JPH11118606A - 焦電型赤外線センサおよびその製造方法 - Google Patents

焦電型赤外線センサおよびその製造方法

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JPH11118606A
JPH11118606A JP9284963A JP28496397A JPH11118606A JP H11118606 A JPH11118606 A JP H11118606A JP 9284963 A JP9284963 A JP 9284963A JP 28496397 A JP28496397 A JP 28496397A JP H11118606 A JPH11118606 A JP H11118606A
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insulating layer
substrate
electrode
pyroelectric infrared
infrared sensor
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JP9284963A
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Hidetoshi Matsumoto
秀俊 松本
Keita Ihara
慶太 井原
Koji Nakajima
晃治 中島
Takahiro Omori
高広 大森
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で、断熱空間への異物の混入や不要な静
電気力の発生を防止できる焦電型赤外線センサを得るこ
とを目的とする。 【解決手段】 導電性の第1の基板1と、第1の基板1
上に形成された第1の絶縁層3と、第1の絶縁層3上に
形成された第2の絶縁層10と、第1の絶縁層3の一部
に開口して形成され、第1の基板1と第2の絶縁層10
とに挟まれて密閉された断熱空間2と、第2の絶縁層1
0上に形成されたダイヤフラム9と、断熱空間2の上方
に位置してダイヤフラム9上に順次積層された第1の電
極5、焦電型の赤外線検出素子6および第2の電極7
と、第1の基板1における第1の絶縁層3の反対面に形
成された第3の電極8とを有し、第3の電極8への印可
電圧を変化させて第2の絶縁層10を第1の基板1に接
触させることで赤外線検出素子6の熱を第1の基板1へ
放出し得るようにした焦電型赤外線センサとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焦電型赤外線セン
サおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】焦電型赤外線センサは、チタン酸ジルコ
ン酸鉛系セラミックス等の強誘電体セラミックス、タン
タル酸リチュウム等の単結晶もしくはポリフッ化ビニリ
デン等の有機材料を用いて構成され、温度上昇により自
発分極が変化して表面電荷が発生する焦電効果を利用し
たセンサであり、入射した赤外線を熱に変換して、焦電
効果により電気信号に変換している。
【0003】このタイプの赤外線センサは常温で動作し
て感度は低いが低価格のために、防犯分野での人体検出
等に広く使われている。そして、焦電型赤外線センサの
検出信号は微分信号であるため、静止した物体を検出す
る場合には、センサの前面に遮蔽板を設置し、ある周期
で入射赤外線を遮蔽、露出することにより検出するチョ
ッパ機構によっている。
【0004】ここで、焦電型赤外線センサにおける熱−
電流変換効率や応答性を改善し、さらにクロストークの
影響を無視できる小型のマルチエレメントセンサを実現
するものとして、たとえば特開平6−281503号公
報に開示された技術が知られている。
【0005】特開平6−281503号公報に開示され
た焦電型赤外線センサの構造を、図15、図16および
図17に示す。ここで、図15は当該公報に開示された
従来の焦電型赤外線センサを示す平面図、図16は図1
