JPH11140530A - 極低窒素ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
極低窒素ステンレス鋼の製造方法Info
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- JPH11140530A JPH11140530A JP32525797A JP32525797A JPH11140530A JP H11140530 A JPH11140530 A JP H11140530A JP 32525797 A JP32525797 A JP 32525797A JP 32525797 A JP32525797 A JP 32525797A JP H11140530 A JPH11140530 A JP H11140530A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 転炉精錬において出鋼される際のステンレス
溶鋼の窒素ピックアップ量を低減すると共に、真空精錬
における粉体使用にかかる負荷を軽減して極低窒素ステ
ンレス鋼を効率的に製造できる極低窒素ステンレス鋼の
製造方法を提供する。 【解決手段】 転炉精錬における吹酸脱炭終了時のステ
ンレス粗溶鋼13の炭素濃度を0.5wt%以下とし
て、吹酸脱炭により生じるクロム含有スラグ21を転炉
15中に未還元状態のまま残してステンレス粗溶鋼13
を取鍋16に出鋼し、転炉精錬に続く真空精錬でステン
レス粗溶鋼13の吹酸脱炭処理及び脱ガス処理を行う。
溶鋼の窒素ピックアップ量を低減すると共に、真空精錬
における粉体使用にかかる負荷を軽減して極低窒素ステ
ンレス鋼を効率的に製造できる極低窒素ステンレス鋼の
製造方法を提供する。 【解決手段】 転炉精錬における吹酸脱炭終了時のステ
ンレス粗溶鋼13の炭素濃度を0.5wt%以下とし
て、吹酸脱炭により生じるクロム含有スラグ21を転炉
15中に未還元状態のまま残してステンレス粗溶鋼13
を取鍋16に出鋼し、転炉精錬に続く真空精錬でステン
レス粗溶鋼13の吹酸脱炭処理及び脱ガス処理を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐応力腐食割れ
性、耐食性等に優れた極低窒素ステンレス鋼の製造方法
に関する。
性、耐食性等に優れた極低窒素ステンレス鋼の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼中の窒素分を低減して耐応力腐食割れ
性等を高めた極低窒素ステンレス鋼を製造する方法とし
て、特開昭57−63620号公報には高クロム鋼を真
空精錬炉で脱炭溶製するに際し、溶鋼中の炭素濃度が臨
界炭素濃度以上の領域において酸化性ガス、酸化剤の供
給を一時中断して、高真空状態に保持することにより鋼
中の窒素含有率の低下を図る方法が開示されている。ま
た、特開昭60−181217号公報には製鋼炉で溶製
した炭素濃度が0.1wt%以上の高クロム粗溶鋼に、
減圧下で酸化剤粉体を上吹きしてこれを脱炭せしめ、こ
のとき生じる脱窒を促進させる方法が開示されている。
特開平2−38512号公報には高クロム鋼を真空精錬
炉で脱炭溶製するに際し、溶鋼中の炭素濃度が臨界炭素
濃度以上の領域において酸化性ガス、酸化剤の供給を一
時中断して、炭素又は炭素含有物を添加しながら、高真
空状態に保持することにより鋼中の窒素含有率の低下を
図る方法が開示されている。
性等を高めた極低窒素ステンレス鋼を製造する方法とし
て、特開昭57−63620号公報には高クロム鋼を真
空精錬炉で脱炭溶製するに際し、溶鋼中の炭素濃度が臨
界炭素濃度以上の領域において酸化性ガス、酸化剤の供
給を一時中断して、高真空状態に保持することにより鋼
中の窒素含有率の低下を図る方法が開示されている。ま
た、特開昭60−181217号公報には製鋼炉で溶製
した炭素濃度が0.1wt%以上の高クロム粗溶鋼に、
減圧下で酸化剤粉体を上吹きしてこれを脱炭せしめ、こ
のとき生じる脱窒を促進させる方法が開示されている。
特開平2−38512号公報には高クロム鋼を真空精錬
炉で脱炭溶製するに際し、溶鋼中の炭素濃度が臨界炭素
濃度以上の領域において酸化性ガス、酸化剤の供給を一
時中断して、炭素又は炭素含有物を添加しながら、高真
空状態に保持することにより鋼中の窒素含有率の低下を
図る方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に記載の方法では、真空精錬前の転炉精錬において還
元材が過剰添加されて出鋼中の窒素ピックアップ量が大
きくなってしまった場合には、真空精錬での脱窒能力等
に限界があり、極低窒素ステンレス鋼を効率的に製造す
ることが困難になるという問題があった。さらに、真空
精錬中の溶鋼に炭素含有物等の粉体を多量に吹付けるこ
とが必要であるので粉体による配管詰まり等の設備トラ
ブルを生じ易い問題があった。
報に記載の方法では、真空精錬前の転炉精錬において還
元材が過剰添加されて出鋼中の窒素ピックアップ量が大
きくなってしまった場合には、真空精錬での脱窒能力等
に限界があり、極低窒素ステンレス鋼を効率的に製造す
ることが困難になるという問題があった。さらに、真空
精錬中の溶鋼に炭素含有物等の粉体を多量に吹付けるこ
とが必要であるので粉体による配管詰まり等の設備トラ
ブルを生じ易い問題があった。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、転炉精錬において出鋼される際のステンレス溶鋼の
窒素ピックアップを低減すると共に、真空精錬における
粉体使用にかかる負荷を軽減して極低窒素ステンレス鋼
を効率的に製造できる極低窒素ステンレス鋼の製造方法
を提供することを目的とする。
