JPH11114571A - 電気化学的水処理装置及び方法 - Google Patents

電気化学的水処理装置及び方法

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JPH11114571A
JPH11114571A JP9299359A JP29935997A JPH11114571A JP H11114571 A JPH11114571 A JP H11114571A JP 9299359 A JP9299359 A JP 9299359A JP 29935997 A JP29935997 A JP 29935997A JP H11114571 A JPH11114571 A JP H11114571A
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Japan
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water
treated
electrode
treatment
electrodes
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JP9299359A
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Norio Koike
紀夫 小池
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Original Assignee
SHIKISHIMA KIKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の電解槽を使用する水処理では、被処理
水の導入及び排出に伴う配管やエネルギーを必要とし、
更に水漏れ対策や電解槽の設置スペースを必要としてい
た。本発明は、電解槽を使用する水処理におけるこれら
の問題点を解消した水処理装置及び方法を提供すること
を目的とする。 【構成】 1又は2以上の金属電極から成る電極構造体
4をタンク7等の中の被処理水に浸漬して水処理を行な
う。配管が不要で、電解槽を通過する際の圧力損失もな
いため、経済的に水処理を行なえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被処理水の電気化学的
処理方法及びその装置に関し、より詳細には、微生物や
有害不純物を含有する各種被処理水の該微生物等を効率
良く殺菌するための電気化学的殺菌方法及び装置、更に
はカルキ臭やカビ臭成分を有する家庭用及び業務用飲料
水から前記カルキ臭やカビ臭成分を除くための電気化学
的水処理菌方法及び装置、更には微量農薬を含有する被
処理水から電気化学的に農薬を分解除去する電気化学的
水処理方法及びその装置、アンモニア等の有害不純物を
含有する被処理水から前記アンモニア等を分解除去する
電気化学的水処理方法及びその装置、着色被処理水の色
を薄くする電気化学的水処理方法及び装置に関する。
【0002】更に詳細には、本発明は日常生活用、産業
活動の多くの分野で広く使用することができ、具体的な
例としては工業用水、水道水、井戸水、雨水、回収水、
排水、海水、池の水、プール水、飲料水、風呂水、ガス
吸収塔水、冷却水、水耕栽培水、噴水、写真現像液、養
魚用水、水エマルジョン、製紙用水、温泉水、砂糖液、
果汁、染料インク、酒、牛乳、お茶、豆乳、各種化学物
質含有水溶液を挙げることができ、更に水中微生物個数
をゼロにすることが必要又は好ましい食品用水、医薬品
用水、磁気記録用ハードディスク洗浄用水、半導体洗浄
用水等にも使用できる。
【0003】
【従来の技術】例えば、純水、水道水、工業用水、井戸
水、風呂水、プ−ル水、洗浄水、生活排水、工場排水等
の水には程度の差こそあれ細菌等の各種微生物が棲息し
あるいは溶質を溶解している。そしてこれらの水溶液は
前記溶質が適度の養分を提供し、あるいは該水溶液の温
度が微生物の繁殖に適した温度であると、前記微生物が
繁殖して前記水溶液の性能劣化を起こしたり、前記各水
溶液が流通する配管等の内壁に付着蓄積して前記配管を
