JPH1112588A - 潤滑油組成物およびこれに用いる過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方法 - Google Patents

潤滑油組成物およびこれに用いる過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方法

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JPH1112588A
JPH1112588A JP18462997A JP18462997A JPH1112588A JP H1112588 A JPH1112588 A JP H1112588A JP 18462997 A JP18462997 A JP 18462997A JP 18462997 A JP18462997 A JP 18462997A JP H1112588 A JPH1112588 A JP H1112588A
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JP
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earth metal
water
lubricating oil
carbon dioxide
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JP18462997A
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English (en)
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Hiromitsu Masaoka
弘光 正岡
Mamoru Donomae
守 堂野前
Jun Imai
潤 今井
Yukio Takagi
幸夫 高木
Haruhiko Takeya
晴彦 竹矢
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Cosmo Research Institute
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Cosmo Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高塩基価かつ高温下での清浄性に優れた、過
塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートを含む潤滑油組
成物およびその過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネー
トの製造方法を提供する。 【解決手段】 塩基価が550〜700mgKOH/g
である過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートと芳香
族成分が1〜10質量%である潤滑油基油を含有させ
る。また、アルカリ土類金属試薬、フェノール類、硫
黄、および二価アルコールを反応させ、次いで過剰量の
二価アルコールおよび少なくとも過剰量の水を留去して
得られた蒸留塔底物を特定量の水の存在下に二酸化炭素
処理し、かつ特定量の脂肪酸類を遅くとも二酸化炭素処
理までに存在せしめ、さらに二酸化炭素処理物中の過剰
量のフェノール類を留去し、かつ二酸化炭素処理物中の
過剰量のフェノール類を留去するまでに希釈剤を存在せ
しめ、続いて、希釈剤および中性物質を抽出できる抽出
溶媒にて抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油または燃料
油の清浄剤あるいはアルカリ清浄剤として有用な高塩基
価かつ高耐熱性、高酸化安定性の過塩基性硫化アルカリ
土類金属フェネートを含む潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ土類金属フェネートは、内燃機
用潤滑油に添加して使用される主要添加剤であって、主
として内燃機関内で燃料の燃焼によって発生する酸性物
質を中和して金属の腐食、潤滑油の劣化を抑制し、併せ
てスラッジやその前駆体の油中への分散を促進して機関
部品の固着や摩耗を抑制させる目的で使用される。この
利用目的において、高温下での清浄性、油溶性は重要で
あり、その向上のためにアルキルフェノールの硫化を行
うことは、公知の技術である。塩基価は酸中和能力の指
標であり、この数値が大きいほど添加剤の酸中和能力は
高く、一般にアルキルフェノールの1/2モル量以上の
アルカリ土類金属またはアルカリ土類金属イオンを含む
ものを「過塩基性」アルカリ土類金属フェネートと称し
