JPH1112640A - 酸化物分散鋼の製造方法 - Google Patents
酸化物分散鋼の製造方法Info
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- JPH1112640A JPH1112640A JP9166895A JP16689597A JPH1112640A JP H1112640 A JPH1112640 A JP H1112640A JP 9166895 A JP9166895 A JP 9166895A JP 16689597 A JP16689597 A JP 16689597A JP H1112640 A JPH1112640 A JP H1112640A
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Abstract
高精度で制御する酸化物分散鋼の製造方法の提供。 【解決手段】(1)取鍋内で、Si濃度およびMn濃度
を調整するとともに、造滓剤とSiを添加しつつ所定量
の酸素を吹き付け加熱し、下記の範囲のCaO-Si
O2−Al2O3−MgO 系のスラグを形成し、かつ下記
の範囲の溶鋼に制御した後、Si濃度を0.05〜
0.2重量%に再調整し、ガスバブリングおよび真空脱
ガス処理を施す酸化物分散鋼の製造法。 :CaO/SiO2=0.8〜4、Al2O3:3〜40
重量%、MgO:5〜20重量% :溶鋼中のA
l:0.0001〜0.003重量%、溶鋼中の全酸
素:0.002〜0.01重量% (2)上記(1)の製造方法において真空脱ガス処理中
にTiもしくはZrまたはこれらを複合して添加する酸
化物分散鋼の製造方法。
Description
高靭性を確保しうる、Al−Mn系酸化物を含む酸化物
を高精度で所定の密度で分散させることができる酸化物
分散鋼の製造方法に関する。
向ラインパイプ、船舶、LNGタンク等の大型構造物に
供される鋼材に対する高強度化の要求は、強度レベルを
高めながら現在も継続してなされている。しかし、同時
に氷海域等での使用環境が厳しいことを反映して、溶接
部、とくに溶接熱影響部(以下、「HAZ」と呼ぶ)に
おける靱性改善要求も高度なものになっている。これ
は、より大きな溶接入熱を用いて高能率溶接した場合に
も、高いHAZ靭性が得られる鋼材への要求が高いこと
をも意味している。この要求に応える方法として、鋼材
中に各種の酸化物粒子を分散させてHAZ靱性を改善す
る方法が知られている。
SiおよびAlの含有率を限定したうえで、Tiを添加
して凝固過程でTiOやTi2O3といったTi系酸化物
を鋼中に分散させることにより、高いHAZ靱性を確保
する鋼の製造法が提案されている(特公平5−1730
0号公報)。このようなTi系酸化物を凝固過程で鋼材
中に微細に分散させる方法としては、第1段階での脱酸
にSi、Mnを用い、第2段階での脱酸にTiまたはZ
rを用いて酸素濃度を重量割合にて50ppm以下にす
ることによって、Ti系またはZr系酸化物を個別にま
たは複合的に析出させる方法が提案されている(特開平
3−267311号公報、特開平4−2713号公
報)。
凝固過程で微細に分散させる方法であり、主要な酸化物
がTi系酸化物またはZr系酸化物からなるものについ
て示されているのみであった。しかしながら、Ti系酸
化物が主体の酸化物が分散した鋼材では、HAZの領域
のうち1200〜1350゜Cに加熱されたオーステナ