有する機器の機能を損なうことが多い。これら各種の用
水では必要とされる殺菌レベルは異なるが、いずれの用
水でも水中微生物数を低コストで減少させて水質の改良
を行なうことが必要とされている。
【0004】近年の健康意識の高揚を背景に、遊泳プー
ルが全国津々浦々まで普及し、幅広い年令層の人々に親
しまれている。このプールに使用されるプール水には人
体に有害な細菌等の微生物が数多く棲息し、利用者の眼
や傷などに直接接触して疾患を生じさせることがあり、
微生物数が法的に規制されているため、プールには次亜
塩素酸ソーダ等の薬剤を投入して滅菌を行ない疾患の発
生を防止している。しかしながら、薬剤として使用され
ている次亜塩素酸ソーダや液体塩素等はそれ自体あるい
はその分解物が刺激性を有し、殺菌効果はあるものの眼
の痛みや皮膚のかぶれ等の副作用が発生し、特に抵抗力
の弱い幼児の場合には大きな問題となっている。又塩素
系薬剤は分解するため毎日プールに添加し続ける必要が
あり、使用する薬剤コストも大きな負担となっている。
又プールに使用される水量は膨大であり、天候不純に起
因する水不足の際にはプール閉鎖に追い込まれることも
あり、プールの節水は重要な社会的課題となっている。
【0005】更に飲料水は、貯水池等の水源に貯水され
た水を浄水場で滅菌処理した後、各家庭や飲食店等に上
水道を通して供給される。飲料水の前記滅菌は塩素ガス
による処理が一般的であるが、該塩素処理によると飲料
水の滅菌は比較的良好に行われる反面、残留塩素の影響
により処理された飲料水に異物質が混和したような違和
感が生じて天然の水の有するまろやかさが損なわれると
いう欠点が生ずる。飲料水は人間の健康に直結するもの
で、それに含有される細菌の殺菌や黴の繁殖の防止つま
り微生物の死滅除去は不可欠であり、該殺菌や防黴の方
法としては前述の塩素による方法が主流である。しかし
都市部の水道滅菌はその原水となる河川水、湖水等が各
種有機物等で汚染され微生物の死滅に必要な量以上の塩
素を添加するため、有機ハロゲン化物、次亜塩素酸イオ
ン及び残留塩素等の有効塩素成分を生起するという弊害
を生じている。該塩素法による前記欠点を解消するため
に、塩素法以外の殺菌方法が提案されている。
【0006】更に近年の家庭風呂の普及や温泉ブームか
ら浴場水の使用量が増大しているが、該浴場水は40℃前
後の微生物が最も繁殖し易い液温を有するため、入浴に
使用せずに単に放置しておくだけでも微生物が急速に繁
殖して汚染され、使用を継続できなくなり、入浴を繰り
返すと人体の垢等が浮遊してこの傾向はより顕著にな
る。繁殖した微生物は微小であるため濾過操作では除去
しにくく、特に銭湯などではその使用量が膨大であるた
め、汚染された浴場水の再生を簡単な処理操作で行うこ
とができれば大幅なコストダウンが可能になる。又高齢
化社会を迎え、いつでも入浴できる24時間風呂が各家庭
に急速に普及しつつある。しかし24時間風呂は微生物が
最も繁殖し易い液温を有するため、市販されている24時
間風呂は浄化機能は優れているものの、殺菌性能に改善
課題を有しており、新規な殺菌装置の出現が嘱望されて
いる。
【0007】更に近年の情報化社会の進展により各種紙
類特に高質紙の需要が増大している。この紙類は製紙用
パルプから各種工程を経て製造されるが、この工程中に
製紙前のパルプを洗浄して不要な成分を洗い流す工程が
ある。該パルプは適度な温度に維持されかつ適度な養分
を含むため、黴や細菌等の微生物が繁殖し易くこの黴や
細菌が多量に最終製品中に残存すると、紙類の褪色等の
性能の劣化が生ずる。従ってこの洗浄工程で使用される
莫大な量の洗浄水中には、防黴剤や殺菌剤が含有され最
終製品の性能劣化を極力防止するようにしている。しか
しこの方法では、防黴剤や殺菌剤のコストが高くなるだ
けでなく前記防黴剤や殺菌剤が製品中に残存して黴や細
菌類に起因する性能劣化とは別の性能劣化を来すことが
あるという問題点がある。
【0008】更に近年におけるマンション等の集合住宅
あるいは多数の企業が集合して形成されるビル等の建築
物の増加に伴い、該建築物等に設置される各種冷暖房設
備の設置台数も飛躍的に増加している。このような多数
の冷暖房設備が設置されているマンションやビル等で
