JPH11117979A - 二輪車等のフロントフォーク - Google Patents

二輪車等のフロントフォーク

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JPH11117979A
JPH11117979A JP29646997A JP29646997A JPH11117979A JP H11117979 A JPH11117979 A JP H11117979A JP 29646997 A JP29646997 A JP 29646997A JP 29646997 A JP29646997 A JP 29646997A JP H11117979 A JPH11117979 A JP H11117979A
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JP
Japan
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outer tube
suspension spring
spring
side outer
axle
Prior art date
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Withdrawn
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JP29646997A
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English (en)
Inventor
Koichi Ito
浩一 伊藤
Tsunehisa Kawamura
恒久 川村
Yutaka Ueno
豊 上野
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Astemo Ltd
Original Assignee
Showa Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストローク全域にわたり減衰力を発生できる
と共に全長を抑えることができ、然も、車体機種に応じ
た最適な剛性を得ることができるようにすること。 【解決手段】 インナチューブ11の上部に車体に支持
される車体側アウタチューブ12が摺動自在に嵌装され
るとともに、インナチューブの下部に車軸を支持する車
軸側アウタチューブ13が摺動自在に嵌装され、インナ
チューブの内周に第1ばね受け27が固定され、この第
1ばね受けと車体側アウタチューブに設置された第2ば
ね受け32との間に第1懸架スプリング14が配設さ
れ、第1ばね受けと車軸側アウタチューブに設置された
第3ばね受け33との間に第2懸架スプリング15が配
設され、第1懸架スプリングと第2懸架スプリングの内
側にダンパ装置16のダンパシリンダ30が並置され、
このダンパシリンダが車体側アウタチューブに取り付け
られ、ダンパシリンダ内を摺動するピストンに先端部が
取り付けられたピストンロッドの基端部が、車軸側アウ
タチューブに取り付けられたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二輪車等のフロント
フォークに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の二輪車のフロントフォークには、
インナチューブの下端に車軸を支持する車軸側アウタチ
ューブが摺動自在に挿入され、インナチューブの上端に
車体側に取り付けられる車体側アウタチューブが摺動自
在に挿入され、インナチューブに設けたばね受けと車体
側アウタチューブとの間に第1懸架スプリングが配設さ
れ、インナチューブと車軸側アウタチューブとの間に第
2懸架スプリングが配設されたフロントフォークとして
特公昭62-57555号公報に開示したものがある。
【0003】このフロントフォークでは、小さな衝撃力
に対して第1懸架スプリングのみが撓み変形して、この
小さな衝撃力を良好に吸収し、大きな衝撃力に対して
は、第1懸架スプリングが最圧縮状態まで撓み変形した
状態で第2懸架スプリングが撓み変形して大きな衝撃力
を吸収している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記特公
昭62-57555号公報に開示のフロントフォークでは、第1
懸架スプリングと第2懸架スプリングが、シートパイプ
に穿設されたオリフィスとシートパイプの外周に設けら
れたフリーバルブとを備えて構成された減衰力発生機構
に対し直列に配置されているので、フロントフォークの
全長が長くなるという不具合がある。
【0005】また、上記公報開示のフロントフォークで
は、インナチューブと車軸側アウタチューブの相対摺動
に対しては、上記減衰力発生機構により減衰力を発生さ
せることができるが、インナチューブと車体側アウタチ
ューブの相対摺動に対しては上記減衰力発生機構が機能
せず、第1懸架スプリングに対する減衰力を発生させる
ことができないという不具合がある。
【0006】また、上記フロントフォークでは、第1懸
架スプリングが先に撓むので、ショートストローク域に
おいても剛性が高くなり、フロントフォーク全体として
の振動吸収性が悪くなる。また、フロントフォークに小
さな衝撃力が作用して第1懸架スプリングのみが撓み変
形するフロントフォークのショートストローク域では、
車軸側アウタチューブとインナチューブとが一体となっ
て車体側アウタチューブに対し伸縮振動するので、ばね
下重量が車軸側アウタチューブ及びインナチューブとな
って大きくなり、フロントフォークの振動吸収性が低下
してしまう。
【0007】本発明の課題は、上述の事情を考慮してな
されたものであり、ストローク全域にわたり減衰力を発
生できると共に全長を抑えることができ、然も、車体機
種に応じた最適な剛性を得ることができる二輪車等のフ
ロントフォークを提供することにある。更に、請求項
2、3又は4に記載の発明の課題は、上述の課題に加
え、倒立フロントフォークの高剛性と正立フロントフォ
ークの良好な振動吸収性とを両立できる二輪車等のフロ
ントフォークを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、両端を開口したインナチューブの上部に摺動自在に
嵌合し、車体に支持される車体側アウタチューブと、上
記インナチューブの下部に摺動自在に嵌合し、車軸を支
持する車軸側アウタチューブと、上記インナチューブ内
周に固定されたばね受けと、上記ばね受けと上記車体側
アウタチューブとの間に配設された第1懸架スプリング
と、上記ばね受けと上記車軸側アウタチューブとの間に
配設された第2懸架スプリングと、上記車体側アウタチ
ューブと上記車軸側アウタチューブとの間に配設された