で、転炉精錬において出鋼される際のステンレス溶鋼の
窒素ピックアップを低減すると共に、真空精錬における
粉体使用にかかる負荷を軽減して極低窒素ステンレス鋼
を効率的に製造できる極低窒素ステンレス鋼の製造方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の極低窒素ステンレス鋼の製造方法は、転炉精錬に
おける吹酸脱炭終了時のステンレス粗溶鋼の炭素濃度を
0.5wt%以下として、前記吹酸脱炭により生じるク
ロム含有スラグを転炉内に未還元状態のまま残して前記
ステンレス粗溶鋼を取鍋に出鋼し、前記転炉精錬に続く
真空精錬で該ステンレス粗溶鋼の吹酸脱炭処理及び脱ガ
ス処理を行う。請求項2記載の極低窒素ステンレス鋼の
製造方法は、請求項1記載の極低窒素ステンレス鋼の製
造方法において、前記取鍋に出鋼されたステンレス粗溶
鋼を真空下で二次精錬を行う際に、処理前炭素濃度
[C]として[C]=0.7〜1.2wt%相当分の炭
材を添加する。請求項3記載の極低窒素ステンレス鋼の
製造方法は、請求項1又は2記載の極低窒素ステンレス
鋼の製造方法において、前記ステンレス粗溶鋼が排出さ
れ、前記クロム含有スラグを保持する前記転炉内に次の
ステンレス粗溶鋼となる溶銑を装入し、吹酸を行いつつ
炭材を添加して昇温し、前記クロム含有スラグ中のクロ
ム分を前記溶銑中に回収し、該クロム分の除去されたク
ロム回収済みスラグを前記転炉から排滓した後、前記溶
銑をさらに吹酸脱炭して、吹酸脱炭終了時のステンレス
粗溶鋼の炭素濃度を0.5wt%以下として、該ステン
レス粗溶鋼を取鍋に出鋼し、次の真空精錬で該ステンレ
ス粗溶鋼の吹酸脱炭処理及び脱ガス処理を行う。請求項
4記載の極低窒素ステンレス鋼の製造方法は、請求項3
記載の極低窒素ステンレス鋼の製造方法において、前記
クロム含有スラグを保持する前記転炉には前記次のステ
ンレス粗溶鋼となる溶銑に加えて、還元材を装入して吹
酸脱炭される。
記載の極低窒素ステンレス鋼の製造方法は、転炉精錬に
おける吹酸脱炭終了時のステンレス粗溶鋼の炭素濃度を
0.5wt%以下として、前記吹酸脱炭により生じるク
ロム含有スラグを転炉内に未還元状態のまま残して前記
ステンレス粗溶鋼を取鍋に出鋼し、前記転炉精錬に続く
真空精錬で該ステンレス粗溶鋼の吹酸脱炭処理及び脱ガ
ス処理を行う。請求項2記載の極低窒素ステンレス鋼の
製造方法は、請求項1記載の極低窒素ステンレス鋼の製
造方法において、前記取鍋に出鋼されたステンレス粗溶
鋼を真空下で二次精錬を行う際に、処理前炭素濃度
[C]として[C]=0.7〜1.2wt%相当分の炭
材を添加する。請求項3記載の極低窒素ステンレス鋼の
製造方法は、請求項1又は2記載の極低窒素ステンレス
鋼の製造方法において、前記ステンレス粗溶鋼が排出さ
れ、前記クロム含有スラグを保持する前記転炉内に次の
ステンレス粗溶鋼となる溶銑を装入し、吹酸を行いつつ
炭材を添加して昇温し、前記クロム含有スラグ中のクロ
ム分を前記溶銑中に回収し、該クロム分の除去されたク
ロム回収済みスラグを前記転炉から排滓した後、前記溶
銑をさらに吹酸脱炭して、吹酸脱炭終了時のステンレス
粗溶鋼の炭素濃度を0.5wt%以下として、該ステン
レス粗溶鋼を取鍋に出鋼し、次の真空精錬で該ステンレ
ス粗溶鋼の吹酸脱炭処理及び脱ガス処理を行う。請求項
4記載の極低窒素ステンレス鋼の製造方法は、請求項3
記載の極低窒素ステンレス鋼の製造方法において、前記
クロム含有スラグを保持する前記転炉には前記次のステ
ンレス粗溶鋼となる溶銑に加えて、還元材を装入して吹
酸脱炭される。
【0006】溶鋼精錬における脱窒反応の主要部分は、
脱炭反応によりCOガスの気泡が生成する際に溶鋼又は
粗溶鋼中の窒素がこの気泡表面に吸着され、気泡と共に
溶鋼外に放出されることにより生じている。従って、こ
の脱窒反応を効果的に進行させるためには脱炭反応を活
発に行わせることが必須である。しかし、転炉−VOD
に代表されるステンレス鋼の製造工程においては、転炉
等の一次精錬の吹酸脱炭中に生成したクロム酸化物(C
r2 O3 )を還元回収するために、一次精錬の末期にフ
ェロシリコン(Fe−Si)やアルミニウム(Al)な
どの還元材を投入してクロム酸化物をクロムに還元して
溶鋼中に回収する処理が行われている。この時、還元材
が過剰に使用されると、吹酸期に溶鋼中へと溶解した酸
素が脱酸され、鋼中の酸素濃度が必要以上に低下するこ
とになる。酸素は界面活性元素として作用するため、こ
の酸素濃度の低下により溶鋼(粗溶鋼ともいう)の表面
張力が小さくなって、転炉から取鍋に出鋼される際に空
気中の窒素ガスが溶鋼中に取り込まれ易くなる。
脱炭反応によりCOガスの気泡が生成する際に溶鋼又は
粗溶鋼中の窒素がこの気泡表面に吸着され、気泡と共に
溶鋼外に放出されることにより生じている。従って、こ
の脱窒反応を効果的に進行させるためには脱炭反応を活
発に行わせることが必須である。しかし、転炉−VOD
に代表されるステンレス鋼の製造工程においては、転炉
等の一次精錬の吹酸脱炭中に生成したクロム酸化物(C
r2 O3 )を還元回収するために、一次精錬の末期にフ
ェロシリコン(Fe−Si)やアルミニウム(Al)な
どの還元材を投入してクロム酸化物をクロムに還元して
溶鋼中に回収する処理が行われている。この時、還元材
が過剰に使用されると、吹酸期に溶鋼中へと溶解した酸
素が脱酸され、鋼中の酸素濃度が必要以上に低下するこ
とになる。酸素は界面活性元素として作用するため、こ
の酸素濃度の低下により溶鋼(粗溶鋼ともいう)の表面
張力が小さくなって、転炉から取鍋に出鋼される際に空
気中の窒素ガスが溶鋼中に取り込まれ易くなる。
【0007】本発明者等は様々な実験を行って、吹酸脱
炭精錬の吹酸吹止時における炭素濃度(吹止酸素濃度)
