JPH11140042A - 多分岐化合物 - Google Patents

多分岐化合物

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JPH11140042A
JPH11140042A JP9322527A JP32252797A JPH11140042A JP H11140042 A JPH11140042 A JP H11140042A JP 9322527 A JP9322527 A JP 9322527A JP 32252797 A JP32252797 A JP 32252797A JP H11140042 A JPH11140042 A JP H11140042A
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稔 中村
Kenrou Sunahara
建朗 砂原
Toru Kurihashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶剤を含まない無溶剤の硬化性樹脂組成物にお
いて高分子量で低粘度の多分岐化合物を使用することに
より、安全性や物性的に問題のある低分子量化合物の配
合率を低減せしめ、作業環境の改善に寄与し、なおかつ
従来より用いられているロールコーター、ナイフコータ
ーなどの塗工方法、オフセット印刷、グラビア印刷、凸
版印刷、スクリーン印刷などの印刷方式で造膜でき、や
はり従来ある紫外線、赤外線、電子線、γ線照射等の放
射線、特に、電子線、γ線照射等の場合には触媒や開始
剤を使用せずに硬化させることができる低粘度で硬化性
の多分岐化合物を提供することを目的とする。 【解決手段】1分子中に一級または二級アミノ基を有す
るポリアミノ化合物(a)と活性水素含有(メタ)アク
リル系化合物(b)をマイケル付加反応してなるコア化
合物に対し、該コア化合物が含有する活性水素と化学量
論的に等量のイソシアネート基含有ビニル化合物(c)
を配合してなる多分岐化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、インキ等の被膜
形成材料用または封止剤、成形剤、接着剤、粘着剤用の
樹脂として使用することができ、また、熱・放射線硬化
型樹脂組成物の硬化剤あるいは反応性希釈剤として使用
することができる多分岐化合物に関する。更に、本発明
は、熱、または放射線硬化型の樹脂として印刷インキ、
塗料のビヒクル、または接着剤等として利用することが
できる多分岐化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料、接着剤、粘着剤、インキ、
充填剤、成形材料には有機溶剤を含有する樹脂溶液が使
われてきた。これらの樹脂溶液は、塗装、充填工程およ
び硬化乾燥工程で大量の有機溶剤を飛散する。地球環境
また作業環境への関心の高まりとともに、このような樹
脂溶液の使用に対する制限が加えられるようになってき
ている。その一つの方法として、水溶性樹脂、粉体、ホ
ットメルト等樹脂素材の開発が進められてきた、水系の
樹脂組成物は分散媒である水を蒸発させるために多大な
熱量を必要とし、更に塗装性を向上する意味から若干の
有機溶剤を含むことが多く廃液処理の点からも問題が残
っている。また、粉体またはホットメルトの塗装、充填
の場合には、従来の塗装、充填設備と方法が大いに異な
るために、新規の設備を導入する必要が生まれる。上記
の問題を解決するために、樹脂溶液のハイソリッド化、
水溶化樹脂の改良等を行われており、こうした努力によ
り、今後樹脂溶液の使用量は低下の傾向がさらに顕著と
なると考えられる。しかし、根本的な解決策として、公
害、安全衛生、引火、爆発等の問題がなく、広範囲に適
用でき、且つ塗工、充填の容易な無溶剤型液状樹脂組成
物の開発が強く要望されている。
【0003】無溶剤型液状樹脂組成物の代表的なものと
しては、放射線硬化性樹脂組成物を挙げることができ
る。従来の放射線硬化型樹脂組成物は、各種のアクリレ
ート系モノマー等の低粘度単量体、及びウレタンアクリ
レート、エポキシアクリレート、またはエステルアクリ
レート等の反応性オリゴマー、更に必要に応じてその他
の樹脂成分等から構成されている。低粘度単量体は主に
反応性希釈剤として組成物の粘度を制御する目的で使用
されているが、これを多く含有すると硬化時の体積収縮
が大きく、硬化塗膜が脆弱であり、また塗膜中の残留モ
ノマーによる臭気等が問題とされていた。そのため反応
性希釈剤の使用量軽減や分子量増加等の改良が望まれて
いた。
【0004】また硬化物の機械的性能を向上させるには
多官能の反応性希釈剤、反応性オリゴマー、更には高分
子量樹脂素材等の配合が好ましいが、これらの素材は高
粘度または固体のものであるため硬化前組成物の流動特
性を考慮すると、多量の反応釈剤の配合が必要となりそ
の配合量には限界があった。従って従来の無溶剤型液状
樹脂組成物を硬化させていられる硬化物は硬度、強靱
性、機械特性、耐薬品性等の硬化物特性に乏しく実用的
には溶剤系、水系の樹脂組成物には遙かに及ばない性質
であった。塗膜性能を向上させる目的で、多量の高分子
量反応性オリゴマーや樹脂素材を配合した放射線硬化型
樹脂組成物も開発されているが、塗工可能な粘度まで下
げるために低分子量の反応性希釈剤や有機溶剤等を使用
しており環境上の改良がなされたとは言い難い現状があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、十分な塗膜
性能を有し、且つ塗工可能な低粘性を備えた無溶剤型樹
脂組成物を得ることを目的とし、比較的高分子量であり
ながら低粘度である多官能性の液状樹脂を使用すること
により安全性や性能面に問題のある低分子量化合物の配
合率を低減せしめることを可能にした多分岐化合物を提
供するものである。また本発明は、従来より用いられて
いるロールコーター、ナイフコーターなどの塗工方法、
オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、スクリーン
印刷などの印刷方式で造膜でき、加熱、紫外線、赤外
線、電子線、γ線照射等の従来からあるトリガーにより
硬化することができ、特に電子線、γ線照射等の場合に
は触媒や開始剤を使用せずに硬化させることができる多
分岐化合物を提供するものである。
【0006】本発明者は上記問題を解決するために様々
な樹脂系の構造と粘度との相関性等について鋭意研究を
行なった結果、一般的な線状ポリマーより櫛形ポリマ
ー、更には多分岐ポリマーとポリマーの分子構造を変化
させることにより、高分子量でありながら低粘度であ
り、且つビニル基等の官能基を数多く導入できることを
見いだした。また、多分岐化合物として分子中にウレタ
ン結合を有することにより、各種基材、特にこれまでラ
ジエーション硬化系では非常に困難とされていたプラス
チック素材に良好な密着性を示すことを見いだした。更
に、高分子量でありながら従来の造膜方法で造膜できる
