JPH11111564A - Cr複合電子部品とその製造方法 - Google Patents

Cr複合電子部品とその製造方法

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JPH11111564A
JPH11111564A JP9289110A JP28911097A JPH11111564A JP H11111564 A JPH11111564 A JP H11111564A JP 9289110 A JP9289110 A JP 9289110A JP 28911097 A JP28911097 A JP 28911097A JP H11111564 A JPH11111564 A JP H11111564A
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克彦 五十嵐
Atsushi Masuda
淳 増田
Tomoko Uchida
知子 内田
Yasumichi Tokuoka
保導 徳岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な焼成条件を必要とせず、製造工程も簡
単で、生産コストも安く、CRまたは(L/C)R直列
回路が簡単に得られ、抵抗値の制御も容易であるCR複
合電子部品およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 誘電体層2と内部電極3とが交互に積層
されており、前記内部電極3と、CR複合電子部品の端
部に形成された端子電極とがキャパシタとなるように電
気的に接続され、前記端子電極の少なくとも一方は内部
電極側から第1〜第3の電極層(4、5、6)を順次有
し、第1の電極層4はFe,Co,CuおよびNiの1
種または2種以上を有し、第2の電極層5は前記第1の
電極層の酸化物を有し、第3の電極層6はAg,Au,
Pt、Pd,Rh,IrおよびRuの1種または2種以
上を有するCR複合電子部品とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性セラミック
誘電体層を有する積層型のキャパシタに、抵抗ないしイ
ンピーダンス要素を付加したCR複合電子部品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、電子機器の電源の多くには、スイ
ッチング電源やDC−DCコンバータが用いられてい
る。これらの電源に使用されるコンデンサとして電源バ
イパス用のコンデンサがある。この電源バイパス用コン
デンサは、その電源容量やスイッチング周波数、併用さ
れる平滑コイル等の回路パラメータに応じて、低容量の
積層セラミックコンデンサと、高容量のアルミあるいは
タンタルといった電解コンデンサが用いられてきた。と
ころで、電解コンデンサは、容易に大容量が得られ、電
源のバイパス用(平滑用)コンデンサとしては優れた面
を有するが、大型で、低温特性に劣り、短絡事故の恐れ
があり、しかも内部インピーダンスが比較的高いため、
等価直列抵抗(ESR)による損失が定常的に発生し、
それに伴う発熱を生じ、しかも周波数特性が悪く、平滑
性が悪化するといった問題を有している。また、近年、
技術革新により、積層セラミックコンデンサの誘電体や
内部電極の薄層化、積層化技術の進展に伴い、積層セラ
ミックコンデンサの静電容量が、電解コンデンサの静電
容量に近づきつつある。このため、電解コンデンサを積
層セラミックコンデンサに置き換えようとする試みも種
々なされている。
【0003】電源のバイパス用のコンデンサにおいては
平滑作用を示すファクターとしてリップルノイズが重要
である。リップルノイズをどの程度に抑えるかは、コン
デンサの等価直列抵抗(ESR)により決まる。ここ
で、リップル電圧をΔVr 、チョ−クコイルに流れる電
流をΔi、等価直列抵抗をESRとすると、 ΔVr =Δi×ESR と表され、ESRを低下させることによりリップル電圧
が抑制されることがわかる。従って、電源のバイパス回
路においては、ESRの低いコンデンサを使用すること
が好ましく、ESRの低い積層セラミックコンデンサを
電源回路に用いる試みもなされている。
【0004】ところが、帰還回路を有するDC−DCコ
ンバータやスイッチング電源等の2次側回路では、平滑
回路のESRが帰還ループの位相特性に大きな影響を与
え、特にESRが極端に低くなると問題を生じることが
ある。すなわち、平滑用コンデンサとしてESRの低い
積層セラミックコンデンサを使用した場合、2次側平滑
回路が等価的にLとC成分のみで構成されてしまい、回
路内に存在する位相成分が±90°および0°のみとな
り、位相の余裕がなくなり容易に発振してしまう。同様
な現象は3端子レギュレータを用いた電源回路において
も負荷変動時の発振現象として現れる。
【0005】このため、積層セラミックコンデンサに抵
抗成分を付加した、いわゆるCR複合電子部品も種々提
案されている。例えば、特開平8−45784号公報に
は、積層セラミックコンデンサの端部を炭化物と還元剤
を用いて半導体化した複合電子部品について記載されて
いる。しかし、その製造方法は、積層セラミックコンデ
ンサ素体に外部電極用ペーストを塗布し、これを一旦還
元性雰囲気中で仮焼し、バインダーを炭化して残留さ
せ、さらに700〜750℃で焼き付けることにより前
記炭化物を還元剤として作用させ、半導体化させてい
る。また抵抗値の制御は還元剤の量で行っている。しか
し、この方法では半導体化する工程が複雑であり、端子
電極を形成する工程を含めると、3回もの熱処理を必要
とし、生産性が低下し、エネルギーコストが高くなる。
しかも、抵抗値の制御が還元剤の量で行われているた
め、所望の値を正確に得ることが困難であり、回路設計
が困難になると共に、製品間のバラツキも多く、量産化
した場合の歩留まりも悪い。
【0006】また、例えば、特開昭59−225509
号公報に記載されているように、積層セラミックコンデ
ンサに、さらに酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストを積
層し、これを同時焼成して抵抗体としたものも知られて
いる。しかし、このものは、そのまま端子電極を設けた
場合、等価回路がC/Rまたは(LC)/Rの並列回路
となり、直列回路を得ることができない。また、直列回
路を得るためには端子電極の形状が複雑となり、製造工