を0.5wt%以下の範囲とし、かつ、吹酸期間中に生
成したクロム含有スラグを転炉に残したまま未還元状態
で出鋼を行うことが、鋼中の溶解酸素濃度をより高く保
持させて、転炉から取鍋に出鋼する際の窒素のピックア
ップを抑制するのに有効であることを明らかにした。一
般に、転炉等の一次精錬での吹酸脱炭後の還元材とし
て、製造コストの面からフェロシリコンが用いられるこ
とが多く、このようなシリコン源を用いた還元の場合に
は鋼中の酸素濃度[O]は以下のいずれかの関係式によ
り定まる。 C+O=CO −−−−−−−− Si+2O=SiO2 −−−− そして、最も一般的な還元後の鋼中のシリコン濃度とし
て[Si]=0.05wt%を仮定した場合には、酸素
吹止時の炭素濃度が[C]>0.5wt%の範囲では脱
酸基準となる溶鋼中の酸素濃度[O]は式で決まり、
[C]≦0.5wt%となる範囲では酸素濃度が式に
より規定されることになる。従って、[C]>0.5w
t%となる範囲では鋼中の酸素濃度はシリコン等の還元
材の添加量及び還元処理の有無によって左右されること
は少ない。しかし、[C]≦0.5wt%の範囲となる
場合には、還元材が添加されることにより鋼中の酸素が
式のような反応により消費され酸素濃度が大きく低下
することになる。即ち、界面活性元素である酸素の低下
した状態で転炉から取鍋への出鋼作業が行われることに
なり、空気中の窒素が溶鋼中に巻き込まれ、二次精錬前
の窒素濃度が高くなって極低窒素鋼の製造が困難にな
る。従って、鋼中の炭素濃度が0.5wt%以下となる
溶鋼に対して還元処理を行わないことが、出鋼時の鋼中
酸素濃度を極力高位に保持し出鋼時の窒素ピックアップ
を防止して低窒素ステンレス鋼を効率的に溶製するのに
有効である。
炭精錬の吹酸吹止時における炭素濃度(吹止酸素濃度)
を0.5wt%以下の範囲とし、かつ、吹酸期間中に生
成したクロム含有スラグを転炉に残したまま未還元状態
で出鋼を行うことが、鋼中の溶解酸素濃度をより高く保
持させて、転炉から取鍋に出鋼する際の窒素のピックア
ップを抑制するのに有効であることを明らかにした。一
般に、転炉等の一次精錬での吹酸脱炭後の還元材とし
て、製造コストの面からフェロシリコンが用いられるこ
とが多く、このようなシリコン源を用いた還元の場合に
は鋼中の酸素濃度[O]は以下のいずれかの関係式によ
り定まる。 C+O=CO −−−−−−−− Si+2O=SiO2 −−−− そして、最も一般的な還元後の鋼中のシリコン濃度とし
て[Si]=0.05wt%を仮定した場合には、酸素
吹止時の炭素濃度が[C]>0.5wt%の範囲では脱
酸基準となる溶鋼中の酸素濃度[O]は式で決まり、
[C]≦0.5wt%となる範囲では酸素濃度が式に
より規定されることになる。従って、[C]>0.5w
t%となる範囲では鋼中の酸素濃度はシリコン等の還元
材の添加量及び還元処理の有無によって左右されること
は少ない。しかし、[C]≦0.5wt%の範囲となる
場合には、還元材が添加されることにより鋼中の酸素が
式のような反応により消費され酸素濃度が大きく低下
することになる。即ち、界面活性元素である酸素の低下
した状態で転炉から取鍋への出鋼作業が行われることに
なり、空気中の窒素が溶鋼中に巻き込まれ、二次精錬前
の窒素濃度が高くなって極低窒素鋼の製造が困難にな
る。従って、鋼中の炭素濃度が0.5wt%以下となる
溶鋼に対して還元処理を行わないことが、出鋼時の鋼中
酸素濃度を極力高位に保持し出鋼時の窒素ピックアップ
を防止して低窒素ステンレス鋼を効率的に溶製するのに
有効である。
【0008】よって、本発明の意図とするべきところで
ある、吹酸脱炭終了時の炭素濃度が0.5wt%以下と
なる条件の下で未還元出鋼を行うことにより鋼中溶解酸
素濃度の高位維持が可能になり、出鋼中の窒素ピックア
ップの防止が図れる。なお、前記吹酸脱炭終了時の炭素
濃度[C]が0.1wt%より低くなると転炉精錬時に
クロム酸化物の生成量が増加したり、転炉耐火物の損耗
が大きくなったりする要因となるので、この炭素濃度
[C]を0.1〜0.5wt%の範囲とすることが好ま
しい。さらに、極低窒素ステンレス鋼をより効率的に溶
製するためには、その後、真空下での二次精錬工程にお
いて、処理前の炭素濃度として[C]=0.7〜1.2
wt%となる相当分の炭材を添加し、吹酸脱炭及び脱ガ
ス処理を含む仕上げ精錬処理を行うことが有効である。
これは、前記説明したように脱炭量を増加させて、CO
ガスの気泡を大量に発生させることにより脱窒反応を促
進するためであり、処理前に相当炭素濃度[C]が0.
7wt%未満の場合では、到達窒素濃度のレベルが不充
分となる場合が生じ、逆に炭素濃度[C]が1.2wt
%を超えるような炭材の多量添加を行うと、脱炭時間の
延長による生産性低下の問題が生じることによる。
ある、吹酸脱炭終了時の炭素濃度が0.5wt%以下と
なる条件の下で未還元出鋼を行うことにより鋼中溶解酸
素濃度の高位維持が可能になり、出鋼中の窒素ピックア
ップの防止が図れる。なお、前記吹酸脱炭終了時の炭素
濃度[C]が0.1wt%より低くなると転炉精錬時に
クロム酸化物の生成量が増加したり、転炉耐火物の損耗
が大きくなったりする要因となるので、この炭素濃度
[C]を0.1〜0.5wt%の範囲とすることが好ま
しい。さらに、極低窒素ステンレス鋼をより効率的に溶
製するためには、その後、真空下での二次精錬工程にお
いて、処理前の炭素濃度として[C]=0.7〜1.2
wt%となる相当分の炭材を添加し、吹酸脱炭及び脱ガ
ス処理を含む仕上げ精錬処理を行うことが有効である。
これは、前記説明したように脱炭量を増加させて、CO
ガスの気泡を大量に発生させることにより脱窒反応を促
進するためであり、処理前に相当炭素濃度[C]が0.
