JPH11137260A - 抗インフルエンザウイルス環状ダンベル型rna−dnaキメラ化合物及び抗インフルエンザウイルス剤 - Google Patents

抗インフルエンザウイルス環状ダンベル型rna−dnaキメラ化合物及び抗インフルエンザウイルス剤

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JPH11137260A
JPH11137260A JP9320342A JP32034297A JPH11137260A JP H11137260 A JPH11137260 A JP H11137260A JP 9320342 A JP9320342 A JP 9320342A JP 32034297 A JP32034297 A JP 32034297A JP H11137260 A JPH11137260 A JP H11137260A
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dna
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dumbbell
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JP9320342A
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Hiroshi Takaku
洋 高久
Kazuyuki Takai
和幸 高井
Hideshi Yamakawa
秀史 山川
Takayuki Abe
隆之 阿部
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SOYAKU GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
SOYAKU GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞毒性を有さず、タンパク質との相互作用
や細胞表面吸着阻害を引き起こすことがなく、しかも、
優れた核酸分解酵素耐性を有する環状ダンベル型RNA
−DNAキメラ化合物を提供する。 【解決手段】 (1)インフルエンザウイルスのPB1
遺伝子、PB2遺伝子、PA遺伝子、又はNP遺伝子の
翻訳開始コドンAUGを含有する標的領域の塩基配列に
対して相補的な塩基配列を含むDNA部分と、前記DN
A部分の前記塩基配列に対して相補的な塩基配列を含む
RNA部分とを含み、前記RNA部分と前記DNA部分
とが二重鎖を形成するステム部分、及び(2)前記ステ
ム部分の両端部にそれぞれ位置するヘアピンループ部分
2個を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗インフルエンザ
ウイルス環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物及
び抗インフルエンザウイルス剤に関する。
【0002】
【従来の技術】毎年のように冬になると流行するインフ
ルエンザウイルスは、上気道炎を急性症状とし、頭痛、
関節炎などを伴う全身性の症状を引き起こす。インフル
エンザウイルスは、オルソミクソウイルス科に属し、A
型、B型、及びC型の3型がある。インフルエンザウイ
ルスは、(−)鎖の一本鎖RNAウイルスで、A型及び
B型の遺伝子は8分節からなり、C型の遺伝子は7分節
からなる。インフルエンザウイルスのA型及びB型の遺
伝子は、8本のマイナス鎖一本鎖状RNA分節からな
り、インフルエンザウイルスのC型の遺伝子は、7本の
マイナス鎖一本鎖状RNA分節からなり、総塩基数は約
13500残基あまりで、それぞれの分節は、異なる遺
伝子情報を指令している。
【0003】インフルエンザウイルス粒子は、宿主細胞
に由来する脂質膜からなる直径80〜120nmのエン
ベロープに包まれており、このエンベロープは、その表
面に、それぞれ第4分節及び第6分節中の遺伝子に指令
されているヘマグルチニン(HA)及びノイラミニダー
ゼ(NA)のスパイクを有し、第7分節中の遺伝子に指
令されているマトリックス(M1)タンパク質によって
裏打ちされている。第7分節からは、mRNAのスプラ
イシングによってM2と呼ばれるタンパク質も産生さ
れ、そのM2が、粒子構造タンパク質として、HAの成
熟に必要なイオンチャンネルとして機能していると考え
られている。
【0004】インフルエンザウイルス粒子内部に存在す
るウイルスRNA(vRNA)は、RNA依存性RNA
ポリメラーゼ(第1分節、第2分節、及び第3分節中の
遺伝子にそれぞれ指令されているPB1サブユニットタ
ンパク質、PB2サブユニットタンパク質、及びPAサ
ブユニットタンパク質からなる)と、第5分節中の遺伝
子に指令されているヌクレオキャプシドタンパク質(N
P)と一緒になって複合体を形成しており、それ自身で
転写活性を触媒することができる。第8分節からは、感
染細胞にだけ見出される非粒子構成タンパク質であるN
S1と、mRNAのスプライシングによって生じ、感染
細胞のみならず粒子中にも存在することが知られるよう
になったNS2とが指令されている。
【0005】インフルエンザウイルスが感染すると、感
染細胞では、ウイルスゲノムのマイナス(−)鎖RNA
を鋳型として、2種類のプラス(+)鎖RNA、すなわ
ち、キャップ構造及びポリ(A)鎖を有するmRNA
と、ゲノムのマイナス(−)鎖RNAに完全相補的なc
RNAとが、合成される。子孫のウイルスゲノムvRN
Aは、合成された前記cRNAを鋳型として合成され
る。mRNAの合成の過程を「転写」と定義し、cRN
Aを経由してvRNAを合成する過程を「複製」と定義
している。
【0006】転写反応においては、はじめに、ウイルス
粒子に結合しているRNAポリメラーゼによって、宿主
細胞のmRNAから、5’キャップ構造を含む10〜1
3塩基の断片を切断して、これをプライマーとする。次
に、そのプライマーRNAの3’末端にグアニン塩基を
付加し、vRNAを鋳型としてmRNA合成を開始す
る。鋳型の5’端末から内側15〜22塩基の間に存在
するウラシル塩基が5〜7個連続する部分までvRNA
を転写し、その後、RNAの3’末端にポリ(A)を付
加して転写反応を終結させる。一方、複製反応にはRN
AポリメラーゼとNPが関与している。まず、(−)鎖
RNAは完全鎖長の(+)鎖RNAに転写される。この
後、(+)鎖RNAを鋳型として、(−)鎖のゲノムR
NAを複製する。
【0007】このように、インフルエンザウイルスの転
写及び複製には、3種類のRNAポリメラーゼ(PB
1、PB2、及びPA)と核タンパク質(NP)とが関
与しており、それぞれが1つのサブユニットとして機能
している。すなわち、PB2が宿主細胞のmRNAのキ
ャップ構造を認識して切断し、キャップとRNAとの初
期構造を形成させる。これを受けて、PB1はRNA転
写を始動させ、PAが伸長反応を行う。その際に、NP
は、NPタンパク質の特殊な構造領域鋳型のvRNAに
結合してプライマーに近い働きをし、RNA合成の完結
に作用する。このように、インフルエンザウイルスRN
Aポリメラーゼ(PB1、PB2、及びPA)及び核タ
ンパク質(NP)は、転写・複製に重要な作用を有する
と共に、不可欠な要素であることがわかる。
【0008】インフルエンザウイルスによる感染症の特
徴は、その流行が繰り返されるという点にあり、時に
は、世界的な規模での流行が起こることがある。この理
由は、頻繁に新型ウイルスが出現するためである。すな
わち、新型ウイルスでは通常、抗原性が異なるため、獲
得免疫による生体防御系が無力化されていることに起因
している。インフルエンザウイルスの塩基配列は、その
プロトタイプとしてのA/PR/8/34株cDNAの
クローン化に伴って、すべての塩基配列が1982年ま
でに決定されている。その後も、各種の新型インフルエ
ンザウイルスの遺伝子配列がデータベースに蓄積されて
おり、現在ではヒト免疫不全ウイルス(HIV)に次ぐ
報告例数となっている。
【0009】流行が起こるのは、A型又はB型のインフ
ルエンザであり、C型は、通常、流行しない。ヒトA型
インフルエンザには、H1N1型、H2N2型、及びH
3N2型の3亜型がある。流行には、パンデミー(世界
的大流行)と呼ばれるものと、エピデミー(流行)と呼
ばれるものとの2種類の流行がある。パンデミーは、抗
原性の不連続変異(シフト)による新型ウイルスが出現
した場合に起こる。抗原性のシフトは、それまで流行し
ていたヒトインフルエンザウイルスと、動物インフルエ
ンザウイルスとの間で遺伝子交雑が行なわれ、その結
果、動物ウイルスの抗原遺伝子を有する新型ウイルスが
出現することによって起こると考えられている。エピデ
ミーは、新型ウイルスが出現してパンデミーを起こした
後に、抗原性の連続変異(ドリフト)が起こった場合に
みられる。抗原性のドリフトは、抗原遺伝子における突
然変異の蓄積により、抗原タンパク質(HA又はNA)
の抗原性が著しく変化した場合に起こる。
【0010】このように抗原変異の著しいインフルエン
ザウイルスに対して、従来のインフルエンザウイルスワ
クチンによる対応では、常に後手に回る可能性がある。
すなわち、流行中のインフルエンザウイルスの型(例え
ば、H1N1型、H2N2型、又はH3N2型の亜型な
ど)とワクチンの型とが一致しなければ、全く意味がな
いからである。また、リバビリン又は塩酸リマンタジン
などの抗ウイルス剤(ウイルスを殺す薬剤)も存在する
が、これらの抗ウイルス剤の効果は、いずれも満足すべ
きものではなく、しかも、副作用の問題もある。
【0011】流行中のインフルエンザウイルスの変異遺
伝子配列は、近年急速に発達した遺伝子解析技術によ
り、容易に解析することができるようになった。また、
これらの遺伝子に相補的なアンチセンスDNAも、容易
に合成することができる。このアンチセンスDNAを用
いると、ウイルス遺伝子を直接攻撃することができる。
これがアンチセンス法である。アンチセンス法とは、m
RNAのある特定領域の塩基配列に相補的なDNA(ア
ンチセンスDNA)を作用させることにより、その領域
にコードされたタンパク質の合成を特異的に抑制し、細
胞内においてウイルス遺伝子だけを不活性化させる方法