ている。塩基価の向上は、添加剤の経済性向上の見地か
ら重要な研究開発課題であって、これまでに多くの試み
が報告されている。例えば、特表平1−501399、
特表平1−501400では、全重量に対して2〜40
重量%のカルボン酸類をフェネート中に含ませて、金属
付加反応を複数回行うことにより塩基価300mgKO
H/gを越え、粘度が100℃で1000cSt以下の
過塩基性アルカリ土類金属フェネートを得ることに成功
している。しかしながら、さらに高塩基価かつ高い清浄
性を兼ね備えた過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネー
トとその有効な使用方法の提供が要望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、潤滑油また
は燃料油の清浄剤あるいはアルカリ清浄剤として有用な
高塩基価かつ高温下での清浄性に優れた、過塩基性硫化
アルカリ土類金属フェネートを含む潤滑油組成物および
その過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方
法に関する。従来、過塩基性硫化アルカリ土類金属フェ
ネートとして紹介されていたものは、本願でいうところ
の過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート濃縮物のこ
とである(従来から、過塩基性硫化アルカリ土類金属フ
ェネート濃縮物として紹介されていたものもあった
が)。すなわち、合成の際に使用した希釈剤を、ある程
度含んだままの過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネー
トである。過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの
正確な構造は分析することができないため、従来の特許
等ではその物性により定義されてきたが、この方法は種
々の問題があった。例えば、塩基価により定義したとし
ても、それは過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート
の塩基価ではなく、過塩基性硫化アルカリ土類金属フェ
ネート濃縮物としての塩基価である。従って、同じ塩基
価の過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートであった
としても(それを確認する方法はないが)、希釈剤の量
を調整することにより異なる塩基価を有するものとして
扱うことが可能である。また、逆に同じ塩基価の過塩基
性硫化アルカリ土類金属フェネート濃縮物(あるいは潤
滑油組成物)であったとしても、清浄性が異なるという
ことも発生した。塩基価と同様に過塩基性硫化アルカリ
土類金属フェネートの物性としてよく用いられる粘度に
ついても同様に、用いる希釈剤の量により調整すること
が可能である。このように、従来は過塩基性硫化アルカ
リ土類金属フェネートではなく、過塩基性硫化アルカリ
土類金属フェネート濃縮物の物性により定義されたた
め、過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート自体では
比較されておらず、実際は同じ過塩基性硫化アルカリ土
類金属フェネートであるのに異なったものと判断された
り、逆に異なる過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネー
トであっても同じものであると判断されることが考えら
れる。従って、より優れた過塩基性硫化アルカリ土類金
属フェネートを得ようと検討する場合でも正確な判断が
できないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題に対し、本発明
者らは、従来のような過塩基性硫化アルカリ土類金属フ
ェネート濃縮物の物性に基づく検討では合理的な課題解
決は望めないと判断し、鋭意検討した結果、同じ塩基価
になるように潤滑油を調製しても、鉱油等の希釈剤およ
び中性物質を抽出除去して得られる塩基性成分が高塩基
価である過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート濃縮
物を用いて調製した潤滑油の方が高温下で高い清浄性を
示すこと、潤滑油基油として1〜10質量%の芳香族成
分を含むものを使用することで、より高い清浄性を示す
ことを見い出し、その知見に基づいて本発明を完成する
に至った。ここで、過塩基性硫化アルカリ土類金属フェ
ネート濃縮物とは、過塩基性硫化アルカリ土類金属フェ
ネート純品ではなく、鉱油等の希釈剤で希釈されている
ものを指す。また、塩基性成分とは、過塩基性硫化アル
