源25より励磁電流が
供給される。このコイル10に励磁電流を供給すること
により、集束溝部21に矢印の方向(x軸方向)の偏向
磁場Bが形成される。この偏向磁場Bの磁束密度は電磁
石電源25に含まれる電流調整器26にて励磁電流を変
化させることにより調整される。
【0018】フィラメント支持部23はフィラメント5
を支持する部分であり、ステンレス鋼などの非磁性体か
ら成り、電磁石部22の内側に嵌め込まれて固定されて
いる。フィラメント支持部23には、フィラメント取付
穴が設けられ、セラミックスなどの耐熱性絶縁物を介し
て、ねじ止めまたはろう付けによりフィラメント5が取
り付けられている。
【0019】電磁石部22は純鉄などの強磁性体から成
り、コイル巻部24はコイル10の巻き易い形状に加工
されている。図示のものでは、板状に加工されている。
フィラメント支持部23のコイル巻部24に対向する部
分には凹み部27が設けられている。コイル10として
は、銅線などの導電性の良い金属線が用いられる。銅線
の絶縁にはセラミックスなどの耐熱性絶縁物が用いら
れ、銅線の表面にかぶせるとか、コイル巻部24にコイ
ル10を巻くための溝を設け、その溝に絶縁物を配設す
るとかの方法がとられる。
【0020】図2の如く構成された陰極を有するX線管
において、陰極・陽極間に高電圧を印加し、コイル10
に電磁石電源25から励磁電流を流すと、フィラメント
5から放出された熱電子は、集束溝部21に形成された
偏向磁場Bにより、フィラメント5の長さ方向(焦点長
さ方向)に偏向される。熱電子の偏向距離は偏向磁場の
磁束密度によって変化するので、電磁石電源25からの
励磁電流の調整により熱電子の偏向距離を調整すること
ができる。
【0021】図3は、本発明でのX線源の移動量補償の
原理を説明するための図である。図3においては、図2
の場合と同様、管軸方向をz軸、フィラメント長さ方向
をy軸、フィラメント長さ方向に直交する方向をx軸と
する。図3には、簡単のため、陰極1としてはフィラメ
ント5を、陽極2としてはターゲット3の輪郭のみを示
した。また、フィラメント5からの熱電子の偏向がフィ
ラメント5の長さ方向(y軸方向)のみであるので、図
3ではX線管のフィラメント5の長さ方向の断面(y−
z平面)を示している。図3において、フィラメント5
の周辺の偏向磁場Bは紙面に垂直な方向(x軸方向)を
向いている。
【0022】偏向磁場が印加されていない状態で、陽極
2が冷状態のときには、ターゲット3は3aの位置にあ
る。この状態で、X線管に負荷を印加すると、フィラメ
ント5からの熱電子は、電子軌道7aを描いて、ターゲ
ット3a上に衝突し、X線源(焦点)8a(中心位置1
1a)を形成する。この時に、X線源の中心位置11a
を管軸(z軸)方向に投影すると、投影位置は14aと
なる。次に、X線管に継続して負荷印加すると、陽極2
は加熱状態となり、陽極2全体が熱膨張するため、ター
ゲット3は3bの位置に移動する。その結果、X線源8
aの位置も、ターゲット3と共に移動し、X線源の中心
位置11a’のz軸への投影位置は14bに移動する。
X線源8の移動量は、上記の投影位置14aと14bと
の間の距離で表わされ、この距離は上述の如く大きいも
のでは約500μmにも達する。
【0023】本発明では、このX線源8の移動量を補償
するために、フィラメント5の周辺に偏向磁場Bを印加
している。偏向磁場Bをx軸方向に印加すると、フィラ
メント5から放出された熱電子に対し、y軸方向のロー
レンツ力が働き、電子軌道は7bの如くy軸方向に曲げ
られる。従って、ターゲット3が加熱された状態で、偏
向磁場Bを印加すると、フィラメント5からの熱電子の
電子軌道7bはy軸方向に偏向されて加熱状態のターゲ
ット3bに衝突し、X線源8bを形成する。X線源8b
の中心位置は11bとなる。従って、この中心位置11
bのz軸への投影位置14b’を投影位置14aに一致
するように偏向磁場Bの磁場強度を調整すれば、陽極の
熱膨張によるX線源8の移動量を補償することができ
る。
【0024】図3において、フィラメント5から放出さ
れた熱電子15(電荷−e)がz軸方向に速度vで運動
しているときに、磁束密度Bの偏向磁場がx軸方向に印
