JPH11124683A - 無電解複合めっきの無酸化被膜形成方法 - Google Patents

無電解複合めっきの無酸化被膜形成方法

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JPH11124683A
JPH11124683A JP30633997A JP30633997A JPH11124683A JP H11124683 A JPH11124683 A JP H11124683A JP 30633997 A JP30633997 A JP 30633997A JP 30633997 A JP30633997 A JP 30633997A JP H11124683 A JPH11124683 A JP H11124683A
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vacuum
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film
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Taichi Mizuno
太一 水野
Takashi Honda
喬 本多
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UST KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複合めっき被膜に吸蔵され水素を完全に取り
除くことにより水素脆性を確実に除去すると共に、酸化
物が異物として表層に形成されるのを確実に防止できる
無電解複合めっき被膜の形成方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 被処理物に無電解めっきされた複合めっ
き被膜を真空熱処理炉中に密閉して真空雰囲気下に置
き、複合めっき被膜中に吸蔵された水素を脱ガスすると
共に該被膜中に分散する高分子材料を酸化物を生成させ
ることなしに熱溶着させるように真空焼成処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合共析メッキ加
工に代表される、耐蝕・離型性を重視した精密金型、刃
物等、並びに無潤滑で使用可能なモーターシャフト、歯
車、ケーシング等の被膜として特に重用されている複合
めっき被膜、すなわち、金属と高分子材料が混在した被
膜の形成方法に関し、特に、複合めっき被膜中に水素が
吸蔵されるのを防止しかつ被膜の表層に酸化物が形成さ
れるのを防止するように複合めっき被膜を後処理するた
めの方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複合めっき被膜の水素脆性、すなわち、
被膜中に水素が吸蔵されていることに起因する脆性は、
被膜を構成する高分子材料の強度が高いほど生じ易く、
そして被膜中の水素量が0.1ppm以下のように非常に少
ない場合でも発生することが知られている。この水素は
原子状であるため、水素ガスを発生するような処理を行
う場合は勿論のこと、水素ガスの発生が認められない場
合であっても、酸洗い、酸浸漬、陰極電解洗浄、電気め
っき、めっきの酸による溶解剥離など(被処理物の材質
によっては、水洗水の汚染)によって被膜中に侵入して
しまい、前処理およびめっき処理時に水素の侵入を回避
することは極めて困難であった。
【0003】これに対し、複合めっき被膜を大気炉中で
加熱し、それにより、吸蔵されている水素を除去すると
共に、内部応力の緩和、被処理物と被膜の界面における
格子欠陥の除去および反応層の形成、結晶化の促進など
をも得ようとする方法が提案されている。しかしなが
ら、この方法では、一般的に加熱温度が300℃を超え
ると、被膜の表層が変質、変色すると同時に、複合めっ
き被膜中の高分子材料が溶融して表層の変質、変色を加
速すると共に酸化物を形成して酸化被膜となり易いもの
であった。このため、被膜に適用された高分子材料自体
の特性を損なってその使用目的を達成できなくなるだけ
でなく、酸化物が異物として表層に介在することによ
り、外観、潤滑性、耐摩耗性、非粘着性、撥水性が損な
われてしまう欠点を有するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、被膜
に吸蔵され水素を完全に取り除くことにより水素脆性を
確実に除去すると共に、酸化物が異物として表層に形成
されるのを確実に防止することのできる無電解複合めっ
き被膜の形成方法を提供することにある。
【0005】本発明の別の目的は、被膜の表層の変質や
