JPH11140133A - スチレン系オリゴマー及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系オリゴマー及びその製造方法

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JPH11140133A
JPH11140133A JP30198297A JP30198297A JPH11140133A JP H11140133 A JPH11140133 A JP H11140133A JP 30198297 A JP30198297 A JP 30198297A JP 30198297 A JP30198297 A JP 30198297A JP H11140133 A JPH11140133 A JP H11140133A
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monomer
polymerization
group
styrene
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JP30198297A
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Kiyoshi Takesute
清 武捨
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、ノニオン性のポリアルキレ
ンオキシドからなる親水性基と芳香環を有する疎水性基
を併せ有し、分子中に反応基を有せずに、かつ、親水基
と疎水基の間隔と分子量を制御したスチレン系オリゴマ
ーを提供することにある。 【解決手段】 本発明のスチレン系オリゴマーは、一般
式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
は芳香環を含まない炭素数1〜18の炭化水素基を表
し、mは1〜6の整数を表し、nは1〜100の整数を
表し、a>0、b≧0である)で表される構造を繰り返
し単位として有してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な櫛型スチレ
ン系オリゴマーに関し、更に詳しくは、親水性基として
ポリエチレンオキシド鎖を側鎖に有し、重合度の比較的
低いスチレン系オリゴマーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアルキレンオキシド誘導体は活性水
素を有する化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキ
シド等のアルキレンオキシドを付加重合させ、必要に応
じて種々の変成を加えて合成され、原料化合物の組合せ
や使用量等により、低粘度から高粘度、油溶性から水溶
性、低融点から高融点等種々の特性を有するものが得ら
れる。広範な特性の誘導体が得られることから用途は医
薬化粧品、発酵工業、潤滑油、樹脂、シリコーン樹脂分
野等多岐に渡っている。又、変成技術の検討も活発に行
われており、それにより用途拡大が試みられている。
【0003】例えば、ポリアルキレンオキシド誘導体の
中で比較的分子量の大きい親水性オリゴマーは、樹脂や
繊維の帯電防止剤、親水化剤、吸水性付与剤、可塑剤、
高分子固体電解質、界面活性剤、潤滑油等の多方面の用
途で実用化されているが、現在も改良検討が継続されて
おり、更に新変成法開発により新たな市場ニーズへの対
応も考えられる。
【0004】まず、帯電防止剤には界面活性剤型低分子
化合物と高分子型永久帯電防止剤がある。現在実用化さ
れている代表的な高分子型帯電防止剤としては、赤松清
監修“帯電防止材料の最新技術と応用”、シーエムシ
ー、99頁(1996)に記載されているように、ポリ
エチレングリコールメタクリレート共重合体、ポリエー
テルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリ
エチレンオキシドーエピクロルヒドリン共重合体等があ
るが、耐熱性、耐変色性、加工工程中での脱落、分子中
に反応性官能基を有する等において課題がある。主鎖及
び主鎖付近に芳香環を有するポリエチレンオキシド誘導