程も複雑なものとなってしまう。
【0007】特許第2578264号公報には、外部電
極の表面に金属酸化膜を設けて所望の等価直列抵抗とし
たCR複合部品が記載されている。しかしながら、同公
報の実施例に記載されているCR複合部品は、ニッケル
の端子電極を加熱処理して金属酸化膜を形成するもの
で、抵抗値の調整はバレル研磨によりこの金属酸化膜の
膜厚を調整することにより行っている。このため、所望
の抵抗値を得ることが困難であり、抵抗値の調整も煩雑
で量産性に劣る。また、形成された金属酸化膜の上に、
さらにニッケル層を無電解メッキにより設けているが、
この方法では端子部位以外にメッキが付着しないようマ
スクを設ける必要があり、製造工程が増加する。さらに
付着した、ニッケルメッキと金属酸化膜との接着性が悪
く、ニッケルメッキにリ−ド線を設けた場合、このリー
ド線が容易に剥離してしまう。
【0008】なお、平滑コンデンサに対して直列に抵抗
を接続する方法もあるが、コストが高く実用的でない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、特
別な焼成条件を必要とせず、製造工程も簡単で、生産コ
ストも安く、CRまたは(L/C)R直列回路が簡単に
得られ、抵抗値の制御も容易であり、リード線の接着強
度も強固なCR複合電子部品およびその製造方法を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の
(1)〜(12)の構成により達成される。 (1) 誘電体層と内部電極とが交互に積層されてお
り、前記内部電極と、CR複合電子部品の端部に形成さ
れた端子電極とがキャパシタとなるように電気的に接続
され、前記端子電極の少なくとも一方は内部電極側から
第1〜第3の電極層を順次有し、第1の電極層はFe,
Co,CuおよびNiの1種または2種以上を含有し、
第2の電極層は前記第1の電極層の酸化物を含有し、第
3の電極層はAg,Au,Pt,Pd,Rh,Irおよ
びRuの1種または2種以上を含有するCR複合電子部
品。 (2) 前記第2の電極層は、酸化物としてFeO,α
−Fe23 ,γ−Fe23 ,Fe34 ,CoO,C
34 ,Cu2O,Cu34 ,CuO,NiOの1種
または2種以上を含有する上記(1)のCR複合電子部
品。 (3) 前記第1の電極層は、Ag,Au,Pt,P
d,Rh,IrおよびRuの1種または2種以上を10
wt%以下含有する上記(1)または(2)のいずれかの
CR複合電子部品。 (4) 前記第1〜第3の電極層は、ガラスを0〜20
wt%含有する上記(1)〜(3)のいずれかのCR複合
電子部品。 (5) 等価回路がCRまたは(LC)R直列回路を有
する上記(1)〜(4)のいずれかのCR複合電子部
品。 (6) 前記内部電極層がNiを含有する上記(1)〜
(5)のいずれかのCR複合電子部品。 (7) 前記端子電極の外側にメッキ層を有する上記
(1)〜(6)のいずれかのCR複合電子部品。 (8) 誘電体層と、内部電極層とを交互に積層してグ
リーンチップを形成し、これを焼成してチップ体とし、
このチップ体に第1の電極層用ペーストを塗布し、中性
または還元性雰囲気で焼成して第1および第2の電極層
の前駆体を形成し、さらにこの上に第3の電極層用ペー
ストを塗布し、これを酸化性雰囲気中で焼成して、前記
第1および第2の電極層の前駆体の第3の電極層との界
面付近を酸化し、前記第1〜第3の電極層を形成して上
記(1)〜(8)のいずれかのCR複合部品を得るCR
複合電子部品の製造方法。 (9) 前記第1の電極層用ペーストまたは第2の電極
層用ペーストは、平均粒径0.1〜10μm の金属粒子
を有する上記(8)のCR複合電子部品。 (10) 誘電体層と、内部電極層とを交互に積層して
グリーンチップを形成し、これを焼成してチップ体と
し、このチップ体に第1の電極層用ペーストを塗布し、
さらにこの上に第3の電極層用ペーストを塗布し、中性
または還元性雰囲気で焼成し、冷却過程中にこれを酸化
性雰囲気として、前記第1の電極層用ペースト焼成体の
第3の電極層との界面付近を酸化し、前記第1、第2お
よび第3の電極層を形成して上記(1)〜(7)のいず
れかのCR複合部品を得るCR複合電子部品の製造方
法。 (11) 誘電体層と、内部電極層とを交互に積層して
グリーンチップを形成し、このグリーンチップに第1の
電極層用ペーストを塗布し、さらにこの上に第3の電極
層用ペーストを塗布し、還元性雰囲気で焼成し、さらに
冷却過程中で酸化性雰囲気として、前記第1の電極層用
ペースト焼成体の第3の電極層との界面付近を酸化し、
前記グリーンチップ、第1、第2および第3の電極層を
形成して上記(1)〜(7)のいずれかのCR複合部品
を得るCR複合電子部品の製造方法。 (12) 第1の電極層はNiを含有し、第3の電極層
はPd,Pt,Rh,IrおよびRuの1種または2種
以上を含有する上記(10)または(11)のCR複合
電子部品の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のCR複合電子部品は、誘
電体層と内部電極とが交互に積層されており、前記内部
電極と、CR複合電子部品の端部に形成された端子電極
とがキャパシタとなるように電気的に接続され、前記端
子電極の少なくとも一方は内部電極側から第1〜第3の
電極層を順次有し、第1の電極層はFe,Co,Cuお
よびNiの1種または2種以上を含有し、第2の電極層
は前記第1の電極層の酸化物を含有し、第3の電極層は
Ag,Au,Pt,Pd,Rh,IrおよびRuの1種
または2種以上を含有する。このように、端子電極を3
層構造とし、第1の電極層の酸化物で第2の電極層を形
成することにより、抵抗の高い第2の電極層が等価的に
キャパシタに直列に接続される抵抗成分となり、コンデ
ンサの等価直列抵抗(ESR)が制御されたCR複合電
子部品となる。
【0012】第1の電極層はFe,Co,CuおよびN
iの1種または2種以上を含有し、好ましくはCu,N
iおよびCu−Ni合金を含有する。また、これらの第
1の電極層用金属に加えてAg,Au,Pt,Pd,R
h,IrおよびRu等の金属、特にAgを、好ましくは
10wt%以下、より好ましくは5wt%以下程度含有して
いてもよい。前記第1の電極層用金属にこれらの金属を
添加する場合、粉の状態で添加する必要はなく、第1の
電極層用金属粒子にこれらの金属がコーティングされた
