JPH11117232A - 床版の補強構造 - Google Patents

床版の補強構造

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JPH11117232A
JPH11117232A JP27833297A JP27833297A JPH11117232A JP H11117232 A JPH11117232 A JP H11117232A JP 27833297 A JP27833297 A JP 27833297A JP 27833297 A JP27833297 A JP 27833297A JP H11117232 A JPH11117232 A JP H11117232A
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JP
Japan
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reinforcing
floor slab
slab
intermediate portion
concrete
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Application number
JP27833297A
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English (en)
Inventor
Yoji Shiina
洋史 椎名
Tsutomu Masaki
勉 正木
Kazuo Hashimoto
和夫 橋本
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AEN KK
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
AEN KK
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリート製の床版の強度を十分に保証して
長期信頼性に優れ、しかも補強工事のコストの安価な床
版の補強構造を提供する。 【解決手段】両端が桁2により支えられたコンクリート
スラブからなる床版10において、床版10の桁2間の
下面の略全幅に亘り前記桁2と直交方向に補強梁3が配
設され、前記補強梁3の端部は床版10の中立面14よ
り上部に達するアンカーボルト6により定着させる構成
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速道路や建物に
使用されるコンクリート製の床版を補強する補強構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に高架道路などにおいては、図8
(a)に示すように、コンクリート製の床版50が、両
端の桁51に支えられている。この床版50は、車両5
2等が走行する中間部50aは一定の肉厚のコンクリー
トスラブで形成され、両端の桁51に支えられる部分は
肉厚に形成された肉厚部50bとなり、この中間部50
aと肉厚部50bとの間は、中間部50aから肉厚部5
0b方向へ順次肉厚が増加するハンチ部50cとなって
いる。
【0003】このように構成された床版50は、常時重
量物の車両52等の走行による荷重を受けると中立面5
3の上側では圧縮荷重を受け、中立面53の下側では引
っ張り荷重をうけるので、長期間使用されると、その強
度が低下し、ハンチ部50cの延長方向に亀裂が入り、
応力破壊が発生するという問題があった。そこで、その
対策として、従来における補強方法は、亀裂部分に予め
エポキシ系樹脂を注入しておいたり、或いは、図8
(b)ないし図8(c)に示すように、中間部50aの
下面に補強材54を接着剤55で貼り付ける方法等が行
われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の亀裂部分にエポキシ系樹脂を注入する方法は、
大きなクラックには注入できても、細かなクラックには
注入できないため信頼性に欠けていた。また補修後の補
強強度は、設置当初の設計荷重に戻るだけであり、当初
の設計荷重以上に補強することはできないという問題が
あった。また、図8(b)に示すように、中間部50a
の下面にのみ補強材54を貼り付ける方法では、補強材
54の端部54aが剥がれやすいという欠点があり、こ
の端部54aが剥離すると、この部分での補強効果がな
くなってしまうという問題があった。また、図8(c)
に示すように、ハンチ部50cにおよぶまで補強材54
を貼り付けた場合でも、その曲り部54bには矢印B方
向に引き剥がす力が生じ、この部分での補強効果がなく
なる恐れもあった。そして、中間部50aの下面に補強
材54を貼り付ける方法では、補強工事直後の強度は保
証されるが、車両52の振動や径年変化により接着剤5
5が劣化し、補強材54が剥がれ落ちてしまうという問
題があった。