粘度範囲内にあり、なおかつ従来からある硬化方法、特
に電子線を硬化トリガーとして使用することにより高速
度で硬化させることができる新しい液状樹脂である多分
岐化合物を見いだした。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、分子中に
一級または二級アミノ基を有するポリアミノ化合物
(a)と活性水素含有(メタ)アクリル系化合物(b)
とをマイケル付加反応してなるコア化合物に対し、該コ
ア化合物が含有する活性水素と化学量論的に等量のイソ
シアネート基含有ビニル化合物(c)を反応してなる多
分岐化合物に関する。
【0008】更に本発明は、ポリアミノ化合物(a)が
下記式(1)で示されるジアミノ化合物である上記多分
岐化合物に関する。 H2N−CH2−R−CH2−NH2 (1) (式中、Rは、直接結合、−Cn2n−(nは1〜20
の整数を表す。)、フェニレン基 またはシクロアルキ
レン基を示す。)
【0009】更に本発明は、活性水素含有(メタ)アク
リル系化合物(b)が下記式(2)〜(5)で示される
少なくとも一種である上記多分岐化合物に関する。 CH2=C(R1)COO−R2−OH (2) (式中、R1は水素原子またはCH3、R2は炭素数2〜
22のアルキレン基をそれぞれ表す。) CH2=C(R1)COO(Cx2XO)mH (3) (式中、R1は水素原子またはCH3、xは1〜6の整
数、mは1〜25の整数をそれぞれ表す。) CH2=C(R1)COOCy2yO(COCz2ZO)kH (4) (式中、R1は水素原子またはCH3、yは2〜22の整
数、zは2〜15の整数、kは1〜20の整数をそれぞ
れ表す。) CH2=C(R1)COR3O(CONHR4NHOR5O)hH (5) (式中、R1は水素原子またはCH3、R3は炭素数2〜
22のアルキレン基、R 4は下記式(6−a)〜(6−
h)で示されるイソシアネート残基、R5は−(C r2r
O)q−(r は1〜4の整数、qは1〜20の整数を表
す。)または-Cp 2p-(pは1〜20の整数を表
す。)で示される二価アルコール残基、hは1〜10の
整数をそれぞれ表す。)
【0010】
【化3】
【0011】更に本発明は、ポリアミノ化合物(a)の
平均分子量が30〜5000である上記多分岐化合物に
関する。
【0012】更に本発明は、下記一般式(7)で示され
る多分岐化合物に関する。
【0013】
【化4】
【0014】(式中R6は(7−a)または(7−b)
で示される有機残基、R7は炭素数2〜22のアルキレ
ン基または−(Cs2sO)t−(sは2〜4の整数、t
は1〜25の整数を表す。)で示されるポリアルキレン
グリコール残基をそれぞれ表す。)
【0015】更に本発明は、数平均分子量が200〜1
0000で、粘度100000cps( 30℃)以下の液
状である上記多分岐化合物に関する。
【発明の実施の形態】
【0016】本発明で用いられるポリアミノ化合物
(a)は、化合物を多分岐構造にするための出発物質と
して使用され、分子中に合計3個以上の1級アミンまた
は2級アミン由来の活性水素を有する化合物であり、直
鎖・分岐脂肪族ポリアミノ化合物、環状脂肪族ポリアミ
ノ化合物、脂肪族芳香族ポリアミノ化合物等を挙げるこ
とができる。
【0017】本発明で用いられる上記の直鎖・分岐脂肪
族ポリアミノ化合物としては、ヒドラジン、アジピン酸
ジヒドラジドなどのヒドラジン系化合物、またエチレン
ジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、プロパ
ンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、ジ
アミノオクタン、ジアミノデカン、ジアミノドデカンな
ど下記一般式(1)で示されるジアミノ化合物、また
2,5−ジメチル−2,5ヘキサメ チレンジアミン、ポ
リオキシプロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、
テトラエチレンテトラミンなどをあげることができる。
【0018】また、環状脂肪族ポリアミノ化合物として
は、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4
−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジア
ミノジシクロヘキシルメタン、3,9−ビス(3−アミ
ノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
(5,5)ウンデカン、1,4−ビス(2−アミノ−2
−メチルプロピル)ピペラジン、m−キシレンジアミ
ン、ポリシクロヘキシルポリアミン、ビス(アミノメチ
ル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、メチレンビス
(フランメタンアミン)などをあげることができる。ま
た、脂肪族芳香族ポリアミノ化合物としてはメタキシレ
ンジアミン、パラキシレンジアミンを挙げることができ
る。
【0019】これらのうち下記式(1)で一般化される
ジアミノ化合物を用いるとコア化合物の形状を種々変化
せしめることができ硬化後の機械特性向上の点から好ま
しい。 H2N−CH2−R−CH2−NH2 (1) (式中、Rは、直接結合、−Cn2n−(nは1〜2
0、好ましくは1〜10の整数)、フェニレン基または
シクロアルキレン基を示す。)
【0020】本発明においてポリアミノ化合物(a)
は、コア化合物の出発物質であることから、1分子中に
より高密度にアミノ基を含有しているほうが多分岐化合
物の低粘度化や多官能化に有効である。この目的を満足
するためには、エチレンジアミンなどの低分子量のジア
ミンの使用が好ましい。
【0021】また、本発明において使用されるポリアミ
ノ化合物(a)の数平均分子量は、特に限定しないが、
好ましい分子量範囲としては数平均分子量として30〜
50000、更に好ましくは50〜5000の化合物で
あり、数平均分子量が5000、特に50000以上の
ポリアミノ化合物は、粘度が高くなったり固体であるこ
とから取扱い上好ましくない場合もある。
【0022】本発明において活性水素含有(メタ)アク
リル系化合物(b)は、その(メタ)アクリロイル基に
ポリアミノ化合物(a)のアミノ基由来の活性水素がマ
イケル付加反応し、コア化合物は多分岐化される。ま
た、得られたコア化合物末端の活性水素含有(メタ)ア
クリル系化合物(b)由来の活性水素はイソシアネート
基含有ビニル系化合物(c)との付加反応の際の反応部
位として機能する。
【0023】本発明の活性水素含有(メタ)アクリル系
化合物(b)としては分子中に水酸基、カルボキシル基
などに由来する活性水素を有する(メタ)アクリル系化
合物である。分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル
系化合物としては、例えば下記式(2)で示されるヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート系化合物、 CH2=C(R1)COO−R2−OH (2) (式中、R1は水素原子またはCH3、R2は炭素数2〜
22、好ましくは2〜16のアルキル基をそれぞれ表
す。)
【0024】下記式(3)で示されるポリアルキレング
リコールモノ(メタ)アクリレート系化合物、 CH2=C(R1)COO(Cx2XO)mH (3) (式中、R1は水素原子またはCH3、xは1〜6、好ま
しくは2〜4の整数、mは1〜25、好ましくは4〜1
6の整数をそれぞれ表す。)
【0025】下記式(4)で示されるポリカプロラクト
ンモノ(メタ)アクリレート系化合物、 CH2=C(R1)COOCy2yO(COCz2ZO)kH (4) (式中、R1は水素原子またはCH3、yは2〜22、好
ましくは2〜16の整数、zは2〜15、好ましくは3
〜5の整数、kは1〜20、好ましくは1〜5の整数を
それぞれ表す。)
【0026】下記式(5)で示されるウレタンモノ(メ
タ)アクリレート系化合物、 CH2=C(R1)COR3O[CONHR4NHOR5O]hH (5) (式中、R1は水素原子またはCH3、R3は炭素数2〜
22のアルキル基、R4は下記式(6−a)〜(6−
h)で示されるイソシアネート残基、R5は−(Cr 2r
O)q−または-Cp2p-で示される二価アルコール残
基、ここでrは1〜4の整数、pは1〜20の整数、qは
1〜20の整数、hは1〜10の整数をそれぞれ表
す。)
【0027】
【化5】
【0028】更に具体例を挙げると、一般式(2)に示
したヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート系化合物
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレートなどがあり、
【0029】一般式(3)で示されるアルキレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート系化合物としては、例え
ば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
トリエチレングチコールモノ(メタ)アクリレート、テ
トラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ト
リプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラ
プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロ
ピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテト
ラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが
あり、
【0030】一般式(4)で示されるポリカプロラクト
ンモノ(メタ)アクリレート系化合物としては、2-
(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンカプ
ロラクトネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルハイドロジェンジカプロラクトネート、2-(メタ)
アクリロイルオキシエチルハイドロジェンポリ(重合度
3〜5)カプロラクトネート、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチル−2−ヒドロキシ−6ヘキサノラクトネ
ートなどがあり、
【0031】更に上記一般式(2)〜(5)に示した以
外にも、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−
ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ま
た、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキ
サイド変性ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレー
ト、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンモ
ノ(メタ)アクリレートなどの2個以上の水酸基を含有
する(メタ)アクリル系化合物も活性水素含有(メタ)
アクリル系化合物(b)として挙げることができる。
【0032】また、分子中にカルボキシル基を有する
(メタ)アクリル系化合物としては、フタル酸β−(メ
タ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β
−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタ
ル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コ
ハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、
アクリル酸、メタクリル酸等を挙げることができる。
【0033】本発明において、コア化合物は、上記ポリ
アミノ化合物(a)に活性水素含有(メタ)アクリル系
化合物(b)をマイケル付加させることにより得られ
る。また本発明において、ポリアミノ化合物の全活性水
素に対して好ましくは10%以上、更に好ましくは50
%以上の部位を活性水素含有(メタ)アクリル化合物
(b)と反応させるのが望ましい。これより少ない場合
には多分岐構造が得られにくく、活性水素含有(メタ)
アクリル系化合物(b)成分の特徴が十分に反映されが
たいため好ましくない場合がある。
【0034】本発明のコア化合物を得るための反応は基
本的には従来法に準じて行なうことができるが、メタノ
ール、エタノールなどのアルコールを反応溶媒として用
いると副反応が起きにくい。溶媒を用いる際にはポリア
ミノ化合物(a)の配合重量に対し、1〜100倍使用
することが好ましい。また、特に加熱は必要としない
が、上記ポリアミノ化合物(a)または上記活性水素含
有(メタ)アクリル系化合物(b)の分子量が大きい時
などには30℃〜70℃の範囲で加熱することが好まし
い。反応時間は使用するポリアミノ化合物の種類と反応
温度により様々であるが、30分〜72時間、一般的に
は常温で1昼夜程度、50〜100℃に加温すると1〜
10時間以内には終了する。
【0035】本発明において、イソシアネート基含有ビ
ニル化合物(c)は、ポリアミノ化合物(a)の未反応
アミノ基由来の活性水素または上記活性水素含有(メ
タ)アクリル系化合物(b)が有する活性水素とイソシ
アネート基との反応により、コア化合物の末端に重合性
ビニル基を導入するために使用される。上記イソシアネ
ート基含有ビニル系化合物(c)としては、例えばメタ
クリロイルオキシエチルイソシアネート、ビニルイソシ