である。
【0012】アンチセンスDNAの作用機序は、例え
ば、以下のように考えられている。まず、vRNAから
mRNAへの転写阻害がある。すなわち、DNAの2種
類と3種類を形成することによるRNAポリメラーゼ読
み取り阻害によるもの、あるいは、合成途中のmRNA
と、アンチセンスDNAとの結合により、mRNAの高
次構造が変化することによる阻害などが考えられる。次
に、前駆体mRNAから成熟mRNAへのプロセシング
の過程での阻害がある。すなわち、イントロン部分が切
り出され、エクソン部分が連結するスプライシングの段
階で、このイントロン部分とエクソン部分との境界部分
にアンチセンスDNAが結合してこの過程を阻害するこ
とが考えられる。また、翻訳阻害としては、mRNAの
翻訳開始領域にアンチセンスDNAが結合することによ
るリボソームとの複合体形成の阻害などが考えられる。
【0013】更に、リボヌクレアーゼHの作用を利用し
て、アンチセンス効果をより高めることができるものと
考えられている。リボヌクレアーゼHは、DNA/RN
Aの2重鎖に作用し、mRNAのみを特異的に切断する
作用を有する。従って、標的遺伝子となるmRNAとア
ンチセンスDNAとが結合すると、宿主のリボヌクレア
ーゼHの作用によって標的遺伝子であるmRNAのみが
切断され、それと同時に、アンチセンスDNAが遊離す
る。次に、このアンチセンスDNAは、別の標的mRN
Aと結合し、こうして形成されるDNA/RNAの2重
鎖に対しても、宿主のリボヌクレアーゼHが作用してm
RNAのみを切断する。DNA/RNAの2重鎖の形
成、及びRNAの切断は、連続的に起こるので、1分子
のアンチセンスDNAによって多分子のmRNAを切断
することができる。
【0014】このように、アンチセンス法に関して多く
の作用機序が可能性として考えられるが、アンチセンス
オリゴヌクレオチドを実際に細胞内(特に標的mRN
A)において作用機序どおりに作用させるためには、細
胞膜透過性に関する問題点と併せて、核酸分解酵素(ヌ
クレアーゼ)耐性に関する問題点、細胞毒性に関する問
題点、又は非特異的結合(例えば、タンパク質との相互
作用や細胞表面吸着阻害など)を引き起こす問題点など
を解決しなくてはならない。
【0015】アンチセンスオリゴヌクレオチドの核酸分
解酵素耐性を高める方法としては、ホスホジエステル結
合のリン酸部分を化学修飾する方法を挙げることができ
る。代表的のものは、リン酸基の酸素原子をメチル基で
置換したメチルホスホネート(M−オリゴマー)、ある
いは、リン酸基の酸素原子を硫黄原子で置換したホスホ
ロチオエート(S−オリゴマー)などがある。しかし、
メチルホスホネート型アンチセンスオリゴヌクレオチド
は、培地に溶けにくく、しかも、光学異性体が非常に多
くでき、その光学異性体の中には効果のないものも生じ
るため、アンチセンスオリゴヌクレオチドを高濃度で使
用しなくてはならないなどの問題点がある。
【0016】一方、ホスホロチオエート型アンチセンス
オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ耐性も高く、細胞
内での寿命も長い。また、S−オリゴマーとmRNAと
の2重鎖は、そのRNAを特異的に分解する酵素である
リボヌクレアーゼHの基質となるので、アンチセンス効
果をより高めることができるものと考えられる。しか
し、S−オリゴマーは、高濃度において高い毒性を示
し、更には、その特異性が低いことに起因して、非特異
的結合を引き起こす欠点がある。S−オリゴマーの前記
非特異的結合としては、例えば、細胞内における内在タ
ンパク質と結合したり、あるいは、細胞のレセプターと
の結合により、ウイルスの細胞への結合が阻害されたり
する現象を挙げることができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、従来技術
における前記の問題点を解消することを目的として、イ
ンフルエンザウイルス遺伝子における特定領域の塩基配
列を標的配列として選択し、その標的配列に対するアン
チセンスDNAの生体内への投与形態を種々検討した。
その結果、本発明者は、インフルエンザウイルス遺伝子
における特定領域の塩基配列を標的配列とする環状ダン
ベル型RNA−DNAキメラ化合物が、細胞毒性を有さ
ず、非特異的結合(例えば、タンパク質との相互作用や
細胞表面吸着阻害など)を引き起こすことがなく、しか
も、優れた核酸分解酵素耐性を有することを見出した。
本発明は、このような知見に基づくものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)インフ
ルエンザウイルスのPB1遺伝子、PB2遺伝子、PA
遺伝子、又はNP遺伝子の翻訳開始コドンAUGを含有
する標的領域の塩基配列に対して相補的な塩基配列を含
むDNA部分と、前記DNA部分の前記塩基配列に対し
て相補的な塩基配列を含むRNA部分とを含み、前記R
NA部分と前記DNA部分とが二重鎖を形成するステム
部分、及び(2)前記ステム部分の両端部にそれぞれ位
置するヘアピンループ部分2つを含むことを特徴とす
る、環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物に関す
る。
【0019】本明細書において、「インフルエンザウイ
ルス」とは、A型、B型、及びC型の各インフルエンザ
ウイルス、並びにそれらの変異体を含む。従って、例え
ば、インフルエンザウイルスのPB1遺伝子は、A型、
B型、及びC型の各インフルエンザウイルス、並びにそ
れらの変異株の各PB1遺伝子(プラス鎖)を意味し、
同様にインフルエンザウイルスのPB2遺伝子、PA遺
伝子、又はNP遺伝子は、それぞれ、A型、B型、及び
C型の各インフルエンザウイルス、並びにそれらの変異
株の各PB2遺伝子、PA遺伝子、又はNP遺伝子(プ
ラス鎖)を意味する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物
は、(1)インフルエンザウイルスのPB1遺伝子、P
B2遺伝子、PA遺伝子、又はNP遺伝子の翻訳開始コ
ドンAUGを含有する標的領域の塩基配列に対して相補
的な塩基配列を含むDNA部分(以下、アンチセンスD
NA部分と称することがある)と、前記DNA部分の前
記塩基配列に対して相補的な塩基配列を含むRNA部分
(以下、相補的RNA部分と称することがある)とを含
み、前記相補的RNA部分と前記アンチセンスDNA部
分とが二重鎖を形成するステム部分と、(2)前記ステ
ム部分の両端部にそれぞれ位置するヘアピンループ部分
2個とを含む、ダンベル形状の環状化合物である。前記
ステム部分が、ダンベルの棒部分に相当し、前記ヘアピ
ンループ部分のそれぞれが、ダンベルの両側のおもり部
分にそれぞれ相当する。
【0021】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物は、インフルエンザウイルスのPB1遺伝
子、PB2遺伝子、PA遺伝子、又はNP遺伝子の翻訳
開始コドンAUGを含有する領域を標的領域とする。前
記の標的領域は、翻訳開始コドンAUGを含有する限り
特に限定されず、前記翻訳開始コドンAUGの上流及び
/又は下流の領域を含むことができる。
【0022】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物においてステム部分を構成するアンチセンス
DNA部分は、前記標的領域の塩基配列に対して相補的
な塩基配列を含む。前記アンチセンスDNA部分には、
その標的領域と特異的に結合して二重鎖を形成すること
ができる限り、標的領域に相補的な塩基配列を連続して
含む必要はなく、非相補的塩基1又はそれ以上が、1又
はそれ以上の箇所で欠失、挿入、及び/又は置換されて
いてもよい。しかし、標的領域に相補的な塩基配列を連
続して含むことが好ましい。
【0023】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物においてステム部分を構成する相補的RNA
部分は、前記アンチセンスDNA部分の塩基配列に対し
て相補的な塩基配列を含む。前記相補的RNA部分に
は、前記アンチセンスDNA部分と特異的に結合して二
重鎖を形成することができる限り、前記アンチセンスD
NA部分に相補的な塩基配列を連続して含む必要はな
く、非相補的塩基1又はそれ以上が、1又はそれ以上の
箇所で欠失、挿入、及び/又は置換されていてもよい。
しかし、前記アンチセンスDNA部分に相補的な塩基配
列を連続して含むことが好ましい。この相補的RNA部
分の塩基配列は、アンチセンスDNA部分の塩基配列に
対して相補的な配列となるので、その結果として、標的
配列のRNA配列と同一のセンス配列となるか、あるい
は、標的配列のRNA配列において、1又はそれ以上の
箇所で非相補的塩基1又はそれ以上が欠失、挿入、及び
/又は置換された塩基配列となる。
【0024】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物におけるステム部分に用いることのできるオ
リゴヌクレオチド残基は、天然型のヌクレオチドからな
ることが必要である。また、本発明の環状ダンベル型R
NA−DNAキメラ化合物におけるステム部分に用いる
ことのできるオリゴヌクレオチド残基において、各ヌク
レオシド間のインターヌクレオシド結合は、それぞれ独
立にリン酸ジエステル結合であることが必要である。
【0025】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物の塩基数は、前記アンチセンスDNA部分の
塩基数が、前記の標的領域に特異的にハイブリダイズ可
能な塩基数以上である限り、特に限定されるものではな
いが、本発明による環状ダンベル型RNA−DNAキメ
ラ化合物が、細胞膜や核膜を透過することができる塩基
数以下であることが好ましい。前記の標的領域に特異的
にハイブリダイズ可能なステム部分のアンチセンスDN
A部分の塩基数は、好ましくは15塩基以上、より好ま
しくは20塩基以上である。また、本発明の環状ダンベ
ル型RNA−DNAキメラ化合物の膜透過性を保証する
ためには、前記ステム部分のアンチセンスDNA部分の
塩基数が、好ましくは30塩基以下、より好ましくは2