体としては、例えば、特許第2528784号(特開平
7ー70293号公報)には帯電防止剤及び樹脂組成物
としてフェノール・ジビニルベンゼン付加重合体のポリ
オキシアルキレンエーテルが示されている。この化合物
はアルキレンオキシドの付加モル数は任意に変えること
ができるが、主鎖はフェノール類とジビニルベンゼン付
加物に固定される。
【0005】このように、従来の親水性オリゴマーは、
これを櫛型オリゴマーと考えた場合、櫛の歯の長さ[主
鎖と主鎖から分岐する側鎖からなる重合体の側鎖の長
さ。本発明の化合物ではアルキレンオキシドの付加モル
数が該当する]はアルキレンオキシドの付加モル数で調
節できるが、櫛の歯の間隔[主鎖と主鎖から分岐する側
鎖からなる重合体の側鎖同士の間隔。本発明の化合物で
はアルキレンオキシドを有する側鎖同士の間隔が該当す
る]の調節は制限されるため、分子構造上の自由度が少
なく、目的とする性能が十分発揮されているか懸念があ
る。
【0006】又、熱可塑性樹脂として例えばポリエステ
ル樹脂に溶融混練した場合は、化合物が水酸基等エステ
ル交換反応を起こす官能基を有すると、樹脂が重合度の
低下を起こして物性が低下する可能性がある。更に、ポ
リカーボネート樹脂においては、例えば特開平9−25
335号公報にみられるように、本来有する樹脂の透明
性を損なわないような改質剤の検討がなされている。こ
のように、帯電防止性だけではなく種々の機能が要求さ
れ、用途に応じたきめ細かな材料対応や技術革新が求め
られている。
【0007】一方、高分子固体電解質の分野においては
さまざまなタイプのものが登場したが、現状ではポリエ
チレンオキシド系に集約されている。例えば、特公平8
−32752号公報、同8−32753号公報、同8−
32754号公報、同8−32755号公報にはエチレ
ンオキシド等の重合体のメタクリル酸やアクリル酸等の
エステル類を反応させた高分子が示されているが、これ
に代表されるように、分子中にエステルやウレタン結合
を有したり、芳香環は有しないものが殆どであり、加水
分解による物性低下、耐熱性、耐久性等の点で不安を残
している。
【0008】又、インキ、トナー、塗料、樹脂、ゴム、
繊維、紙、写真、フィルム等の諸分野において、強度、
剛性、接着性、耐熱性、耐候性、色調、深色性、艶消し
や白色化(隠蔽性)、触感特性、滑り性や耐磨耗性、及
び粘度特性の改良、増量によるコストダウン、導電性等
の新機能付与を目的として、シリカ、炭酸カルシウム、
二酸化チタン、タルク、フェライト、金属粉、金属繊
維、ガラス繊維等の無機微粒子や有機顔料等が使用され
ている。しかし、無機微粒子の表面は一般に水酸基のよ
うな極性基や吸着水で覆われているため親油性に乏し
く、そのままでは樹脂やゴム等の有機媒体中に均一に分
散させることは困難であり、顔料においても非水系のビ
ヒクル中で凝集して色むらや光沢を失うなど目的が十分
果たせない。
【0009】そこで、無機微粒子や顔料の表面性を変化
させて分散性を向上させるため、種々のカップリング剤
で処理したり、各種界面活性剤や樹脂で被覆する方法が
行われている。例えば、特公平7−98657号公報に
は特殊なシリル化剤が、特公平8−13938号公報に
はアミノ酸−長鎖アミドからなる表面改質剤がそれぞれ
記載されている。これら従来の表面改質剤や分散剤は分
散性、耐熱性、経済性、マトリックス樹脂との相溶性等
において課題を残しており、特にマトリックス樹脂との
非反応性、他の添加剤や改質剤の性能を阻害しない、微
粒子が他の添加剤や改質剤を失活させるのを防ぐ等の要
求を満足するものは殆どない。
【0010】上述の用途や課題に対して共通するポリア
ルキレンオキシド誘導体の望ましい分子構造は、親水性
基と疎水性基からなり、その量を用途や必要機能により
自由に制御できること、親水性基は多様な用途に使用可
能という見地からノニオン性のポリエチレンオキシド鎖
が適当であり、分子量は樹脂との相溶性や要求機能に合
わせて千から数万程度の間で制御できることが必要であ
る。又、疎水性基は耐熱性や樹脂改質剤用途としては想
定しているマトリックス樹脂である芳香族樹脂との親和
性を考慮して芳香環を有することが望ましい。更に、ポ