ダンパ装置と、を有し、上記ダンパ装置は、上記第1懸
架スプリングと上記第2懸架スプリングの内側に並置さ
れ、上記車体側アウタチューブ又は上記車軸側アウタチ
ューブのいずれか一方に取り付けられたダンパシリンダ
と、先端部が上記ダンパシリンダ内を摺動して減衰力を
発生するピストンに取り付けられ、基端部が上記車軸側
アウタチューブ又は上記車体側アウタチューブの他方に
取り付けられたピストンロッドと、を備えてなるように
したものである。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記第1懸架スプリングと前記第2懸
架スプリングのばね特性は、車軸側アウタチューブと車
体側アウタチューブが作動初期から同時に作動しつつ、
両懸架スプリングが同時に最圧縮状態に撓み変形するよ
うに設定されたものである。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記第1懸架スプリングと前記第2懸
架スプリングのばね特性は、車軸側アウタチューブと車
体側アウタチューブが、フロントフォークのストローク
全域の中で、部分的に同時に作動するストロークがある
ように設定されたものである。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記第2懸架スプリングのばね特性
は、この第2懸架スプリングが第1懸架スプリングより
も撓み易くなるように設定されたものである。
【0012】請求項1〜4に記載の発明には、次の作用
がある。車体側アウタチューブと車軸側アウタチューブ
との間に、ダンパシリンダ、ピストン及びピストンロッ
ド等からなり減衰力を発生するダンパ装置が配設された
ので、第2懸架スプリングが撓み変形して車軸側アウタ
チューブとインナチューブとが相対的に振動するストロ
ーク域においても、また、第1懸架スプリングが撓み変
形してインナチューブが車体側アウタチューブに対し相
対的に振動するストローク域においても、ダンパ装置が
機能して減衰力が発生する。従って、フロントフォーク
のストローク全域において減衰力を発生でき、このフロ
ントフォークの振動を良好に制振できる。
【0013】また、ばね受けを介して直列に配設された
第1懸架スプリング及び第2懸架スプリングの内側にダ
ンパ装置のダンパシリンダが並列に配置されたので、第
1懸架スプリング、第2懸架スプリング及びダンパ装置
(減衰力発生機構)が直列に配置された場合に比べ、フ
ロントフォークの全長を抑えることができる。
【0014】更に、フロントフォークは、インナチュー
ブの上部に車体側アウタチューブが、インナチューブの
下部に車軸側アウタチューブがそれぞれ摺動自在に嵌合
され、インナチューブと車体側アウタチューブとの間に
第1懸架スプリングが配設され、インナチューブと車軸
側アウタチューブとの間に第2懸架スプリングが配設さ
れて構成され、これらの第1及び第2懸架スプリングの
ばね特性や、これらの懸架スプリングのストローク長さ
を適宜変更することにより、インナチューブに対する車
体側アウタチューブと車軸側アウタチューブとの摺動比
率を変更して、フロントフォーク全体としての剛性を車
体機種に応じた最適な剛性に設定できる。
【0015】請求項2、3又は4に記載の発明には、更
に次の効果を奏する。車軸側アウタチューブとインナチ
ューブとが作動初期から同時に作動するように第1及び
第2懸架スプリングのばね特性が設定され、又は第2懸
架スプリングが第1懸架スプリングよりも撓み易く構成
されたことから、振動の振幅が小さなフロントフォーク
のショートストローク域で第2懸架スプリングが撓み変
形し、従って、車軸側アウタチューブがインナチューブ
に対し正立型フロントフォークの如く伸縮振動する。一
般に、車軸側アウタチューブはアルミ合金等の材質から
なり軽量に構成されているので、このときばね下重量が
小さくなり、その結果、フロントフォークのショートス
トローク域における振動吸収性を良好にできる。
【0016】また、振動の振幅が大きなフロントフォー
クのロングストローク域では、第1懸架スプリングが撓
み変形し、インナチューブが車体側アウタチューブに対
し倒立型フロントフォークの如く伸縮振動する。このと
きには、大径の車体側アウタチューブが、車体に設けら
れた車体側ブラケット(アンダブラケット、アッパブラ
ケット)に固定されること、フロントフォークの伸縮振
動時に、インナチューブの上端が、車体側アウタチュー
ブ内においてアッパブラケットとアンダブラケットとの
間を摺動するので、車体側アウタチューブにおいて曲げ
モーメントの支点となるアンダブラケット固定部分で、
車体側アウタチューブとインナチューブが重なり合っ
て、車体側アウタチューブの曲げ強度が増大すること、
並びに、フロントフォークの伸縮振動時に、インナチュ
ーブの上端が車体側アウタチューブ内へ侵入するに従
い、インナチューブの下端がアンダブラケットに近づく
こと等から、フロントフォークを高剛性化でき、従っ
て、二輪車等の操縦安定性を向上させることができる。
【0017】請求項2に記載の発明には、更に次の効果
も奏する。フロントフォークのストローク全域で第1懸
架スプリング及び第2懸架スプリングは撓み変形するの
で、フロントフォークのストロークの途中で一方の懸架
スプリングが最圧縮状態に撓み変形することにより生ず
る衝撃の発生がなく、フロントフォークの特性を良好に
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。 [A] 第1の実施の形態 図1は、本発明に係る二輪車のフロントフォークの第1
の実施の形態における最圧縮状態を示す断面図である。
図2は、図1の上部を示す拡大断面図である。図3は、
図1の中央部を示す拡大断面図である。図4は、図1の
下部を示す拡大断面図である。図5(A)は、図1の第
1懸架スプリングのばね特性図であり、図5(B)は図
1の第2懸架スプリングのばね特性図である。図6は、
図1のフロントフォークの作動状況を示す模式図であ
る。
【0019】図1に示すように、自動二輪車のフロント
フォーク10は、インナチューブ11の上部に車体側ア
ウタチューブ12が嵌装され、インナチューブ11の下
部に車軸側アウタチューブ13が嵌装され、インナチュ
ーブ11と車体側アウタチューブ12との間に第1懸架
スプリング14が、インナチューブ11と車軸側アウタ
チューブ13との間に第2懸架スプリング15がそれぞ
れ介装され、車体側アウタチューブ12と車軸側アウタ
チューブ13との間にダンパ装置16が内蔵して配設さ
れたものである。車体側アウタチューブ12がアッパブ
ラケット17及びアンダブラケット18に外周を把持さ
れて、フロントフォーク10が車体に支持され、車軸側
アウタチューブ13の車軸ブラケット19に締付ボルト
20を介して車軸が支持される。尚、この図1のフロン