7wt%未満の場合では、到達窒素濃度のレベルが不充
分となる場合が生じ、逆に炭素濃度[C]が1.2wt
%を超えるような炭材の多量添加を行うと、脱炭時間の
延長による生産性低下の問題が生じることによる。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。本発明の一実施の形態に係る極低窒
素ステンレス鋼の製造方法を適用する極低窒素ステンレ
ス鋼の製造設備は、図1に示すように溶銑10を運搬す
るための溶銑鍋11、12と、溶銑鍋11、12から供
給される溶銑10をそれぞれ吹酸脱炭精錬して溶鋼1
3、14(ステンレス粗溶鋼の一例)を得るための転炉
15と、転炉15から出鋼される溶鋼13、14をそれ
ぞれ受鋼するための取鍋16、17と、吹酸中に生成し
たクロム回収済みスラグ18を転炉15から排出するた
めの排滓鍋19、及び取鍋16、17中の溶鋼13、1
4に一本足大径型浸漬管の下端部を浸漬して溶鋼13、
14を減圧下で二次精錬するための真空精錬炉20とを
有している。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。本発明の一実施の形態に係る極低窒
素ステンレス鋼の製造方法を適用する極低窒素ステンレ
ス鋼の製造設備は、図1に示すように溶銑10を運搬す
るための溶銑鍋11、12と、溶銑鍋11、12から供
給される溶銑10をそれぞれ吹酸脱炭精錬して溶鋼1
3、14(ステンレス粗溶鋼の一例)を得るための転炉
15と、転炉15から出鋼される溶鋼13、14をそれ
ぞれ受鋼するための取鍋16、17と、吹酸中に生成し
たクロム回収済みスラグ18を転炉15から排出するた
めの排滓鍋19、及び取鍋16、17中の溶鋼13、1
4に一本足大径型浸漬管の下端部を浸漬して溶鋼13、
14を減圧下で二次精錬するための真空精錬炉20とを
有している。
【0010】溶銑鍋11、12は、高炉、電気炉等で製
造され混銑車等を経て輸送され、必要に応じて精錬処理
された溶銑10を転炉15に供給するための耐火物で内
張りされた有底円筒状容器である。転炉15は供給され
る溶銑10に酸素ガス、増滓材等を加えて吹酸処理し
て、脱炭反応により炭素濃度の低減された溶鋼13、1
4を製造するため精錬容器である。取鍋16、17は、
転炉15から出鋼される溶鋼13、14を保持して、真
空精錬炉20でさらに脱ガス、脱炭等の必要な二次精錬
(仕上げ精錬ともいう)を行うための有底円筒形の容器
で、底部には、溶鋼13、14を攪拌するための図示し
ないポーラスプラグが設けられており、ポーラスプラグ
から溶鋼13、14内にアルゴンガスを吹込んで溶鋼1
3、14を攪拌することができる。真空精錬炉20の下
部には一本足大径型あるいは直胴型等の浸漬管が配置さ
れていて、その上部の真空槽内を図示しない排気装置で
減圧して、浸漬管内に吸引される溶鋼13、14の真空
精錬が行われるようになっている。
造され混銑車等を経て輸送され、必要に応じて精錬処理
された溶銑10を転炉15に供給するための耐火物で内
張りされた有底円筒状容器である。転炉15は供給され
る溶銑10に酸素ガス、増滓材等を加えて吹酸処理し
て、脱炭反応により炭素濃度の低減された溶鋼13、1
4を製造するため精錬容器である。取鍋16、17は、
転炉15から出鋼される溶鋼13、14を保持して、真
空精錬炉20でさらに脱ガス、脱炭等の必要な二次精錬
(仕上げ精錬ともいう)を行うための有底円筒形の容器
で、底部には、溶鋼13、14を攪拌するための図示し
ないポーラスプラグが設けられており、ポーラスプラグ
から溶鋼13、14内にアルゴンガスを吹込んで溶鋼1
3、14を攪拌することができる。真空精錬炉20の下
部には一本足大径型あるいは直胴型等の浸漬管が配置さ
れていて、その上部の真空槽内を図示しない排気装置で
減圧して、浸漬管内に吸引される溶鋼13、14の真空
精錬が行われるようになっている。
【0011】次に、前記極低窒素ステンレス鋼の製造設
備を用いる本発明の一実施の形態に係る極低窒素ステン
レス鋼の製造方法を図1を参照しながら説明する。な
お、以下の(1)〜(10)は図1中に示す各段階の丸
数字に対応している。 (1)まず、高炉から出銑された第1の溶鋼13を製造
するための溶銑10を溶銑鍋11から何も装入されてい
ない空の転炉15に装入する。 (2)転炉15中に高炭素フェロクロム合金(HC−F
e−Cr)、生石灰、ドロマイト等の副原料を添加して
転炉15の上方に設けた吹込みランスから酸素ガスを吹
き込んで所定の炭素濃度のレベルとなるまで吹酸脱炭精
錬を行う。 (3)吹酸脱炭時の溶鋼13の炭素濃度を0.1〜0.
5wt%の好ましい範囲内である0.3wt%として、
酸素濃度を900〜1100ppmの範囲となる酸素濃
度レベルの高い状態を維持させたまま、即ち、フェロシ
リコン等の還元材による還元処理を行うことなく、取鍋
16へこの酸素濃度の高い溶鋼13を転炉15の側壁上
部に設けられた出鋼口から装入する。この時、溶鋼13
の酸素濃度のレベルが高く維持されているので、溶鋼1
3の装入中において、空気中の窒素ガスが溶鋼13と接
触して溶解するのを最少限度に抑制することができる。
一方、クロムの還元処理を施されることなく残留したク
ロム含有濃度の高いクロム含有スラグ21は転炉15に
そのまま残して、次のに移行する。 (4)においては、前記転炉15から取り出された溶鋼
13を保持する取鍋16を真空精錬炉20の直下に配置
した後、真空精錬炉20の浸漬管下端部を溶鋼13中に
浸漬させて真空精錬処理を行う。この真空精錬処理では
溶鋼13中の炭素濃度が所定の範囲に保持されているの
で、鋼中の脱窒反応を引き起こすのに必要な脱炭反応が
確保され、溶鋼13中の窒素濃度を所定の範囲に制御す
ることが容易となって吹酸脱炭処理及び脱ガス処理を円
滑に行なえる。なお、この真空精錬の前に、溶鋼13に
炭材、アルミニウム、フェロシリコン等の還元材を添加
することにより、溶鋼13中の炭素濃度を、脱炭反応を
効果的に行わせることのできる0.7〜1.2wt%の
範囲に調整しておいてもよい。これによって、真空精錬
時のCOガス発生によりステンレス粗溶鋼の脱窒を促進
して極低窒素ステンレス鋼をより効率的に溶製すること
ができる。 (5)前記クロム含有スラグ21を保持する転炉15に
次のステンレス粗溶鋼となる溶銑10を転炉15の上部
に開口する炉口から装入する。
備を用いる本発明の一実施の形態に係る極低窒素ステン
レス鋼の製造方法を図1を参照しながら説明する。な
お、以下の(1)〜(10)は図1中に示す各段階の丸
数字に対応している。 (1)まず、高炉から出銑された第1の溶鋼13を製造
するための溶銑10を溶銑鍋11から何も装入されてい
ない空の転炉15に装入する。 (2)転炉15中に高炭素フェロクロム合金(HC−F
e−Cr)、生石灰、ドロマイト等の副原料を添加して
転炉15の上方に設けた吹込みランスから酸素ガスを吹
き込んで所定の炭素濃度のレベルとなるまで吹酸脱炭精
錬を行う。 (3)吹酸脱炭時の溶鋼13の炭素濃度を0.1〜0.
