JPH11124591A - 摺動部材と相手部材との組合わせ - Google Patents

摺動部材と相手部材との組合わせ

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JPH11124591A
JPH11124591A JP10222169A JP22216998A JPH11124591A JP H11124591 A JPH11124591 A JP H11124591A JP 10222169 A JP10222169 A JP 10222169A JP 22216998 A JP22216998 A JP 22216998A JP H11124591 A JPH11124591 A JP H11124591A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すべり面から絞り出されたり、すべり面にお
いて、破断することのない潤滑膜を有する部材を提供す
るものである。そして、すべりを必要とする時に適確、
効果的な低摩擦すべりが行なわれる部材を提供する。 【解決手段】 対向してすべり合う摺動部材と相手部材
とから成る二つの部材からなり、その一方の部材または
少くともその部材のすべり面が自己潤滑性を有する合成
樹脂から成り、相対する他方の部材のすべり面は、少な
くとも、エポキシ樹脂と側鎖にエポキシ基を有する反応
性シリコーンオイルとから成る組成物の被着膜から成っ
ていて、この反応性シリコーンオイルが組成物中におい
て三次元網状構造を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、摺動部材と相手
部材との組合わせに関する。とくに、相対向してすべり
合う摺動部材と相手部材とから成る二つの部材のすべり
面が、ともに合成樹脂であることを特徴とした摺動部材
と相手部材との組合わせに関する。
【0002】
【従来の技術】摺動部材とくに合成樹脂から成る摺動部
材としては、軸受、カム、歯車、リテイナー、ライナー
など、また構築物に用いられるすべり支承あるいはまた
車輛などの乗物に用いられる作動力伝達用途の索導管な
どがある。
【0003】そして、これら摺動部材に対する相手部材
としては、一般には鋼などの金属製のものが用いられて
いる。
【0004】しかしながら、種々の目的あるいは必要性
から合成樹脂摺動部材に相対する相手部材または少くと
もそのすべり面が合成樹脂であって、樹脂と樹脂との間
のすべりを特徴とした摺動部材と相手部材との組合わせ
態様のものもある。
【0005】たとえば、合成樹脂の被膜を施した鋼製の
シャフトと合成樹脂軸受との組合せ、ともに合成樹脂製
の歯車の組合わせ、合成樹脂パイプとその中に挿通され
て押し引きまたは回転摺動する合成樹脂を被覆したワイ
ヤーロープとの組合わせから成るコントロールケーブル
など様々なものがある。
【0006】使用される合成樹脂としては、ポリアミ
ド、ポリオキシメチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、
ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、フッ素樹
脂、フェノール樹脂などは最も汎用的なものである。
【0007】これらの中で、とくにフッ素樹脂、なかで
も四フッ化エチレン樹脂は、低摩擦係数を有する材料と
してよく知られており、摺動材料として種々の形態で広
く使用されている。
【0008】一般に低摩擦材料は耐摩耗性に難点がある
ので、耐摩耗性向上のための種々の手段が講じられてい
る。
【0009】四フッ化エチレン樹脂については、他の耐
摩耗性にすぐれた合成樹脂とのブレンド、黒鉛やガラス
粉末の混入、裏金への薄膜としての被着、そして四フッ
化エチレン樹脂の繊維形態のものを他の有機または無機
繊維と混織または交織して摺動面を形成するなどの手段
が採られている。
【0010】これら改質手段の中には、耐摩耗性や機械
的強度の向上が得られる反面、四フッ化エチレン樹脂が
本来具有する低摩擦特性を若干犠牲にするケースもあ
る。
【0011】一方、合成樹脂摺動部材に相対する相手部
