JPH11142345A5 - - Google Patents
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- JPH11142345A5 JPH11142345A5 JP1997325296A JP32529697A JPH11142345A5 JP H11142345 A5 JPH11142345 A5 JP H11142345A5 JP 1997325296 A JP1997325296 A JP 1997325296A JP 32529697 A JP32529697 A JP 32529697A JP H11142345 A5 JPH11142345 A5 JP H11142345A5
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 検査装置及び検査方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定のパターンが形成された基板と該基板上に形成された薄膜とを有する被検物体に対して複数の波長領域を含む照明光を照射する照明系を配置し;
前記被検物体からの反射光又は回折光を目視で観察することにより前記被検物体の外観を検査するように構成されたことを特徴とする;
検査装置。
【請求項2】 被検物体からの散乱光を目視で観察することにより被検物体の外観を検査する検査装置において;
前記被検物体に対して照明光を斜め方向から照射する照明系を設け;
前記照明系は、前記照明系側に前記目視による観察方向が位置するように設定されていることを特徴とする;
検査装置。
【請求項3】 前記照明系は、前記照明系の光軸が前記被検物体の表面と交差する交点における前記表面の法線と前記光軸とを含む平面に対して、垂直かつ前記法線を含む基準面を境として前記照明系側に前記目視による観察方向が位置するように設定されていることを特徴とする;
請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】 所定のパターンが形成された基板と該基板上に形成された薄膜とを有する被検物体の外観を検査する検査装置において;
前記被検物体に対して第1の照明光を斜め照射する第1の照明系と;
前記被検物体に対して複数の波長領域を含む第2の照明光を照射する第2の照明系とを設け;
前記第1及び第2の照明系は、前記第1の照明系側に前記目視による観察方向が位置するように設定されていることを特徴とする;
検査装置。
【請求項5】 所定のパターンが形成された基板と該基板上に形成された薄膜とを有する被検物体の外観を検査する検査方法において;
前記被検物体に対して複数の波長領域を含む照明光を照射する照明工程と;
前記照明工程によって前記被検物体から発生する反射光又は回折光を観察する観察工程とを備えることを特徴とする;
検査方法。
【請求項6】 前記複数の波長領域を含む光は、波長に関して少なくとも2つの離散的ピークを有する光であることを特徴とする;
請求項1に記載の検査装置。
検査方法。
【請求項7】 前記離散的ピークの幅は、10nm程度であることを特徴とする;
請求項6に記載の検査装置。
【請求項8】 前記複数の波長領域を含む光は、互いに補色関係にある2つの波長領域を含むことを特徴とする;
請求項1に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は外観検査装置に関し、特に、ウェハまたは液晶基板などの表面に付着した異物や傷などの目視による外観検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体または液晶基板の製造工程においては、回路パターンや回路素子の形成された、基板であるシリコンなどのウェハやガラスプレートの表面を検査する必要がある。それは、パターンに異物が付着していたり傷がついていたり、ウェハやガラスプレートの裏面に異物をつけたまま露光をしたために局所的にフォーカスがずれてしまったり、レジストの表面の異物や傷などによりレジストのパターンを変形させてしまったり、露光装置の異常などにより露光が全面に行なわれなかったり、レジストを基板に塗布せずに露光をしてしまったりすると、形成される素子が正しい形状とならずに所望の性能が出なくなる可能性があるからである。
【0003】
従来からこの種の検査装置として目視による外観検査装置が利用されてきた。従来の目視外観検査装置においては、図4に示されるように、光源21からの照明光を光ファイバー22で、回転およびチルト(傾斜)可能なチャック23に取り付けられたウェハ24をほぼ上方または前方から照射し異物または傷からの散乱光を観察するような構成をとっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の外観検査装置によれば、散乱光の強度の小さい微小な異物や傷を発見するためには、光源の光量を大きくしなければならない。しかしながら、光源の光量を大きくすると反射光の光量も大きくなり、被検物体を傾斜する際などに、この正反射光が直接目に入る危険性がある。このような場合、観察者は眩惑されてしまうために、しばらく検査が行なえなくなるという問題があった。
【0005】