5のA−A’線に沿った断面図、図17は図15のB−
B’線に沿った断面図である。
【0006】図示するように、この焦電型赤外線センサ
は、基板101上に絶縁膜102が形成されている。絶
縁膜102上には、支持部104、この支持部104に
支持された支持層105が順次積層されている。さら
に、支持層105の上部には、下部電極106と、この
下部電極106上に焦電薄膜107を介して成膜された
上部電極108とが形成されている。上部電極108の
上部には赤外線吸収膜109が形成されており、下部電
極106と上部電極108は、赤外線吸収膜109を覆
う絶縁膜110に形成された配線ようの貫通孔により外
部装置と電気的に接続される。
【0007】矩形に形成された赤外線吸収膜109に対
応して、支持部104の一部を所定の幅にわたって開口
して絶縁層102と支持層105とに挟まれた断熱空間
111が形成されている。そして、この断熱空間111
を外部に連通する開口孔112が矩形の断熱空間111
の四隅に形成されている。
【0008】このような焦電型赤外線センサでは、赤外
線が入射すると赤外線吸収体109が赤外線を吸収して
加熱される。赤外線吸収体109の熱は上部電極108
を介して焦電薄膜107に伝達され、これにより上部電
極108と下部電極106間に信号が出力される。この
とき、断熱空間111により焦電薄膜107の熱が絶縁
膜102やシリコン基板101へ拡散することが遮断さ
れて、焦電型赤外線センサの変換効率、応答性が改善さ
れるものである。
【0009】図18に特開平6−213714号公報に
開示された焦電型赤外線センサの構造を示す。
【0010】図18に示す焦電型赤外線センサでは、基
板201上に2つの圧電素子202a,202bと赤外
線検出素子205とが薄膜技術で形成されている。圧電
素子202a,202bの上部には両者に共通の振動体
203が接着されており、遮蔽板204を振動体203
の長手方向にのみ移動可能なように振動体203に保持
してチョッパを構成している。そして、超音波モータの
原理により、圧電素子202a,202bを振動させる
ことで振動体203が振動して遮蔽板204が移動され
る。また、赤外線検出素子205には受光電極206と
取り出し電極207とが取り付けられている。そして、
受光電極206に赤外線208が入射することにより、
受光電極206と赤外線検出素子205との間に温度変
化が発生し、これによる焦電効果で発生した電荷が電極
207で外部へ取り出される。
【0011】このとき、受光電極206を赤外線に対し
て遮蔽、露出するように遮蔽板204を往復運動させる
ことにより、受光電極206に入射する赤外線を断続す
る構成となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−281503号公報に記載された焦電型赤外線セン
サでは、焦電型赤外線センサ自体に赤外線を断続する機
構がないため、静止した物体を検出する場合には、別
途、赤外線を遮蔽する遮蔽板と、この遮蔽板を駆動する
駆動装置が必要である。そして、遮蔽板を取り付けた場
合には、センサ前面に遮蔽板が移動するための空間が、
遮蔽板と赤外線検出部との間に両者が相互に接触しない
程度の空間がそれぞれ必要になる。そのため、たとえ赤
外線検出部が小型化できても、焦電型赤外線センサ自体
の小型化は困難である。これに加えて、遮蔽板やその駆
動機構を設けるようにすれば、構造が複雑化してセンサ
作製が困難になる。
【0013】また、図17に示すように、開口孔112
と連通している断熱空間111内に外部からの異物が混
入したり、断熱空間111内にエッチング残りや洗浄残
りなどの残渣が存在する場合には、断熱作用が低減して
しまう。
【0014】さらに、ダイヤフラムに静電気が発生した
場合には、ダイヤフラムが静電気力で基板に接触して断
熱効果が損なわれる可能性もある。
【0015】一方、特開平6−213714号公報に記
載された焦電型赤外線センサでは、機械的な駆動方法で
遮蔽板204を駆動しているので、赤外線検出部の前面