イト粒径がやや大きい程度の亜粗粒域部分では靭性改善
代は小さく、効果は限定されていた。
酸化物を鋼中に分散させることにより、上記の亜粗粒域
を含めたHAZ全体の靱性を改善する方法が開示されて
いる(特開平7−278736号公報)。このAl−M
n系酸化物を均一に分散した鋼を製造する方法として、
溶製中にスラグ組成を制御することにより所望の組成の
酸化物を分散させる鋼の製造方法が開示されている(特
開平8−92629号公報)。さらに、取鍋においてS
i添加と酸素吹き付けを行うことにより、溶鋼の昇熱と
スラグ制御を同時に行うAl−Mn系酸化物分散鋼の製
造方法の提案もなされている(特願平8−260965
号公報)。
するAl−Mn系酸化物の分散密度を高い精度で制御す
ることができるものではなかった。とくに、脱水素や大
型介在物の除去のために真空脱ガス処理が長時間に及ぶ
等の変動が生じた場合には、Al−Mn系酸化物の分散
密度がばらつくことが多かった。このため、Al−Mn
系酸化物が十分な密度で分散した酸化物分散鋼を精度良
く製造する方法の確立が望まれていた。
−Mn系酸化物を含む酸化物の分散密度を高精度で把握
し、かつ制御することができる酸化物分散鋼の製造方法
を提供することにある。
n系酸化物分散鋼を溶製するに際して、取鍋での溶鋼中
へのSi添加、スラグ組成の制御、ガスバブリングおよ
び真空脱ガス処理を行いAl−Mn系酸化物の分散密度
を調査した結果、下記の事項を確認することができた。
後、造滓剤およびSiを添加しながら酸素吹き付けを行
い、スラグの塩基度、スラグ中のAl2O3等の組成を調
整することにより溶鋼中のAl濃度および全O濃度を制
御することができる。
中にガスバブリングを行うと単位時間、単位溶鋼量あた
りのガス流量に応じて決まった割合で“Al−Mn系酸
化物を含む酸化物”(以後、“含(Al−Mn系)酸化
物”という)の分散密度が減少する。このとき、ガスバ
ブリングを行う前の酸化物分散密度の初期値は“溶鋼中
のSi濃度”(以後、“[%Si]”と記す)によって
決まる。また、ガスバブリングの経過に伴う酸化物密度
の減少度合いは、上記ガス流量以外に、[%Si]にも
強く依存する。上記(a)の調整を行っておけば、酸化
物密度は、(イ)[%Si]および(ロ)ガスバブリングの
ガス流量を制御することにより定量的に予測することが
できる。
鋼を真空脱ガス処理する間にも酸化物の浮上等により減
少する。このときの含(Al−Mn系)酸化物密度の減少
の程度も、その時点の[%Si]に依存する。
l−Mn系)酸化物密度の減少の程度はTiまたはZr
を添加した時点から大きく変化する。しかし、この場合
もTiまたはZr添加後の酸化物の減少程度を定量的に
把握できることに変わりはない。
での実験および生産現場での試験生産を経て完成された
もので、その要旨は下記の含(Al−Mn系)酸化物含有
鋼の製造方法にある。
を調整するとともに、造滓剤およびSiを添加しつつ酸
素を吹き付けることにより加熱して下記の範囲のCa
O−SiO2−Al2O3−MgO 系の組成のスラグを形
成し、かつ溶鋼の組成を下記の範囲に制御した後、溶
鋼中のSi濃度を0.05〜0.2重量%に再調整し、
予め定められた条件でガスバブリング処理および真空脱
ガス処理を施すAl−Mn系酸化物を含む酸化物分散鋼
の製造法(〔発明1〕とする)。
%)=0.8〜4 Al2O3:3〜40重量% MgO:5〜20重量% ただし、上記酸化物の重量%はスラグ中での濃度であ