また、パターンのある被検物体面上の薄膜の膜厚ムラを検査しようとすると、パターンによる回折光が生じてしまうために、膜厚ムラにパターンからの回折光が重なってしまい、膜厚ムラの判別がつかなくなるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、観察者が反射光により眩惑されず、また、パターンによる回折光に拘わらず膜厚ムラを判別できる外観検査装置及び外観検査方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による検査装置は、図2に示すように、所定のパターンが形成された基板Wbと該基板Wb上に形成された薄膜Waとを有する被検物体W2に対して複数の波長領域を含む照明光を照射する照明系10を配置し;被検物体W2からの反射光又は回折光を目視で観察することにより前記被検物体W2の外観を検査するように構成されたことを特徴とする。ここでいう複数の波長は、典型的には、検査対象の膜厚に応じて適切な波長を2以上選択したものであり、例えば赤と緑等の補色関係にある波長が選択される。補色関係にある色は、人間の目で識別し易く、目視観察で区別が容易だからである。
【0008】
このように構成すると、複数の波長領域を含む照明光を照射する照明系10をを配置するので、薄膜の膜厚による干渉条件を変化させれば、膜厚ムラに対する感度の高い部分を設定できる。また、パターンによる回折と膜厚ムラによる干渉とを分離観察しやすい。
【0009】
また、上記目的を達成するために、請求項2に係る発明による検査装置は、図1に示すように、被検物体W1からの散乱光を目視で観察することにより被検物体W1の外観を検査する検査装置において;被検物体W1に対して照明光を斜め方向から照射する照明系1を設け;照明系1は、照明系1側に前記目視による観察方向が位置するように設定されていることを特徴とする。
【0010】
前記検査装置では、請求項3に記載のように、照明系1は、照明系1の光軸7が被検物体W1の表面と交差する交点における表面の法線8と光軸7とを含む平面S1に対して、垂直かつ法線8を含む基準面S2を境として照明系1の側に前記目視9による観察方向が位置するように設定されている。
【0011】
このように構成すると、照明系1は、目視による観察方向が照明系1側に位置するように設定されているので、照明系1からの照明光の被検物体W1による正反射光が直接観察者の目に入射することがない。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項4に係る発明による検査装置は、図1及び図2に示すように、所定のパターンが形成された基板Wbと基板Wb上に形成された薄膜Waとを有する被検物体W2の外観を検査する検査装置において;被検物体W2に対して第1の照明光を斜め照射する第1の照明系1と;被検物体W2に対して複数の波長領域を含む第2の照明光を照射する第2の照明系10とを設け;第1及び第2の照明系1、10は、前記第1の照明系1の側に前記目視による観察方向が位置するように設定されている。
【0013】
このように構成すると、第1の照明系1は、目視による観察方向がその照明系1の側に位置するように設定されているので、第1の照明系1からの照明光の被検物体による正反射光が直接観察者の目に入射することがなく、また複数の波長領域を含む第2の照明光を照射する第2の照明系10を設けてあるので、薄膜の膜厚による干渉条件を変化させれば、膜厚ムラに対する感度の高い部分を設定できる。このようにして、パターンによる回折と膜厚ムラによる干渉とを分離観察しやすく、且つ散乱光により被検物体の表面の傷等も同時に観察できる。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項5に係る発明による検査方法は、図2に示すように、所定のパターンが形成された基板Wbと該基板Wb上に形成された薄膜Waとを有する被検物体W2の外観を検査する検査方法において;被検物体W2に対して複数の波長領域を含む照明光を照射する照明工程と;前記照明工程によって被検物体W2から発生する反射光又は回折光を観察する観察工程とを備える。
【0015】
このように構成すると、複数の波長領域を含む照明光を照射する照明工程を備えるので、薄膜の膜厚による干渉条件を変化させれば、膜厚ムラに対する感度の高い部分を設定できるし、またパターンによる回折と膜厚ムラによる干渉とを分離観察しやすい。
【0016】
請求項6に係る発明による検査装置は、請求項1に係る発明による検査装置において、複数の波長領域を含む光は、波長に関して少なくとも2つの離散的ピークを有する光である。
【0017】
このように構成すると、色が異なるので、人間の目で識別し易くなり、膜厚のムラが容易に識別できる。
【0018】
さらに請求項7に係る発明による検査装置は、請求項6に係る発明による検査装置において、前記離散的ピークの幅は、10nm程度である。
【0019】
請求項8に係る発明による検査装置は、請求項1に係る発明による検査装置において、 複数の波長領域を含む光は、互いに補色関係にある2つの波長領域を含む。
このように構成すると、補色関係にある2つの波長領域の光を使うので、人間の目で識別し易くなり、膜厚のムラが容易に識別できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0021】
半導体または液晶基板の製造工程においては、基板であるシリコンなどのウェハやガラスプレート上に回路パターンや回路素子を形成していく。その工程では、表面に感光性のレジストを塗布し、投影型露光装置などでパターンを投影し、現像工程で不要なレジストを取り除き、エッチングやCVD、蒸着などを行い素子の各部を形成するということを繰り返す。
【0022】
