JPH11117064A - スパッタリング装置 - Google Patents

スパッタリング装置

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Publication number
JPH11117064A
JPH11117064A JP29345797A JP29345797A JPH11117064A JP H11117064 A JPH11117064 A JP H11117064A JP 29345797 A JP29345797 A JP 29345797A JP 29345797 A JP29345797 A JP 29345797A JP H11117064 A JPH11117064 A JP H11117064A
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JP
Japan
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substrate
sputtering
concave portion
substrate holder
target
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JP29345797A
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English (en)
Inventor
Masahiko Kobayashi
正彦 小林
Nobuyuki Takahashi
信行 高橋
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Canon Anelva Corp
Original Assignee
Anelva Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板配置面に形成された凹部内に昇圧用ガス
を密封して熱伝導を行わせる際の問題を解決して基板の
温度を十分な精度で制御して高生産性で高歩留の成膜処
理を可能にする。 【解決手段】スパッタにより放出されたターゲット2の
材料が到達するスパッタチャンバー1内の所定位置に基
板9を配置する基板ホルダー4の基板配置面に形成され
た凹部40内には、昇圧用ガス導入系42によってガス
導入路41を経由して昇圧用ガスが導入される。基板9
は静電吸着機構43により静電的に基板ホルダー4に吸
着されて凹部40が密閉され、凹部40内の圧力が上昇
して加熱効率が向上する。制御部47は、静電吸着機構
43が動作して静電吸着が安定化した後に昇圧用ガス導
入系42を動作させる。基板配置面の周囲へのスパッタ
粒子の付着を防止する交換可能なシールドカバー46へ
のスパッタ粒子の付着を抑制する防着シールド8が設け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、ターゲットを
スパッタして基板の表面に所定の薄膜を作成するスパッ
タリングの技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ターゲットをスパッタして基板の表面に
所定の薄膜を作成するスパッタリングの技術は、半導体
集積回路の製作の際などに盛んに利用されている。例え
ば、多くの集積回路で配線用として用いられているアル
ミニウム薄膜は、アルミニウム製のターゲットを使用し
たスパッタリングによって多くが作成されている。ま
た、最近では、相互拡散を防止するバリア膜の作成にも
スパッタリングが利用されつつあり、チタン製のターゲ
ットをスパッタしてチタン薄膜や窒化チタン薄膜が作成
されている。
【0003】図4は、このような従来のスパッタリング
装置の概略構成を示す正面図である。図4に示すスパッ
タリング装置は、排気系11を備えたスパッタチャンバ
ー1と、スパッタチャンバー1内に被スパッタ面 20
を露出させるようにして設けられたターゲット2と、タ
ーゲット2をスパッタするためのスパッタ電源3と、ス
パッタによって放出されたターゲット2の材料が到達す