ものや、第1の電極層用金属と、これらの金属との傾斜
機能粉末を用いてもよい。
【0013】前記第1の電極層用金属の平均粒径は、好
ましくは0.01〜100μm 、特に0.1〜30μm
の範囲が好ましい。第1の電極層用金属の粒径が前記範
囲より小さいと、複数の種類の金属を用いる場合、金属
同士の凝集が激しくなり、焼成時に完全に金属成分同士
が固溶し難くなる。第1の電極層用金属の粒径が前記範
囲より大きいと、ペースト化が困難となってくる。
【0014】第1の電極層あるいはその前駆体の形成方
法としては、特に限定されるものではないが、通常のデ
ィッピング法、スクリーン印刷法、転写法、乾式メッキ
法が好ましく、特にディッピング法が好ましい。形成さ
れる第1電極の厚さは、特に限定されるものではない
が、通常5〜100μm 、特に10〜80μm 程度が好
ましい。
【0015】第1の電極層あるいはその前駆体をディッ
ピング法等により設けるには、前記第1の電極層用金属
と有機ビヒクルとを混練し、ペーストとしたものを用い
ればよい。端子電極ペーストには、通常前記第1の電極
層用金属の他に無機結合剤としてのガラスフリット、有
機バインダーおよび溶剤が含有される。端子電極ペース
トの第1の電極層用金属の含有量は、好ましくは50〜
90wt%、より好ましくは60〜80wt%程度の範囲が
好ましい。
【0016】また、第3の電極層は、第3の電極層用金
属としてAg,Au,Pt,Pd,Rh,IrおよびR
uの1種または2種以上を含有し、好ましくはAgまた
はPt、Pdであり、特にAgを含有することが好まし
い。第3電極層の形成方法は第1電極層に準ずればよ
い。形成される第3電極の厚さは、特に限定されるもの
ではないが、通常5〜100μm 、特に10〜50μm
程度が好ましい。第3の電極層は第1の電極層の過剰な
酸化を防止し、メッキ付き性を良好にする。第1の電極
層が過剰に酸化された場合、容量が低下し、コンデンサ
としての機能が著しく低下する。
【0017】前記第3の電極層用金属の平均粒径は、好
ましくは0.01〜100μm 、特に1〜30μm の範
囲が好ましい。第3の電極層用金属の粒径が前記範囲よ
り小さいと、複数の種類の金属を用いる場合、金属同士
の凝集が激しくなり、焼成時に完全に金属成分同士が固
溶し難くなる。第3の電極層用金属の粒径が前記範囲よ
り大きいと、ペースト化が困難となってくる。
【0018】第3の電極層の形成方法としては、第1の
電極層と同様でよい。形成される第3電極の厚さは、特
に限定されるものではないが、通常5〜100μm 、特
に10〜80μm 程度が好ましい。
【0019】第3の電極層をディッピング法等により設
けるには、上記第1の電極層の場合に準ずればよい。端
子電極ペーストの第1の電極層用金属の含有量は、好ま
しくは50〜95wt%、より好ましくは60〜90wt%
程度の範囲が好ましい。
【0020】第1の電極層と第3の電極層は、素体との
密着性および導電材の焼結を補助するためのガラスを含
有する。このようなガラスとして、特に限定されるもの
ではないが、第1の電極層に用いる場合、還元性または
中性雰囲気中で焼成するため、このような雰囲気中でも
ガラスとして機能するものであればよい。例えば、ケイ
酸ガラス(SiO2 :20〜80wt%、Na2O:80
〜20wt%)、ホウケイ酸ガラス(B23 :5〜50w
t%、SiO2 :5〜70wt%、PbO:1〜10wt
%、K2O:1〜15wt%)、アルミナケイ酸ガラス
(Al23 :1〜30wt%、SiO2 :10〜60wt
%、Na2O:5〜15wt%、CaO:1〜20wt%、
23 :5〜30wt%)から選択されるガラスフリッ
トの、1種または2種以上を用いればよい。これに必要
に応じて、CaO:0.01〜50wt%,SrO:0.
01〜70wt%,BaO:0.01〜50wt%,Mg
O:0.01〜5wt%,ZnO:0.01〜70wt%,
PbO:0.01〜5wt%,Na2O:0.01〜10w
t%,K2 O:0.01〜10wt%,MnO2 :0.0
1〜20wt%等の添加物を所定の組成比となるように混
合して用いればよい。またこれらは総計で50wt%以下
添加してもよい。ガラスの含有量は特に限定されるもの
ではないが、通常、第1の電極層の場合、金属成分に対
して0.5〜20wt%、好ましくは0.5〜15wt%程
度、第3の電極層の場合、金属成分に対して0〜20wt
%、好ましくは0.5〜15wt%程度である。第3の電
極層にはガラスを有しなくてもよい。ガラスフリットの
平均粒径としては、好ましくは0.01〜30μm 程度
が好ましい。ガラスフリットの平均粒径が前記範囲より
小さいと、ガラスの凝集が激しくなり、導電材の局所的
な焼結効果をもたらし、端子電極のクラックを発生させ
る要因となる。平均粒径が前記範囲より大きいと、ガラ
スの分散が悪くなり、金属の固溶が抑制されると共に、
端子電極とチップ体との接着性が低下してくる。
【0021】有機バインダーとしては、特に限定される
ものではなく、セラミックス材のバインダーとして一般
的に使用されているものの中から、適宜選択して使用す
ればよい。このような有機バインダーとしては、エチル
セルロース、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げら
れ、溶剤としてはターピネオール、テルピネオール、ブ
チルカルビトール、ケロシン等が挙げられる。ペースト
中の有機バインダーおよび溶剤の含有量は、特に制限さ
れるものではなく、通常使用されている量、例えば有機
バインダー1〜5wt%、溶剤10〜50wt%程度とすれ
ばよい。
【0022】さらに、第1の電極層および第3の電極層
用ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、
誘電体、絶縁体等の添加物が含有されていてもよい。こ
れらの総含有量は、10wt%以下であることが好まし
い。
【0023】第2の電極層は、第1の電極層(第1およ
び第2の電極層の前駆体)に含有される第1の電極層用
金属が酸化されることにより形成される。すなわち、酸
化金属含有層である。第1の電極層上に第3の電極層を
形成し、これを酸化性雰囲気中で焼成することにより第
1の電極層の表面付近が酸化され、高抵抗の第2の電極
層が形成される。従って、少なくとも第2の電極層と第
3の電極層とは同時に焼成されることになる。
