JPH11140511A - 単分散金属微粒子粉末の製造方法 - Google Patents

単分散金属微粒子粉末の製造方法

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JPH11140511A
JPH11140511A JP30875797A JP30875797A JPH11140511A JP H11140511 A JPH11140511 A JP H11140511A JP 30875797 A JP30875797 A JP 30875797A JP 30875797 A JP30875797 A JP 30875797A JP H11140511 A JPH11140511 A JP H11140511A
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fine
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slurry
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JP30875797A
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English (en)
Inventor
Riyuusuke Kamiyama
竜祐 上山
Kazuyuki Kamata
和行 鎌田
Mamoru Kamiyama
守 上山
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Daiken Kagaku Kogyo KK
Original Assignee
Daiken Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より単分散性の高い金属微粒子粉末を工業的規
模で効率的に製造することを主な目的とする。 【解決手段】金属微粒子を含むスラリーを調製し、2以
上の方向から当該スラリーが交差するように噴射して当
該スラリーを互いに衝突させることにより、独立単分散
状態の金属微粒子粉末を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な金属微粒子
粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】金属微粒子粉末は、さまざまな方法により
製造されており、これらは主としてセラミックス電子材
料あるいは電子部品の厚膜回路等を形成するために使用
されている。また、有機合成化学の分野においても、金
属触媒として酸化−還元反応その他の有機材料の合成反
応に利用されている。その他にも抗菌剤、防ばい剤、農
薬添加剤等としても幅広く利用され、その需要は年々増
加する傾向にある。
【0003】これらの金属微粒子粉末は、技術分野によ
って要求される特性は異なるが、いずれの場合において
も粒子形状、粒径、粒度分布等が一定の範囲内に制御さ
れていることが望ましく、特に二次凝集の少ない単分散
球状粒子であることが理想的である。
【0004】例えば、電子部品の回路導体を形成する場
合、ペースト化(塗料化)が容易であって印刷性が良好
であり、しかも導体層が均一で緻密な被膜を形成できる
ことが必要である。従って、この場合にも粒径が揃って
いて、かつ、球状にできるだけ近い微粒子粉末が必要と
される。このような導体層を形成するには、一般的に厚
膜ペーストを用いた厚膜印刷法が用いられる。この方法
では、金属、合金等の微粒子粉末を有機バインダー(微
粒子粉末相互を結合するために配合される、有機高分子
物質からなる結合剤であって、「有機ビヒクル」ともい
う。)に分散してペースト状(塗料状)とし、これを絶
縁基板に印刷又は塗布した後、高温で焼き付けを行うも
のである。
【0005】上記方法で用いられるペースト(塗料)
は、具体的には、金属微粒子粉末及び有機バインダーに
必要に応じてガラス物質等の無機材料及びその他添加剤
を加え、これらを均一に混合分散してペースト状にした
ものである。このペーストに配合される金属微粒子粉末
は、スクリーン印刷されたり、あるいは塗布された場合
において、緻密でかつ平滑でピンホール、突起等のない
一様な金属膜を形成できることが必要である。すなわ
ち、金属微粒子粉末は、ペーストに配合される他の諸成
分に対して優れた濡れ性及び分散性を発現し、しかも純
度、形状、粒径等が的確に制御された、二次凝集のない
ものであることが必要である。
【0006】これに関し、かかる目的に用いられるよう
な金属微粒子粉末の製造方法としては、機械的粉砕法、
アトマイズ法、気相還元法、ガス蒸発法、電解析出法、
化学的還元法等がある。
【0007】機械的粉砕法としては、石臼による摺りつ
ぶし方式で粉砕する方法、ジョウクラッシャー、ハンマ
ークラッシャー等による衝撃力を利用した直接粉砕方
法、振動回転ボールミルを用いて衝撃力と摩砕力を利用
した粉砕方法等が挙げられる。しかし、これらの方法で
は、金属は一般に展延性を有することから金属が変形す
るだけで粉砕がなかなか進まない。このため、得られる
粉末は、扁平状、棒状、多角形状等の形状が不均一なも
のとなり、場合によっては数珠つなぎ状となることもあ
る。従って、この方法では、粒状、球状等の金属微粒子
粉末を得ることは到底できない。
【0008】一方、機械的粉砕法以外の上記方法によれ
ば、粒径が10μm以上の比較的大きな粗粉末から、1
0μm前後の中級の粉末、ひいては1〜10μmの微粉
末あるいはサブミクロン級の超微粉も得ることができ
る。しかし、これら方法によっても、各製造方法に特有
の欠点により十分に制御された所望の微粒子粉末が得ら
れていないのが現状である。
【0009】アトマイズ法は、金属を含有する溶液を霧
化し、この霧化溶液を個々の液滴とし、さらにこの液滴
を高温で熱分解して金属微粒子粉末を調製する方法であ
る(例えば、特開昭50−13785号、特公昭63−
31522号等)。しかし、この方法により得られる粉
末は、粒径のバラツキが大きく微粒子化が困難であるだ
けでなく、粒径制御も困難なために粒度分布の狭い微粒
子粉末を製造することは難しい。さらに、生成直後の微
粒子は、その表面活性が高いために粒子相互が結合し、
きわめて強い凝集粒子(二次粒子)を形成する。このた
め、単分散状の微粒子粉末を調製することはほとんど不
可能である。
【0010】気相還元法は、気相の金属塩化物を水素気
流中で還元して金属微粒子粉末を得るものである(例え
ば、Ramquist;Modern developments in powder metallu
rgy,4 75, (1971)参照)。しかし、この方法では、高価
な製造設備、製造技術の困難さ等に起因して金属微粒子
粉末が非常に高価になり、工業的規模での生産には適し
ていない。しかも、この方法により得られる金属微粒子
は、フィラメント状と言われる珠数状の粉末を形成しや
すいため、分散性の高い球状、粒状等の金属微粒子粉末
を得ることは容易ではない。
【0011】ガス蒸発法としては、溶融金属を蒸発させ
て気相とした後、これを凝集させて微粒子として析出さ
せる方法、あるいは高周波誘導加熱により金属を加熱し
て溶湯とし、これを蒸発させて金属微粒子粉末を製造す
る方法も提案されている(S.Kashu 他;Proc,6th Inter
n. Vacuum Cong.49〜(1974)参照)。しかし、これらの
方法はいずれも実験レベルのものであり、これらを工業
的規模で実施するためには生産効率のみならず製造する
微粒子の粒径制御等についても問題があり、技術的生産
工学的な面で解決しなければならない問題がきわめて多
い。
【0012】CVD法(Chemical Vapor Deposition)
或いはPVD法(Physical VaporDeposition)によって
金属微粒子粉末を製造することも知られている。これら
は、沸点の低い金属化合物を気化し、熱分解反応又は還
元反応により気相から金属微粒子粉末を析出させるもの
である。この方法では、カルボニル化合物、ハロゲン化
合物等が主として用いられている(H.Ramprey,et al;J.