【0005】更に、この補強材54は平面の鋼板なの
で、中間部50aの下面が平坦でなければ補強工事がで
きず、例えば、既に床版50が痛んでしまい中間部50
aの下面に凹凸が生じている場合には施工できないとい
う問題もあった。更にまた、この補強材54を貼り付け
る方法は、中間部50aの下面の全面に接着剤55を塗
布する必要があり、接着剤55が大量に必要になると共
にその塗布する手間がかかり、結局コストが高くなって
しまうという問題もあった。この問題は、床版50に肉
厚部が形成されないフラットな形状の床版においても同
様に発生していた。そのため、仮に中間部50aの下面
が平坦でない場合に補強工事を行なうとすると、凹凸面
と補強材54の隙間に高価なエポキシ系樹脂を大量に充
填する必要があり、コスト高になっていた。また、補強
材54に軽くて強いカーボンファイバー補強合成樹脂を
用いた場合には、全面に及ぶ大きな凹凸にはなじむが、
端部での剥離については、鋼板の補強材54と同様に弱
かった。更に、補強材54の端部での剥離を防止するた
めアンカーボルトを使用することもあったが、比較的短
いものであったため、コンクリートごと剥離してしまう
という結果になっていた。
【0006】本発明はこのような状況に鑑みなされても
ので、コンクリート製の床版の強度を十分に保証して長
期信頼性に優れ、しかも補強工事のコストの安価な床版
の補強構造を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、両端が桁に支えられたコンクリートスラ
ブからなる床版において、床版の桁間の下面の略全幅に
亘り前記桁と直交方向に補強梁が配設され、前記補強梁
の端部は床版の中立面より上部に達するアンカーボルト
により定着させてあることを特徴とするものである。こ
の構成によれば、前記床版の桁間の下面が補強梁により
補強され、床版の桁間が破壊することを防止できる。ま
た、コンクリートスラブの肉厚が均一に形成された中間
部と、この中間部の両端に中間部より肉厚に形成され桁
により支えられた肉厚部と、前記中間部と肉厚部との間
は順次肉厚が変化するように形成された肉厚傾斜部と、
からなるコンクリート製の床版において、前記中間部の
下面の略全幅に亘り前記桁と直交方向に補強梁が配設さ
れ、前記補強梁の端部は床版の中立面より上部に達する
アンカーボルトにより定着させてあることを特徴とする
ものである。この構成によれば、前記床版の中間部が補
強梁により補強され、肉厚の薄い床版の中間部が破壊す
ることを防止できる。
【0008】また、前記床版と前記補強梁の間に、前記
床版の長手方向に複数の補強梁に跨がる複数の補強部材
を介在させていることを特徴とするものである。この構
成によれば、前記床版にかかる荷重を補強部材を介して
複数の補強梁に分散することができる。また、前記補強
部材はアルミニウム合金で断面がトラス構造であること
を特徴とするものである。この構成によれば、前記補強
部材が軽量で、しかも強度を向上した補強部材にするこ
とができる。更に、前記床版と前記補強梁の間は、前記
補強部材をブラケツトを介して前記補強梁に取り付け、
ブラケツトに形成した長孔により前記床版と前記補強梁
の間隔を調整可能にしてあることを特徴とするものであ
る。この構成によれば、前記床版の下面に凹凸があって
も、凹凸に合わせてブラケットの高さを調整できるの
で、前記床版を補強部材で隙間なく支持できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図に基づい
て説明する。図1は本発明に係る床版の補強構造を示す
斜視図、図2は、図1の床版の補強構造を示す断面図、
図3は、図2のA−A断面図、図4は、断面トラス構造
の補強部材を使用した断面図、図5は、図4の断面トラ
ス構造の補強部材の取り付け状態を示す要部拡大の断面
図、図6は、補強部材を取り付けるブラケットを示す分
解斜視図である。
【0010】本発明に係る床版の補強構造は、図1に示
すように、高架道路1を形成するコンクリート製の床版
10が、所定の間隔に立設された鋼板の桁2に支えられ
る構造となっている。この床版10は、中間部11が所
定の肉厚のコンクリートで形成され、その両端は中間部
11より厚肉に形成された肉厚部12,12となり、中
間部11と肉厚部12,12の間は順次肉厚が変化する
肉厚傾斜部13,13となっている。そして、肉厚部1
2,12の下面には、床版10の長手方向に沿って床版
10を支える桁2が立設されている。
【0011】また、床版10の補強には、中間部11の
下面に複数の補強梁3が所定間隔に補強部材4を介して
取り付けられている。補強梁3は、アルミニウム合金の
形材を使用したもので、中間部11の下面の略全幅に亘
り桁2と直交する方向に配設され、この補強梁3の両端
は、T型の型鋼からなる取り付け部材5,5により、中
間部11の下面に取り付けられる。この取り付け部材5
の床版10への取り付けは、図2に示すように、長いア
ンカーボルト6と短いアンカーボルト7により取り付け