このとき、露光工程や現像工程で生じ得る傷等による不良品の発生を最小限に抑えるために、基板上に形成されたパターンや基板の表面の外観を目視で検査する。
【0023】
この検査で不具合が発見された場合、レジストで作られたパターンは一度レジストを除去して、再びレジストを塗布してパターンの露光をすることにより再生することができる。このようにもう一度修正の効く段階でやり直すのを「戻り工程」という。
【0024】
図1は、本発明による第1の実施の形態である基板の表面の傷等の不具合を知るための目視による外観検査装置の斜視図である。図中、ハロゲンランプやメタルハライドランプなどの可視光線を発する光源2が集光系である楕円鏡3のほぼ第1焦点の位置に配置されている。
【0025】
さらに楕円鏡3のほぼ第2焦点の位置に、ライトガイドファイバー4の入射端が配置されている。ライトガイドファイバー4の入射端においては、細い光ファイバー素線が、全体としてほぼ円形断面を形成するように束ねられている。ライトガイドファイバー4の出射端は、出射光の光路に対してほぼ直交する細長い矩形断面を形成するように束ねられている。この矩形断面は、非常に細長いのでむしろ直線状の形状をしているといってよい。
【0026】
ライトガイドファイバー4の出射端の先、出射端からの光束の光路上に、直線状のライトガイドファイバー4の出射端と円筒面の母線がほぼ平行になるようにシリンドリカルレンズ5が配置されている。以上の光源2からシリンドリカルレンズ5までを含んで、本発明の照明系1が構成されている。
【0027】
シリンドリカルレンズ5は、ライトガイドファイバー4の出射端から広がる光束のうち、ライトガイドファイバー4の矩形形状をした出射端面の法線即ち本発明でいう照明系の光軸7と、その光軸7が本発明の被検査物であるウエハW1の面と交差する点におけるウエハW1の面の法線8とを含む面S1に広がる光束を、ほぼ平行光束となるようにしている。
【0028】
この時の光束のウエハW1の面への入射角は、70°以上、好ましくは80°以上、さらにはできるだけ90°に近くすることが望ましい。ただし、90°にすると真横から光が当たることになり、ウェハW1の表面に照明光が当たらなくなるので、例えば88°のように90°よりわずかに小さい値の入射角で照射するのが望ましい。
【0029】
目視観察をする検査員の目9は、被検物体であるウェハW1の表面を照射するのと同じ側に位置するように装置を構成する。照射するのと同じ側に位置するとは、図1の実施の形態で説明すれば、前記の平面S1に対して垂直であって法線8を含む基準面S2を境として照明系1の側に目視による観察方向が位置するということである。
【0030】
そのような側に目視観察の検査員の目9が来るように構成するとは、例えば光軸7と法線8とが挟む角度内に、細長い矩形断面を形成するライトガイドファイバー4の出射端の長手方向と長手方向が平行なスリット状の邪魔物がない開放空間が存在するように装置要素を配列することである。そのようなスリット状の開放空間を通して、検査員はウエハW1の表面のうち、法線8の立つ位置近傍を目視することができる。
【0031】
さらに、ウエハW1の表面上の法線8の立つ位置に関して、光軸7と対称な光路の延長上に、シリンドリカルレンズ5を通過してウエハW1の表面で反射された光束の進路を遮断する範囲をカバーする、遮光板6を設ける。
【0032】
図1を参照して、本発明の第一の実施の形態である外観検査装置の作用を説明する。光源2からの光束は、楕円鏡3によりライトガイドファイバー4の入射端に集光され、ライトガイドファイバー4により、その出射端に導かれる。ライトガイドファイバー4の入射端と出射端との間は、可撓性のライトガイドを形成しているので、光源部2、3の位置決定の自由度が高く、検査員の目9とウエハW1上の法線8の立つ位置近傍(被検査位置)とを結ぶ直線上に、光源部2、3が介在しないように装置を構成することができる。
【0033】
ライトガイドファイバー4の出射端から出射される光束は、シリンドリカルレンズ5を介して、検査員の手前側からウェハW1の表面に照射される。その照射される照明光は、ウェハW1の被検査位置に向けられたほぼ平行な照明光として、90°に近い入射角で入射する。
【0034】
検査員の目視の方向が照明光の入射方向と同じ側であるので、入射光の直接反射光を目に入れる危険性なしに検査を行なうことができる。さらに、異物を検査する際には入射光の進行方向に対して90°以上の方向に散乱される、いわゆる後方散乱光を検出することになる。一般的に後方散乱光で検出する場合には、ウェハW1面上に形成されたパターンの影響を受けることが少なく、より小さい異物も検出できる。このため、従来よりも小さい異物の検出が可能となる。また遮光板6により、入射光の直接反射光が装置の外に出るのを防ぐことができる。
【0035】
図2は本発明による第2の実施の形態である、被検物体の表面の不具合、特に基板表面上の膜厚ムラを検査するのに適した目視外観検査装置の斜視図である。図中、例えば水銀灯などの複数の輝線スペクトルを含む光を放出する光源11が発する照明光の光路中に、被検物体W2に変化を与えたり、人体に有害な、紫外光などの波長の短い光の成分を取り除き、かつ観察のしやすい光量にするフィルター12が配置されており、さらに照明光の光路中のフィルター12の先には、照明光をほぼ平行な光束とするコンデンサレンズ13が配置されている。被検物体W2が、その平行光束の照射領域内に置かれるように、本外観検査装置は構成されている。
【0036】