ElectorochemicalSoc,109 713(1962). Y.Saeki,et al;
Denki Kagaku,46 643(1978). P.Duglenx,et al;Powder
Tech,27 45(1980). 吉沢他;粉体工学会誌,21,759(198
4). 大塚他;日本化学会誌,1984 869(1984)等参照)。こ
の方法では、原料化合物はノズルを通して噴出される
が、その反応は通常ノズル近傍で起こるので、分解生成
物はノズル近傍で生ずる。つまり、微粒子の形成機構と
しては、まずノズル付近で熱化学反応により原子又は分
子状で金属超微粒子が生成し、それらが衝突、合体して
微粒子に成長するものと考えられている。従って、最終
的には超微粒子どうしが衝突、合体して超微粒子粉末か
ら粗大粒子粉末まで幅広い領域の粉末を構成することと
なる。また、これらの粒子の大きさは、前記の原子、分
子あるいは超微粒子や微粒子が衝突、合体し得る温度、
雰囲気条件の領域にどのくらいの時間滞留するかによっ
て決まる。従って、粒径を制御するためには、反応ガス
濃度、反応温度、臨界核(金属超微粒子)の形成過程に
おける生成核の濃度、ガス流速、冷却速度等を厳密に管
理することが不可欠である。ところが、それらをすべて
管理することは容易ではない。このため、得られる粒子
は、実際上は独立した個々の粒子というよりもむしろフ
ィラメント或いはスモーク状の粒子形状になり易い。従
って、この方法でも、粒度分布が制御され、分散性に優
れた単分散性微粒子粉末を得ることはきわめて困難であ
る。
【0013】電解析出法は、金属塩の水溶液から電解析
出により金属微粒子粉末を析出する方法である(例え
ば、特開平2−138492号、特開平4−88104
号等)。この方法では、金属がディスチャージすること
により金属微粒子として析出するものである。従って、
ディスチャージは電位差が大きいところで顕著になるた
め、例えば電極表面の凹凸、突起等の表面状態により生
成粒子の形状、大きさ等が変化する。このため、形状、
粒径の揃った所望の微粒子粉末は製造しにくい。
【0014】これらに対し、工業的に金属微粒子粉末を
生産する方法として、金属化合物の水溶液に還元剤を作
用させて金属微粒子粉末を直接製造する方法、或いは金
属化合物の水溶液にアルカリを加え、いったん水酸化微
粒子又は酸化物微粒子とし、続いてこれらのスラリーを
還元して金属微粒子として回収する方法が提案されてい
る。
【0015】しかしながら、これらの方法でも、所望の
粒子形状、粒径等をもった二次凝集の少ない金属微粒子
粉末を得ることは困難である。これらの方法で得られる
金属微粒子は、表面の化学的特性・物理的特性が粒子内
部に比べて非常に高いため、強固な二次凝集が依然とし
て起こりやすい。また、金属微粒子の生成があまりにも
急激かつ高速であり、生成初期の金属微粒子どうしの相
互衝突が活発であるため、人為的に粒子形状、粒径等を
制御することが不可能に近い。さらに、液相からの固相
の析出に良く見られる晶癖、すなわち粒子の析出性のた
め、成長方向を等方性に制御することも非常に難しい。
しかも、水溶液中で化学的に還元することから、析出し
た金属粒子の表面が本質的に酸化物又は水酸化物に変質
しているため、一般にペーストの製造に用いられるバイ
ンダー、溶剤等に濡れにくい。従って、ペースト製造に
おいて、一次粒子として独立した単分散状態での混合は
難しく、不均一な混合状態のペーストになりやすい。こ
のように、一様な形状をもち、粒径の揃った分散性の高
い金属微粒子粉末を上記湿式還元法でも製造することは
非常に難しい。
【0016】このため、これらの問題を解決するための
製造方法も多数提案されているが、決して満足のいくも
のではない。例えば、硝酸銀水溶液を苛性アルカリで5
0℃以上で中和して酸化銀とした後に、40℃以下で還
元剤を添加して銀粉を製造する方法がある(特開昭60
−77907号)。しかし、この方法で得られる銀粉
は、凝集が激しいために、実際的には単分散銀粉を得る
ことはできない。
【0017】また、銀と還元剤の配合比率を一定範囲内
に制御した上で保護コロイドの存在下で硝酸銀のアンモ
ニウム錯体から銀粉末を得る方法がある(特開昭61−
276907号)。この方法によれば、粒度分布が狭く
単分散性に優れた微粉末が得られるという。しかし、こ
の方法により得られた粉末は、凝集粒子が依然として多
く存在し、金属ペースト用として工業的に実用化するこ
とはできない。
【0018】還元剤にアスコルビン酸又はアスコルビン
酸塩を用い、100℃以下で銀粉末を製造する方法があ
り、この方法では粒径制御が容易で分散性にも優れた銀
粉末が得られる(特開昭63−307206号)。しか
し、この方法においても、凝集粒子が多く、しかも凝集
粒子どうしの結合が強いため、十分な単分散性を得るこ
とはできない。
【0019】アミン存在下でヒドラジンによる銀の還元
法(特公昭56−15681号)、ポリオールを還元剤
として使用する銀粉末の製造方法(特公平4−2440
2号)等もあるが、いずれの方法でも粒径制御すること
は困難であり、粒子の凝集が強いため分散性にはなお不
満がある。
【0020】酸化銅を多価アルコールの存在下でヒドラ
ジンにより還元して銅粉末を製造する方法がある(特開
平1−290706号)。しかし、この方法では、ある
程度の粒径制御はできても、金属ペースト用として使用
するには、なお凝集粒子が多いため、適当ではない。
