JPH11140311A - 疎水性低分子化合物を含む有機−無機ポリマーハイブリッド及びその製造方法 - Google Patents

疎水性低分子化合物を含む有機−無機ポリマーハイブリッド及びその製造方法

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JPH11140311A
JPH11140311A JP32203497A JP32203497A JPH11140311A JP H11140311 A JPH11140311 A JP H11140311A JP 32203497 A JP32203497 A JP 32203497A JP 32203497 A JP32203497 A JP 32203497A JP H11140311 A JPH11140311 A JP H11140311A
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organic
compound
group
polymer
hydrophobic
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JP32203497A
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English (en)
Inventor
Yoshiki Nakajo
善樹 中條
Kensuke Naka
建介 中
Osamu Hamada
修 濱田
Takaaki Fujiwa
高明 藤輪
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な量の疎水性低分子化合物が非反応性ポ
リマーと共に金属酸化物のマトリックス中に均一に分散
された透明性に優れる有機−無機ポリマーハイブリッド
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリオキサゾリン及びピレンの存在下、
テトラアルコキシシランのゾル−ゲル反応を行い、シリ
カゲルマトリックス中に、ポリオキサゾリン及びピレン
が均一に分散された有機−無機ポリマーハイブリッドを
得る。ピレン等の機能性化合物を均一に分散できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疎水性低分子化合
物を含む有機−無機ポリマーハイブリッドに関し、より
詳しくは、疎水性低分子化合物が非反応性ポリマーと共
に金属酸化物のマトリックス中に均一に分散された透明
性に優れる有機−無機ポリマーハイブリッドに関する。
また、本発明は、疎水性低分子化合物を含む有機−無機
ポリマーハイブリッドの製造方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機ポリマーと無機物との組み合
わせが盛んに研究されているが、これらの複合材料は、
有機物及び無機物としての特性を併せ持っており、高分
子複合材料として注目されている。特に、有機ポリマー
と無機物とが分子レベルで組み合わさった有機−無機ポ
リマーハイブリッドは、工業的にも様々な応用が期待さ
れるものである。
【0003】このような有機−無機ポリマーハイブリッ
ドとして、例えば、特開平3−212451号公報に
は、ポリオキサゾリン系ポリマーなどのアミド結合含有
非反応性ポリマーの存在下に、テトラアルコキシシラン
などの加水分解重合性金属化合物を加水分解重合してゲ
ル化させて、金属酸化物の3次元ネットワーク構造体中
にアミド結合含有非反応性ポリマーが均一分散された有
機−無機複合透明均質体を得ることが記載されている。
【0004】また、特開平5−85860号公報には、
ゾル−ゲル法によるシリカ又はアルミナなどの無機酸化
物マトリックス中に、ウレタン結合又は尿素結合を有す
る非反応性ポリマーが均一に分散された有機−無機複合
透明均質体が記載されている。
【0005】また、特開平5−310413号公報に
は、ゾル−ゲル法によるシリカなどの無機酸化物マトリ
ックス中に、ウレタン結合、尿素結合及び/又はアミド
結合を有する糖質誘導体、例えばスクロースのイソカル
バメートが均一に分散された有機−無機複合透明均質体
が記載されている。
【0006】このように、有機ポリマーとしてウレタン
結合、尿素結合、アミド結合等の水素結合受容基を含有
する親水性ポリマーが用いられた有機−無機複合体が知
られている。
【0007】一方、シリカなどの無機酸化物マトリック
ス中に、ピレン等の機能性有機低分子化合物を均一に分
散させることができれば、これら機能性化合物に基づく
新たな機能が付与される。しかしながら、ゾル−ゲル法
によって単純に、無機酸化物マトリックス中に疎水性の
機能性有機低分子化合物を分散させようとしても、有機
低分子化合物の少量しか均一に分散させることができ