は、通常該冷暖房設備の冷却水の熱交換器用設備例えば
クーリングタワーがその屋上に設置されている。この熱
交換器設備の冷却水も長期間使用を継続すると黴や細菌
類等の微生物が繁殖し前記熱交換器の熱交換面に析出し
て熱交換性能を悪化させたり、微生物が塊状に発生して
配管等を閉塞することもある。又多量に発生する微生物
の排棄物により配管や機器に腐食等の重大な問題を引き
起こすことがある。例えば該冷却水の場合、微生物総数
が105 個/ml以上になると腐敗臭がひどくなり、熱交換
器の熱交換効率が悪化し、配管閉塞等のトラブルが発生
することがある。更に同一薬剤を使用し続けるとその薬
剤では殺菌できない耐性菌が発生し、更に強力な薬剤に
変更する必要があるという厄介な問題が知られている。
又微生物を殺菌する薬剤が人間に無害とは言いがたく、
法的規制のもとで薬剤の種類や厳密な濃度管理が必要
で、環境安全意識の高い工場、病院、ホテル等では脱薬
剤の気運が急速に高まりつつある。
【0009】更に各種魚類資源として海や川に繁殖して
いる天然の魚類の他に最近では養殖場における養殖魚類
が注目され、養殖魚が市場に数多く供給されている。養
殖場におけるこれら魚類の飼育の際には、養魚用水中に
含まれる細菌や黴等の微生物が魚類を汚染し、あるいは
魚類に付着してその商品価値を低下させる等の悪影響を
抑制するために殺菌剤や防黴剤等の全部又は大部分の微
生物を死滅させるための各種薬剤が前記養魚用水へ多量
に添加され、更に前記薬剤による魚類の損傷を最小限に
抑えるためにビタミン剤等の多量の栄養剤が魚類に投与
され、その上に餌が与えられる。従って養殖場等で飼育
される魚類は餌の量に比較して人工的に投与される各種
薬剤、ビタミン剤の添加が多く、防黴剤や殺菌剤が魚類
の体内に蓄積して人体に有害な各種薬剤で汚染された魚
類が市場に供給されることになる。
【0010】例えば前記飲料水をオゾン添加処理や活性
炭吸着処理することにより改質する方法が提案されてい
るが、処理すべき飲料水が例えば浄水場の水である場合
には処理量が莫大である。又浄水場で処理しても水道管
末端の蛇口に至るまでに再度微生物が繁殖するという問
題がある。飲料水のうち特に食品用水は高度の微生物除
去が要求され、これを達成するために高温煮沸殺菌法が
採用されているが、大量の水の処理にはコストが掛かり
過ぎ不適当である。このように飲料水等の従来の改質処
理方法は、主として塩素法によるものであり、該方法で
は次亜塩素酸イオンが生成しあるいは塩素ガスが残留し
ていわゆるカルキ臭が生じ、処理後の飲料水等の味が悪
くなるという欠点があり、このカルキ臭を除去するに該
カルキ臭源である次亜塩素酸イオン(有効塩素)を活性
炭等に吸着させる方法が使用されている。しかしこの方
法では、活性炭の吸着能力の限界があり、しばらく使用
すると有効塩素分解が生じなくなるという寿命の点で致
命的な欠点があり、又活性炭の交換といった煩雑な操作
が必要であるとともに、完全なカルキ臭の除去が達成で
きないことがある。
【0011】従って前述の通り人体に有害な有機塩素化
合物や飲料水の味を損ない易い次亜塩素酸イオン等を生
じさせ易い塩素処理に代わり得る人体に害がなくかつ天
然水に近い味を有する飲料水の処理方法が要請されてい
る。これらの現象を防止するために従来は防黴剤や沈澱
抑制剤等の各種薬剤を被処理水中に投入したり各種フィ
ルタを配管途中に設置したりしているが、前記薬剤投入
は前述の通り薬剤の残留による被処理水への悪影響や薬
剤使用のコスト面での問題点が指摘されている。更に前
述の冷却水の場合と同様に、添加薬剤に対する抗菌が暫
くすると発生し、次の薬剤を検討する必要が生ずるとい
う問題点を抱えている。
【0012】前記薬剤添加の他に、オゾン殺菌や紫外線
殺菌、あるいは酸性水を使用する殺菌も行なわれてい
る。オゾン殺菌は劇的な殺菌効果があり耐性菌の発生も
ないが、エネルギーコストオゾン設備費が高く、人体に
有害で濃度管理等の運転に厳重な注意が必要である。又
酸化作用が強力で、タンク、配管、ポンプ等の接液部は
高価な耐腐食性材料が必要になる。この悪影響を回避す
るためにオゾン殺菌装置の後にオゾン分解装置を設置す
ることもあるが、設備費が高く、管理維持費も嵩み、実