【0021】還元反応により銅塩から銅粉末を製造する
際において、いったん亜酸化銅を製造し、これを還元し
て銅粉末を得る方法もある。しかし、この方法では、球
状銅粉を効率良く製造できるものの、凝集粒子が多数存
在するため、やはり金属ペースト用には向いていない。
【0022】酸化銅の表面をシランカップリング剤で処
理してからヒドラジンで還元することにより、粒径の揃
った銅粉末を製造する方法も提案されている(特開平2
−34708号)。ところが、この方法で製造した粉末
には粗大な凝集粉は少ないが、凝集粒子の結合力が強い
ため、満足できる分散性は得られず、この点においてさ
らなる改良が必要である。
【0023】保護コロイドを添加した酸化銅のスラリー
を用い、ヒドラジンで還元する方法もある(特開昭59
−116303号)。しかし、この方法では嵩密度はあ
る程度高くなるものの、これまでの方法と同様に凝集粒
子が多く、また凝集粒子の結合力も大きく、分散性にお
いては満足できるものではない。
【0024】その他にも硫酸銅等の水溶性銅塩を還元す
ることにより銅粉末を製造する方法もある(特開昭60
−86203号)。しかし、この製造方法も粒径制御が
困難であり、また凝集粒子の解粒分散性に対する不満も
大きく、なお改善すべき点が多い。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の製
造方法による金属微粒子粉末は、依然として凝集粒子が
多数存在し、十分な単分散性が得られないため、その用
途も大幅に制約されているのが現状である。
【0026】従って、本発明は、より単分散性の高い金
属微粒子粉末を工業的規模で効率的に製造することを主
な目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、個々の金属微
粒子を変形させることなく、凝集した金属微粒子を効率
的に開裂・解粒できる方法を見出し、本発明を完成する
に至った。
【0028】すなわち、本発明は、金属微粒子を含むス
ラリーを調製し、2以上の方向から当該スラリーが交差
するように噴射して当該スラリーを互いに衝突させるこ
とにより、独立単分散状態の金属微粒子粉末を製造する
方法に係るものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態と
ともに説明する。
【0030】(1)金属微粒子の調製 まず、本発明で用いる金属微粒子(粉末)の平均粒径
は、金属微粒子の種類、用途等に応じて適宜設定すれば
良いが、通常は0.2〜30μm程度、好ましくは0.
3〜20μm、最も好ましくは0.3〜10μmとすれ
ば良い。平均粒径が大きすぎる場合には、噴射された粒
子の衝突衝撃力が強すぎるために粒子が変形するおそれ
があり、またいわゆる突き固め現象による再凝集粒子が
生成しやすくなる。一方、平均粒径が小さすぎる場合に
は、加速粒子の衝突時のエネルギーが足りないことがあ
り、凝集粒子が十分に開裂・解粒できなくなるおそれが
あるので好ましくない。
【0031】出発材料である金属微粒子の種類として
は、後記に示すような適当な溶媒に分散できる限り特に
制限されず、実質的にあらゆるものを適用することがで
き、使用目的等に応じて適宜選択すれば良い。例えば、
Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、ランタノイド元
素、アクチノイド元素、Ti、Zr、Hf、V、Nb、
Ta、Cr、Mo、W、Mn、Te、Re、Fe、R
u、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、C
u、Ag、Au、Zn、Al、Ga、In、Tl、S
i、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Se、Te、Po
等の元素、これら元素の合金又は金属間化合物、これら
元素の酸化物、窒化物、塩化物、炭化物、珪化物等、あ
るいはこれらの混合物等を使用することができる。これ
らは、既存の市販品もそのまま使用することができる。
【0032】また、これら金属微粒子は、いずれの製造
方法により調製されたものであっても良く、公知の化学
的、物理的、電気的、機械的、熱的方法により得られた
金属微粒子粉末であっても良い。具体的には、化学的乾
式法、湿式還元法、CVD法、PVD法、アトマイズ
法、電解析出法等により得られる金属微粒子であっても
そのまま採用することができる。
【0033】本発明では、湿式還元法により金属微粒子
を調製することが好ましい。すなわち、金属化合物の溶
液に還元剤を添加して当該溶液から金属微粒子を還元析
出する方法が好適に採用することができる。具体的に
は、所望の金属元素を含む金属化合物(例えば、Ag微
粒子粉末を得る場合は硝酸銀等)を用い、これを適当な
溶媒(水、アルコール等)に溶解させ、さらに必要に応
じてアラビアゴム等の公知の表面改質剤を添加して攪拌
した後、ヒドラジン類、金属塩類等の公知の還元剤を還
元当量以上添加して金属微粒子を還元析出させれば良
い。
【0034】還元析出した金属微粒子の回収は、いずれ
の方法であっても良く、例えば攪拌している場合はその
まま濃縮して回収したり、あるいは金属微粒子を沈降さ
せた後にデカンテーション等により濃縮乾燥しても良
い。また、沈降した金属微粒子を必要に応じて水洗した
後に公知の固液分離方法に従って回収しても良い。必要