られている。この長いアンカーボルト6の寸法は、中間
部11の下面から床版10の応力の中立面14よりも上
部に達するもので、中間部11が破断線15,15に沿
って応力破壊するのを防止するものである。また、短い
アンカーボルト7は、中間部11の下面への取り付け部
材5の取り付けを補強すると共に、補強工事時の仮固定
する目的のものである。
【0012】また、この長いアンカーボルト6の取り付
けは、ケミカルアンカーと呼ばれるもので、図3に示す
ように、中間部11の下面側より挿入孔16を穿設し、
この挿入孔16に接着剤17を充填すると共にアンカー
ボルト6を挿入して固定するものである。そして、この
アンカーボルト6に、T型の型鋼の取り付け部材5に形
成された挿入孔5aが挿入され、ナット8により固定さ
れる。更に、この取り付け部材5にC型の溝型鋼の補強
梁3が取り付けボルト9により固着されている。この構
造により、補強梁3が中間部11の下面に強固に定着さ
れる。
【0013】このようにして、取り付け部材5により中
間部11の下面に取り付けられた補強梁3と中間部11
の間には、床版10の長手方向に複数の補強梁3を跨い
でアルミニウム合金の補強部材4が取り付けられてい
る。この補強部材4は矩形のアルミニウム合金材を使用
してもよいが、軽量化および強度の向上を行うために、
図4に示すような断面がトラス構造の補強部材20を使
用してもよい。この補強部材20の取り付けは、図5に
示すように、中間部11の下面に取り付けられた補強梁
3にL型のブラケット21を取り付けボルト22で固定
し、このブラケット21の上に断面がトラス構造の補強
部材20を複数のタッピングネジ23で取り付けるもの
である。
【0014】このL型のブラケット21は、図6に示す
ように、ボルト孔21aが上下方向の長孔に形成されて
おり、この長孔の範囲内で取り付け高さを調整できるよ
うになっている。この長孔のボルト孔21aにより、中
間部11の下面に凹凸が有る場合でも、この凹凸に合わ
せて補強部材20の取り付け高さを調整できるので、中
間部11が既に歪んでいても必要な補強工事が可能とな
る。
【0015】かかる構成によれば、アンカーボルト6が
床版10内の中立面14よりも上部に達するまで、深く
挿入されて固定されることにより、補強梁3が補強部材
4,20を介して床版10に強固に固着され、床版10
が応力により破壊することを防止できるものである。ま
た、補強部材4,20は複数の補強梁3を跨いでいるの
で、車両等による床版10への荷重が分散され、床版1
0の特定の箇所に荷重が集中しなくなり、床版10の寿
命を延ばすことができるようになる。また、補強梁3や
補強部材4,20はアルミニウム合金を使用しているの
で、重量が軽く、床版10に余分な負担をかけなくな
る。
【0016】また、本発明実施の形態においては、床版
10に補強部材4,20を使用した床版10の補強構造
について説明したが、中間部11の下面が凹凸がなくフ
ラットであれば、補強部材4,20を使用する必要がな
く、図7(a)に示すように、補強梁3を直接中間部1
1の下面に取り付けても同様の効果が得られる。更に、
床版10が肉厚傾斜部13を持つもので説明したが、肉
厚傾斜部13を持たず、中間部11と両端の肉厚部12
のみ備えた床版にも適用できることは勿論のこと、図7
(b)に示すように、床版10が肉厚部12を持たない
フラットな形状のものにも適用できることは勿論であ
る。何れの床版においても、補強梁3を固定するアンカ
ーボルト6が、床版の中立面より上方にまで挿入されて
いることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明は、両端が桁によ
り支えられたコンクリートスラブからなる床版におい
て、床版の桁間の略全幅の下面に亘り前記桁と直交方向
に補強桁が配設され、前記補強梁の端部は床版の中立面
より上部に達するアンカーボルトにより定着させてある
ことにより、床版の桁間の下面が補強梁により強固に補
強されるので、床版の破壊を防止できる。また、コンク
リートスラブの肉厚が均一に形成された中間部と、この
中間部の両端に中間部より肉厚に形成され桁により支え
られた肉厚部と、前記中間部と肉厚部との間は順次肉厚
が変化するように形成された肉厚傾斜部と、からなるコ
ンクリート製の床版において、前記中間部の下面の略全
幅に亘り前記桁と直交方向に補強梁が配設され、前記補
強梁の端部は床版の中立面より上部に達するアンカーボ
ルトにより定着させてあることにより、床版の中で肉厚
が薄く強度が弱い中間部の下面が補強梁により補強され
るので、床版の破壊を防止できると共に、補強梁をアン
カーボルトで定着するだけなので従来の補強工事に比べ
大幅なコストダウンができる。
【0018】また、前記床版と前記補強梁の間に、前記
床版の長手方向に複数の補強梁に跨がる複数の補強部材
を介在させていることにより、床版の中間部にかかる荷
重を複数の補強部材により床版の長手方向に分散させる
