JPH11140617A - 金属フッ化物含有膜の形成方法 - Google Patents

金属フッ化物含有膜の形成方法

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JPH11140617A
JPH11140617A JP9307476A JP30747697A JPH11140617A JP H11140617 A JPH11140617 A JP H11140617A JP 9307476 A JP9307476 A JP 9307476A JP 30747697 A JP30747697 A JP 30747697A JP H11140617 A JPH11140617 A JP H11140617A
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metal fluoride
contg
fluorinating agent
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Shuichi Matsunari
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緻密で、かつ均質性に優れた膜構造を有して
いて、フッ素欠損を低減することができる。 【解決手段】 金属フッ化物含有予備膜12を形成した
後、この予備膜をフッ素化剤含有雰囲気中で加熱処理す
る工程を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属フッ化物含
有膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ガラスや金属等の基板上にM
gF2 (フッ化マグネシウム)などの金属フッ化物を構
成要素とする薄膜を所定の厚さに蒸着させて、反射防止
膜や反射膜を形成することはよく知られている。
【0003】素子の機能に応じて、光学的膜厚がλ/4
の膜、λ/2の膜、あるいは高屈折率材料からなり光学
的膜厚がλ/4 の膜と低屈折率材料からなり光学的膜厚
がλ/4 の膜とを交互に積層させてなる多層構造の膜な
どが光学薄膜として使われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような光学薄膜の
形成は、通常、真空蒸着法やスパッタ法を用いて行って
いる。しかしながら、このような膜の形成方法では、形
成される膜のマイグレーション力が弱い。また膜を形成
する蒸着物が被蒸着面でカラム状となる。このため、形
成される膜は不均質なものとなってしまう。また、膜か
らのフッ素の欠損が生じやすい。
【0005】このため、形成される膜の分光特性が変化
してしまったり、周囲の湿度によって膜の分光特性が変
化してしまうといった問題があった。
【0006】よって、緻密で、かつ均質性に優れた膜構
造を有していて、フッ素欠損を低減することのできる金
属フッ化物含有膜を形成する方法の出現が望まれてい
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、この発明の金
属フッ化物含有膜の形成方法によれば、下地に金属フッ
化物含有予備膜を形成した後、この予備膜をフッ素化剤
含有雰囲気中で加熱処理することにより、この予備膜を
金属フッ化物含有膜に変える工程を含んでいることを特
徴とする。
【0008】金属フッ化物含有予備膜とは、真空蒸着等
で形成した金属フッ化物を含有する膜で、ここでは、加
熱する前の状態の膜のことを指す。金属フッ化物は酸化
しやすく、また、膜の蒸着のときにフッ素が脱離しやす
い。また、このようなフッ素欠損は加熱処理によりさら
に悪化する。このため、フッ素化剤含有雰囲気中で加熱
処理すれば、酸化を防ぐことができる。また、既に酸化
している金属フッ化物含有予備膜の部分から酸素を追い
出してフッ素化させることもできる。また、フッ素の脱
離を防止することができ、さらに膜のフッ素化を促進で
きる。また、真空蒸着等で形成した金属フッ化物含有予
備膜は、不均質で粗い膜である。しかしながらフッ素化
剤含有雰囲気中で加熱処理を行うことによって、フッ素
欠損を防ぎながら金属フッ化物含有膜の均質性を向上さ
せ、当該膜を緻密な膜構造にすることができる。これに
より、好ましい金属フッ化物含有膜を形成することがで
きる。
【0009】また、形成される金属フッ化物含有膜は光
学薄膜として用いられる。特に金属フッ化物含有膜は紫
外領域の波長の光に対して吸収が小さく透過率が高いた
めに紫外領域用の反射膜や反射防止膜等として用いられ
る。
【0010】金属フッ化物としては、例えば、CaF
2 、SrF2 、BaF2 、NaF、MgF2 、Na3
lF6 、AlF3 、GdF3 、NdF3 、LaF3 等が
挙げられる。
【0011】この発明において、好ましくはフッ素化剤
をNF3 ガスおよびXeF2 ガスとするのがよい。
【0012】これらのガスを、金属フッ化物含有予備膜
に対して加熱処理を行うときにフッ素化剤として用いる
ことによって、膜からのフッ素の脱離を防ぎ、既にフッ
素が欠損しているところのフッ素化を図ることができ
る。
【0013】また、加熱処理を行うための雰囲気にはフ
ッ素化剤を含有している。この雰囲気は、加熱処理を行
う装置内に上記のフッ素化剤を導入することによりつく
られるか、または装置内にフッ素化剤を含む混合ガスを