に応じて、回収した後にさらに水洗しても良い。なお、
湿式還元法における金属化合物、還元剤及び表面改質剤
の種類、溶媒の種類、溶液の濃度、表面改質剤の添加量
等は、用いる金属化合物の種類、溶媒の種類等に応じて
適宜選択すれば良い。
【0035】特に、本発明の製造方法では、当初より単
分散性の高い金属微粒子粉末を出発材料として使用すれ
ば、さらに単分散性の高い金属微粒子粉末を得ることが
できる。このような金属微粒子粉末は、例えば、金属塩
の溶液に還元剤を添加することにより金属超微粒子から
なる独立単分散状態にある核を生成させる第一工程、及
び上記金属超微粒子及び還元剤の存在下、金属塩の溶液
から金属を還元析出させる第二工程を有する製造方法に
より調製することもできる。
【0036】上記の第一工程において使用する金属塩と
しては、適当な溶媒に溶解できる限り特に制限されず、
実質的にあらゆる金属塩(硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リ
ン酸塩、ケイ酸塩、塩化物等)を用いることができ、そ
の種類は所望の金属超微粒子(本発明では「核粒子」と
もいう。)あるいは金属微粒子の種類に応じて適宜選択
すれば良い。例えば、Ag核粒子を得ようとする場合は
金属塩として硝酸銀等を用いれば良い。
【0037】第一工程で用いる溶媒としては、特に制限
されないが、通常は水、アルコール類のほか、石油系炭
化水素、植物系炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素
類、ハロゲン化炭化水素類、ニトロ炭化水素化合物、ケ
トン類、エーテル類、エステル類、アセタール類、フラ
ン類、硫黄誘導体等を用いることができる。これら溶媒
は単独で又は2種以上併用しても良い。金属塩の溶液の
濃度は、反応温度、用いる金属塩の種類等に応じて適宜
定めれば良いが、通常は0.001〜10g/リットル
程度、好ましくは0.001〜5g/リットル、より好
ましくは0.001〜1g/リットルとする。
【0038】上記金属塩の溶液に還元剤を添加すること
により金属超微粒子からなる独立単分散状態にある核を
生成させる。この場合、攪拌しながら還元剤を添加する
ことが好ましい。また、攪拌は、第一工程中において金
属塩の溶液の調製時から継続的又は断続的に行っても良
い。溶液の攪拌条件は、特に制限されず、公知の攪拌装
置を用いれば良い。反応温度は、特に制限されないが、
通常は−5〜250℃程度の範囲において製造する微粒
子の種類等に応じて適宜調整すれば良い。
【0039】第一工程で用いる還元剤としては、上記金
属塩の溶液から金属を還元析出し、金属超微粒子を調製
できる限り特に制限されず、公知の還元剤も用いること
ができる。例えば、ヒドラジン二水和物等のヒドラジン
類、硫酸第一鉄、塩化第一銅、塩化第一鉄、塩化第一ス
ズ等の金属塩類、ギ酸、シュウ酸等のカルボン酸類、ホ
ルマリン等のアルデヒド類、グリセリン等の多価アルコ
ール類、その他過酸化水素、ヨウ化カリウム、水素化ホ
ウ素ナトリウム等が挙げられ、これらは単独で又は2種
以上を併せて用いることができる。
【0040】還元剤の使用量は、金属塩の種類及びその
濃度等によって異なるが、通常は当該金属塩の溶液から
金属が還元析出するのに必要な化学量論比以上の量を使
用すれば良く、その上限は特に制限されない。従って、
例えば過剰量の還元剤を使用しても良い。
【0041】金属塩の溶液中には、これらの成分のほか
に、必要に応じて分散剤等の成分を配合しても良い。分
散剤としては、単分散化等を促進できるものであれば特
に制限されず、例えばデキストリン、アラビアゴム、ゼ
ラチン、その他各種界面活性剤等を用いることができ
る。
【0042】生成した金属超微粒子は、必要に応じて公
知の回収方法に従って回収し、第二工程における核粒子
として用いる。例えば、攪拌している場合はそのまま第
二工程の金属超微粒子として用いても良く、あるいは攪
拌終了後、自然放置等により金属超微粒子を沈降させ、
その後に再び攪拌してスラリー状とし、そのスラリーを
そのまま第二工程で用いても良い。また、沈降した金属
超微粒子を必要に応じて水洗し、次いで公知の固液分離
方法に従って回収しても良い。なお、回収後に必要に応
じてさらに水洗しても良い。
【0043】第二工程では、上記金属超微粒子及び還元
剤の存在下、(好ましくは攪拌しながら)金属塩の溶液
から金属を還元析出させる。この場合、本発明の効果を
妨げない限りにおいては、予め核粒子を生成させて、こ
れを分離回収し、あらためて別容器に移して第二工程を
行っても良く、また第一工程終了後に引き続いて同一容
器内で第二工程を行っても良い。特に、第一工程と第二
工程とは個別に分離して操作することが好ましく、さら
に好ましくは第一工程と第二工程は個別に操作し、か
つ、第一工程が終了した後に第二工程を引き続き連続し
て実施する。
【0044】第二工程で使用する金属超微粒子は、原則
としてはメゾスコピックレベルの金属核であって、独立
した単分散性に優れたものであればいずれも採用するこ
とができる。この限りにおいては、従来の化学的、物理
的、電気的、機械的、熱的方法等による方法(例えば、
化学的還元法、CVD法、PVD法、アトマイズ法等)
により製造されたものであっても、特に凝集、複数個の
粒子の結合、連鎖結合等が起こらない限りは使用するこ
とができる。本発明では、特に、上記第一工程で調製さ