に遮蔽板204の移動空間が、遮蔽板204と赤外線検
出部との間に両者が非接触を保つことのできる程度の空
間が必要であり、赤外線検出部が小型化されてもチョッ
パ部の小型化ができず、焦電型赤外線センサ自体の小型
化は困難である。
【0016】そこで、本発明は、チョッパ用の遮蔽板お
よびその駆動機構を用いることなく、小型化を実現する
ことのできる焦電型赤外線センサを提供することを目的
とする。
【0017】また、本発明は、断熱空間への異物の混入
や不要な静電気力の発生を防止することのできる焦電型
赤外線センサを提供することを目的とする。
【0018】そして、本発明は、作製の容易な焦電型赤
外線センサを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の焦電型赤外線センサは、導電性を有する第
1の基板と、第1の基板上に形成された第1の絶縁層
と、第1の絶縁層上に形成された第2の絶縁層と、第1
の絶縁層の一部を所定の幅にわたって開口して形成さ
れ、第1の基板と第2の絶縁層とに挟まれて外部から密
閉された断熱空間と、第2の絶縁層上に形成されたダイ
ヤフラムと、断熱空間の上方に位置するようにしてダイ
ヤフラム上に順次積層された第1の電極、焦電型の赤外
線検出素子および第2の電極と、第1の基板における第
1の絶縁層とは反対側の面に形成された第3の電極とを
有し、第3の電極への印加電圧を変化させて第2の絶縁
層を第1の基板に接触させることにより赤外線検出素子
の熱を第1の基板へ放出し得るようにしたものである。
【0020】これにより、赤外線を遮断、露出するチョ
ッパ用の遮蔽板やその駆動機構を用いる必要がないの
で、焦電型赤外線センサを小型化することができる。ま
た、断熱空間を密閉しているので、この断熱空間への異
物の混入や不要な静電気力の発生を防止することができ
る。
【0021】また、本発明の焦電型赤外線センサの製造
方法は、導電性を有する第1の基板上に、所定の幅にわ
たって第1の基板を露出する第1の絶縁層を形成し、第
2の基板上に、ダイヤフラムおよび第2の絶縁層を形成
し、露出された第1の基板を塞ぐようにして第1の絶縁
層と第2の絶縁層とを接着して断熱空間を形成し、第2
の基板を除去し、断熱空間の上方に位置するようにし
て、ダイヤフラム上に第1の電極、焦電型の赤外線検出
素子および第2の電極を順次積層形成し、ダイヤフラム
に、第1の電極、赤外線検出素子および第2の電極との
間に封止空間を形成してこれらを封止する封止体を接着
するようにしたものである。
【0022】これにより、半導体の製造における通常の
薄膜形成工程を用いて容易に焦電型赤外線センサを作製
することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、導電性を有する第1の基板と、この第1の基板上に
形成された第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され
た第2の絶縁層と、第1の絶縁層の一部を所定の幅にわ
たって開口して形成され、第1の基板と第2の絶縁層と
に挟まれて外部から密閉された断熱空間と、第2の絶縁
層上に形成されたダイヤフラムと、断熱空間の上方に位
置するようにしてダイヤフラム上に順次積層された第1
の電極、焦電型の赤外線検出素子および第2の電極と、
第1の基板における第1の絶縁層とは反対側の面に形成
された第3の電極とを有し、第3の電極への印加電圧を
変化させて第2の絶縁層を第1の基板に接触させること
により赤外線検出素子の熱を第1の基板へ放出し得るよ
うにした焦電型赤外線センサであり、赤外線を遮断、露
出するチョッパ用の遮蔽板やその駆動機構を用いる必要
がないので、焦電型赤外線センサを小型化することがで
きるという作用を有する。また、断熱空間を密閉してい
るので、この断熱空間への異物の混入や不要な静電気力
の発生を防止することができるという作用を有する。
【0024】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1記載の発明において、ダイヤフラムに、第1の電極、