リエステル樹脂等と溶融混練時に樹脂の重合度低下を起
こして樹脂物性を低下したり、種々の併用薬剤の機能を
阻害しないため反応基を有しないことも重要である。こ
れらの項目を満足するようなポリエチレンオキシド誘導
体は知られていない。
【0011】本発明関連の化合物としては、Polymer Bu
lletin,16,337(1986) 及び J. Phys.Chem.,98,7891(199
4)に
【化3】 の報告がある。又、高分子論文集,43,91(1986)にはスチ
レンと上記化合物の重合体の記載があるが、反応条件、
共重合比等不明瞭であり、連鎖移動剤は使用していない
ため重合度が大きく、その制御は困難と考えられる。本
発明では重合度を制御し、低重合体を合成することが肝
要であるが、そのような報告はみられない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ノニオン性のポリアルキレンオキシドからなる親水
性基と芳香環を有する疎水性基を併せ有し、分子中に反
応基を有せずに、かつ、親水基と疎水基の間隔と分子量
を制御したスチレン系オリゴマーを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、下記の一般式(1)で表
される構造を繰り返し単位として有してなるスチレン系
オリゴマーが多用な機能を有することを見出し、本発明
を完成させるに至った。
【0014】即ち、本発明は、一般式(1)
【化4】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
は芳香環を含まない炭素数1〜18の炭化水素基を表
し、mは1〜6の整数を表し、nは1〜100の整数を
表し、a>0、b≧0である)で表される構造を繰り返
し単位として有してなるスチレン系オリゴマーに係る。
【0015】又、本発明は、スチレン系オリゴマーの製
造方法において、一般式(A)
【化5】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
は芳香環を含まない炭素数1〜18の炭化水素基を表
し、mは1〜6、nは1〜100の整数を示す)で表さ
れるモノマーと;スチレンモノマーとを、重合開始剤及
び連鎖移動剤の存在下、重合させることを特徴とするス
チレン系オリゴマーの製造方法に係る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のスチレン系オリゴマー
は、一般式(1)
【化6】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
は芳香環を含まない炭素数1〜18の炭化水素基を表
し、mは1〜6、nは1〜100の整数を示し、a>
0、b≧0である)で表される構造を繰り返し単位とし
て有してなることを特徴とする。
【0017】ここで、aは小さくなるほど重合体の親水
性が弱くなるが、本発明のスチレン系オリゴマーの様々
な用途を考慮するとa/(a+b)は1〜1/100であ
ることが望ましい。また、平均重合度a+b≦45(た
だし、a=0であることはない)であるがこれよりも大
きいと樹脂等との相溶性が低下し、また、添加剤や改質
材としての性能が得られない。なお、aとbの最適な値
(重合比と重合度)は用途によって異なる。
【0018】また、アルキレンオキシドの種類と付加モ
ル数も用途によって異なる。ただし、一般式(1)で表さ
れる繰り返し単位部分の平均分子量は5万以下であるこ
とが望ましい。
【0019】アルキレンオキシドの種類については、エ
チレンオキシドは親水性基として含んでなることが好ま
しい。プロピレンオキシドやブチレンオキシド等も疎水
性付与、流動性や結晶性変化の変化等の目的で適宜組み
入れることができるが、必ずしも含んでなる必要はな
い。
【0020】ところで、本発明のスチレン系オリゴマー
は基本的に水酸基、アミノ基、エステル結合、ウレタン
結合等の反応性に富む官能基は有さない。そのため、ポ
リエステル樹脂等と溶融混練しても、樹脂物性を低下さ
せたり、種々の併用薬剤の機能を阻害したり、着色する
ことはない。耐熱性もポリエチレンオキシド誘導体とし
ては良好である。
【0021】本発明のスチレン系オリゴマーを製造する