る。
理中にTiもしくはZrまたはこれらを複合して添加す
る酸化物分散鋼の製造方法(〔発明2〕とする)。
て、酸化物含有鋼は含(Al−Mn系)酸化物を含む酸化
物を含有する鋼をさす。上記したように“含(Al−M
n系)酸化物”は、“Al−Mn系酸化物を含む酸化
物”である。この酸化物においては、複数の酸化物のう
ちいくつかの個々の酸化物がAl−Mn系酸化物である
場合および1個の酸化物が複合的に各種の酸化物で形成
され、そのうちの1種類がAl−Mn系酸化物である場
合の両方をさす。“Al−Mn系酸化物”は構成元素が
Al、MnおよびOからなる酸化物をさす。また、“含
(Al−Mn系)酸化物”は2相以上含まれる酸化物のう
ち少なくとも1つがAl−Mn系酸化物であり、酸化物
中の金属元素の原子割合で(Al+Mn)が40%以
上、原子割合で(Al/Mn)が1以上5未満の範囲に
あるものをさす。
は、溶鋼での分散密度をさす。溶鋼での酸化物の分散密
度は鋼材になったときの酸化物の分散密度に反映され
る。後記するように溶鋼での酸化物分散密度の測定はボ
ンブサンプルを検鏡して行う。したがって、ここでいう
酸化物密度は、溶鋼を金型ボンブにて採取した急冷試料
または鋳造された試料を研磨し、その研磨面を走査型電
子顕微鏡を用いて、倍率1000〜2000倍で、50
視野から100視野観察したときの酸化物の単位面積あ
たりの平均個数を示したものである。
した理由について説明する。以後の説明で合金元素およ
び酸化物についての「%」は、いずれも「重量%」を表
す。
製錬炉出鋼時にSiおよびMnによる脱酸を行って一次
脱酸生成物をMnO-SiO2系の組成を有するものに制
御する。脱酸後の溶鋼中のSiおよびMnは、それぞれ
[%Si]:0.05〜0.2%、かつ[%Mn]:
0.8〜2%の範囲とすることが望ましい。[%Si]
が0.05%未満および0.2%を超える場合には、造
滓剤の添加等の処理を行った場合、溶鋼中の全酸素量お
よびAl濃度を後記する所定の範囲にすることができな
い場合がある。[%Mn]が0.8%未満のときには、
含(Al−Mn系) 酸化物のうちのAl−Mn系酸化物
がHAZ靭性を改善できるほど生成しない場合がある。
一方、[%Mn]が2%を超えると後記する造滓剤等の
添加によって所望の組成のスラグを形成しにくい傾向が
ある。
酸化物含有鋼の製造 つぎに取鍋精錬におけるスラグの組成調整および溶鋼の
加熱を両立させるために予め決定した量のSiおよび造
滓剤を取鍋内の溶鋼に添加しつつ、予め決定した量の酸
素を溶鋼に吹き込んでSiを酸化させる。投入するSi
は、フェロシリコン等の通常使用される合金鉄でよい。
また上吹きする酸素、造滓剤として添加するCaO源、
Al2O3源、SiO2源 およびMgO源はそれぞれ生石
灰、ドロマイト等の一般的なものでよく、特に限定され
ない。また、酸素上吹き方法は、取鍋精錬に一般的に用
いらる方法でよく、例えば耐火物製ランスより送酸速度
20〜100Nm3/min程度で吹き付ければよい。
-SiO2−Al2O3−MgO系からなるスラグを形成す
る。このときスラグ中の重量濃度で、(%CaO)/
(%SiO2 )が0.8〜4、Al2O3濃度が3〜40
%、MgO濃度が5〜20%になる必要がある。以後、
スラグ中のCaO等の酸化物の濃度の重量%を(%Ca
O)と表示する。 (%CaO)/(%SiO2)が0.