変色および酸化被膜の形成を回避することにより、内部
応力の緩和、被処理物と被膜の界面における格子欠陥の
除去および反応層の形成、結晶化の促進などを行えると
共に、被膜の外観、潤滑性、耐摩耗性、非粘着性、撥水
性の確保並びに被膜の高強度化をも行うことのできる無
電解複合めっき被膜の形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による被処理物に
無電解めっきされた複合めっき被膜を後処理することに
より無酸化被膜を形成するための方法は、前記複合めっ
き被膜中に吸蔵された水素を脱ガスすると共に該被膜中
に分散する高分子材料を酸化物を生成させることなしに
熱溶着させるように前記複合めっき被膜をめっきされた
被処理物を真空熱処理炉中で真空焼成処理することによ
り遂行される。
【0007】真空熱処理炉内では水素の沸点が減圧作用
により低下するため、大気圧状態での熱処理と比べ、複
合めっき被膜に吸蔵された水素の蒸発能力が大幅に増加
され、相対的に低い温度での熱処理で水素を確実に脱ガ
スすることが可能となる。また、高温では分解や変質が
進行してしまう高分子材料を含む複合めっき被膜もま
た、相対的に低い温度での熱処理であるため、分解や変
質等が生じるのを確実に防止し、かつ、真空雰囲気中に
おいて処理されるため、酸化物の形成を確実に防止する
ことが可能となる。
【0008】また、本発明による方法は、前述の真空熱
処理炉中における真空焼成処理を、水素を脱ガスするた
めの相対的に低い温度で真空熱処理を行う脱ガス処理段
階と、少なくとも前記高分子材料が溶融する温度以上の
温度で真空熱処理を行う無酸化処理段階とに分けて処理
することもできる。2つの異なった温度の脱ガスおよび
無酸化処理段階に分けて熱処理することは、複合めっき
被膜中の水素の吸蔵状態と複合めっき被膜を構成する高
分子材料の特性に応じてそれぞれの処理温度を設定でき
ることになり、より確実な水素の脱ガスおよび酸化物の
形成防止を行わせることが可能となる。本発明による方
法はまた、無電解めっき液にPTFEを分散させた無電
解ニッケルめっき液を用いることもでき、それにより、
外観、潤滑性、耐摩耗性、非粘着性、撥水性に優れた金
属表面の被膜を作成することが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施例による無電
解複合めっきの無酸化被膜形成方法を示す工程図であ
る。被処理物A(図2参照)は前処理工程1において脱
脂、洗浄、活性化等の所要の前処理が行われ、そして、
無電解下地めっき工程2において下地めっき被膜B(図
2参照)を付着された後、無電解複合めっき工程3によ
り複合めっき被膜C(図2参照)が形成される。しかし
ながら、無電解下地めっき工程2は必ずしも必要な工程
ではなく、被めっき物によってはこの工程を省略するこ
とができる。
【0010】前処理工程1から無電解複合めっき処理工
程3までの工程は慣用の手段によって行われる。周知の
如く、これらの工程は被処理物および無電解めっき液の
種類等によって異なるが、大別して、被処理物の材質
が、ステンレス、鉄、鋼、銅または銅合金の場合と、ア
ルミニウムまたはアルミニウム合金の場合とに分けられ
る。前者の場合、前処理工程1は、アルカリ予備洗浄
→ アルカリ電解洗浄 →一次酸活性 → 電解二次酸活性
することなどにより行われ、後者の場合、アルカリ予備
洗浄 → アルカリエッチング → 酸活性 → ジンケート
することなどにより行われる。このほか、被処理物がタ
ングステンやチタン等のような特殊な材質である場合、
前処理液を変更することにより対応することができ、ま
た、その他の周知の前処理方法も同様に適用できること
は当業者にとって容易に理解されよう。同様に、下地め
っき被膜Bは主として被処理物Aと複合めっき被膜Cの
間の親和性を増強するために用いられるものであり、無
電解下地めっき工程2において用いられるめっき液は周
知のものでよく、被処理物Aおよび複合めっき被膜Cの
材質によって適宜に選定されて適用されることも容易に
理解されよう。
【0011】無電解複合めっき工程3は、前処理されそ
して、好ましくは下地めっきされた被処理物Aを、高分
子材料が分散された無電解金属めっき液に所定の厚さの
複合めっき被膜Cが形成されるまで浸漬することにより
行われる。上述した各工程における処理温度、処理時
間、処理液の組成等の条件については慣用の方法に従っ
て行われるので、冗長を避けるため、それらについての
説明は割愛する。
【0012】上述の如くしてめっきされた被処理物A
は、真空焼成工程4において、真空熱処理炉10(図3