導入することによりつくられるのがよい。
【0014】これにより、金属フッ化物含有予備膜をフ
ッ素化剤を含有する雰囲気内で加熱処理することができ
る。
【0015】また、フッ素化剤を含む混合ガスは、フッ
素化剤と不活性ガスとの混合ガスであるのが好ましい。
【0016】不活性ガスとしては、例えばArやXe等
の希ガスが挙げられる。また、この発明のように膜が酸
化されやすいために酸素を避ける必要のあるプロセスに
おいては、窒素もまた不活性ガスとして用いることがで
きる。フッ素化剤は金属フッ化物含有予備膜のフッ素欠
損を防ぐことができ、かつフッ素化を促進することがで
きる程度に、装置内雰囲気中に含まれていればよい。ま
た、フッ素化剤やこのフッ素化剤から発生するフッ素
(またはフッ素イオン)は反応性に富み、また毒性が非
常に強い物質である。このため、不活性ガスとの混合ガ
スにして、取り扱うガス中のフッ素化剤の濃度を下げる
ことにより安全性を確保している。
【0017】また、混合ガス中のフッ素化剤の濃度を、
好ましくは、1容量%以上でかつ20容量%以下の濃度
にして使用可能である。
【0018】使用するのに、より好ましいフッ素化剤の
濃度の範囲は1容量%以上でかつ10容量%以下であ
る。また、最適な濃度は5容量%である。
【0019】上記のような範囲内の濃度でフッ素化剤が
混合ガス中に含まれていれば、金属フッ化物含有予備膜
からのフッ素欠損を防ぎ、かつフッ素化を促進すること
ができる。また、アニール処理(加熱処理)における安
全性も確保できる。
【0020】また、加熱処理を、好ましくは、100℃
以上でかつ700℃以下という範囲内の温度条件下で行
うのがよい。
【0021】より好ましくは、この加熱処理を、300
℃以上でかつ400℃以下という温度範囲内で行うのが
よい。
【0022】加熱処理を行う温度(アニール温度とも称
する。)は、金属フッ化物含有予備膜に含まれる金属フ
ッ化物の種類、膜厚、フッ素化剤の種類と量、および装
置内の圧力によって異なる。フッ素欠損を防ぐためには
なるべく低温であるのが好ましく、十分なアニール効果
を得るためにはなるべく高温での処理を行うのがよい。
したがって、この発明において、処理される予備膜のフ
ッ素欠損を防ぎ、かつアニールにより金属フッ化物含有
膜の緻密性および均質性を向上させるためには上述した
温度範囲内で加熱処理を行うのがよい。
【0023】また、加熱処理を行う時間(ここでは、昇
温時間および降温時間を除き、昇温した後降温を始める
までの一定温度で保持する時間とする。)を1時間以上
でかつ24時間以内の時間で行うことができる。この時
間は、アニール温度によっても異なるが、例えば、アニ
ール温度を300℃とした場合には4時間とするのが最
適である。
【0024】また、予備膜を設ける下地は、加熱処理の
加熱温度に対する耐性を有する材料で構成されているの
がよい。
【0025】例えば、下地としては蛍石基板や石英ガラ
ス基板が用いられる。
【0026】また、下地への予備膜の形成は、真空蒸着
法またはスパッタ法を用いるのがよい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態につき説明する。なお、各図は発明を理解で
きる程度に概略的に示してあるに過ぎず、したがって発
明を図示例に限定するものではない。
【0028】<実施の形態例>実施の形態例として、基
板上に金属フッ化物含有予備膜を設け、フッ素化剤含有
雰囲気中で加熱処理して、高反射膜を形成する例につき
図1および図2を参照して説明する。図1は、この実施
の形態例の説明に供する、金属フッ化物含有予備膜の加
熱処理を行う装置(アニール処理装置)の概略図であ
る。図2は、金属フッ化物含有膜の、概略的な形成工程
図である。
【0029】まず、下地10上に金属フッ化物含有予備
膜を形成する。この構成例では、下地10として、例え
ばCaF2 からなる基板(蛍石基板)や石英ガラス基板
を用いる。この基板10上に、真空蒸着法を用いて、金
属フッ化物含有予備膜12として、多層膜を設ける。こ
の予備膜12として、光学的な層厚がλ/4であるLa
3 の層と、光学的な層厚がλ/4であるMgF2 (λ
は設計中心波長である。)を交互に41層にわたって積
層し、41層目のLaF3 の層の上に光学的な層厚がλ
/2であるMgF2 の層を設ける(図2(A))。図
中、下地(基板)10と予備膜12とからなる構造物
(光学部材)を13で示してある。
【0030】この後、予備膜12に対し加熱処理を行っ
てこの予備膜12を金属フッ化物含有膜に変える。ここ
では、真空蒸着を行った装置をアニール処理装置11と
して用いる。このため装置11内に基板10および金属
フッ化物含有予備膜12からなる構造物(光学部材)1
3をセットしたままで、この装置11内の雰囲気圧を1
×10ー5Paになるまで排気口15を用いて真空排気す
る。なお、加熱用台19を仮にセラミックヒータで構成
する。その後、装置11内にフッ素化剤であるNF3
スと不活性ガスであるN2 ガスとの混合ガスを、装置1
1内の雰囲気圧が5×10ー3Paになるまで導入管17
から導入する。この混合ガスにおいて、NF3 ガスの濃
度をこの例では5容量%となるように混合してある。
【0031】次に、セラミックヒータ19を用いて基板
温度を毎分5Kの速さで昇温させていき、アニール温度
である300℃になったところで、この温度を保持しな