れた金属超微粒子を用いることが最も好ましい。
【0045】第二工程で使用する金属超微粒子の種類
は、特に制限されず、前記の出発材料として掲げた金属
微粒子を用いることができる。これらの中でも、第二工
程で用いる金属塩における金属(元素)とイオン化傾向
が同じ又はそれよりも小さいものであることが好まし
い。イオン化傾向が同じものの中には、上記金属塩にお
ける金属と同じ金属も含まれる。例えば、第二工程の金
属塩として硝酸銀を用いる場合は、金属超微粒子として
銀の超微粒子(Ag核粒子)を用いることができる。
【0046】用いる金属超微粒子の粒径は、所望の金属
微粒子粉末の大きさに応じて適宜設定することができる
が、通常は3〜1000nm程度、好ましくは5〜50
0nm、より好ましくは5〜100nmとする。粒径が
大きすぎると懸濁状態が維持できず、沈降が生じ、最終
的に得られる微粒子の粒径が不揃いになるおそれがあ
る。一方、粒径が小さすぎると核成長が不均一になりや
すく、やはり得られる微粒子の粒径が不均一になるおそ
れがある。第二工程における金属塩の溶液中に存在させ
る金属超微粒子量は、金属塩の種類、溶液の濃度等に応
じて変更できるが、通常は0.001〜40g/リット
ル程度、好ましくは0.001〜20g/リットル、よ
り好ましくは0.001〜10g/リットルとする。
【0047】第二工程で使用できる還元剤としては、第
一工程と同様のものを使用することができる。また、還
元剤の使用量は、金属塩の種類及びその濃度、添加する
金属超微粒子の種類等によって異なるが、通常は当該金
属塩から金属が還元析出するのに必要な化学量論比以上
の量とすれば良く、経済性が損なわれない限り上限は特
に制限されない。
【0048】また、第二工程においても、必要に応じて
分散剤等の成分を添加することができる。分散剤として
は、第一工程と同様のものを用いることができるが、分
散剤の添加量は最終的に金属微粒子粉末の回収作業に支
障を来さない限り特に制限されない。なお、分散剤の添
加時期は特に制限されず、例えば還元剤を加える前に予
め添加しても良く、また還元剤と同時に添加しても良
い。
【0049】第二工程では、還元剤等を好ましくは攪拌
しながら徐々に添加する。これにより、金属超微粒子を
核として、この核に還元した金属が逐次沈着し、最終的
に金属微粒子粉末が得られる。攪拌は、上記沈着が完了
するまで又は完了後もしばらく続けても良い。また、攪
拌は、公知の攪拌装置を用いて実施すれば良い。反応温
度は−5〜250℃程度の範囲で還元する金属の種類に
応じて適宜設定すれば良い。攪拌後、必要に応じて、生
成した金属微粒子が十分沈降するまで放置する。溶液中
に沈降した金属微粒子は、必要に応じて水洗した後、公
知の固液分離方法に従って回収すれば最終的に金属微粒
子粉末として得ることができる。
【0050】(2)金属微粒子を含むスラリーの調製 次いで、金属微粒子粉末を溶媒に分散させてスラリーを
調製する。この場合、金属微粒子粉末は攪拌しながら分
散させることが好ましい。特に、噴射処理が完了に至る
まで攪拌を継続的又は断続的に行っても良い。攪拌方法
は、公知の攪拌装置を用いて行えば良い。
【0051】溶媒としては、特に制限されず、公知のも
のも使用することができる。例えば、水、アルコール類
のほか、石油系炭化水素、植物系炭化水素、芳香族炭化
水素等の炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ニトロ炭
化水素化合物、ケトン類、エーテル類、エステル類、ア
セタール類、フラン類、硫黄誘導体等を用いることがで
きる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上で用いても
良い。
【0052】本発明では、特に、目的とする金属微粒子
粉末の密度よりも小さな密度を有するものが好ましい。
一般的には、溶媒の密度は1.2以下、好ましくは1以
下、特に0.95以下であることが好ましい。
【0053】なお、金属微粒子表面に物理的に吸着した
り、化学的に反応結合したり、あるいはメカノケミカル
反応を介して化学結合するような溶媒であっても、金属
微粒子の本質的性質を損なわない限り、本発明で用いる
ことができる。
【0054】スラリー中における金属微粒子の濃度は、
噴射処理が可能である限りは特に制限されないが、通常
は0.01〜1000g/リットル程度、好ましくは
0.01〜800g/リットル、最も好ましくは0.0
1〜500g/リットルとすれば良い。
【0055】また、上記スラリー中には、本発明の効果
を損なわない範囲内で、必要に応じて表面処理剤、表面
改質剤、酸化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属酸化
物微粒子等を配合しても良い。
【0056】表面処理剤は、主として金属微粒子の表面
を濡れ性を改善するものであり、分散している金属微粒
子と反応して溶解したり、金属微粒子を著しく変質させ
ない限りはいずれの表面処理剤も使用することができ、
公知のものも使用することができ、市販品もそのまま使
用できる。
【0057】例えば、脂肪酸石鹸、金属石鹸、硫酸化
油、ロート油、アルカリ硫酸エステル塩、ポリオキシエ
チレン・アルキル・アリルエーテル硫酸エステル塩、脂
肪酸アルキロール・アミド硫酸エステル塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルベンゼン・スルホン酸塩、ジアル