ことができ、床版に悪影響を与える集中荷重を防止でき
る。また、前記補強部材はアルミニウム合金で断面がト
ラス構造であることにより、補強部材が軽量で、しかも
強度を向上させることができる。更に、前記床版と前記
補強梁の間隔は、前記補強部材をブラケツトを介して前
記補強梁に取り付け、ブラケツトに形成した長孔により
前記床版と前記補強梁の間隔を調整可能であることによ
り、床版の下面に凹凸が発生していても、この凹凸に合
わせて補強部材で床版を支持することができるので、最
良の補強構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る床版の補強構造を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の床版の補強構造を示す断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】断面トラス構造の補強部材を使用した床版の補
強構造の断面図である。
【図5】図4の補強部材の取り付け状態を示す要部拡大
の断面図である。
【図6】補強部材を取り付けるブラケットを示す分解斜
視図である。
【図7】(a)は本発明の実施例を示す断面図、(b)
は他の実施例を示す断面図である。
【図8】従来の床版の説明図で、(a)は床版の破壊状
態を示す断面図、(b),(c)は床版の補強を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 高架道路 2 桁 3 補強梁 4 補強部材 5 取り付け部材 6 アンカーボルト 7 アンカーボルト 8 ナット 9 取り付けボルト 10 床版 11 中間部 12 肉厚部 13 肉厚傾斜部 14 中立面 15 破断線 16 挿入孔 17 接着剤 20 補強部材 21 ブラケット 21a 長孔 22 取り付けボルト 23 タッピングネジ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 床版の補強構造
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速道路や建物に
使用されるコンクリート製の床版を補強する補強構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に高架道路などにおいては、図8
(a)に示すように、コンクリート製の床版50が、両
端の桁51に支えられている。この床版50は、車両5
2等が走行する中間部50aは一定の肉厚のコンクリー
トスラブで形成され、両端の桁51に支えられる部分は
肉厚に形成された肉厚部50bとなり、この中間部50
aと肉厚部50bとの間は、中間部50aから肉厚部5
0b方向へ順次肉厚が増加するハンチ部50cとなって
いる。
【0003】このように構成された床版50は、常時重
量物の車両52等の走行による荷重を受けると中立面5
3の上側では圧縮荷重を受け、中立面53の下側では引
っ張り荷重を受けるので、長期間使用されると、その強
度が低下し、ハンチ部50cの延長方向に亀裂が入り、
応力破壊が発生するという問題があった。そこで、その
対策として、従来における補強方法は、亀裂部分に予め
エポキシ系樹脂を注入しておいたり、或いは、図8
(b)ないし図8(c)に示すように、中間部50aの
下面に補強材54を接着剤55で貼り付ける方法等が行
われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の亀裂部分にエポキシ系樹脂を注入する方法は、
大きなクラックには注入できても、細かなクラックには
注入できないため信頼性に欠けていた。また補修後の補
強強度は、設置当初の設計荷重に戻るだけであり、当初
の設計荷重以上に補強することはできないという問題が
あった。また、図8(b)に示すように、中間部50a
の下面にのみ補強材54を貼り付ける方法では、補強材
54の端部54aが剥がれやすいという欠点があり、こ
の端部54aが剥離すると、この部分での補強効果がな
くなってしまうという問題があった。また、図8(c)
に示すように、ハンチ部50cにおよぶまで補強材54
を貼り付けた場合でも、その曲り部54bには矢印B方
向に引き剥がす力が生じ、この部分での補強効果がなく
なる恐れもあった。そして、中間部50aの下面に補強
材54を貼り付ける方法では、補強工事直後の強度は保
証されるが、車両52の振動や径年変化により接着剤5
5が劣化し、補強材54が剥がれ落ちてしまうという問
題があった。
【0005】更に、この補強材54は平面の鋼板なの
で、中間部50aの下面が平坦でなければ補強工事がで
きず、例えば、既に床版50が痛んでしまい中間部50
aの下面に凹凸が生じている場合には施工できないとい
う問題もあった。更にまた、この補強材54を貼り付け
る方法は、中間部50aの下面の全面に接着剤55を塗
布する必要があり、接着剤55が大量に必要になると共
にその塗布する手間がかかり、結局コストが高くなって