赤外線検出素子および第2の電極との間に封止空間を形
成してこれらを封止する封止体が接着されている焦電型
赤外線センサであり、第1の電極、赤外線検出素子およ
び第2の電極が外部からの湿度などの雰囲気の影響を受
けないという作用を有する。
【0025】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
2記載の発明において、断熱空間および封止空間が相互
に同じ圧力で密封されている焦電型赤外線センサであ
り、ダイヤフラムに余分な力が加わらず、ダイヤフラム
の駆動を容易に行うことができるという作用を有する。
【0026】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1〜3の何れか一項に記載の発明において、ダイヤフラ
ムの厚みが2〜50μmである焦電型赤外線センサであ
り、ダイヤフラムの第1の基板に対する接触離反動作を
円滑に行うことができるという作用を有する。
【0027】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1〜4の何れか一項に記載の発明において、第2の絶縁
層の厚みが0.5〜2μmである焦電型赤外線センサで
あり、ダイヤフラムと第1の基板との接触時における絶
縁性および赤外線検出素子から第1の基板への放熱性を
良好に保つことができるという作用を有する。
【0028】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1〜5の何れか一項に記載の発明において、断熱空間に
おける第1の基板と第2の絶縁層とにより形成される対
向面間の距離が0.5〜10μmである焦電型赤外線セ
ンサであり、断熱空間による断熱効果と第2の絶縁層が
第1の基板に接触した際の放熱効率の双方を良好なレベ
ルに維持することができるという作用を有する。
【0029】本発明の請求項7に記載の発明は、導電性
を有する第1の基板上に、所定の幅にわたって第1の基
板を露出する第1の絶縁層を形成し、第2の基板上に、
ダイヤフラムおよび第2の絶縁層を形成し、露出された
第1の基板を塞ぐようにして第1の絶縁層と第2の絶縁
層とを接着して断熱空間を形成し、第2の基板を除去
し、断熱空間の上方に位置するようにして、ダイヤフラ
ム上に第1の電極、焦電型の赤外線検出素子および第2
の電極を順次積層形成し、ダイヤフラムに、第1の電
極、赤外線検出素子および第2の電極との間に封止空間
を形成してこれらを封止する封止体を接着するようにし
た焦電型赤外線センサの製造方法であり、半導体の製造
における通常の薄膜形成工程を用いて容易に焦電型赤外
線センサを作製することができるという作用を有する。
【0030】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
7記載の発明において、第1の基板および第2の基板に
は、シリコンが用いられている焦電型赤外線センサの製
造方法であり、ダイヤフラムの信頼性が向上するという
作用を有する。
【0031】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
7または8記載の発明において、第1の絶縁層と第2の
絶縁層とを加熱処理のみで接着することにより断熱空間
を形成するようにした焦電型赤外線センサの製造方法で
あり、接着剤を使用していないので、第1の絶縁層と第
2の絶縁層とを容易に接着でき、断熱空間の高さを精度
よく作製できるという作用を有する。
【0032】以下、本発明の実施の形態について、図1
〜図14を用いて説明する。なお、これらの図面におい
て同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複
した説明は省略されている。
【0033】図1は本発明の一実施の形態である焦電型
赤外線センサを一部破断して示す斜視図、図2は図1の
焦電型赤外線センサの断面図、図3は図1の焦電型赤外
線センサの平面図、図4〜図12は図1の焦電型赤外線