参照)内に入れられて真空雰囲気下で加熱処理される。
これにより、被処理物Aに付着した複合めっき被膜Cに
吸蔵された水素は、常態におけるよりも低い温度で蒸発
して水素の脱ガスが行われる。また、複合めっき被膜C
中の高分子材料は常態におけるよりも低い温度で一旦溶
解した後、昇温されるに従って酸化物を生成することな
しに結晶化する。このことは、従来の大気炉での加熱方
法において企図されていた内部応力の緩和、被処理物と
被膜の界面における格子欠陥の除去および反応層の形
成、結晶化の促進などを確実に行うことができると同時
に、従来の大気炉による加熱方法の欠点であった被膜表
層の変質および変色、高分子材料自体の変質並びに異物
としての酸化物による被膜の外観、潤滑性、耐摩耗性、
非粘着性、撥水性への悪影響を確実に防止する。
【0013】ここにおいて、真空焼成工程4は、水素を
脱ガスするための相対的に低い温度で真空熱処理を行う
脱ガス処理段階4aと、少なくとも前記高分子材料が溶
融する温度以上の温度で真空熱処理を行う無酸化処理段
階4bとに分けて行うことが望ましい。2つの処理段階
4aおよび4bに分けてそれぞれ熱処理することは、複
合めっき被膜中の水素の吸蔵状態と、複合めっき被膜を
構成する高分子材料の特性とに応じてそれぞれの処理温
度を設定できるため、より確実な水素の脱ガスおよび酸
化物の形成防止を達成することができる。一方、2つの
処理段階4aおよび4bのうちのいずれを先に行うかに
ついては必ずしもどちらかに制限されるものではなく、
水素の吸蔵状態、高分子材料の特性、めっきや被処理物
の材質等によって適宜に選定することができる。
【0014】本発明において使用される真空熱処理炉1
0は、金属加工品の熱処理に用いられているものと同様
な真空熱処理炉で、図3に例示するように、その内部に
被処理物を密閉状態で収納するための真空槽11と、真
空槽11の内部を真空状態にするための真空ポンプ12
と、真空槽11の内部を加熱するための加熱ヒータ13
と、真空槽11の内部を冷却するための水ジャケット1
4とから構成される。真空槽11には真空槽11の内部
をまた冷却するための冷却ガスを注入するように冷却ガ
ス注入弁15を備えた注入パイプ16が接続されてい
る。真空ポンプ12は吸気パイプ17により真空槽11
に接続されておりそして真空ポンプ12によって真空槽
11から排出された空気を外部へ排出するための排気パ
イプ18を備えている。図中、符号19および20で示
す弁は、それぞれ、真空槽11と真空ポンプ12との間
の接続を断続するための主弁、および真空槽11と外気
との間の接続を断続するための漏出弁である。
【0015】真空熱処理炉10は、めっきされた被処理
物を真空槽11に入れて密閉し、主弁19を開いて真空
ポンプ12を作動させることにより真空槽11の内部の
空気を排出して真空状態にされる。次いで、加熱ヒータ
13を作動させて真空槽11内の温度を上昇させ、複合
めっき被膜C中に吸蔵された水素およびその他の気体成
分を脱ガスすると共に該被膜中に分散する高分子材料を
溶融する。このとき、真空ポンプ12は常時一定の真空
状態を保つよう作動されており、それにより、複合めっ
き被膜Cから放出された水素およびその他の気体成分
は、吸気パイプ16、主弁19および真空ポンプ12を
介して排気パイプ15から排気される。水素の脱ガスお
よび高分子材料の溶融が行われると、主弁19を閉じて
真空ポンプ12を停止させ、水ジャケット14に冷却水
を流すと共に冷却ガス注入弁15を開けて冷却ガスを注
入パイプ16から真空槽11に注入することにより被処
理物を常温に冷却する。このとき、溶融された高分子材
料は、真空雰囲気中にあることにより、酸化物を形成さ
せることなく結晶化する。
【0016】真空焼成工程4における真空槽11の真空
度、加熱温度および処理時間については、相対的に真空
度が高いほどより低い加熱温度またはより短い処理時間
で真空焼成工程を行うことができる。一方、高分子材料
を熱溶着させるには高分子材料の溶融温度以上の温度
(常態における温度よりは低い)まで加熱することが必
要であるのに対し、水素を完全に脱ガスするのに必要な
温度は、真空状態下では沸点が低下することにより、相
対的に低い温度で十分に達成することができる。そのた
め、真空焼成工程は、前述したように、水素を脱ガスす
るための相対的に低い温度で真空熱処理を行う脱ガス処
理段階と、少なくとも前記高分子材料が溶融する温度以
上の温度で真空熱処理を行う無酸化処理段階とに分けて
行われる。この2つの処理段階における温度管理は、加
熱ヒータ13による加熱と、水ジャケット14への冷却
水の供給および/または真空槽11への冷却ガスの注入