8未満の場合、全酸素濃度が0.01%を超え、一方、
4を超えると全酸素濃度が0.002%未満となる。ま
た、Al2O3濃度が3%未満の場合は、溶鋼中Al濃度
が0.0001%未満となり、40%を超えると溶鋼中
Al濃度が0.003%を超えてしまう。また、MgO
濃度が5%未満では、上記組成のスラグでは滓化性が低
下し制御性が悪化する。
n]ならびにスラグ組成が上記範囲内にあるとき、溶鋼
中のAl濃度は0.0001〜0.003%の範囲に、
また、溶鋼中の全酸素濃度は0.002〜0.01%と
なる。
ときは、HAZ靭性を改善するのに十分なAl−Mn系
酸化物の密度を得ることができない。一方、0.003
%を超えると生成した酸化物が凝集してやはりHAZ靭
性改善に十分なAl−Mn系酸化物分散密度を得ること
ができない。また、溶鋼中の全酸素濃度が0.002%
未満の場合には、鋼中の分散酸化物量が不十分であり、
一方、0.01%を超えると分散酸化物が大型化して鋼
の清浄度が著しく悪化する。
け量は、昇熱前温度および後工程での溶鋼の温度確保を
考慮した昇熱後温度から決定される。また、造滓剤添加
量は、Si添加および酸素上吹き量によって生じるSi
O2 を目標濃度に制御するように決定される。それぞれ
の関係はつぎに説明する(1)〜(6)式で記述され、それぞ
れの添加量を決定することができる。
度上昇(以後、「Si昇熱」という)は、(1)式によっ
て決定される。
熱前の溶鋼温度(℃)、Te:昇熱後の目標溶鋼温度
(℃)、Wsteel:溶鋼重量( steel-t)、WSi:Si
添加量(kg/ steel-t)、[%Si]s:昇熱前の溶鋼
中Si濃度(%)、[%Si]e:昇熱後の溶鋼中Si目標
重量濃度(%)、ΔTSi:Si1kg/ steel-tあたり
の溶鋼温度上昇(℃/(kg/ steel-t))、Wi:造滓剤
iの投入重量(kg/ steel-t)、iはCaO等の造滓
剤、ΔTi:造滓剤i単位重量あたりの溶鋼温度降下
(℃/(kg/T))、ΔTH:系外放散熱による溶鋼温度降
下率(℃/min)、t:昇熱時間(min) つぎに、スラグ中のCaOの質量バランスは下記(2)式
によって決められる。
eel-t)、W''i:昇熱中に生成するi成分重量(kg/
steel-t)、Wslag:昇熱前スラグ量(kg/ steel-
t)、(% i):昇熱後スラグ中i成分の目標重量濃
度(%) 同様に、スラグ中のSiO2の質量バランスの基本式と
して下記(3)式がある。
CaO)/(%SiO2))である。
(5)式によって記述される。
本式である。 Q={WSi+Wsteel・([%Si]s−[%Si]e) ×10}/28・22.4/β・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) ここで、Qは送酸量(m3/ steel-t)、βは着酸効率
である。
酸後に、Siを添加して酸素を上吹きしながら溶鋼を昇
熱するとともに造滓剤を添加すれば、含(Al−Mn系)
酸化物が分散した鋼を溶製することができる。しかし、
上記の方法によりできる鋼材は含(Al−Mn系)酸化物
分散密度のばらつき等は問題としない酸化物含有鋼であ
る。
について説明する。上記したように、含(Al−Mn系)
酸化物の分散密度とは、Al−Mn系酸化物相を含む酸
化物系介在物の分散密度をさすが、以後の説明では、と
くにことわらないかぎり“酸化物”は含(Al−Mn系)
酸化物をさすこととする。
用したとき、Si昇熱直後の直径0.4〜20μmの酸
化物の分散密度は、Si昇熱後の溶鋼中のSi濃度、す
なわち[%Si]で決まることがわかった。すなわちS
i昇熱のための酸素上吹きによって生じる溶鋼中の含
(Al−Mn系)酸化物の分散密度は、[%Si]値と関
係づけることができる。これは、酸化物の生成機構は、
脱酸における一次脱酸生成物の生成機構と類似している
ためである。
中[%Si]値とは、下記(7)式によって定量的に関連