カリ土類金属フェネートから鉱油等の希釈剤及び中性物
質を除去したものであり、過塩基性硫化アルカリ土類金
属フェネート純品に近いものとする。
【0005】本発明は、塩基価が550〜700mgK
OH/gである過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネー
トと芳香族成分が1〜10質量%である潤滑油基油から
なることを特徴とする潤滑油組成物を提供するものであ
る。また、本発明は、アルカリ土類金属酸化物、アルカ
リ土類金属水酸化物もしくはそれらの混合物(以下、ア
ルカリ土類金属試薬という)、アルカリ土類金属試薬1
モル当たり1〜100当量のフェノール類、硫黄、およ
び二価アルコールを、またはこれらを水の存在下で、反
応させ、次いで過剰量の二価アルコールおよび少なくと
も過剰量の水を留去して得られた蒸留塔底物をアルカリ
土類金属試薬1モルあたり0.3〜0.8モルの水の存
在下に二酸化炭素処理し、かつアルカリ土類金属試薬1
モルあたり0.001〜0.3モルの脂肪酸類を遅くと
も二酸化炭素処理までに存在せしめ、さらに二酸化炭素
処理物中の過剰量のフェノール類を留去し、かつ二酸化
炭素処理物中の過剰量のフェノール類を留去するまでに
希釈剤を存在せしめ、続いて、希釈剤および中性物質を
抽出できる抽出溶媒にて抽出することを特徴とする過塩
基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方法を提供
するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の潤滑油組成物に使用する
塩基価が550〜700mgKOH/gである過塩基性
硫化アルカリ土類金属フェネートを製造する方法は、特
に制限はないが、好適な製造方法としては、たとえば、
アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物も
しくはそれらの混合物(以下、アルカリ土類金属試薬と
いう)、アルカリ土類金属試薬1モル当たり1〜100
当量のフェノール類、硫黄、および二価アルコールを、
またはこれらを水の存在下で、反応させ、次いで過剰量
の二価アルコールおよび少なくとも過剰量の水を留去し
て得られた蒸留塔底物をアルカリ土類金属試薬1モルあ
たり0.3〜0.8モルの水の存在下に二酸化炭素処理
し、かつアルカリ土類金属試薬1モルあたり0.001
〜0.3モルの脂肪酸類を遅くとも二酸化炭素処理まで
に存在せしめ、さらに二酸化炭素処理物中の過剰量のフ
ェノール類を留去し、かつ二酸化炭素処理物中の過剰量
のフェノール類を留去するまでに希釈剤を存在せしめ、
続いて、希釈剤および中性物質を抽出できる抽出溶媒に
て抽出することにより、高塩基価の過塩基性硫化アルカ
リ土類金属フェネートを製造する方法が挙げられる。
【0007】アルカリ土類金属試薬としては、通常アル
カリ土類金属の酸化物あるいは水酸化物もしくはそれら
の混合物が用いられる。アルカリ土類金属としてはカル
シウム、バリウム、ストロンチウム、マグネシウム等が
単独または混合して使用できるが、カルシウムが好適で
ある。フェノール類は、炭素数4〜36個、好ましくは
炭素数8〜32個の炭化水素側鎖、例えばアルキル基、
アルケニル基、アラルキル基等を有するフェノール類を
挙げることができる。具体的にはブチル、アミル、オク
チル、ノニル、ドデシル、セチル、エチルヘキシル、ト
リアコンチル等の炭化水素基、あるいは流動パラフィ
ン、ワックス、オレフィン重合体(ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン等)の石油炭化水素から誘導さ
れる基を有するフェノール類が単独、あるいはこれらの
混合物にて使用される。通常約130℃、好ましくは約
120℃以下で液状になり得るものが望ましい。フェノ
ール類の使用量は、アルカリ土類金属試薬1モル当たり
1〜100当量であり、好ましくは1.6〜10当量で
あり、特に好ましくは2〜3当量である。アルカリ土類
金属試薬に対するフェノール類の量が少な過ぎると中間
体がゲル化してそれ以上反応が進まないため、目的とす
る良好な生成物が得られない。また、アルカリ土類金属
試薬に対するフェノール類の量が多過ぎると原料に対す
る製品の収率が低下するばかりか、フェノール類の回収
に費やすユーティリティーや時間が大となり、経済的に
不利である。
【0008】二価アルコールとしては、比較的低沸点か
つ低粘度で反応性に富むものが使用される。二価アルコ
ールは、炭素数2〜6を有することが好ましく、特にエ
チレングリコール、プロピレングリコール等が好まし
い。二価アルコールはフェノール類とアルカリ土類金属
試薬との反応による油溶性物質への転化を助け、安定化