アネート、アリルイソシアネート、(メタ)アクリロイ
ルイソシアネート、3−イソプロペニルα、α−ジメチ
ルイソシアネート等がある。
【0036】また、本発明において、ジイソシアネート
化合物とイソシアネート基と反応可能な官能基を含有す
るビニル化合物とを等量で反応せしめた化合物もイソシ
アネート基含有ビニル系化合物(c)として使用するこ
とができる。斯るジイソシアネート化合物としては、
1,6−ジイソシアナトヘキサン、ジイソシアン酸イソ
ホロン、ジイソシアン酸−4,4’−ジフェニルメタ
ン、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアン酸
トリレン、ジイソシアン酸トルエン、2,4−ジイソシ
アン酸トルエン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイ
ソシアン酸−4−メチル−m−フェニレン、ナフチレン
ジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、
テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキ
シルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシ
アネート、シクロヘキシルジイソシアネート、トリジン
ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等を挙げる
ことができる。
【0037】また、本発明において使用されるイソシア
ネート基と反応可能な官能基を含有するビニル化合物と
しては、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等を有する
ビニル化合物が挙げられるが、水酸基、カルボキシル基
を有するものがイソシアネート基との反応性の面から好
ましい。水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物とし
ては上記の化合物のうち、水酸基を1つだけ含有するも
のは使用できるが、比較的分子量が低いものの方がジイ
ソシアネートとの反応性の面から好ましく、例えば4−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロ
イルオキシエチルハイドロジェンカ プロラクトネート
等を挙げることができる。
【0038】本発明において多分岐化合物は、上記コア
化合物中の活性水素と等量のイソシアネート基含有化合
物(c)を添加し、反応させることにより得られる。こ
こで、コア化合物中の活性水素とは、コア化合物中に存
在する未反応アミノ基由来の活性水素、およびポリアミ
ノ化合物に付加した活性水素基含有(メタ)アクリル系
化合物(b)末端由来の活性水素の両方を示す。
【0039】さらに、本発明において多分岐化合物は、
コア化合物の合成溶液中にイソシアネート基含有ビニル
化合物(c)を添加することにより得られる。その際、
必要に応じて通常のウレタン合成時に使用される触媒、
例えば、オクチル酸スズ、2−エチルヘキサン酸スズ等
のスズ系の触媒等を添加してもよい。好ましい触媒の添
加量はイソシアネート基含有ビニル化合物(c)に対し
て1〜0.01重量%である。
【0040】また、本発明により得られる多分岐化合物
は、数平均分子量200〜100000、好ましくは3
00〜50000更に好ましくは400〜5000であ
り、100000cps以下、好ましくは50000〜
500cps、更に好ましくは20000〜1000c
psの粘性(30℃)を示す液状である。これより分子
量が低いと硬化収縮が激しくなるため好ましくない。ま
た分子量が高い場合は造膜可能な粘度範囲である場合に
は特に問題ではないが、上記の範囲以上に分子量が高く
なると粘度が高くなるため塗工性の点で好ましくない。
また、粘度としては上記の範囲を越えると他成分との溶
解性や造膜性の点で好ましくない。
【0041】本発明において得られる多分岐化合物は、
そのままでも硬化性の無溶剤液状樹脂として塗料、イン
キ、等の皮膜形成材料、成形材料、接着剤などとして使
用できるが、単官能または多官能の(メタ)アクリルモ
ノマー、ポリイソシアネート、メラミンなどの架橋剤を
添加を混合することにより、粘性を調節したり、造膜
性、被膜性能を調節することができる。また、同様の理
由からアミノ樹脂、フェノール樹脂等の硬化剤樹脂を配
合しても差し支えない。また、被膜性能を向上させるた
め、公知のポリアミド樹脂、セルロース誘導体、ビニル
系樹脂、ポリオレフィン、天然ゴム誘導体、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリスチレンなどの
汎用ポリマー、ウレタンアクリル樹脂、エポキシアクリ
ル樹脂、アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、アマ
ニ油変性アルキド樹脂などのビニル基を有する反応性樹
脂、アマニ油、桐油、大豆油などの乾性油等を配合して
もよい。ただし、これらの配合量は何れも好ましくは4
0重量%さらに好ましくは20重量%以下である。さら
に、必要に応じて溶剤、相溶化剤、界面活性剤、滑剤等
を添加してもよい。これらの配合量は、20重量%、好
ましくは10重量%以下である。
【0042】本発明により得られる硬化性液状樹脂に染
料やカーボンブラック、チタンホワイト、フタロシアニ
ン、アゾ色素、キナクリドン等の顔料からなる着色剤や
Si系微粒子、雲母、炭酸カルシウムなど無機充填剤等
を適当量添加することにより各種印刷インキや着色塗料
等として使用することができる。また、放射線照射によ
り硬化せしめる場合には、公知の光重合増感剤や開始剤
を添加することができる。さらに硬化性樹脂組成物の流
動性などを改良するために、水または有機溶剤などを配
合してもよい。
【0043】本発明の多分岐化合物は、各種金属、プラ
スチック、紙などの板、フィルム、シート上に、ロール
コータ、バーコータ、ナイフコータなどで塗工あるいは
充填でき、−5〜300℃の温度条件下で硬化せしめる
ことができる。本発明の液状樹脂を用いた被膜形成材料
用組成物は、各種鋼板、アルミニウム板等の金属板、プ
ラスチックフィルム、紙、プラスチックフィルムラミネ
ート紙等の基材にロールコーター、ナイフコーターなど
の塗工方法、またはオフセット印刷、グラビア印刷、凸
版印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷方式など従来
からある方法で、0.1〜500μmの膜厚で造膜で
き、加熱または電子線、紫外線、可視光線、赤外線等の
放射線を照射することにより硬化せしめることができ
る。
【0044】電子線照射により硬化せしめる場合には、
好ましくは10〜1000kV、さらに好ましくは30
〜300kVの範囲の加速電圧を持つ電子線照射装置が
用いられる。照射線量(DOSE)は、好ましくは0.