づけられる。
n]が0.8%〜2%、スラグ中(%CaO)/(%Si
O2)が0.8〜4の範囲では、経験的に決まる初期値係
数αとして、200を採用することができる。
グ等の溶鋼攪拌によって一次脱酸生成物と同様に凝集し
浮上して個数が減少する。そこで、初期酸化物密度No
(1/mm2)と時間t秒後の酸化物密度N(1/m
m2)とは下記(8)式によって関係づけられる。
グの攪拌程度によって変動する。バブリングは取鍋内の
溶鋼へポーラスプラグやノズルを介して導入されるAr
等の攪拌ガスによって行うことができる。攪拌の程度を
攪拌エネルギー密度ε(W/m3 )で表し、かつ1回の
溶製時(220〜300t程度)の溶鋼に対するガス流
量をQ(Nm3/s)で表せば、次の(9)および(10)式の
関係が成り立つ。
ができる。
物の凝集と浮上に係わるので[%Si]には依存するが、
1回に処理する溶鋼量が220〜300トン、1回のバ
ブリングにおけるガス流量が0.01〜0.1(Nm3/
s)の範囲にあるとき、[%Si]値が一定範囲内にあれ
ばほぼ一定である。
拌ガス流量の条件下での[%Si]値に応じた減少率係数
γの値を示す。
値係数α、減少率係数γおよび減少率k、溶鋼中[%S
i]値を用いれば、それにしたがってガス流量および処
理時間を調整することにより、酸化物分散密度を制御す
ることが可能となる。
300tに対してArガス流量Q=0.1Nm3/sで
攪拌したときの、処理時間と酸化物分散密度比N/No
の関係を示す図である。ここで、Nは酸化物分散密度、
No は酸化物分散密度の初期値である。図1において、
[%Si]値が0.05、0.10、0.15および
0.20%の4水準に対して酸化物分散密度比の推移を
示す曲線が示されている。これは表1の減少率係数γの
値に基づいて上記の式により計算した値である。
散密度(mm-2)の関係を示す図である。これらの図1
または図2より、Si昇熱後の[%Si]値に応じて処
理時間tを決めれば、目標とする酸化物分散密度となる
溶鋼が得られることがわかる。
いて述べる。真空脱ガス処理は、RHプロセスやVOD
プロセスなどに代表される一般的な溶鋼処理方法であれ
ばよい。真空脱ガス処理は、本発明方法が適用される対
象鋼の1つである厚鋼板用溶鋼の場合には主に脱水素の
ために行われるが、上記の真空脱ガス処理方法はいずれ
も、溶鋼の激しい攪拌を伴うので、脱ガスとともに酸化
物を減少させる方法としても知られている。本発明方法
では、溶鋼中の酸化物はむしろ所定量残留させることが
必要となるので、真空脱ガス処理時間と酸化物分散密度
との関係を定量的に把握することは、本発明方法にとっ
て基本的に重要な事項である。
理により溶鋼組成、とくに[%Si]、スラグ組成等が
前述のごとく決められ、かつ取鍋でのバブリングによ
り、所定の酸化物分散密度に制御されている。このよう
な事前の処理がなされた溶鋼に対しての真空度10to
rr以下の処理では、酸化物分散密度比と真空脱ガス処
理時間との間には(8)式と同じ形式である(12)式の関係
が成立する。
rr以下では溶鋼中の[%Si]値に応じて決めることが
できる。
を各[%Si]値に応じて示す。
散密度を決めれば、表2、(12)式等にしたがって真空脱
ガス処理時間を設定することができる。
脱ガス処理時間と酸化物分散密度比N/Noの関係を示す
図である。ここで減少率mは、ガスバブリングのための
Arガス流量に依存するので、Q(Nm3/s)=0.0
1、0.02、0.05および0.10%の4水準につ
いてN/Noを図示した。これらのN/No曲線から、目
標酸化物分散密度に見合うArガス流量Qと処理時間t
を決めることができる。
物分散密度比N/Noの関係を示す図である。真空脱ガス
処理中においても取鍋中と同様に酸化物の初期分散密度
および酸化物の浮上は[%Si]の影響を強く受けるの
で、[%Si]=0.05、0.10、0.15および
0.20%の4水準についてN/No曲線を図示した。こ