センサの製造工程を連続して示す断面図、図13および
図14は図1の焦電型赤外線センサの動作を示す説明図
である。
【0034】図1および図2に示すように、本実施の形
態の焦電型赤外線センサには、単結晶シリコン等よりな
る導電性を有する第1の基板1が用いられている。この
第1の基板1の平坦面側には、酸化シリコンよりなる第
1の絶縁層3がたとえば厚さ2μmで形成されている。
第1の絶縁層3上には、酸化シリコンよりなる第2の絶
縁層がたとえば厚さ0.5μmで、シリコンよりなるダ
イヤフラム9がたとえば厚さ4μmで、順次積層されて
いる。そして、第1の絶縁層3の一部を所定の幅にわた
って開口して、第1の基板1と第2の絶縁層10とに挟
まれた、たとえば高さ2.2μmの密閉された断熱空間
2が形成されている。
【0035】ダイヤフラム9上には、ニオブ、ニッケ
ル、クロム、鉄等の導電性金属よりなる第1の電極5が
たとえば厚さ0.2μmで、塗布型の焦電材料のポリフ
ッ化ビニリデンよりなる焦電型の赤外線検出素子6がた
とえば厚さ2μmで、ニオブ、ニッケル、クロム、鉄等
の導電性金属よりなる第2の電極7が厚さ0.2μm
で、前記した断熱空間2の上方に位置するようにして順
次積層形成されている。
【0036】ダイヤフラム9上に島状に形成された第1
の電極5、赤外線検出素子6および第2の電極7との間
に封止空間11を形成して、シリコンからなる封止体1
4がダイヤフラム9に接着されている。これにより、第
1の電極5、赤外線検出素子6および第2の電極7は外
部からの湿度などの雰囲気の影響を受けないように保護
される。
【0037】また、第1の基板1における第1の絶縁層
3とは反対側の面には、ニオブ、ニッケル、クロム、鉄
等の導電性金属よりなる第3の電極8が厚さ0.2μm
で形成されている。
【0038】このような構造を有する焦電型赤外線セン
サの製造方法を図4〜図12に沿って説明する。
【0039】先ず、図4に示すように、表面である結晶
方位面100面にn型シリコン半導体のダイヤフラム9
が4μmの厚みで形成されたp型シリコン半導体からな
る第2の基板12を用意し、ダイヤフラム9の表面に熱
酸化法によりシリコン酸化膜からなる第2の絶縁層10
を0.2μmの厚さに形成する。
【0040】次に、図5に示すように、n型シリコン半
導体の第1の基板1を用意し、表面である結晶方位面1
00面に熱酸化法によりシリコン酸化膜からなる第1の
絶縁層3を2μmの厚さに形成する。そして、この第1
の絶縁層3を所定のパターンでエッチングを行い、図6
に示すように第1の基板1の一部を露出させる。
【0041】次に、図7に示すように、第2の基板12
に形成された第2の絶縁層10と第1の基板1に形成さ
れた第1の絶縁層3とをシリコンフュージョンボンディ
ング法あるいは固溶接着法で接着する。これにより、断
熱空間2が形成される。
【0042】そして、図8に示すように、第2の基板1
2を電気化学的エッチング法で除去する。これにより、
エッチングの進行はダイヤフラム9の表面で自動的に停
止して、ダイヤフラム9の平坦面が現れる。
【0043】次に、図9に示すように、第1の基板1の
裏面の酸化膜をバッファードフッ酸等を用いてウェット
エッチング法で除去し、シリコンを露出させる。そし
て、露出面のシリコンに対して、蒸着法により金属膜を
0.2μmの厚さに成膜して第3の電極8を形成する。
【0044】次に、図10に示すように、蒸着等で電極
層5aを、塗布乾燥により焦電材料6aを、蒸着等で電
極層7aを順次積層して行く。そして、フォトリソグラ
フィ法でパターン形成を行って、硝酸、メチルエチルケ
トン等でエッチングし、図11に示すように、断熱空間
2の上方に位置する第1の電極5、赤外線検出素子6お
よび第2の電極7を形成する。
【0045】最後に、図12に示すように、凹部の形成
されたシリコン製の封止体14を窒素ガス中でダイヤフ
ラム9の上部に接着して、第1の電極5、焦電型赤外線
検出素子6および第2の電極7を乾燥した窒素で取り囲
む封止空間11を形成する。これにより、図1に示す焦