るスパッタチャンバー1内の所定位置に基板9を配置す
るための基板ホルダー4とを備えている。
【0004】ターゲット2は、絶縁材21を介してスパ
ッタチャンバー1に取り付けられている。スパッタ電源
3は、ターゲット2に負の高電圧を印加するよう構成さ
れている。スパッタチャンバー1は、内部に所定のプロ
セスガスを導入するプロセスガス導入系5を有する。ア
ルゴン等のプロセスガスがスパッタチャンバー1に導入
され、ターゲット2に負の高電圧が印加されると、接地
電位である基板ホルダー4やスパッタチャンバー1の器
壁との間に直流電界が設定され、この直流電界によって
スパッタ放電が生ずる。このスパッタ放電によってター
ゲット2から放出された粒子(通常は原子の状態、以
下、スパッタ粒子と呼ぶ)は、基板9に到達して所定の
薄膜を堆積する。
【0005】一方、基板ホルダー4は、基板9の配置と
ともに基板9を所定温度に加熱する手段にも兼用されて
いる。即ち、基板ホルダー4の内部には、基板9を所定
温度に加熱するヒータ6が設けられている。例えば、基
板ホルダー4内は中空の空間とされ、この空間に輻射加
熱方式のヒータ6が設けられる構成が採用される。
【0006】基板ホルダー4は、その上面が基板配置面
になっているが、この基板配置面には図4に示すような
凹部40が形成されている。基板9は、この凹部40を
密閉するように載置される。尚、凹部40は、平面視で
は円形の形状である。そして、基板ホルダー4は、この
凹部40内に昇圧用ガスを導入するガス導入路41を有
する。ガス導入路41には、昇圧用ガス導入系42が接
続され、アルゴンガス、ヘリウムガス等の昇圧用ガスが
導入されるようになっている。
【0007】基板ホルダー4上に基板9を載置した場
合、基板ホルダー4の上面や基板9の裏面が完全な平坦
面ではないために両者の間には微小な隙間が形成され
る。この場合、スパッタチャンバー1の内部は排気系1
1によって排気され、成膜時には1〜3mTorr程度
の真空圧力になる。従って、この微小な隙間もこの程度
の真空圧力となる。このため、ヒータ6によって基板9
を加熱しようとした際、基板ホルダー4から基板9の裏
面に十分に熱が伝わらず、基板9の温度を十分な精度で
制御できなくなる。
【0008】このため、従来の装置では、基板配置面に
凹部40を設け、この凹部40内に昇圧用ガスを導入し
て圧力を上昇させている。具体的には、凹部40内を例
えば1〜3Torr程度に昇圧し、基板ホルダー4と基
板9との間の空間の熱伝導効率を高めている。このよう
な構成により、例えば1kW程度の輻射加熱方式のヒー
タ6を使用した場合、基板9を500℃程度まで加熱す
ることが可能となっている。
【0009】しかしながら、上記構成のみでは、凹部4
0を完全に密閉することはできない。即ち、凹部40の
周囲の基板9と基板ホルダー4とが直接接する部分で
は、やはり基板9と基板ホルダー4との間に微小な隙間
が形成される。このため、凹部40に導入した昇圧用ガ
スがこの隙間から少しずつ漏れ出てしまう。この結果、
スパッタチャンバー1内の雰囲気に対して凹部40内に
十分な差圧が形成されず、凹部40内の圧力が低下して
加熱効率が悪くなってしまう。
【0010】このような問題から、従来の装置では、基
板9を基板ホルダー4に機械的に押しつけるクランプ手
段7を採用している。クランプ手段7は、リング状のク
ランパ71と、クランパ71を上下動させる駆動機構7
2とから構成されている。クランパ71は、内径が基板
9の直径よりも少し小さく、外径が基板9の直径よりも
大きい円環状である。クランパ71の下面には、基板9
の直径とほぼ同じ大きさの円周状の突起73が形成され
ている。クランパ71が駆動機構72によって下降する
と、突起73が基板9の周縁に当たり、クランパ71が
基板9を基板ホルダー4に押しつける状態となる。この
ような機械的な押しつけによって凹部40が密閉され、
加熱効率の低下が防止されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ク
ランプ手段7を採用する従来の装置では、以下のような
問題があった。まず第一の問題は、クランパ71に堆積