れらのN/No曲線に基づいて、目標酸化物密度に見合う
真空脱ガス処理時間tを決めることができる。
明2〕の場合) 次に真空脱ガス処理におけるTiもしくはZr添加、ま
たはTiとZrの複合添加の効果について述べる。Si
とMnによる脱酸およびSi昇熱のための酸素上吹きに
よって生成した酸化物の分散密度を制御するために、T
i添加もしくはZr添加またはTiとZrの複合添加を
する。この真空脱ガス処理時に所定量のTiまたはZr
を添加して、溶鋼中[%Ti]値で0.005〜0.0
2%、溶鋼中[%Zr]値で0.002〜0.01%に
なるように調整を行うことが望ましい。[%Ti]また
は[%Zr]が上記の範囲未満では効果が十分現れず酸
化物密度にばらつきが生じやすく、一方、上記の範囲を
超えるとTi、Zrともに機械的性質、とくに靭性の劣
化が著しくなる。TiまたはZrは、Al−Mn系酸化
物中に少量のTi系酸化物またはZr系酸化物として含
まれ、Al−Mn系酸化物相を安定化させる効果を発揮
する。以後の説明においてTi系酸化物またはZr系酸
化物が含まれたAl−Mn系酸化物も“含(Al−Mn
系)酸化物”といい、他の酸化物も含めた酸化物をいう
ときと同様に取り扱うこととする。
ぼす影響について調査したところ、TiまたはZrは、
酸化物の減少速度を顕著に低下させることが分かった。
その低下の割合は、上記濃度の範囲でTiの場合は減少
率mを0.5mに、また、Zrの場合は0.2mにする
程である。
300秒後および600秒後に[%Ti]が0.01%
になるようTi添加したときの酸化物分散密度比N/No
の変化を、無添加の時と比較して示す図である。図示し
たように、Ti添加により酸化物減少速度が変化し、そ
れが定量的に把握されているので、所望の酸化物分散密
度になるようTi添加時期および真空脱ガス処理時間を
決めることができる。図6は、真空脱ガス処理開始12
0秒後、300秒後および600秒後に[%Zr]が
0.005%になるようZr添加したときの酸化物分散
密度比N/Noの変化を、無添加の時と比較して示す図で
ある。図示したように、Zr添加により酸化物分散密度
の減少速度が変化するので、所望の酸化物分散密度にな
るようZr添加時期および真空脱ガス処理時間を決める
ことができる。
例について具体的に説明する。溶鋼の製造においては、
たとえば、転炉や電気炉といった製錬炉で、炭素濃度を
0.01〜0.25%に調整することが望ましい。これ
は、炭素濃度が0.01%未満では、溶鋼が過酸化状態
であることから後工程のSi、Mnによる予備脱酸およ
びスラグ組成制御が困難になるからである。一方、炭素
濃度が0.25%を超えると溶接割れを発生しやすくな
る。また酸素濃度は全酸素濃度で0.04〜0.07%
であることが望ましい。その理由は全酸素濃度が0.0
4%未満ではSiとMnによる予備脱酸によってMnO
-SiO2系酸化物が十分に生成しにくいからであり、一
方、0.07%を超えると溶鋼、スラグがともに過酸化
状態になるからである。
出鋼した後に、取鍋内にSi、Mnを添加して脱酸を行
う。このSiとMnによる脱酸と同時にまたはその後引
き続いて、スラグの組成を制御するための造滓剤および
Siを添加して、酸素を吹き付けてSi昇熱を行いなが
らスラグ組成を制御する。この後、底吹きまたはランス
によりバブリングを上記した方法で実施すれば、酸化物
分散密度を制御できる。このとき使用するガスは特に制
限されないが、通常製鋼で用いられるArガスが好適で
ある。
拌の少ないRH真空脱ガス法が真空処理法として好適で
あり、目標の酸化物分散密度に制御しやい。またTiや
Zrを添加する際にも、上記の真空処理法を利用するこ
とができる。
場合、酸化物に関連しない他の合金元素として、Cu:
0.2〜0.5%、Ni:0.2〜0.8%、Nb:
0.02〜0.8%、V:0.03〜0.09%、S:
0.0004〜0.0040%、P:0.006〜0.