検査員が観察するのは、この照射された光の被検物体W2からの反射光である。ここで、図3を参照して、被検物体W2の表面上での薄膜による干渉を説明する。図3に示されるように、被検物体W2は基板であるシリコン等のウエハWbの表面に屈折率nで厚さtの薄膜Waが形成されている。図3では、ウエハWb、薄膜Waは説明に必要な一部のみを抽出して示しており、その他の部分は破断線により破断し図示を省略してある。
【0037】
図2と図3を参照して、本実施の形態の作用を説明する。複数の輝線スペクトルを含む光を放出する光源11からの光は、フィルター12を通され、紫外光などの波長の短い光の成分を取り除き、かつ観察のしやすい光量にして、コンデンサレンズ13を介して被検物体W2に照射される。検査員はこの照射された光の反射光を観察する。
【0038】
図3に示されるように、被検物体面W2上での薄膜Waによる光の干渉は、薄膜Waの表面上の点Aに波長λの光が入射角度θで入射した場合、薄膜Wa内での屈折角をφとすると、スネルの法則よりsinθ=n・sinφとなる。このとき、薄膜表面で反射される光ADと薄膜の内部に入って薄膜の底面の点Bで反射された光(AB+BC)とが干渉する。ここで、点Cは前記光線の点Bでの反射光と薄膜Waの表面との交点である。また、点Dは前記のように入射角θで入射した光線の反射光線に、点Cから降ろした垂線の足とする。以上のような光線を含む光束の光路長差Δは、次のような式で表せる。
【0039】
【数1】
【0040】
このとき光の干渉により、Δ/λが整数の場合には光は強め合い、Δ/λが半整数の場合には光は弱め合う。人間の目には強め合った光が観察されるので、薄膜の厚さが以上の条件を満たす部分に、その強め合った波長の色がついてみえる。例えば、θが55°で入射した場合を考え、薄膜の屈折率が1.64であるとすると、水銀灯の546nmの光では膜厚が0.961μmのとき強め合う状態となり、576nmの光では膜厚が1.014μmのとき強め合う条件となる。したがって、膜厚が0.961μmの部分が546nmの緑色で見え、膜厚が1.014μmの部分が576nmのオレンジ色で見える。このように人間の目で識別できる色の輝線スペクトルを用いれば、膜厚のムラが容易に判別できる。
【0041】
上式より入射角度θを変化させることにより干渉の条件を変化させることができるので、薄膜の膜厚tに応じてムラに対する感度の高い部分を設定できる。また、水銀灯ではなく、ハロゲンランプのような白色光源に干渉フィルターを入れ、任意の波長の光を組み合わせるようにしてもよく、その場合にはムラに対する感度を自由に設定することができる。ここで組み合わせる光は、人間の目に識別し易くするために、赤と緑などの補色の関係にある波長を選択するのが望ましい。
【0042】
このように本実施の形態によれば、パターンのある被検物体面でパターンが回折格子として作用して回折光が生じても、その回折光の進行方向と薄膜により強め合った光の方向とは一致することはほとんどないので、薄膜の膜厚ムラによる光とパターンからの回折光が重ならず、膜厚ムラの判別を容易につけることができる。
【0043】
また、第一の実施の形態と第二の実施の形態とを組み合わせてもよい。このような検査は、被検査物である生産されるウェハの全数について行なう必要があり、検査の時間を極力短くすることが要求される。異物や傷の検出には強い照明光が必要なのでほぼ白色光を用い、膜厚ムラの検査には水銀灯の2つの波長(546nmと576nm)の照明光を用いて検査すると、ムラがあると緑とオレンジ色の干渉縞が観察できるし、異物や傷があると白く光ってみえる。このように検査項目に応じて異なった色で検査できるので、異常の弁別が容易であり同時に異なる種類の不具合(例えば、膜厚ムラと傷のように)を検査をすることができる。
【0044】
このとき、照明の光量に応じて検査感度が相対的に変化するので、照明光の強度を相対的に変えることにより検査感度を相対的に変えることができる。即ち、本発明の第1と第2の照明系の少なくとも一方に、照明光の光量を調節する光量調整手段が設けられてもよい。照明の光量を変えるには、光源の輝度を変化させる方法やND(ニュートラルデンシティフィルター)や絞りなどにより光学系で光量を変化させる方法などあるが、そのいずれを用いてもよい。ただし、光源のスペクトルを変化させたり、照明の開口数を変化させたりしない点で、 NDフィルターを用いるのが望ましい。
【0045】
図5に、第2の実施の形態で用いた、水銀灯を含む照明系10に代えて用いることのできる照明系30を示す。図中、白色光を発する光源31と光源41とが、お互いの光路が平行になるように並列に配置されている。それぞれの光源の光路中にはそれぞれからの光束を平行光束にするコンデンサーレンズ33、43がそれぞれ配置されており、その先には、各光路に対して反射面が約45°の角度をもってダイクロイックミラー32、42がそれぞれ配置されている。ダイクロイックミラー32で反射された光は、ダイクロイックミラー42の、光源41からの光の入射面とは反対側の面に入射するように、両ダイクロイックミラー32、42は、合成光路上に直列に配置されている。
【0046】
ここで、ダイクロイックミラー32は波長630nm近傍の赤色光を選択的に反射し、ダイクロイックミラー42は波長550nm近傍の緑色光を選択的に反射し、それぞれその他の光は透過させるものとする。
【0047】
以上のような構成において、光源31からの白色光はコンデンサーレンズ33により平行光束にされてダイクロイックミラー32に入射する。ここでは、波長630nm近傍の赤色光だけが反射され、その他の波長の光は透過してこの照明系の外に逃げる。ダイクロイックミラー32で反射された光はダイクロイックミラー42に入射し、これを透過する。