しまうという問題もあった。この問題は、床版50に肉
厚部が形成されないフラットな形状の床版においても同
様に発生していた。そのため、仮に中間部50aの下面
が平坦でない場合に補強工事を行なうとすると、凹凸面
と補強材54の隙間に高価なエポキシ系樹脂を大量に充
填する必要があり、コスト高になっていた。また、補強
材54に軽くて強いカーボンファイバー補強合成樹脂を
用いた場合には、全面に及ぶ大きな凹凸にはなじむが、
端部での剥離については、鋼板の補強材54と同様に弱
かった。更に、補強材54の端部での剥離を防止するた
めアンカーボルトを使用することもあったが、比較的短
いものであったため、コンクリートごと剥離してしまう
という結果になっていた。
【0006】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
もので、コンクリート製の床版の強度を十分に保証して
長期信頼性に優れ、しかも補強工事のコストの安価な床
版の補強構造を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、両端が桁に支えられたコンクリートスラ
ブからなる床版において、床版の桁間の下面の略全幅に
亘り前記桁と直交方向に補強梁が配設され、前記補強梁
の端部は床版の中立面より上部に達するアンカーボルト
により定着させてあることを特徴とするものである。こ
の構成によれば、前記床版の桁間の下面が補強梁により
補強され、床版の桁間が破壊することを防止できる。ま
た、コンクリートスラブの肉厚が均一に形成された中間
部と、この中間部の両端に中間部より肉厚に形成されて
桁により支えられた肉厚部と、前記中間部と肉厚部との
間は順次肉厚が変化するように形成された肉厚傾斜部
と、からなるコンクリート製の床版において、前記中間
部の下面の略全幅に亘り前記桁と直交方向に補強梁が配
設され、前記補強梁の端部は床版の中立面より上部に達
するアンカーボルトにより定着させてあることを特徴と
するものである。この構成によれば、前記床版の中間部
が補強梁により補強され、肉厚の薄い床版の中間部が破
壊することを防止できる。
【0008】また、前記床版と前記補強梁の間に、前記
床版の長手方向に複数の補強梁に跨がる複数の補強部材
を介在させていることを特徴とするものである。この構
成によれば、前記床版にかかる荷重を補強部材を介して
複数の補強梁に分散することができる。また、前記補強
部材はアルミニウム合金で断面がトラス構造であること
を特徴とするものである。この構成によれば、前記補強
部材が軽量で、しかも強度を向上した補強部材にするこ
とができる。更に、前記床版と前記補強梁の間は、前記
補強部材をブラケツトを介して前記補強梁に取り付け、
ブラケツトに形成した長孔により前記床版と前記補強梁
の間隔を調整可能にしてあることを特徴とするものであ
る。この構成によれば、前記床版の下面に凹凸があって
も、凹凸に合わせてブラケットの高さを調整できるの
で、前記床版を補強部材で隙間なく支持できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図に基づい
て説明する。図1は本発明に係る床版の補強構造を示す
斜視図、図2は、図1の床版の補強構造を示す断面図、
図3は、図2のA−A線断面図、図4は、断面トラス構
造の補強部材を使用した断面図、図5は、図4の断面ト
ラス構造の補強部材の取り付け状態を示す要部拡大の断
面図、図6は、補強部材を取り付けるブラケットを示す
分解斜視図である。
【0010】本発明に係る床版の補強構造は、図1に示
すように、高架道路1を形成するコンクリート製の床版
10が、所定の間隔に立設された鋼板の桁2,2に支え
られる構造となっている。この床版10は、中間部11
が所定の肉厚のコンクリートで形成され、その両端は中
間部11より厚肉に形成された肉厚部12,12とな
り、中間部11と肉厚部12,12の間は順次肉厚が変
化する肉厚傾斜部13,13となっている。そして、肉
厚部12,12の下面には、床版10の長手方向に沿っ
て床版10を支える桁2,2が立設されている。
【0011】また、床版10の補強には、中間部11の
下面に複数の補強梁3が所定間隔に補強部材4を介して
取り付けられている。補強梁3は、アルミニウム合金の
形材を使用したもので、中間部11の下面の略全幅に亘
り桁2,2と直交する方向に配設され、この補強梁3の
両端は、T型の型鋼からなる取り付け部材5,5によ
り、中間部11の下面に取り付けられる。この取り付け
部材5,5の床版10への取り付けは、図2に示すよう
に、長いアンカーボルト6,6と短いアンカーボルト
7,7により取り付けられている。この長いアンカーボ
ルト6,6の寸法は、中間部11の下面から床版10の
応力の中立面14よりも上部に達するもので、中間部1
1が破断線15,15に沿って応力破壊するのを防止す
るものである。また、短いアンカーボルト7,7は、中
間部11の下面への取り付け部材5,5の取り付けを補