し、一部は過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート中
に取り込まれて多当量化フェネートを構成するものであ
る。金属付加反応は、反応促進効果のある水を添加して
行っても、添加しないで行っても良く、添加して行う場
合、二価アルコールの使用量は、アルカリ土類金属試薬
1モル当たり約0.15〜3.0モル、特に約0.3〜
1.5モルが好ましい。また水を添加しないで行う場
合、二価アルコールの使用量はアルカリ土類金属試薬1
モル当たり、約1.0〜3.0モル、特に約1.2〜
2.0モルが好ましい。二価アルコールの使用量が少な
すぎると反応原料、特にアルカリ土類金属試薬の製品転
化率が低下し、多すぎるとフェノール類への金属付加反
応は円滑に進行するが、反応生成物から過剰の二価アル
コールを蒸留留去する時間およびユーティリティーが過
大にかかってしまう。
【0009】硫黄の使用量は、アルカリ土類金属試薬1
モル当たり0.001〜3.0モル、好ましくは0.0
1〜0.5モル、さらに好ましくは0.05〜0.4モ
ル、特に好ましくは0.1〜0.2モルが望ましい。フ
ェノール類へのアルカリ土類金属試薬の金属付加反応工
程において反応を促進するために反応系中に水を添加す
る場合は、蒸留水はもちろん缶水や工業用水、金属付加
反応で生成する水などが使用出来その品質に特に制限は
なく、冷水、温水、水蒸気等どのような状態の水でも使
用出来る。金属付加反応促進のために用いる水の反応器
への添加は水単独で行ってもよいし、一部あるいは全部
をフェノール類や二価アルコールなど他の原料との混合
物として添加してもよい。反応器への水の添加時期は特
に制限はなく、水以外の全反応原料が混合される前でも
後でも良いが、全反応原料混合後約1時間以内に添加す
るのが好ましい。
【0010】反応系中への金属付加反応促進のために用
いる水の添加量は、使用するアルカリ土類金属試薬1モ
ル当たり約0.01〜10モル、望ましくは0.1〜
2.0モルである。外部から水を反応系中に添加して金
属付加反応を行うと、水を添加しない以外は同一の条件
で反応を行う場合に比べて反応が円滑に進行し、反応原
料特にアルカリ土類金属試薬の製品転化率が高くなる。
従って反応系中へ添加する水が少なすぎるとアルカリ土
類金属試薬の製品転化率が低下してしまう。また逆に多
すぎれば反応後の蒸留工程が簡略化されるという利点が
失なわれる。
【0011】二酸化炭素処理工程は、金属付加反応終了
後、系内の過剰の二価アルコール類および少なくとも過
剰の水を留去し、最初に脂肪酸類を添加していない場合
あるいは最初に添加した脂肪酸類量が少ない場合には、
所定量となるように脂肪酸類を添加し、かつ所定量の水
を系内に存在せしめた後、反応温度約50〜230℃、
好ましくは80〜200℃の温度条件下で二酸化炭素と
反応させる。この反応は減圧、常圧、加圧、いずれの条
件で行っても良い。通常0.01〜51気圧・A、好ま
しくは0.1〜31気圧・Aの範囲が採用される。反応
は一般には二酸化炭素の吸収が実質的に停止するまで行
われ、20分〜10時間、通常20分〜3時間である。
ここで得られた生成物を必要に応じて更に二酸化炭素雰
囲気下、0〜20気圧・G、好ましくは0〜10気圧・
Gの圧力で約100〜230℃において数分〜十数時間
保持する。
【0012】二酸化炭素処理の際に共存させる水の添加
は、フェノール類、二価アルコール、アルカリ土類金属
試薬、および硫黄を加えたもの、またはこれに水を加え
たものより成る原料混合物を反応させ、硫化金属付加反
応を完了した後、蒸留を行って水および過剰の二価アル
コールを留去した後に行われるのが一般である。二酸化
炭素処理の際に共存させる水は、上記の金属付加促進の
ために用いた水と同様に、その品質、状態に制限はな
い。反応系中の水の量は、アルカリ土類金属試薬1モル
当たり0.3〜0.8モル、さらに好ましくは0.3〜
0.6モルに調節する。系中に過剰の二価アルコールが
存在する場合はその留去に当たって最初に添加した水
や、反応により生成した水等の系内の水はすべて前留分
として留出してしまうので、二価アルコールの過剰分を
留去したのち、所定量の水を添加する必要がある。一
方、系中に過剰の二価アルコールが存在しない場合は、
硫化金属付加反応前に反応促進のために添加した水や反
応中生成した水など、反応終了後系中に存在する水から
所定量の水のみを残して過剰分のみを留去しても良い
が、残存量が不明確である場合は、水全量をいったん留
去した後に所定量の水を添加するのがよい。二酸化炭素
処理の際に共存させる水の量は、多くなるにしたがって
製品の塩基価は向上するが、多すぎると製品が加水分解
されすぎ、塩基価、油溶性の低下の原因となり、少なす