方法としては、 一般式(A)
【化7】 (式中、同一符号は前記と同義)で表されるモノマー
と、スチレンモノマーとを重合させる方法; ヒドロキシスチレン又はヒドロキシアルキルスチレン
とスチレンモノマーとの共重合体に、アルキレンオキシ
ドを付加重合させ、次いで末端の水酸基をWilliamson法
によりアルキルエーテル化する方法がある。
【0022】一般式(A)で表されるモノマーは、例え
ば、ハロアルキルスチレンとポリオキシアルキレンア
ルキルエーテル等からWilliamson法によりエーテル化し
て合成する方法、又はヒドロキシスチレン或いはヒド
ロキシアルキルスチレンにアルキレンオキシドを付加重
合後、末端水酸基をWilliamson法によりアルキルエーテ
ル等エーテル化する方法により得ることができる。例え
ば、アルキレンオキシド付加物をナトリウムメチラート
によりアルコラート化し、ハロアルキルスチレン等のハ
ロゲン化物を加えて合成することができる。副生する食
塩等は水を加えて溶解させポリアルキレンオキシド誘導
体と2層分離・濾過或いは吸着剤処理等により分離する
ことで除去する。また、食塩等はトルエン等の溶媒で希
釈し、濾別して分離することもできる。
【0023】一般にポリアルキレンオキシド誘導体はア
ルカリ性で加熱し、特に、空気との接触があると着色す
る。これはポリアルキレンオキシド誘導体中にアルデヒ
ド等の酸化生成物が存在するためと考えられるが、あら
かじめナトリウムボロハイドライド処理などにより還元
処理をし、反応中は空気との接触を避けることにより改
善できる。
【0024】アルキレンオキシドを付加させる際は、酸
触媒又はアルカリ触媒のような触媒の存在下、好ましく
は加圧下、高温(例えば80〜200℃、好ましくは1
00〜180℃)で既知の方法によってこれを行うこと
ができる。触媒は、酸触媒、例えば三フッ化ホウ素また
は塩化アルミニウムのようなルイス酸であることもでき
るが、さらに好ましくは、アルカリ触媒、例えばアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属のアルコラート、水酸化
物、酸化物、炭酸塩、水素化物またはアミドである。特
に好ましい触媒はナトリウムまたはカリウムのアルコラ
ート(例えばメチラートまたはエチラート)及び水酸化
物である。触媒は通常、最終生成物に対して0.05〜
3重量%、好ましくは0.1〜1重量%の量で使用す
る。反応終了後、触媒は必要に応じて中和、濾過、吸着
剤処理等により除去する。
【0025】アルキレンオキシドの種類については、エ
チレンオキシドは親水性基として含んでなることが好ま
しい。プロピレンオキシドやブチレンオキシド等も疎水
性付与、流動性や結晶性変化の変化等の目的で適宜組み
入れることができるが、必ずしも含んでなる必要はな
い。
【0026】使用する出発物質は活性水素を有する化合
物なら使用可能であり、メタノール、エタノール、高級
アルコール等の一価アルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコ
ール類、アミン類、メルカプタン類等が上げられる。
【0027】ビニル単量体の重合方法としては、ラジカ
ル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法等がある
が、工業的には一般にラジカル重合法が用いられ、ラジ
カル重合法においてもその重合法としては塊状重合、溶
液重合、懸濁重合、乳化重合、気相重合、固相重合法等
がある。本発明ではいずれの方法でも用いることができ
る。
【0028】なお、本発明では、一般式(A)で表される
モノマーと、スチレンモノマーとの重合度をラジカル重
合法としては小さく制御するのがポイントであり、それ
により通常の高分子化合物とは物性が異なり、添加剤や
改質剤等の性能が得られる。そのように低分子重合体を
得る方法としては、連鎖移動剤を用いることが必須であ
り、用いる連鎖移動剤の量や連鎖移動定数を適切に選択
することで低分子重合体を得ることができる。また、あ
わせて、一般的な方法、例えば、溶液重合法で溶媒を多
くする、開始剤を多くする、又は連鎖移動定数の大きい
溶媒、開始剤を使用する、或いは反応温度を上昇させる