キル・スルホ・コハク酸塩、脂肪酸アルキロールアミド
スルホン酸塩、アルキルリン酸塩等の陰イオン界面活性
剤、脂肪酸グリセリド、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキル・アリルエーテル、ソルビタン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レン・ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキ
シエチレングリコールエーテル等、アルキル硫酸エス
テル、アルキル・アミン塩、第4級アンモニウム塩、ア
ルキルピリジニウム塩等の陽イオン界面活性剤、アル
キル・ベタイン、イミダゾリン誘導体等の非イオン界面
活性剤等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上
で用いても良い。表面処理剤の添加量は、金属微粒子の
種類、粒径・粒形、スラリー濃度等に応じて適宜設定す
れば良い。
【0058】表面改質剤は、主として金属微粒子の単分
散化を促進するものであり、この限りにおいては特に制
限されず、公知のものも使用できる。例えば、デキスト
リン、アラビアゴム、ゼラチン、ショ糖等のほか、脂肪
族カルボン酸、芳香族カルボン酸、脂肪酸、脂肪族メル
カプタン、芳香族メルカプタン、メルカプトカルボキシ
ラミン(メルカプトアミノ酸)、メルカプトアミン類等
の公知の有機質薄膜形成剤、表面改質剤として用いられ
るものも使用することができる。これらは、単独で又は
2種以上で用いても良い。表面改質剤の添加量は、金属
微粒子の種類、粒径・粒形、スラリー濃度等に応じて適
宜設定すれば良い。
【0059】(3)スラリーの噴射処理 次いで、金属微粒子を含むスラリーを用い、2以上の方
向から当該スラリーが交差するように噴射し、当該スラ
リーを互いに衝突させる。すなわち、スラリーどうしを
直接衝突させることにより、衝突衝撃力を発生させ、こ
の力を利用して凝集している金属微粒子を独立単分散状
態に開裂・解粒させる。
【0060】噴射する手段自体は、最終的に金属微粒子
を独立単分散状態に開裂・解粒できる限り特に制限され
ず、例えば一般の塗装等で用いられている公知の塗装装
置を用いることができる。すなわち、コンプレッサー等
によりスラリー自体を加圧したり、あるいは圧縮空気に
スラリーを吸引させることによって、ノズルからスラリ
ーを噴射すれば良い。なお、本発明では、スラリーを攪
拌しながらノズルに供給することが好ましい。
【0061】噴射条件(噴射方向(角度)、ノズル数、
噴射速度等)も、最終的に金属微粒子を独立単分散状態
に開裂・解粒できる限り特に制限されず、スラリーの種
類、最終製品の用途等に応じて適宜設定すれば良い。例
えば、2方向から噴射する場合は、ノズルを互いに対向
(180度)するようにして噴射したり、直角(90
度)で交差するように噴射しても良い。あるいは、互い
に120度をなす3方向から1点で交差するようにスラ
リーを噴射することも可能である。この場合、各方向か
ら異なる金属微粒子を含むスラリーを噴射すれば2種以
上の金属微粒子からなる混合粉末を得ることもできる。
このほかにも、当初から2種以上の金属微粒子を含むス
ラリーを用い、これを2以上の方向から噴射しても混合
粉末が得られる。
【0062】噴射速度(ノズル通過時)は、用いる金属
微粒子、溶媒の種類等に応じて適宜設定すれば良いが、
通常は150〜1000m/秒程度とすれば良い。ま
た、ノズルの材質は、セラミックスノズル、ダイヤモン
ドノズル、ステンレススチールノズル、スチールノズル
等の公知のものを採用できる。噴射温度(噴射時のスラ
リーの温度)は、スラリーの粘度、金属微粒子粉末の種
類等に応じて適宜設定すれば良く、通常は−5〜250
℃程度、好ましくは0〜200℃の範囲内で設定すれば
良い。
【0063】上記の噴射速度は、スラリーに加える圧
力、ノズル径等を調節することにより所定の速度に設定
することができる。例えば、ノズル径が0.1〜0.4
mm程度である場合には、100〜3500kgf/cm2
度、好ましくは1000〜3500kgf/cm2、より好ま
しくは1500〜3000kgf/cm2とし、この範囲内で
適宜調整すれば良い。
【0064】この場合、圧力が低すぎると、凝集粒子の
開裂が不十分となるおそれがある。また、超音速の流速
を実現するためにノズル径を極端に絞り込めば、熱の異
常発生による再凝集が起こりやすくなり、また上流線も
細くなるので互いに衝突させるためには精密な機械加工
・調節が要求される。しかも、ノズル径を極端に絞り込
めば、ノズル部品、配管系等の摩耗損傷も大きくなる。
【0065】一方、圧力が高すぎると、金属微粒子どう
しの強い衝突により突き固め現象による再凝集が起こる
ことがある。ノズルの摩耗損傷が大きくなり、またその
圧力に耐え得る配管も必要となり、経済的でない。
【0066】(4)金属微粒子粉末の回収 噴射処理により衝突させたスラリーは、適当な容器等に
より収集した後、公知の沈殿分離法、水簸法、濾過法、
還元分離法等を用いて固液分離して回収すれば良い。ま
た、回収に先立って、スラリー中に含まれる溶媒、表面
処理剤、表面改質剤等を取り除き、水等で金属微粒子を
洗浄することが好ましい。あるいは、スラリー中の溶媒
等と他の溶媒とを置換してから洗浄を行っても良い。ま