ず、十分な機能の発現が望めない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、十分な量の疎水性低分子化合物が非反応性ポリマー
と共に金属酸化物のマトリックス中に均一に分散された
透明性に優れる有機−無機ポリマーハイブリッド(複合
体)を提供することにある。また、本発明の目的は、十
分な量の疎水性低分子化合物が非反応性ポリマーと共に
金属酸化物のマトリックス中に均一に分散されたに有機
−無機ポリマーハイブリッドの製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、オキサゾリン系ポリマー等の非反応性ポリマー
及びピレン等の疎水性低分子化合物の存在下にゾル−ゲ
ル反応を行うことにより、金属酸化物マトリックス中に
疎水性低分子化合物が均一に分散された有機−無機ポリ
マーハイブリッドが得られることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の有機−無機ポリマーハ
イブリッドは、金属酸化物のマトリックス中に、アミド
結合、ウレタン結合及び/又は尿素結合を有する非反応
性ポリマーと、縮合芳香族化合物及びアントラキノン系
化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の疎水性
低分子化合物とが均一に分散されたものである。
【0011】また、本発明の有機−無機ポリマーハイブ
リッドの製造方法は、アミド結合、ウレタン結合及び/
又は尿素結合を有する非反応性ポリマーと、縮合芳香族
化合物及びアントラキノン系化合物からなる群から選ば
れる少なくとも1種の疎水性低分子化合物との存在下、
加水分解重合性金属化合物を加水分解重合することを含
む。
【0012】なお、本明細書において、「有機−無機ポ
リマーハイブリッド」とは、ゾル体、湿潤ゲル体、乾燥
ゲル体のいずれをも含む意味で用いる。以下、本発明に
ついて詳しく説明する。
【0013】本発明の有機−無機ポリマーハイブリッド
における金属酸化物のマトリックスは、加水分解重合性
金属化合物のゾル−ゲル反応によって得ることができ
る。加水分解重合性金属化合物とは、加水分解性有機基
を有する金属化合物である。このような金属化合物に含
まれる金属としては、特に制限されるものではなく、2
価以上の金属、例えばアルカリ土類金属、遷移金属、希
土類金属、周期律表III〜V族に属する金属等が挙げら
れる。好ましい金属は、一般に周期律表 IIIb族又はI
V族に属する金属であり、 IIIb族に属する金属として
は、例えばAlなど、IV族に属する金属としては、例
えば、IVa族のTi、Zrなど、IVb族のSiなど
が挙げられる。
【0014】これらの金属のうち、Al、Siが好まし
く、金属酸化物のマトリックスが、シリカゲル及び/又
はアルミナゲルである有機−無機ポリマーハイブリッド
が得られる。本発明において、Siが特に好ましい。
【0015】加水分解重合性金属化合物が有する加水分
解性有機基としては、特に制限されるものではなく、例
えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチル
オキシ、ヘキシルオキシなどのアルコキシ基等が挙げら
れる。これらのうち、炭素数1〜4の低級アルコキシ基
が好ましく、特にメトキシ、エトキシ、プロポキシ等が
好ましい。加水分解重合性金属化合物は、加水分解重合
するために少なくとも2つの加水分解性有機基を有す
る。
【0016】Alを含む加水分解重合性金属化合物とし
ては、例えば、トリメトキシアルミニウム、トリエトキ
シアルミニウム、トリプロポキシアルミニウムなどが挙
げられる。Tiを含む加水分解重合性金属化合物として
は、例えば、トリメトキシチタン、テトラメトキシチタ
ン、トリエトキシチタン、テトラエトキシチタン、テト
ラプロポキシチタン、クロロトリメトキシチタン、クロ
ロトリエトキシチタン、エチルトリメトキシチタン、メ
チルトリエトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、
ジエチルジエトキシチタン、フェニルトリメトキシチタ
ン、フェニルトリエトキシチタンなどが挙げられる。Z
rを含む加水分解重合性金属化合物としては、上記チタ
ネートにそれぞれ対応するジルコネートが挙げられる。
【0017】Siを含む加水分解重合性金属化合物はケ
イ素化合物であり、本発明において好適に用いることが
できる。このケイ素化合物は、次式(4)で表されるも
のである。 (R11n Si(OR124-n (4) この式において、R11は置換基を有していても良い低級
アルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を
表し、R12は低級アルキル基を表し、R11及びR12はn
により異なっていても良い。nは0又は1の整数を表
す。R11及びR12が表す低級アルキル基は通常、炭素数
