JPH11141811A - 液体燃料用バーナー及びその装着構造並びに燃焼方法 - Google Patents

液体燃料用バーナー及びその装着構造並びに燃焼方法

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JPH11141811A
JPH11141811A JP30715997A JP30715997A JPH11141811A JP H11141811 A JPH11141811 A JP H11141811A JP 30715997 A JP30715997 A JP 30715997A JP 30715997 A JP30715997 A JP 30715997A JP H11141811 A JPH11141811 A JP H11141811A
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公夫 飯野
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一路 鈴木
Yoshiyuki Hagiwara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火炎からの輻射伝熱を利用するガラス溶解炉
に特に好適な液体燃料用バーナー及びその装着構造並び
に燃焼方法を提供する。 【解決手段】 液体燃料を噴出する燃料供給ノズル16
の先端が、円筒状混合室17の軸方向の一端中央に挿入
され、燃料供給ノズル16の外周に噴霧流体通路18を
形成し、混合室17の他端中央に噴霧燃料噴出口19を
設けた燃料噴出ノズル15の周囲に同心状の支燃ガス通
路を有する液体燃料用バーナーであって、混合室17の
内径Daと長さLaとの関係をLa/Da=0.75〜
1.75の範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火炎からの輻射伝
熱を利用するガラス溶解炉に特に好適な液体燃料用バー
ナー及びその装着構造並びに燃焼方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス溶解炉では、ガラスを均等に加熱
溶解するために、重油や灯油等の液体燃料を空気で燃焼
する方法を用い、火炎をガラスに接触させることなく、
輻射伝熱を主体とした溶解方法を採用している。
【0003】しかし、支燃ガスとして空気を用いると、
空気中の窒素ガスが燃焼に寄与しないため、多量の排ガ
スが発生するとともに、窒素ガスの温度上昇に使われる
熱量損失が避けられない。
【0004】ところが、支燃ガスとして酸素ガスを使う
と、排ガス量の減少と熱効率の向上とが期待されるとと
もに、有害なNOxの低減も図れる。そのため、酸素燃
焼に対する関心が高まり、ガラス溶解炉に実質的に純酸
素による酸素バーナーの使用が要望されていた。
【0005】しかし、酸素燃焼は、空気燃焼に比べて燃
焼後のガス量が少なくて高温火炎が得られるため、従来
の液体燃料用酸素バーナーは、主として、火炎長の短い
高温の火炎を被加熱物に直接当てて加熱するのに適して
いた。
【0006】一方、ガラス溶解炉では、上述のように、
輻射伝熱を主体としているので、広い温度分布が得られ
る長い火炎長が望ましい。そのために、本発明者らは、
先に、図11に示すような、緩慢燃焼によって長い火炎
を形成する液体燃料用酸素バーナーを提案した(特開平
6―347008号公報参照)。このバーナーは、非水
冷の自冷式であって、メンテナンス性にも優れており、
ガラス溶解炉に適している。
【0007】前記図11に示す液体燃料用酸素バーナー
1は、先端部に燃料噴出孔2を有する燃料通路3の外周
に支燃ガス通路4を同心状に設けるとともに、前記燃料
噴出孔2と偏心した位置に絞り孔5を形成した絞り部材
6を連設している。そのため、液体燃料は、絞り孔5を
通って空隙部7に拡散した後に燃料噴出孔2から噴出す
るが、この際、燃料噴出孔2と絞り孔5とが偏心した位
置にあるので、燃料噴出孔2からの液体燃料は、比較的
小さな噴霧角度で噴出し、飛距離が伸びる。
【0008】一方、支燃ガスは、支燃ガス通路4の開口
端部から霧化状態の液体燃料を包囲するように噴出し、
この状態で燃焼させると、火炎長が長く、かつ、輝炎部
の割合が大きく火炎が得られる。それは、このバーナー