電型赤外線センサが得られる。なお、後述するダイヤフ
ラム9の駆動を容易に行えるようにするために、封止空
間11と断熱空間2との圧力は同じであることが望まし
い。また、封止体14はシリコンでできているので、赤
外線の窓材として使用できる。
【0046】以下に、本実施の形態で示す焦電型赤外線
センサの動作を図13および図14を用いて説明する。
【0047】図13において、第1の電極5とダイヤフ
ラム9とを接地とし、第3の電極8に正の電圧として例
えば30Vを印加すると、図14に示すように、ダイヤ
フラム9は静電力でn型シリコンである第1の基板1に
引きつけられる。これにより、ダイヤフラム9の周囲で
ある第1の絶縁層3の近傍が弾性変形し、これにより断
熱空間2に面した第2の絶縁層が第1の基板1に接触す
る。
【0048】次に、第3の電極8の印加電圧を第1の電
極5と同電位となる0Vにすると、n型シリコンである
第1の基板1表面の静電力が消滅し、ダイヤフラム9の
中央部はダイヤフラム9の復元力により初期状態(図1
3)に復元する。
【0049】このように、第1の電極5とダイヤフラム
9とを接地電位とし、第3の電極8の電圧を0Vと30
Vとにスイッチングすることにより、断熱空間2に面し
た第2の絶縁層10をダイヤフラム9の変形を伴って第
1の基板1に接触させたり、離反させたりすることがで
きる。そして、第2の絶縁層10が第1の基板1に接触
すると、ダイヤフラム9上の第1の電極5に積層された
赤外線検出素子6の温度は第1の基板1の温度と同一に
なる。これは、赤外線検出素子6は薄膜で構成されてお
り、熱容量はn型シリコンである第1の基板1に比べて
非常に小さいために、赤外線検出素子5の温度が第1の
基板1の温度と異なっていた場合には、第1の基板1の
温度と一致するように冷却あるいは加熱されるためであ
る。なお、印加電圧は前述の値に限定されるものではな
く、第2の絶縁層10を第1の基板1に接触させること
のできる種々の値に設定することができる。
【0050】ここで、第2の電極7の上部表面に垂直方
向から赤外線13が入射した場合、赤外線検出素子6は
発熱して第1の基板1やその周囲の温度よりも上昇す
る。この状態で第3の電極8に30Vの電圧を印加する
と、前述のように第2の絶縁層10が第1の基板1に接
触する。すると、ダイヤフラム9および第2の絶縁層1
0を介して赤外線検出素子6から第1の基板1へと熱が
移動し、赤外線検出素子6が冷却されてその温度は第1
の基板1の温度とほぼ一様になる。
【0051】したがって、第3の電極8の電圧を制御す
ることにより、検出対象物からの放射赤外線により加熱
された赤外線検出素子6の温度を、初期の温度に戻すこ
とができる。
【0052】ここで、ダイヤフラム9は導電性物質であ
るn型シリコン半導体で作製されているので、その電位
はダイヤフラム9の上部に形成された第1の電極5と同
じである。したがって、第1の基板1の表面からの静電
力はダイヤフラム9の断熱空間2側の面に主に発生す
る。また、ダイヤフラム9の厚みはダイヤフラム9の接
触離反動作に影響を及ぼし、その厚みが厚すぎると変形
しにくいために強い静電力を第1の基板1に発生させる
必要がある。一方、ダイヤフラム9の厚みが薄いと、ダ
イヤフラム9の上部に形成された第1の電極5、赤外線
検出素子6、第2の電極7の重みや応力でダイヤフラム
9が変形したり、残留静電力により変形したまま元の状
態に戻らなかったりする。したがって、接触離反動作の
面積に対応した最適なダイヤフラム9の厚みを設定する
必要があり、2〜50μmの厚みを選択することが好ま
しい。
【0053】また、第2の絶縁層10はダイヤフラム9
が第1の基板1側に変形した場合の絶縁をとるために形
成しているので、第2の絶縁層10の厚みが薄いとダイ
ヤフラム9と第1の基板1との接触時の絶縁性が悪化す
る。一方、第2の絶縁層10の厚みが厚いと赤外線検出
素子6から第1の基板1への熱伝導効率が悪化してしま
う。したがって、絶縁性と放熱性を両方満足する厚みを
設定する必要があり、本発明者らの考察によれば、0.