【0048】
一方、光源41からの白色光はコンデンサーレンズ43により平行光束にされてダイクロイックミラー42に、ダイクロイックミラー32の反射光とは反対の側から入射する。ここでは、波長550nm近傍の緑色光だけが反射され、その他の波長の光は透過してこの照明系の外に逃げる。
【0049】
したがって、ダイクロイックミラー42では、波長630nm近傍の赤色光と波長550nm近傍の緑色光の2種類の波長の光のみを含む合成光束となる。このような照明系30を、図2の照明系10に置き換えて用いることができる。
【0050】
以上説明したように、本発明の実施の形態では複数の波長領域とは、選択された、特に人間の目で識別し易い程度に色の異なる、できれば補色関係にある波長領域同士である。波長領域は第2の実施の形態で説明したように、2つの波長領域であってもよいし、3から7程度の領域であってもよい。但し無数の領域が連続した白色光は好ましくない。第2の実施の形態は、可視光の一部の光に対して人間の目が波長に関して高い分解能があることを利用してムラを色で判別するようにしたものであり、膜厚ムラの検査に特に適する。さらに言えば、複数の波長領域は離散的ピークを有することが望ましく、その領域の幅は狭く、例えば10nm程度とするのが望ましい。
【0051】
このようにして、生産のスループットを落とすことなく高い検出率で、基板上にパターンの形成された被検物体上の傷や膜厚ムラの検査を行なうことができる。
【0052】
また、本発明の他の実施の形態の外観検査装置においては、図2に示されるように、被検面Wa、Wbからの回折光により目視で前記被検面Wa、Wbを検査する外観検査装置において、各波長領域を相互に人間の目が色として識別できる複数の波長領域を含む照明光を照射する照明系10と、前記照明系10からの照明光の前記被検面に対する入射角θ(図3)を変更できるように、前記被検面と前記照明系とを相対的に保持する不図示の保持装置とを備えるようにしてもよい。
【0053】
このように構成すると、入射角θ(図3)が可変であるので、膜厚tに応じて入射角θを設定することができるので、照明光の波長を特定の値に固定的に設定しても、種々の膜厚を検査することが可能となる。
【0054】
また、前記保持装置は、前記入射角を所定の角度に維持しながら、目視の角度を変化させることができるように構成してもよい。この外観検査装置は目視により観察する装置であるので、図2において目視の方向はほぼ入射角θと同一の角度方向になってしまい、一時に観察できる範囲は目視観察方向が角度θになる被検物体上の点近傍のみとなってしまう。ここで上記のように構成すると、特定の点についてみて目視の角度を変化させることができるように構成されているので、目視角度がθである点は被検物体上を移動する。したがって被検物体上を全面にわたって目視観察することができる。
【0055】
前記照明系は、複数の波長領域を含む照明光を提供するNDフィルタを備えるようにしてもよい。
【0056】
さらには図1に示されるように、別の実施の形態の外観検査装置では、被検面W1からの散乱光により目視で前記被検面W1を検査する外観検査装置において、前記被検面W1を照明光で照射する照明系1と、前記照明光1の前記被検面W1に対する入射角が90°に近くなるように、且つ目視による観察方向が前記被検面の法線8より前記照明光の入射側になるように、前記被検面W1と前記照明系1とを保持する不図示の保持装置とを備える。
【0057】
また、図1と図2を組み合わせた外観検査装置として、被検面からの回折光及び散乱光により目視で前記被検面を検査する外観検査装置において、各波長領域を相互に人間の目が色として識別できる複数の波長領域を含む照明光を照射する第1の照明系と、前記被検面を入射角が90°に近くなるような角度で入射する照明光で照射する第2の照明系と、前記第1の照明系からの照明光の前記被検面に対する入射角を変更できるように、且つ前記被検面を、目視による観察方向が前記被検面の法線より前記第2の照明系からの照明光の入射側になるように保持する不図示の保持装置とを備えてもよい。
【0058】
さらに、前記保持装置は、前記第1の照明系からの照明光の入射角と前記第2の照明系からの照明光の入射角とをそれぞれ所定の角度に維持しながら、目視の角度を変化させることができるように構成されていてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数の波長領域を含む照明光を照射するので、薄膜の形成された被検物体の外観を目視で検査することが容易になる。また、斜め方向から照射する照明系を備え、その照明系は目視観察方向に位置するので、目視する目に正反射光が入射せず、目の眩惑を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施の形態を示す概略斜視図である。
【図2】
本発明の第2の実施の形態を示す概略斜視図である。
【図3】
被検物体面上の薄膜干渉を説明する部分断面図である。
【図4】
従来の目視観察用照明装置を示す概略図である。
【図5】
照明系の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 照明系
2 可視光光源
3 楕円鏡
4 ライトガイドファイバー
5 シリンドリカルレンズ
6 遮光板
7 光軸
8 法線
9 目視位置
10 照明系
11 水銀灯
12 短波長カットフィルター
13 コンデンサレンズ