1では、液体燃料と支燃ガスとの混合が緩慢になり、そ
の結果、液体燃料の燃え方が緩慢になるためである。し
かし、このような液体燃料用酸素バーナーによって得ら
れる火炎は、推進力が弱いという弱点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】さて、従来の空気燃焼
によるガラス溶解炉に、液体燃料用酸素バーナーを導入
する形態には、新規に液体燃料用酸素バーナー専用のガ
ラス溶解炉を設置する場合と、部分的に液体燃料用酸素
バーナーに置き換える場合とがある。前者の場合は特に
問題はないが、後者の部分的にバーナーを置き換える場
合には、炉内は、空気燃焼火炎と液体燃料用酸素バーナ
ー火炎とが共存する。この場合、前述のように、液体燃
料用酸素バーナー火炎は、推進力が弱いため、空気燃焼
火炎にあおられて炉サイドウオールやクラウンの温度が
上がり過ぎることが起きる。特に、図12に示すよう
に、ガラス溶解炉8において、液体燃料用酸素バーナー
火炎Foが、空気燃焼火炎Faと対向する場合に著し
い。
【0010】そこで本発明は、長い高輝度火炎を維持し
つつ、推進力の強い火炎を得ることができ、ガラス溶解
炉中の空気燃焼火炎によってあおられない火炎を形成す
る液体燃料用バーナーを提供するとともに、該液体燃料
用バーナーをガラス溶解炉に装着する際の最適な装着構
造と、そのときの最適な燃焼方法を提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体燃料用バーナーは、液体燃料を噴出す
る燃料供給ノズルの先端が、円筒状混合室の軸方向の一
端中央に挿入され、該燃料供給ノズルの先端の外周と前
記混合室の内周とによって噴霧流体の通路を形成し、前
記混合室の軸方向の他端中央に噴霧燃料噴出口を設けた
燃料噴出ノズルの周囲に、該燃料噴出ノズルと同心状に
設けた支燃ガスの通路を設けてなる液体燃料用バーナー
であって、前記混合室の内径Daと長さLaとの関係
が、La/Da=0.75〜1.75の範囲であること
を特徴としている。
【0012】また、本発明の液体燃料用バーナーの装着
構造は、上記構成の液体燃料用バーナーを、該液体燃料
用バーナーを囲繞するバーナータイルを介してガラス溶
解炉の壁面に装着するにあたり、前記バーナータイルの
内径Dbと、バーナータイルの先端から後退させて装着
した液体燃料用バーナーの先端とバーナータイルの先端
との間の距離Lbとの関係を、Lb/Db=1.5〜
3.0の範囲としたことを特徴としている。
【0013】また、本発明の液体燃料用バーナーの燃焼
方法は、蒸気装着構造によってガラス溶解炉の壁面に装
着した液体燃料用バーナーを燃焼させるにあたり、前記
噴霧流体及び前記支燃ガスに酸素ガスを用い、燃料供給
ノズルから混合室に噴出する液体燃料の噴出速度を毎秒
5〜20mとし、噴霧流体の質量流量S1と液体燃料の
質量流量S2との質量流量比Rsを、S1/S2=0.
12〜0.24の範囲とし、噴霧流体の通路内の平均流
速V1と液体燃料のノズル内の平均流速V2との流速比
Rvを、V1/V2=12〜30の範囲とし、かつ、前
記質量流量比Rsと前記流速比Rvとの積であるモーメ
ンタム比Mが2〜7.5の範囲となるように設定すると
ともに、前記支燃ガスの流速を毎秒15〜30mとする
ことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明の液体燃
料用バーナーの一形態例を示すもので、図1は燃料噴出
ノズル部分を示す要部の断面図、図2は、液体燃料用バ
ーナーをバーナータイルを介してガラス溶解炉の壁面に
装着した状態を示す断面図である。
【0015】液体燃料用バーナー11は、液体燃料流路
12と、噴霧流体流路13と、支燃ガス流路14とを同
心状に設けた多重管構造を有しており、液体燃料流路1
2及び噴霧流体流路13の先端部に燃料噴出ノズル15
が設けられている。燃料噴出ノズル15は、液体燃料流
路12に連通する燃料供給ノズル16の先端が、該ノズ
ル16より大径の円筒状の混合室17の軸方向の一端中
央に挿入され、該燃料供給ノズル16の先端の外周と混
合室17の内周とによって噴霧流体流路13に連通する
噴霧流体通路18を形成するとともに、前記混合室17
の軸方向の他端中央に噴霧燃料噴出口19を設けた構造
を有している。また、燃料噴出ノズル15の周囲には、