1〜4程度のアルキル基であり、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル
基等が挙げられる。
【0018】このようなケイ素化合物の具体例として
は、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラ
ン、トリプロポキシシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロ
ピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリプロポキシシランなどが挙げられる。
【0019】これらのケイ素化合物のうち、好ましいも
のとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0020】また、本発明において、上記ケイ素化合物
に加えて、必要に応じて、ゲル化後のハイブリッド体の
硬さ、柔軟性などの調整のために、上記式(4)のn=
2のケイ素化合物を用いることも可能である。このよう
なものとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。
【0021】これらの加水分解重合性金属化合物は、部
分的に重合されているものであっても良い。また、加水
分解重合性金属化合物として、1種のみを用いてもよい
が、2種以上を併用しても良い。
【0022】本発明において、疎水性低分子化合物は、
縮合芳香族化合物及びアントラキノン系化合物からなる
群から選ばれる。有機−無機ポリマーハイブリッドの用
途に応じて、蛍光特性や光吸収特性を有するこれらの低
分子化合物の中から適宜選択すれば良い。例えば、縮合
芳香族化合物としては、アントラセン、ナフタセン、ピ
レン等; アントラキノン系化合物の具体例としては、
1,4−ジヒドロキシアントラキノン(キニザリン)等
が挙げられる。
【0023】これら疎水性低分子化合物のうちの1種の
みを用いてもよいが、有機−無機ハイブリッドの用途に
応じて、2種以上を併用しても良い。
【0024】本発明において用いる非反応性ポリマー
は、アミド結合(−NH・CO−)、ウレタン結合(−
NH・CO・O−)及び/又は尿素結合(−NH・CO
・NH−)を有するポリマーである。これらポリマー
は、水素結合受容基であるカルボニル基を有しているの
で、ゾル−ゲル反応の過程においても、得られた有機−
無機ハイブリッド中においても、金属酸化物のヒドロキ
シル基と水素結合を形成する。従って、非反応性ポリマ
ーと金属酸化物とは相分離を起こすことがなく、均一透
明な状態を保持する。
【0025】アミド結合を有する非反応性ポリマーとし
ては、オキサゾリン系ポリマー、ポリビニルピロリド
ン、アクリルアミド系ポリマー等が挙げられる。
【0026】ウレタン結合を有する非反応性ポリウレタ
ンは、ポリイソシアナートとポリオールとの付加反応に
よって得られるものである。原料としてのポリイソシア
ナートとしては、ヘキサメチレンジイソシアナート、ト
リレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシア
ナートなど従来周知のものが挙げられ、また、原料とし
てのポリオールとしては、テトラメチレングリコール
や、多価アルコールにプロピレンオキシド、エチレンオ
キシドなどを開環付加させて重合された低重合体、テト
ラヒドロフラン等の開環重合体など従来周知のものが挙
げられる。また、ポリウレタンは、種々の原料を使用し
て様々な方法で合成されるので、ウレタン結合以外に
も、尿素結合、酸アミド結合、ビュレット結合、アルフ
ァネート結合等の種々の結合を有する場合がある。
【0027】本発明においては、非反応性ポリマーとし
て、オキサゾリン系ポリマー、ポリビニルピロリドンを
好適に用いることができ、オキサゾリン系ポリマーがよ
り好適である。
【0028】オキサゾリン系ポリマーは、2位に置換基
Rを有していても良いオキサゾリンの開環重合により得
られるポリマーである。オキサゾリン2位の置換基Rと
しては、置換基を有していても良いアルキル基、置換基
を有していても良いアリール基が挙げられる。
【0029】置換基Rが表すアルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、デシル基等が挙げられる。また、置
換基Rが表すアルキル基が有することのある置換基とし
ては、例えば、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原
子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜3程
度の低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基等
が挙げられる。
【0030】また、置換基Rが表すアリール基として
は、例えば、フェニル、ナフチル基等が挙げられる。こ