トフォーク10は最圧縮状態を示す。
【0020】車体側アウタチューブ12の開口端部の内
周に第1ガイドブッシュ21が、又、この第1ガイドブ
ッシュ21に離間してインナチューブ11の上開口端部
の外周に第2ガイドブッシュ22がそれぞれ固着され
る。第1ガイドブッシュ21がインナチューブ11の外
周面に摺接し、第2ガイドブッシュ22が車体側アウタ
チューブ12の内周面に摺接して、インナチューブ11
と車体側アウタチューブ12とが摺動自在に構成され
る。
【0021】更に、車軸側アウタチューブ13の開口端
部の内周に第3ガイドブッシュ23が、又、この第3ガ
イドブッシュ23に離間してインナチューブ11の下開
口端部の外周に第4ガイドブッシュ24がそれぞれ固着
される。第3ガイドブッシュ23がインナチューブ11
の外周面に摺接し、第4ガイドブッシュ24が車軸側ア
ウタチューブ13の内周面に摺接して、インナチューブ
11と車軸側アウタチューブ13とが摺動自在に構成さ
れる。
【0022】上述の如く、インナチューブ11は図1に
おける上、下の両端が開口して形成され、軸方向略中央
位置に段差部25(図3)が形成され、この段差部25
と固定カラー26とに挟持されて第1ばね受27がイン
ナチューブ11の内周に固定される。上記固定カラー2
6は、図4に示すように、インナチューブ11の内周に
嵌装され、更に、下端部が、ストッパリング28により
インナチューブ11の内周に保持される。固定カラー2
6の下端内周部にリバウンドストッパ部29が形成され
る。
【0023】図1に示すように、後述のダンパシリンダ
30の外周面に第2ばね受け32が嵌合して保持され
る。このダンパシリンダ30は、図2に示すように、車
体側アウタチューブ12の閉塞端側の内周に螺装された
リザーバタンク34に螺装され、このリザーバタンク3
4にロックパイプ35にて回り止めされて固定される。
従って、ダンパシリンダ30は、リザーバタンク34を
介して車体側アウタチューブ12に支持される。また、
第2ばね受け32は、このロックパイプ35の下端部に
当て止めされ、ダンパシリンダ30及びリザーバタンク
34を介して車体側アウタチューブ12に支持される。
【0024】尚、リザーバタンク34の図2における上
部内周にフォークボルト40が螺装されて、車体側アウ
タチューブ12及びリザーバタンク34の図2における
上端部が閉塞される。
【0025】図1及び図4に示すように、車軸側アウタ
チューブ13にはストッパリング36、エンドプレート
37及びセンタボルト38によってオイルロックカラー
39が支持され、このオイルロックカラー39に第3ば
ね受け33が螺装され、ロックナット45により回り止
めされて固定される。従って、第3ばね受け33は、オ
イルロックカラー39及びストッパリング36を介して
車軸側アウタチューブ13に支持される。
【0026】上記センタボルト38は、後述のピストン
ロッド41の基端部外周に螺合されるとともにオイルロ
ックカラー39の内周に螺合され、ロックナット42に
よりピストンロッド41の基端部に回り止めされて固定
される。そして、このセンタボルト38の螺合により、
エンドプレート37がセンタボルト38と車軸側アウタ
チューブ13との間に挟持される。従って、これらのセ
ンタボルト38及びエンドプレート37によりピストン
ロッド41の基端部が車軸側アウタチューブ13に取り
付けられる。また、センタボルト38、エンドプレート
37及びオイルロックカラー39により、車軸側アウタ
チューブ13の図4における下端部が閉塞される。
【0027】上記第1ばね受け27と第2ばね受け33
との間に第1懸架スプリング14が介装され、又、第1
ばね受け27と第3ばね受け33との間に第2懸架スプ
リング15が介装される。これらの第1懸架スプリング
14と第2懸架スプリング15とのそれぞれのばね定数
は同一であるが、第2懸架スプリング15の初期荷重が
第1懸架スプリング14の初期荷重よりも小さく設定さ
れて、第2懸架スプリング15が第1懸架スプリング1
4よりも撓み易く構成されている。
【0028】つまり、第1懸架スプリング14及び第2
懸架スプリング15のばね定数はともに約0.4kgf/cm で
あり、図5に示すように、第2懸架スプリング15の初
期荷重は 0kgf 、第1懸架スプリング44の初期荷重は
50.4kgf にそれぞれ設定されている。従って、図1に示
すフロントフォーク10に小さな衝撃力が作用するフロ
ントフォーク10のショートストローク域(0 〜126mm
のストローク域)では第2懸架スプリング15のみが撓
み変形し、この第2懸架スプリング15が小さな衝撃力
を吸収する。また、フロントフォーク10に大きな衝撃
力が作用するフロントフォーク10のロングストローク
域(126 〜306mm のストローク域)では、第2懸架スプ
リング15が最圧縮状態に撓み変形した状態で第1懸架
スプリング14が撓み変形し、この第1懸架スプリング
14が大きな衝撃力を吸収する。
【0029】この結果、フロントフォーク10は、上記
ショートストローク域では、図6(A)及び(B)に示
すように、インナチューブ11が車体側アウタチューブ
12に対し不動で、車軸側アウタチューブ13がインナ
チューブ11に対し伸縮振動し、又、上記ロングストロ
ーク域では、図6(B)及び(C)に示すように、車軸
側アウタチューブ13がインナチューブ11を最も収納
した状態で、これらの車軸側アウタチューブ13とイン
ナチューブ11とが一体となり、インナチューブ11が
車体側アウタチューブ12に対し伸縮振動する。このフ
ロントフォーク10のロングストローク域は、ショート
ストローク域よりも長く設定されている。
【0030】前記ダンパ装置16は、図1に示すよう
に、リザーバタンク34を介して車体側アウタチューブ
12に取り付けられたダンパシリンダ30と、基端部が
センタボルト38及びエンドプレート37を介して車軸
側アウタチューブ13に取り付けられたピストンロッド
41と、ピストン46及びニードル弁47を備えた減衰
力発生機構としてのピストンバルブ機構48と、ベース
ピストン49及びべースニードル弁50を備えた減衰力
発生機構としてのベースバルブ機構51と、を有して構
成され、車体側アウタチューブ12と車軸側アウタチュ
ーブ13との間に配置される。
【0031】図1及び図4に示すように、ダンパシリン
ダ30の先端部(下端部)にはオイルロックピース52
が螺装され、このオイルロックピース52の内周に第4
ガイドブッシュ54及びオイルシール53が配設され
る。これらの第4ガイドブッシュ54及びオイルシール
53は、ストッパリング55により支持されたワッシャ
56とオイルロックピース52との間で挟持される。こ
れらの第4ガイドブッシュ54及びオイルシール53
は、ピストンロッド41の外周面に摺接可能とされる。