5wt%の好ましい範囲内である0.3wt%として、
酸素濃度を900〜1100ppmの範囲となる酸素濃
度レベルの高い状態を維持させたまま、即ち、フェロシ
リコン等の還元材による還元処理を行うことなく、取鍋
16へこの酸素濃度の高い溶鋼13を転炉15の側壁上
部に設けられた出鋼口から装入する。この時、溶鋼13
の酸素濃度のレベルが高く維持されているので、溶鋼1
3の装入中において、空気中の窒素ガスが溶鋼13と接
触して溶解するのを最少限度に抑制することができる。
一方、クロムの還元処理を施されることなく残留したク
ロム含有濃度の高いクロム含有スラグ21は転炉15に
そのまま残して、次のに移行する。 (4)においては、前記転炉15から取り出された溶鋼
13を保持する取鍋16を真空精錬炉20の直下に配置
した後、真空精錬炉20の浸漬管下端部を溶鋼13中に
浸漬させて真空精錬処理を行う。この真空精錬処理では
溶鋼13中の炭素濃度が所定の範囲に保持されているの
で、鋼中の脱窒反応を引き起こすのに必要な脱炭反応が
確保され、溶鋼13中の窒素濃度を所定の範囲に制御す
ることが容易となって吹酸脱炭処理及び脱ガス処理を円
滑に行なえる。なお、この真空精錬の前に、溶鋼13に
炭材、アルミニウム、フェロシリコン等の還元材を添加
することにより、溶鋼13中の炭素濃度を、脱炭反応を
効果的に行わせることのできる0.7〜1.2wt%の
範囲に調整しておいてもよい。これによって、真空精錬
時のCOガス発生によりステンレス粗溶鋼の脱窒を促進
して極低窒素ステンレス鋼をより効率的に溶製すること
ができる。 (5)前記クロム含有スラグ21を保持する転炉15に
次のステンレス粗溶鋼となる溶銑10を転炉15の上部
に開口する炉口から装入する。
【0012】(6)転炉15中のクロム含有スラグ21
と溶銑10に必要に応じて造滓材、還元材となる炭材等
の副原料等を添加して、所定条件(時間、温度、副原料
投入量等)の下で吹酸脱炭精錬を行ってクロム含有スラ
グ21中のクロム分を溶銑10中に回収する処理を行
う。 (7)次に、クロム含有スラグ21からクロム分が回収
除去されてなるクロム回収済みスラグ18を排滓鍋19
に排出する中間排滓処理を行う。 (8)そして、前記(2)と同様に必要な高カーボンフ
ェロクロム合金などを転炉15に投入した後、吹酸脱炭
の精錬操作を行って、吹酸脱炭終了時の溶鋼14中の炭
素濃度を0.1〜0.5wt%の範囲内である0.2w
t%に調整する。 (9)では前記溶鋼14にフェロシリコン、アルミニウ
ム等の還元材を投入するクロム還元処理を行うことなく
そのまま取鍋17に溶鋼14を出鋼する。このような溶
鋼14は炭素濃度レベルが所定範囲に維持され、しかも
未還元状態であるので酸素濃度レベルが低下することな
く維持され、出鋼中の空気中からの窒素ガスのピックア
ップを効果的に抑制できる。 (10)このような酸素濃度レベルの高く維持された溶
鋼14に真空精錬炉20の下部に配置された浸漬管の下
端を浸漬させ、該浸漬管内を減圧して、必要な吹酸脱炭
処理及び脱ガス処理を含む二次精錬を行う。なお、この
二次精錬の前に、溶鋼14に炭材、アルミニウム、フェ
ロシリコン等の還元材を添加することにより、溶鋼14
中の炭素濃度を、脱炭反応を効果的に行わせることので
きる0.7〜1.2wt%の範囲に調整しておいてもよ
い。これによって、真空精錬時のCOガス発生によりス
テンレス粗溶鋼の脱窒を促進して極低窒素ステンレス鋼
をより効率的に溶製することができる。 以上説明した(1)〜(10)の精錬操作等により、極
低窒素ステンレス鋼の製造を効率的に行うことができ
る。
と溶銑10に必要に応じて造滓材、還元材となる炭材等
の副原料等を添加して、所定条件(時間、温度、副原料
投入量等)の下で吹酸脱炭精錬を行ってクロム含有スラ
グ21中のクロム分を溶銑10中に回収する処理を行
う。 (7)次に、クロム含有スラグ21からクロム分が回収
除去されてなるクロム回収済みスラグ18を排滓鍋19
に排出する中間排滓処理を行う。 (8)そして、前記(2)と同様に必要な高カーボンフ
ェロクロム合金などを転炉15に投入した後、吹酸脱炭
の精錬操作を行って、吹酸脱炭終了時の溶鋼14中の炭
素濃度を0.1〜0.5wt%の範囲内である0.2w
t%に調整する。 (9)では前記溶鋼14にフェロシリコン、アルミニウ
ム等の還元材を投入するクロム還元処理を行うことなく
そのまま取鍋17に溶鋼14を出鋼する。このような溶
鋼14は炭素濃度レベルが所定範囲に維持され、しかも
未還元状態であるので酸素濃度レベルが低下することな
く維持され、出鋼中の空気中からの窒素ガスのピックア
ップを効果的に抑制できる。 (10)このような酸素濃度レベルの高く維持された溶
鋼14に真空精錬炉20の下部に配置された浸漬管の下
端を浸漬させ、該浸漬管内を減圧して、必要な吹酸脱炭
処理及び脱ガス処理を含む二次精錬を行う。なお、この
二次精錬の前に、溶鋼14に炭材、アルミニウム、フェ
ロシリコン等の還元材を添加することにより、溶鋼14
中の炭素濃度を、脱炭反応を効果的に行わせることので
きる0.7〜1.2wt%の範囲に調整しておいてもよ
い。これによって、真空精錬時のCOガス発生によりス
テンレス粗溶鋼の脱窒を促進して極低窒素ステンレス鋼
をより効率的に溶製することができる。 以上説明した(1)〜(10)の精錬操作等により、極
低窒素ステンレス鋼の製造を効率的に行うことができ
る。
【0013】
【実施例】続いて、本発明の実施の形態に係る極低窒素
ステンレス鋼の製造方法の実施例1〜9(表1〜3)を
比較例1〜3(表4)と比較しながら説明する。
ステンレス鋼の製造方法の実施例1〜9(表1〜3)を
比較例1〜3(表4)と比較しながら説明する。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】実施例1〜9は、吹酸脱炭終了時の炭素濃
度を所定の0.1〜0.5wt%にした後、転炉15に
おけるクロム含有スラグ21の還元を行うことなく
(無)、クロム含有スラグ21を残して取鍋16に出鋼
して以降の二次精錬を行った場合において、それらの溶