加されると、熱電子15は磁束密度Bの方向および熱電
子の運動方向に垂直なy軸方向にローレンツ力Fを受け
る。このローレンツ力Fは磁束密度Bおよび熱電子の速
度vに比例し、このローレンツ力Fにより、熱電子15
の軌道は、7bの如く変化する。偏向磁場Bの存在領域
は集束体9の集束溝部21の周辺のみであるので、この
領域で偏向磁場Bによって偏向された熱電子15は、そ
の後、陰極−陽極間の電圧によって加速されて、ターゲ
ット3に向けてほぼ直進する。
【0025】熱電子15のターゲット3b上での偏向距
離をy、偏向磁場の平均磁束密度をBm、偏向磁場の存
在領域の長さ(z軸方向)をl、X線管電圧をV0、陰
極−陽極間の距離をL、電子の電荷をe、電子の質量を
mとすると、偏向距離yは大略式(1)にて表わすこと
ができる。
【数1】 ここで、偏向磁場の存在領域の長さlは、集束体9の集
束溝の深さdと同等になるので、この集束溝の深さdで
代用することも可能である。
【0026】一例として、X線管電圧V0を120k
V,陰極−陽極間の距離Lを16mm,集束溝の深さd
を4mmとした場合、熱電子15の偏向距離yと偏向磁
場の平均磁束密度Bmとの関係は式(1)より図4に示
す如くなる。すなわち、両者の関係は、直線で表わされ
る。ここで、X線管のターゲット角度を7°,ターゲッ
ト3の移動量を500μmとすると、このX線源8の移
動量を補償するために必要な熱電子15の偏向距離yは
約4mmとなる。この結果、偏向磁場の平均磁束密度B
mを7.3×10‐2T(テスラ)とすれば、この時のX
線源8の移動を補償することができる。
【0027】次に、X線源の移動量を検出する手段につ
いて説明する。ここでは、一例として、X線管の陽極の
熱蓄積状態と関連付けてX線源の移動量を把握する方法
を説明する。図5は、X線管に負荷を印加したときの経
過時間と陽極蓄積熱量およびX線源の移動量との関係を
示したものである。横軸は負荷印加または陽極冷却の経
過時間を、縦軸Aは陽極蓄積熱量を、縦軸BはX線源の
移動量を示す。X線管の負荷は、グラフAに示す如く、
陽極蓄積熱量が、最大陽極熱容量のほぼ100%値に達
するまで印加され、その後陽極は冷却される。また、X
線管の負荷が印加されると、陽極が温度上昇し、熱膨張
するので、X線源もグラフBに示す如く移動を開始し、
X線管の負荷が最大陽極蓄積熱量に達し、平衡状態にな
ると、X線源の移動量も平衡状態になる。冷却時には、
高温になった陽極は熱輻射により急激に温度が低下する
ため、陽極の熱膨張量が小さくなり、X線源の移動量も
小さくなる。陽極の温度が低くなると、冷却は熱伝導に
よるものが支配的になり、冷却速度が遅くなり、陽極蓄
積熱量も、X線源の移動量も徐々に小さくなる。このよ
うなX線管の負荷入力と陽極蓄積熱量およびX線源の移
動量との関係を把握しておくことにより、陽極蓄積熱量
とX線源の移動量との関係を、計算またはグラフなどで
求めることが可能となる。
【0028】更に、X線源の移動量を検出する手段とし
ては、X線検出器を用いて直接測定する方法もある。こ
の方法では、X線が放射される方向の、X線源と対向す
る位置にX線検出器を配置し、X線源の移動によるX線
量分布の変化を利用して、X線量の変化を検出してX線
源の移動量を把握するものである。
【0029】以上述べた如く、X線源の移動量を検出す
る手段はいくつかあるが、本発明ではこれらのうちの1
手段をX線管の外に設けておき、このX線源移動量検出
手段を使用することにより、X線管使用中のX線源の移
動量を求め、これをX線源の位置情報としてX線装置の
X線制御部に供給し、X線制御部に含まれる電磁石電源
25の電流調整器26によりX線管の電磁石部22のコ
イル10に流す励磁電流を適正値に調整する。その結
果、電磁石部22によって形成される集束溝部21の偏
向磁場Bが変化し、フィラメント5から放出される熱電
子15の偏向距離yが適正値に調整され、X線源の移動
量が補償される。
【0030】次に、集束体9の集束溝部21の周辺に作
る偏向磁場の平均磁束密度Bmの制御について述べる。
集束体9のコイル巻部22に巻かれたコイル10に流す
電流Iと偏向磁場の平均磁束密度Bmとの間には式
(2)の関係がある。