ぎると製品の塩基価を向上させる効果が十分に得られな
くなる。
【0013】二酸化炭素処理前に存在させる脂肪酸類と
しては、炭素数8〜32、好ましくは10〜30、特に
好ましくは16〜24の脂肪酸、またはそれらの塩で、
塩の場合アルカリ土類金属塩であることが好ましい。ア
ルカリ土類金属としては、カルシウム、バリウム、マグ
ネシウム、ストロンチウムなどが挙げられる。また、ア
ルキル基の部分が直鎖のものであればなお好ましい。具
体的にはデカン酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロ
チン酸、モンタン酸、メリシン酸などがあげられるが、
好ましくはステアリン酸を用いる。当該脂肪酸類は、分
子量分布を有する混合物であって良く、ステアリン酸純
度60〜70%程度の市販ステアリン酸が使用できる。
脂肪酸類の量は、アルカリ土類金属試薬1モル当たり
0.001〜0.3モル、好ましくは0.01〜0.3
モル、さらに好ましくは0.02〜0.3モル、そして
最も好ましくは0.05〜0.2モルが望ましい。添加
する脂肪酸類の量が少ないとフェネートの塩基価のさら
なる向上が認められず、色相および油溶性が低下する。
また多すぎると塩基価が低下する。
【0014】希釈剤としては、パラフィン系、ナフテン
系、芳香族系、あるいは混合系の基油などの適当な粘度
の石油留分、例えば、沸点約220〜550℃で粘度が
100℃で約2〜40cStの潤滑油留分を挙げること
ができる。その他の有機溶媒でも疎水性、かつ、親油性
を示し、反応時や製品の用途面において無害であれば希
釈剤として用いることができる。例えば炭素数8〜24
の高級アルコールも使用することができる。上記過塩基
性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法において
は、先ず、アルカリ土類金属試薬、フェノール類および
硫黄、またはこれらと水を反応器に仕込み、仕込み混合
物を形成することが好ましい。また、これらに脂肪酸類
を一緒に仕込んでもよい。これらの反応原料及び反応剤
の仕込み順序は、特に制限なく、適宜選定すればよい。
【0015】上記の仕込み混合物には、二価アルコール
を反応器内圧力が0〜200kPa−G、好ましくは0
〜100kPa−Gの状態で加えることが好ましい。こ
の圧力範囲で二価アルコールを上記仕込み混合物に添加
することにより、塩基価が高く、加水分解安定性に優れ
た過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートを製造する
ことができる。二価アルコールの添加は、反応器内圧力
が上記の範囲で行われるが、二価アルコールの全量の少
なくとも60質量%以上、好ましくは80質量%以上を
上記の範囲で行うことが好ましい。
【0016】二価アルコールを添加する際の仕込み混合
物の温度は、60℃以上が好ましく、特に120℃以上
が好ましい。二価アルコールを添加する際の仕込み混合
物の上限温度は、通常仕込み混合物の沸点以下である
が、好ましくは200℃以下である。添加する二価アル
コールも、予めこの温度範囲に加熱しておくことが好ま
しい。また、二価アルコールの添加時間は、通常20〜
90分であり、好ましくは30〜60分である。二価ア
ルコールの添加終了後、温度約60〜200℃、好まし
くは約90〜190℃の範囲で反応させる。圧力は特に
制限されず、0.01〜21気圧・Aの範囲、好ましく
は0.1〜11気圧・Aが選択される。この反応は、通
常1〜9時間の範囲内でほぼ終了する。
【0017】反応生成物からの希釈剤および中性物質の
抽出除去は、塩基価が550〜700mgKOH/gで
ある過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートを製造で
きるように行えばよい。希釈剤および中性物質を抽出で
きる抽出溶媒としては、炭素数5〜10の炭化水素が挙
げられ、好ましくは炭素数5〜10の脂肪族炭化水素で
あり、特に好ましくはヘキサン、ヘプタンである。この
抽出溶媒の使用量は、特に制限ないが、通常は抽出され
る過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの2〜10
0倍質量、好ましくは5〜50倍質量、特に好ましくは
10〜40倍質量である。抽出時間は、特に制限ない
が、通常は10〜30時間の範囲にすればよく、好まし
くは12〜20時間である。
【0018】希釈剤および中性物質を抽出できる抽出溶
媒にて行う抽出の好適な具体例としては、ゴム膜抽出法
が挙げられる。ゴム膜抽出法は、潤滑油添加剤の分離分
析法として一般的な方法であり、たとえば、1967年
の潤滑誌12巻1号8頁には藤田によってその方法が開