した薄膜と基板9の表面に堆積した薄膜の癒着の問題で
ある。図5を使用してこの問題を説明する。図5は、従
来の装置における癒着の問題を説明する断面概略図であ
る。
【0012】上述した従来の装置において、薄膜90は
基板9の表面のみならずクランパ71の表面にも堆積す
る。クランパ71に堆積する薄膜90は、スパッタチャ
ンバー1内に次々に基板9を搬入して成膜処理を繰り返
すうちにかなりの膜厚に成長する。そして、図5に点線
で示すように、ついにはクランプ71に堆積した薄膜9
0と基板9に堆積した薄膜90とが接触し、クランパ7
1と基板9とが薄膜90でつながってしまう状態(本明
細書では「癒着」と表現する)となる。例えば、クラン
パ71に薄膜90が3〜4mm程度の厚さで堆積する
と、癒着が発生する。癒着が発生すると、駆動機構72
によってクランパ71を上昇させようとしてもクランパ
71が上昇せず、基板ホルダー4から基板9が取り外せ
なくなる搬送エラーが生ずる。このため、従来の装置で
は、成膜処理を所定回数繰り返した後、癒着が発生する
前に、スパッタチャンバー1内を大気に開放してクラン
パ71の交換を行っていた。
【0013】スパッタリング装置は、ターゲット2を消
費しながら成膜を行うため、ターゲット2を所定の量ま
で消費した時点でスパッタチャンバー1を開放してター
ゲット2の交換を行う。しかしながら、従来の装置で
は、一回のターゲット2の交換までの間に2回から3回
のクランパ71の交換が必要になっており、ターゲット
2の交換頻度以上の頻度でクランパ71を交換する必要
があった。クランパ71の一回の交換作業には約8時間
を要するため、生産性を著しく阻害する要因となってい
た。
【0014】また、第二の問題は、クランパ71によっ
てスパッタ粒子が遮蔽されるシャドー効果である。即
ち、一枚の基板9からより多くの素子を産出させるた
め、基板9の表面のより周縁に近い領域まで利用される
ようになってきている。しかしながら、従来の装置で
は、基板9の周縁に近い領域では、その領域に到達しよ
うとするスパッタ粒子の一部がクランパ71によって遮
蔽されるため、中心よりの領域に比べて膜厚が低下する
傾向がある。このような現象をシャドー効果と呼ぶが、
このシャドー効果のため、周縁に近い領域から産出され
る素子が不良品となる確率が高く、全体の歩留まりを低
下させる原因となっていた。
【0015】さらに、第三の問題として、上記機械的な
クランプ方式では、依然として基板9を基板ホルダー4
に十分に密着させることができず、凹部40からの昇圧
用ガスの漏れを防止することができなかった。というの
は、基板9を機械的に押しつけて基板ホルダー4に密着
させる構成では、押しつけるクランパ71の高い平坦性
(具体的には突起73の下面の平坦性)が必要となる。
しかしながら、基板9の直径程度の大きな径の部材の下
面を十分に高い平坦性で形成することは困難である。
【0016】特に、駆動機構72による上下動を容易に
するためや上述したシャドー効果を抑制するため、クラ
ンパ71は出来るだけ薄くした形状とされることが要請
される。しかしながら、クランパ71を薄くすると、容
易に熱変形しやすくなり、基板9を均一に押し付けるこ
とが出来なくなって、凹部40からの昇圧用ガスの漏れ
を助長してしまう。このようなことから、機械的なクラ
ンプ方式では、基板ホルダー4への基板9の密着性に限
界があった。
【0017】本願発明は、このような課題を解決するた
めになされたものである。即ち、本願発明は、基板配置
面に形成された凹部内に昇圧用ガスを密封して熱伝導を
行わせるスパッタリング装置における問題を解決して、
基板の温度を十分な精度で制御しながら高い生産性でか
つ高い歩留まりで成膜処理を行うことができるスパッタ
リング装置を提供することを目的をしている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、排気系を備えたスパ
ッタチャンバーと、スパッタチャンバー内に被スパッタ
面を露出させるようにして設けられたターゲットと、タ
ーゲットをスパッタするためのスパッタ電源と、スパッ
タによって放出されたターゲットの材料が到達するスパ