このうち、オイルシール53は、ダンパシリンダ30内
に充填された作動油の漏出を防止する。
【0032】ここで、図1に示すように、ダンパシリン
ダ30内には作動油が充填され、このダンパシリンダ3
0内は、ピストン46によって、ピストンロッド41を
収容するロッド側室62と、ピストンロッド41を収容
しないピストン側室63とに区画される。一方、ダンパ
シリンダ30を車体側アウタチューブ12に支持させる
リザーバタンク34内には、スプリング58に付勢され
てフリーピストン59が摺動自在に配設される。リザー
バタンク34内は、このフリーピストン59により、ス
プリング58を収容し且つ気体室を構成するガス室60
と、作動油が充填されたベースバルブ室61とに区画さ
れる。このベースバルブ室61は、ベースピストン49
によりピストン側室63と区画される。
【0033】尚、作動油は、上述のロッド側室62、ピ
ストン側室63及びベースバルブ室61内のみならず、
インナチューブ11、車体側アウタチューブ12及び車
軸側アウタチューブ13とダンパシリンダ30とに囲ま
れた空間内にも貯溜される(油面H)。
【0034】ピストンバルブ機構48におけるピストン
46は、図2に示すように、ピストンロッド41の上端
部に螺装された中空形状のピストンホルダ64に取り付
けられる。このピストン46には、圧側流路65及び伸
側流路66が軸方向に貫通して形成され、又軸方向両端
面に圧側バルブ67及び伸側バルブ68が配設される。
圧側バルブ67は圧側流路65を、伸側バルブ68は伸
側流路66をそれぞれ閉止可能とし、ワッシャ69、7
0を介しナット71に締め付けられてピストンホルダ6
4に固定される。
【0035】また、ピストンバルブ機構48におけるニ
ードル弁47は、図2及び図4に示すように、ピストン
ホルダ64の内周面に螺装されるとともに、アジャスト
ロッド72を介してニードル弁アジャスタ73に連結さ
れる。ニードル弁47は、アジャストロッド72に回転
一体、且つアジャストロッド72の軸方向に移動可能に
配設される。また、ニードル弁アジャスタ73は、内蔵
したクリック機構74を介して微小角度間欠回転可能に
センタボルト38内に収容されるとともに、アジャスト
ロッド72に回転一体に配設される。
【0036】ニードル弁アジャスタ73を回転操作する
ことにより、ニードル弁47は、ピストンホルダ64の
軸方向に移動して、このピストンホルダ64との間に形
成されたオリフィス75の流路面積を変更する。このオ
リフィス75及びピストンホルダ64の通路76を経
て、ロッド側室62とピストン側室63とが連通可能と
される。
【0037】車軸側アウタチューブ13がインナチュー
ブ11を収納するように摺動し、又は車軸側アウタチュ
ーブ13及びインナチューブ11が一体となってインナ
チューブ11が車体側アウタチューブ12内へ侵入する
フロントフォーク10の圧縮行程では、ピストン側室6
3からの作動油が圧側流路65を通り圧側バルブ67を
撓み変形させてロッド側室62内へ導かれ、作動油が圧
側バルブ67を撓み変形させるときに圧側減衰力が発生
する。
【0038】また、車軸側アウタチューブ13及びイン
ナチューブ11が一体となってインナチューブ11が車
体側アウタチューブ12から退出し、又は車軸側アウタ
チューブ13がインナチューブ11から退出する伸長行
程では、ダンパシリンダ30に対するピストン46の相
対速度が低速のとき、ロッド側室62内の作動油が通路
76及びオリフィス75を通りピストン側室63へ導か
れ、作動油がオリフィス75を通るときに伸側減衰力が
発生する。また、フロントフォーク10の伸長行程で、
ダンパシリンダ30に対するピストン46の相対速度が
中高速であるときには、ロッド側室62内の作動油が伸
側流路66を経て伸側バルブ68を撓み変形させてピス
トン側室63へ流れ、作動油が伸側バルブ68を撓み変
形させるときに伸側減衰力が発生する。
【0039】ダンパシリンダ30とピストン46との相
対速度が低速の場合、オリフィス75を作動油が通ると
きに発生する伸側減衰力は、ニードル弁アジャスタ73
を回転操作して、オリフィス75の流路面積を変更する
ことにより調整される。一方、ベースバルブ機構51に
おけるベースピストン49は、図2に示すように、中空
形状のベースホルダ77に配設され、このベースホルダ
77は中空ロッド78を介してフォークボルト40に支
持される。つまり、ベースホルダ77は中空ロッド78
の下端部に螺着され、中空ロッド78の上端部がフォー
クボルト40に螺装され、ロックナット79により回り
止めされて固定される。
【0040】上記ベースピストン49には、軸方向に貫
通して圧側流路80及び伸側流路81が形成され、又、
軸方向両端面に圧側バルブ82及び伸側バルブ83(チ
ェックバルブ)が配設される。圧側バルブ82は圧側流
路80を、伸側バルブ83は伸側流路81をそれぞれ閉
止可能とし、ともに、ベースホルダ77の下端部に螺着
されるナット99によりベースホルダ77に固着され
る。
【0041】また、ベースバルブ機構51におけるベー
スニードル弁50はベースホルダ77内に収容され、中
空ロッド78内に収容されたアジャストロッド84(ベ
ースニードル弁50と一体成形)を介して、ベースニー
ドル弁アジャスタ85に回転一体、且つ軸方向移動可能
に連結される。上記アジャストロッド84は、フォーク
ボルト40の内周に螺装される。ベースニードル弁アジ
ャスタ85は、フォークボルト40に嵌装されたアジャ
ストケース86内で、このアジャストケース86に内蔵
されたクリック機構87により、微小角度間欠回転可能
に設けられる。
【0042】ベースニードル弁アジャスタ85を回転操
作することにより、アジャストロッド84を介し、ベー
スニードル弁50は、ベースホルダ77との間に形成さ
れたオリフィス88の流路面積を変更する。このオリフ
ィス88、及びベースホルダ77の流路89を介して、
ピストン側室63とロッド側室62とが連通可能とされ
る。
【0043】フロントフォーク10の前述の圧縮行程で
は、図1及び図2に示すように、ダンパシリンダ30に
ピストンロッド41が侵入するので、この侵入体積分の
作動油がベースバルブ機構51の作用でピストン側室6
3からベースバルブ室61へ排出される。つまり、ダン
パシリンダ30に対するピストン46の相対速度が低速
のときには、ピストン側室63内の作動油は、オリフィ
ス88及びベースホルダ77の通路89を経てベースバ
ルブ室61へ流れる。作動油がオリフィス88を流れる
間に圧側減衰力が発生する。また、ダンパシリンダ30
に対するピストン46の相対速度が中高速のときには、
ピストン側室63内の作動油は、ベースピストン49の
圧側流路80を通り圧側バルブ82を撓み変形させてベ
ースバルブ室61へ流れる。作動油が圧側バルブ82を
撓み変形させる間に圧側減衰力が発生する。