材についても種々の工夫がなされている。
【0012】相手部材が鋼などの金属材料の場合では、
その表面粗さを可及的に小さくしたり、硬質クロムメッ
キを施したり、あるいは窒化、硫化処理などの表面処理
を施して摺動時に四フッ化エチレン樹脂の相手材への移
着を容易にし、微視的に四フッ化エチレン樹脂と四フッ
化エチレン樹脂との樹脂同志のすべりを期待しあるいは
具現させ、摩擦係数の低下をはかるなどの手段が採られ
ている。
【0013】ところで、種々の目的、必要性すなわち防
錆、耐薬品、電気絶縁その他軽量化、消音さらには他の
設計上の要請から、相手部材そのものを合成樹脂とした
りあるいは少くともそのすべり面を合成樹脂とするなど
の手段が採られることがある。
【0014】すべり面が合成樹脂と合成樹脂との組合わ
せからなる場合では、種々の問題もある。
【0015】たとえば、低摩擦係数を有していることで
知られる四フッ化エチレン樹脂においても、乾燥摩擦条
件下でのすべりにおいて、静摩擦係数を0.1以下とす
ることは困難である。
【0016】種々の材料改質を行ない、相手材としての
合成樹脂を吟味選択し且つ摩擦条件を低すべり速度領域
に限定したとしても、静摩擦係数を0.08以下とする
ことはほとんど不可能である。
【0017】そこで、潤滑油剤の適用が可能な場合は、
合成樹脂と合成樹脂とのすべり面に、鉱油、合成潤滑油
あるいはグリスなどの潤滑油剤を介在させることは極め
て有効で、静摩擦係数、動摩擦係数をともに低下させる
ことができる。
【0018】しかし、すべり面が合成樹脂と合成樹脂と
の組合わせからなる場合においては、荷重下にあって且
つ常時は作動することがないような場合では、両部材の
長期間の接触により、すべり面の合成樹脂に微視的なへ
たりを生じ易く、このことはそこに介在させた潤滑油剤
の潤滑膜を破断させたり、あるいは摺動系外に絞り出し
て了って、所期の目的を達し得ない事態を招来する。
【0019】たとえば、とくに荷重が大きい場合、そし
て常時はすべり作動が行なわれないが、火災などの発生
時にセンサの信号によって開閉が行なわれる窓とか防火
扉などの支持部や、地震動に応答して構造物の変位をす
べりによって逃がす機能を有する支承などの摺動部にお
いては、有事における適確、効果的な低摩擦すべりが得
られないことになる。
【0020】一般に、すべり面に介在している潤滑油剤
の潤滑膜が絞り出されて枯渇していたりあるいは破断し
た状態であっても、たとえば含油摺動部材を使用してい
る場合などでは、繰り返しこのすべりによって新たに潤
滑油がすべり面に供給されたり、潤滑膜破断部が自己補
修され、実用上問題を生じない場合もあるが、上述した
ような用途のように繰り返しこのすべりを持つことがで
きない場合がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、合成樹脂
と合成樹脂との間のすべりを特徴とする摺動部材と相手
部材との組合わせにおいて、すべり面から絞り出された
り、すべり面において、破断することのない潤滑膜を有
する部材を提供するものである。そして、すべりを必要
とする時に適確、効果的な低摩擦すべりが行なわれる部
材を提供するものである。
【0022】そして、斯る特性が最もよく発揮される摺
動部材と相手部材との組合わせを開示する。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明は、相対向して
すべり合う摺動部材と相手部材とからなる二つの部材の
うち、その一方の部材または少くともその部材のすべり
面が自己潤滑性を有する合成樹脂から成るものにおい
て、相対する他方の部材の材料組成およびすべり面形成
の態様について鋭意研究を行なった結果なされたもので
あり、その第一の要旨は、相対向してすべり合う摺動部
材と相手部材とから成る二つの部材からなり、その一方
の部材または少くともその部材のすべり面が自己潤滑性
を有する合成樹脂から成り、相対する他方の部材のすべ
り面は、少なくとも、エポキシ樹脂と側鎖にエポキシ基
を有するエポキシ当量が1000以下の反応性シリコー
ンオイルとから成る組成物の被着膜から成っていて、こ
の反応性シリコーンオイルが組成物中において三次元網