ッタチャンバー内の所定位置に基板を配置するための基
板ホルダーとを備えたスパッタリング装置であって、基
板ホルダーは、その基板配置面に凹部が形成されている
とともに当該凹部内に昇圧用ガスを導入するガス導入路
と、ガス導入路を経由して凹部内に昇圧用ガスを導入す
る昇圧用ガス導入系とを備えて、基板が載置された際に
基板によって凹部が密閉される構造を有し、さらに、基
板が基板ホルダーに対して静電気によって吸着されるよ
うにする静電吸着機構が設けられているを備えていると
いう構成を有する。上記課題を解決するため、請求項2
記載の発明は、上記請求項1の構成において、前記静電
吸着機構が動作して所定時間が経過して基板の静電吸着
が安定化した後に前記昇圧用ガス導入系を動作させる制
御部を有する。上記課題を解決するため、請求項3記載
の発明は、上記請求項1又は2の構成において、前記基
板ホルダーには、基板配置面の周囲へのスパッタ粒子の
付着を防止するシールドカバーが交換可能に設けられて
おり、シールドカバーへのスパッタ粒子の付着を抑制す
る防着シールドが設けられているという構成を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本願発明の実施形態のスパッタ
リング装置の概略構成を示す正面図である。図1に示す
スパッタリング装置は、排気系11を備えたスパッタチ
ャンバー1と、スパッタチャンバー1内に被スパッタ面
20を露出させるようにして設けられたターゲット2
と、ターゲット2をスパッタするためのスパッタ電源3
と、スパッタによって放出されたターゲット2の材料が
到達するスパッタチャンバー1内の所定位置に基板9を
配置するための基板ホルダー4とを備えている。
【0020】スパッタチャンバー1は、ステンレス等で
形成された気密な容器であり、電気的には接地されてい
る。スパッタチャンバー1には、不図示のゲートバルブ
が設けられており、不図示の搬送チャンバーやロードロ
ックチャンバーを経由して大気側との基板9の搬入搬出
が行われる。
【0021】排気系11は、ターボ分子ポンプやクライ
オポンプ等の複数段の真空ポンプを備えて、スパッタチ
ャンバー1内を10-8Torr程度まで排気可能に構成
される。排気系11には、バリアブルオリフィス等の不
図示の排気速度調整器が設けられており、所定の排気速
度で排気可能となっている。
【0022】ターゲット2は、絶縁材21を介してスパ
ッタチャンバー1に取り付けられている。ターゲット2
は、本実施形態ではアルミニウム又はアルミニウム合金
製である。スパッタ電源3は、ターゲット2に−400
〜−700V程度の負の高電圧を印加するようになって
いる。この負の高電圧によって、ターゲット2と基板ホ
ルダー4等との間に直流電界が設定され、スパッタ放電
が生じる。
【0023】ターゲット2の背後には、磁石機構22が
設けられている。磁石機構22は、マグネトロン放電を
達成させるものである。具体的には、磁石機構22は、
中心磁石221と、中心磁石221を取り囲む周状を周
辺磁石222と、中心磁石221及び周辺磁石222を
固定した板状のヨーク223とから構成されている。中
心磁石221と周辺磁石222との間には、ターゲット
2を貫通するアーチ状の磁力線224が設定される。こ
の磁力線とターゲット2の被スパッタ面20とで囲まれ
た領域に電子が閉じこめられ、中性ガス分子が高い効率
でイオン化する。このため、スパッタ放電が効率よく維
持され、多くのスパッタ粒子が放出されて高い成膜速度
が得られる。
【0024】また、スパッタ電源3によって設定される
直流電界の向きはターゲット2の被スパッタ面20に垂
直である。従って、アーチ状の磁力線224の頂上付近
で磁界と電界が直交し、マグネトロン放電が達成され
る。即ち、電子がマグネトロン運動し、ターゲット2の
中心軸の回りに周回してスパッタ放電の効率をさらに向
上させる。
【0025】スパッタ放電に必要なプロセスガスは、プ
ロセスガス導入系5によって導入される。プロセスガス
導入系5は、所定のガスを貯めた不図示のガスボンベ
と、ガスボンベとスパッタチャンバー1とをつなぐ配管
上に設けたバルブ51や不図示の流量調整器等で構成さ