支燃ガス流路14に連通する支燃ガス通路20が同心状
に設けられている。
【0016】このように形成した液体燃料用バーナー1
1において、液体燃料流路12に重油や灯油等の液体燃
料を、噴霧流体流路13に適宜なガス、例えば空気や酸
素ガスを、さらに、支燃ガス流路14に支燃性を有する
ガス、例えば空気や酸素ガスを、それぞれ所定量供給す
ると、燃料供給ノズル16から混合室17に供給された
液体燃料は、噴霧流体通路18からの噴霧流体と混合し
て適当な径の液滴となり、噴霧燃料噴出口19から噴出
して支燃ガス通路20から噴出した支燃ガスと混合する
ことにより燃焼火炎を生成する。
【0017】上述のようにして燃焼火炎を得るに際し
て、円筒状の混合室17の内径Daと長さLaとの関係
が重要な要因となり、両者の関係がLa/Da=0.7
5〜1.75の範囲に入るように設定することにより、
良好な火炎が得られる。この範囲を超えて長さLaが内
径Daに対して短くなると、火炎が吹き飛んで安定した
燃焼が得られず、逆に長さLaが長くなると、急速な燃
焼により火炎の輝度が弱くなり、ノズルへの熱負荷も大
きくなる。
【0018】また、図2に示すように、液体燃料用バー
ナー11を円筒状に形成されたバーナータイル21を介
してガラス溶解炉22の壁面に装着する際には、液体燃
料用バーナー11の先端の位置が重要な要因となる。す
なわち、バーナータイル21の内径Dbと、バーナータ
イル21の先端から後退させて装着した液体燃料用バー
ナー11の先端とバーナータイル21の先端との間の距
離Lbとの関係が、Lb/Db=1.5〜3.0の範囲
になるように設定することが好ましい。この範囲にする
ことにより、バーナータイル21から炉内に噴出する火
炎の噴出角度を10〜15度とすることができ、軸方向
への慣性力も十分なものとなる。この範囲を超えて距離
Lbが内径Dbに対して短くなると、炉内からの熱輻射
によってバーナー先端が過熱状態となり、逆に距離Lb
が長くなると、バーナータイル21の内周面にバーナー
火炎が激しく衝突するため、バーナータイル21の熱損
傷や火炎の乱れが発生する。
【0019】液体燃料用バーナー11において、支燃ガ
スとしては、熱効率及びNOxの抑制のために工業的に
純酸素を使用することが好ましい。また、噴霧流体は、
液体燃料を適当な径の液滴とすればよいから、スチーム
や空気でも可能であるが、スチームを用いると、火炎温
度が低下するだけでなく、好適な輝度を得るために意図
的に生成させるススの発生が抑制されて好ましくない
し、空気は、熱効率及びNOxの抑制の観点から好まし
くない。このため、噴霧流体としても酸素を使用するこ
とが好ましい。
【0020】そして、前記構造の液体燃料用バーナー1
1においては、燃料供給ノズル16からの液体燃料の噴
出速度を毎秒5〜20m/sとし、噴霧流体の質量流量
S1と液体燃料の質量流量S2との質量流量比Rsを、
S1/S2=0.12〜0.24の範囲とし、噴霧流体
通路18における噴霧流体の平均流速V1と燃料供給ノ
ズル16における液体燃料の平均流速V2との流速比R
vを、V1/V2=12〜30の範囲とし、かつ、前記
質量流量比Rsと前記流速比Rvとの積であるモーメン
タム比Mが、Rs×Rv=2〜7.5の範囲となるよう
に設定するとともに、前記支燃ガスの流速を毎秒15〜
30mとすることが好ましい。
【0021】このような条件で燃焼させることにより、
ガラス溶解炉中における火炎の慣性力が十分となり空気
火炎にあおられず、輝度の長い好ましい状態の火炎が得
られる。特に、燃焼用支燃ガスである酸素ガスを毎秒1
5〜30mの流速で流すことにより、液滴状に噴霧され
た液体燃料の周囲を同心円環状に包んで、周囲から徐々
に燃焼して火炎を形成する。酸素ガスの流速が、毎秒1
5mに満たないと火炎の推進力が弱く、十分に燃焼せず
に火炎の下流で未燃分が残る。また、毎秒30mを超え
ると燃焼速度が増進し、ノズルへの熱負担が大きくな
り、好ましい結果が得られない。
【0022】
【実施例】図3に示すように、試験炉31として、内径
1000mm×内長4000mmの円筒状の炉体31a
の一端に、内径150mmのバーナータイル21を介し
て外径145mmの液体燃料用バーナー11を設置する
とともに、他端には、内径600mmの排気口32を設
け、炉内壁の温度を8箇所(a〜h)で測定できるよう