がら4時間にわたり構造物(光学部材)13に対する加
熱処理を行う。その後、基板温度を毎分5Kの速さで降
温した後、構造物(光学部材)13を室温まで自然冷却
させ、その後構造物(光学部材)13を取り出す。
【0032】この結果、基板上10には従来よりもフッ
素欠損が大幅に減少し、かつ緻密で均質性に優れた金属
フッ化物含有膜14が光学薄膜(ここでは高反射膜)と
して得られる。このため、従来の膜よりも分光特性を向
上させることができる。この例では、光学薄膜14が高
反射膜であるため反射率の損失が従来よりも低減する。
また、XPS(X線光電子分光法)やSEM(走査型電
子顕微鏡)による分析によって、得られた光学薄膜14
が緻密で均質性に優れた膜構造となっていることを確認
することができる。
【0033】また、N2 ガス中にNF3 が5容量%含有
されている混合ガスを用いているので、アニール処理の
安全性を確保することができる。
【0034】また、加熱処理を行うときの基板温度の昇
温および降温の速度を毎分5K程度にしているので、予
備膜から金属フッ化物含有膜へと変化しつつある膜にク
ラックが発生するおそれはない。
【0035】また、加熱処理を行う装置内へのフッ素化
剤の導入は、装置内の気体を排出した後フッ素化剤もし
くはフッ素化剤を含む混合ガスを封入してもよいし、こ
れらのガスを装置内に導入すると同時に装置に設けられ
た排気口から気体が排出されるようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の金属フッ化物含有膜の形成方法によれば、金属
フッ化物含有予備膜を形成した後、この予備膜をフッ素
化剤含有雰囲気中で加熱処理を行っている。
【0037】これにより、特にアニール処理時において
顕著に見られる金属フッ化物含有予備膜が金属フッ化物
含有膜への変化途中および変化後の膜の酸化およびフッ
素欠損を防ぎ、かつ既に酸化している予備膜部分やフッ
素が欠損している予備膜部分のフッ素化をし、酸化やフ
ッ素欠損を可及的に少なくした金属フッ化物含有膜の形
成を促進させることができる。
【0038】このため、フッ素欠損を従来よりも低減す
ることができ、かつ緻密で均質性に優れた膜構造を有す
る金属フッ化物含有膜を形成することができる。
【0039】したがって、この金属フッ化物含有膜を光
学薄膜として用いれば、分光特性に優れ、しかも耐湿性
等の耐環境性に優れた光学薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態例の説明に供する、アニール処理装
置の概略的な線図である。
【図2】(A)〜(C)は、実施の形態例の金属フッ化
物含有膜の概略的な形成工程図である。
【符号の説明】
10:下地(基板) 11:アニール処理装置 12:金属フッ化物含有予備膜 13:構造物 14:金属フッ化物含有膜(光学薄膜) 15:排気口 17:導入管 19:加熱用台(セラミックヒータ)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地に金属フッ化物含有予備膜を形成し
    た後、該予備膜をフッ素化剤含有雰囲気中で加熱処理し
    て金属フッ化物含有膜に変える工程を含んでいることを
    特徴とする金属フッ化物含有膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の金属フッ化物含有膜は
    光学薄膜であることを特徴とする金属フッ化物含有膜の
    形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の金属フ
    ッ化物含有膜の形成方法において、 前記フッ素化剤がNF3 ガスまたはXeF2 ガスである
    ことを特徴とする金属フッ化物含有膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記
    載の金属フッ化物含有膜の形成方法において、 前記フッ素化剤含有雰囲気は、前記加熱処理を行う装置
    内に前記フッ素化剤または少なくとも前記フッ素化剤を
    含む混合ガスが導入されることにより達成されることを
    特徴とする金属フッ化物含有膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の金属フッ化物含有膜の
    形成方法において、 前記混合ガスは、前記フッ素化剤と不活性ガスとが混合
    されたガスであることを特徴とする金属フッ化物含有膜
    の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の金属フ
    ッ化物含有膜の形成方法において、 前記混合ガス中に、前記フッ素化剤が1容量%以上でか
    つ20容量%以下の濃度で含まれていることを特徴とす
    る金属フッ化物含有膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちのいずれか一項に記
    載の金属フッ化物含有膜の形成方法において、 前記加熱処理は、100℃以上でかつ700℃以下とい
    う範囲内の温度条件で行われることを特徴とする金属フ
    ッ化物含有膜の形成方法。
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