【0044】フロントフォーク10の前述の伸長行程で
は、ダンパシリンダ30からピストンロッド41が抜け
出て、その分ダンパシリンダ30の容積が増大するの
で、ベースバルブ室61内の作動油がベースピストン4
9の伸側流路81を経て伸側バルブ83を開き、ピスト
ン側室63へ流れて、このピストン側室63の負圧を解
消する。
【0045】ダンパシリンダ30に対するピストン46
の相対速度が低速のときにオリフィス88にて発生する
減衰力は、ベースニードル弁アジャスタ85を回転操作
し、ベースニードル弁50によりオリフィス88の流路
面積を変更することにより調整される。
【0046】従って、図1に示すように、フロントフォ
ーク10の圧縮行程であって、インナチューブ11及び
車体側アウタチューブ12が不動で、車軸側アウタチュ
ーブ13がインナチューブ11を収納するように摺動す
るショートストローク域(図6(A)、(B))と、車
軸側アウタチューブ13がインナチューブ11を最も収
納した状態で、これら車軸側アウタチューブ13及びイ
ンナチューブ11が一体となり、インナチューブ11が
車体側アウタチューブ12内へ侵入するロングストロー
ク域(図6(B)、(C))との場合に、ベースバルブ
機構51において、ベースニードル弁50のオリフィス
88又は圧側バルブ82を流れる作動油により圧側減衰
力が発生し、ピストンバルブ機構48における圧側バル
ブ67を流れる作動油により圧側減衰力が発生する。ま
た、フロントフォーク10の伸長行程であって、上述の
ロングストローク域とショートストローク域との場合
に、ピストンバルブ機構48において、ニードル弁47
のオリフィス75或いは伸側バルブ68を流れる作動油
により伸側減衰力が発生し、ベースバルブ機構51にお
いては減衰力が殆ど発生しない。これらの圧側又は伸側
減衰力によって、第1懸架スプリング14及び第2懸架
スプリング15の撓み変形に伴い発生するフロントフォ
ーク10の伸縮振動が抑制される。
【0047】尚、図4に示すように、ダンパシリンダ3
0の下端に設置されたオイルロックピース52と、車軸
側アウタチューブ13に設置されたオイルロックカラー
39とは、フロントフォーク10の最圧縮時に緊密状態
で嵌合可能に設けられる。これにより、フロントフォー
ク10の最圧縮時に、オイルロックピース52とオイル
ロックカラー39との間で圧縮された作動油によりオイ
ルロック作用が発生し、フロントフォーク10の圧縮ス
トローク端での緩衝が実施される。
【0048】また、図1に示すように、第2ばね受け3
2の図における上部にリバウンドスプリング90が設置
され、第3ばね受け33の図における下部にリバウンド
スプリング91が設置され、更に、ダンパシリンダ30
内の下部に位置したワッシャ56の図における上部にリ
バウンドスプリング92が設置される。リバウンドスプ
リング90は、フロントフォーク10の伸長行程であっ
てロングストローク域の最伸長時に、図2及び図6
(B)に示すように、インナチューブ11の上開口端内
周に固着のリバウンドストッパ93に当接して圧縮さ
れ、これにより、ロングストローク域の最伸長時での緩
衝を実施する。
【0049】フロントフォーク10の伸長行程であって
ショートストローク域の最伸長時、つまりフロントフォ
ーク10の最伸長時には、図4及び図6(A)に示すよ
うに、リバウンドスプリング91がインナチューブ11
の下開口端内周に固着のリバウンドストッパ29に当接
して圧縮されるとともに、リバウンドスプリング92が
ピストンホルダ64の下部に当接して圧縮される。これ
らにより、フロントフォーク10の最伸長ストローク端
での緩衝が実施される。
【0050】また、図1及び図3に示すように、車体側
アウタチューブ12の開口端部内周に、第1ガイドブッ
シュ21に対し軸方向に隣接してオイルシール95が装
着され、このオイルシール95に隣接してダストシール
96が装着される。また、車軸側アウタチューブ13の
開口端部内周にも、同様にしてオイルシール95及びダ
ストシール96が装着される。
【0051】以上のように構成されたことから、上記実
施の形態のフロントフォーク10は次の効果を奏する。 (1) 車体側アウタチューブ12と車軸側アウタチューブ
13との間に、ピストンバルブ機構48及びベースバル
ブ機構51を備えたダンパ装置16が配置されたので、
第2懸架スプリング15が撓み変形して車軸側アウタチ
ューブ13とインナチューブ11とが相対的に振動する
ショートストローク域においても、又、第1懸架スプリ
ング14が撓み変形して車軸側アウタチューブ13とイ
ンナチューブ11とが一体となり、インナチューブ11
が車体側アウタチューブ12に対し相対的に振動するロ
ングストローク域においても、上記ダンパ装置16が機
能して減衰力が発生する。従って、フロントフォーク1
0のストローク全域において減衰力が発生し、このフロ
ントフォーク10の振動を良好に制振できる。
【0052】(2) ばね受け27を介して直列に配設され
た第1懸架スプリング14及び第2懸架スプリング15
の内側にダンパ装置16のダンパシリンダ30が並列に
配置されたので、第1懸架スプリング14、第2懸架ス
プリング15及びダンパ装置16が直列に配置された場
合に比べ、フロントフォーク10の全長を抑えることが
できる。
【0053】(3) フロントフォーク10は、インナチュ
ーブ11の上部に車体側アウタチューブ12が、インナ
チューブ11の下部に車軸側アウタチューブ13がそれ
ぞれ摺動自在に嵌合され、インナチューブ11と車体側
アウタチューブ12との間に第1懸架スプリング14が
配設され、インナチューブ11と車軸側アウタチューブ
13との間に第2懸架スプリング15が配設されて構成
され、第1懸架スプリング14及び第2懸架スプリング
15のばね特性や、これらの懸架スプリング14、15
のストローク長さを適宜変更することにより、インナチ
ューブ11に対する車体側アウタチューブ12と車軸側
アウタチューブ13との摺動比率を変更して、フロント
フォーク10全体としての剛性を、フロントフォーク1
0が搭載される車体機種に応じた最適な剛性に設定でき
る。このフロントフォーク10では、図5に示すよう
に、インナチューブ11に対する車軸側アウタチューブ
13の摺動比率は126/306 であり、車体側アウタチュー
ブ12に対するインナチューブ11の摺動比率は(306-
126)/306であるが、例えば、車体側アウタチューブ12
に対するインナチューブ11の摺動比率を更に増大し
て、フロントフォーク10全体としての剛性を更に高め
ることもできる。
【0054】(4) 第2懸架スプリング15が第1懸架ス
プリング14よりも撓み易く構成されたことから、振動
の振幅が小さなフロントフォーク10のショートストロ
ーク域では、第2懸架スプリング15のみが撓み変形
し、従って、インナチューブ11が車体側アウタチュー