鋼13、14の到達窒素濃度、到達炭素濃度、コスト評
価及びこれらの総合評価の結果を示している。なお、表
1〜4においては、以上の精錬処理の条件(吹酸脱炭
終了時の炭素濃度、吹酸脱炭終了後の還元の有無)に
加えて、二次精錬処理前の炭素濃度、二次精錬にお
ける真空精錬炉20の形態、転炉15中に残したスラ
グを用いて次チャージでクロム還元を行うか否かの要
件、及びクロム還元の還元材の種類を表示している。
実施例1〜9に示されるように、到達窒素濃度を32〜
39ppmとして極低窒素ステンレス鋼の所定範囲にす
ると共に、最終的に炭素濃度が7〜15ppmの溶鋼
を、所望のコスト内で良好(総合評価:○)又は最良
(総合評価:◎)の状態で製造することができる。な
お、実施例8に示されるRH(Ruhrstahl H
eraus)とは二本足型の浸漬管を用いる溶鋼循環型
真空精錬装置を、またVODとは取鍋内の溶鋼面の全体
を減圧保持して酸素等の吹込みにより必要な脱炭を行う
真空精錬装置を意味する。
度を所定の0.1〜0.5wt%にした後、転炉15に
おけるクロム含有スラグ21の還元を行うことなく
(無)、クロム含有スラグ21を残して取鍋16に出鋼
して以降の二次精錬を行った場合において、それらの溶
鋼13、14の到達窒素濃度、到達炭素濃度、コスト評
価及びこれらの総合評価の結果を示している。なお、表
1〜4においては、以上の精錬処理の条件(吹酸脱炭
終了時の炭素濃度、吹酸脱炭終了後の還元の有無)に
加えて、二次精錬処理前の炭素濃度、二次精錬にお
ける真空精錬炉20の形態、転炉15中に残したスラ
グを用いて次チャージでクロム還元を行うか否かの要
件、及びクロム還元の還元材の種類を表示している。
実施例1〜9に示されるように、到達窒素濃度を32〜
39ppmとして極低窒素ステンレス鋼の所定範囲にす
ると共に、最終的に炭素濃度が7〜15ppmの溶鋼
を、所望のコスト内で良好(総合評価:○)又は最良
(総合評価:◎)の状態で製造することができる。な
お、実施例8に示されるRH(Ruhrstahl H
eraus)とは二本足型の浸漬管を用いる溶鋼循環型
真空精錬装置を、またVODとは取鍋内の溶鋼面の全体
を減圧保持して酸素等の吹込みにより必要な脱炭を行う
真空精錬装置を意味する。
【0019】これに対して、表4の比較例1は、吹酸脱
炭終了時の炭素濃度を所定範囲(0.1〜0.5wt
%)を外れる0.75wt%にして、かつ吹酸脱炭終了
後の還元を行わない場合(還元処理:無)の例である。
この場合には、鋼中のシリコン濃度はほぼ0.05wt
%のレベルとなり、酸素吹止時の溶鋼中の酸素濃度
[O]は珪素の酸化反応(Si+2O=SiO2 )によ
って規定される。そして、界面活性元素である酸素の低
下した状態で転炉15から取鍋16、17への出鋼作業
が行われることになり、空気中の窒素が溶鋼中に巻き込
まれ、二次精錬前の窒素濃度が高くなって、溶鋼13、
14は何れも到達窒素濃度が63ppmと高く極低窒素
ステンレス鋼としての品質規格を満足せず、この総合評
価は不良(×)となっている。
炭終了時の炭素濃度を所定範囲(0.1〜0.5wt
%)を外れる0.75wt%にして、かつ吹酸脱炭終了
後の還元を行わない場合(還元処理:無)の例である。
この場合には、鋼中のシリコン濃度はほぼ0.05wt
%のレベルとなり、酸素吹止時の溶鋼中の酸素濃度
[O]は珪素の酸化反応(Si+2O=SiO2 )によ
って規定される。そして、界面活性元素である酸素の低
下した状態で転炉15から取鍋16、17への出鋼作業
が行われることになり、空気中の窒素が溶鋼中に巻き込
まれ、二次精錬前の窒素濃度が高くなって、溶鋼13、
14は何れも到達窒素濃度が63ppmと高く極低窒素
ステンレス鋼としての品質規格を満足せず、この総合評
価は不良(×)となっている。
【0020】比較例2は、吹酸脱炭終了時における溶鋼
13の炭素濃度を所定範囲(0.1〜0.5wt%)内
となる0.38wt%としたが、吹酸脱炭終了後にフェ
ロシリコンを転炉15中に投入して溶鋼13及びクロム
含有スラグ21の還元処理を行ってから(還元処理:
有)、溶鋼13を取鍋16に出鋼した場合の例である。
この場合には、転炉15における還元処理が取鍋16へ
の出鋼前に行われているために、溶鋼13中の酸素が還
元材によって消費されて、酸素濃度が必要以上に低下す
る。そして、出鋼時には溶鋼13の表面張力、粘性等が
小さくなり、出鋼時に発生する溶鋼飛沫が小さくなっ
て、溶鋼13の空気と接触する溶鋼面積が増えるために
空気中の窒素ガスが溶鋼13中に取り込まれ易くなる。
このため二次精錬後の溶鋼13の到達窒素濃度、到達炭
素濃度はそれぞれ59ppm、13ppmとなって品質
が低下すると共に、処理時間等が長くなるために耐火物
コストも実施例1〜9に較べてやや高くなって(コスト
評価:△)、総合評価は不良(×)となった。
13の炭素濃度を所定範囲(0.1〜0.5wt%)内
となる0.38wt%としたが、吹酸脱炭終了後にフェ
ロシリコンを転炉15中に投入して溶鋼13及びクロム
含有スラグ21の還元処理を行ってから(還元処理:
有)、溶鋼13を取鍋16に出鋼した場合の例である。
この場合には、転炉15における還元処理が取鍋16へ
の出鋼前に行われているために、溶鋼13中の酸素が還
元材によって消費されて、酸素濃度が必要以上に低下す
る。そして、出鋼時には溶鋼13の表面張力、粘性等が
小さくなり、出鋼時に発生する溶鋼飛沫が小さくなっ
て、溶鋼13の空気と接触する溶鋼面積が増えるために
空気中の窒素ガスが溶鋼13中に取り込まれ易くなる。
このため二次精錬後の溶鋼13の到達窒素濃度、到達炭
素濃度はそれぞれ59ppm、13ppmとなって品質
が低下すると共に、処理時間等が長くなるために耐火物
コストも実施例1〜9に較べてやや高くなって(コスト
評価:△)、総合評価は不良(×)となった。
【0021】比較例3は、比較例2と同様に吹酸脱炭終
了後にクロム還元を行って溶鋼13を得て、かつ、転炉
15に残存したクロム含有スラグ21に次チャージ用の
溶銑10を装入するクロム還元及び吹酸脱炭終了後の還
元処理を実施して、さらに溶鋼14の精錬を行った例を