とを適宜に制御することによって行われる。
【0017】
【実験例1】被処理物Aとして200×200×2mmの
ステンレス板(SUS304)を使用した。慣用の前処
理(アルカリ予備洗浄、アルカリ電解洗浄、一次酸活性
および電解二次酸活性)を行った後、硫酸ニッケル、次
亜リン酸ナトリウムを主成分とする無電解めっき液に浸
漬してニッケル−リン合金の下地めっき被膜Bを付着さ
せた。次いで、この下地めっきされた被処理物Aを、荏
原ユージライト株式会社製の無電解複合めっき液「エン
ルーブプロセス(商品名)」に浸漬して両面にそれぞれ
複合めっき被膜Cを付着させた(試料1)。ここにおい
て、無電解複合めっき液「エンルーブプロセス」は、硫
酸ニッケル、次亜リン酸ナトリウムを主成分とする無電
解めっき液に高分子材料としてのPTFEと分散剤とを
加えたものである。被処理物A上に形成された複合めっ
き被膜Cは、ニッケル−リン合金の層中に粒子径1ミク
ロン以下のPTFEが共析した被膜であった。被処理物
Aの各面における複合めっき被膜Cの厚さは平均12ミ
クロンであった。
【0018】この複合めっき被膜を付着された被処理
物、すなわち試料1、を真空熱処理炉10の真空槽11
内に入れて密閉し、真空ポンプ12を作動して真空槽1
1を真空状態にし、加熱ヒータ13を作動して真空槽1
1内の温度を350〜370℃の範囲内に保持し、約4
5分間過熱した後、水ジャケット14に冷却水を供給す
ると共に真空槽11へ冷却ガスを注入して被処理物を常
温に戻して本発明の試料1aを作成した。加熱開始から
冷却開始までの真空槽11内の気圧は2Pa 以下に保持
された。
【0019】一方、試料1aと同様に、試料1を真空熱
処理炉10の真空槽11内に入れて密閉し、真空槽11
を真空状態にし、加熱ヒータ13を作動して185〜2
00℃の温度で約20分間加熱処理した。次いで、真空
槽11内を更に加熱して350〜370℃の温度で約3
0分間加熱処理した後、被処理物を常温に戻して本発明
の別の試料1bを作成した。加熱開始から冷却開始まで
の真空槽11内の気圧は同様に2Pa 以下に保持され
た。
【0020】比較のため、上述の複合めっき被膜を付着
された被処理物(試料1)を慣用の大気炉内で周知の熱
処理を行って試料1xを作成した。大気炉中での加熱温
度は被膜の表層の変質、変色、複合めっき被膜中の高分
子材料の溶融を避けるために280±5℃内に保持され
た。
【0021】各10枚の試料1、1a、1bおよび1x
について、LECO RH-404型水素分析装置を用い
て基材(被処理物自体)との比較による水素量の変化か
ら複合めっき被膜C中の水素吸蔵量を測定したところ、
平均して、 試料1 (未処理) 19.1 ppm 試料1a(本発明) 1.4 ppm 試料1b(本発明) 0.9 ppm 試料1x(比較例) 13.4 ppm であった。
【0022】また、各10枚の試料1、1a、1bおよ
び1xについて、EPMA観察(20kV/15mA/ビ
ーム径200ミクロン)により表面酸化物量を測定した
ところ、X線強度PKI値での平均値で、 試料1 (未処理) 4.3 CPS 試料1a(本発明) 5.2 CPS 試料1b(本発明) 5.2 CPS 試料1x(比較例) 23.0 CPS であった。
【0023】これらの測定から、本発明の方法により熱
処理された複合めっき被膜を備えた試料1aおよび1b
は、1段階の熱処理であっても2段階の熱処理であって
も、大気炉内で熱処理した従来例としての試料1xに比
べ、水素吸蔵量が約10分の1以上、表面酸化物量が約
4分の1以上減少されることが判明した。また、試料1
xの表面は濃茶色に変色しており、酸化膜があることが
目視により確認されたのに対し、試料1aおよび1bに
は酸化膜がなかった。なお、試料1の表面酸化物量の測
定値が本発明の試料1aおよび1bよりも小さくなって
いるが、これは試料1が熱処理されていないため、熱処
理による被膜の酸化が生じないためであることは用意に
理解されよう。
【0024】
【実験例2】被処理物Aとして200×200×2mmの
アルミニウム板(Al 7075)を使用した。被処理物
Aに、前記実験例と同様に、前処理および下地めっき処
理を行った後、複合めっき処理することにより、ニッケ
ル・リン合金の層中に粒子径1ミクロン以下の高分子材
料としてのPTFEが共析した複合めっき被膜を付着さ
せた(試料2)。
【0025】試料2を、試料1aを作成したときおよび
試料1bを作成したときとそれぞれ同様に、真空熱処理
炉中でそれぞれ1段階および2段階の真空焼成処理して
試料2aおよび2bを作成した。比較のため、試料1x
を作成したときと同様に、試料2を慣用の大気炉内で周