【数2】 すなわち、比例関係がある。比例定数αは集束体9の電
磁石部22の材質,形状,コイル10の巻数で決まる定
数である。上記の集束体9の例では、α=2.04×1
0‐2(T/A)となる。このときの偏向磁場の平均磁
束密度Bmとコイルに流す電流Iとの関係は、図6に示
す如くなっている。
【0031】さらに、式(2)の関係を式(1)に代入
すると、コイルに流す電流Iと熱電子の偏向距離yとの
関係は、式(3)で表わすことができる。
【数3】 この式を用いることにより、偏向距離yに対するコイル
電流Iの設定が可能となり、コイル電流Iにより偏向距
離yを制御することが可能となる。
【0032】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、陰
極の集束体の集束溝部にフィラメントの長さ方向(焦点
長さ方向)と直交する偏向磁場が形成され、この偏向磁
場により熱電子の軌道を焦点長さ方向に偏向でき、さら
にこの偏向磁場の磁束密度をコイル電流を調整すること
により容易に制御することができるので、X線源の移動
量を容易に補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線管の第1の実施例の基本構成の概
略図。
【図2】陰極要部の拡大図。
【図3】X線源の移動量補償の説明図。
【図4】電子ビームの偏向量と磁束密度の関係を示す
図。
【図5】X線源移動量と陽極蓄積熱量との関係を示す
図。
【図6】電磁石コイルの電流と磁束密度の関係を示す
図。
【図7】従来のX線管の一例の基本構成を示す概略図。
【符号の説明】
1 陰極 2 陽極 3,3a,3b ターゲット 4 外囲器 5 フィラメント 6,19 集束体 7,7a,7b 電子軌道 8,8a,8b X線源(焦点) 10 コイル 11a,11a’,11b X線源の中心位置 12 ロータ 13 固定部 14a,14b,14b’ 投影位置 15 熱電子 21 集束溝部 22 電磁石部 23 フィラメント支持部 24 コイル巻部 25 電磁石電源 26 電流調整器 27 凹み部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電子を放出するフィラメントと、該フ
    ィラメントから放出された熱電子を陽極のターゲット上
    に集束する集束体とを含む陰極と、該陰極に対向して配
    置され、その対向面上に前記熱電子を受けてX線を放射
    するX線源(以下、焦点という)を形成するターゲット
    を含む陽極と、陰極および陽極とを真空気密に封入する
    外囲器とを具備するX線管において、前記集束体の一部
    に磁路を構成し、前記集束体のフィラメントの周辺部に
    前記熱電子を偏向する偏向磁場を形成する偏向磁場発生
    手段を具備し、該偏向磁場発生手段により前記フィラメ
    ントから放出された熱電子を前記焦点の長さ方向に偏向
    することを特徴とするX線管。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のX線管およびX線制御手
    段を含むX線装置において、前記X線制御手段が前記X
    線管の焦点位置のX線管軸方向の変位を検出する焦点位
    置移動検出手段を具備し、該焦点位置移動検出手段から
    の焦点位置移動情報に基づき前記偏向磁場発生手段によ
    って発生される偏向磁場の磁場強度を調整することを特
    徴とするX線装置。
JP29055497A 1997-10-08 1997-10-08 偏向磁場発生手段を有するx線管およびそのx線管を具備するx線装置 Pending JPH11111204A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015507835A (ja) * 2012-01-18 2015-03-12 バリアン・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド 磁性電子ビーム操縦性を有するx線管陰極

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