方法等が併用できる。
【0029】なお、連鎖移動剤を用いない方法、或いは
その他方法の併用では所望のオリゴマーを合成すること
は困難である。
【0030】また、重合物の櫛の歯の間隔は、一般式
(A)で表されるモノマーと、スチレンモノマーの仕込み
量によって制御できる。これは、一般式(A)で表される
モノマーと、スチレンモノマーとは反応性がほぼ等しい
ことによる。このように櫛の歯の間隔を制御できること
は本発明の大きな特徴である。
【0031】なお、疎水基と親水基のバランスや表面エ
ネルギーの大きさは、一般式(A)で表されるモノマー
と、スチレンモノマーの共重合比の他、一般式(A)で表
されるモノマー中のポリエチレンオキシドの付加モル数
によっても制御することができる。
【0032】このように一般式(A)で表されるモノマー
と、スチレンモノマーの最適な間隔と重合度、アルキレ
ンオキシドの種類と付加モル数は用途によって異なる
が、本発明では それらを任意に制御できる。
【0033】重合開始剤としては例えば、有機過酸化物
[ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパ
ーオキシド、ジーt−ブチルパーオキシド、t−ブチル
ハイドロパーオキシド等]、無機過酸化物[過硫酸ナト
リウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等]、ア
ゾ化合物[2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以
降AIBNと記す)、2,2’−アゾビス(2ーアミジノプ
ロパン)二塩酸塩等]、レドックス重合開始剤[過硫酸
塩−酸性亜硫酸ナトリウム、クメンハイドロパーオキシ
ド−第一鉄塩、ベンゾイルパーオキシド−N,N−ジメ
チルアニリン等]が用いられる。本発明の場合、スチレ
ンモノマーは非極性物質に対して溶解性があり、一般式
(A)で表されるモノマーは、アルキレンオキシドの付加
モル数によるが、界面活性剤的作用を有し多くの物質を
可溶化、分散・乳化するので開始剤の選択に際して溶解
性による制約は少なく、比較的広範な開始剤が使用でき
る。
【0034】連鎖移動剤は、基本的には連鎖移動定数の
大きいものが効果的でありそのようなものならば制限は
なく、ポリハロゲン化メタンやハロゲン化炭化水素、メ
ルカプタン類、αメチルスチレンダイマー、アルコール
等の活性水素化合物、2,4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテン等の2,2−二置換オレフィン等が使用
できるが、用途や重合体の物性に与える有用性と制約、
経済性等を考慮して選択する。使用量は連鎖移動剤とし
ての効果、目標重合度等によって異なるが、モノマーに
対して0.01〜0.5モル比が望ましい。
【0035】反応溶媒は水(乳化重合)から非極性溶媒
まで使用可能であるが、一般式(A)で表されるモノマー
が溶媒的作用を有することや、経済的見地等から無溶媒
系又は水系が望ましい。重合反応は通常窒素等の不活性
気体の雰囲気下で常圧又は加圧下で行う。重合温度は開
始剤の種類等によって異なり適宜設定する。
【0036】本発明の場合、比較的多量の連鎖移動剤を
使用し、連鎖移動剤を使用すると反応速度が低下するの
で、反応温度が高い方が反応時間が短縮化されモノマー
転化率も向上し、工業的には有利である。しかし、反応
温度を上昇させると開始剤の分解速度は増大するが反応
に利用される割合が減少し、重合体の収率が低下する。
従って、適当な反応速度で進行するような温度範囲の開
始剤を選ぶ必要がある。一般に60〜220℃が望まし
い範囲である。反応時間は通常1〜50時間、好ましく
は2〜20時間である。
【0037】本発明のスチレン系オリゴマーは、本発明
の効果を損なわない限り、スチレン系、アクリル酸系、
メタクリル酸系、マレイン酸系等の他のラジカル重合性
モノマーを含んでもよい。又、他のラジカル重合性モノ
マーはポリエチレンオキシド等の非イオン系、スルホン
酸(塩)等のアニオン系、四級アンモニウム塩等のカチ
オン系のいずれも併用可能である。
【0038】本発明のスチレン系オリゴマーは櫛型構造
を広範かつ任意に設計が可能であることから用途は多岐