用化の妨げになっている。
【0013】紫外線殺菌も広く利用されているが、紫外
線の透過を妨害する固形分や色度のある水の殺菌は困難
で、殺菌可能な被処理水の種類に制約がある。又紫外線
ランプの寿命は短く定期的な交換が必要で、消費電力量
も多い。更に紫外線ランプ内面は常に清浄に管理するこ
とも殺菌性能維持のために必要で、特に停電休止時の紫
外線ランプ内面の清浄維持管理は煩雑である。このよう
な従来技術の欠点を解消するための水処理方法として、
複極固定床式水処電解槽が発表されている(例えば、特
開平2−306242号公報、特開平3−224684号公報、特開
平4− 18980号公報、特開平4− 108592 号公報、特開
平4−114785号公報、特開平4−114787号公報)。
【0014】しかしながら、前記複極固定床式水処電解
槽は固定床として多孔質電極を使用するため、固形質や
有機物更にイオン質の閉塞性物質を含有する被処理水の
処理が困難で、電解槽内通水に伴う圧力損失が大きく、
大容量の給水ポンプが必要でエネルギーコストが高い。
又被処理水の閉塞性物質含有量が少ない場合でも、長期
間の使用中に殺菌性能の低下が起きるという問題点もあ
る。更に前記多孔質電極として炭素電極が使用され、該
炭素電極は、消耗し易いという欠点を有し、長期間使用
を継続すると徐々に消耗して極間距離が増加して電圧が
増大し、最終的には交換しなければならなくなる。この
電極の交換は一般的に電解槽全体を分解して行うことが
必要であり、非常に煩雑な操作となり作業性が著しく低
下する。本出願人は、前述の従来技術の欠点を解消し、
特に閉塞性物質含有被処理水を使用する場合にも使用す
る電極に目詰まりを生じさせず、かつ給水ポンプを使用
しないかあるいは極小量の電力消費費で前記ポンプを使
用することを可能にできる電気化学的水処理方法及び装
置を提案した(特願平8−357230号)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この発明の電解槽をは
じめとする従来の水処理用電解槽はいずれも外壁を有す
る電解槽内に被処理水を導入し、該電解槽内の電極に接
触させて前記被処理水の処理を行なおうとするものであ
る。従って電解槽への被処理水の導入及び排出に伴う配
管やエネルギーを必要とし、更に電極との接触割合を良
くするために必然的に通過の際の抵抗が大きくなって電
極の閉塞が生じて該電極の頻繁な洗浄や交換の必要性が
生じたり、前記配管にコストが掛かる等の問題点が生じ
ている。更に電解槽からの水漏れ対策が必要で、電解槽
の設置スペースが必要となり、電解槽の輸送時等に煩雑
な該電解槽の分解や組み立てが必要になる。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明装置の構成は、触媒を担持した複数の金属基体を、ガ
スケットを介して積層し、その外周を電気絶縁性材料で
固定し、これを被処理水中に浸漬して通電することによ
り前記被処理水の電気化学的殺菌を行なうことを特徴と
する装置であり、本発明方法の構成は、触媒を担持した
金属基体に被処理水中で通電して該被処理水の電気化学
的殺菌を行なうこととを特徴とする水処理方法である。
【0017】以下本発明を詳細に説明する。本発明によ
る方法あるいは装置を使用して被処理水の電気化学的処
理を行なうためには、電極として金属電極、好ましくは
液抜けを良くするため及び接触効率を向上させるために
多孔性金属電極を使用する。この場合の「多孔」とは、
被処理水の流通に対する抵抗が殆ど零である程度の開口
を有することを意味し、網状、エクスパンドメッシュ
状、パンチングメタル状、格子状等の形状がある。例え
ばエクスパンドメッシュを使用する場合、その開口サイ
ズは短径が0.5 〜2.0 mm、長径が1.0 〜4.0 mm程度にな
るように調節することが好ましい。前記多孔性電極本体
は、チタン等の耐食性金属基体上に、白金族金属やその
酸化物、例えば白金、イリジウム、ルテニウム又はそれ
らの酸化物を単独又は混合物として被覆し電極性能を向
上させることが望ましい。
【0018】該電極は、それぞれの開口部表面積の総和
を、該電極の表面積総和と開口部表面積の総和を加えた