1〜100Mrad、更に好ましくは0.5〜20Mr
adの範囲である。これより少ないと充分な硬化物が得
られにくく、またこれより大きいと塗膜や基材に対する
ダメージが大きいため好ましくない。
【0045】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 ◎構造解析、数平均分子量、および粘度の測定方法 1)構造解析 ここで合成した多分岐化合物の構造は1H−NMRによ
り確認した。 2)数平均分子量:ゲル透過クロマトグラフィー(東ソ
ー SC−8020)1 H−NMRで解析した数種類の構造既知の多分岐化合
物からゲルパーメーションクロマトグラフ(GPC)の
検量線を独自に作成し、これを基にGPCで測定した結
果を採用した。また、分子量分布(Mw/Mn)は、同
測定機器において得られる値を採用した。 3)粘度:レオメータ(レオメトリクス社製:RDS−
II、RFS−II) サンプルの粘度にあわせてレオメトリクス社製レオメー
タRDS−II(高粘度タイプ)または、RFS−II
(低粘度タイプ)で測定した定常粘度(ズリ速度=1〜
10/secの値)をそれぞれ採用した。
【0046】◎電子線照射装置と照射条件 1)エリアビーム型電子線照射装置 Curetron EBC-200
-20-30(日新ハイホ゛ルテーシ゛) 電子線加速電圧:200kV DOSEは0.5〜8Mradの範囲で電流量により調
節した。 2)MIN−EB(AIT社製) 電子線加速電圧: 60kV DOSEは0.5〜8Mradの範囲でベルトコンベア
速度で調節した。
【0047】◎実施例、比較例で使用した以下の化合物
の略号を記す。 1)ポリアミノ化合物(a) ED:エチレンジアミン MXDA:メタキシリレンジアミン DETA:ジエチレントリアミン 2)活性水素含有(メタ)アクリル系化合物(b) 4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート PPG6A:ポリプロピレングリコール(PPG鎖の重
合度=6)アクリレート PEG7A:ポリエチレングリコール(PEG鎖の重合
度=7)アクリレート PCL2A:2-(メタ)アクリロイルオキシエチルハ
イドロジェンジカプロラクトネート(ダイセル化学
(株)製プラクセルFA−2) SA:2−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサ
クシネート 3)イソシアネート基含有ビニル単量体(c) MOI:メタクリロイルオキシエチルイソシアネート および下記合成例1〜6に示す合成品
【0048】(合成例1)トリレンジイソシアネート
(TDI)と4HBAとの等モル付加体 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、コンデンサー、
及び4HBA:144g、酢酸エチル144gの混合溶
液を充填した滴下ロートを備えた1000ミリリットル
四つ口丸底フラスコにTDI:174g、酢酸エチル:
174g、2ーエチルヘキサン酸錫:0.2gを配合
し、50℃に設定した湯浴にて加熱撹拌しながら滴下ロ
ート中に充填した上記溶液を1時間で滴下した。滴定法
によりNCO価が理論値以下になったところで反応を終
了した。
【0049】(合成例2)イソホロンジイソシアネート
(IPDA)と4HBAとの等モル付加体 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、コンデンサー、
及び4HBA:144g、酢酸エチル144gの混合溶
液を充填した滴下ロートを備えた1000ミリリットル
四つ口丸底フラスコにIPDI:222g、酢酸エチ
ル:220g、2ーエチルヘキサン酸錫:0.2gを配
合し、50℃に設定した湯浴にて加熱撹拌しながら滴下
ロート中に充填した上記溶液を1時間で滴下した。滴定
法によりNCO価が理論値以下になったところで反応を
終了した。
【0050】(合成例3)TDIとHEAとの等モル付
加体 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、コンデンサー、
及びHEA:116g、酢酸エチル120gの混合溶液
を充填した滴下ロートを備えた1000ミリリットル四
つ口丸底フラスコにTDI:174g、酢酸エチル:1
74g、2ーエチルヘキサン酸錫:0.2gを配合し、
50℃に設定した湯浴にて加熱撹拌しながら滴下ロート
中に充填した上記溶液を1時間で滴下した。滴定法によ
りNCO価が理論値以下になったところで反応を終了し
た。
【0051】(合成例4)IPDIとHEAとの等モル
付加体 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、コンデンサー、
及びHEA:116g、酢酸エチル120gの混合溶液
を充填した滴下ロートを備えた1000ミリリットル四
つ口丸底フラスコにIPDI:222g、酢酸エチル:
220g、2ーエチルヘキサン酸錫:0.2gを配合
し、50℃に設定した湯浴にて加熱撹拌しながら滴下ロ
ート中に充填した上記溶液を1時間で滴下した。滴定法
によりNCO価が理論値以下になったところで反応を終
了した。
【0052】(合成例5)ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HMID)とHEAとの等モル付加体 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、コンデンサー、
及びHEA:116g、酢酸エチル120gの混合溶液
を充填した滴下ロートを備えた1000ミリリットル四
つ口丸底フラスコにHMDI:168g、酢酸エチル:
170g、2ーエチルヘキサン酸錫:0.2gを配合
し、50℃に設定した湯浴にて加熱撹拌しながら滴下ロ
ート中に充填した上記溶液を1時間で滴下した。滴定法
によりNCO価が理論値以下になったところで反応を終
了した。
【0053】(合成例6)HMIDと4HBAとの等モ
ル付加体 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、コンデンサー、
及び4HBA:144g、酢酸エチル140gの混合溶
液を充填した滴下ロートを備えた1000ミリリットル
四つ口丸底フラスコにHMDI:168g、酢酸エチ
ル:170g、2ーエチルヘキサン酸錫:0.2gを配
合し、50℃に設定した湯浴にて加熱撹拌しながら滴下
ロート中に充填した上記溶液を1時間で滴下した。滴定
法によりNCO価が理論値以下になったところで反応を
終了した。
【0054】(実施例1)撹拌装置、窒素導入管、温度
センサー、及びコンデンサーを備えた500ミリリット
ル四つ口丸底フラスコにED:20g、4HBA:19
2g、酢酸エチル:70g、メタノール:20gを配合
し、75℃に設定した湯浴にて3時間還流させた後、一
部サンプリングし、1H−NMRを測定したところ、ア
クリル基由来のプロトンピークがほぼ消失していた。そ
こで、反応器とコンデンサーの間に分流管をセットし、
80℃の湯浴にて常圧で加温・撹拌を続けながら溶媒を
留去した、さらにコンデンサー上部から真空ラインを接
続し、70℃に下げた湯浴で40mmHg以下まで減圧
することにより酢酸エチルおよびメタノールを完全に留
去したところ、粘稠な液状樹脂を得た(収率99%)。