【0024】この第2の電極層中に存在する酸化物は、
前述のように第1の電極層中に含有される金属の酸化物
であるが、全ての金属が酸化されている必要はなく、そ
の一部が酸化されている状態であってもよい。この場
合、酸化物は第2の電極層中の全金属量に対し、酸素換
算で好ましくは10at%以上、より好ましくは25at%
以上含有されていることが好ましい。形成される第2の
電極層の厚さは、特に限定されるものではなく、所望の
ESRにより適宜調整すればよいが、通常0.01〜5
0μm 、特に0.05〜30μm 程度が好ましい。な
お、第1の電極層(第1および第2の電極層の前駆体)
が酸化されて形成されるため、この第2の電極層中にも
前記第3の電極層用金属やガラスが存在することとな
る。第2の電極層により得られるESRは、好ましくは
1〜2000mΩ、特に10〜1000mΩ程度が好ま
しい。酸化物の存在は通常X線回折により、その組成は
EPMA等により調べることができる。
【0025】このような酸化により、CuではCu
2O,Cu34 ,CuO等の1種または2種以上が生成
し、Niでは通常NiOが生成する。これらの酸化物は
化学量論組成から多少偏倚していてもよい。なお、第3
の電極層用金属であるAg,Au,Pt,Pd,Rh,
IrおよびRuは通常酸化されない。
【0026】端子電極はいずれか一方の電極を上記構造
として高抵抗化してもよく、あるいは双方を高抵抗化し
てもよい。また、端子電極における抵抗値は、第2の電
極層の酸化物や最小厚さにより調製することができる。
なお、高抵抗化した端子電極が双方に存在する場合、そ
の抵抗値はそれぞれの電極における抵抗値の合計とな
る。
【0027】<メッキ層>端子電極には、その外側、つ
まり端子側にメッキ層を設けることが好ましい。メッキ
層は、ニッケル、スズ、ハンダ等が挙げられ、好ましく
はニッケルメッキ層と、スズあるいはスズ−鉛合金ハン
ダ層とから構成される。メッキ層は、端子電極側にニッ
ケルメッキ層が形成され、その外側の構成材料として
は、低抵抗率でハンダ濡れ性が良好なものが好ましく、
スズあるいはスズ−鉛合金ハンダ等が好ましく、特に好
ましくはスズ−鉛合金ハンダを設けたものが好ましい。
メッキ層は、リード線を取り付ける際のハンダ濡れ性を
改善すると共に、端子電極とリード線との接続を確実に
行い、しかも、端子電極全体を覆うように形成されるた
め、端子電極の抵抗値が安定する。
【0028】メッキ層を形成する方法としては、特に限
定されるものではなく、スパッタ法や蒸着法を用いた乾
式メッキも可能であるが、従来公知の電解メッキ法、無
電解メッキ法を用いた湿式メッキにより容易に設けるこ
とができ好ましい。湿式法を用いる場合、ニッケルメッ
キ層は端子電極上に形成するため、電解メッキ法を用い
ることが好ましい。また、スズあるいはスズ−鉛合金ハ
ンダ層は、被膜が形成されるニッケル層が金属であるた
めどちらの方法を用いてもよいが電解メッキ法が好まし
い。メッキ層の膜厚としては、好ましくは0.1〜30
μm 程度が好ましい。
【0029】<誘電体層>誘電体層を構成する誘電体材
料としては、特に限定されるものではなく、種々の誘電
体材料を用いてよいが、例えば、酸化チタン系、チタン
酸系複合酸化物、あるいはこれらの混合物などが好まし
い、酸化チタン系としては、必要に応じNiO,Cu
O,Mn34,Al23,MgO,SiO2等を総計
0.001〜30wt%程度含むTiO2等が、チタン酸
系複合酸化物としては、チタン酸バリウムBaTiO3
等が挙げられる。Ba/Tiの原子比は、0.95〜
1.20程度がよく、BaTiO3には、MgO,Ca
O,Mn34,Y23,V25,ZnO,ZrO2,N
25,Cr23,Fe23,P25,SrO,Na2
O,K2O等が総計0.001〜30wt%程度含有され
ていてもよい。また、焼成温度、線膨張率の調整等のた
め、(BaCa)SiO3 ガラス等のガラス等が含有さ
れていてもよい。
【0030】誘電体層の一層あたりの厚さは特に限定さ
れないが、通常5〜20μm 程度である。また、誘電体
層の積層数は、通常、2〜300程度とする。
【0031】<内部電極層>内部電極層に含有される導
電材は特に限定されないが、誘電体層構成材料に耐還元
性を有するものを使用することで、安価な卑金属等を用
いることができ好ましい。導電材として用いる金属とし
ては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金として
は、Mn、Cr、Co、Al等から選択される1種以上
の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量
は95wt%以上であることが好ましい。
【0032】なお、NiまたはNi合金中には、P等の
各種微量成分が0.1wt%程度以下含まれていてもよ
い。
【0033】内部電極層の厚さは用途等に応じて適宜決
定すればよいが、通常、0.5〜5μm 、特に0.5〜
2.5μm 程度であることが好ましい。
【0034】次に、本発明のCR複合電子部品の製造方
法について説明する。
【0035】本発明のCR複合電子部品は、ペーストを
用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを
作製し、このチップの少なくとも一端に抵抗体ペースト
を印刷ないし転写して同時焼成することにより製造でき
る。
【0036】<誘電体層用ペースト>誘電体層用ペース
トは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練して製造され
る。
【0037】誘電体原料には、誘電体層の組成に応じた
粉末を用いる。誘電体原料の製造方法は特に限定され
ず、例えばチタン酸系複合酸化物としてチタン酸バリウ
ムを用いる場合、水熱合成法等により合成したBaTi
3 に、副成分原料を混合する方法を用いることができ
る。また、BaCO3 とTiO2 と副成分原料との混合
物を仮焼して固相反応させる乾式合成法を用いてもよ
く、水熱合成法を用いてもよい。また、共沈法、ゾル・
ゲル法、アルカリ加水分解法、沈殿混合法などにより得
た沈殿物と副成分原料との混合物を仮焼して合成しても
よい。なお、副成分原料には、酸化物や、焼成により酸
化物となる各種化合物、例えば、炭酸塩、シュウ酸塩、
硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等の少なくとも1種