ブ12に対しては不動となり、車軸側アウタチューブ1
3がインナチューブ11に対して正立型フロントフォー
クの如く伸縮振動する。一般に、車軸側アウタチューブ
13はアルミ合金製からなり軽量に構成されているの
で、このときばね下重量が小さくなり、その結果、フロ
ントフォーク10の振動吸収性を向上させることができ
る。
【0055】(5) 振動の振幅が大きなフロントフォーク
10のロングストローク域では、第2懸架スプリング1
5が最圧縮状態まで撓み変形した状態で、第1懸架スプ
リング14が撓み変形するので、車軸側アウタチューブ
13とインナチューブ11とが一体となり、インナチュ
ーブ11が車体側アウタチューブ12に対し倒立型フロ
ントフォークの如く伸縮振動する。このときには、イン
ナチューブ11に対し大径の車体側アウタチューブ12
が、車体に設けられたアンダブラケット18、アッパブ
ラケット17に固定されること、フロントフォーク10
の伸縮振動時に、インナチューブ11の上端が、車体側
アウタチューブ12内においてアッパブラケット17と
アンダブラケット18との間を摺動するので、車体側ア
ウタチューブ12において曲げモーメントの支点となる
アンダブラケット18固定部分で、車体側アウタチュー
ブ12とインナチューブ11とが重なり合って、車体側
アウタチューブ12の曲げ強度が増大すること、並び
に、フロントフォーク10の伸縮振動時に、インナチュ
ーブ11の上端が車体側アウタチューブ12内へ侵入す
るに従い、インナチューブ11の下端がアンダブラケッ
ト18に近づくこと等から、フロントフォーク10を高
剛性化でき、従って、自動二輪車の操縦安定性を向上さ
せることができる。
【0056】(6) 第1懸架スプリング14及び第2懸架
スプリング15がインナチューブ11の内周に沿って配
設され、これらの懸架スプリング14及び15の一端が
インチューブ11の内周の第1ばね受け27に支持さ
れ、他端が、フロントフォーク10の最伸長時にインナ
チューブ11の上下開口端の内側に収納されるように第
2ばね受け32、第3ばね受け33にそれぞれ支持され
たことから、第1懸架スプリング14及び第2懸架スプ
リング15がフロントフォーク10のストローク全域に
おいてインナチューブ11の内周に沿って配設されるこ
とになる。この結果、第1懸架スプリング14及び第2
懸架スプリング15がこれらの軸心に対し略く字形状に
折れ曲がる懸架スプリングの胴曲り現象の発生を防止で
きる。
【0057】尚、上記第1の実施の形態のフロントフォ
ーク10では、第2懸架スプリング15の初期荷重を第
1懸架スプリング14の初期荷重よりも小さくすること
によって、第2懸架スプリング15を第1懸架スプリン
グ14よりも撓み易く構成したが、第2懸架スプリング
15のばね定数を第1懸架スプリング14のばね定数よ
りも小さく設定して、第2懸架スプリング15を第1懸
架スプリング14よりも撓み易く構成しても良い。
【0058】また、第1懸架スプリング14を第2懸架
スプリング15よりも撓み易く設定して、ショートスト
ローク域で車軸側アウタチューブ13及びインナチュー
ブ11が一体となって、インナチューブ11が車体側ア
ウタチューブ12に対し相対的に摺動し、ロングストロ
ーク域で車軸側アウタチューブ13がインナチューブ1
1に対し相対的に摺動するように設定しても良い。但
し、この場合には、前述の効果(1) 〜(3) 、(5) 及び
(6) を奏するフロントフォークとなる。
【0059】[B] 第2の実施の形態 図7は、本発明に係る二輪車等のフロントフォークの第
2の実施の形態におけるばね特性図であり、(A)が第
1及び第2懸架スプリングの合成ばね特性図、(B)が
第2懸架スプリングのばね特性図、(C)が第1懸架ス
プリングのばね特性図である。この第2の実施の形態に
おいて、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の
符号を付すことにより説明を省略する。
【0060】この第2の実施の形態におけるフロントフ
ォーク100は、車軸側アウタチューブ13と車体側ア
ウタチューブ12とがショートストローク域の作動初期
から同時に摺動し、ロングストローク域のフルストロー
ク時に同時に最圧縮状態に撓み変形するように、第1懸
架スプリング14と第2懸架スプリング15のばね特性
が設定されたものである。
【0061】つまり、図7に示すように、第1懸架スプ
リング14のばね定数は0.688kgf/cm 、第2懸架スプリ
ングのばね定数は0.956kgf/cm にそれぞれ設定され、こ
れら第1懸架スプリング14及び第2懸架スプリング1
5に作用する初期荷重は共に0kgfに設定されている。従
って、フロントフォーク100のストローク全域にわた
り第1懸架スプリング14及び第2懸架スプリング15
が伸縮作動し、このときの第1懸架スプリング14及び
第2懸架スプリング15の合成ばね定数K1 は、 1/K1 =1/0.688 +1/0.956 からK1 =0.4kgf/cm となる。この結果、フロントフォ
ーク100に小さな衝撃力が作用するショートストロー
ク域と、フロントフォーク100に大きな衝撃力が作用
するロングストローク域とのいずれの場合も、第1懸架
スプリング14及び第2懸架スプリング15が同時に撓
み変形し、インナチューブ11が車体側アウタチューブ
12に対して伸縮作動し、車軸側アウタチューブ13が
インナチューブ11に対して同時に伸縮作動し、第1懸
架スプリング14及び第2懸架スプリング15が同時に
最圧縮状態に撓み変形してフロントフォーク100がフ
ルストロークする。
【0062】従って、この実施の形態のフロントフォー
ク100においても、前記フロントフォーク10の効果
(1) 〜(3) 、(5) 及び(6) の効果を奏し、効果(4) と類
似の次の効果(7) を奏し、更に次の効果(8) 〜(10)を奏
する。このうち、上記効果(3) にあっては、第1懸架ス
プリング14のストローク長さが178mm であり、第2懸
架スプリング15のストローク長さが128mm であるた
め、第1懸架スプリング14及び第2懸架スプリング1
5が同時に撓み変形するフロントフォーク100の全ス
トローク域において、インナチューブ11に対する車軸
側アウタチューブ13の摺動比率が128/306 となり、車
体側アウタチューブ12に対するインナチューブ11の
摺動比率が178/306 となって後者の方が大きく設定さ
れ、フロントフォーク100全体としての剛性が高ま
る。
【0063】(7) 車軸側アウタチューブ13とインナチ
ューブ11とが作動初期から同時に作動するように第1
懸架スプリング14及び第2懸架スプリング15のばね
特性が設定されたことから、摺動の振幅が小さなフロン
トフォーク100のショートストローク域で第2懸架ス