のアリール基が有することのある置換基としては、例え
ば、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、ヒドロキ
シル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
【0031】本発明において、上記オキサゾリン系ポリ
マーが、式(1)で示される構成単位からなる親水性ポ
リマーセグメント(親水性ポリオキサゾリン)と、式
(2)で示される構成単位からなる疎水性ポリマーセグ
メント(疎水性ポリオキサゾリン)とを含む両親媒性ブ
ロック共重合体であることが好ましい。
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】式(1)において、R1 は水素原子又は置
換基を有していても良い炭素数1〜3の低級アルキル基
を表す。R1 が表す低級アルキル基としては、具体的
に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基が挙げ
られる。メチル、エチル基が疎水性が弱く好ましい。ア
ルキル基の炭素数が大きくなると、疎水性が強くなって
しまう。R1 が表す低級アルキル基が有することのある
置換基としては、例えば、炭素数1〜3程度の低級アル
コキシ基、低級アルコキシカルボニル基等が挙げられ
る。
【0035】この親水性ポリオキサゾリンは、対応する
オキサゾリンの開環重合により得ることができる。オキ
サゾリンとしては、具体的に、2−オキサゾリン、2−
メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾ
リン、2−プロピル−2−オキサゾリン、2−イソプロ
ピル−2−オキサゾリンが挙げられる。これらのうち、
好ましいものは、2−オキサゾリン、2−メチル−2−
オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリンである。
【0036】また、式(1)で示される構成単位からな
る親水性ポリオキサゾリンセグメントの他に、ポリ(N
−ビニルピロリドン)、ポリ(N,N−ジメチルアクリ
ルアミド)等の親水性セグメントが含まれていてもよ
い。
【0037】上記式(2)において、R2 は置換基を有
していても良いアリール基、炭素数4以上の長鎖アルキ
ル基又はパーフルオロアルキル基を表す。
【0038】R2 が表すアリール基としては、例えば、
フェニル、ナフチル基等が挙げられる。また、アリール
基が有することのある置換基としては、例えば、フッ
素、塩素、臭素などのハロゲン原子、ヒドロキシル基、
カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキ
シカルボニル基等が挙げられる。ヒドロキシル基やカル
ボキシル基の導入によって、疎水性が弱くなるので注意
を要する。
【0039】R2 が表す炭素数4以上の長鎖アルキル基
としては、例えば、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、
t-ブチル、ヘキシル、デシル、ドデシル基等が挙げられ
る。これらのうち、疎水性の観点から、炭素数6〜12
程度のアルキル基が好ましい。また、上記アリール基が
有することのある置換基と同様の置換基を有していても
よい。R2 が表すパーフルオロアルキル基としては、ト
リフルオロメチル、トリフルオロエチル基等が挙げられ
る。
【0040】この疎水性ポリオキサゾリンも、親水性ポ
リオキサゾリンの場合と同様に対応するオキサゾリンの
開環重合により得ることができる。オキサゾリンの具体
例としては、例えば、2−フェニル−2−オキサゾリ
ン、2−p-トルイル−2−オキサゾリン、2−ブチル−
2−オキサゾリン、2−デシル−2−オキサゾリン、2
−トリフルオロメチル−2−オキサゾリン等が挙げられ
る。
【0041】このような両親媒性ポリオキサゾリンブロ
ック共重合体を用いると、疎水性低分子化合物をより効
率よく有機−無機ポリマーハイブリッド中に均一分散さ
せることができる。これは、両親媒性ブロック共重合体
の親水性ポリオキサゾリンセグメントの水素結合受容基
と金属酸化物のヒドロキシル基とが水素結合を形成し
て、ブロック共重合体と金属酸化物との親和性が確保さ
れると共に、疎水性ポリオキサゾリンセグメントが金属
酸化物中で疎水性ドメインをうまく形成して、その疎水
性ドメインに疎水性低分子化合物が均一分散されるため
と考えられる。
【0042】上記親水性ポリオキサゾリンと疎水性ポリ
オキサゾリンとを含むブロック共重合体の特別な場合と
して、式(3)で示される両親媒性ポリオキサゾリンブ
ロック共重合体が挙げられる。
【0043】
【化6】
【0044】式(3)において、R1 は上記(1)にお
けるR1 と同義であり、R2 は上記式(2)におけるR
2 と同義であり、R3 は2価の連結基を表す。k、l、
m、nは、繰り返し単位数を表す。
