JPH11131105A - 金属繊維焼結シートの製造方法 - Google Patents

金属繊維焼結シートの製造方法

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JPH11131105A
JPH11131105A JP9314645A JP31464597A JPH11131105A JP H11131105 A JPH11131105 A JP H11131105A JP 9314645 A JP9314645 A JP 9314645A JP 31464597 A JP31464597 A JP 31464597A JP H11131105 A JPH11131105 A JP H11131105A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、緻密な網状構造で、均一性を有
し、かつ薄葉から厚手のものまで任意の繊維径の金属繊
維からなる優れた金属繊維焼結シートが得られる製造方
法を提供するものである。 【構成】 金属繊維、分割繊維およびバインダーを少な
くとも含有する繊維のスラリーを湿式抄紙法によりシー
ト化して金属繊維配合シートを作製し、然るのち分割繊
維及びバインダーを熱分解して除去した後、金属繊維の
融点を越えない温度にて繊維間を焼結することを特徴と
する金属繊維焼結シートの製造方法である。 【効果】 従来は製造することができなかった10〜5
0μmの径を有する太径繊維からなる坪量200g/m
2以下の低坪量の金属繊維焼結シートを効率よく生産す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルター材料、耐
熱材料、導電材料等に使用される多孔性シートであっ
て、100%金属繊維で構成されている金属繊維焼結シ
ートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来100%の金属繊維シート状物とし
ては、金網、ウェブ、織布および焼結体等が知られてい
る。金網、ウェブ、織布は金属繊維の単繊維あるいは複
数繊維の長繊維を用いて、メッシュ状あるいは布状に編
組、紡織したもので、焼結体は粉末状又は短繊維状の金
属を散布し、これを真空中あるいは不活性ガス中で加
圧、加熱し融着させたものである。しかしながら、編組
あるいは紡織して製造した金網、ウェブ、織布において
は薄いシートが作れなく、孔径の小さなものができない
こと、また従来の製造方法にて製造した焼結体において
は生産性が悪く、厚薄のムラが大きいこと、低密度であ
るため導電材料として必ずしも好ましい特性を有してい
ないこと、長尺品を製造することができないこと、等の
問題があった。
【0003】このため本出願人は先に前記従来技術の問
題を解決するため特開昭61−223105号や特開平
7−138606号等において、金属繊維を70重量%
以上含有する湿式抄紙法によりシート化して得た金属繊
維高配合シートを、そのまま真空、又は水素や不活性ガ
ス雰囲気の下に金属繊維の融点を越えない温度にて繊維
間を焼結する金属繊維焼結シートの製造方法を提案し
た。しかしながら該製造方法から得られた金属繊維焼結
シートは、緻密な網状構造で均一性のあるシートが得ら
れにくく、特に金属繊維の繊維径が10μm以上の太径
繊維のものでは、繊維の十分な絡み合いが得られにくい
ため、抄紙機での製造において湿式の強度が得られず断
紙によるトラブルや均一性のあるシートが得られず、品
質上、生産上の問題を有するものであり、加えて坪量2
00g/m2以下の薄葉シートは全く生産できない状況
であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、緻密な網状構造で、均一性を有
し、かつ、薄葉から厚手のものまで任意の繊維径の金属
繊維からなる優れた金属繊維焼結シートが得られる製造
方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属繊維、分
割繊維およびバインダーを含有する繊維のスラリーを湿
式抄紙法によりシート化して金属繊維配合シートを作製
し、然るのち分割繊維及びバインダーを熱分解して除去
した後、金属繊維の融点を越えない温度にて繊維間を焼
結することを特徴とする金属繊維焼結シートの製造方法