た、最終的に金属微粒子粉末を回収した後にも、必要に
応じて再度水洗することもできる。
【0067】なお、本発明では、回収工程は、前記の噴
射処理中に同時に行っても良く、また当該処理がすべて
終了した後に行っても良い。
【0068】本発明の製造方法により得られる金属微粒
子粉末は、一般的には平均粒径0.2〜30μm程度で
あり、また一次粒子の粒度分布がほぼ正規分布範囲とな
る。但し、上記平均粒径の範囲外であっても、単分散性
の高い金属微粒子粉末を得られる限りは本発明に包含さ
れる。
【0069】
【発明の効果】本発明の製造方法では、金属微粒子を分
散した特定のスラリーを用い、噴射による衝突衝撃力を
利用して凝集体を開裂・解粒させるので、個々の金属微
粒子を変形・破壊することなく、単分散金属微粒子粉末
を工業的規模で効率的に製造することができる。
【0070】特に、出発材料として、予めメゾスコピッ
クレベル(nmレベル)の金属超微粒子を存在させ、こ
れを金属核粒子(核)として還元金属を析出沈着させて
得た単分散金属微粒子粉末を用いる場合には、二次凝集
が実質的に存在しない極めて単分散性に優れた金属微粒
子粉末を比較的容易に得ることができる。
【0071】このような特徴をもつ上記金属微粒子粉末
は、各種分野に幅広く利用することができる。例えば、
電子部品(コンデンサー、ハイブリッドIC、半導体パ
ッケージ、誘電体フィルター等)、抗菌剤・抗かび剤、
触媒材料、医薬品・化粧品、塗料、プラスチックス、農
薬等の各種分野の材料に応用することができる。特に、
ペースト状に加工するに際して粒子の変形、再凝集等が
起こらず、印刷性、塗膜性等に優れることから、厚膜ハ
イブリッドIC、半導体パッケージ等の金属ペースト
(厚膜ペースト)用として最適である。
【0072】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0073】実施例1 1 金属微粒子を含むスラリーの調製 (1)銀スラリー液 硝酸銀250gを純水1.5リットルに溶解させて硝酸
銀水溶液を調製した。次いで、アラビアゴム50gを
0.1リットルの温湯に溶解させて得られた溶液を上記
硝酸銀水溶液中に投入し、激しく攪拌した。その後、引
き続き攪拌しながら、硝酸銀を還元するのに必要なモル
数の1.5倍量のヒドラジンを配合し、硝酸銀から銀微
粒子を還元析出させた。次いで、デカンテーションによ
り上澄み液を分離した後、新たに1.5リットルの純水
を配合して銀微粒子粉末と純水からなる銀スラリー液を
得た。さらに、上記スラリーに対して非イオン系界面活
性剤(イミダゾリン誘導体)を添加して激しく攪拌して
所望の銀微粒子粉末製造用のスラリーを得た。
【0074】なお、得られた銀微粒子粉末の平均粒径を
走査型電子顕微鏡(SEM)による観察によって倍率を
考慮しながら算出したところ、平均粒径約1.0μmで
あった。一方、マイクロトラック粒度分布計による最大
凝集粒径は約45μmであった。
【0075】(2)銀−パラジウムスラリー液 銀イオン濃度が20g/リットル、パラジウムイオン濃
度が8g/リットルである銀−パラジウム酸性溶液60
リットルを調製した。次いで、銀イオン及びパラジウム
イオンを還元するのに必要なモル数の1.5倍量のヒド
ラジンを少しずつ添加し、そのまま1時間攪拌して熟成
した。その後、デカンテーションにより上澄み液を分離
して、銀−パラジウム微粒子を得た後、これをさらに6
0リットルの純水で十分洗浄し、次いで1.5リットル
の純水を加えて激しく攪拌することによって銀−パラジ
ウム共沈粉末(混合粉末)を含むスラリーを得た。次
に、このスラリーに対して非イオン系界面活性剤(イミ
ダゾリン誘導体)を添加して激しく攪拌して所望の銀−
パラジウム微粒子粉末製造用のスラリーを得た。
【0076】なお、得られた銀−パラジウム微粒子粉末
の平均粒径をSEM観察によって倍率を考慮しながら算
出したところ、平均粒径約0.8μmであった。一方、
マイクロトラック粒度分布計による最大凝集粒径は約2
5μmであった。また、組成比は、およそAg70重量
%−Pd30重量%であった。
【0077】(3)パラジウムスラリー液 塩化パラジウム濃度24重量%である塩化パラジウムの
塩酸溶液500gに対して、炭酸アンモニウム水溶液を
pHが8になるまで過剰に添加し、塩化パラジウムのア
ンモニウム錯体を調製した。次に、アラビアゴム20g
を適当な量の温湯に溶かした溶液を調製し、これを上記
アンモニウム錯体を含む溶液に加え、十分に攪拌して均
一に分散させた。次いで、上澄み液を60℃に加熱保持
し、激しく攪拌しながら塩化パラジウムを還元するのに
必要なモル数の1.5倍量のヒドラジンを少しずつ添加
した。その後、30分間放置して還元反応を十分に進行
させて熟成した。次いで、溶液の上澄み液をデカンテー
ションにより分離した。続いて、沈殿したパラジウム微
粒子を含むスラリーを60リットルの純水で洗浄し、デ
カンテーションにより上澄み液を分離することによりパ
ラジウム微粒子スラリーとし、次いで1.5リットルの
純水を配合してから激しく攪拌し、パラジウム微粒子粉
末のスラリーを調製した。次いで、このスラリーに対し
て非イオン系界面活性剤(イミダゾリン誘導体)を添加
して激しく攪拌して所望のパラジウム微粒子粉末製造用
のスラリーを得た。
【0078】なお、得られたパラジウム微粒子粉末の平
均粒径をSEM観察によって倍率を考慮しながら算出し