電極全面積で除した値の百分率で定義される開口率が10
〜80%であることが好ましい。開口率が10%未満である
と圧力損失が大きくかつ目詰まりが起こりやすくなるか
らであり、80%を超えると電極強度に支障が生じ変形や
破損が生ずることがあり、又電極と被処理水の接触が不
十分になることがあるからであり、目詰まり及び接触効
率の両者を勘案して適切な開口率を設定することが望ま
しい。この金属電極は、基本的にはそのまま被処理水中
に浸漬し、該電極に通電して該電極表面で前記被処理水
の処理、つまり微生物殺菌やカルキ臭の除去等を行な
う。しかしながら、安全性の確保のために前記金属電極
の周囲は電気絶縁材料で囲むことが望ましい。この電極
には安全面の理由で直流電圧42V以下で通電することが
望ましく、又電流密度が0.1 〜1.0 A/dm2 程度になるよ
うにすると最適の処理効率が得られる。これは0.1 A/dm
2 未満では充分な殺菌が行なわれないことがあり、1.0
A/dm2 を越えると電極寿命が短くなることがあるからで
ある。この値の電圧値や電流密度値が得られない場合に
は電極板を複数個に分割しても良い。通電は極性を維持
したまま行なっても良いが、純水以外の水の場合には例
えば2〜60分ごとに極性を反転させて析出するカルシウ
ム化合物やマグネシウム化合物等を溶解させることがで
きる。継続通電時間が2分未満では殺菌効率が悪く電極
寿命も短くなりがちであり、60分を越えると前記化合物
の析出量が多くなるからである。この電極は当然に全被
処理水と接触して殺菌等の効率を上昇させることが望ま
しいが、単に被処理水中に浸漬するだけでは充分な処理
効率が達成できない場合がある。例えば被処理水が比較
的狭い配管内を流れている場合には、該配管の断面と一
致するように前記金属電極を成形しかつ該配管内にその
内壁面と密着するように配置すると接触効率が最大にな
り、効果的な水処理を達成できる。
【0019】又両側に仕切り等を有する流路を前記被処
理水が流れている場合には、前記電極を孔を有しない無
孔性電極又は孔を通り抜ける抵抗の比較的大きい電極と
し、該流路の被処理水を堰き止める堰として前記電極を
配置し、被処理水が該電極内を充分な接触効率で透過す
るか、堰の上をオーバーフローするようにする。又被処
理水の種類によっては、殺菌効率をゼロにする必要はな
く、全体的に微生物濃度が減少すれば良いような水処理
もある。この場合には、前記電極をそのまま被処理水中
に浸漬し、いわゆるバッチ型の水処理を行なっても良
い。更に処理すべき被処理水の量が大きい場合には、複
数の前記電極特に金属電極を額縁状のスペーサーやガス
ケットを介して積層し、一体化した電極として使用する
ことができる。これにより必要とする処理済水の量に応
じて電極の枚数を調節することにより、所定量の処理済
水を必要量だけ製造できることになる。なお前記スペー
サーやガスケットの厚さは1〜10mm程度であることが望
ましく、これは1mm未満であると電極に析出することの
ある前記カルシウム化合物等により隣接する電極間に短
絡が生ずる恐れがあり、又10mmを越えると殺菌に必要な
電流が流れにくくなるからである。
【0020】前記電極は水中で使用されるため、該電極
に給電するためには、実際上は給電体が必要になる。こ
の給電体は、被処理水の外から前記電極に通電するため
の部材で、該給電体は十分な導電性と被処理水に対する
耐性がある金属であれば特にその材質は限定されない
が、耐性の面からチタンを使用することが好ましい。該
給電体と前記電極の接続には通常の電気部品の接続のよ
うにハンダ付け等が利用される。前記電極は単に水中に
浸漬するだけでなく、例えば水中にポンプを設置して該
ポンプにより被処理水を前記電極に吹き付けて処理効率
を向上させても良く、又前記電極は必ずしも全体を水中
に浸漬させる必要はなく、例えば滝状に流れ落ちる被処
理水の落下部に前記電極を位置させるようにしても良
く、この態様も本発明に含有される。
【0021】本発明による微生物の殺菌機構は次のよう
であると推測できる。第1に、微生物が陽極表面に衝突
して死滅する。第2に前記電極表面で被処理水に含まれ