018%およびB:0.0001〜0.0016%の1
種または2種以上を含む鋼が例示される。
RH真空脱ガス処理装置を用いて本発明方法の効果を確
認した試験結果について説明する。
0%、初期酸素濃度0.04〜0.07%の溶鋼250
tを溶製した。次に、温度1650〜1700℃の溶鋼
を取鍋に出鋼し、その際にSiとMnによる脱酸のため
にフェロシリコン(Fe−Si)およびフェロマンガン
(Fe−Mn)を添加した。さらに同時に造滓剤とし
て、所定量の生石灰、炭酸カルシウム、Al2O3含有造
滓剤、けい砂、ホタル石等を添加した。さらに所定量の
Si添加しながら、酸素上吹きを実施して昇温とスラグ
組成の調整を行った。その後、[%Si]をほぼ0.1
%に調整し、Arガスによる取鍋内溶鋼攪拌を行った。
その後さらにRH真空脱ガス処理装置によって、溶鋼処
理を行った。また一部の試験では、RH真空脱ガス中に
所定のタイミングでTi添加またはZr添加を行った。
TiまたはZrの添加量は、それぞれ[%Ti]=0.
005〜0.02%、または[%Zr]=0.002〜
0.01%になるよう添加量を調整した。比較のため
に、取鍋内でのArバブリング時間およびRH真空脱ガ
ス処理時間を特に限定しない試験を行った。各試験にお
いては各試験毎に繰り返し数nの試験を繰り返した。上
記の比較試験においては、Arバブリング時間、RH真
空脱ガス処理時間、Ti等の添加時期はとくに限定しな
いために、同一試験番号内の繰り返しの相互間で同じ条
件ではない。これは酸化物分散密度を制御することがで
きなかった従来の方法をそのまま反映するものである。
各試験番号についてRH脱ガス処理の終了直後に鋼製ボ
ンブサンプルを溶鋼から採取し、試料の断面を鏡面研磨
した後、分散した酸化物個数を測定するために、走査型
電子顕微鏡で倍率2000倍の100視野中で直径0.
2〜20μmの酸化物の個数を測定した。
Zr添加等の条件およびその条件下での試験結果、すな
わち酸化物分散密度を示す。
攪拌のためのArガス流量Q=0.10Nm3/s、取鍋
攪拌時間を600秒、さらにRH脱ガス処理時間を90
0秒実施したときのRH脱ガス処理後のn数が8の結果
である。比較例である試験番号2は、とくに取鍋攪拌時
間、攪拌ガス量およびRH脱ガス処理時間を限定しなか
ったときのn数が11の結果である。試験番号1では、
酸化物分散密度が計算で得られた目標に近く、ばらつき
が少ない結果が得られた。一方、試験番号2では、[%
Si]は調整したものの酸化物分散密度はばらつきが大
きく、かつ過剰の攪拌処理および脱ガス処理により酸化
物分散密度そのものが小さい結果となった。これは上記
したように繰り返し数nの相互間でArバブリング時間
およびRH真空処理時間が相違したためであって、従来
の方法を反映した結果となった。
攪拌のためのArガス流量Q=0.10Nm3/s、取鍋
攪拌時間を600秒、さらにRH脱ガス処理時間を全6
00秒実施し、RH脱ガス処理開始して300秒後にT
iを[%Ti]=0.01%になるように添加したとき
のn数が5の結果である。比較例である試験番号4は、
とくに取鍋攪拌時間、攪拌ガス量、RH脱ガス処理時間
およびTi添加タイミングはとくに決めなかったときの
n数が6の結果である。試験番号3では、酸化物分散密
度が計算で得られた目標値に近く、ばらつきが少ない結
果が得られた。一方、比較例である試験番号4では、酸
化物分散密度はばらつきが大きく、かつ過剰の攪拌処理
および脱ガス処理により小さい結果となった。この結果
も各処理時間、添加時期を把握せずに繰り返し相互間で
これら条件が相違したためである。
取鍋攪拌のためのArガス流量Q=0.10Nm3/s、
取鍋攪拌時間を600秒、さらにRH脱ガス処理時間を
全600秒実施し、RH脱ガス処理開始300秒後にZ
rを[%Zr]=0.005%になるよう添加したとき
のn数が3の結果である。試験番号6は、とくに取鍋攪
拌時間、攪拌ガス量、RH脱ガス処理時間およびZr添
加タイミングは限定しなかったときのn数が4の結果で
ある。本発明例である試験番号5では、酸化物分散密度
が計算で得られた目標に近い結果が得られた。一方、比
較例である試験番号6では、酸化物分散密度はばらつき
が大きく、かつ過剰の攪拌処理および脱ガス処理により
小さな結果となった。
密度を高精度で制御することができなかったAl−Mn
系酸化物含有鋼を再現性良く安定に製造することが可能
となった。この結果、高能率溶接を行っても高いHAZ
靱性を確保できる鋼材を安価大量に供給できることとな