たところ、平均粒径約0.8μmであった。一方、マイ
クロトラック粒度分布計による最大凝集粒径は約28μ
mであった。
【0079】(4)パラジウムスラリー液 金属パラジウムを王水に溶解することにより、パラジウ
ム濃度が247g/リットルの溶液を調製した。この溶
液を、90℃の温度に保持したハイドロキノン溶液中に
噴霧してパラジウムを還元した。
【0080】なお、得られたパラジウム微粒子粉末の平
均粒径をSEM観察によって倍率を考慮しながら算出し
たところ、平均粒径約0.3μmであった。一方、マイ
クロトラック粒度分布計による最大凝集粒径は約35μ
mであった。
【0081】(5)パラジウムスラリー液 硝酸パラジウムをエタノール(80重量部)/水(20
重量部)の混合溶媒に溶解させ、0.5モル/リットル
の硝酸パラジウム溶液を調製した。次いで、溶液を直立
型高温シリンダ分解炉の上部からセラミックスノズルに
より噴射することによりシリンダ分解炉内に硝酸銀溶液
を霧滴状態で噴霧した。高温シリンダ分解炉は、シリン
ダ中央ゾーンの温度が1200℃、上下端ゾーンの温度
が1000℃以下になるように設定した。このように調
節されたシリンダ内に噴霧された硝酸パラジウム霧滴は
100℃前後の上端部ゾーンで乾燥された後、1200
℃の中央ゾーンで加熱分解されて金属パラジウムに還元
され、かつ、溶融された結果、SEM観察から求めた平
均粒径0.5μmのパラジウム微粒子粉末が得られた。
次いで、このスラリーに対して非イオン系界面活性剤
(イミダゾリン誘導体)を添加して激しく攪拌して所望
のパラジウム微粒子粉末製造用の原料スラリーを得た。
なお、マイクロトラック粒度分布計による最大凝集粒径
は約25μmであった。
【0082】(4)銅スラリー液 炭酸銅(CuCO3)250gを純水3リットルに溶解
させて炭酸銅水溶液を調製した。これに、アラビアゴム
100gを温湯に溶解させた溶液を加えた。次いで、こ
の混合溶液を70℃に加熱保持した状態で激しく攪拌し
ながらヒドラジンを少し添加し、さらに1時間保持して
還元反応を十分に進行させてから室温まで冷却し、銅微
粒子粉末を析出させた。次いで、析出した銅微粒子粉末
を濾別して、さらに純水で十分に洗浄した。その後、洗
浄した銅微粒子粉末にアセトンを配合し、残留水分を除
去してから乾燥して銅微粒子粉末を得た。次いで、この
スラリーに対して純水1リットルに非イオン系界面活性
剤(イミダゾリン誘導体)を添加した溶液を配合して激
しく攪拌して所望の銅微粒子粉末製造用の原料スラリー
を得た。
【0083】得られた銅微粒子の平均粒径をSEM観察
によって倍率を考慮しながら算出したところ、平均粒径
約0.6μmであった。一方、マイクロトラック粒度分
布計による最大凝集粒径は約30μmであった。
【0084】2 金属微粒子粉末の凝集粒子の開裂・解
粒 前記(1)で得られたスラリーを(a)1500kgf/cm
2、(b)2000kgf/cm2、(c)2500kgf/cm2
び(d)3000kgf/cm2の圧力で加圧し、直交するよ
うに設置された2対のノズルからスラリーを噴射し、超
音速の流速で繰り返し直交衝突させて、その衝突による
衝撃力でスラリー中の金属微粒子の凝集粒子を開裂・解
粒した。金属微粒子を沈殿濾別して回収した。
【0085】前記(2)〜(6)で得られたスラリーに
ついても、上記と同様の方法で噴射処理を行い、凝集粒
子の開裂・解粒を行った。これらの結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】表1の結果より、いずれのスラリーにおい
ても、金属微粒子の凝集粒子は1500〜3000kgf/
cm2の圧力で噴射衝突させることによってほぼ一次粒子
に解粒できた。なお、SEMにより粒子形状及び粒径を
観察したところ、上記処理による変形等の異常は認めら
れず、処理前と全く変わらなかった。また、マイクロト
ラック粒度分布計による平均粒径はSEMにより実測し
た平均粒径とほぼ一致していた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属微粒子を含むスラリーを調製し、2以
    上の方向から当該スラリーが交差するように噴射して当
    該スラリーを互いに衝突させることにより、独立単分散
    状態の金属微粒子粉末を製造する方法。
  2. 【請求項2】金属化合物の溶液に還元剤を添加して当該
    溶液から金属微粒子を還元析出し、次いで当該金属微粒
    子を含むスラリーを調製し、2以上の方向から当該スラ
    リーが交差するように噴射して当該スラリーを互いに衝
    突させることにより、独立単分散状態の金属微粒子粉末
    を製造する方法。
  3. 【請求項3】金属微粒子が、金属塩の溶液に還元剤を
    添加することにより金属超微粒子からなる独立単分散状
    態にある核を生成させる第一工程、及び上記金属超微
    粒子及び還元剤の存在下、金属塩の溶液から金属を還元
    析出させる第二工程を有する製造方法によって調製され
    たものである請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】スラリー中に表面処理剤及び表面改質剤の
    少なくとも1種が含まれている請求項1又は2に記載の
    製造方法。
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