強すると共に、補強工事時の仮固定する目的のものであ
る。
【0012】また、この長いアンカーボルト6,6の取
り付けは、ケミカルアンカーと呼ばれるもので、図3に
示すように、中間部11の下面側より挿入孔16,16
を穿設し、この挿入孔16,16に接着剤17,17を
充填すると共にアンカーボルト6,6を挿入して固定す
るものである。そして、このアンカーボルト6,6に、
T型の型鋼の取り付け部材5に形成された挿入孔5a,
5aが挿入され、ナット8,8により固定される。更
に、この取り付け部材5にC型の溝型鋼の補強梁3が取
り付けボルト9により固着されている。この構造によ
り、補強梁3が中間部11の下面に強固に定着される。
【0013】このようにして、取り付け部材5により中
間部11の下面に取り付けられた補強梁3と中間部11
の間には、床版10の長手方向に複数の補強梁3を跨い
でアルミニウム合金の補強部材4が取り付けられてい
る。この補強部材4は矩形のアルミニウム合金材を使用
してもよいが、軽量化および強度の向上を図るために、
図4に示すような断面がトラス構造の補強部材20,2
0,・・・を使用してもよい。この補強部材20,2
0,・・・の取り付けは、図5に示すように、中間部1
1の下面に取り付けられた補強梁3にL型のブラケット
21を取り付けボルト22で固定し、このブラケット2
1の上に断面がトラス構造の補強部材20を複数のタッ
ピングネジ23,23,・・・で取り付けるものであ
る。
【0014】このL型のブラケット21は、図6に示す
ように、ボルト孔21aが上下方向の長孔に形成されて
おり、この長孔の範囲内で取り付け高さを調整できるよ
うになっている。この長孔のボルト孔21aにより、中
間部11の下面に凹凸が有る場合でも、この凹凸に合わ
せて補強部材20の取り付け高さを調整できるので、中
間部11が既に歪んでいても必要な補強工事が可能とな
る。
【0015】かかる構成によれば、アンカーボルト6が
床版10内の中立面14よりも上部に達するまで、深く
挿入されて固定されることにより、補強梁3が補強部材
4,20を介して床版10に強固に固着され、床版10
が応力により破壊することを防止できるものである。ま
た、補強部材4,20は複数の補強梁3を跨いでいるの
で、車両等による床版10への荷重が分散され、床版1
0の特定の箇所に荷重が集中しなくなり、床版10の寿
命を延ばすことができるようになる。また、補強梁3や
補強部材4,20はアルミニウム合金を使用しているの
で、重量が軽く、床版10に余分な負担をかけなくな
る。
【0016】また、本発明実施の形態においては、床版
10に補強部材4,20を使用した床版10の補強構造
について説明したが、中間部11の下面が凹凸がなくフ
ラットであれば、補強部材4,20を使用する必要がな
く、図7(a)に示すように、補強梁3を直接中間部1
1の下面に取り付けても同様の効果が得られる。更に、
床版10が肉厚傾斜部13を持つもので説明したが、肉
厚傾斜部13を持たず、中間部11と両端の肉厚部12
のみ備えた床版にも適用できることは勿論のこと、図7
(b)に示すように、床版10が肉厚部12を持たない
フラットな形状のものにも適用できることは勿論であ
る。何れの床版においても、補強梁3を固定するアンカ
ーボルト6が、床版の中立面より上方にまで挿入されて
いることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明は、両端が桁によ
り支えられたコンクリートスラブからなる床版におい
て、床版の桁間の略全幅の下面に亘り前記桁と直交方向
に補強桁が配設され、前記補強梁の端部は床版の中立面
より上部に達するアンカーボルトにより定着させてある
ことにより、床版の桁間の下面が補強梁により強固に補
強されるので、床版の破壊を防止できる。また、コンク
リートスラブの肉厚が均一に形成された中間部と、この
中間部の両端に中間部より肉厚に形成されて桁により支
えられた肉厚部と、前記中間部と肉厚部との間は順次肉
厚が変化するように形成された肉厚傾斜部と、からなる
コンクリート製の床版において、前記中間部の下面の略
全幅に亘り前記桁と直交方向に補強梁が配設され、前記
補強梁の端部は床版の中立面より上部に達するアンカー
ボルトにより定着させてあることにより、床版の中で肉
厚が薄く強度が弱い中間部の下面が補強梁により補強さ
れるので、床版の破壊を防止できると共に、補強梁をア
ンカーボルトで定着するだけなので従来の補強工事に比
べ大幅なコストダウンができる。
【0018】また、前記床版と前記補強梁の間に、前記
床版の長手方向に複数の補強梁に跨がる複数の補強部材
を介在させていることにより、床版の中間部にかかる荷
重を複数の補強部材により床版の長手方向に分散させる
ことができ、床版に悪影響を与える集中荷重を防止でき
る。また、前記補強部材はアルミニウム合金で断面がト
ラス構造であることにより、補強部材が軽量で、しかも
強度を向上させることができる。更に、前記床版と前記