5〜2μmの厚みを選択することが好ましい。
【0054】さらに、断熱空間2は赤外線検出素子6の
熱を第1の基板1に対して断熱するために形成している
ので、断熱空間2の第1の基板1と第2の絶縁層10に
より形成される対向面同士が近づきすぎると断熱の効果
が損なわれる。また、ダイヤフラム9は第2の絶縁層1
0が第1の基板1に接触することにより放熱が行われる
ので、断熱空間2の前記対向面間の距離が大きいと第2
の絶縁層10およびダイヤフラム9が大きく変形しなけ
ればならない。これにより、第1の基板1と第2の絶縁
層10との接触面積が小さくなったり、場合によっては
接触しなかったりするため、放熱効率が大きく損なわれ
る。したがって、断熱空間2の当該対向面間の距離はこ
れらのことを考慮して決定される。本発明者らの考察に
よれば、この距離は、断熱効果が損なわれない0.5μ
mから放熱動作であるダイヤフラム9の接触離反動作が
可能な10μmの範囲内を選択することが好ましい。
【0055】なお、本実施の形態において、ダイヤフラ
ム9はシリコン半導体を用いて構成されているが、他の
導電性を有する薄膜材料で作製してもよい。
【0056】このように、本実施の形態の焦電型赤外線
センサによれば、第3の電極8の電圧を制御することに
より、赤外線13により加熱された赤外線検出素子6の
熱を放出するようにしているので、赤外線を遮断、露出
するチョッパ用の遮蔽板やその駆動機構を用いることな
く、焦電型赤外線センサを小型化することができる。
【0057】また、断熱空間2を密閉しているので、こ
の断熱空間2への異物の混入や不要な静電気力の発生を
防止することができる。
【0058】そして、半導体の製造における通常の薄膜
形成工程を用いることで焦電型赤外線センサを得ること
ができ、特にモータなどを取り付ける必要がないので、
このような焦電型赤外線センサを容易に作製することが
できる。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、赤外線
を遮断、露出するチョッパ用の遮蔽板やその駆動機構を
用いる必要がないので、焦電型赤外線センサを小型化す
ることができるという有効な効果が得られる。
【0060】また、本発明によれば、断熱空間を密閉し
ているので、この断熱空間への異物の混入や不要な静電
気力の発生を防止することができるという有効な効果が
得られる。
【0061】さらに、本発明によれば、半導体の製造に
おける通常の薄膜形成工程を用いて容易に焦電型赤外線
センサを作製することができるという有効な効果が得ら
れる。
【0062】ダイヤフラムに、第1の電極、赤外線検出
素子および第2の電極との間に封止空間を形成してこれ
らを封止する封止体を接着することにより、第1の電
極、赤外線検出素子および第2の電極が外部からの湿度
などの雰囲気の影響を受けないという有効な効果が得ら
れる。
【0063】このような焦電型赤外線センサにおいて、
断熱空間および封止空間を相互に同じ圧力で密封するこ
とにより、ダイヤフラムに余分な力が加わらず、ダイヤ
フラムの駆動を容易に行うことができるという有効な効
果が得られる。
【0064】ダイヤフラムの厚みを2〜50μmとする
ことにより、ダイヤフラムの第1の基板に対する接触離
反動作を円滑に行うことができるという有効な効果が得
られる。
【0065】第2の絶縁層の厚みを0.5〜2μmとす
ることにより、ダイヤフラムと第1の基板との接触時に
おける絶縁性および赤外線検出素子から第1の基板への
放熱性を良好に保つことができるという有効な効果が得
られる。
【0066】断熱空間における第1の基板と第2の絶縁
層とにより形成される対向面間の距離を0.5〜10μ
mとすることにより、断熱空間による断熱効果と第2の
絶縁層が第1の基板に接触した際の放熱効率の双方を良
好なレベルに維持することができるという有効な効果が
得られる。
【0067】焦電型赤外線センサの製造において、第1
の基板および第2の基板にシリコンを用ることにより、
ダイヤフラムの信頼性が向上するという有効な効果が得
られる。
【0068】焦電型赤外線センサの製造において、第1
の絶縁層と第2の絶縁層とを加熱処理のみで接着するこ
とにより、第1の絶縁層と第2の絶縁層とを容易に接着
でき、断熱空間の高さを精度よく作製できるという有効
な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である焦電型赤外線セン
サを一部破断して示す斜視図
【図2】図1の焦電型赤外線センサの断面図
【図3】図1の焦電型赤外線センサの平面図
【図4】図1の焦電型赤外線センサの製造工程の一部を
示す断面図
【図5】図1の焦電型赤外線センサの製造工程の図4に
続く断面図
【図6】図1の焦電型赤外線センサの製造工程の図5に
続く断面図
【図7】図1の焦電型赤外線センサの製造工程の図6に
続く断面図
【図8】図1の焦電型赤外線センサの製造工程の図7に
続く断面図
【図9】図1の焦電型赤外線センサの製造工程の図8に
続く断面図
【図10】図1の焦電型赤外線センサの製造工程の図9
に続く断面図