8塩基以下である。また、ステム部分の相補的RNA部
分の塩基数は、アンチセンスDNA部分と二重鎖を形成
する必要があるので、アンチセンスDNA部分の塩基数
と一致することが必要である。従って、本発明の環状ダ
ンベル型RNA−DNAキメラ化合物におけるアンチセ
ンスDNA部分の塩基数及び相補的RNA部分の塩基数
は、それぞれ、好ましくは15〜30塩基、より好まし
くは20〜28塩基からなる。
【0026】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物におけるアンチセンスDNA部分及び相補的
RNA部分の具体的な塩基配列は、標的とするインフル
エンザウイルスの型に応じて適宜決定することができ
る。例えば、インフルエンザウイルスA型の或る変異株
を標的とする場合には、最初に、その変異株のPB1遺
伝子、PB2遺伝子、PA遺伝子、及び/又はNP遺伝
子の翻訳開始コドンAUGを含有する領域の塩基配列を
解析する。続いて、安定な二重鎖形成の観点から標的配
列領域と塩基数とを決定し、公知の方法で環状ダンベル
型RNA−DNAキメラ化合物を合成することができ
る。
【0027】本発明による環状ダンベル型RNA−DN
Aキメラ化合物における標的領域としては、例えば、イ
ンフルエンザウイルスA/PR/8/34のPB1遺伝
子[G.Winter and S.Fields,N
ucleic AcidsRes.,10,2135
(1982)]、PB2遺伝子[G.Winteran
d S.Fields,Cell,28,203(19
82)]、PA遺伝子[G.Winter and
S.Fields,Nucleic Acids Re
s.,10,2135(1982)]、及び/又はNP
遺伝子[G.Winter and S.Field
s,Viology,114,423(1981)]の
翻訳開始コドンAUGを含有する領域を挙げることがで
きる。この標的領域は、特にインフルエンザウイルスA
型に対して有効であるが、インフルエンザウイルスB型
又はインフルエンザウイルスC型に対しても有効であ
る。
【0028】PB1遺伝子の翻訳開始コドンAUGを含
有する領域の塩基配列としては、例えば、配列表の配列
番号9の配列で表される塩基配列を挙げることができ
る。本発明による環状ダンベル型RNA−DNAキメラ
化合物におけるアンチセンスDNA部分としては、配列
表の配列番号9の配列で表される塩基配列に相補的な塩
基配列の内の少なくとも15塩基(好ましくは15〜2
0塩基)を含有し、全体として15〜30塩基からなる
オリゴヌクレオチドを挙げることができる。
【0029】また、PB2遺伝子の翻訳開始コドンAU
Gを含有する領域の塩基配列としては、例えば、配列表
の配列番号10の配列で表される塩基配列を挙げること
ができ、本発明による環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物におけるアンチセンスDNA部分としては、
配列表の配列番号10の配列で表される塩基配列に相補
的な塩基配列の内の少なくとも15塩基(好ましくは1
5〜20塩基)を含有し、全体として15〜30塩基か
らなるオリゴヌクレオチドを挙げることができる。
【0030】また、PA遺伝子の翻訳開始コドンAUG
を含有する領域の塩基配列としては、例えば、配列表の
配列番号11の配列で表される塩基配列を挙げることが
でき、本発明による環状ダンベル型RNA−DNAキメ
ラ化合物におけるアンチセンスDNA部分としては、配
列表の配列番号11の配列で表される塩基配列に相補的
な塩基配列の内の少なくとも15塩基(好ましくは15
〜20塩基)を含有し、全体として15〜30塩基から
なるオリゴヌクレオチドを挙げることができる。
【0031】更に、NP遺伝子の翻訳開始コドンAUG
を含有する領域の塩基配列としては、例えば、配列表の
配列番号12の配列で表される塩基配列を挙げることが
でき、本発明による環状ダンベル型RNA−DNAキメ
ラ化合物におけるアンチセンスDNA部分としては、配
列表の配列番号12の配列で表される塩基配列に相補的
な塩基配列の内の少なくとも15塩基(好ましくは15
〜20塩基)を含有し、全体として15〜30塩基から
なるオリゴヌクレオチドを挙げることができる。
【0032】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物におけるヘアピンループ部分は、ステム部分
と一緒になって、ダンベル型の環状構造を形成すること
のできるものであれば特に限定されるものではなく、例
えば、オリゴヌクレオチド残基、又は式: −(−CH2 −CH2 −O−)n − (式中、nは1〜6の整数である)で表されるエチレン
グリコール化合物残基などを挙げることができる。
【0033】本発明による環状ダンベル型RNA−DN
Aキメラ化合物におけるヘアピンループ部分が、オリゴ
ヌクレオチド残基からなる場合には、それを構成する塩
基の種類、塩基配列、及び/又は塩基数は、アンチセン
スDNA部分と相補的RNA部分とを含むステム部分の
塩基配列に応じて適宜決定することができる。ヘアピン
ループ部分に用いることのできるオリゴヌクレオチド残
基としては、DNA又はRNAとの二重鎖を形成するお
それがあるので、1種類の塩基からなるオリゴヌクレオ
チド残基からなることが好ましい。更には、プリン環よ
りもピリミジン環の方が良い点で、オリゴシトシン残基
であることが特に好ましい。ヘアピンループ部分に用い
ることのできるオリゴヌクレオチド残基を構成する塩基
の数は、好ましくは3〜7塩基であり、5塩基が最適で
ある。
【0034】ヘアピンループ部分に用いることのできる
オリゴヌクレオチド残基は、例えば、デオキシヌクレオ
シド、リボヌクレオシド、及び/又はそれらの修飾リボ
ヌクレオシド、例えば、2’−O−修飾リボヌクレオシ
ドから形成することができ、耐分解酵素性を有する点で
好ましい。また、ヘアピンループ部分に用いることので
きるオリゴヌクレオチド残基において、各ヌクレオシド
間のインターヌクレオシド結合は、それぞれ独立にリン
酸ジエステル結合、又は修飾リン酸ジエステル結合であ
ることができる。修飾リン酸ジエステル結合としては、
毒性を有さない修飾リン酸ジエステル結合が好ましく、
例えば、リン酸ジエステル結合の非架橋酸素原子2個の
うちの酸素原子1個をメチル基に置換したメチルホスホ
ネート型結合(Me−P結合)、又はリン酸ジエステル
結合の非架橋酸素原子2個のうちの酸素原子1個をアミ
ノ酸若しくは置換アミノ酸基に置換したホスホロアミデ
ート型結合などを挙げることができ、それらの1種又は
それ以上を、ヌクレオシド間の結合の1箇所又はそれ以
上の箇所に導入することができる。
【0035】本発明による環状ダンベル型RNA−DN
Aキメラ化合物におけるヘアピンループ部分が、式: −(−CH2 −CH2 −O−)n − (式中、nは1〜6の整数である)で表されるエチレン
グリコール化合物残基からなる場合には、その長さ、す
なわち、前記式におけるnの値は、アンチセンスDNA
部分と相補的RNA部分とを含むステム部分の塩基配列
に応じて適宜決定することができ、好ましくは1〜6の
整数であり、より好ましくは3〜6の整数である。
【0036】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物における好適化合物としては、例えば、イン
フルエンザウイルスA/PR/8/34のPB1遺伝子
の翻訳開始コドンAUGを含有する20塩基からなる領
域を標的配列とする、配列表の配列番号1の配列で表さ
れる塩基配列からなる環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物;インフルエンザウイルスA/PR/8/3
4のPB2遺伝子の翻訳開始コドンAUGを含有する2
0塩基からなる領域を標的配列とする、配列表の配列番
号3の配列で表される塩基配列からなる環状ダンベル型
RNA−DNAキメラ化合物;インフルエンザウイルス
A/PR/8/34のPA遺伝子の翻訳開始コドンAU
Gを含有する20塩基からなる領域を標的配列とする、
配列表の配列番号5の配列で表される塩基配列からなる
環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物;インフル
エンザウイルスA/PR/8/34のNP遺伝子の翻訳
開始コドンAUGを含有する20塩基からなる領域を標
的配列とする、配列表の配列番号7の配列で表される塩
基配列からなる環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化
合物などを挙げることができる。これら4種類の本発明
による環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物は、
特にインフルエンザウイルスA型に対して有効である
が、インフルエンザウイルスB型又はインフルエンザウ
イルスC型に対しても有効である。
【0037】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物は、公知の方法で合成することができる。ヘ
アピンループ部分がオリゴヌクレオチド残基からなる場
合には、例えば、まず、DNA/RNA自動合成機を用
いて、目的とする或る環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラオリゴヌクレオチドの或る塩基から順に、線状にオ
リゴヌクレオチドを合成していくと、合成過程で、ステ
ム部分及びヘアピンループ部分がその場で次々に形成さ
れ、最後の塩基を結合させた時点で、目的とする環状ダ
ンベル型RNA−DNAキメラオリゴヌクレオチドの或
る1箇所(最初の塩基と最後の塩基との間)が結合され
ていないニックダンベル型RNA−DNAキメラオリゴ
ヌクレオチドが得られる。続いて、得られたニックダン
ベル型オリゴヌクレオチドの5’末端を、リン酸化剤
(Chemical phosphorylation
reagent)を用いてリン酸化した後に、T4D
NAリガーゼでライゲーションさせることによって、環
状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物を調製するこ