る微量塩素が酸化されて次亜塩素酸が発生し、又水電解
により活性酸素が発生する。これらの次亜塩素酸や活性
酸素により被処理水中の微生物が殺菌され、微量不純物
も分解する。多孔性電極は平板無穴電極に比べて表面積
が大きく酸化効率が高くなるとともに、被処理水が多孔
を通過する際に乱流が発生し、これが被処理水を攪拌
し、電極との接触効率を高めていると推測できる。
【0022】本発明による方法あるいは装置を使用する
と、被処理水中の微生物の殺菌や他の水質改善を達成で
きる。前記微生物としては、細菌(バクテリア)、糸状
菌(黴)、酵母、変形菌、単細胞の藻類、原生動物、ウ
イルス等が含まれ、水質改善には、カルキ臭や有効塩素
成分の分解等が含まれる。本発明の対象となる被処理水
は特に限定されないが、例えば工業用水、水道水、井戸
水、雨水、回収水、排水、海水、池の水、プール水、飲
料水、風呂水、ガス吸収塔水、冷却水、水耕栽培水、噴
水、写真現像液、養魚用水、水エマルジョン、製紙用
水、温泉水、砂糖液、果汁、染料インク、酒、牛乳、お
茶、豆乳、各種化学物質含有水溶液、食品用水、医薬品
用水、磁気記録用ハードディスク洗浄用水、半導体洗浄
用水等がある。又農薬を溶解した水を処理して農薬分解
を行なうこともできる。
【0023】本発明に係わる電気化学的処理では従来の
水処理用装置である電解槽とは異なり、電極を被処理水
中に浸漬する構成であるため、電解槽自体の準備及び設
置の必要がなく、被処理水の電解槽への導入及び排出に
伴う配管やエネルギーが不要であり、又オーバーオロー
を可能にすると、抵抗が小さくなり電極の閉塞が防止で
き、又水漏れ対策や電解槽の設置スペースも不要にな
り、電極の交換や洗浄が殆ど必要でなくなる。電極の洗
浄が必要となった際には、被処理水以外の液中に汚染し
た電極を入れて、極性を反転させると析出物が溶解して
洗浄するか、あるいは前記電極を被処理水の外に出して
清水を噴射して洗浄できる。本発明装置は長期間の運転
に耐え洗浄は殆ど必要ないが、洗浄を行なう場合には過
酸化水素、オゾン水、次亜塩素酸、pH3以下の酸性
水、pH9以上のアルカリ水のいずれかを単独で又は交
互に流しても良い。又本発明方法は該方法単独で実施し
ても十分な効果が生ずるが、該方法を紫外線殺菌、オゾ
ン殺菌、薬剤殺菌等と併用すると更に確実に短時間で被
処理水の処理を行なうことができる。
【0024】次に本発明に係わる電気化学的水処理装置
の実施例を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明
の電気化学的水処理装置の一実施例を例示するもので、
図1aはその平面図、図1bはその側面図、図2aは図
1のA−A′線断面図、図2bは図1のB−B′線断面
図、図2cは図1のC−C′線断面図である。1は、方
形のチタン製のエクスパンドメッシュ(短径1mm、長径
2mm程度が最適)の表面に、例えば白金とイリジウムの
混合物を担持した金属電極で、この金属電極1は複数
枚、図示の例では10枚が、隣接する前記金属電極1の周
縁部に額縁状のガスケット2を挟んで上下方向に積層さ
れている。図2aに示すように、最上位及び最下位の金
属電極(端子電極1′、1″)の外周部及び積層された
金属電極1とガスケット2の外縁部に接触する凹状の切
れ込みを有する電気絶縁材料である額縁状の樹脂フレー
ム3が嵌め込まれ、電極構造体4を構成している。
【0025】この電極構造体4の最上位及び最下位の金
属電極(端子電極)1′、1″の上面及び下面には給電
棒5、5′が接続され前記端子電極1′への給電を行な
うようにしてある。両端子電極1′間の8枚の金属電極
1は前記端子電極1′に印加される電圧により、電極の
下面が負に上面が正に帯電する。処理されるべき被処理
水は主としてこの金属電極1の上面(正に帯電)に接触
して該被処理水中の微生物殺菌(酸化)が行なわれ、下
面(負に帯電)に接触してカルキ臭の分解等(還元)が
行なわれる。
【0026】図3は、本発明の電気化学的水処理装置の
他の実施例を例示するもので、図3aは3本の補助給電
棒を接続した例を、図3bは1本の補助給電棒を接続し
た例を示す。図3a及び3bは図1の改良例であり、図
1と同じ部材には同一符号を付して説明を省略する。図