プリング15が撓み変形し、従って、車軸側アウタチュ
ーブ13がインナチューブ11に対して正立型フロント
フォークの如く伸縮振動する。一般に、車軸側アウタチ
ューブ13はアルミ合金製にて軽量に構成されているの
で、このときばね下重量が小さくなり、その結果、フロ
ントフォーク100のショートストローク域における振
動吸収性を良好にできる。
【0064】(8) フロントフォーク100のストローク
全域で第1懸架スプリング14及び第2懸架スプリング
15が撓み変形するので、フロントフォーク100のス
トロークの途中で一方の懸架スプリング14又は15が
最圧縮状態に撓み変形することにより生ずる衝撃の発生
がなく、フロントフォーク100の特性を良好にでき
る。
【0065】(9) 上述のフロントフォーク100におい
ては、必要に応じて、図3の 2点鎖線に示すように、ス
タビホルダ97が左右一対のフロントフォーク10のイ
ンナチューブ11に固定され、このスタビホルダ97に
スタビライザ取付ブラケット98が固着され、このスタ
ビライザ取付ブラケット98に前記スタビライザの両端
部が取り付けられる。このスタビライザにより、一対の
フロントフォーク10のインナチューブ11が連結され
る。インナチューブ11の位置は、第1懸架スプリング
14及び第2懸架スプリング15の撓み量により静的バ
ランスが決定されるが、実際の作動時には、インナチュ
ーブ11、車体側アウタチューブ12及び車軸側アウタ
チューブ13の摺動抵抗や、ダンパ装置16におけるダ
ンパシリンダ30に対するピストン46の相対速度等の
作動油の影響で不安定なものとなる。しかし、上記スタ
ビライザの作用により、左右一対のフロントフォーク1
00におけるインナチューブ11が常に同時に作動し、
両フロントフォーク100の伸縮振動を同期化できる。
然しながら、左右一対のフロントフォーク100におけ
るインナチューブ11が常に同時に作動する場合には、
上記スタビライザは設けなくて良い。
【0066】(10)このフロントフォーク100は、第1
懸架スプリング14の初期荷重が0kgfであるため、イン
ナチューブ11の抜け止めの機能を果たすリバウンドス
トッパ93が必ずしも必要なくなり、従って、第1懸架
スプリング14の交換等のメンテナンス作業を容易化で
きる。
【0067】[C] 第3の実施の形態 図8は、本発明に係る二輪車等のフロントフォークの第
3の実施の形態におけるばね特性図であり、(A)が第
1及び第2懸架スプリングの総合ばね特性図、(B)が
第2懸架スプリングのばね特性図、(C)が第1懸架ス
プリングのばね特性図である。この第3の実施の形態に
おいて、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の
符号を付すことにより説明を省略する。
【0068】この第3の実施の形態におけるフロントフ
ォーク200は、第2懸架スプリング15が撓み変形し
て車軸側アウタチューブ13がインナチューブ11に対
し摺動している途中から、第1懸架スプリング14が撓
み変形してインナチューブ11が車体側アウタチューブ
12に対し摺動し始め、両懸架スプリング14及び15
が同時に最圧縮状態に撓み変形するように、第1懸架ス
プリング14と第2懸架スプリング15のばね特性が設
定されたものである。
【0069】つまり、図8(B)及び(C)に示すよう
に、第1懸架スプリング14は、ばね特性が0.573kgfで
あり、初期荷重が39kgf に設定されている。また、第2
懸架スプリング15は、異なるばね定数のスプリングが
組み合わされた 2段階懸架スプリングであり、 1段目部
分のばね定数が0.39kgf/cm、 2段目部分のばね定数が1.
72kgf/cmであって、 1段目部分が 2段目部分よりも撓み
易く構成されている。また、この第2懸架スプリング1
5に作用する初期荷重は0kgfである。そして、第1懸架
スプリング14は、作用する外力(ばね荷重)が39kgf
以上となったときに、第2懸架スプリング15の 2段目
部分と同時に撓み変形し、このときの剛性ばね定数K2
は、 1/K2 =1/1.72+1/0.573 からK2 =0.43kgf/cmとなる(図8(A))。このた
め、第2懸架スプリング15の 1段目部分は、第2懸架
スプリング15の 2段目部分と第1懸架スプリング14
との合成部分に比べばね定数が小さく、撓み易く構成さ
れる。
【0070】従って、図8(A)に示すように、フロン
トフォーク200に小さな衝撃力が作用するフロントフ
ォーク200のショートストローク域(0 〜100mm のス
トローク域)では、第2懸架スプリング15の 1段目部
分のみが撓み変形し、この第2懸架スプリング15の 1
段目部分が小さな衝撃力を吸収する。また、第2懸架ス
プリング15に大きな衝撃力が作用するフロントフォー
ク200のロングストローク域(100 〜300mm のストロ
ーク域)では、第2懸架スプリング15の 2段目部分と
第1懸架スプリング14が同時に撓み変形し、これらが
大きな衝撃力を吸収して、第1懸架スプリング14及び
第2懸架スプリング15が同時に最圧縮状態まで撓み変
形する。
【0071】この結果、フロントフォーク200は、シ
ョートストローク域(0 〜100mm のストローク域)でイ
ンナチューブ11が車体側アウタチューブ12に対し不
動で、車軸側アウタチューブ13がインナチューブ11
に対し伸縮振動し、また、ロングストローク域(100 〜
300mm のストローク域)で車軸側アウタチューブ13が
インナチューブ11に対し伸縮振動すると同時に、イン
ナチューブ11が車体側アウタチューブ12に対し伸縮
振動する。
【0072】従って、この第3の実施の形態におけるフ
ロントフォーク200においても、第1の実施の形態の
効果(1) 〜(6) と同様な効果を奏し、更に次の効果(11)
及び(12)を奏する。このとき、上記効果(3) にあって
は、第1懸架スプリング14と第2懸架スプリング15
が同時に撓み変形するフロントフォーク200のロング
ストローク域(100 〜300mm のストローク域)におい
て、インナチューブ11に対する車軸側アウタチューブ
13の摺動比率が50/200となり、車体側アウタチューブ
12に対するインナチューブ11の摺動比率が150/200
となって後者が大きく設定されるので、フロントフォー
ク200のロングストローク域において剛性が高められ
る。
【0073】(11)このフロントフォーク200では、第
1懸架スプリング14の撓み変形開始時期を早期化させ
ることにより、インナチューブ11が車体側アウタチュ
ーブ12内へ侵入する時期を早めることができるので、
この侵入するインナチューブ11により車体側アウタチ
ューブ12の曲げ強度を高める時期が早まり、従って、
フロントフォーク200を早期に高剛性化できる。この
ように第1懸架スプリング14の撓み変形開始時期を変