とができる。
【0038】また、ヘアピンループ部分が、式: −(−CH2 −CH2 −O−)n − (式中、nは1〜6の整数である)で表されるエチレン
グリコール化合物残基からなる場合には、ヘアピンルー
プ部分の塩基に代えて、エチレングリコール化合物残基
を用いること以外は、前記と同様の操作によって目的と
する環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物を調製
することができる。
【0039】本発明による環状ダンベル型RNA−DN
Aキメラ化合物の膜透過性を向上させるために、種々の
公知の方法を利用することもできる。公知の方法として
は、例えば、リポソームに包埋する方法[M.Mozu
no et al.,Cancer Res.,50,
7826(1991)]、コレステロールをオリゴマー
の末端に導入する方法[B.Oberhauer an
d E. Wagner,Nucleic Acids
Res.,20,533(1993)]、トランスフ
ェリン−ポリ−L−リジン複合体[G.Citro,P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,89,
7031(1992)]と非共有的に結合させ、それぞ
れガラクトースレセプターを発現する肝細胞や、トラン
スフェリンレセプターを発現する癌細胞に、特異的にオ
リゴマーを取り込ませる方法、あるいは、カチオン性の
脂質(例えば、リポフェクチン)をオリゴマーと相互作
用させ、標的細胞に加えることにより、細胞内への取り
組み、更には核内への移行を増大させ、アンチセンス効
果を強める方法[M.Chiany et al.,
J.Biol.Chem.,266,18162(19
91)]などを挙げることができる。
【0040】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物の抗ウイルス効果は、例えば、プラスミドp
OUMS101[Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,88,5369(1991)]及びマウス
乳癌細胞株C127のクローン細胞(以下、76細胞と
称する)[Y.Nakamura,K.Oda and
S.Nakada,J.Biochem,110,3
95(1991)]を用い、前記の76細胞内のクロラ
ムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(以下、C
ATと称する)発現量によって確認することができる。
【0041】前記のプラスミドpOUMS101は、イ
ンフルエンザウイルスPR8株の第8分節のタンパク質
コード領域をCAT遺伝子で置き換えたDNA断片(前
記第8分節のタンパク質コード領域の5’上流領域の1
3塩基対からなる塩基配列及び前記第8分節のタンパク
質コード領域の3’下流領域の12塩基対からなる塩基
配列を含む)を、ファージT7RNAポリメラーゼプロ
モーターの下流に挿入することにより作成したプラスミ
ドである。また、76細胞は、ステロイドホルモンであ
るデキサメサゾンの添加によって、インフルエンザウイ
ルスA型(A/PR/8/34)のRNAポリメラーゼ
(PB1、PB2、及びPA)並びにNPタンパク質の
発現が誘発される細胞である。
【0042】具体的には、プラスミドpOUMS101
を鋳型として、T7RNAポリメラーゼにより、CAT
遺伝子を含むネガティブ鎖RNA(以下、vRNAと称
することがある)をイン・ビトロで合成する。これとは
別に、デキサメサゾンを添加することによりPB1、P
B2、PA、及びNPタンパク質の発現を誘導した76
細胞に、検査対象の環状ダンベル型RNA−DNAキメ
ラ化合物を加え、そのオリゴヌクレオチドが細胞内に取
り込まれたところで、先に合成したvRNAを76細胞
に加え、細胞内に取り込ませる。被検環状ダンベル型R
NA−DNAキメラ化合物が、76細胞内でPB1遺伝
子、PB2遺伝子、PA遺伝子、又はNP遺伝子のmR
NAと結合しない場合には、それぞれのRNAポリメラ
ーゼ(すなわち、PB1、PB2、及びPA)並びにN
Pタンパク質によって、vRNAが複製され、CATが
発現する。一方、被検環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物が、76細胞内でPB1遺伝子、PB2遺伝
子、PA遺伝子、又はNP遺伝子のmRNAと結合する
場合には、それぞれのRNAポリメラーゼ(すなわち、
PB1、PB2、及びPA)、そしてNPタンパク質の
産生が制御され、その結果、vRNAの複製が抑制され
るので、CATの発現量も抑制される。従って、76細
胞内のCAT発現量を測定することによって、被検対象
の環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物による抗
ウイルス効果を評価することができる。
【0043】本発明の抗インフルエンザウイルス剤は、
本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物を
有効成分として含有する。本発明の抗インフルエンザウ
イルス剤は、経口、非経口又は局所的な経路のいずれか
により投与することができる。投与量は、治療対象動物
(哺乳類、特にはヒト)の種及びその薬剤に対する個体
の応答性、並びに選択される製剤の剤形及び投与時間や
間隔などに依存して変化するが、一般には、前記環状ダ
ンベル型RNA−DNAキメラ化合物約500mgから
約5000mg/日の範囲の用量で投与することができ
る。本発明の抗インフルエンザウイルス剤は、前記の環
状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物以外に、場合
により医薬的に許容することのできる公知の担体若しく
は希釈剤との組合せで、経口、非経口又は局所的な経路
のいずれかにより、単回又は複数回で投与することがで
きる。本発明の抗インフルエンザウイルス剤は、種々の
異なる剤形、例えば、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、
トローチ剤、ハードキャンディー、粉末剤、スプレー
剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤、ゼリー剤、ゲル剤、ペ
ースト剤、ローション剤、軟膏剤、水性懸濁剤、注射用
溶液剤、エリキシル剤、又はシロップ剤などにすること
ができる。
【0044】
【作用】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキメラ
化合物によるアンチセンス効果は、以下の推論に限定さ
れるものではないが、前記環状ダンベル型RNA−DN
Aキメラ化合物がリボヌクレアーゼHの基質となること
から、以下に示す作用によってもたらされるものと考え
られる。すなわち、図1に示すように、本発明の環状ダ
ンベル型RNA−DNAキメラ化合物が宿主細胞内に効
率よく取り込まれると、細胞内に存在するリボヌクレア
ーゼHによって相補的RNA部分が切断及び分解される
ので、2つのヘアピンループ部分とアンチセンスDNA
部分とからなる一本鎖オリゴヌクレオチドが細胞内に遊
離する。遊離した一本鎖オリゴヌクレオチドは、そのア
ンチセンスDNA部分が、例えば、複製された(+)鎖
cRNAに結合することで、cRNAを鋳型として子ウ
イルスRNAの合成を防止することができると考えられ
る。また、(−)鎖vRNAから転写されたmRNA
が、宿主細胞の核から細胞質に放出された場合にも、そ
のmRNAに、細胞内に遊離したアンチセンスDNA部
分を含む一本鎖オリゴヌクレオチドが結合し、タンパク
質への翻訳をブロックするものと考えられる。
【0045】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物は、そのステム部分を構成するアンチセンス
DNA部分及び相補的RNA部分が、非修飾型の天然型
オリゴヌクレオチドであることから、S−オリゴマーで
問題となったタンパク質との相互作用、又は細胞表面吸
着阻害を引き起こすことがない。また、本発明の環状ダ
ンベル型RNA−DNAキメラ化合物は、二重鎖からな
るステム部分を有し、しかも全体が完全に環状型の構造
を有しているので、核酸分解酵素耐性が高く、リボヌク
レアーゼHが作用するまでは、宿主細胞内でも安定に存
在することができるものと考えられる。更には、リボヌ
クレアーゼHの作用により相補的RNA部分が切除され
て、はじめて、アンチセンスDNA部分を含む一本鎖オ
リゴヌクレオチドが細胞内に遊離されるので、細胞内で
アンチセンス効果を発揮する前に分解される可能性のあ
った従来公知の天然型非環状のアンチセンスオリゴヌク
レオチドに比べて、投与量当たりのアンチセンス効果が
高くなるものと考えられる。
【0046】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【実施例1】本実施例では、以下の実施例で使用する、
本発明による環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合
物を設計した。はじめに、標的領域として、PB2遺伝
子、PB1遺伝子、PA遺伝子、及びNP遺伝子の翻訳
開始コドンAUGを含む領域を選択した。PB2遺伝子
の翻訳開始領域及びその周辺領域の塩基配列(第1番目
〜第50番目の塩基配列;配列表の配列番号14の配列
で表される塩基配列)を図2に、PB1遺伝子の翻訳開
始領域及びその周辺領域の塩基配列(第1番目〜第49
番目の塩基配列;配列表の配列番号13の配列で表され
る塩基配列)を図3に、PA遺伝子の翻訳開始領域及び
その周辺領域の塩基配列(第1番目〜第54番目の塩基
配列;配列表の配列番号15の配列で表される塩基配
列)を図4に、NP遺伝子の翻訳開始領域及びその周辺
領域の塩基配列(第1番目〜第70番目の塩基配列;配
列表の配列番号16の配列で表される塩基配列)を図5
に示す。
【0047】具体的には、PB2遺伝子の標的領域とし
て、図2に下線で示す第18番目〜第37番目の塩基配
列(配列表の配列番号10の配列で表される塩基配列)