30 照明系
31 光源
32 ダイクロイックミラー
33 コンデンサーレンズ
41 光源
42 ダイクロイックミラー
43 コンデンサーレンズ
S1、S2 平面
W1 ウェハ
W2 被検物体
【発明の名称】 検査装置及び検査方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定のパターンが形成された基板と該基板上に形成された薄膜とを有する被検物体に対して複数の波長領域を含む照明光を照射する照明系を配置し;
前記被検物体からの反射光又は回折光を目視で観察することにより前記被検物体の外観を検査するように構成されたことを特徴とする;
検査装置。
【請求項2】 被検物体からの散乱光を目視で観察することにより被検物体の外観を検査する検査装置において;
前記被検物体に対して照明光を斜め方向から照射する照明系を設け;
前記照明系は、前記照明系側に前記目視による観察方向が位置するように設定されていることを特徴とする;
検査装置。
【請求項3】 前記照明系は、前記照明系の光軸が前記被検物体の表面と交差する交点における前記表面の法線と前記光軸とを含む平面に対して、垂直かつ前記法線を含む基準面を境として前記照明系側に前記目視による観察方向が位置するように設定されていることを特徴とする;
請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】 所定のパターンが形成された基板と該基板上に形成された薄膜とを有する被検物体の外観を検査する検査装置において;
前記被検物体に対して第1の照明光を斜め照射する第1の照明系と;
前記被検物体に対して複数の波長領域を含む第2の照明光を照射する第2の照明系とを設け;
前記第1及び第2の照明系は、前記第1の照明系側に前記目視による観察方向が位置するように設定されていることを特徴とする;
検査装置。
【請求項5】 所定のパターンが形成された基板と該基板上に形成された薄膜とを有する被検物体の外観を検査する検査方法において;
前記被検物体に対して複数の波長領域を含む照明光を照射する照明工程と;
前記照明工程によって前記被検物体から発生する反射光又は回折光を観察する観察工程とを備えることを特徴とする;
検査方法。
【請求項6】 前記複数の波長領域を含む光は、波長に関して少なくとも2つの離散的ピークを有する光であることを特徴とする;
請求項1に記載の検査装置。
検査方法。
【請求項7】 前記離散的ピークの幅は、10nm程度であることを特徴とする;
請求項6に記載の検査装置。
【請求項8】 前記複数の波長領域を含む光は、互いに補色関係にある2つの波長領域を含むことを特徴とする;
請求項1に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は外観検査装置に関し、特に、ウェハまたは液晶基板などの表面に付着した異物や傷などの目視による外観検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体または液晶基板の製造工程においては、回路パターンや回路素子の形成された、基板であるシリコンなどのウェハやガラスプレートの表面を検査する必要がある。それは、パターンに異物が付着していたり傷がついていたり、ウェハやガラスプレートの裏面に異物をつけたまま露光をしたために局所的にフォーカスがずれてしまったり、レジストの表面の異物や傷などによりレジストのパターンを変形させてしまったり、露光装置の異常などにより露光が全面に行なわれなかったり、レジストを基板に塗布せずに露光をしてしまったりすると、形成される素子が正しい形状とならずに所望の性能が出なくなる可能性があるからである。
【0003】
従来からこの種の検査装置として目視による外観検査装置が利用されてきた。従来の目視外観検査装置においては、図4に示されるように、光源21からの照明光を光ファイバー22で、回転およびチルト(傾斜)可能なチャック23に取り付けられたウェハ24をほぼ上方または前方から照射し異物または傷からの散乱光を観察するような構成をとっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の外観検査装置によれば、散乱光の強度の小さい微小な異物や傷を発見するためには、光源の光量を大きくしなければならない。しかしながら、光源の光量を大きくすると反射光の光量も大きくなり、被検物体を傾斜する際などに、この正反射光が直接目に入る危険性がある。このような場合、観察者は眩惑されてしまうために、しばらく検査が行なえなくなるという問題があった。
【0005】
また、パターンのある被検物体面上の薄膜の膜厚ムラを検査しようとすると、パターンによる回折光が生じてしまうために、膜厚ムラにパターンからの回折光が重なってしまい、膜厚ムラの判別がつかなくなるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、観察者が反射光により眩惑されず、また、パターンによる回折光に拘わらず膜厚ムラを判別できる外観検査装置及び外観検査方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による検査装置は、図2に示すように、所定のパターンが形成された基板Wbと該基板Wb上に形成された薄膜Waとを有する被検物体W2に対して複数の波長領域を含む照明光を照射する照明系10を配置し;被検物体W2からの反射光又は回折光を目視で観察することにより前記被検物体W2の外観を検査するように構成されたことを特徴とする。ここでいう複数の波長は、典型的には、検査対象の膜厚に応じて適切な波長を2以上選択したものであり、例えば赤と緑等の補色関係にある波長が選択される。補色関係にある色は、人間の目で識別し易く、目視観察で区別が容易だからである。