を用いることができる。
【0038】誘電体原料の平均粒子径は、目的とする誘
電体層の平均結晶粒径に応じて決定すればよいが、通
常、平均粒子径0.3〜1.0μm 程度の粉末を用い
る。
【0039】有機ビヒクルは、バインダを有機溶剤中に
溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは
特に限定されず、エチルセルロース等の通常の各種バイ
ンダから適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も
特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法
に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセ
トン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよ
い。
【0040】<内部電極層用ペースト>内部電極層用ペ
ーストは、上記の各種導電性金属や合金、あるいは焼成
後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合
物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練し
て調製する。
【0041】<端子電極用ペースト>端子電極用ペース
トは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製
すればよい。
【0042】<有機ビヒクル含有量>上記した各ペース
ト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の
含有量、例えば、バインダは1〜5wt%程度、溶剤は1
0〜50wt%程度とすればよい。また、各ペースト中に
は、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体
等から選択される添加物が含有されていてもよい。これ
らの総含有量は、10wt%以下とすることが好ましい。
【0043】<グリーンチップ作製>印刷法を用いる場
合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペースト
を、PET等の基板上に積層印刷する。このとき内部電
極用ペーストの端部の一方が誘電体層用ペーストの端部
より交互に外部に露出するように積層する。その後、所
定形状に切断してチップ化し、基板から剥離してグリー
ンチップとする。
【0044】また、シート法を用いる場合、誘電体層用
ペーストを用いてグリーンシートを形成し、このグリー
ンシート上に内部電極層用ペーストを、内部電極用ペー
ストの端部が交互に誘電体層用ペーストの端部の一方か
ら露出するように印刷したものを積層し、所定形状に切
断して、グリーンチップとする。
【0045】<脱バインダ処理工程>焼成前に行なう脱
バインダ処理の条件は通常のものであってよいが、内部
電極層の導電材にNiやNi合金等の卑金属を用いる場
合、特に下記の条件で行うことが好ましい。 昇温速度:5〜300℃/時間、特に10〜100℃/
時間 保持温度:200〜400℃、特に250〜300℃ 温度保持時間:0.5〜24時間、特に5〜20時間 雰囲気:空気中
【0046】<焼成工程>グリーンチップ焼成時の雰囲
気は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて
適宜決定すればよいが、導電材としてNiやNi合金等
の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気はN2 を主成分と
し、H2 1〜10%、10〜35℃における水蒸気圧に
よって得られるH2Oガスを混合したものが好ましい。
そして、酸素分圧は、10-8〜10-12 気圧とすること
が好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると、内部電
極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうこと
がある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電
極層が酸化する傾向にある。
【0047】焼成時の保持温度は、1100〜1400
℃、特に1200〜1300℃とすることが好ましい。
保持温度が前記範囲未満であると緻密化が不十分であ
り、前記範囲を超えると、内部電極が途切れやすくな
る。また、焼成時の温度保持時間は、0.5〜8時間、
特に1〜3時間が好ましい。
【0048】<アニール工程>還元性雰囲気中で焼成し
た場合、CR複合電子部品チップ体にはアニールを施す
ことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するた
めの処理であり、これによりIR加速寿命を著しく長く
することができる。
【0049】アニール雰囲気中の酸素分圧は、10-6
圧以上、特に10-5〜10-8気圧とすることが好まし
い。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化
が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層が酸化す
る傾向にある。
【0050】アニールの際の保持温度は、1100℃以
下、特に500〜1000℃とすることが好ましい。保
持温度が前記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分
となって寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲を超える
と内部電極層が酸化し、容量が低下するだけでなく、誘
電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にあ
る。なお、アニール工程は昇温および降温だけから構成
してもよい。この場合、温度保持時間は零であり、保持
温度は最高温度と同義である。また、温度保持時間は、
0〜20時間、特に2〜10時間が好ましい。雰囲気用
ガスには、加湿したN2 ガス等を用いることが好まし
い。
【0051】なお、上記した脱バインダ処理、焼成およ