そこで、湯浴温度を60℃に下げ、酢酸エチル:400
g、MOI:195gを添加し、更に10分後、2ーエ
チルヘキサン酸錫:1gを添加した。3時間加熱撹拌を
続け、IRチャートで終点を確認した。更に、反応溶媒
として用いた酢酸エチルをエバポレータで脱溶剤するこ
とにより目的とする多分岐化合物を得た。得られた多分
岐化合物の1H−NMRチャートを図1にその帰属を下
記に示した。また得られた多分岐化合物の諸物性値を表
1に示した。
【0055】
【化6】
【0056】(実施例2)撹拌装置、窒素導入管、温度
センサー、及びコンデンサーを備えた2000ミリリッ
トル四つ口丸底フラスコにED:20g、PPG6A:
649g、酢酸エチル:290g、メタノール:20g
を配合し、75℃に設定した湯浴にて5時間還流させた
後、一部サンプリングし、1H−NMRを測定したとこ
ろ、アクリル基由来のプロトンピークがほぼ消失してい
た。そこで、反応器とコンデンサーの間に分流管をセッ
トし、80℃の湯浴にて常圧で加温・撹拌を続けながら
溶媒を留去した、さらにコンデンサー上部から真空ライ
ンを接続し、70℃に下げた湯浴で40mmHg以下ま
で減圧することにより酢酸エチルおよびメタノールを完
全に留去したところ、粘稠な液状樹脂を得た(収率98
%)。そこで、湯浴温度70℃のまま、酢酸エチル:8
60g、MOI:190gを順に添加し、更に10分
後、2ーエチルヘキサン酸錫:1gを添加した。3時間
加熱撹拌を続け、IRチャートで終点を確認した。更
に、反応溶媒として用いた酢酸エチルをエバポレータで
脱溶剤することにより目的とする多分岐化合物を得た。
得られた多分岐化合物の1H−NMRチャートを図2に
その帰属を下記に示した。また得られた多分岐化合物の
諸物性値を表1に示した。
【0057】
【化7】
【0058】(実施例3)撹拌装置、窒素導入管、温度
センサー、及びコンデンサーを備えた2000ミリリッ
トル四つ口丸底フラスコにED:20g、PPG6A:
325g、4HBA:96g、酢酸エチル:189g、
メタノール:20gを配合し、75℃に設定した湯浴に
て5時間還流させた後、一部サンプリングし、1H−N
MRを測定したところ、アクリル基由来のプロトンピー
クがほぼ消失していた。そこで、反応器とコンデンサー
の間に分流管をセットし、80℃の湯浴にて常圧で加温
・撹拌を続けながら溶媒を留去した、さらにコンデンサ
ー上部から真空ラインを接続し、70℃に下げた湯浴で
40mmHg以下まで減圧することにより酢酸エチルお
よびメタノールを完全に留去したところ、粘稠な液状樹
脂を得た(収率98%)。そこで、湯浴温度70℃のま
ま、酢酸エチル:630g、MOI:190gを順に添
加し、更に10分後、2ーエチルヘキサン酸錫:1gを
添加した。3時間加熱撹拌を続け、IRチャートで終点
を確認した。更に、反応溶媒として用いた酢酸エチルを
エバポレータで脱溶剤することにより目的とする多分岐
化合物を得た。得られた多分岐化合物の1H−NMRチ
ャートを図3にその帰属を下記に示した。また得られた
多分岐化合物の諸物性値を表1に示した。
【0059】
【化8】
【0060】(実施例4〜24)撹拌装置、窒素導入
管、温度センサー、及びコンデンサーを備えた四つ口丸
底フラスコに表1中に示したポリアミノ化合物(a)、
当量の酢酸エチルを配合し、ここに、活性水素含有(メ
タ)アクリル系化合物(b)を酢酸エチルにて75重量
%になるように希釈した溶液を撹拌しながら添加した。
活性水素含有化合物としてHEAを用いた場合以外は、
更にポリアミノ化合物(a)と同モル数のメタノールを
配合する。以上の反応溶液を75℃に設定した湯浴にて
4時間還流させた後、一部サンプリングし、1H−NM
Rを測定し、アクリル基由来のプロトンピークにより反
応終点を確認をした後、反応器とコンデンサーの間に分
流管をセットし、80℃の湯浴にて常圧で加温・撹拌を
続けながら溶媒を留去した。さらにコンデンサー上部か
ら真空ラインを接続し、70℃に下げた湯浴で40mm
Hg以下まで減圧することにより酢酸エチルおよびメタ
ノールを完全に留去したところ、粘稠な液状樹脂(コア
化合物)を得た。そこで、湯浴温度60℃に下げ、新た
に酢酸エチル活性をNV50%になるように添加し、コ
ア化合物中の活性水素と当量になるようにイソシアネー
ト基含有ビニル単量体(c)添加し、更に反応系全体の
濃度が50%になるように酢酸エチルにて希釈した。更
に10分後、2ーエチルヘキサン酸錫をイソシアネート
基含有ビニル単量体(c)の0.5重量%添加した。そ
のまま3時間以上加熱撹拌を続け、IRチャートのNC
O基特性吸収(2270cm-1)が消失した時点を反応
終点とした。更に、反応溶媒として用いた酢酸エチルを
エバポレータで脱溶剤することにより目的とする多分岐
化合物を得た。得られた多分岐化合物の合成時の原料組
成と得られた多分岐化合物の特性を併せて表1に示す。
また、比較例1〜3として同様の方法により測定した市
販のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DHP
A)、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ
アクリレート(TMPT3EO,TMPT6EO)の評価結果も併せて示
す。
【0061】
【表1】
【0062】
【0063】(実施例25〜48)実施例1〜24で得
られた多分岐化合物を#6のバーコーターで4種類のフ
ィルム(評価用の基材のサイズ→厚さ;20μm、幅;
5cm、長さ;20cm)上に塗布し種々のDOSE
(5、20、40kGy)で電子線を照射した。表2
に、使用した多分岐化合物の種類と電子線照射により得
られた塗膜の硬化特性(指触試験→×:タック有、△:
タック無だが爪で傷付き有、○:タック無爪による傷つ
き無)、基材接着性(セロテープ剥離試験による塗膜未
剥離率)および、耐溶剤性(MEKラビング試験50回前
後の重量変化より求めた残存率)、カール性(基材フィ
ルム変型性の官能試験により評価→○:カール無、△:端
が反る程度、×:フィルムが巻いてしまう)、耐摩耗性
の評価結果を示す。また表2中に比較例4〜6として市
販のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチ
レンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート(TMPT3EO,TMPT6EO)の評価結果も併せて示す。
【0064】
【表2】
【0065】
【0066】
【発明の効果】本発明により無溶剤型の硬化性樹脂とし
て高分子量でありながら低粘度である多官能性の液状樹
脂を使用することにより、通常の無溶剤型の硬化性樹脂
組成物に使用されている安全性や物性的に問題のある低
分子量化合物の配合率を低減もしくは不含とせしめるこ
とにより作業環境の改善に寄与し、かつ従来より用いら
れているロールコーター、ナイフコーターなどの塗工方
法、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、スクリ
ーン印刷などの印刷方式で造膜でき、加熱、紫外線、赤
外線、電子線、γ線照射等の従来からあるトリガーによ
り硬化することができ、特に電子線、γ線照射等の場合
には触媒や開始剤を使用せずに硬化させることができる