更させることにより、フロントフォーク200の剛性が
変更される変曲点を調整できる。
【0074】(12)このフロントフォーク200におい
て、第2懸架スプリング15の 2段目部分が撓み変形し
始める位置まで、この状態下でインナチューブ11内に
作動油を充填させることにより、第2懸架スプリング1
5の 1段目部分が最圧縮状態となるときの衝撃を、上記
作動油により緩和させることができる。
【0075】この第3の実施の形態においては、フロン
トフォーク200に小さな衝撃力が作用するショートス
トローク域で第1懸架スプリング14及び第2懸架スプ
リング15が作動初期から同時作動し、その後、第2懸
架スプリング15が最圧縮状態まで撓み変形した後で第
1懸架スプリング14のみが撓み変形するように、第1
懸架スプリング14及び第2懸架スプリング15のばね
特性を設定しても良い。この場合にも、効果(1) 〜(3)
、(5) 、(6) 及び(7) を奏することができる。
【0076】尚、上記第1〜第3の実施の形態では、ダ
ンパ装置16のダンパシリンダ30が車体側アウタチュ
ーブ12に、ピストンロッド41の基端部が車軸側アウ
タチューブ12にそれぞれ結合されるものを述べたが、
ダンパシリンダ30及びリザーバタンク34が車軸側ア
ウタチューブ13に結合され、ピストンロッド41の基
端部が車体側アウタチューブ12に結合されたものでも
良い。
【0077】また、各実施の形態においては、第1ばね
受け27がインナチューブ11の内周面の段差部25に
係止されるものを述べたが、インナチューブ11の内周
面を段差部25を形成しない面一形状とし、第1ばね受
け27を固定カラー26の上端部に一体に成形しても良
い。これにより、インナチューブ11に応力集中が発生
せず、インナチューブ11の強度を良好に確保できる。
【0078】更に、各実施の形態のフロントフォーク1
0、100、200は、自動二輪車に搭載されるものを
述べたが、三輪バギー車等の自動三輪車に適用しても良
い。
【0079】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る二輪車等の
フロントフォークによれば、ストローク全域にわたり減
衰力を発生できると共に全長を抑えることができ、然
も、車体機種に応じた最適な剛性を得ることができ、請
求項2、3又は4に記載の発明によれば、倒立型フロン
トフォークの高剛性と正立型フロントフォークの良好な
振動吸収性とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る二輪車等のフロントフォ
ークの第1の実施の形態における最圧縮状態を示す断面
図である。
【図2】図2は、図1の上部を示す拡大断面図である。
【図3】図3は、図1の中央部を示す拡大断面図であ
る。
【図4】図4は、図1の下部を示す拡大断面図である。
【図5】図5(A)は、図1の第1懸架スプリングのば
ね特性図であり、図5(B)は図1の第2懸架スプリン
グのばね特性図である。
【図6】図6は、図1のフロントフォークの作動状況を
示す模式図である。
【図7】図7は、本発明に係る二輪車等のフロントフォ
ークの第2の実施の形態におけるばね特性図であり、
(A)が第1及び第2懸架スプリングの合成ばね特性
図、(B)が第2懸架スプリングのばね特性図、(C)
が第1懸架スプリングのばね特性図である。
【図8】図8は、本発明に係る二輪車等のフロントフォ
ークの第3の実施の形態におけるばね特性図であり、
(A)が第1及び第2懸架スプリングの総合ばね特性
図、(B)が第2懸架スプリングのばね特性図、(C)
が第1懸架スプリングのばね特性図である。
【符号の説明】
10 フロントフォーク 11 インナチューブ 12 車体側アウタチューブ 13 車軸側アウタチューブ 14 第1懸架スプリング 15 第2懸架スプリング 16 ダンパ装置 17 アッパブラケット 18 アンダブラケット 19 車軸ブラケット 27 第1ばね受け 30 ダンパシリンダ 32 第2ばね受け 33 第3ばね受け 41 ピストンロッド 46 ピストン 47 ニードル弁 48 ピストンバルブ機構(減衰力発生機構) 49 ベースピストン 50 ベースニードル弁 51 ベースバルブ機構(減衰力発生機構) 67 圧側バルブ 68 伸側バルブ 82 圧側バルブ 83 伸側バルブ 100 フロントフォーク 200 フロントフォーク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端を開口したインナチューブの上部に
    摺動自在に嵌合し、車体に支持される車体側アウタチュ
    ーブと、 上記インナチューブの下部に摺動自在に嵌合し、車軸を
    支持する車軸側アウタチューブと、 上記インナチューブ内周に固定されたばね受けと、 上記ばね受けと上記車体側アウタチューブとの間に配設
    された第1懸架スプリングと、 上記ばね受けと上記車軸側アウタチューブとの間に配設
    された第2懸架スプリングと、 上記車体側アウタチューブと上記車軸側アウタチューブ
    との間に配設されたダンパ装置と、を有し、 上記ダンパ装置は、上記第1懸架スプリングと上記第2
    懸架スプリングの内側に並置され、上記車体側アウタチ
    ューブ又は上記車軸側アウタチューブのいずれか一方に
    取り付けられたダンパシリンダと、先端部が上記ダンパ
    シリンダ内を摺動して減衰力を発生するピストンに取り
    付けられ、基端部が上記車軸側アウタチューブ又は上記
    車体側アウタチューブの他方に取り付けられたピストン
    ロッドと、を備えてなることを特徴とする二輪車等のフ
    ロントフォーク。
  2. 【請求項2】 前記第1懸架スプリングと前記第2懸架
    スプリングのばね特性は、車軸側アウタチューブと車体
    側アウタチューブが作動初期から同時に作動しつつ、両
    懸架スプリングが同時に最圧縮状態に撓み変形するよう
    に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の二輪車
    等のフロントフォーク。
  3. 【請求項3】 前記第1懸架スプリングと前記第2懸架
    スプリングのばね特性は、車軸側アウタチューブと車体
    側アウタチューブが同時に作動するストロークがあるよ
    うに設定されたことを特徴とする請求項1に記載の二輪
    車等のフロントフォーク。
  4. 【請求項4】 前記第2懸架スプリングのばね特性は、
    この第2懸架スプリングが第1懸架スプリングよりも撓
    み易くなるように設定されたことを特徴とする請求項1
    に記載の二輪車等のフロントフォーク。
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