を選択した。PB1遺伝子の標的領域として、図3に下
線で示す第15番目〜第34番目の塩基配列(配列表の
配列番号9の配列で表される塩基配列)を選択した。P
A遺伝子の標的領域として、図4に下線で示す第15番
目〜第34番目の塩基配列(配列表の配列番号11の配
列で表される塩基配列)を選択した。そして、NP遺伝
子の標的領域として、図5に下線で示す第36番目〜第
55番目の塩基配列(配列表の配列番号12の配列で表
される塩基配列)を選択した。なお、図2〜図5におい
て、AUGの上の***は、そのAUGが翻訳開始コド
ンであることを示す。
【0048】ヘアピンループ部分としては、各標的領域
であるPB1遺伝子、PB2遺伝子、PA遺伝子、及び
NP遺伝子に関しては、それぞれ、シトシン5塩基から
なるオリゴシトシン残基を選択し、更に、標的領域であ
るPB2遺伝子に関しては、式: −(−CH2 −CH2 −O−)6 − で表されるヘキサエチレングリコール残基も選択した。
こうして設計した本発明の環状ダンベル型RNA−DN
Aキメラ化合物5種類(以下、CPB2−AUG−a
s、CPB1−AUG−as、CPA−AUG−as、
CNP−AUG−as、及びCPB2−AUG−as
H.E.Gと称する)の内、ヘアピンループ部分がオリ
ゴシトシン残基である環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物4種類(CPB2−AUG−as、CPB1
−AUG−as、CPA−AUG−as、及びCNP−
AUG−as)を図6に示し、ヘアピンループ部分がヘ
キサエチレングリコール残基である環状ダンベル型RN
A−DNAキメラ化合物CPB2−AUG−asH.
E.Gを図7に示す。
【0049】PB2遺伝子を標的領域とする環状ダンベ
ル型RNA−DNAキメラ化合物CPB2−AUG−a
sは、配列表の配列番号3の配列で表される塩基配列か
らなり;PB1遺伝子を標的領域とする環状ダンベル型
RNA−DNAキメラ化合物CPB1−AUG−as
は、配列表の配列番号1の配列で表される塩基配列から
なり;PA遺伝子を標的領域とする環状ダンベル型RN
A−DNAキメラ化合物CPA−AUG−asは、配列
表の配列番号5の配列で表される塩基配列からなり;そ
して、NP遺伝子を標的領域とする環状ダンベル型RN
A−DNAキメラ化合物CNP−AUG−asは、配列
表の配列番号7の配列で表される塩基配列からなる。
【0050】図6の「略号」の欄に示す記号の意味は次
のとおりである。先頭の「C」は、環状(circul
ar)であることを意味し、「AUG」は、標的領域の
塩基配列がウイルス遺伝子の翻訳開始コドンAUGを含
むことを意味する。「as」は、環状ダンベル型RNA
−DNAキメラ化合物におけるDNA部分の塩基配列
が、設計対象としたウイルス遺伝子の配列に対するアン
チセンス配列であることを意味する。図6の「配列」の
欄に示す各塩基配列中の「A」及び「a」、「G」及び
「g」、「C」及び「c」、「T」、並びに「u」は、
それぞれ、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、並
びにウラシルを表す。「配列」の欄において、アルファ
ベット大文字で示す塩基配列は、その塩基配列を有する
オリゴヌクレオチドがDNAであることを意味し、アル
ファベット小文字で示す塩基配列は、その塩基配列を有
するオリゴヌクレオチドがRNAであることを意味す
る。図6に示す「標的領域」の欄に示す数字は、図2〜
図5に示すウイルス遺伝子内における標的領域の位置を
示す塩基番号である。
【0051】図7に示す塩基配列中の「A」及び
「a」、「G」及び「g」、「C」及び「c」、
「T」、並びに「u」は、それぞれ、アデニン、グアニ
ン、シトシン、チミン、並びにウラシルを表す。また、
図7において、アルファベット大文字で示す塩基配列
は、その塩基配列を有するオリゴヌクレオチドがDNA
であることを意味し、アルファベット小文字で示す塩基
配列は、その塩基配列を有するオリゴヌクレオチドがR
NAであることを意味する。
【0052】PB1遺伝子、PB2遺伝子、PA遺伝
子、及びNP遺伝子に関して、比較用化合物である環状
ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物5種類(CPB
2−AUG−ran、CPB1−AUG−ran、CP
A−AUG−ran、CNP−AUG−ran、及びC
PB2−AUG−ranH.E.G)を設計した。これ
らの比較用キメラ化合物のステム部分を構成するDNA
部分は、前記の標的領域(設計対象)の塩基配列を構成
する各塩基(A、G、C、及びT又はU)の塩基数で一
致するが、インフルエンザウイルスの全遺伝子のどの部
分とも二重鎖を形成しないように設計した塩基配列、す
なわち、「ランダムな配列」からなる。比較用化合物で
ある環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物の略号
中の記号「ran」は、環状ダンベル型RNA−DNA
キメラ化合物におけるDNA部分の塩基配列が、標的領
域(設計対象)としたウイルス遺伝子の配列に対してラ
ンダムな配列であることを意味する。
【0053】環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合
物CPB2−AUG−ranは、配列表の配列番号4の
配列で表される塩基配列からなり;環状ダンベル型RN
A−DNAキメラ化合物CPB1−AUG−ranは、
配列表の配列番号2の配列で表される塩基配列からな
り;環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物CPA
−AUG−ranは、配列表の配列番号6の配列で表さ
れる塩基配列からなり;そして、環状ダンベル型RNA
−DNAキメラ化合物CNP−AUG−ranは、配列
表の配列番号8の配列で表される塩基配列からなる。環
状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物CPB2−A
UG−ranH.E.Gは、環状ダンベル型RNA−D
NAキメラ化合物CPB2−AUG−ranのヘアピン
ループ部分を形成するシトシン5塩基からなるオリゴシ
トシン残基2個を、ヘキサエチレングリコール残基2個
にそれぞれ置換した化合物である。
【0054】
【実施例2】本実施例では、前記実施例1で設計した、
本発明による環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合
物、及び比較用化合物である環状ダンベル型RNA−D
NAキメラ化合物を調製した。
【0055】(1)ヘアピンループ部分がオリゴヌクレ
オチドからなる環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化
合物の調製 実施例1で設計した塩基配列からなり、しかも、相補的
RNA部分の中央部付近にニックを形成させたニックダ
ンベル型RNA−DNAキメラオリゴヌクレオチドを、
DNA/RNA自動合成機(モデル392;アプライド
バイオシステムズ社)により、未修飾(ノーマル)DN
A用プログラムを用いて合成した。DNA/RNA自動
合成機によるRNA−DNAキメラオリゴヌクレオチド
の合成が終了した後に、RNAを処理する必要があるた
め、アンモニア水/エタノール混合溶液(28%アンモ
ニア水:エタノール=3:1)を用いて、固相担体のコ
ントロールポアグラス(CPG)からRNA−DNAキ
メラオリゴヌクレオチドを切り出した。
【0056】RNA−DNAキメラオリゴヌクレオチド
を含有する前記のアンモニア水/エタノール混合溶液を
室温で1時間処理した後に、この溶液を55℃で約12
時間処理することにより、塩基部及びリン酸部の脱保護
を行った。続いて、減圧濃縮を実施した後に、テトラブ
チルアンモニウムフルオライド(TBAF)を用いて、
室温で24時間処理することによって、RNA−DNA
キメラオリゴヌクレオチドにおけるRNAの2’−水酸
基の保護基であるtert−ブチルジメチルシリル基
(t−BDMS)基の脱保護を行った。その後、2Mテ
トラエチルアンモニウム(TEAA)溶液において反応
溶液を中和し、オリゴパックカラム(OPC;Mill
iGen社製)を用いて脱塩及び精製を行った。
【0057】脱保護の終了した50塩基のRNA−DN
Aキメラオリゴヌクレオチドを10%ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法により、以下に示す手順に従って精製
した。すなわち、尿素8.4g、40%アクリルアミド
溶液(アクリルアミド180gとN,N’−メチレン−
ビス−アクリルアミド120gとを滅菌水に溶かし、全
量を1リットルとすることにより調製した)5ml、及
び10×THA緩衝液[組成:トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン]2mlを攪拌して溶解させた後に、
滅菌水を加えて全量を20mlとし、続いて、過硫酸ア
ンモニウム(POA)0.02gを加え、溶解させた後
に、N,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン(T
EMED)10μlを加え、すぐにゲル板に流し込み、
固化させることによって、10%ポリアクリルアミドゲ
ルを調製した。
【0058】ゲルが固化した後に、ゲル板を電気泳動装
置にセットし、1×TBE緩衝液をバッファー槽に満た
し、脱保護の終了した50塩基のRNA−DNAキメラ
オリゴヌクレオチド水溶液をチャージして、15mAで
6時間電気泳動を行った。電気泳動が終了した後に、バ
ンドの箇所を紫外線(UV)で確認し、ゲルカッターで
切り出した後、マイクロチューブミキサーにかけ、ゲル
からオリゴマーを溶出させた。その溶出液をろ過滅菌フ
ィルターに通した後に、凍結乾燥をし、滅菌水2mlに
溶かして分子ふるいカラム(セントリコン)を用いて脱
塩、精製を行った。
【0059】得られた精製オリゴヌクレオチドを、7M
尿素含有ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、泳動
終了後に、エチジウムブロマイド染色を実施した。得ら