状構造を形成していることを特徴とした摺動部材と相手
部材との組合わせに存する。
【0024】そして、本発明の第二の要旨は、相対向し
てすべり合う摺動部材と相手部材とから成る二つの部材
からなり、その一方の部材または少くともその部材のす
べり面が自己潤滑性を有する合成樹脂からなる組合わせ
を準備するに際し、エポキシ樹脂100重量部と側鎖に
エポキシ基を有するエポキシ当量が1000以下の反応
性シリコーンオイル2〜100重量部とアミン系または
酸無水物系硬化剤0.5〜250重量部とを有機溶剤に
溶解してなる溶液を、一方の部材のすべり面に相対向す
る他方の部材の表面に適用して当該表面に塗膜を形成
し、この塗膜を加熱硬化させてエポキシ基を有する反応
性シリコーンオイルを三次元網状構造にすることを特徴
とした摺動部材と相手部材との組合わせを製造する方法
に存する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、相対向してすべり合う摺動部材と相手材とから成
る二つの部材のうち、一方の部材または少なくともその
部材のすべり面を構成する自己潤滑性を有する合成樹脂
について説明する。
【0026】この自己潤滑性を有する合成樹脂として
は、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹
脂等の樹脂単体、またはこれらに潤滑油剤、強化剤を配
合したものが使用できる。潤滑油剤としては、潤滑油、
グリース、ワックス、グラファイト、二硫化モリブデ
ン、四フッ化エチレン樹脂等が、また強化剤としてはガ
ラス粉末、ガラス繊維、炭素粉末、炭素繊維、アラミド
繊維等が挙げられる。
【0027】これら自己潤滑性を有する合成樹脂は、ブ
ロック状あるいはプレート状の成形物を金属などの裏材
に穿った凹部にその一部を突出させて埋設して使用した
り、裏材表面に接着またはビス止めして使用したり、あ
るいは裏材表面に薄膜として被着させて使用するなど様
々な適用形態が採られる。
【0028】この薄膜タイプのものとしては、鋼板上に
銅合金の多孔質焼結層を設け、この焼結層上に自己潤滑
性を有する合成樹脂を供給して加圧、加熱焼成して樹脂
薄膜を被着形成させた複層摺動部材、あるいは鋼などの
裏材表面に直接上記合成樹脂の硬化被膜としたもの、た
とえばダイキン工業社製の四フッ化エチレン樹脂の溶剤
分散タイプ(商品名ポリフロンTFEエナメル)を塗着
し、焼付けを行なって硬化被膜を形成させたもの、など
があり、いずれも有効に使用し得るものである。
【0029】つぎに、前記の一方の部材に相対向する他
方の部材のすべり面の被着膜を構成するエポキシ樹脂と
エポキシ基を有する反応性シリコーンオイルとからなる
組成物について述べる。
【0030】この発明に使用するエポキシ樹脂として
は、市販されている公知のものが使用でき、たとえば油
化シエルエポキシ社製の液状エポキシ樹脂(商品名エピ
コート828)は、有効に使用されるものの一つであ
る。
【0031】エポキシ基を有する反応性シリコーンオイ
ルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニ
ルシリコーンオイルのメチル基の一部をエポキシ基を有
する有機基で置換したものであって、側鎖にエポキシ基
を有し、かつエポキシ当量が1000以下好ましくは1
50〜1000のシリコーンオイルが使用される。たと
えば、ジメチルシリコーンオイルの側鎖にエポキシ基を
導入した、信越化学工業社製のエポキシ変性シリコーン
オイル(KF−101(商品名)エポキシ当量350)
が挙げられる。その配合量はエポキシ樹脂100重量部
に対して2〜100重量部である。
【0032】硬化剤としては、従来よりエポキシ樹脂の
硬化剤として用いられているものが使用できるが、アミ
ン系、酸無水物系の硬化剤が好ましく使用される。アミ
ン系の硬化剤としては、脂肪族アミン、脂環族アミン、
芳香族アミンおよびこれらを変性したものが挙げられ
る。たとえば油化シエルエポキシ社製の変性脂肪族アミ
ン「エピキュアT(商品名)」、変性脂環族アミン「エ
ピキュア113(商品名)」、変性芳香族アミン「エピ
キュアW(商品名)」が挙げられる。酸無水物系の硬化