3aに示した装置は、両端子電極1′、1″間の金属電
極を分極させず、直接電流を流すことを可能にした装置
である。図3aの装置では、上下の端子電極1′、1″
aの間に6枚の金属電極1が積層され、最上位の端子電
極1′には正の電位が、又最下位の端子電極1″にはそ
れぞれの給電棒5、5′により負の電位がそれぞれ印加
され、上から1番目及び2番目の金属電極1(端子電極
を除く)間には両電極1に接触するように、負の電位を
印加する給電棒5aが、又上から3番目及び4番目の金
属電極1間には両電極1に接触するように、正の電位を
印加する給電棒5bが、又上から5番目及び6番目の金
属電極1間には両電極1に接触するように、負の電位を
印加する給電棒5cがそれぞれ接続されている。
【0027】この装置では、計5本の給電棒5、5a、
5b、5cにより隣接する端子電極1′、1″及び金属
電極1に正負の電位が付与されて該隣接する電極間に電
流が流れて陽極及び陰極として機能して被処理水の処理
が行なわれる。図3bの装置では、上下の端子電極
1′、1″の間に7枚の金属電極1が積層され、最上位
の端子電極1′及び最下位の端子電極1″には給電棒
5、5′により負の電位がそれぞれ印加され、上から4
番目及び5番目の金属電極1(端子電極を除く)間には
両電極1に接触するように、負の電位を印加する給電棒
5dが接触するように接続されている。この装置では最
上位の端子電極1′と給電棒5d間、及び最下位の端子
電極1″と給電棒5d間には電位が印加されて図1の場
合と同様に被処理水の処理が行なわれる。
【0028】図4は、本発明装置を使用する被処理水処
理の例を示す概略図である。この例では、樋6の中を流
れる被処理水中に例えば図1に示した電極構造体4を設
置し、傾斜した前記樋6の上流側から被処理水を流する
と、この被処理水は電極構造体4内を流れて処理される
とともに、前記樋6の上端をオーバーフローして下流側
に達し、樋6から取り出される。
【0029】図5及び図6は、本発明装置を使用する被
処理水処理の他の例を示す概略図である。図5の例で
は、タンク7内の架台8上に前記電極構造体4を設置
し、タンク7内に満たされた被処理水を処理することを
意図するもので、前記電極構造体4に通電すると電極表
面からガスが発生し、これにより被処理水の対流が生じ
て攪拌され被処理水が電極表面に接触して処理が行なわ
れる。又図6に示すようにタンク7下部側面から被処理
水の供給用管9を挿入し、該管9から被処理水を吹き付
けるように前記電極構造体4に供給すると,更に対流が
激しく起こって、処理効率が向上する。
【0030】図7から図10は、本発明装置を使用する被
処理水処理の更に他の例を示す概略図である。図7は、
樋10の下端の真下のタンク11内の架台12上の受皿13内に
前記電極構造体4を設置した例を示すもので、被処理水
の処理を、前記電極構造体4の洗浄と合わせて行なうこ
とができる。図8に示す例では、タンク11内に被処理水
を供給する供給管14を受皿13に接続し、かつ該供給管13
より高い位置に前記電極構造体4を設置し、前記供給管
13から供給される被処理水を前記電極構造体4で処理
し、その後処理済みの被処理水が前記受皿14の上端から
オーバーフローして前記タンク11内に供給されるように
している。
【0031】図9はに示す例では、横長のタンク11内に
前記電極構造体4を浸漬し、タンクの他端側にポンプ15
を連結した循環管16の一端を接続してある。この例では
前記ポンプ15により被処理水が強制的に循環し、従って
前記電極構造体4を通過するため処理効率が上昇する。
図10に示す例では、電極構造体4を載せる架台12を超音
波発生装置17上に載せ、前記電極構造体4で被処理水の
処理を行なうとともに前記超音波発生装置17で超音波を
発生させて、電気化学的な水処理と超音波による水処理
を併せて行なうことにより、処理効率の向上を図ってい
る。
【0032】
【発明の効果】本発明に係わる電気化学的水処理装置
は、触媒を担持した複数の金属基体を、ガスケットを介
して積層し、その外周を電気絶縁性材料で固定し、これ
を被処理水中に浸漬して通電することにより前記被処理
水の電気化学的殺菌を行なうことを特徴とする装置(請