に熱電対を設けたものを製作した。バーナー11へは燃
料としてC重油を毎時200リットルの流量で供給し、
燃焼支燃ガス及び噴霧流体として酸素ガスをトータルで
400Nm/h供給した。なお、C重油は、粘度を下
げるために110℃(粘度15cP)に予熱して供給し
た。
【0023】実験例1 バーナータイルへのバーナーのセットは、図2における
Lbを300mm(Lb/Db=2.0)とし、円筒状
の混合室の形状について検討した。すなわち、図1にお
ける混合室の内径Daを6.5mmに固定し、長さLa
を変えてLa/Daの値が0.5〜2.0の7種のバー
ナーを作成した。そして、噴霧流体通路からの噴霧用酸
素ガスの流量を23.4Nm/hとし、燃焼はさせず
に噴霧特性を調べた。なお、このときの、質量流量比R
sは0.18、流速比Rvは26.5、モーメンタム比
Mは4.8、支燃ガスである燃焼用酸素の流速は25m
/sとなる。各バーナーにおいて、バーナータイルから
の噴出流を写真撮影し、噴出角度を測定した結果を表1
に示す。また、バーナー先端から500mmの位置で燃
料液滴のザウター平均粒径と流速とを測定器(米国Ae
rometrics社製2D―PA/RSAシステム)
で測定した結果を図4に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から、La/Daの値が小さいと噴出
角度も小さく、La/Daの値が大きくなるとともに噴
出角度も大きくなることがわかる。また、図4から、L
a/Daの値が小さいと液滴は大きく、その速度は小さ
い。La/Daの値が増加するとともに液滴の径が小さ
くなり、その速度は大きくなることがわかる。
【0026】実験例2 実験例1の結果を受けて、La/Daの値が、0.5,
1.0,2.0の3種類を選び、実際のガラス溶解炉内
での空気火炎との混焼時を想定し、図3に示すように、
排気口32からブロワー33で400Nm/hの空気
を送気して火炎がどのように影響されるかを調べた。炉
内壁の温度測定の結果を図5に示す。
【0027】図5から、La/Da=1.0のときは、
良好な温度分布が得られるが、La/Da=0.5のと
きはブロワーによる送気によって火炎があおられるため
に火炎が乱れ、炉内壁の温度が1600℃を超える点も
あり、温度分布が悪く、燃焼が不完全で未燃分の多いこ
とが観察された。La/Da=2.0のときは、燃焼が
急速で火炎輝度の低下も観察され、火炎が短く、遠方ま
で壁内面の温度が伝わらない。さらに、実験例1の各バ
ーナーでも同様の実験を行った結果、La/Daの値が
0.75〜1.75の範囲ならば良好な火炎が得られる
ことがわかった。
【0028】実験例1,2の結果から、La/Daの値
が0.5では、噴出角度が5度と小さすぎて火炎が十分
に分散せず、燃焼不良を起こすものと考えられる。ま
た、La/Daの値が2.0のときは、噴出角度が1
7.5度と大きくなり、燃焼が速く、火炎の輝度の低下
と、火炎長の短いことが観察され、ノズル等への熱負荷
も大きく不適当である。したがって、噴出角度として
は、10〜15度の範囲が好ましい。
【0029】実験例3 La/Daの値を1.0に固定し、バーナータイルへの
バーナーのセット条件(Lb/Db)を種々変えて同様
の試験を行った。その結果、Lb/Dbの値が1.5〜
3.0の範囲にあれば良好な火炎が得られたが、Lb/
Dbの値が1.5未満ではバーナー先端が過熱状態とな
り、3.0を超えるとバーナータイルの熱損傷や火炎の
乱れが発生した。
【0030】実験例4 次に、混合室内への液体燃料の噴出速度の影響について
調べた。La/Daの値は1.0とし、燃料供給ノズル
の径を変えて燃料噴出速度が、毎秒5,10,15,2
0mとなる4種のノズルを作成し、これに噴霧用酸素を
27Nm/sで供給し、実験例2と同様の試験を行っ
た。この範囲では、特に火炎の状態等に差はなく、良好
な結果が得られた。なお、このときの質量流量比Rsは
0.21、燃焼用酸素の流速は25.0m/sであっ
た。
【0031】実験例5 質量流量比Rsの影響について調べるため、混合室の径
Daを、5.0,6.0,6.8,7.5,8.2mm
に変えた5種類のノズルを作成した。これらのノズルを
用いて質量流量比Rsが、それぞれ、0.06,0.1
2,0.18,0.24,0.3となるように、噴霧用
酸素ガス量を調整した。このとき、流速比Rvは26.