【図11】図1の焦電型赤外線センサの製造工程の図1
0に続く断面図
【図12】図1の焦電型赤外線センサの製造工程の図1
1に続く断面図
【図13】図1の焦電型赤外線センサの動作の一部を示
す説明図
【図14】図1の焦電型赤外線センサの動作の他の一部
を示す説明図
【図15】従来の焦電型赤外線センサの一例を示す平面
【図16】図15のA−A’線に沿った断面図
【図17】図15のB−B’線に沿った断面図
【図18】従来の焦電型赤外線センサの他の一例を示す
斜視図
【符号の説明】
1 第1の基板 2 断熱空間 3 第1の絶縁層 5 第1の電極 6 赤外線検出素子 7 第2の電極 8 第3の電極 9 ダイヤフラム 10 第2の絶縁層 11 封止空間 12 第2の基板 14 封止体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 高広 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性を有する第1の基板と、 前記第1の基板上に形成された第1の絶縁層と、 前記第1の絶縁層上に形成された第2の絶縁層と、 前記第1の絶縁層の一部を所定の幅にわたって開口して
    形成され、前記第1の基板と前記第2の絶縁層とに挟ま
    れて外部から密閉された断熱空間と、 前記第2の絶縁層上に形成されたダイヤフラムと、 前記断熱空間の上方に位置するようにして前記ダイヤフ
    ラム上に順次積層された第1の電極、焦電型の赤外線検
    出素子および第2の電極と、 前記第1の基板における前記第1の絶縁層とは反対側の
    面に形成された第3の電極とを有し、 前記第3の電極への印加電圧を変化させて前記第2の絶
    縁層を前記第1の基板に接触させることにより前記赤外
    線検出素子の熱を前記第1の基板へ放出し得るようにし
    たことを特徴とする焦電型赤外線センサ。
  2. 【請求項2】前記ダイヤフラムには、前記第1の電極、
    前記赤外線検出素子および前記第2の電極との間に封止
    空間を形成してこれらを封止する封止体が接着されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の焦電型赤外線セン
    サ。
  3. 【請求項3】前記断熱空間および前記封止空間は、相互
    に同じ圧力で密封されていることを特徴とする請求項2
    記載の焦電型赤外線センサ。
  4. 【請求項4】前記ダイヤフラムの厚みは2〜50μmで
    あることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載
    の焦電型赤外線センサ。
  5. 【請求項5】前記第2の絶縁層の厚みは0.5〜2μm
    であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記
    載の焦電型赤外線センサ。
  6. 【請求項6】前記断熱空間における前記第1の基板と前
    記第2の絶縁層とにより形成される対向面間の距離は
    0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1〜5
    の何れか一項に記載の焦電型赤外線センサ。
  7. 【請求項7】導電性を有する第1の基板上に、所定の幅
    にわたって前記第1の基板を露出する第1の絶縁層を形
    成し、 第2の基板上に、ダイヤフラムおよび第2の絶縁層を形
    成し、 露出された前記第1の基板を塞ぐようにして前記第1の
    絶縁層と前記第2の絶縁層とを接着して断熱空間を形成
    し、 前記第2の基板を除去し、 前記断熱空間の上方に位置するようにして、前記ダイヤ
    フラム上に第1の電極、焦電型の赤外線検出素子および
    第2の電極を順次積層形成し、 前記ダイヤフラムに、前記第1の電極、前記赤外線検出
    素子および前記第2の電極との間に封止空間を形成して
    これらを封止する封止体を接着することを特徴とする焦
    電型赤外線センサの製造方法。
  8. 【請求項8】前記第1の基板および前記第2の基板に
    は、シリコンが用いられていることを特徴とする請求項
    7記載の焦電型赤外線センサの製造方法。
  9. 【請求項9】前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とを
    加熱処理のみで接着することにより前記断熱空間を形成
    することを特徴とする請求項7または8記載の焦電型赤
    外線センサの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005351857A (ja) * 2004-06-14 2005-12-22 Nec Electronics Corp 光検出器および光検出装置
JPWO2021241088A1 (ja) * 2020-05-25 2021-12-02

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