れる。尚、ターゲット2から放出されるスパッタ粒子の
イオン化のみでスパッタ放電が維持される場合、プロセ
スガスが導入されない場合もある。
【0026】さて、本実施形態の大きな特徴点を成す基
板ホルダー4は、基板配置面に凹部40が形成され、こ
の凹部40に昇圧用ガスを導入するガス導入路41を有
している。そして、ガス導入路41には昇圧用ガス導入
系42が接続されている。昇圧用ガスとしては、従来と
同様にアルゴンガス、又はヘリウムガス等が使用され
る。また、本実施形態の基板ホルダー4もヒータ6を備
えている。ヒータ6としては、従来と同様に基板ホルダ
ー4内の中空の空間に設けた1kW程度の輻射加熱方式
のものが採用できる。別の構成としては、抵抗加熱方式
のヒータを基板ホルダー4内に埋設するようにしてもよ
い。
【0027】そして、本実施形態の装置では、基板9を
機械的に基板ホルダー4に押し付けるのでなく、静電吸
着機構43によって基板9を静電的に基板ホルダー4に
吸着させている。静電吸着機構43は、基板ホルダー4
の一部として設けられた誘電体ブロック44内に埋設さ
れた一対の吸着電極431と、一対の吸着電極431の
間に直流電圧を印加する吸着用電源432とから主に構
成されている。
【0028】誘電体ブロック44はアルミナ等の誘電体
製であり、金属製のホルダー本体45に対して密着性よ
く接合されている。誘電体ブロック44とホルダー本体
45とは接着材等を使用して接合されるが、間に薄いカ
ーボンシートのような緩衝材を介在させると、密着性よ
く両者が接合され、熱伝導性が良好に保たれる。
【0029】吸着用電源432は、例えば300〜80
0V程度の電圧を一対の吸着電極431の間に与えるよ
う構成されている。この電圧によって、誘電体ブロック
44に誘電分極が生じ、表面に静電気が誘起される。こ
の静電気によって、基板9が誘電体ブロック44に静電
吸着される。この結果、基板ホルダー4に対する基板9
の密着性が向上し、凹部40からの昇圧用ガスの漏れが
効果的に防止される。このため、スパッタチャンバー1
内の雰囲気と凹部40内との間に十分な差圧が形成さ
れ、スパッタチャンバー1内を所定の真空圧力に保ちつ
つも凹部40内は所定の高い圧力に維持される。従っ
て、ヒータ6からの熱が基板ホルダー4を経由して効率
よく基板9に伝えられ、加熱される基板9の温度を高い
精度で制御することが可能となる。
【0030】加熱制御の一例について説明すると、例え
ば、スパッタチャンバー1内の圧力が1〜3mTorr
程度である場合、吸着用電源432によって800V程
度の電圧を印加して基板9を静電吸着しながら、凹部4
0内に例えばアルゴンガスを導入して凹部40内を10
Torr程度の圧力に上昇させる。そして、ヒータ6に
800W程度の電力を供給すると、基板9を500℃程
度に加熱することが可能となる。
【0031】図2は、図1に示す基板ホルダー4の凹部
40の形状について説明する平面概略図である。図1及
び図2から分かる通り本実施形態の装置では、周縁に沿
って延びる円環状の凸部と、この円環状の凸部の内側に
散在する小さな円柱状の凸部によって凹部40が形成さ
れている。ガス導入路41の出口411は、中央付近に
形成されており、出口411から凹部40内に導入され
たガスが円柱状の凸部の間を通って拡散して凹部40内
に充満するようになっている。
【0032】このような凹部40の構成は、基板配置面
のうち基板9に直接接触する面積を大きくするのに役立
っている。即ち、従来のように平面視が円形の単純な凹
部40であると、基板配置面のうち基板9に直接接する
部分の面積は小さい。このため、静電吸着機構43によ
って吸着した場合に十分基板9を吸着できないこともあ
り得る。しかしながら、上記のような凹部40にして基
板9に直接接する部分の面積を大きくすると、全体の吸
着力が増し、基板9を十分確実に吸着することができ
る。
【0033】また、図1から分かるように、本実施形態
の装置では、図4に示すようなクランパ71は設けられ
ていない。しかしながら、基板ホルダー4へのスパッタ
粒子の付着を防止する防着シールド8が設けられてい
る。図3は、図1の装置に使用された防着シールド8の