示されている。具体的には、市販のガラス製ソックスレ
ー抽出器を用い、抽出される過塩基性硫化アルカリ土類
金属フェネート濃縮物をラテックス製円筒(ゴム膜)に
入れ、これを円筒濾紙内に保持してヘキサンを抽出溶媒
として連続抽出を行うと、希釈剤(たとえば、鉱油)及
び中性物質は抽出され、溶存していた塩基性成分のみが
ゴム膜内に残留する。この抽出残物としての塩基性成分
が、過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートである。
抽出される中性物質としては、たとえば、未反応アルキ
ルフェノール、アルキルフェノール硫化2量体、飽和脂
肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エチレングリコール
(アルキルフェニル)エーテルなどが挙げられる。本発
明の過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方
法は、過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート濃縮物
中の塩基性成分の成分濃度を高める方法ではなく、塩基
性成分の塩基価を高める方法である。上記製造方法で得
られた過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートは、潤
滑油または燃料油の清浄剤あるいはアルカリ清浄剤とし
て使用できる。
【0019】本発明の潤滑油組成物に使用される基油成
分は、芳香族成分が1〜10質量%である潤滑油基油で
ある。潤滑油基油中の芳香族成分の好ましい含有量は、
1〜7質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%であ
る。芳香族成分が1〜10質量%である潤滑油基油の具
体例としては、溶剤脱ろう精製された潤滑油基油、深冷
脱ろう精製された潤滑油基油が好ましい。水素化脱ろう
精製された基油においては芳香族成分が1質量%未満で
あるものは好ましくない。また、基油は1種で使用して
もよいし、2種以上を混合して使用しても良く、1〜1
0質量%の芳香族成分が含まれる範囲において、化学合
成基油が混合されていても良い。
【0020】本発明の潤滑油組成物における塩基価が5
50〜700mgKOH/gである過塩基性硫化アルカ
リ土類金属フェネートと芳香族成分が1〜10質量%で
ある潤滑油基油の含有割合は、通常得られる潤滑油組成
物の塩基価が10〜200mgKOH/gの範囲になる
ようにすればよい。また、本発明の潤滑油組成物は、ホ
ットチューブ試験による清浄性評点が5.5点以上であ
ることが好ましく、特に6.0点以上が好ましい。本発
明の潤滑油組成物は、潤滑が必要とされる種々の潤滑部
に使用できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、これらは単に例示であって本発明を制限す
るものではない。実施例で行ったゴム膜抽出法、ホット
チューブ試験および潤滑油基油の芳香族成分の測定法を
以下に示した。 (1)ゴム膜抽出法 ゴム膜抽出は、図1に示すように、ガラス製ソックスレ
ー抽出機(小倉硝子工業株式会社製21300−01
型)内に直径60mm長さ200mmの円筒濾紙(小倉
硝子工業製21500−05型)をセットし、ゴム膜袋
(オカモト株式会社製スキンレススキンクラウン薄型オ
ールマイティーを使用前にヘキサンで洗浄して使用)中
に試料20gを入れてガラス球に糸で縛り、これを円筒
濾紙内にセットした。フラスコにはヘキサン700ml
を入れ、85℃の水浴中で15時間加熱還流させて抽出
を行った。
【0022】(2)ホットチューブ試験 ホットチューブ試験法は、当業者らには一般的な清浄性
試験法である。ホットチューブ試験器として小松設備株
式会社製HT−201型を用い、10ml/minで空
気を流通させたガラス管(内径2mm長さ300mm)
を300℃に加熱し、サンプルを0.31ml/hで通
油し16時間後の着色を標準試料との比較により10点
満点で評価した。なお、実施例、比較例のホットチュー
ブ試験は、試験誤差を抑止するため、すべて同時に、2
回行った平均値である。
【0023】(3)潤滑油基油の芳香族成分の測定法 潤滑油基油の芳香族成分は、舟阪 渡 編 株式南江堂
発行 燃料分析試験法391ページ記載の「潤滑油の微
量迅速クロマト分析法」に準拠し、4倍の規模で、吸着
剤としてメルク社製No.7734(70〜230メッ
シュ)を用いて分析した。すなわち、160℃で8時間
乾燥活性化したシリカゲル40gを充填したガラス製ク
ロマト管を用い、2gの潤滑油基油を精秤して、石油エ
ーテル40mlで希釈後クロマト管に注入し、石油エー
テルで油分の溶出がなくなるまで溶出させて飽和分を回