【0045】R3 が表す2価の連結基は、オキサゾリン
の開環重合の開始剤に由来するものであって、例えば、
p−ジブロモキシレンを開始剤として用いた場合にはp
−キシリレン基となる。同様にして、2価の連結基とし
て、m−キシリレン基、o−キシリレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基、−CH2 CH=CHC
2 −(1,4−ジブロモ−2−ブテンに由来する)等
が挙げられる。もちろん、これらのみに限定されるもの
ではない。
【0046】式(3)で示される両親媒性ブロック共重
合体は、例えば、次のスキームに従って合成することが
できる。R3 :p−キシリレン基の場合を示す。
【0047】
【化7】
【0048】p−ジブロモキシレンを開始剤として、2
位に置換基R2 を有するオキサゾリンを開環重合して、
疎水性有機ポリマーセグメントが導入されたリビングポ
リマー(5)を得る。続いてさらに、2位に置換基R1
を有するオキサゾリンを開環重合して、親水性有機ポリ
マーセグメントが導入されたポリマー(6)を得て、ポ
リマー生長末端を加水分解する。このようにして、両親
媒性ブロック共重合体(3)を合成することができる。
【0049】本発明の有機−無機ポリマーハイブリッド
においては、アミド結合、ウレタン結合及び/又は尿素
結合を有する非反応性ポリマーや金属酸化物の種類によ
っても異なるが、一般に、100重量部の非反応性ポリ
マーが、加水分解重合性金属化合物として10〜500
0重量部(好ましくは50〜2000重量部程度)の金
属酸化物マトリックス中に分散されたものであることが
好ましい。また、疎水性低分子化合物は、非反応性ポリ
マー100重量部に対して、10重量部程度(好ましく
は8重量部程度)までの量であることが好ましい。この
ような重量割合とすることにより、非反応性ポリマー及
び疎水性低分子化合物が金属酸化物マトリックス中に均
一に分散され、有機−無機ポリマーハイブリッドの透明
性、均質性を確保することができる。
【0050】また、本発明の有機−無機ポリマーハイブ
リッドには、必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、界面
活性剤などの各種添加剤を配合することも可能である。
【0051】次に、本発明の有機−無機ポリマーハイブ
リッドの製造方法について説明する。本発明の有機−無
機ポリマーハイブリッドを製造する方法は、特に限定さ
れるものではないが、通常はゾル−ゲル法を用いて製造
することが望ましい。
【0052】すなわち、本発明の有機−無機ポリマーハ
イブリッドの製造方法は、アミド結合、ウレタン結合及
び/又は尿素結合を有する非反応性ポリマーと、縮合芳
香族化合物及びアントラキノン系化合物からなる群から
選ばれる少なくとも1種の疎水性低分子化合物との存在
下、加水分解重合性金属化合物を加水分解重合すること
を含む。このゾル−ゲル法によって、前記疎水性低分子
化合物が非反応性ポリマーと共に、加水分解重合性金属
化合物の加水分解重合により生成した金属酸化物マトリ
ックス中に、均一に分散された有機−無機ハイブリッド
を得ることができる。
【0053】この加水分解重合反応は、従来のゾル−ゲ
ル法におけるのと同様の操作、条件で実施することがで
きる。例えば、前記疎水性低分子化合物及び非反応性ポ
リマーを加水分解重合性金属化合物と共に適当な良溶媒
に溶かして均一溶液として、その溶液に適当な酸触媒を
滴下し溶液を攪拌することにより、反応を行うことがで
きる。
【0054】このような溶媒としては、例えば、水;
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノールなどのアルコール類; ジエチルエー
テル、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類; N−メチルピロリドン、アセ
トニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、ベンゼン等が
挙げられ、これらの中から、適宜選択すればよい。ある
いはこれらの混合溶媒とすることもできる。
【0055】また、酸触媒としては、例えば、塩酸、硫
酸、硝酸、リン酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、トリクロ
ロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸な
どの有機酸等が挙げられる。
【0056】加水分解重合反応は、加水分解重合性金属
化合物の反応性にもよるが、一般に室温でも行うことが
でき、0〜150℃程度の温度、好ましくは室温〜50
℃程度の温度で行うことができる。反応時間は、反応温
度との関係で適宜定めればよいが、1〜240時間程度
である。また、反応は、窒素ガス等の不活性雰囲気下で