構成及び作用を説明する部分断面拡大図である。
【0034】まず、基板ホルダー4の基板配置面の周囲
には、図1及び図3に示すような段差が形成されて少し
低くなっている。そして、この段差の部分には、シール
ドカバー46が設けられている。シールドカバー46
は、交換可能にこの段差の部分を覆う部材である。シー
ルドカバー46は、アルミ等の材質で形成されており、
表面に堆積する薄膜の剥離を防止するために表面に凹凸
を形成するサンドブラスト処理等が必要に応じて施され
る。
【0035】ターゲット2から飛来するスパッタ粒子
は、基板9の表面のみならず、基板9の周囲の部材にも
付着する。従って、基板ホルダー4の周囲の段差の部分
にもスパッタ粒子は飛来してくる。この場合、シールド
カバー46がないと、基板ホルダー4に直接薄膜90が
堆積してしまう。この薄膜90が相当の厚さに達すると
従来と同様に基板9上の薄膜90との癒着が生じてしま
う。このため、定期的にメンテナンスを施す必要が生ず
る。しかしながら、基板ホルダー4全体を交換すること
は困難であり、実用的ではない。そこで、シールドカバ
ー46で段差の部分を覆っておき、シールドカバー46
に堆積する薄膜90が所定の厚さに達する程度に成膜処
理を繰り返したら、シールドカバー46を交換するよう
にしている。
【0036】しかしながら、シールドカバー46の薄膜
90の堆積速度が速いと、従来におけるクランパ71の
場合と同様に、ターゲット2の交換頻度より高い頻度で
シールドカバー46を交換する必要性が生じてしまい、
生産性低下の原因となる。そこで、防着シールド8を設
けてシールドカバー46へのスパッタ粒子の付着を抑制
している。即ち、防着シールド8は、シールドカバー4
6へのスパッタ粒子の到達を遮蔽するよう設けられてい
る。
【0037】防着シールド8は、具体的にはステンレス
等の金属製であり、不図示の固定具によってスパッタチ
ャンバー1に着脱自在に固定されている。従って、防着
シールド8は電気的には接地電位である。また、防着シ
ールド8に堆積する薄膜90が所定の厚さに達すると、
防着シールド8は交換される。防着シールド8の表面に
は、堆積する薄膜90の剥離を防止する凹凸がサンドブ
ラスト法等により必要に応じて形成される。
【0038】尚、図3と図5を比較すると分かるよう
に、防着シールド8はクランパ71に比べて基板9から
離れた位置に配置されている。従って、防着シールド8
への薄膜90の堆積速度はクランパ71のそれより遙か
に低く、防着シールド8の交換頻度は、ターゲット2の
交換頻度より低くなっている。このため、防着シールド
8の交換のために装置の生産性が低下することはない。
【0039】また、防着シールド8がクランパ71に比
べて基板9の周縁から離れた位置にあることから、基板
9の周縁に近い領域に対するシャドー効果はクランパ7
1の場合に比べて遙かに低くなっている。即ち、防着シ
ールド8の影響によって基板9の周縁に近い領域から産
出される素子の歩留まりが低下するこは非常に少ない。
また、防着シールド8は、スパッタ粒子のシールドカバ
ー46への到達を完全に防止する必要はなく、シールド
カバー46の交換頻度が十分低くなるようにシールドカ
バー46への薄膜90の堆積速度を十分に低くすればよ
い。
【0040】尚、シールドカバー46に堆積した薄膜9
0が厚くなると基板9の裏面に癒着する問題が生ずる
が、癒着する部分については基板9自体がシャドー(遮
蔽体)となるので、この部分へのスパッタ粒子の到達は
少なく成膜速度は小さい。従って、シールドカバー46
の交換時期までにこの部分で癒着が生じてしまうことは
ない。
【0041】また、図1に示す通り本実施形態の装置で
は、静電吸着機構43の動作と昇圧用ガス導入系42の
動作とのタイミングを最適化する制御部47が設けられ
ている。制御部47は、静電吸着機構43が動作して所
定時間が経過して基板9の静電吸着が安定化した後に昇
圧用ガス導入系42を動作させるものである。
【0042】前述した通り、静電吸着機構43による基
板9の静電吸着は、昇圧用ガスを凹部40に効果的に密
閉するのに役立っている。しかしながら、基板9が基板