れたオリゴヌクレオチドのいずれにおいても1本のバン
ドを示し、ニックダンベル型RNA−DNAキメラオリ
ゴヌクレオチド(すなわち、実施例1で設計した塩基配
列からなり、しかも、相補的RNA部分の中央部付近に
ニックを形成させたRNA−DNAキメラオリゴヌクレ
オチド)が得られたことを確認した。こうして得られた
ニックダンベル型RNA−DNAキメラオリゴヌクレオ
チドを、後述する実施例3(3)で使用した。
【0060】一方、5’−末端にリン酸基を有するRN
A−DNAキメラオリゴヌクレオチドの合成は、前記の
ように、DNA/RNA自動合成機によりRNA−DN
Aキメラオリゴヌクレオチドの合成が終了した後に、R
NA−DNAキメラオリゴヌクレオチドの5’末端を保
護しているジメトキシトリチル基を1%トリクロロ酢酸
処理により除去した。続いて、5’末端に水酸基を有す
るRNA−DNAキメラオリゴヌクレオチドを担持する
CPGを、5’−ホスフェート−ON試薬(Chem
genes社)を用いて処理した後、ニックダンベル型
RNA−DNAキメラオリゴヌクレオチドの前記脱保護
及び分離手法を用いて精製した。
【0061】5’末端がリン酸化されたニックダンベル
型RNA−DNAキメラオリゴヌクレオチド[波長26
0nmにおける光学密度(O.D.260 )=0.2]に
10×リガーゼ緩衝液(50mMトリス−HCl及び1
0mM塩化マグネシウム)10μlを加え、全量を10
0μlに合わせた後に、90℃で10分間アニーリング
を実施した。更に、1Mジチオトレイトール(DTT)
1μl、100mM−ATP1μl、25μg/mlウ
シ血清アルブミン(BSA)1μl、及びT4DNAリ
ガーゼ(400ユニット、1200ユニット、又は20
00ユニット)を加え、37℃で4時間インキュベート
した。得られた反応溶液を、常法に従って、フェノール
・クロロホルム抽出処理、及びエタノール沈殿処理を実
施することによって、目的とするオリゴヌクレオチド
(すなわち、本発明による環状ダンベル型RNA−DN
Aキメラ化合物、及び比較用化合物である環状ダンベル
型RNA−DNAキメラ化合物)が得られた。
【0062】(2)ヘアピンループ部分がヘキサエチレ
ングリコールからなる環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物の調製 ヌクレオシド−3’−ホスホロアミダイトの代わりに、
スペーサーホスホロアミダイトを用いること以外は、前
記(1)と同様の操作を繰り返すことにより、目的とす
る環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物を調製し
た。
【0063】(3)ライゲーション効率の比較 前記(1)及び前記(2)で得られたオリゴヌクレオチ
ドにおけるライゲーションの程度を、7M尿素含有10
%ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動法により確
認した。結果を図8〜図12に示す。図8に、種々の量
のT4DNAリガーゼを用いて調製した、本発明による
環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物CPB2−
AUG−as、及び比較用化合物である環状ダンベル型
RNA−DNAキメラ化合物CPB2−AUG−ran
の10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を
示す。
【0064】図9に、種々の量のT4DNAリガーゼを
用いて調製した、本発明による環状ダンベル型RNA−
DNAキメラ化合物CPB1−AUG−as、及び比較
用化合物である環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化
合物CPB1−AUG−ranの10%変性ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動の結果を示す。図10に、種々の
量のT4DNAリガーゼを用いて調製した、本発明によ
る環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物CPA−
AUG−as、及び比較用化合物である環状ダンベル型
RNA−DNAキメラ化合物CPA−AUG−ranの
10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示
す。
【0065】図11に、種々の量のT4DNAリガーゼ
を用いて調製した、本発明による環状ダンベル型RNA
−DNAキメラ化合物CNP−AUG−as、及び比較
用化合物である環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化
合物CNP−AUG−ranの10%変性ポリアクリル
アミドゲル電気泳動の結果を示す。図12に、種々の量
のT4DNAリガーゼを用いて調製した、本発明による
環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物CNP−A
UG−asH.E.G、及び比較用化合物である環状ダ
ンベル型RNA−DNAキメラ化合物CNP−AUG−
ranH.E.Gの10%変性ポリアクリルアミドゲル
電気泳動の結果を示す。
【0066】図8〜図12において、レーン1〜レーン
4は、それぞれ、本発明による環状ダンベル型RNA−
DNAキメラ化合物に関する結果を示し、レーン5〜レ
ーン8は、比較用化合物である環状ダンベル型RNA−
DNAキメラ化合物に関する結果を示す。レーン1及び
レーン5は、天然型オリゴヌクレオチドを;レーン2及
びレーン6は、T4DNAリガーゼ400ユニットを用
いて実施したライゲーションにより得られたオリゴヌク
レオチドを;レーン3及びレーン7は、T4DNAリガ
ーゼ1200ユニットを用いて実施したライゲーション
により得られたオリゴヌクレオチドを;そして、レーン
4及びレーン8は、T4DNAリガーゼ2000ユニッ
トを用いて実施したライゲーションにより得られたオリ
ゴヌクレオチドを、電気泳動した結果を示す。
【0067】更に、図8〜図12に示す各ブロットをバ
イオイメージで測定した結果を、T4DNAリガーゼの
使用量毎に比較した結果を表1〜表3に示す。表1〜表
3において「−5’3’−」の欄に示す塩基は、T4D
NAリガーゼによりライゲーションを実施する前のニッ
クダンベル型RNA−DNAキメラオリゴヌクレオチド
における5’末端及び3’末端の塩基である。
【0068】表1〜表3に示すように、ヘアピンループ
部分がオリゴヌクレオチドからなるニックダンベル型R
NA−DNAキメラオリゴヌクレオチドよりも、ヘアピ
ンループが非核酸であるエチレングリコール化合物から
なるニックダンベル型RNA−DNAキメラオリゴヌク
レオチドの方が、ライゲーション高率が高かった。この
ことから、ヘアピンループ部分が核酸からなる場合に
は、ヘアピンループ部分の核酸とステム部分の核酸とが
相互作用を起こしたり、あるいは、ヘアピンループ部分
内で高次構造をとったりすることによって、ステム部分
における相補的RNA部分とアンチセンスDNA部分と
のハイブリッド形成を阻害しているのではないかと考え
られる。
【0069】
【表1】 略号 −5’3’− ライゲーション効率(%) CPB2−AUG−as −au− 23 CPB2−AUG−ran −gc− 3 CPB1−AUG−as −gg− 5 CPB1−AUG−ran −gu− − CPA−AUG−as −ac− − CPA−AUG−ran −gc− − CNP−AUG−as −gg− 27 CNP−AUG−ran −ag− − CPB2−AUG−as H.E.G. −au− 36 CPB2−AUG−ran H.E.G. −aa− 33
【0070】
【表2】 略号 −5’3’− ライゲーション効率(%) CPB2−AUG−as −au− 25 CPB2−AUG−ran −gc− 7 CPB1−AUG−as −gg− 17 CPB1−AUG−ran −gu− <5 CPA−AUG−as −ac− 21 CPA−AUG−ran −gc− <5 CNP−AUG−as −gg− 19 CNP−AUG−ran −ag− − CPB2−AUG−as H.E.G. −au− 28 CPB2−AUG−ran H.E.G. −aa− 27
【0071】
【表3】 略号 −5’3’− ライゲーション効率(%) CPB2−AUG−as −au− 25 CPB2−AUG−ran −gc− 10 CPB1−AUG−as −gg− 16 CPB1−AUG−ran −gu− <5 CPA−AUG−as −ac− 21 CPA−AUG−ran −gc− 13 CNP−AUG−as −gg− 21 CNP−AUG−ran −ag− − CPB2−AUG−as H.E.G. −au− 32 CPB2−AUG−ran H.E.G. −aa− 29
【0072】
【実施例3】(1)環状ダンベル型RNA−DNAキメ
ラ化合物の評価系 本実施例では、インフルエンザウイルスPR8株の第8
分節のタンパク質コード領域をクロラムフェニコールア
セチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子で置き換え
たDNA断片(前記第8分節のタンパク質コード領域の
5’上流領域の13塩基対からなる塩基配列及び前記第
8分節のタンパク質コード領域の3’下流領域の12塩
基対からなる塩基配列を含む)をファージT7RNAポ
リメラーゼプロモーターの下流に挿入することにより作
成したプラスミドpOUMS101[Proc.Aca
d.Sci.USA,88,5369−5373(19
91)]と、デキサメサゾンの添加によってインフルエ
ンザウイルスA型(A/PR/8/34)のRNAポリ
メラーゼ(PB1、PB2及びPA)及びNPタンパク
質の発現が誘導されるマウス乳癌細胞株C127のクロ
ーン細胞(以下、76細胞と称する)[Y.Nakam
ura et al.,J.Biochem.,11
0,395(1991)]とを用いる評価系によって、
本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物の
抗ウイルス効果を確認した。前記の76細胞は、前記の