補強梁の間隔は、前記補強部材をブラケツトを介して前
記補強梁に取り付け、ブラケツトに形成した長孔により
前記床版と前記補強梁の間隔を調整可能であることによ
り、床版の下面に凹凸が発生していても、この凹凸に合
わせて補強部材で床版を支持することができるので、最
良の補強構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る床版の補強構造を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の床版の補強構造を示す断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】断面トラス構造の補強部材を使用した床版の補
強構造の断面図である。
【図5】図4の補強部材の取り付け状態を示す要部拡大
の断面図である。
【図6】補強部材を取り付けるブラケットを示す分解斜
視図である。
【図7】(a)は本発明の実施例を示す断面図、(b)
は他の実施例を示す断面図である。
【図8】従来の床版の説明図で、(a)は床版の破壊状
態を示す断面図、(b),(c)は床版の補強を示す断
面図である。
【符号の説明】 1 高架道路 2 桁 3 補強梁 4 補強部材 5 取り付け部材 6 アンカーボルト 7 アンカーボルト 8 ナット 9 取り付けボルト 10 床版 11 中間部 12 肉厚部 13 肉厚傾斜部 14 中立面 15 破断線 16 挿入孔 17 接着剤 20 補強部材 21 ブラケット 21a 長孔 22 取り付けボルト 23 タッピングネジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 和夫 東京都杉並区井草三丁目21番18号 有限会 社エー イー エヌ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端が桁により支えられたコンクリート
    スラブからなる床版において、 床版の桁間の下面の略全幅に亘り前記桁と直交方向に補
    強梁が配設され、前記補強梁の端部は床版の中立面より
    上部に達するアンカーボルトにより定着させてあること
    を特徴とする床版の補強構造。
  2. 【請求項2】 コンクリートスラブの肉厚が均一に形成
    された中間部と、この中間部の両端に中間部より肉厚に
    形成され桁により支えられた肉厚部と、前記中間部と肉
    厚部との間は順次肉厚が変化するように形成された肉厚
    傾斜部と、からなるコンクリート製の床版において、 前記中間部の下面の略全幅に亘り前記桁と直交方向に補
    強梁が配設され、前記補強梁の端部は床版の中立面より
    上部に達するアンカーボルトにより定着させてあること
    を特徴とする床版の補強構造。
  3. 【請求項3】前記床版と前記補強梁の間に、前記床版の
    長手方向に複数の補強梁に跨がる複数の補強部材を介在
    させていることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の床版の補強構造。
  4. 【請求項4】 前記補強部材はアルミニウム合金で断面
    がトラス構造であることを特徴とする請求項3に記載の
    床版の補強構造。
  5. 【請求項5】 前記床版と前記補強梁の間は、前記補強
    部材をブラケットを介して前記補強梁に取り付け、ブラ
    ケットに形成した長孔により前記床版と前記補強梁の間
    隔を調整可能にしてあることを特徴とする請求項3また
    は請求項4のいずれかに記載の床版の補強構造。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256516A (ja) * 2001-02-27 2002-09-11 Aen:Kk 床版補強構造
JP2007191961A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Penta Ocean Constr Co Ltd 既存建物におけるスラブの補強構造
JP2012149399A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Railway Technical Research Institute H型鋼を用いたスラブの補強工法
JP2019011669A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 慶北大學校産學協力團 複合プレートの補強構造および施工方法
JP2019143368A (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 公益財団法人鉄道総合技術研究所 鋼桁の支承部周辺の補強方法及び補強構造

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