ホルダー4に静電吸着される前や静電吸着されるのと殆
ど同時に昇圧用ガス導入手段が動作すると、静電吸着機
構43を動作させても基板9が基板ホルダー4に十分静
電吸着されない問題が生ずる。即ち、昇圧用ガスが凹部
40に導入されている状態で静電吸着機構43が動作を
開始すると、凹部40から昇圧用ガスがあふれ出ている
状態で基板9を静電吸着させようとするので、静電気を
誘起しても基板9が十分に静電吸着されない問題が生ず
る。
【0043】そこで、本実施形態では、制御部47によ
って静電吸着機構43の動作と昇圧用ガス導入手段との
間にタイムラグを設けている。具体的には、制御部47
は、吸着用電源432に制御信号を送って基板9の静電
吸着を開始した後、所定時間経過後、昇圧用ガス導入系
42のバルブ421に制御信号を送り、バルブ421を
開けて昇圧用ガスを導入するよう構成されている。この
ため、上記のような基板9の静電吸着が不十分となる問
題が生じないようになっている。この際のタイムラグ
は、例えば5秒〜10秒程度でよい。
【0044】尚、基板9を基板ホルダー4から取り去る
際も同様であり、昇圧用ガス導入系42の動作を停止し
た後、静電吸着機構43の動作を停止させるようにした
方が良い。静電吸着機構43の動作が停止した後に昇圧
用ガス導入系42の動作が停止するような構成である
と、静電吸着機構43が停止して基板9の静電吸着が解
かれた際、凹部40からあふれ出る昇圧用ガスによって
基板9の位置がずれてしまう恐れがある。基板9の位置
がずれると、基板9を基板ホルダー4から取り去るよう
接近してきた搬送ロボットアームが基板9を正しく保持
できずに搬送エラーとなってしまう恐れがある。昇圧用
ガス導入系42の動作を停止した後に静電吸着機構43
の動作を停止させるようにすれば、このような問題はな
い。
【0045】次に、本実施形態のスパッタリング装置の
全体の動作について説明する。不図示の搬送チャンバー
又はロードロックチャンバーとスパッタチャンバー1と
が所定の圧力まで排気された状態で不図示のゲートバル
ブが開き、基板9がスパッタチャンバー1内に搬入され
る。基板9は基板ホルダー4に載置され、ゲートバルブ
が閉じられる。そして、まず静電吸着機構43が動作し
て基板9が基板ホルダー4に静電吸着される。そして、
前述した所定のタイムラグをおいて昇圧用ガス導入系4
2が動作して基板ホルダー4の凹部40に昇圧用ガスが
導入される。また、予めヒータ6が動作しており、上記
のように基板9が静電吸着されて凹部40内の圧力が上
昇すると、基板9が効率よく加熱され、所定の高温が維
持される。
【0046】この状態でプロセスガス導入系5が動作
し、所定のプロセスガスがスパッタチャンバー1内に導
入される。そして、スパッタ電源3が動作してスパッタ
放電が生じ、ターゲット2がスパッタされる。スパッタ
によってターゲット2から放出されたスパッタ粒子は基
板9に達し、基板9の表面に所定の薄膜が堆積する。
【0047】基板9の表面に堆積する薄膜が所定の厚さ
に成長するのに必要な時間が経過した後、スパッタ電源
3及びプロセスガス導入系5の動作を止め、スパッタチ
ャンバー1内を再度所定圧力まで排気する。そして、昇
圧用ガス導入系42の動作を停止した後、静電吸着機構
43の動作を停止し、基板9を基板ホルダー4から取り
去る。その後、基板9は搬送チャンバーやロードロック
チャンバーを経由して大気側に取り出される。そして、
このような動作を繰り返して基板9に対して一枚ずつ成
膜処理を施す。
【0048】上記構成及び動作に係る本実施形態のスパ
ッタリング装置によれば、従来のような機械的なクラン
プ手段7を使用せずに基板9を静電的に吸着しながら凹
部40を閉鎖して熱伝導効率を高めているので、クラン
パ71の高い交換頻度による生産性低下の問題やクラン
パ71のシャドー効果による歩留まり低下の問題、さら
に凹部40の閉鎖の不十分性からくる加熱制御の精度低
下の問題などは生じない。従って、基板9の温度を十分
な精度で制御しながら高い生産性でかつ高い歩留まりで
成膜処理を行うことができる実用的なスパッタリング装
置が提供される。