プラスミドpOUMS101を鋳型としてイン・ビトロ
で合成した、CAT遺伝子を含むネガティブ鎖RNAの
トランスフェクションによって、CATタンパク質を生
成することができるという特徴を有する細胞株である。
本実施例の操作手順の概略を図13に示す。
【0073】(2)CAT遺伝子を含むネガティブ鎖R
NAの調製 前記のプラスミドpOUMS101の調製は、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,88,53
69−5373(1991)の記載に従って、常法によ
り行った。図13に、プラスミドpOUMS101の部
分構造を模式的に示す。図13において、「CAT」
は、CATタンパク質をコードするCAT遺伝子を示
し、「T7」は、ファージT7RNAポリメラーゼプロ
モーターを示し、「5’−NS」は、インフルエンザウ
イルスPR8株の第8分節のタンパク質非コード領域の
5’上流領域の13塩基対からなる塩基配列を示し、そ
して、「3’−NS」は、インフルエンザウイルスPR
8株の第8分節のタンパク質非コード領域の3’下流領
域の12塩基対からなる塩基配列を示し、「CAP」は
mRNAのキャップ構造を示し、「CATタンパク質」
は、CATタンパク質タンパク質を示す。プラスミドp
OUMS101は、3’−NSで表される領域の更に
3’下流側の位置に制限酵素MboII認識部位を有す
る。
【0074】得られたプラスミドpOUMS101(1
0μg)を、制限酵素MboII(東洋紡績社)32ユニ
ットで切断して直鎖状にした。切断後、フェノール・ク
ロロホルム(同量)により抽出し、上層(水性層)を注
意深く分取し、エタノール沈澱を行った。その後、1/
15量(約0.6μg)を0.8%アガロースゲル電気
泳動(50Vの一定電圧で1.5時間)に供し、切断を
確認した。得られた直鎖状のプラスミドpOUMS10
1(10μg)を鋳型として、添付の説明書に従って、
T7RNAポリメラーゼ(東洋紡績社)により、CAT
遺伝子を含むネガティブ鎖RNA(図13ではvRNA
として示す)を合成した。続いて、フェノール・クロロ
ホルム(同量)により抽出し、上層(水性層)を注意深
く分取し、エタノール沈澱を行った。その後、一部(1
/100量)を、7M尿素を含むポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動に供し、目的鎖長の合成物を確認した。
【0075】(3)CATタンパク質発現抑制活性の測
定 Y.Nakamura et al.,J.Bioch
em.,110,395(1991)の記載に従って取
得した76細胞を、10%非慟化(56℃で30分間加
熱処理することにより非慟化した)ウシ胎児血清を含む
ダルベッコMEM培地(以下、D−MEMと称する)
(日水製薬社)5ml中で、50〜60%コンフレント
の状態になるまで培養した。培養液を除去し、10-3M
濃度のデキサメサゾン(シグマ社)(図13ではDex
として示す)をD−MEMで終濃度10-6M(1000
倍希釈)になるように希釈することにより調製した培地
3mlを、前記の50〜60%コンフレントの状態の7
6細胞に添加した。
【0076】24時間細胞を培養した後、リン酸緩衝生
理食塩水[以下、PBS(−)と称する]を用いて、ウ
シ胎児血清が残存しないように充分に細胞を洗浄した。
実施例2で作製した環状ダンベル型RNA−DNAキメ
ラ化合物(アンチセンス又はランダム)又はニックダン
ベル型RNA−DNAキメラオリゴヌクレオチド(ラン
ダム)(各々0.03μM又は0.3μM)と、トラン
スフェクション試薬としてのN−[1−(2,3−ジオ
レオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチル
アンモニウムメチルサルフェート(DOTAP:ベーリ
ンガー・マンハイム社)(5μg/ml)とを含む無血
清D−MEM(HEPES及びウシアルブミンを含有)
2.5mlを、76細胞に添加した。
【0077】更に4時間細胞を培養した後、細胞をPB
S(−)で洗浄し、更に、前記(2)で得られたCAT
遺伝子を含むネガティブ鎖RNA(100ng)とDO
TAP(5μg/ml)とを含む無血清D−MEM(H
EPES及びウシアルブミンを含有)を76細胞に添加
し、4時間細胞を培養した。その後、DOTAPを除去
し、PBS(−)で細胞を洗浄した後、10%非慟化ウ
シ胎児血清を含むD−MEMにより20時間細胞を培養
した。次いで、76細胞を剥離させ、細胞破砕後、回収
したタンパク質質量をブラッドフォード法により測定し
た。さらに、ジゴキシゲニン(DIG)標識抗CAT抗
体(Anti−CAT−DIG)(ベーリンガー・マン
ハイム社)を用いる酵素免疫測定法(CAT−ELIS
A)により、細胞内に発現されたCATタンパク質量を
測定した。すなわち、76細胞内に発現したCATタン
パク質に結合したDIG標識抗CAT抗体の量をペルオ
キシダーゼ標識抗DIG抗体を用いて測定し、CATタ
ンパク質発現量を比較した。
【0078】得られた結果を表4に示した。表4の「略
号」の欄に示す記号の意味は次のとおりである。先頭の
「C」は、環状(circular)であることを意味
し、先頭の「N」は、ニックを有することを意味する。
「AUG」は、標的領域の塩基配列がウイルス遺伝子の
翻訳開始コドンAUGを含むことを意味し、「as」
は、環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物におけ
るDNA部分の塩基配列が、設計対象としたウイルス遺
伝子の配列に対するアンチセンス配列であることを意味
する。「ran」は、環状ダンベル型又はニックダンベ
ル型RNA−DNAキメラオリゴヌクレオチドにおける
DNA部分の塩基配列が、設計対象としたウイルス遺伝
子の配列に対してランダムな配列であることを意味す
る。
【0079】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキ
メラ化合物であるCPB2−AUG−as、CPB1−
AUG−as、CPA−AUG−as、及びCNP−A
UG−asにおいては、CPB2−AUG−as(濃度
0.03μM及び0.3μMにおいて、それぞれ49%
及び82%)が、最も強くCATタンパク質の発現を抑
制し、CNP−AUG−as(同じく17%及び30
%)及びCPA−AUG−as(同じく17%及び29
%)が強く、次にCPB1−AUG−as(同じく<5
%及び21%)の順でCATタンパク質の発現を抑制し
た。一方、比較用化合物として使用したランダムオリゴ
ヌクレオチドは、本発明の環状ダンベル型RNA−DN
Aキメラ化合物に比べて、0.03μM及び0.3μM
でCATタンパク質の阻害効果が低く、本発明による環
状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物のステム部分
に含まれるアンチセンスDNA部分がアンチセンス効果
を有することを示すことができた。
【0080】
【表4】 阻害効果(%) オリゴヌクレオチド濃度(μM) 略号 0.03 0.3 CPB2−AUG−as 49 82 CPB2−AUG−ran <5 8 CPB1−AUG−as <5 21 NPB1−AUG−ran <5 <5 CPA−AUG−as 17 29 CPA−AUG−ran 11 25 CNP−AUG−as 17 30NNP−AUG−ran 8 9
【0081】
【発明の効果】本発明の環状ダンベル型RNA−DNA
キメラ化合物によれば、タンパク質との相互作用や細胞
表面吸着阻害を引き起こすことなく、インフルエンザウ
イルスのタンパク質発現を抑制することができる。本発
明の環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物は、細
胞毒性を有さず、優れた核酸分解酵素耐性を有する、極
めて効果的な抗インフルエンザ剤を構成することができ
る。
【0082】
【配列表】
【0083】配列番号:1 配列の長さ:50 配列の型:核酸 トポロジー:環状 配列の種類:他の核酸 合成キメラオリゴヌクレオチド 配列の特徴 存在位置:1..25 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 存在位置:26..45 特徴を決定する方法:E 他の情報:RNA 存在位置:46..50 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 配列 TGACATCCAT TCAAATGGTT CCCCCAACCA UUUGAAUGGA UGUCACCCCC 50
【0084】配列番号:2 配列の長さ:50 配列の型:核酸 トポロジー:環状 配列の種類:他の核酸 合成キメラオリゴヌクレオチド 配列の特徴 存在位置:1..25 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 存在位置:26..45 特徴を決定する方法:E 他の情報:RNA 存在位置:46..50 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 配列 CTTATAAGTC CATTGATGAC CCCCCGUCAU CAAUGGACUU AUAAGCCCCC 50
【0085】配列番号:3 配列の長さ:50 配列の型:核酸 トポロジー:環状 配列の種類:他の核酸 合成キメラオリゴヌクレオチド 配列の特徴 存在位置:1..25 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 存在位置:26..45 特徴を決定する方法:E 他の情報:RNA 存在位置:46..50 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 配列 TTCTTTCCAT ATTGAATATA CCCCCUAUAU UCAAUAUGGA AAGAACCCCC 50