剤としては、脂肪族、脂環族、芳香族、ハロゲン系のも
のが挙げられる。たとえば油化シエルエポキシ社製の
「エピキュア134A」などである。硬化剤の配合量は
エポキシ樹脂100重量部に対して0.5〜250重量
部であるが、その配合量はエポキシ樹脂およびエポキシ
変性シリコーンオイルのエポキシ当量によって決まる。
【0033】被着膜の形成方法について述べる。エポキ
シ樹脂100重量部、エポキシ基を有する反応性シリコ
ーンオイル2〜100重量部を有機溶剤に溶かしたの
ち、硬化剤0.5〜250重量部を溶かすか、またはエ
ポキシ樹脂100重量部を有機溶剤に溶かしたのち、反
応性シリコーンオイル2〜100重量部および硬化剤
0.5〜250重量部を溶かし、固形分30重量%の溶
液を調製した。有機溶剤としては、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類およびこれら
とアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素系溶剤との混合物が好適に用いられる。
【0034】これを、ショットブラスト、脱脂など通常
一般に行なわれている処理を施した鋼表面に塗着し、自
然乾燥または80℃で30分間乾燥して溶剤を飛ばし、
ついで180℃で30分間焼成を行ない、固化した被着
膜を得た。この被着膜の厚さは約30μmであった。
【0035】このエポキシ基を有する反応性シリコーン
オイルは、上述した焼成過程でエポキシ樹脂の硬化に併
行してシリコーンオイル中のエポキシ官能基が反応し
て、組成物中において三次元網状構造を形成する。この
三次元網状化はシリコン同志だけでなく、エポキシ樹脂
との間にも結合がなされているものと考えられる。
【0036】以上述べたように、エポキシ基を有する反
応性シリコーンオイルは、ベース樹脂としてのエポキシ
樹脂中に三次元網状構造を形成して完全に取込まれ、被
着膜に自己潤滑性が付与される。この三次元網状構造化
したシリコーンオイルは、もはや油状を呈しない。
【0037】たとえば、上述したエポキシ変性シリコー
ンオイルKF−101(商品名)は、25℃で2,00
0センチストークスの粘度を有する粘稠な油状物である
が、これに硬化剤を加えて加熱するとほとんど粘りのな
いゼリー状の半固形物となることからも理解できる。こ
のものはオイル状ではないが、依然として潤滑性を保有
している。
【0038】以上の事例においては、エポキシ樹脂にエ
ポキシ基を有する反応性シリコーンオイルを混ぜた組成
物についてのみ述べたが、この二者の混合攪拌時に、強
化充填材などの第三の物質をさらに添加してもよい。た
だし、吹着けなどの塗膜形成工程において、作業性に支
障を来たすことのない物質および添加量であることが必
要である。
【0039】この発明において、エポキシ樹脂にエポキ
シ基を有する反応性シリコーンオイルを混ぜてなる組成
物は、溶剤稀釈の状態で吹着けなどの手段によって金属
などの表面に塗着されるが、このシリコーンオイルが塗
膜形成に悪影響を与えるのではないか、硬化被膜の下地
との接着強度を低下させるのではないかということが懸
念された。
【0040】しかしながら、種々実験の結果エポキシ基
を有する反応性シリコーンオイルの混入量が2〜100
重量部の範囲においては、硬化後の被膜の接着強度(下
地金属は機械構造用炭素鋼S45C、圧縮剪断強さkg
f/cmで評価した)は、80〜30kgf/cm
であり、通常この種の摺動を目的とした用途において、
上述の接着強度は20〜30kgf/cm以上であれ
ば問題ないといわれている範囲を上回るものであった。
【0041】これは、この発明による組成物が溶剤稀釈
の状態で下地表面に塗着された段階、そしてそれに続く
加熱硬化の過程で組成物中のエポキシ樹脂が他の成分に
優先して下地界面に移行し、したがって表面側すなわち
すべり面側はシリコーンリッチとなり、このような態様
で接着層が形成されるためと考えられる。
【0042】なお、この塗膜形成に先立って、通常行な
われるプライマー処理は、この発明の塗膜形成に際して
も有効なものである。
【0043】この発明においては、硬化被膜厚さは30