5であった。また、燃焼用酸素の流速は25m/sの一
定とした。実験例1,2と同様に、噴出角度,噴霧特性
(液滴及び速度),炉壁面温度をそれぞれ測定した。そ
の結果を、表2及び図6,図7に示す。さらに、燃料噴
出ノズルの先端テーパー部に熱伝対を取り付けて温度を
測定した。その結果を図8に示す。
【0032】
【表2】
【0033】この結果から、質量流量比Rsが0.06
のときは、液滴の微細化が不十分で流速も遅く、不安定
な火炎となり、あおられ易く、あおられた火炎が炉壁に
接触して炉壁の温度を局部的に上昇させている。一方、
質量流量比Rsが0.3のときは、液滴の流速は速く火
炎の推進力はあるものの、液滴が小さいため急速に燃焼
する(図8でノズルの温度が異常に高い)ため長い火炎
が得られず、炉壁の温度が距離とともに急速に低下して
いる。
【0034】実験例6 次に、流速比Rvの影響を調べた。混合室におけるLa
/Daの値を1として、それぞれ、10.9,9.6,
7.5,6.8,6.0mmに変えた5種類のノズルを
作成した。これらのノズルを用いて、流速比Rvが、
9.3,12.5,23.2,30.9,44.2とな
るように噴霧用酸素の流速を調整した。このとき、質量
流量比Rsは0.21となり、モーメンタム比Mは、そ
れぞれ、1.9,2.6,4.9,6.5,9.3とな
る。また、燃料流速は10m/s、燃焼用酸素流速は2
5m/sとした。実験例1と同様に、噴出角度と噴霧特
性(液滴と速度)とを測定した。その結果を表3及び図
9に示す。また、実験例2と同様に壁面温度を測定した
結果を図10に示す。
【0035】
【表3】
【0036】この結果から、流速比Rvが9.3のとき
は、噴出角度は11.2度であるものの、火炎が激しく
あおられ、天井に接触して熱損傷が発生した。また、流
速比Rvが44.2のときは、液滴径が小さいため、火
炎が短く、遠くまで加熱されなかった。
【0037】実験例7 次に、燃焼用酸素の流速について調べた。Da及びLa
がそれぞれ7.1mm(La/Da=1.0)のバーナ
ーを用い、支燃ガス通路にリング状のスリーブを挿入し
て断面積を調整し、燃焼用酸素の流速を8.7,15,
25,30,45m/sに変え、その影響を調べた。な
お、このときの、質量流量比Rsは0.21、流速比R
vは26.5、燃料流速は10m/sである。燃焼用酸
素流速が8.7m/sのときは、火炎の推進力が小さ
く、対向ガスにあおられ、火炎後流では未燃分が発生
し、燃焼不良であった。一方、燃焼用酸素流速が45m
/sのときは、燃焼が促進されすぎてバーナーの熱負荷
が大きく、実用には適さなかった。燃焼用酸素流速が1
5,25,30m/sのときは、良好な火炎が得られ
た。
【0038】実施例及び比較例 以上の実験例の結果を受けて、図12に示す実際のガラ
ス溶解炉にバーナーを取付け、下記A〜Eの5種類の条
件で運転して観察した。なお、空気火炎Faは、図12
において、炉両側の噴出口(9a,9b)から交互に吹
き出すため、酸素火炎と平行になったり対向したりを繰
り返す。また、バーナータイルの内径Dは150mmで
あり、Lb/Db=2.0とした。結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】条件Aでは燃焼不良が発生し、火炎が激し
くあおられ、炉内天井とバーナー設置壁での局部的な温
度上昇があり実用には適さない。これは、質量流量比R
sが0.06と小さいためである。条件B,C,Dは、
火炎の長さや輝度、安定性も良好で、ガラスへの熱伝達
も効果的であり、実用性が高いことが確認された。条件
Eは、燃焼が急速に行なわれ、燃焼音が大きく、短火炎
で輝度も低くガラスへの熱伝達も悪かった。なお、この
場合、バーナータイルの炉内側に溶損が認められた。こ
れは、燃焼用酸素が45m/sと速いためである。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