【0008】
このように構成すると、複数の波長領域を含む照明光を照射する照明系10をを配置するので、薄膜の膜厚による干渉条件を変化させれば、膜厚ムラに対する感度の高い部分を設定できる。また、パターンによる回折と膜厚ムラによる干渉とを分離観察しやすい。
【0009】
また、上記目的を達成するために、請求項2に係る発明による検査装置は、図1に示すように、被検物体W1からの散乱光を目視で観察することにより被検物体W1の外観を検査する検査装置において;被検物体W1に対して照明光を斜め方向から照射する照明系1を設け;照明系1は、照明系1側に前記目視による観察方向が位置するように設定されていることを特徴とする。
【0010】
前記検査装置では、請求項3に記載のように、照明系1は、照明系1の光軸7が被検物体W1の表面と交差する交点における表面の法線8と光軸7とを含む平面S1に対して、垂直かつ法線8を含む基準面S2を境として照明系1の側に前記目視9による観察方向が位置するように設定されている。
【0011】
このように構成すると、照明系1は、目視による観察方向が照明系1側に位置するように設定されているので、照明系1からの照明光の被検物体W1による正反射光が直接観察者の目に入射することがない。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項4に係る発明による検査装置は、図1及び図2に示すように、所定のパターンが形成された基板Wbと基板Wb上に形成された薄膜Waとを有する被検物体W2の外観を検査する検査装置において;被検物体W2に対して第1の照明光を斜め照射する第1の照明系1と;被検物体W2に対して複数の波長領域を含む第2の照明光を照射する第2の照明系10とを設け;第1及び第2の照明系1、10は、前記第1の照明系1の側に前記目視による観察方向が位置するように設定されている。
【0013】
このように構成すると、第1の照明系1は、目視による観察方向がその照明系1の側に位置するように設定されているので、第1の照明系1からの照明光の被検物体による正反射光が直接観察者の目に入射することがなく、また複数の波長領域を含む第2の照明光を照射する第2の照明系10を設けてあるので、薄膜の膜厚による干渉条件を変化させれば、膜厚ムラに対する感度の高い部分を設定できる。このようにして、パターンによる回折と膜厚ムラによる干渉とを分離観察しやすく、且つ散乱光により被検物体の表面の傷等も同時に観察できる。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項5に係る発明による検査方法は、図2に示すように、所定のパターンが形成された基板Wbと該基板Wb上に形成された薄膜Waとを有する被検物体W2の外観を検査する検査方法において;被検物体W2に対して複数の波長領域を含む照明光を照射する照明工程と;前記照明工程によって被検物体W2から発生する反射光又は回折光を観察する観察工程とを備える。
【0015】
このように構成すると、複数の波長領域を含む照明光を照射する照明工程を備えるので、薄膜の膜厚による干渉条件を変化させれば、膜厚ムラに対する感度の高い部分を設定できるし、またパターンによる回折と膜厚ムラによる干渉とを分離観察しやすい。
【0016】
請求項6に係る発明による検査装置は、請求項1に係る発明による検査装置において、複数の波長領域を含む光は、波長に関して少なくとも2つの離散的ピークを有する光である。
【0017】
このように構成すると、色が異なるので、人間の目で識別し易くなり、膜厚のムラが容易に識別できる。
【0018】
さらに請求項7に係る発明による検査装置は、請求項6に係る発明による検査装置において、前記離散的ピークの幅は、10nm程度である。
【0019】
請求項8に係る発明による検査装置は、請求項1に係る発明による検査装置において、 複数の波長領域を含む光は、互いに補色関係にある2つの波長領域を含む。
このように構成すると、補色関係にある2つの波長領域の光を使うので、人間の目で識別し易くなり、膜厚のムラが容易に識別できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0021】
半導体または液晶基板の製造工程においては、基板であるシリコンなどのウェハやガラスプレート上に回路パターンや回路素子を形成していく。その工程では、表面に感光性のレジストを塗布し、投影型露光装置などでパターンを投影し、現像工程で不要なレジストを取り除き、エッチングやCVD、蒸着などを行い素子の各部を形成するということを繰り返す。
【0022】
このとき、露光工程や現像工程で生じ得る傷等による不良品の発生を最小限に抑えるために、基板上に形成されたパターンや基板の表面の外観を目視で検査する。
【0023】
この検査で不具合が発見された場合、レジストで作られたパターンは一度レジストを除去して、再びレジストを塗布してパターンの露光をすることにより再生することができる。このようにもう一度修正の効く段階でやり直すのを「戻り工程」という。
【0024】
図1は、本発明による第1の実施の形態である基板の表面の傷等の不具合を知るための目視による外観検査装置の斜視図である。図中、ハロゲンランプやメタルハライドランプなどの可視光線を発する光源2が集光系である楕円鏡3のほぼ第1焦点の位置に配置されている。