μm前後とすることが好ましい。あまり薄いと、たとえ
ば5μm以下では被膜の均質性が損なわれたり、すべり
面としての耐久性に影響が出て来る。
【0044】また、あまり厚過ぎると被膜の機械的強度
を反って損なうことになり、また摺動材料としての耐荷
重性にもよい影響を与えない。
【0045】したがって被膜厚さは、5〜100μm、
とくに10〜50μm、もっとも好ましくは20〜40
μmである。
【0046】
【実施例】
1.摺動部材 (A)ガラス繊維粉末として、直径10μm、平均長さ
63μmの旭ファイバグラス社製「MF06JB1−2
0(商品名)」15重量%、ポリイミド樹脂粉末とし
て、Lenzing社製「P84(商品名)」2重量
%、残部三井デュポンフロロケミカル社製四フッ化エチ
レン樹脂「テフロン7AJ(商品名)」からなる樹脂組
成物の成形物。直径10mm、高さ14mmのロッド状
のものの端面をすべり面とした。 (B)上記ポリイミド樹脂粉末20重量%、残部上記四
フッ化エチレン樹脂からなる樹脂組成物の成形物。直径
10mm、高さ14mmのロッド状のものの端面をすべ
り面とした。 (C) 三井デュポンフロロケミカル社製四フッ化エチ
レン樹脂「テフロン7AJ(商品名)」15重量%、ダ
イキン工業社製四フッ化エチレン樹脂「ルブロンL−5
(商品名)」25重量%、残部トープレン社製ポリフェ
ニレンサルファイド「トープレンPPST−4(商品
名)」からなる樹脂組成物の成形物。直径10mm、高
さ14mmのロッド状のものの端面をすべり面とした。 (D)鉱油5重量%、残部ポリプラスチックス社製ポリ
アセタール「ジュラコンM90(商品名)」からなる樹
脂組成物の成形物。直径10mm、高さ14mmのロッ
ド状のものの端面をすべり面とした。
【0047】2.相手部材 巾40mm、長さ280mm、厚さ10mmのプレート
状の機械構造用炭素鋼S45Cを裏材とし、ショットブ
ラスト、脱脂処理を施した面に表1に示す(a)〜
(g)の成分からなる組成物のメチルイソブチルケトン
とトルエンとの混合溶剤稀釈液(固形分30重量%)を
吹着け、80℃で30分予備乾燥ののち180℃で30
分間加熱焼付けを行ない被膜厚さ30μmとした。表
中、エポキシ樹脂は、油化シエルエポキシ社製「エピコ
ート828(商品名)、エポキシ当量:190」を、シ
リコーンオイルA、Bは、それぞれ側鎖にエポキシ基を
有する信越化学工業社製「KF−101(商品名)、エ
ポキシ当量350」「X−22−2000(商品名)、
エポキシ当量650」を、硬化剤は油化シエルエポキシ
社製の変性脂環族アミン「エピキュア113(商品
名)」を使用した。使用成分は重量部で示した。 (以下余白)
【0048】
【表1】
【0049】3.試験機エアシリンダーによって上下方
向に負荷をかけることができる加圧部と、サーボモータ
ーによって所定のモードの水平方向の押し引きができる
可動水平支持台とが組合わされていて、上下方向に所定
の負荷をかけながら水平方向の押し引きによってすべり
を行なわせる往復動試験機。 ・上下方向最大負荷 500kgf ・水平方向最大ストローク 30cm ・水平方向最大速度 80cm/sec
【0050】4.試験方法 直径10mm、高さ14mmの摺動部材を直径方向に1
0mm長さにわたって把持し、その4mmを下方に突出
させて試験機の加圧部に取付けた。一方、水平支持台に
相手部材を締具によって取付け固定した。試験条件は以
下のとおりであり、図1に試験速度波形のモデルを示
す。 (試験条件) ・速度 1cm/sec〜50cm/sec ・荷重 100kgf/cm〜400kgf/cm ・試験ストローク 220mm ・試験速度波形 台形波
【0051】5.試験結果 表2及び表3は、摺動部材と相手部材との各組合わせに
ついて、すべり速度を1cm/secと一定とし、負荷
を100〜400kgf/cmの範囲で変えた場合の
動摩擦係数について示したものである。エポキシ基を有
する反応性シリコーンオイルの配合量が2重量部を超え
ると摩擦係数に及ぼす効果は顕著であることが分る。 (以下余白)
【0052】
【表2】 (以下余白)
【0053】
【表3】
【0054】表4は、摺動部材と相手部材との各組合わ
せについて、負荷を200kgf/cmと一定とし、