多分岐化合物を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた多分岐化合物の1H−NM
Rチャート
【図2】実施例2で得られた多分岐化合物の1H−NM
Rチャート
【図3】実施例3で得られた多分岐化合物の1H−NM
Rチャート
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 (式中R6は(7−a)または(7−b)で示される有
機残基、R7は炭素数2〜22のアルキレン基または−
(Cs2sO)t−(sは2〜4の整数、tは1〜25の
整数を表す。)で示されるポリアルキレングリコール残
基をそれぞれ表す。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来、塗料、接着剤、粘着剤、インキ、
充填剤、成形材料には有機溶剤を含有する樹脂溶液が使
われてきた。これらの樹脂溶液は、塗装、充填工程およ
び硬化乾燥工程で大量の有機溶剤を飛散する。地球環境
また作業環境への関心の高まりとともに、このような樹
脂溶液の使用に対する制限が加えられるようになってき
ている。その一つの方法として、水溶性樹脂、粉体、ホ
ットメルト等樹脂素材の開発が進められてきた、水系
の樹脂組成物は分散媒である水を蒸発させるために多大
な熱量を必要とし、更に塗装性を向上する意味から若干
の有機溶剤を含むことが多く廃液処理の点からも問題が
残っている。また、粉体またはホットメルトの塗装、充
填の場合には、従来の塗装、充填設備と方法が大いに異
なるために、新規の設備を導入する必要が生まれる。上
記の問題を解決するために、樹脂溶液のハイソリッド
化、水溶化樹脂の改良等を行われており、こうした努力
により、今後樹脂溶液の使用量は低下の傾向がさらに顕
著となると考えられる。しかし、根本的な解決策とし
て、公害、安全衛生、引火、爆発等の問題がなく、広範
囲に適用でき、且つ塗工、充填の容易な無溶剤型液状樹
脂組成物の開発が強く要望されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】また硬化物の機械的性能を向上させるには
多官能の反応性希釈剤、反応性オリゴマー、更には高分
子量樹脂素材等の配合が好ましいが、これらの素材は高
粘度または固体のものであるため硬化前組成物の流動特
性を考慮すると、多量の反応性希釈剤の配合が必要とな
りその配合量には限界があった。従って従来の無溶剤型
液状樹脂組成物を硬化させていられる硬化物は硬度、強
靱性、機械特性、耐薬品性等の硬化物特性に乏しく実用
的には溶剤系、水系の樹脂組成物には遙かに及ばない性
質であった。塗膜性能を向上させる目的で、多量の高分
子量反応性オリゴマーや樹脂素材を配合した放射線硬化
型樹脂組成物も開発されているが、塗工可能な粘度まで
下げるために低分子量の反応性希釈剤や有機溶剤等を使
用しており環境上の改良がなされたとは言い難い現状が
ある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【化2】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】一般式(3)で示されるアルキレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート系化合物としては、例え
ば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
トリエチレングチコールモノ(メタ)アクリレート、テ
トラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラ
プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ
テトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレートな
どがあり、
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】また、本発明において、ジイソシアネート
化合物とイソシアネート基と反応可能な官能基を含有す
るビニル化合物とを等量で反応せしめた化合物もイソシ
アネート基含有ビニル系化合物(c)として使用するこ
とができる。斯るジイソシアネート化合物としては、
1,6−ジイソシアナトヘキサン、ジイソシアン酸イソ
ホロン、ジイソシアン酸−4,4’−ジフェニルメタ
ン、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアン酸
トリレン、ジイソシアン酸トルエン、2,4−ジイソシ
アン酸トルエン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイ
ソシアン酸−4−メチル−m−フェニレン、ナフチレン
ジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、
テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキ
シルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシ
アネート、シクロヘキシルジイソシアネート、2,2,
4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−テ
トラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジ
イソシアネート等を挙げることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】本発明により得られる多分岐化合物に染料
やカーボンブラック、チタンホワイト、フタロシアニ
ン、アゾ色素、キナクリドン等の顔料からなる着色剤や
Si系微粒子、雲母、炭酸カルシウムなど無機充填剤等
を適当量添加することにより各種印刷インキや着色塗料
等として使用することができる。また、放射線照射によ
り硬化せしめる場合には、公知の光重合増感剤や開始剤
を添加することができる。さらに多分岐化合物の流動性
などを改良するために、水または有機溶剤などを配合し
てもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】本発明の多分岐化合物は、各種金属、プラ
スチック、紙などの板、フィルム、シート上に、ロール
コータ、バーコータ、ナイフコータなどで塗工あるいは
充填でき、−5〜300℃の温度条件下で硬化せしめる
ことができる。本発明の多分岐化合物を含む樹脂組成物
は、各種鋼板、アルミニウム板等の金属板、プラスチッ
クフィルム、紙、プラスチックフィルムラミネート紙等
の基材にロールコーター、ナイフコーターなどの塗工方
法、またはオフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷、
シルクスクリーン印刷などの印刷方式など従来からある
方法で、0.1〜500μmの膜厚で造膜でき、加熱ま
たは電子線、紫外線、可視光線、赤外線等の放射線を照
射することにより硬化せしめることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】電子線照射により硬化せしめる場合には、