り、鉄鋼メーカーのみならず鋼材利用関連業界に有益な
効果を及ぼす。
鋼中[%Si]およびArガス攪拌処理時間の影響を示
す図である。
i]およびArガス攪拌処理時間の影響を示す図であ
る。
rガス流量およびArガス攪拌処理時間の影響を示す図
である。
比N/Noに及ぼす[%Si]およびRH真空脱ガス処理
時間の影響を示す図である。
比N/Noに及ぼすTi添加の影響を示す図である。
比N/Noに及ぼすZr添加の影響を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】取鍋内で、Si濃度およびMn濃度を調整
するとともに、造滓剤およびSiを添加しつつ酸素を吹
き付けることにより加熱して下記の範囲のCaO−S
iO2−Al2O3−MgO 系の組成のスラグを形成し、
かつ溶鋼の組成を下記の範囲に制御した後、溶鋼中の
Si濃度を0.05〜0.2重量%に再調整し、予め定
められた条件でガスバブリング処理および真空脱ガス処
理を施すことを特徴とするAl−Mn系酸化物を含む酸
化物分散鋼の製造法。 :CaO(重量%)/SiO2(重量%)=0.8〜
4 Al2O3:3〜40重量% MgO:5〜20重量% ただし、上記酸化物の重量%はスラグ中での濃度であ
る。 :溶鋼中のAl:0.0001〜0.003重量% 溶鋼中の全酸素:0.002〜0.01重量% - 【請求項2】上記請求項1の製造方法において真空脱ガ
ス処理中にTiもしくはZrまたはこれらを複合して添
加することを特徴とする酸化物分散鋼の製造方法。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16689597A JP3297699B2 (ja) | 1997-06-24 | 1997-06-24 | 酸化物分散鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16689597A JP3297699B2 (ja) | 1997-06-24 | 1997-06-24 | 酸化物分散鋼の製造方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1112640A true JPH1112640A (ja) | 1999-01-19 |
| JP3297699B2 JP3297699B2 (ja) | 2002-07-02 |
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| JP16689597A Expired - Fee Related JP3297699B2 (ja) | 1997-06-24 | 1997-06-24 | 酸化物分散鋼の製造方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3297699B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010189691A (ja) * | 2009-02-17 | 2010-09-02 | Kobe Steel Ltd | 高清浄アルミキルド鋼の製造方法 |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02194115A (ja) * | 1989-01-23 | 1990-07-31 | Nippon Steel Corp | チタン酸化物を含有する溶接部靭性の優れた低温用高張力鋼の製造法 |
| JPH06330146A (ja) * | 1993-05-25 | 1994-11-29 | Nippon Steel Corp | スラグの改質方法 |
| JPH0813024A (ja) * | 1994-06-23 | 1996-01-16 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 酸化物分散鋼の製造法 |
| JPH0892629A (ja) * | 1994-09-22 | 1996-04-09 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 酸化物分散鋼の製造法 |
-
1997
- 1997-06-24 JP JP16689597A patent/JP3297699B2/ja not_active Expired - Fee Related
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