である。以下に本発明の金属繊維焼結シートの製造方法
について詳述する。
【0006】本発明において、焼結前の金属繊維配合シ
ートの作製にあたっては湿式抄紙法を採用する。すなわ
ち金属繊維の配合率が好ましくは40重量%以上に調製
されたスラリーを湿式抄紙法により脱水プレスおよび加
熱乾燥して金属繊維高配合シートを作製する。この場
合、金属繊維の配合率が40重量%未満であると後の焼
結の際、金属繊維間の焼結融合が阻害されるおそれがあ
り、また、熱分解除去する成分が60%以上に多くなる
と生産性、コスト的にも好ましくない。本発明で使用す
る金属繊維としては、繊維径が1〜40μm、繊維長が
1〜20mmのステンレス、チタン、真ちゅう、銅、ア
ルミニウム等の繊維であり、これらの中でも細線加工が
可能、耐熱性、耐錆性等に優れていることからステンレ
ス繊維が本発明に好適に用いられる。
【0007】本発明で用いる分割繊維とは、1本の繊維
が繊維の長さ方向つまり縦に裂けて複数本の微細繊維に
なるもので、例えば2種類の異なったポリマー成分が交
互に放射状に配列した断面構造をした繊維であって、分
散機等により物理的な力を加えることにより1本の繊維
が例えば4分割乃至16分割されて、上記の2種類の異
なったポリマーの極細繊維となるものである。このよう
にある程度分散した状態で極細繊維に分割するため、予
め極細繊維を用いた場合には得られない金属繊維の優れ
た分散状態が達成されるものである。
【0008】このような分割繊維を構成するポリマーと
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン等
が挙げられ、本発明においてはこれらを適宜組み合わせ
た分割繊維を用いることができるが、中でも、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系を含む分割
繊維が好適であり、特にポリプロピレンとエチレンビニ
ルアルコール共重合体からなる分割繊維が、優れた分散
性が達成されると共に、湿式抄紙の際に湿紙強度の向上
が得られると共に、抄紙原料となるスラリーの調製に必
要とされる叩解を必要とすることない生産性のメリット
も有することから好ましく用いることができる。このよ
うな分割繊維の市販品としては、例えば、大和紡績社製
の商品名“セパ”が挙げられる。
【0009】また、バインダーとしては湿式抄紙の際の
乾燥工程でシート中において熱溶融する機能を有するも
のであれば適宜使用することができる。具体的には、ポ
リビニルアルコール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維等が挙げられるが、本発明においては、水へ
の分散性に優れ、金属繊維との混合性が良いこと、比較
的低い温度で熱溶融すること等からポリビニルアルコー
ル繊維が好ましく、特に、例えば(株)クラレ社製のク
ラレビニロンフィブリットVP(商品名)として知られ
ているような水中溶解温度40〜100℃の易溶解性ポ
リビニルアルコール繊維が好適に用いられる。
【0010】本発明においては、上記の如き金属繊維、
分割繊維及びバインダーを少なくとも含有する繊維のス
ラリーを調製して、湿式抄紙法により抄造、脱水及び加
熱乾燥することにより金属繊維配合シートを形成するも
のである。ここで、該スラリーにおける配合割合は、特
に限定されるものではないが金属繊維は前述のように4
0重量%以上、好ましくは70〜95重量%、特に好ま
しくは80〜90重量%であり、分割繊維は1〜20重
量%、好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは3〜
7重量%であり、バインダーは40重量%以下、好まし
くは20重量%以下、特に好ましくは5〜15重量%で
ある。なお、分割繊維の配合量が少な過ぎると湿紙強度
が不足して断紙等のトラブルを生じるだけでなく、良好
な金属繊維の分散性が得られずに地合いの悪い不均一な
シートとなり、逆に多過ぎると得られた金属繊維配合シ
ートの湿式抄紙法により得られる加熱乾燥後の強度が不
十分となり、繊維の脱離を生じやすくなり取扱い性等の
問題を生じるおそれがある。また、バインダーが少な過
ぎると上記と同様にか熱乾燥後のシートの強度が不十分
となり、逆に多すぎると焼結後の金属繊維シートの強度