に渡る。用途により最適構造、即ち、櫛の歯の長さ[主
鎖と主鎖から分岐する側鎖からなる重合体の側鎖の長
さ。本発明の化合物ではアルキレンオキシドの付加モル
数]、櫛の歯の間隔[主鎖と主鎖から分岐する側鎖から
なる重合体の側鎖同士の間隔。本発明の化合物ではアル
キレンオキシドを有する側鎖同士の間隔]は異なる。用
途は特に限定されないが、例えば、ミクロ相分離構造、
両親媒性、界面活性等の物性・機能の複合化が要求され
る分野がまず上げられ、樹脂等の帯電防止剤・親水化剤
・可塑剤・融液の粘度低下剤・相溶化剤・接着剤、無機
微粒子の分散剤・表面処理剤、高分子固体電解質等があ
る。又、耐熱性、酸化安定性に優れた潤滑油基油、界面
活性剤等が挙げられる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限
定されるものではないことを理解されたい。なお、実施
例中の「部」は全て重量によるものである。 一般式(A)で表される化合物の製造例1 オートクレーブにメタノール64部、水酸化カリウム
1.8部を仕込み、窒素置換して溶解後、エチレンオキ
シド900部を徐々に注入した。反応温度は90℃から
120℃に反応の進行と共に昇温した。エチレンオキシ
ド注入終了後、1時間熟成し、メタノール・10EO付
加物を合成した。このメタノール・10EO付加物50
0部にSWS(野村事務所、12% ナトリウムボロハイ
ドライドのアルカリ水溶液) を2.0部仕込み80℃で
1時間攪拌後、28%ナトリウムメチラート245部を
仕込み減圧下95〜115℃でメタノールを除去した。
窒素にて大気圧に戻し40℃に冷却してt−ブタノール
100部を加えてからp−ビニルベンジルクロライド1
79部を滴下した。その後、徐々に昇温し70℃で2時
間反応した。次いで、水を220部加えリン酸でpH6
に中和後静置し、下層の水層及び塩化ナトリウムを除去
した。減圧下で揮発分を除去してから、吸着剤キョワー
ド600S(協和化学工業製)を5部加えて100℃に
て処理後、吸着剤を濾過して除き生成物( 以下VB/1
0EO/Meと略記)を得た。生成物の構造と、1H−
NMRシグナルの帰属 (δ値) を以下に示す。なお、1
H−NMRは日本電子製JNM−LA400型FT−N
MR装置を用いて測定した。
【化8】
【0040】一般式(A)で表される化合物の製造例2〜
3 エチレンオキシドの量を変化させた他は上記製造例1に
準じて、以下のVB/nEO/Meモノマーを合成し
た。 製造例2・n=18 製造例3・n=25
【0041】実施例1 上記製造例1で得たVB/10EO/Meモノマー29
4部とスチレンモノマー52部を混合し、開始剤として
AIBN33部及び連鎖移動剤としてαメチルスチレン
ダイマー47部を加え70〜110℃にて窒素雰囲気下
で8時間反応した。反応液は30分毎にサンプリングし
て経時変化を調べた。分析はGPC(東ソー製HLC−
8020型GPC装置)及び1H−NMRを用い、各モ
ノマーの残存量はGPC及び1H−NMRにより求め
た。平均重合度はGPCより求めた平均分子量から各モ
ノマーの仕込み量に応じて共重合しているとして算出し
た。なお、VB/10EO/Meモノマーとスチレンモ
ノマーは残存量が20〜30%まではほぼ同じ割合で減
少し、それ以降はスチレンモノマーの方が減少速度がや
や速いことが判明した。減少分は重合体に取り込まれて
いると考えると2種のモノマーの反応性は殆ど同じであ
り、2種のモノマーはランダム共重合していると考えら
れる。反応終了後のVB/10EO/Meモノマーの残
存量は仕込時の10%、スチレンモノマーは3%であっ
た。又、平均重合度は2種のモノマーがランダム共重合
しているとして算出すると各モノマーについては4.8
であった。反応終了後110℃、10mmHgにて1時
間スチレンモノマー等の低沸点化合物を除去した。最終
生成物の1H−NMRにおいてはVB/10EO/Me
モノマーで観測された芳香環に結合したビニル基のシグ
ナル強度は上記の残存量に応じて減少し、メチレン基の
シグナルはブロード化した。ポリエチレンオキシド鎖と
末端メチル基のシグナルは出現した。連鎖移動剤として
使用したαメチルスチレンダイマーに由来するシグナル