びアニールの各工程において、N2、H2 や混合ガス等
を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよ
い。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
【0052】脱バインダ処理工程、焼成工程およびアニ
ール工程は、連続して行なっても、独立に行なってもよ
い。
【0053】これらを連続して行なう場合、脱バインダ
処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続いて焼成の保持
温度まで昇温して焼成を行ない、次いで冷却し、アニー
ル工程での保持温度に達したときに雰囲気を変更してア
ニールを行なうことが好ましい。
【0054】また、これらを独立して行なう場合は、脱
バインダ処理工程は、所定の保持温度まで昇温し、所定
時間保持した後、室温にまで降温する。その際の脱バイ
ンダ雰囲気は、連続して行う場合と同様なものとする。
さらにアニール工程は、所定の保持温度にまで昇温し、
所定時間保持した後、室温にまで降温する。その際のア
ニール雰囲気は、連続して行う場合と同様なものとす
る。また、脱バインダ工程と、焼成工程とを連続して行
い、アニール工程だけを独立して行うようにしてもよ
く、脱バインダ工程だけを独立して行い、焼成工程とア
ニール工程を連続して行うようにしてもよい。
【0055】<端子電極形成>上記のようにして得られ
たチップ体に、第1の電極層用ペーストを印刷ないし転
写して焼成し、端子(外部)電極を形成する。第1の電
極層用ペーストの焼成条件は、例えば、N2 とH2 との
混合ガス等の還元性雰囲気中で600〜800℃にて1
分間〜1時間程度とすることが好ましい。次いで、第3
の電極層用ペーストを印刷ないし転写して、第3の電極
層を焼成する。第3の電極層用ペーストの焼成条件は、
例えば、大気等の酸化性雰囲気中で400〜850℃に
て0分間〜1時間程度とすることが好ましい。この際、
第1の電極層用ペーストの第3の電極層用ペーストとの
界面付近に、第2の電極層が形成される。
【0056】なお、第1の電極層にNiを主成分として
用い、第3の電極層にPd,Pt,Rh,IrおよびR
uを主成分として用いた場合、第1の電極層と第3の電
極層との同時焼成が可能となる。このとき、第1の電極
層にはFe,CoおよびCuの1種または2種以上を3
0wt%以下含有していてもよく、第3の電極層には、A
gおよび/またはAuを20wt%以下含有していてもよ
い。この場合は、内部電極が積層された誘電体グリーン
チップに第1の電極層用ペースト、さらに第3の電極層
用ペーストを印刷ないし転写して同時焼成してもよい。
この場合の焼成条件としては、先ず上記のグリーンチッ
プの焼成条件で焼成し、冷却過程で、酸化性雰囲気とし
て、800〜400℃にて1分間〜1時間程度保持して
焼成すればよい。これらの場合にも、第1の電極層用ペ
ーストの第3の電極層用ペーストとの界面付近に、第2
の電極層が形成される。
【0057】<メッキ工程>さらに、端子電極が形成さ
れたチップ体を、それぞれニッケルメッキ浴、またはス
ズあるいはスズ−鉛合金ハンダメッキ浴中に浸漬し、メ
ッキ層を形成する。
【0058】<具体的構成例>このようにして製造され
る、本発明のCR複合電子部品の構成例を図1に示す。
図1において、本発明のCR複合電子部品は、誘電体層
2と、内部電極層3と、第1の電極層4と、第2の電極
層5と、第3の電極層6とを有する。さらに、これら第
1〜第3の電極層により構成される端子電極は、その外
側にメッキ層を有することが好ましい。また、第2の電
極層5は、最小膜厚および金属酸化物等により規制され
る導電率に応じた抵抗値となる。ここで、図1は第2の
電極層5をCR複合電子部品の両方の端子に形成した場
合を示すが、どちらか一方のみに形成してもよく、その
場合、等価直列抵抗に寄与する端子電極はいずれか一方
のみとなる。
【0059】なお、上記の説明では第1の電極層〜第3
の電極層が単独で存在する場合について説明したが、例
えば、第1の電極層〜第3の電極層の構造が2重構造に
なっていたり、チップ体の端部に先ず第3の電極層用金
属を有する端子電極層を設け、さらにその上に第1の電
極層〜第3の電極層を設けた構造としてもよく、端子電
極中のいずれかに第1の電極層〜第3の電極層となる部
分が存在していればよい。
【0060】
【実施例】次に実施例を示し、本発明をより具体的に説
明する。
【0061】<実施例1>誘電体層の主原料としてBa
CO3(平均粒径:2.0μm )およびTiO2(平均粒
径:2.0μm )を用意した。Ba/Tiの原子比は
1.00である。また、これに加えて、BaTiO3
対し添加物としてMnCO3 を0.2wt%、MgCO3
を0.2wt%、Y23 を2.1wt%、(BaCa)S
iO3 を2.2wt%を用意した。各原料粉末を水中ボー
ルミルで混合し、乾燥した。得られた混合粉を1250
℃で2時間仮焼した。この仮焼分を水中ボールミルで粉
砕し、乾燥した。得られた仮焼粉に、有機バインダーと
してアクリル樹脂と、有機溶剤として塩化メチレンとア
セトンを加えてさらに混合し、誘電体スラリーとした。
得られた誘電体スラリーを、ドクターブレード法を用い
て誘電体グリーンシートとした。
【0062】内部電極材料として、卑金属のNi粉末
(平均粒径:0.8μm )を用意し、これに有機バイン
ダーとしてエチルセルロースと、有機溶剤としてターピ
ネオールを加え、3本ロールを用いて混練し、内部電極
用ペーストとした。
【0063】第1の電極層用ペースト原料として、第1
の電極層用金属のCu粉末(平均粒径:0.5μm )
と、このCu粉末に対してストロンチウム系ガラスを7
wt%添加したものを用意した。これに有機バインダーと
してアクリル樹脂と、有機溶剤としてターピネオールを
加え、3本ロールを用いて混練し、各端子電極用ペース
トとした。
【0064】第3の電極層用ペースト原料として、Ag
粉末(平均粒径:0.5μm )と、このCu粉末に対し
てホウケイ酸鉛ガラスを1wt%添加したものを用意し
た。これに有機バインダーとしてアクリル樹脂と、有機
溶剤としてターピネオールを加え、3本ロールを用いて
混練し、各端子電極用ペーストとした。
【0065】所定の厚みを得るためにグリーンシートを
数枚積層し、その上にスクリーン印刷法により内部電極