が損われるおそれがあり好ましくない。
【0011】次にこのようにして得られた金属繊維配合
シートを、真空または低真空度の雰囲気ガス下で前記分
割繊維とバインダーを熱分解し除去する。金属繊維配合
シート中の分割繊維とバインダーを熱分解し除去するた
めには、例えば真空焼結炉を用いて行うことができる。
すなわち、真空焼結炉とは、密閉された容器中の空気を
ポンプで吸引して真空とすることができ、かつ容器の外
部より熱を加えることができる装置である。
【0012】このような真空焼結炉の内部に金属繊維配
合シートを設置し、内部の空気をポンプで吸引し真空度
10-2torr程度に高めた後、非金属繊維である分割
繊維とバインダーの分解開始温度よりも高い温度で1〜
6時間程度熱を加え、分割繊維及びバインダーを十分燃
焼し、熱分解させ金属繊維配合シートより除去する。こ
の場合は、真空下で金属繊維配合シートに熱を加えた
が、雰囲気ガス下で熱を加えてもよい。雰囲気ガスとし
ては、アルゴン等の不活性ガス、窒素ガスあるいは水素
ガス等が挙げられる。雰囲気ガス下で熱を加えて熱分解
除去する場合は、真空度は1〜400torr程度の低
真空度の雰囲気下でおこなうことが好ましく、該雰囲気
ガスは新旧のガスを入れ替えしながら対流させることが
好ましい。雰囲気ガスの対流量は10リットル/分以上
が好ましい。なぜならば、雰囲気ガス下で熱を加えると
該雰囲気ガスが熱の伝導体となり、金属繊維配合シート
中から分割繊維及びバインダーを分解しやすくなるから
である。また、雰囲気ガスを対流させることにより熱に
よって分解して金属繊維配合シートよりガス化した分割
繊維とバインダーが、雰囲気ガスと共に真空焼結炉外に
排気されるからである。
【0013】上記の熱分解のための加熱温度は、金属繊
維が高温度による脆性の発生する温度以下でなければな
らず、例えば、金属繊維にステンレスを使用した場合は
600℃以下が適正とされる。そして、分割繊維及びバ
インダーの組成に応じて適宜設定されるものであるが、
前記の分割繊維とバインダーの分解開始温度としては、
例えばポリビニルアルコールの場合は、250℃以上で
あることから、通常400℃〜500℃に加熱すること
が好ましい。400℃程度で金属繊維配合シートを加熱
するとポリビニルアルコールを形成する分子の主鎖が細
かく切断され低分子で分解し気化しやすくなる。
【0014】次に金属繊維の融点を越えない温度にて繊
維間を焼結する。焼結する工程は前記バインダーを分解
除去した真空焼結炉をそのまま使用してもよいし、水素
ガスによる連続焼結炉を用いて焼結させてもよい。その
際の焼結温度条件として金属繊維の融点近くの温度、例
えばステンレス繊維の場合は約1100℃を焼結温度に
設定し1〜2時間焼結する。この場合、焼結を真空ある
いは前記雰囲気ガス下でおこなうことが酸化防止のため
に好ましい。
【0015】本発明では、前記分割繊維とバインダーの
分解除去工程および焼結工程をおこなうことにより均一
で地合いが良好で、しかも十分に耐酸腐食性の優れた任
意の繊維径の金属繊維焼結シートが得られるが、さらに
耐酸腐食性を向上させるために前記焼結直後において、
冷却水あるいは冷却ガスにより急冷させることが好まし
い。前記焼結直後で熱された金属繊維焼結シートを冷却
水あるいは冷却ガスで急冷することによって、金属繊維
内部の組成が調整され、耐酸腐食性および軟化性が保持
される。金属繊維焼結シートを冷却水で冷却するには前
記真空焼結炉の容器の回りに冷却用の配管を施し冷却水
を多量に流水させることにより冷却することができる。
また、冷却ガスを使用する場合は、前記雰囲気ガスを多
量に真空焼結炉内に放出させ該雰囲気ガスを対流させる
ことにより冷却することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例および比較例をもって本発明を
さらに詳細に説明する。 実施例1 繊維径20μm、繊維長5mmのステンレス繊維(材
質:SUS316L、東京製綱社製 商品名:サスミッ
ク)85重量部、分割繊維(材質:ポリプロピレン/エ
チレンビニルアルコール共重合体、大和紡績社製 商品
名:セパDF−2)5重量部および水中溶解温度70℃
であるポリビニルアルコール繊維(クラレ社製 商品
名:フィブリボンドVPB105−1)10重量部から