収した。ついで、ジエチルエーテルで芳香族成分を溶
出、それぞれの成分をロータリーエバポレータを使用し
て約30mmHgの減圧下30℃で脱溶媒して質量を測
定した。
【0024】[実施例1]撹拌器、ガス導入管および温
度計を装着した1リットルオートクレーブに、純度9
7.9%のドデシルフェノール531.2g(1.9モ
ル)、純度96.0%の酸化カルシウム40.91g
(0.7モル)および硫黄3.37g(0.105モ
ル)(酸化カルシウム1モル当たり0.15モル)、ス
テアリン酸25.2g(0.091モル)(酸化カルシ
ウム1モル当たり0.13モル)を封入し、撹拌した。
得られた懸濁液に、純度94.5%のエチレングリコー
ル65.21g(1.05モル)を125℃、60kP
a−Gで添加し、これを130℃で約500kPa−G
の加圧、密閉の条件下、約3.0時間撹拌後、該反応系
内を徐々に減圧しながら、生成した水、一部の未反応の
エチレングリコールおよび少量のドデシルフェノールを
留去することにより、液状蒸留残留物791.9gが得
られた。この際の最終留出温度は141℃(5mmH
g)であった。次に、該蒸留残留物791.9gに水
5.67g(0.32モル)(酸化カルシウム1モル当
たり0.45モル)を添加した後、温度150℃で減圧
状態から30分間二酸化炭素を吸収させた。この時のオ
ートクレーブへの二酸化炭素の供給速度は、0.315
リットル/minとした。次いで、178℃に昇温し、
ゲージ圧5.0気圧になるまで再び二酸化炭素で加圧
し、2.0時間保持して反応生成物829.1gを得
た。この反応生成物に希釈剤として150ニュートラル
油58.92gを加えた。この希釈反応生成物を1リッ
トル三口梨型フラスコに820.78g移し、減圧蒸留
して少量のエチレングリコールおよび未反応のドデシル
フェノールの大部分を留去して、蒸留残留物171.5
8gを得た。その際の最終留出温度は225℃(3mm
Hg)であった。その後、この蒸留残留物を多量のヘキ
サンで希釈し、遠心分離により不溶解物2.15gを除
去後、多量に加えたヘキサンを蒸留除去することにより
濃縮生成物167.09gを得た。この濃縮生成物の塩
基価は426mgKOH/g、100℃での粘度は43
8cStであった。この濃縮生成物をゴム膜抽出法によ
り15時間処理して得られた抽出残物である淡茶色固体
の塩基価は576mgKOH/gであった。抽出残物を
溶剤脱ろう精製基油(芳香族3.2質量%)で希釈して
塩基価30とし、ホットチューブ試験器(小松設備株式
会社製HT−201型)を用いて300℃において清浄
性評価を実施した結果、評点は6.0点であった。
【0025】[実施例2]水の添加量を酸化カルシウム
1モル当たり0.5モルとした以外は実施例1と同様に
行った。濃縮生成物の収量は164.39gであった。
濃縮生成物の塩基価は444mgKOH/g、100℃
での粘度は390cStであった。濃縮生成物をゴム膜
抽出法により15時間処理して得られた抽出残物である
淡茶色固体の塩基価は617mgKOH/gであった。
抽出残物を潤滑油基油で希釈して塩基価30とし、ホッ
トチューブ試験器(小松設備株式会社製HT−201
型)を用いて300℃において清浄性評価を実施した結
果、評点は6.0点であった。
【0026】[比較例1]希釈油として、高度水素化精
製基油(芳香族0.6質量%)を用いた以外、実施例1
と同様に実施した。ホットチューブ試験器による清浄性
評点は4.5点であった。
【0027】[実施例3]希釈油として、高度水素化精
製基油(芳香族0.6質量%)と溶剤脱ろう精製基油
(芳香族3.2質量%)を等量混合して用いた以外、実
施例1と同様に実施した。ホットチューブ試験器による
清浄性評点は6.5点であった。
【0028】[実施例4]希釈油として、芳香族を含ま
ない化学合成基油と溶剤脱ろう精製基油(芳香族3.2
質量%)を等量混合して用いた以外、実施例1と同様に
実施した。ホットチューブ試験器による清浄性評点は
6.0点であった。
【0029】[比較例2]塩基価370mgKOH/g
の市販過塩基性硫化カルシウムフェネート型添加剤を実
施例1の濃縮生成物と同様にゴム膜抽出法で処理して得
られた抽出残物である淡茶色固体の塩基価は559mg
KOH/gであった。この抽出残物を実施例1と同様に
ホットチューブ試験に付したところ、評点は3.0であ
った。
【0030】[比較例3]希釈油として、芳香族を含ま
ない化学合成基油を用いた以外、実施例1と同様に実施
した。ホットチューブ試験器による清浄性評点は5.0
点であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の潤滑油組成物は、高温下での清
浄性に優れている。本発明の製造方法で得られた過塩基