用ペーストの端部が誘電体層用ペーストの端部から交互
に外部に露出するように印刷されたグリーンシートを所
定枚数積層し、最後に内部電極の印刷されていないグリ
ーンシートを所定枚数積層し、熱圧着し、チップ形状
が、焼成後に縦×横×厚みが3.2×1.6×1.0mm
となるように切断し、グーリーンチップを得た。
【0066】得られたグリーンチップを、空気中に80
℃で30分間放置して乾燥した。次いで、加湿したN2
+H2 (N2 3%)還元雰囲気中、1300℃にて3時
間保持して焼成し、さらに、加湿したN2 酸素分圧10
-7気圧の雰囲気にて1000℃に2時間保持し、チップ
体を得た。
【0067】得られたチップ体の両端部に、上記のCu
とガラスフリットを、金属成分に対し7wt%添加し、こ
れらを有機ビヒクル中に分散させた第1の電極層用ペー
ストを塗布し、乾燥し、N2 −H2 雰囲気中、770℃
で10分間保持して焼成し、第1の電極層を形成した。
【0068】次いで、第1の電極層が形成されたチップ
体の両端部に、上記のAgとガラスフリットを、金属成
分に対し1wt%添加し、これらを有機ビヒクル中に分散
させた第3の電極層用ペーストを、前記第1の電極層上
にディッピング法により塗布し、乾燥し、空気中、60
0〜750℃で10分間保持して焼成し、第3の電極層
を形成すると同時に第1の電極層表面を酸化させて第2
の電極層を形成した。このとき、焼成温度をそれぞれ6
00℃、650℃、700℃、750℃の各温度で焼成
すると共に、保持時間を1分、5分、10分として第2
の電極層の膜厚を制御した。なお、第2の電極層をX線
回折により解析したところ、CuO2 ,Cu34 が確
認された。
【0069】次いで、得られた各添加物組成のサンプル
に、ニッケルメッキ層、スズ−鉛合金メッキ層を電解法
を用いて順次形成し、CR複合電子部品を得た。得られ
たサンプルの静電容量は1μFであった。また、得られ
た各試料についてESRを測定した。結果を図2に示
す。また、得られたサンプルのうち、焼成温度620
℃、保持時間10分の条件でのサンプルの端子部の断面
写真を図3に、その拡大写真を図4に示す。
【0070】図3、図4から明らかなように、第1の電
極層と第3の電極層との間に第2の電極層が形成されて
いることがわかる(端子電極中央付近の帯状に暗くなっ
ている部分)。さらに、得られたCR複合電子部品をD
C−DCコンバータの電源バイパスコンデンサーとして
用い、スイッチング周波数を1kHz〜10MHzに変化さ
せて動作させたところ、発振等の電圧変動現象を生じる
ことなく正常に動作した。
【0071】図2から明らかなように、第3の電極層の
焼成温度とその保持時間により、ESR変化させること
が可能であり、これを制御できることがわかる。
【0072】<実施例2>実施例1において、第1の電
極層の材料として、Cu粉末に代えてNi粉末(平均粒
径:0.4μm )、Ni−Cu粉末(平均粒径:0.5
μm )、Fe粉末(平均粒径:0.5μm )Co粉末
(平均粒径:0.01〜10μm )としたものを用いた
他は実施例1と同様にしてサンプルを得た。
【0073】得られた各サンプルについて実施例1と同
様にしてESRを測定したところ、実施例1に比べてE
SRの大きさに差があるものの、ほぼ同様の結果が得ら
れた。
【0074】<実施例3>実施例1において、第3の電
極層用の材料としてAu粉末(平均粒径:1.0μm
)、Pt粉末(平均粒径:0.1〜5μm )、Pd粉
末(平均粒径:0.01〜5μm )、Rh粉末(平均粒
径:0.1〜10μm )、Ir粉末(平均粒径:0.1
〜10μm )を用いた他は実施例1と同様にしてサンプ
ルを得た。
【0075】得られたサンプルについて実施例1と同様
にしてESRを測定したところ、実施例1に比べてES
Rの大きさに差があるものの、ほぼ同様の結果が得られ
た。
【0076】<実施例4>実施例1において、第1の電
極層用ペースト原料として、第1の電極層用金属のNi
粉末(平均粒径:0.5μm )と、このNi粉末に対し
てストロンチウム系ガラスを7wt%添加したものを用意
した。これに有機バインダーとしてアクリル樹脂と、有
機溶剤としてターピネオールを加え、3本ロールを用い
て混練し、各端子電極用ペーストとした。
【0077】第3の電極層用ペースト原料として、第3
の電極層用金属のPd粉末(平均粒径:0.5μm )
と、このPd粉末に対してホウケイ酸鉛ガラスを1wt%
添加したものを用意した。これに有機バインダーとして
アクリル樹脂と、有機溶剤としてターピネオールを加
え、3本ロールを用いて混練し、各端子電極用ペースト
とした。
【0078】実施例1と同様にして得られたグリーンチ
ップを、空気中に80℃で30分間放置して乾燥した。
次いで、加湿したN2 +H2 (N2 3%)還元雰囲気
中、1300℃にて3時間保持して焼成し、さらに、加
湿したN2 酸素分圧10-7気圧の雰囲気にて1000℃
に2時間保持し、チップ体を得た。
【0079】得られたチップ体の両端部に、上記の第1
の電極層用ペーストを塗布し、乾燥し、中性、もしくは
還元性雰囲気中で1000℃で、10分間焼成してNi
端子電極を得た(第1の電極層)。
【0080】次いで、前記第1の電極層上にディッピン
グ法により第3の電極層用ペーストを塗布し、乾燥し、
空気中で、800℃で1分間保持して焼成し、第3の電
極層を形成すると同時に第1の電極層表面を酸化させて
第2の電極層を形成した。なお、第2の電極層をX線回
折により解析したところ、NiOが確認された。
【0081】次いで、得られた各添加物組成のサンプル
に、ニッケルメッキ層、スズ−鉛合金メッキ層を電解法
を用いて順次形成し、CR複合電子部品を得た。得られ
たサンプルの静電容量は1μFであった。また、得られ
た試料についてESRを測定したところ、500mΩで
あった。また、第3の電極用ペーストにおいて、用いる
金属をPdからPtに変えたところほぼ同等の結果が得
られた。また、得られたCR複合電子部品をDC−DC
コンバータの電源バイパスコンデンサーとして用いたと
ころ、発振等の電圧変動現象を生じることなく正常に動
作した。
【0082】<実施例5>実施例4において、得られた
グリーンチップの両端部に、第1の電極層用ペーストを
塗布し、乾燥した。次いで、第1の電極層が塗布された
グリーンチップの両端部に、第3の電極層用ペースト
を、前記第1の電極層用ペースト上にディッピング法に