すべり速度を10〜50cm/secの範囲で変えた場
合の動摩擦係数について示したものである。 (以下余白)
【0055】
【表4】
【0056】速度の増加にともなって、動摩擦係数は右
肩上りの上昇を示す。これは、本発明例と比較例ととも
に認められるが、本発明例のものはその傾向は僅かであ
った。そして、動摩擦係数の値が極めて小さいという特
徴がある。
【0057】図2は、本発明例A−bの組合わせのもの
と、比較例A−gの組合わせのものについて、負荷を3
00kgf/cm、すべり速度は1cm/secの条
件で、その負荷保持時間が動摩擦係数(μk)、静摩擦
係数(μs)に及ぼす影響についてプロットしたもので
ある。図の横軸は対数目盛で表わしてある。
【0058】図からも分かるように、本発明例のものは
μs、μkともにその値が小さく、しかも両者が接近し
ておりかつ保持時間による変化が極めて僅かであった。
【0059】比較例のものについては、保持時間10時
間後のμsの値が異常に低下しているが、この理由につ
いては詳かでない。しかし、全体的にμsの値は0.1
以上と大きく、しかもμs、μkの差も大きい。このこ
とは、比較例のものにおいてはすべり時にスティックス
リップを生じ易く、音の発生の原因ともなる。本発明例
の組合わせにおいては、このようなことは全く生じな
い。
【0060】なお、以上の試験結果については、摩耗に
関しては触れなかったが、本発明例の摺動部材の摩耗量
(mg)は比較例の摺動部材の摩耗量(mg)の数十分
の一から百分の一と極めて小さかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の試験に使用した往復動試験機の試験
速度波形のモデルの説明図である。
【図2】試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
μs 静摩擦係数 μk 動摩擦係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16N 15/00 F16N 15/00 // C10N 30:06 40:02 50:08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向してすべり合う摺動部材と相手部
    材とから成る二つの部材からなり、その一方の部材また
    は少くともその部材のすべり面が自己潤滑性を有する合
    成樹脂から成り、相対する他方の部材のすべり面は、少
    なくとも、エポキシ樹脂と側鎖にエポキシ基を有するエ
    ポキシ当量が1000以下の反応性シリコーンオイルと
    から成る組成物の被着膜から成っていて、この反応性シ
    リコーンオイルが組成物中において三次元網状構造を形
    成していることを特徴とした摺動部材と相手部材との組
    合わせ。
  2. 【請求項2】 被着膜の組成物は、エポキシ樹脂100
    重量部とエポキシ基を有する反応性シリコーンオイル2
    〜100重量部とアミン系または酸無水物系硬化剤0.
    5〜250重量部とからなっている請求項1に記載の摺
    動部材と相手部材との組合わせ。
  3. 【請求項3】 相対向してすべり合う摺動部材と相手部
    材とから成る二つの部材からなり、その一方の部材また
    は少くともその部材のすべり面が自己潤滑性を有する合
    成樹脂からなる組合わせを準備するに際し、エポキシ樹
    脂100重量部と側鎖にエポキシ基を有するエポキシ当
    量が1000以下の反応性シリコーンオイル2〜100
    重量部とアミン系または酸無水物系硬化剤0.5〜25
    0重量部とを有機溶剤に溶解してなる溶液を、一方の部
    材のすべり面に相対向する他方の部材の表面に適用して
    当該表面に塗膜を形成し、この塗膜を加熱硬化させてエ
    ポキシ基を有する反応性シリコーンオイルを三次元網状
    構造にすることを特徴とした摺動部材と相手部材との組
    合わせを製造する方法。
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