知の熱処理(処理温度、280±5℃)を行って試料2
xを作成した。
【0026】これらの試料2、2a、2bおよび2x、
各10枚について、前記実験例で述べたのと同様にして
複合めっき被膜Cの水素吸蔵量および表面酸化物量をそ
れぞれ測定したところ、平均して、 《水素吸蔵量》 試料1 (未処理) 19.1 ppm 試料1a(本発明) 1.4 ppm 試料1b(本発明) 1.1 ppm 試料1x(比較例) 12.4 ppm 《表面酸化物量》 試料1 (未処理) 5.3 CPS 試料1a(本発明) 6.7 CPS 試料1b(本発明) 6.3 CPS 試料1x(比較例) 12.4 CPS (X線強度PKI値による平均値) であった。
【0027】これらの測定から、前記実験例と同様に、
本発明の1段階および2段階の真空熱処理による試料1
aおよび1bは、大気炉内で熱処理した試料1xに比
べ、水素吸蔵量で約10分の1以上、表面酸化物量で約
2分の1以上減少されることが判明した。また同様に、
目視により、試料2xの表面に酸化膜がある(濃茶色に
変色)ことが確認されたのに対し、試料2aおよび2b
に酸化膜はなかった。なお、試料2の表面酸化物量の測
定値については、前記実施例で説明したように、熱処理
されていないことによる被膜酸化が回避されたためであ
る。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、複合めっき被膜を付着
された被処理物を真空熱処理炉10中で真空焼成処理す
ることにより、複合めっき被膜に吸蔵された水素の脱ガ
スを確実に行うことができ、かつ、酸化物を生成するこ
となしに複合めっき被膜中の高分子材料を一旦溶融して
溶着させた後、共析膜にさせることができるため、従来
の大気炉での加熱方法におけると同様に、内部応力の緩
和、被処理物と被膜の界面における格子欠陥の除去およ
び反応層の形成、結晶化の促進などを確実に行うことが
できると共に、被膜表層の変質および変色並びに高分子
材料自体の変質を防止することができ、かつ、異物とし
ての酸化物による被膜の外観、潤滑性、耐摩耗性、非粘
着性、撥水性が損なわれるのを確実に防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による無電解複合めっき被膜の
形成方法を示す工程図である。
【図2】図1の方法により形成された複合めっき被膜を
有する被処理物を模式的に示す部分断面図である。
【図3】図1の方法で用いられる真空熱処理炉の例を示
す模式的な図である。
【符号の説明】
1 前処理工程 2 無電解下地めっき工程 3 無電解複合めっき工程 4 真空焼成工程 4a 脱ガス処理段階 4b 無酸化処理段階 10 真空熱処理炉 11 真空槽 12 真空ポンプ 13 加熱ヒータ 14 水ジャケット 15 冷却ガス注入弁 16 注入パイプ 17 吸気パイプ 18 排気パイプ 19 主弁 20 漏出弁 A 被処理物 B 下地めっき被膜 C 複合めっき被膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物に無電解めっきされた複合めっ
    き被膜を後処理することにより無酸化被膜を形成するた
    めの方法であって、前記複合めっき被膜中に吸蔵された
    水素を脱ガスすると共に該被膜中に分散する高分子材料
    を酸化物を生成させることなしに熱溶着させるように前
    記複合めっき被膜をめっきされた被処理物を真空熱処理
    炉中で真空焼成処理することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記真空熱処理炉中における真空焼成処
    理は、水素を脱ガスするための相対的に低い温度で真空
    熱処理する脱ガス処理段階と、少なくとも前記高分子材
    料が溶融する温度以上の温度で真空熱処理を行う無酸化
    処理段階とから構成されることを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 前記無電解複合めっき液はPTFEを分
    散させた無電解ニッケルめっき液であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の方法。
JP30633997A 1997-10-22 1997-10-22 無電解複合めっきの無酸化被膜形成方法 Pending JPH11124683A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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