より塗布し、乾燥した。
【0083】端子電極ペーストが塗布されたグリーンチ
ップを、空気中に80℃で30分間放置して乾燥した。
次いで、加湿したN2 +H2 (N2 3%)還元雰囲気
中、1300℃にて3時間保持して焼成し、さらに、加
湿したN2 酸素分圧10-7気圧の雰囲気にて1000℃
に2時間保持し、次いで空気中で、700℃で10分間
保持して冷却し、チップ体とすると同時に、第1および
第3の電極層を形成し、さらに同時に第1の電極層表面
を酸化させて第2の電極層を形成した。なお、第2の電
極層をX線回折により解析したところ、NiOが確認さ
れた。
【0084】次いで、得られた各添加物組成のサンプル
に、ニッケルメッキ層、スズ−鉛合金メッキ層を電解法
を用いて順次形成し、CR複合電子部品を得た。得られ
たサンプルの静電容量は1μFであった。また、得られ
た各試料についてESRを測定したところ、200mΩ
であった。また、得られたCR複合電子部品をDC−D
Cコンバータの電源バイパスコンデンサーとして用いた
ところ、発振等の電圧変動現象を生じることなく正常に
動作した。
【0085】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、特別な焼
成条件を必要とせず、製造工程も簡単で、生産コストも
安く、CRまたは(L/C)R直列回路が簡単に得ら
れ、抵抗値の制御も容易であるCR複合電子部品および
その製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCR複合電子部品の基本構成を示す断
面概略図である。
【図2】本発明のCR複合電子部品サンプルのESRを
示したグラフである。
【図3】本発明のCR複合電子部品の端子電極部分の断
面を撮影した図面代用写真である。
【図4】図3の拡大写真である。
【符号の説明】
2 誘電体層 3 内部電極 4 第1の電極層(端子電極) 5 第2の電極層(端子電極) 6 第3の電極層(端子電極)
フロントページの続き (72)発明者 徳岡 保導 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体層と内部電極とが交互に積層され
    ており、 前記内部電極と、CR複合電子部品の端部に形成された
    端子電極とがキャパシタとなるように電気的に接続さ
    れ、 前記端子電極の少なくとも一方は内部電極側から第1〜
    第3の電極層を順次有し、 第1の電極層はFe,Co,CuおよびNiの1種また
    は2種以上を含有し、 第2の電極層は前記第1の電極層の酸化物を含有し、 第3の電極層はAg,Au,Pt,Pd,Rh,Irお
    よびRuの1種または2種以上を含有するCR複合電子
    部品。
  2. 【請求項2】 前記第2の電極層は、酸化物としてFe
    O,α−Fe23,γ−Fe23 ,Fe34 ,Co
    O,Co34 ,Cu2O,Cu34 ,CuO,NiO
    の1種または2種以上を含有する請求項1のCR複合電
    子部品。
  3. 【請求項3】 前記第1の電極層は、Ag,Au,P
    t,Pd,Rh,IrおよびRuの1種または2種以上
    を10wt%以下含有する請求項1または2のいずれかの
    CR複合電子部品。
  4. 【請求項4】 前記第1〜第3の電極層は、ガラスを0
    〜20wt%含有する請求項1〜3のいずれかのCR複合
    電子部品。
  5. 【請求項5】 等価回路がCRまたは(LC)R直列回
    路を有する請求項1〜4のいずれかのCR複合電子部
    品。
  6. 【請求項6】 前記内部電極層がNiを含有する請求項
    1〜5のいずれかのCR複合電子部品。
  7. 【請求項7】 前記端子電極の外側にメッキ層を有する
    請求項1〜6のいずれかのCR複合電子部品。
  8. 【請求項8】 誘電体層と、内部電極層とを交互に積層
    してグリーンチップを形成し、 これを焼成してチップ体とし、 このチップ体に第1の電極層用ペーストを塗布し、中性
    または還元性雰囲気で焼成して第1および第2の電極層
    の前駆体を形成し、 さらにこの上に第3の電極層用ペーストを塗布し、 これを酸化性雰囲気中で焼成して、前記第1および第2
    の電極層の前駆体の第3の電極層との界面付近を酸化
    し、前記第1〜第3の電極層を形成して請求項1〜8の
    いずれかのCR複合部品を得るCR複合電子部品の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の電極層用ペーストまたは第2
    の電極層用ペーストは、平均粒径0.1〜10μm の金
    属粒子を有する請求項8のCR複合電子部品。
  10. 【請求項10】 誘電体層と、内部電極層とを交互に積
    層してグリーンチップを形成し、 これを焼成してチップ体とし、 このチップ体に第1の電極層用ペーストを塗布し、 さらにこの上に第3の電極層用ペーストを塗布し、 中性または還元性雰囲気で焼成し、 冷却過程中にこれを酸化性雰囲気として、前記第1の電
    極層用ペースト焼成体の第3の電極層との界面付近を酸
    化し、前記第1、第2および第3の電極層を形成して請
    求項1〜7のいずれかのCR複合部品を得るCR複合電
    子部品の製造方法。
  11. 【請求項11】 誘電体層と、内部電極層とを交互に積
    層してグリーンチップを形成し、 このグリーンチップに第1の電極層用ペーストを塗布
    し、 さらにこの上に第3の電極層用ペーストを塗布し、 還元性雰囲気で焼成し、さらに冷却過程中で酸化性雰囲
    気として、前記第1の電極層用ペースト焼成体の第3の
    電極層との界面付近を酸化し、前記グリーンチップ、第
    1、第2および第3の電極層を形成して請求項1〜7の
    いずれかのCR複合部品を得るCR複合電子部品の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 第1の電極層はNiを含有し、第3の
    電極層はPd,Pt,Rh,IrおよびRuの1種また
    は2種以上を含有する請求項10または11のCR複合
    電子部品の製造方法。
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