示している。この場合の溶鋼13、14の平均の到達窒
素濃度は67ppmとなり、極低窒素ステンレス鋼とし
ての基準を満足せず総合評価は不良(×)となった。
了後にクロム還元を行って溶鋼13を得て、かつ、転炉
15に残存したクロム含有スラグ21に次チャージ用の
溶銑10を装入するクロム還元及び吹酸脱炭終了後の還
元処理を実施して、さらに溶鋼14の精錬を行った例を
示している。この場合の溶鋼13、14の平均の到達窒
素濃度は67ppmとなり、極低窒素ステンレス鋼とし
ての基準を満足せず総合評価は不良(×)となった。
【0022】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においては、真空精
錬炉として一本足大径浸漬管を用いるDH炉、RH炉、
VOD炉を使用する例について述べたがその他の形式の
真空精錬炉を二次精錬に用いることも可能である。
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においては、真空精
錬炉として一本足大径浸漬管を用いるDH炉、RH炉、
VOD炉を使用する例について述べたがその他の形式の
真空精錬炉を二次精錬に用いることも可能である。
【0023】
【発明の効果】請求項1〜4記載の極低窒素ステンレス
鋼の製造方法においては、転炉精錬における吹酸脱炭終
了時のステンレス粗溶鋼の炭素濃度を特定範囲内として
転炉精錬(一次精錬)を行い、この吹酸脱炭により生じ
るクロム含有スラグを未還元状態のまま転炉に残してス
テンレス粗溶鋼を取鍋に出鋼するので、溶鋼中の酸素濃
度の低下を抑制して、空気中の窒素ガスの溶鋼中への溶
解を防止できる。そして、続く真空精錬(二次精錬)に
おいてステンレス粗溶鋼の吹酸脱炭処理及び脱ガス処理
を行うので、極低窒素ステンレス鋼を効率的に製造でき
る。特に、請求項2記載の極低窒素ステンレス鋼の製造
方法においては、真空精錬の処理前のステンレス粗溶鋼
に、炭材を添加してステンレス粗溶鋼の炭素濃度を特定
範囲とするので、続く真空精錬時における脱窒に必要な
脱炭反応を効率的に行わせることができると共に、耐火
物等の損耗によるコストアップを招くことなく極低窒素
ステンレス鋼を経済的に製造できる。請求項3記載の極
低窒素ステンレス鋼の製造方法においては、クロム含有
スラグを保持する転炉内に次のステンレス粗溶鋼となる
溶銑を装入し、クロム含有スラグ中のクロム分を溶鋼中
に回収するので、クロム分を効果的に回収できる。そし
て、クロム回収済みスラグを転炉から排滓し、この溶銑
をさらに吹酸脱炭して、吹酸脱炭終了時の炭素濃度を特
定範囲として取鍋に出鋼するので、溶鋼中の酸素濃度の
低下を招くことがなく出鋼作業中の窒素ガスのピックア
ップを効果的に抑制することが可能になる。請求項4記
載の極低窒素ステンレス鋼の製造方法においては、クロ
ム含有スラグを保持する転炉には次のステンレス粗溶鋼
となる溶銑に加えて、フェロシリコン(Fe−Si)、
アルミニウム(Al)などの還元材が装入されて吹酸脱
炭されるので、クロム含有スラグ中のクロム分をさらに
効果的に回収できる。
鋼の製造方法においては、転炉精錬における吹酸脱炭終
了時のステンレス粗溶鋼の炭素濃度を特定範囲内として
転炉精錬(一次精錬)を行い、この吹酸脱炭により生じ
るクロム含有スラグを未還元状態のまま転炉に残してス
テンレス粗溶鋼を取鍋に出鋼するので、溶鋼中の酸素濃
度の低下を抑制して、空気中の窒素ガスの溶鋼中への溶
解を防止できる。そして、続く真空精錬(二次精錬)に
おいてステンレス粗溶鋼の吹酸脱炭処理及び脱ガス処理
を行うので、極低窒素ステンレス鋼を効率的に製造でき
る。特に、請求項2記載の極低窒素ステンレス鋼の製造
方法においては、真空精錬の処理前のステンレス粗溶鋼
に、炭材を添加してステンレス粗溶鋼の炭素濃度を特定
範囲とするので、続く真空精錬時における脱窒に必要な
脱炭反応を効率的に行わせることができると共に、耐火
物等の損耗によるコストアップを招くことなく極低窒素
ステンレス鋼を経済的に製造できる。請求項3記載の極
低窒素ステンレス鋼の製造方法においては、クロム含有
スラグを保持する転炉内に次のステンレス粗溶鋼となる
溶銑を装入し、クロム含有スラグ中のクロム分を溶鋼中
に回収するので、クロム分を効果的に回収できる。そし
て、クロム回収済みスラグを転炉から排滓し、この溶銑
をさらに吹酸脱炭して、吹酸脱炭終了時の炭素濃度を特
定範囲として取鍋に出鋼するので、溶鋼中の酸素濃度の
低下を招くことがなく出鋼作業中の窒素ガスのピックア
ップを効果的に抑制することが可能になる。請求項4記
載の極低窒素ステンレス鋼の製造方法においては、クロ
ム含有スラグを保持する転炉には次のステンレス粗溶鋼
となる溶銑に加えて、フェロシリコン(Fe−Si)、
アルミニウム(Al)などの還元材が装入されて吹酸脱
炭されるので、クロム含有スラグ中のクロム分をさらに
効果的に回収できる。
【図1】本発明の一実施の形態に係る極低窒素ステンレ
ス鋼の製造方法の説明図である。
ス鋼の製造方法の説明図である。
10 溶銑 11 溶銑鍋 12 溶銑鍋 13 溶鋼(ス
テンレス粗溶鋼) 14 溶鋼(ステンレス粗溶鋼) 15 転炉 16 取鍋 17 取鍋 18 クロム回収済みスラグ 19 排滓鍋 20 真空精錬炉 21 クロム含
有スラグ
テンレス粗溶鋼) 14 溶鋼(ステンレス粗溶鋼) 15 転炉 16 取鍋 17 取鍋 18 クロム回収済みスラグ 19 排滓鍋 20 真空精錬炉 21 クロム含
有スラグ
Claims (4)
- 【請求項1】 転炉精錬における吹酸脱炭終了時のステ
ンレス粗溶鋼の炭素濃度を0.5wt%以下として、前
記吹酸脱炭により生じるクロム含有スラグを転炉内に未
還元状態のまま残して前記ステンレス粗溶鋼を取鍋に出
鋼し、前記転炉精錬に続く真空精錬で該ステンレス粗溶
鋼の吹酸脱炭処理及び脱ガス処理を行うことを特徴とす
る極低窒素ステンレス鋼の製造方法。 - 【請求項2】 前記取鍋に出鋼されたステンレス粗溶鋼
を真空下で二次精錬を行う際に、処理前炭素濃度[C]
として[C]=0.7〜1.2wt%相当分の炭材を添