求項1)である。前述の通り、本発明では従来の水処理
用装置である電解槽とは異なり、電極を被処理水中に浸
漬する構成であるため、電解槽自体の準備及び設置の必
要がなく被処理水の電解槽への導入及び排出に伴う配管
やエネルギーが不要であり、又オーバーオローを可能に
すると、抵抗が小さくなり電極の閉塞が防止でき、又水
漏れ対策や電解槽の設置スペースも不要になり、電極の
交換や洗浄が殆ど必要でなくなる。従ってエネルギー面
でも設備面でも経済的な運転が可能になり、特に複数の
金属基体を使用するため大量の被処理水の処理に最適で
ある。
【0033】本発明に係わる電気化学的水処理方法は、
触媒を担持した金属基体に被処理水中で通電して該被処
理水の電気化学的殺菌を行なうこととを特徴とする水処
理方法(請求項2)である。本発明では、前述の本発明
装置のように複数枚の電極を必要とせず、単一枚の電極
で構成しても良く、この場合にはガスケットが不要にな
るため、構造が更に簡単になり、大きな省エネルギー化
を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気化学的水処理装置の一実施例を例
示するもので、図1aはその平面図、図1bはその側面
図。
【図2】図2aは図1のA−A′線断面図、図2bは図
1のB−B′線断面図、図2cは図1のC−C′線断面
図。
【図3】本発明の電気化学的水処理装置の他の実施例を
例示するもので、図3aは3本の補助給電棒を接続した
例を、図3bは1本の補助給電棒を接続した例を示す。
【図4】本発明装置を使用する被処理水処理の例を示す
概略図。
【図5】本発明装置を使用する被処理水処理の他の例を
示す概略図。
【図6】本発明装置を使用する被処理水処理の更に他の
例を示す概略図。
【図7】本発明装置を使用する被処理水処理の更に他の
例を示す概略図。
【図8】本発明装置を使用する被処理水処理の更に他の
例を示す概略図。
【図9】本発明装置を使用する被処理水処理の更に他の
例を示す概略図。
【図10】本発明装置を使用する被処理水処理の更に他の
例を示す概略図。
【符号の説明】
1・・・金属電極 1′、1″・・・端子電極 2・・
・ガスケット 3・・・樹脂フレーム 4・・・電極構
造体 5、5′、5a、5b、5c・・・給電棒 6・
・・樋 7・・・タンク 8・・・架台 9・・・被処
理水供給用管10・・・樋 11・・・タンク 12・・・架
台 13・・・受皿 14・・・被処理水供給管 15・・・
ポンプ 16・・・循環管 17・・・超音波発生装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒を担持した複数の金属基体を、ガス
    ケットを介して積層し、その外周を電気絶縁性材料で固
    定し、これを被処理水中に浸漬して通電することにより
    前記被処理水の電気化学的殺菌を行なうことを特徴とす
    る装置。
  2. 【請求項2】 触媒が、白金、イリジウム、ルテニウム
    から選択される貴金属又はそれらの合金又は酸化物であ
    る請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 触媒を担持した金属基体に被処理水中で
    通電して該被処理水の電気化学的殺菌を行なうこととを
    特徴とする水処理方法。
  4. 【請求項4】 金属基体への通電を電極の極性を反転さ
    せながら行なうようにした請求項2に記載の水処理方
    法。
  5. 【請求項5】 触媒を担持した金属基体を被処理水の流
    れに対して堰となるように該被処理水中に設置し、前記
    金属基体に通電して前記被処理水の電気化学的殺菌を行
    なうこととを特徴とする水処理方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001115427A (ja) * 1999-10-19 2001-04-24 Toshiba Corp 海水接触構造物の防汚装置およびその性能劣化監視方法
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