なるスラリーを湿式抄紙法にて脱水プレス、加熱乾燥し
て坪量150g/m2 の金属繊維配合シートを得た。
【0017】次いで該シートを真空焼結炉でまず、アル
ゴンガス雰囲気下(真空度:100torr)で400
℃、2時間加熱して分割繊維とバインダーの分解除去を
おこない、ついでアルゴンガス雰囲気下(真空度:10
0torr)において10℃/分の速度で1120℃ま
で昇温して1120℃で1時間焼結処理をおこなった
後、冷却水を真空焼結炉の回りに流水させると共にアル
ゴンガスを5kgf/cm2 の条件で封入させ急冷し、
本発明の製造方法による金属繊維焼結シートを作製し
た。
【0018】実施例2 実施例1において、ステンレス繊維の配合量を90重量
部とし、ポリビニルアルコール繊維の配合量を5重量部
とした以外は、全く同様にして本発明の製造方法による
金属繊維焼結シートを作製した。
【0019】実施例3 実施例1で湿式抄紙法により作製した金属繊維配合シー
トを用いて、該シートを水素ガス雰囲気の連続焼結炉
(メッシュベルト付きろう付け炉)を用い、熱処理温
度:1120℃、ベルト速度0.15m/min、水素
ガス量4.5m3/hrで熱処理を行ない、本発明の製
造方法による金属繊維焼結シートを作製した。
【0020】比較例1 実施例1において分割繊維に代えてミクロフィブリル化
セルロース(ダイセル化学社製、商品名:セリッシュ)
を用いた以外は、全く同様にして比較用の金属繊維焼結
シートを得た。
【0021】比較例2 実施例1において分割繊維を用いずにステンレス繊維の
配合量を90重量部とした以外は、全く同様にして比較
用の金属繊維焼結シートを得た。
【0022】比較例3 実施例1においてポリビニルアルコール繊維を用いずに
分割繊維の配合量を15重量部とした以外は、全く同様
にして比較用の金属繊維焼結シートを得た。
【0023】上記の実施例1〜3及び比較例1〜3で得
られた金属繊維焼結シートについて、目視にて地合いを
観察し、シートの均一性の評価を行ったところ、実施例
のシートはいずれも均一性に優れたものであった。一
方、比較例1及び2のシートは均一性に劣るものであっ
た。また、実施例においてはいずれも全くトラブルなく
良好な生産性が得られたのに対して、比較例1及び2は
湿紙の強度が弱いために抄紙工程において紙切れが多発
して生産性に問題があり、実用に供することのできるも
のではなかった。また、比較例3においては抄紙工程で
得られた加熱乾燥後の金属繊維配合シートの強度が不十
分で、その後の焼結処理による分割繊維の熱分解工程に
おいて取扱性に問題を有するものであった。
【0024】
【発明の効果】本発明の金属繊維焼結シートの製造方法
は、抄紙工程で分割繊維を用いることにより、金属繊維
の分散性、均一性が優れた金属繊維焼結シートが得ら
れ、加えて、湿紙強度の良好なシートが形成されるた
め、従来は製造することができなかった金属繊維として
繊維径10〜50μmの太径繊維を用いた坪量200g
/m2以下の低坪量の金属繊維焼結シートを効率よく生
産できるという効果を有するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属繊維、分割繊維およびバインダーを
    少なくとも含有する繊維のスラリーを湿式抄紙法により
    シート化して金属繊維配合シートを作製し、然るのち分
    割繊維及びバインダーを熱分解して除去した後、金属繊
    維の融点を越えない温度にて繊維間を焼結することを特
    徴とする金属繊維焼結シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記分割繊維がポリプロピレンとエチレ
    ン−ビニルアルコール共重合体を構成するものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の金属繊維焼結シートの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記バインダーがポリビニルアルコール
    繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載の金属
    繊維焼結シートの製造方法。
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