も認められた。
【0042】実施例2 重合調整剤としてt−ドデシルメルカプタン40部を用
い、70〜110℃で6時間反応した以外は実施例1に
準じて合成した。反応終了後のVB/10EO/Meモ
ノマーの残存量は仕込時の14%、スチレンモノマーは
6%であった。又、平均重合度は2種のモノマーがラン
ダム共重合しているとすると各モノマーについて3.0
であった。
【0043】実施例3 重合調整剤として2−ナフタレンチオール32部を用
い、70〜110℃で7時間反応した以外は実施例4に
準じて合成した。反応終了後のVB/10EO/Meモ
ノマーの残存量は仕込時の7%、スチレンモノマーは2
%以下であった。又、平均重合度は2つのモノマーがラ
ンダム共重合しているとすると各モノマーについて17
であった。
【0044】実施例4 上記製造例2で得たVB/18EO/Meモノマー47
0部を用い、80〜120℃で6時間反応した以外は実
施例1に準じて合成した。反応終了後のVB/18EO
/Meモノマーの残存量は仕込時の9%、スチレンモノ
マーは2%以下であった。又、平均重合度は2種のモノ
マーがランダム共重合しているとすると各モノマーにつ
いて5.3であった。
【0045】実施例5 上記製造例2で得たVB/18EO/Meモノマー18
8部とスチレンモノマー83部を用い、70〜110℃
で6時間反応した以外は実施例1に準じて合成した。反
応終了後のVB/18EO/Meモノマーの残存量は仕
込時の16%、スチレンモノマーは3%であった。又、
平均重合度は各モノマーの仕込量に応じて共重合してい
るとするとVB/18EO/Meモノマーでは2.3、
スチレンモノマーでは9.4であった。
【0046】実施例6 上記製造例2で得たVB/18EO/Meモノマー75
2部とスチレンモノマー21部を用い、70〜110℃
で6時間反応した以外は実施例1に準じて合成した。反
応終了後のVB/18EO/Meモノマーの残存量は仕
込時の7%、スチレンモノマーは5%以下であった。
又、平均重合度は各モノマーの仕込量に応じて共重合し
ているとするとVB/18EO/Meモノマーでは7.
1、スチレンモノマーでは1.8であった。
【0047】実施例7 上記製造例3で得たVB/25EO/Meモノマー62
4部を用い、80〜120℃で8時間反応した以外は実
施例1に準じて合成した。反応終了後のVB/25EO
/Meモノマー残存量は仕込時の11%、スチレンモノ
マーは2%以下であった。又、平均重合度は2つのモノ
マーがランダム共重合しているとすると各モノマーにつ
いて5.3であった。
【0048】実施例8 p−t−ブトキシスチレン300部、スチレン30部、
AIBN66部及びα−メチルスチレンダイマー94部
をジオキサン330部に溶解し70〜110℃にて窒素
雰囲気下で6時間反応させた。反応後、再沈処理を行い
未反応モノマーを除去しポリ(p−t−ブトキシスチレ
ン−スチレン)共重合体を得た。引き続きこの共重合体
を酸により加水分解し分子量が約800のポリ(p−ヒ
ドロキシスチレン−スチレン)共重合体を得た。1H−
NMRで共重合比を求めたところp−ヒドロキシスチレ
ン:スチレン=85:15(モル比)であった。この共
重合体をオートクレーブに移し水酸化カリウムを仕込
み、窒素置換して溶解後、エチレンオキシド600部を
120〜130℃で徐々に注入した。エチレンオキシド
注入終了後、1時間熟成し、ポリ(p−ヒドロキシスチ
レン−スチレン)共重合体へのEO付加を物を合成し
た。1H−NMRによるとヒドロキシスチレンモノマー
1モルに対するEO付加量は10モルであった。このE
O付加物500部に28%ナトリウムメチラート185
部を仕込み減圧下95〜120℃にてメタノールを除去
した。次いで、塩化メチル50部を50〜85℃で注入
し末端メチルエーテル化した。副生成物の除去及び精製
は製造例1に準じて行った。
【0049】比較例1 製造例1で得たVB/10EO/Meモノマー294
部、開始剤としてAIBN33部を加え70〜110℃
で6時間反応した。反応終了後のVB/10EO/Me
モノマーの残存量は仕込時の5%以下であった。又、平
均重合度は48であった。
【0050】比較例2 スチレンモノマー52部、ポリエチレングリコール(1