好ましくは10〜1000kV、さらに好ましくは30
〜300kVの範囲の加速電圧を持つ電子線照射装置が
用いられる。照射線量(DOSE)は、好ましくは1〜
1000kGy、更に好ましくは5〜200kGyの範
囲である。これより少ないと充分な硬化物が得られにく
く、またこれより大きいと塗膜や基材に対するダメージ
が大きいため好ましくない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】◎電子線照射装置と照射条件 1)エリアビーム型電子線照射装置 Curetron EBC-200
-20-30(日新ハイホ゛ルテーシ゛) 電子線加速電圧:200kV DOSEは5〜80kGyの範囲で電流量により調節し
た。 2)MIN−EB(AIT社製) 電子線加速電圧: 60kV DOSEは5〜80kGyの範囲でベルトコンベア速度
で調節した。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】(合成例2)イソホロンジイソシアネート
(IPD)と4HBAとの等モル付加体 撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、コンデンサー、
及び4HBA:144g、酢酸エチル144gの混合溶
液を充填した滴下ロートを備えた1000ミリリットル
四つ口丸底フラスコにIPDI:222g、酢酸エチ
ル:220g、2ーエチルヘキサン酸錫:0.2gを配
合し、50℃に設定した湯浴にて加熱撹拌しながら滴下
ロート中に充填した上記溶液を1時間で滴下した。滴定
法によりNCO価が理論値以下になったところで反応を
終了した。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】(実施例4〜24)撹拌装置、窒素導入
管、温度センサー、及びコンデンサーを備えた四つ口丸
底フラスコに表1中に示したポリアミノ化合物(a)、
当量の酢酸エチルを配合し、ここに、活性水素含有(メ
タ)アクリル系化合物(b)を酢酸エチルにて75重量
%になるように希釈した溶液を撹拌しながら添加した。
活性水素含有化合物としてHEAを用いた場合以外は、
更にポリアミノ化合物(a)と同モル数のメタノールを
配合する。以上の反応溶液を75℃に設定した湯浴にて
4時間還流させた後、一部サンプリングし、1H−NM
Rを測定し、アクリル基由来のプロトンピークにより反
応終点を確認をした後、反応器とコンデンサーの間に分
流管をセットし、80℃の湯浴にて常圧で加温・撹拌を
続けながら溶媒を留去した。さらにコンデンサー上部か
ら真空ラインを接続し、70℃に下げた湯浴で40mm
Hg以下まで減圧することにより酢酸エチルおよびメタ
ノールを完全に留去したところ、粘稠な液状樹脂(コア
化合物)を得た。そこで、湯浴温度60℃に下げ、新た
に酢酸エチルをNV50%になるように添加し、コア化
合物中の活性水素と当量になるようにイソシアネート基
含有ビニル単量体(c)添加し、更に反応系全体の濃度
が50%になるように酢酸エチルにて希釈した。更に1
0分後、2ーエチルヘキサン酸錫をイソシアネート基含
有ビニル単量体(c)の0.5 重量%添加した。その
まま3時間以上加熱撹拌を続け、IRチャートのNCO
基特性吸収(2270cm-1)が消失した時点を反応終
点とした。更に、反応溶媒として用いた酢酸エチルをエ
バポレータで脱溶剤することにより目的とする多分岐化
合物を得た。得られた多分岐化合物の合成時の原料組成
と得られた多分岐化合物の特性を併せて表1に示す。ま
た、比較例1〜3として同様の方法により測定した市販
のジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DHPA)、
エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアク
リレート(TMPT3EO,TMPT6EO)の評価結 果も併せて示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 5/00 C09D 5/00 C 179/02 179/02 C09J 179/02 C09J 179/02 (72)発明者 砂原 建朗 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 栗橋 透 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に一級または二級アミノ基を有する
    ポリアミノ化合物(a)と活性水素含有(メタ)アクリ
    ル系化合物(b)とをマイケル付加反応してなるコア化
    合物に対し、該コア化合物が含有する活性水素と化学量
    論的に等量のイソシアネート基含有ビニル化合物(c)
    を反応してなる多分岐化合物。
  2. 【請求項2】ポリアミノ化合物(a)が下記式(1)で
    示されるジアミノ化合物である請求項1記載の多分岐化
    合物。 H2N−CH2−R−CH2−NH2 (1) (式中、Rは、直接結合、−Cn2n−(nは1〜20
    の整数を表す。)、フェニレン基 またはシクロアルキ
    レン基を示す。)
  3. 【請求項3】活性水素含有(メタ)アクリル系化合物
    (b)が下記式(2)〜(5)で示される少なくとも一
    種である請求項1または2記載の多分岐化合物。 CH2=C(R1)COO−R2−OH (2) (式中、R1は水素原子またはCH3、R2は炭素数2〜
    22のアルキレン基をそれぞれ表す。) CH2=C(R1)COO(Cx2XO)mH (3) (式中、R1は水素原子またはCH3、xは1〜6の整
    数、mは1〜25の整数をそれぞれ表す。) CH2=C(R1)COOCy2yO(COCz2ZO)kH (4) (式中、R1は水素原子またはCH3、yは2〜22の整
    数、zは2〜15の整数、kは1〜20の整数をそれぞ
    れ表す。) CH2=C(R1)COR3O(CONHR4NHOR5O)hH (5) (式中、R1は水素原子またはCH3、R3は炭素数2〜
    22のアルキレン基、R 4は下記式(6−a)〜(6−
    h)で示されるイソシアネート残基、R5は−(C r2r
    O)q−(r は1〜4の整数、qは1〜20の整数を表
    す。)または-Cp 2p-(pは1〜20の整数を表
    す。)で示される二価アルコール残基、hは1〜10の
    整数をそれぞれ表す。) 【化1】
  4. 【請求項4】ポリアミノ化合物(a)の平均分子量が3
    0〜5000である請求項1ないし3いずれか記載の多
    分岐化合物。
  5. 【請求項5】下記一般式(7)で示される多分岐化合
    物。 【化2】 (式中R6は(7−a)または(7−b)で示される有
    機残基、R7は炭素数2〜22のアルキレン基または−
    (Cs2sO)t−(sは2〜4の整数、tは1〜25の
    整数を表す。)で示されるポリアルキレングリコール残
    基をそれぞれ表す。)
  6. 【請求項6】数平均分子量が200〜10000で、粘
    度100000cps(30℃)以下の液状である請求項
    1ないし5いずれか記載の多分岐化合物。
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