性硫化アルカリ土類金属フェネートは、潤滑油または燃
料油の清浄剤あるいはアルカリ清浄剤として使用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴム膜抽出装置の一例を示した概略図である。
【符号の説明】
1 ウォーターバス 2 ビーカー 3 温度計 4 試料油 5 ゴム膜 6 円筒ろ紙 7 糸による固定 8 ガラス球 9 冷却管 10 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 101:02 129:40) C10N 20:00 30:00 30:04 70:00 (72)発明者 今井 潤 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 高木 幸夫 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 竹矢 晴彦 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基価が550〜700mgKOH/gで
    ある過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートと芳香族
    成分が1〜10質量%である潤滑油基油からなることを
    特徴とする潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】構成成分として炭素数8〜32の脂肪酸ま
    たはその塩を含有する請求項1記載の潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】ホットチューブ試験による清浄性評点が
    5.5点以上である請求項1または2記載の潤滑油組成
    物。
  4. 【請求項4】塩基価が10〜200mgKOH/gであ
    る請求項1〜3記載の潤滑油組成物。
  5. 【請求項5】アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金
    属水酸化物もしくはそれらの混合物(以下、アルカリ土
    類金属試薬という)、アルカリ土類金属試薬1モル当た
    り1〜100当量のフェノール類、硫黄、および二価ア
    ルコールを、またはこれらを水の存在下で、反応させ、
    次いで過剰量の二価アルコールおよび少なくとも過剰量
    の水を留去して得られた蒸留塔底物をアルカリ土類金属
    試薬1モルあたり0.3〜0.8モルの水の存在下に二
    酸化炭素処理し、かつアルカリ土類金属試薬1モルあた
    り0.001〜0.3モルの脂肪酸類を遅くとも二酸化
    炭素処理までに存在せしめ、さらに二酸化炭素処理物中
    の過剰量のフェノール類を留去し、かつ二酸化炭素処理
    物中の過剰量のフェノール類を留去するまでに希釈剤を
    存在せしめ、続いて、希釈剤および中性物質を抽出でき
    る抽出溶媒にて抽出することを特徴とする過塩基性硫化
    アルカリ土類金属フェネートの製造方法。
JP18462997A 1997-05-07 1997-06-26 潤滑油組成物およびこれに用いる過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方法 Pending JPH1112588A (ja)

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PCT/JP1998/002012 WO1998050500A1 (en) 1997-05-07 1998-05-06 Lube oil composition, overbased alkaline earth metal sulfide pheneate concentrate used for preparing the same, and process for preparing the concentrate

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015535009A (ja) * 2012-11-20 2015-12-07 シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー 硫化アルキル置換ヒドロキシ芳香族化合物塩を含む組成物を調製するための方法
CN114217052A (zh) * 2021-10-28 2022-03-22 西安热工研究院有限公司 一种磷酸酯抗燃油水解安定性测试控制系统

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