000)のジメチルエーテル化合物を294部、開始剤
としてAIBN33部を加え70〜110℃で6時間反
応した。反応終了後のスチレンモノマーの残存量は仕込
時の2%以下であった。又、平均重合度は150以上で
あった。
【0051】比較例3 製造例2で得たVB/18EO/Meモノマー470部
とスチレンモノマー52部を混合し、開始剤としてAI
BN33部を加え70〜120℃で6時間反応した。反
応終了後のVB/18EO/Meモノマーの残存量は仕
込時の5%以下、スチレンモノマーは2%以下であっ
た。又、平均重合度は2つのモノマーがランダム共重合
しているとすると両モノマーの合計で50以上であっ
た。
【0052】
【発明の効果】本発明により、主鎖がポリスチレン骨
格、側鎖はポリエチレンオキシド鎖から構成される新規
櫛型スチレン系オリゴマーが提供される。本発明のスチ
レン系オリゴマーは、分子設計の自由度が大きく、櫛の
間隔、疎水基や親水基のバランス、分子量が任意に制御
可能できるため、用途や要求物性にあった任意の構造の
ポリアルキレンオキシド誘導体を得ることが可能とな
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
    は芳香環を含まない炭素数1〜18の炭化水素基を表
    し、mは1〜6の整数を表し、nは1〜100の整数を
    表し、a>0、b≧0である)で表される構造を繰り返
    し単位として有してなるスチレン系オリゴマー。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、a+b≦45であ
    る、請求項1記載のスチレン系オリゴマー。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のスチレン系オリ
    ゴマーの製造方法において、一般式(A) 【化2】 (式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R2
    は芳香環を含まない炭素数1〜18の炭化水素基を表
    し、mは1〜6、nは1〜100の整数を示す)で表さ
    れるモノマーと;スチレンモノマーとを、重合開始剤及
    び連鎖移動剤の存在下、重合させることを特徴とするス
    チレン系オリゴマーの製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(A)で表されるモノマーが、ポリ
    オキシアルキレンアルキルエーテルと、ハロアルキルス
    チレンとの反応生成物である、請求項3記載のスチレン
    系オリゴマーの製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001098173A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Asahi Denka Kogyo Kk 樹脂改質剤
US6525133B1 (en) * 2000-03-29 2003-02-25 The Goodyear Tire & Rubber Company Tire with tread which utilizes an alpha-methyl styrene oligomer
WO2005097857A1 (ja) * 2004-04-09 2005-10-20 Shiseido Company, Ltd. ブラシ状交互共重合体及びその製造方法
JP2005344248A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Kao Corp しわ除去剤
JP2007519786A (ja) * 2004-01-27 2007-07-19 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 統計的共重合体の利用
WO2024237174A1 (ja) * 2023-05-17 2024-11-21 東亞合成株式会社 ビニル系重合体、その製造方法、研磨液及びビニル系単量体

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