行ってもよく、0.5〜1気圧程度の減圧下で、重合反
応で生成するアルコールを除去しながら行ってもよい。
【0057】このような方法で、本発明の有機−無機ポ
リマーハイブリッドを得ることができる。このゾル−ゲ
ル反応において、ゾル状態、ゲル状態を通じて、前記疎
水性低分子化合物及び非反応性ポリマーと金属酸化物と
は相分離を起こすことがなく、均一透明な状態を保持し
ている。これは、非反応性ポリマーのカルボニル基と金
属酸化物のヒドロキシル基とが水素結合を形成して、非
反応性ポリマーと金属酸化物との親和性が確保されると
共に、非反応性ポリマーと前記疎水性低分子化合物との
親和性が良いためと考えられる。
【0058】本発明の有機−無機ポリマーハイブリッド
は、均一性、透明性に優れており、で、有機成分及び無
機成分双方の特性及び疎水性低分子化合物の機能性を発
現させたい各種用途に適用できる。例えば、ファイバ
ー、コーティング膜、フィルム、シート、球状体、棒状
体等への適用が考えられる。この成形は、各種目的に応
じて公知の成形法に従えばよく、流延法やコーティング
法、押し出し成形法、プレス成形法、遠心成形法、注型
成形法などから適宜選ばれる。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 [実施例1]窒素ガス雰囲気下、室温で、ポリ(2−メ
チルオキサゾリン)(PMeOZO、重合度=100)
0.5g及びピレン5mgを蒸留したエタノール100
mlに溶解し、10分間攪拌した。これにテトラエトキ
シシラン(TEOS)1.0gを加え10分間攪拌し、
さらに0.1N HCl(エタノール溶液)0.5ml
を加え1時間攪拌し、均一なゾル−ゲル反応溶液とし
た。この溶液を、50℃のデシケーター中に7日間保持
して、ゾル−ゲル反応を行わせ、有機−無機ハイブリッ
ドを得た。次に、ピレンの量をそれぞれ0mg(比
較)、15mg、25mg、35mg、50mgとした
以外は、上記操作と全く同様にして、ゾル−ゲル反応を
行わせ、有機−無機ハイブリッドを得た。
【0060】[比較例1]ポリ(2−メチルオキサゾリ
ン)を用いずに、ピレンをそれぞれ4mg、5mg、1
0mgとした以外は、上記操作と全く同様にして、ゾル
−ゲル反応を行わせた。得られた各材料について、外観
観察を目視で行った。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1より、ポリ(2−メチルオキサゾリ
ン)を存在させた実施例の有機−無機ハイブリッドで
は、ピレン量が50mgになるとやや濁りが観察された
が、ピレン量が35mgまでであると完全に透明均一な
有機−無機ハイブリッドが得られた。一方、ポリ(2−
メチルオキサゾリン)を存在させなかった比較例では、
ピレン量が5mgでも濁りが観察された。なお、目視外
観観察で透明均一なものにUV光を照射すると、ハイブ
リッドサンプル全体に均一な蛍光が見られた。
【0063】このように、ポリ(2−メチルオキサゾリ
ン)の存在によって、同一重量のテトラエトキシシラン
中に均一分散させ得るピレンの量が、大幅に上昇したこ
とが明らかである。ピレン量35mgが500mgのポ
リ(2−メチルオキサゾリン)によって分散された場
合、ポリマー鎖1分子あたり、約3分子のピレンが存在
していることになる。
【0064】(ピレン均一分散性の確認)実施例1のピ
レン量5mgハイブリッドサンプルAと、比較例1のピ
レン量5mgハイブリッドサンプルBについて、DSC
測定を行った。DSC測定チャートを図1及び図2に示
す。その結果、濁りのあるハイブリッドサンプルBにつ
いては、ピレンの融点(約150℃)を示す吸収が見ら
れたのに対して、透明なハイブリッドサンプルAについ
ては、ピークは観察されなかった。このことから、透明
なハイブリッドサンプルAでは、ピレンが完全に均一に
分散していることが確認できた。
【0065】[実施例2]この実施例2では、親水性セ
グメントとしてのポリ(2−メチルオキサゾリン)と疎
水性セグメントとしてのポリ(2−フェニルオキサゾリ
ン)とを含む両親媒性ブロック共重合体(7)を用い
た。ブロック共重合体(7)は、 1H−NMR分析によ
れば、ポリ(2−フェニルオキサゾリン)の重合度m+
n=18.3であり、ポリ(2−メチルオキサゾリン)
の重合度k+l=26.5であった。
【0066】
【化8】
【0067】ポリ(2−メチルオキサゾリン)に代えて
ブロック共重合体(7)0.5gを用いて、ピレンの量
をそれぞれ5mg、15mg、25mg、35mg、5
0mg、100mgとした以外は、実施例1と全く同様
にして、ゾル−ゲル反応を行わせ、有機−無機ハイブリ
ッドを得た。得られた各有機−無機ハイブリッドについ
て、外観観察を目視で行った。結果を表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】表2より、ブロック共重合体(7)を用い
ると、ピレン量が100mgでも完全に透明均一な有機