加する請求項1記載の極低窒素ステンレス鋼の製造方
法。 - 【請求項3】 前記ステンレス粗溶鋼が排出され、前記
クロム含有スラグを保持する前記転炉内に次のステンレ
ス粗溶鋼となる溶銑を装入し、吹酸を行いつつ炭材を添
加して昇温し、前記クロム含有スラグ中のクロム分を前
記溶銑中に回収し、該クロム分の除去されたクロム回収
済みスラグを前記転炉から排滓した後、前記溶銑をさら
に吹酸脱炭して、吹酸脱炭終了時のステンレス粗溶鋼の
炭素濃度を0.5wt%以下として、該ステンレス粗溶
鋼を取鍋に出鋼し、次の真空精錬で該ステンレス粗溶鋼
の吹酸脱炭処理及び脱ガス処理を行う請求項1又は2記
載の極低窒素ステンレス鋼の製造方法。 - 【請求項4】 前記クロム含有スラグを保持する前記転
炉には前記次のステンレス粗溶鋼となる溶銑に加えて、
還元材を装入して吹酸脱炭される請求項3記載の極低窒
素ステンレス鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32525797A JPH11140530A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 極低窒素ステンレス鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32525797A JPH11140530A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 極低窒素ステンレス鋼の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11140530A true JPH11140530A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=18174799
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32525797A Withdrawn JPH11140530A (ja) | 1997-11-10 | 1997-11-10 | 極低窒素ステンレス鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11140530A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100491007B1 (ko) * | 2001-10-30 | 2005-05-24 | 주식회사 포스코 | 저탄소 스테인레스강 제조용 용강의 정련방법 |
| JP2006152390A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Nisshin Steel Co Ltd | クロム含有鋼の溶製方法 |
| KR100889504B1 (ko) | 2002-12-23 | 2009-03-19 | 주식회사 포스코 | 극저질소 내열용 스테인레스강 제조 방법 |
| CN115161535A (zh) * | 2022-06-07 | 2022-10-11 | 大冶特殊钢有限公司 | 一种真空感应炉冶炼低氮不锈钢锭的制造方法 |
| CN116194598A (zh) * | 2020-08-12 | 2023-05-30 | 蒂森克虏伯钢铁欧洲股份公司 | 用于生产粗钢的方法及用于其生产的成套设备 |
| CN116274992A (zh) * | 2023-02-14 | 2023-06-23 | 包头钢铁(集团)有限责任公司 | 一种钢包车加渣罐的方法 |
| CN116194598B (zh) * | 2020-08-12 | 2026-05-01 | 蒂森克虏伯钢铁欧洲股份公司 | 用于生产粗钢的方法及用于其生产的成套设备 |
-
1997
- 1997-11-10 JP JP32525797A patent/JPH11140530A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100491007B1 (ko) * | 2001-10-30 | 2005-05-24 | 주식회사 포스코 | 저탄소 스테인레스강 제조용 용강의 정련방법 |
| KR100889504B1 (ko) | 2002-12-23 | 2009-03-19 | 주식회사 포스코 | 극저질소 내열용 스테인레스강 제조 방법 |
| JP2006152390A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Nisshin Steel Co Ltd | クロム含有鋼の溶製方法 |
| CN116194598A (zh) * | 2020-08-12 | 2023-05-30 | 蒂森克虏伯钢铁欧洲股份公司 | 用于生产粗钢的方法及用于其生产的成套设备 |
| US12571062B2 (en) | 2020-08-12 | 2026-03-10 | Thyssenkrupp Steel Europe Ag | Process for producing raw steel and aggregate for production thereof |
| CN116194598B (zh) * | 2020-08-12 | 2026-05-01 | 蒂森克虏伯钢铁欧洲股份公司 | 用于生产粗钢的方法及用于其生产的成套设备 |
| CN115161535A (zh) * | 2022-06-07 | 2022-10-11 | 大冶特殊钢有限公司 | 一种真空感应炉冶炼低氮不锈钢锭的制造方法 |
| CN115161535B (zh) * | 2022-06-07 | 2023-08-18 | 大冶特殊钢有限公司 | 一种真空感应炉冶炼低氮不锈钢锭的制造方法 |
| CN116274992A (zh) * | 2023-02-14 | 2023-06-23 | 包头钢铁(集团)有限责任公司 | 一种钢包车加渣罐的方法 |
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