【0049】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の各請求項の発
明によれば、基板の温度を十分な精度で制御しながら高
い生産性でかつ高い歩留まりで成膜処理を行うことがで
きる実用的なスパッタリング装置が提供される。また、
請求項2の発明によれば、上記効果に加え、基板の静電
吸着が安定化した後に昇圧用ガスが導入されるので、凹
部からあふれ出る昇圧用ガスで基板の静電吸着ができな
くなってしまう問題が生じないという効果が得られる。
また、請求項3の発明によれば、上記効果に加え、基板
ホルダーの基板配置面への薄膜の堆積が効果的に防止さ
れて薄膜の剥離によるパーティクルの発生が抑制される
一方で、装置の生産性は低下しないという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態のスパッタリング装置の概
略構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す基板ホルダー4の凹部40の形状に
ついて説明する平面概略図である。
【図3】図1の装置に使用された防着シールド8の構成
及び作用を説明する部分断面拡大図である。
【図4】従来のスパッタリング装置の概略構成を示す正
面図である。
【図5】従来の装置における癒着の問題を説明する断面
概略図である。
【符号の説明】
1 スパッタチャンバー 11 排気系 2 ターゲット 3 スパッタ電源 4 基板ホルダー 41 ガス導入路 42 昇圧用ガス導入系 43 静電吸着機構 431 吸着電極 432 吸着用電源 44 誘電体ブロック 46 シールドカバー 47 制御部 5 プロセスガス導入系 6 ヒータ 8 防着シールド 9 基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気系を備えたスパッタチャンバーと、
    スパッタチャンバー内に被スパッタ面を露出させるよう
    にして設けられたターゲットと、ターゲットをスパッタ
    するためのスパッタ電源と、スパッタによって放出され
    たターゲットの材料が到達するスパッタチャンバー内の
    所定位置に基板を配置するための基板ホルダーとを備え
    たスパッタリング装置であって、 基板ホルダーは、その基板配置面に凹部が形成されてい
    るとともに当該凹部内に昇圧用ガスを導入するガス導入
    路と、ガス導入路を経由して凹部内に昇圧用ガスを導入
    する昇圧用ガス導入系とを備えて、基板が載置された際
    に基板によって凹部が密閉される構造を有し、さらに、
    基板が基板ホルダーに対して静電気によって吸着される
    ようにする静電吸着機構が設けられていることを特徴と
    するスパッタリング装置。
  2. 【請求項2】 前記静電吸着機構が動作して所定時間が
    経過して基板の静電吸着が安定化した後に前記昇圧用ガ
    ス導入系を動作させる制御部を有することを特徴とする
    スパッタリング装置。
  3. 【請求項3】 前記基板ホルダーには、基板配置面の周
    囲へのスパッタ粒子の付着を防止するシールドカバーが
    交換可能に設けられており、シールドカバーへのスパッ
    タ粒子の付着を抑制する防着シールドが設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のスパッタリング
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102234771A (zh) * 2010-04-27 2011-11-09 北大方正集团有限公司 用于在沉积成膜中固定成膜基底的压块、沉积成膜方法
US8367156B2 (en) 2006-03-03 2013-02-05 Canon Anelva Corporation Method of manufacturing magnetoresistive device and apparatus for manufacturing the same

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