【0086】配列番号:4 配列の長さ:50 配列の型:核酸 トポロジー:環状 配列の種類:他の核酸 合成キメラオリゴヌクレオチド 配列の特徴 存在位置:1..25 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 存在位置:26..45 特徴を決定する方法:E 他の情報:RNA 存在位置:46..50 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 配列 CTTCTTATAT ACGATTATAT CCCCCAUAUA AUCGUAUAUA AGAAGCCCCC 50
【0087】配列番号:5 配列の長さ:50 配列の型:核酸 トポロジー:環状 配列の種類:他の核酸 合成キメラオリゴヌクレオチド 配列の特徴 存在位置:1..25 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 存在位置:26..45 特徴を決定する方法:E 他の情報:RNA 存在位置:46..50 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 配列 AATCTTCCAT TTTGGATCAG CCCCCCUGAU CCAAAAUGGA AGAUUCCCCC 50
【0088】配列番号:6 配列の長さ:50 配列の型:核酸 トポロジー:環状 配列の種類:他の核酸 合成キメラオリゴヌクレオチド 配列の特徴 存在位置:1..25 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 存在位置:26..45 特徴を決定する方法:E 他の情報:RNA 存在位置:46..50 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 配列 TCATAAGTTC GACTTTCGTA CCCCCUACGA AAGUCGAACU UAUGACCCCC 50
【0089】配列番号:7 配列の長さ:50 配列の型:核酸 トポロジー:環状 配列の種類:他の核酸 合成キメラオリゴヌクレオチド 配列の特徴 存在位置:1..25 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 存在位置:26..45 特徴を決定する方法:E 他の情報:RNA 存在位置:46..50 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 配列 GGGACGCCAT GATTTTGATG CCCCCCAUCA AAAUCAUGGC GUCCCCCCCC 50
【0090】配列番号:8 配列の長さ:50 配列の型:核酸 トポロジー:環状 配列の種類:他の核酸 合成キメラオリゴヌクレオチド 配列の特徴 存在位置:1..25 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 存在位置:26..45 特徴を決定する方法:E 他の情報:RNA 存在位置:46..50 特徴を決定する方法:E 他の情報:DNA 配列 TTAGGTGGAG TCAACGCTGT CCCCCACAGC GUUGACUCCA CCUAACCCCC 50
【0091】配列番号:9 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic RNA 配列 AACCAUUUGA AUGGAUGUCA 20
【0092】配列番号:10 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic RNA 配列 UAUAUUCAAU AUGGAAAGAA 20
【0093】配列番号:11 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic RNA 配列 CUGAUCCAAA AUGGAAGAUU 20
【0094】配列番号:12 配列の長さ:20 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic RNA 配列 CAUCAAAAUC AUGGCGUCCC 20
【0095】配列番号:13 配列の長さ:49 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic RNA 配列 AGCGAAAGCA GGCAAACCAU UUGAAUGGAU GUCAAUCCGA CCUUACUUU 49
【0096】配列番号:14 配列の長さ:50 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic RNA 配列 AGCGAAAGCA GGUCAAUUAU AUUCAAUAUG GAAAGAAUAA AAGAACUAAG 50
【0097】配列番号:15 配列の長さ:54 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic RNA 配列 AGCGAAAGCA GGUACUGAUC CAAAAUGGAA GAUUUUGUGC GACAAUGCUU CAAU 54
【0098】配列番号:16 配列の長さ:70 配列の型:核酸 配列の種類:Genomic RNA 配列 AGCAAAAGCA GGGUAGAUAA UCACUCACUG AGUGACAUCA AAAUCAUGGC GUCCCAAGGC 60 ACCAAACGGU 70
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の環状ダンベル型RNA−DNAキメラ
化合物のアンチセンス機序を示す説明図である。
【図2】インフルエンザウイルスPB2遺伝子の部分塩
基配列を示す説明図である。
【図3】インフルエンザウイルスPB1遺伝子の部分塩
基配列を示す説明図である。
【図4】インフルエンザウイルスPA遺伝子の部分塩基
配列を示す説明図である。
【図5】インフルエンザウイルスNP遺伝子の部分塩基
配列を示す説明図である。
【図6】実施例1で設計した、本発明の環状ダンベル型
RNA−DNAキメラ化合物の塩基配列を示す説明図で
ある。
【図7】実施例1で設計した、ヘアピンループ部分がヘ
キサエチレングリコール残基である本発明のPB2遺伝
子に対する環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物
の化学構造式を示す説明図である。
【図8】実施例2で調製した本発明のPB2遺伝子に対
する環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物のポリ
アクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図面である。
【図9】実施例2で調製した本発明のPB1遺伝子に対
する環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物のポリ
アクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図面である。
【図10】実施例2で調製した本発明のPA遺伝子に対
する環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物のポリ
アクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図面である。
【図11】実施例2で調製した本発明のNP遺伝子に対
する環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物のポリ
アクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図面である。
【図12】実施例2で調製した、ヘアピンループ部分が
ヘキサエチレングリコール残基である本発明のPB2遺
伝子に対する環状ダンベル型RNA−DNAキメラ化合
物のポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図面
である。
【図13】実施例3で行ったCATタンパク質発現抑制
活性試験の操作の概略を示す説明図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)インフルエンザウイルスのPB1
    遺伝子、PB2遺伝子、PA遺伝子、又はNP遺伝子の
    翻訳開始コドンAUGを含有する標的領域の塩基配列に
    対して相補的な塩基配列を含むDNA部分と、前記DN
    A部分の前記塩基配列に対して相補的な塩基配列を含む
    RNA部分とを含み、前記RNA部分と前記DNA部分
    とが二重鎖を形成するステム部分、及び(2)前記ステ
    ム部分の両端部にそれぞれ位置するヘアピンループ部分
    2つを含むことを特徴とする、環状ダンベル型RNA−
    DNAキメラ化合物。
  2. 【請求項2】 ヘアピンループ部分が、オリゴヌクレオ
    チド残基、又は式: −(−CH2 −CH2 −O−)n − (式中、nは1〜6の整数である)で表されるエチレン
    グリコール化合物残基からなる、請求項1に記載の環状
    ダンベル型RNA−DNAキメラ化合物。
  3. 【請求項3】 前記ヘアピンループ部分がオリゴシトシ
    ン残基である、請求項2に記載の環状ダンベル型RNA
    −DNAキメラ化合物。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号1の配列で表される塩
    基配列、配列表の配列番号3の配列で表される塩基配
    列、配列表の配列番号5の配列で表される塩基配列、又
    は配列表の配列番号7の配列で表される塩基配列からな
    る、請求項3に記載の環状ダンベル型RNA−DNAキ
    メラ化合物。
  5. 【請求項5】 前記ヘアピンループ部分がヘキサエチレ
    ングリコール残基である、請求項2に記載の環状ダンベ
    ル型RNA−DNAキメラ化合物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の環状ダンベル型RNA
    −DNAキメラ化合物を有効成分として含有することを
    特徴とする、抗インフルエンザウイルス剤。
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