火炎の長さや輝度、安定性が良好で、特に、ガラス溶解
炉への適用に最適な液体燃料用バーナーが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 燃料噴出ノズル部分の一形態例を示す要部の
断面図である。
【図2】 液体燃料用バーナーをバーナータイルを介し
てガラス溶解炉の壁面に装着した状態を示す断面図であ
る。
【図3】 実施例で製作した試験炉の断面図である。
【図4】 実験例1における粒径と流速との関係を示す
図である。
【図5】 実験例2における各測定位置及びLa/Da
の値と炉壁温度との関係を示す図である。
【図6】 実験例5における粒径と流速との関係を示す
図である。
【図7】 実験例5における各測定位置及びLa/Da
の値と炉壁温度との関係を示す図である。
【図8】 質量流量比とノズル温度との関係を示す図で
ある。
【図9】 実験例6における粒径と流速との関係を示す
図である。
【図10】 実験例6における各測定位置及びLa/D
aの値と炉壁温度との関係を示す図である。
【図11】 従来の液体燃料用酸素バーナーの一例を示
す断面図である。
【図12】 ガラス溶解炉の一例を示す断面平面図であ
る。
【符号の説明】
11…液体燃料用バーナー、12…液体燃料流路、13
…噴霧流体流路、14…支燃ガス流路、15…燃料噴出
ノズル、16…燃料供給ノズル、17…混合室、18…
噴霧流体通路、19…噴霧燃料噴出口、20…支燃ガス
通路、21…バーナータイル、22…ガラス溶解炉、3
1…試験炉、32…排気口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体燃料を噴出する燃料供給ノズルの先
    端が、円筒状混合室の軸方向の一端中央に挿入され、該
    燃料供給ノズルの先端の外周と前記混合室の内周とによ
    って噴霧流体の通路を形成し、前記混合室の軸方向の他
    端中央に噴霧燃料噴出口を設けた燃料噴出ノズルの周囲
    に、該燃料噴出ノズルと同心状に設けた支燃ガスの通路
    を設けてなる液体燃料用バーナーであって、前記混合室
    の内径Daと長さLaとの関係が、La/Da=0.7
    5〜1.75の範囲であることを特徴とする液体燃料用
    バーナー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液体燃料用バーナーを、
    該液体燃料用バーナーを囲繞するバーナータイルを介し
    てガラス溶解炉の壁面に装着するにあたり、前記バーナ
    ータイルの内径Dbと、バーナータイルの先端から後退
    させて装着した液体燃料用バーナーの先端とバーナータ
    イルの先端との間の距離Lbとの関係を、Lb/Db=
    1.5〜3.0の範囲としたことを特徴とする液体燃料
    用バーナーの装着構造。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の装着構造によってガラス
    溶解炉の壁面に装着した液体燃料用バーナーを燃焼させ
    るにあたり、前記噴霧流体及び前記支燃ガスに酸素ガス
    を用い、燃料供給ノズルから混合室に噴出する液体燃料
    の噴出速度を毎秒5〜20mとし、噴霧流体の質量流量
    S1と液体燃料の質量流量S2との質量流量比Rsを、
    S1/S2=0.12〜0.24の範囲とし、噴霧流体
    の通路内の平均流速V1と液体燃料のノズル内の平均流
    速V2との流速比Rvを、V1/V2=12〜30の範
    囲とし、かつ、前記質量流量比Rsと前記流速比Rvと
    の積であるモーメンタム比Mが2〜7.5の範囲となる
    ように設定するとともに、前記支燃ガスの流速を毎秒1
    5〜30mとすることを特徴とする液体燃料バーナーの
    燃焼方法。
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