−無機ハイブリッドが得られた。疎水性ポリオキサゾリ
ンセグメントが金属酸化物中で形成した疎水性ドメイン
に、疎水性低分子化合物が均一分散されたためと考えら
れる。
【0070】
【発明の効果】本発明の有機−無機ポリマーハイブリッ
ドによれば、上述のように構成されているので、非反応
性ポリマーと共に各種機能を有する縮合芳香族化合物や
アントラキノン系化合物といった疎水性低分子化合物が
金属酸化物マトリックス中に均一に組み込まれたもので
あり、均質性及び透明性に優れている。とりわけ、非反
応性ポリマーとして両親媒性ポリオキサゾリンブロック
共重合体を用いると、前記疎水性低分子化合物の均一分
散量を大きくすることができる。
【0071】本発明の製造方法によれば、加水分解重合
という簡便な操作で、上記の均質性及び透明性に優れる
有機−無機ポリマーハイブリッドを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のサンプルAのDSC測定チャート
である。
【図2】 比較例1のサンプルBのDSC測定チャート
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 修 京都市左京区吉田近衛町官有地京都大学吉 田寮 (72)発明者 藤輪 高明 兵庫県姫路市余部区上余部500 4−412

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物のマトリックス中に、アミド
    結合、ウレタン結合及び/又は尿素結合を有する非反応
    性ポリマーと、縮合芳香族化合物及びアントラキノン系
    化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の疎水性
    低分子化合物とが均一に分散された有機−無機ポリマー
    ハイブリッド。
  2. 【請求項2】 金属酸化物のマトリックスが、加水分解
    重合性金属化合物のゾル−ゲル反応によって得られるも
    のである、請求項1に記載の有機−無機ポリマーハイブ
    リッド。
  3. 【請求項3】 金属酸化物のマトリックスが、シリカゲ
    ル及び/又はアルミナゲルである、請求項1又は2項に
    記載の有機−無機ポリマーハイブリッド。
  4. 【請求項4】 前記非反応性ポリマーが、オキサゾリン
    系ポリマー及び/又はポリビニルピロリドンである、請
    求項1〜3項のうちのいずれか1項に記載の有機−無機
    ポリマーハイブリッド。
  5. 【請求項5】 オキサゾリン系ポリマーが、式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子又は置換基を有していても良い
    炭素数1〜3の低級アルキル基を表す。)で示される構
    成単位からなる親水性有機ポリマーセグメントと、式
    (2) 【化2】 (式中、R2 は置換基を有していても良いアリール基、
    炭素数4以上の長鎖アルキル基又はパーフルオロアルキ
    ル基を表す。)で示される構成単位からなる疎水性ポリ
    マーセグメントとを含む両親媒性オキサゾリンブロック
    共重合体である、請求項4に記載の有機−無機ポリマー
    ハイブリッド。
  6. 【請求項6】 オキサゾリン系ポリマーが、式(3) 【化3】 (式中、R1 は水素原子又は置換基を有していても良い
    炭素数1〜3の低級アルキル基を表し、R2 は置換基を
    有していても良いアリール基、炭素数4以上の長鎖アル
    キル基又はパーフルオロアルキル基を表し、R3 は2価
    の連結基を表す。k、l、m、nは、繰り返し単位数を
    表す。)で示される両親媒性オキサゾリンブロック共重
    合体である、請求項4又は5項に記載の有機−無機ポリ
    マーハイブリッド。
  7. 【請求項7】 疎水性低分子化合物がピレンである、請
    求項1〜6項のうちのいずれか1項に記載の有機−無機
    ポリマーハイブリッド。
  8. 【請求項8】 アミド結合、ウレタン結合及び/又は尿
    素結合を有する非反応性ポリマーと、縮合芳香族化合物
    及びアントラキノン系化合物からなる群から選ばれる少
    なくとも1種の疎水性低分子化合物との存在下、加水分
    解重合性金属化合物を加水分解重合することを含む、疎
    水性低分子化合物を含む有機−無機ポリマーハイブリッ
    ドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008075650A1 (ja) 2006-12-20 2008-06-26 Nippon Sheet Glass Company, Limited 有機無機複合膜が形成された物品

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