【0025】
さらに楕円鏡3のほぼ第2焦点の位置に、ライトガイドファイバー4の入射端が配置されている。ライトガイドファイバー4の入射端においては、細い光ファイバー素線が、全体としてほぼ円形断面を形成するように束ねられている。ライトガイドファイバー4の出射端は、出射光の光路に対してほぼ直交する細長い矩形断面を形成するように束ねられている。この矩形断面は、非常に細長いのでむしろ直線状の形状をしているといってよい。
【0026】
ライトガイドファイバー4の出射端の先、出射端からの光束の光路上に、直線状のライトガイドファイバー4の出射端と円筒面の母線がほぼ平行になるようにシリンドリカルレンズ5が配置されている。以上の光源2からシリンドリカルレンズ5までを含んで、本発明の照明系1が構成されている。
【0027】
シリンドリカルレンズ5は、ライトガイドファイバー4の出射端から広がる光束のうち、ライトガイドファイバー4の矩形形状をした出射端面の法線即ち本発明でいう照明系の光軸7と、その光軸7が本発明の被検査物であるウエハW1の面と交差する点におけるウエハW1の面の法線8とを含む面S1に広がる光束を、ほぼ平行光束となるようにしている。
【0028】
この時の光束のウエハW1の面への入射角は、70°以上、好ましくは80°以上、さらにはできるだけ90°に近くすることが望ましい。ただし、90°にすると真横から光が当たることになり、ウェハW1の表面に照明光が当たらなくなるので、例えば88°のように90°よりわずかに小さい値の入射角で照射するのが望ましい。
【0029】
目視観察をする検査員の目9は、被検物体であるウェハW1の表面を照射するのと同じ側に位置するように装置を構成する。照射するのと同じ側に位置するとは、図1の実施の形態で説明すれば、前記の平面S1に対して垂直であって法線8を含む基準面S2を境として照明系1の側に目視による観察方向が位置するということである。
【0030】
そのような側に目視観察の検査員の目9が来るように構成するとは、例えば光軸7と法線8とが挟む角度内に、細長い矩形断面を形成するライトガイドファイバー4の出射端の長手方向と長手方向が平行なスリット状の邪魔物がない開放空間が存在するように装置要素を配列することである。そのようなスリット状の開放空間を通して、検査員はウエハW1の表面のうち、法線8の立つ位置近傍を目視することができる。
【0031】
さらに、ウエハW1の表面上の法線8の立つ位置に関して、光軸7と対称な光路の延長上に、シリンドリカルレンズ5を通過してウエハW1の表面で反射された光束の進路を遮断する範囲をカバーする、遮光板6を設ける。
【0032】
図1を参照して、本発明の第一の実施の形態である外観検査装置の作用を説明する。光源2からの光束は、楕円鏡3によりライトガイドファイバー4の入射端に集光され、ライトガイドファイバー4により、その出射端に導かれる。ライトガイドファイバー4の入射端と出射端との間は、可撓性のライトガイドを形成しているので、光源部2、3の位置決定の自由度が高く、検査員の目9とウエハW1上の法線8の立つ位置近傍(被検査位置)とを結ぶ直線上に、光源部2、3が介在しないように装置を構成することができる。
【0033】
ライトガイドファイバー4の出射端から出射される光束は、シリンドリカルレンズ5を介して、検査員の手前側からウェハW1の表面に照射される。その照射される照明光は、ウェハW1の被検査位置に向けられたほぼ平行な照明光として、90°に近い入射角で入射する。
【0034】
検査員の目視の方向が照明光の入射方向と同じ側であるので、入射光の直接反射光を目に入れる危険性なしに検査を行なうことができる。さらに、異物を検査する際には入射光の進行方向に対して90°以上の方向に散乱される、いわゆる後方散乱光を検出することになる。一般的に後方散乱光で検出する場合には、ウェハW1面上に形成されたパターンの影響を受けることが少なく、より小さい異物も検出できる。このため、従来よりも小さい異物の検出が可能となる。また遮光板6により、入射光の直接反射光が装置の外に出るのを防ぐことができる。
【0035】
図2は本発明による第2の実施の形態である、被検物体の表面の不具合、特に基板表面上の膜厚ムラを検査するのに適した目視外観検査装置の斜視図である。図中、例えば水銀灯などの複数の輝線スペクトルを含む光を放出する光源11が発する照明光の光路中に、被検物体W2に変化を与えたり、人体に有害な、紫外光などの波長の短い光の成分を取り除き、かつ観察のしやすい光量にするフィルター12が配置されており、さらに照明光の光路中のフィルター12の先には、照明光をほぼ平行な光束とするコンデンサレンズ13が配置されている。被検物体W2が、その平行光束の照射領域内に置かれるように、本外観検査装置は構成されている。
【0036】
検査員が観察するのは、この照射された光の被検物体W2からの反射光である。ここで、図3を参照して、被検物体W2の表面上での薄膜による干渉を説明する。図3に示されるように、被検物体W2は基板であるシリコン等のウエハWbの表面に屈折率nで厚さtの薄膜Waが形成されている。図3では、ウエハWb、薄膜Waは説明に必要な一部のみを抽出して示しており、その他の部分は破断線により破断し図示を省略してある。
【0037】
図2と図3を参照して、本実施の形態の作用を説明する。複数の輝線スペクトルを含む光を放出する光源11からの光は、フィルター12を通され、紫外光などの波長の短い光の成分を取り除き、かつ観察のしやすい光量にして、コンデンサレンズ13を介して被検物体W2に照射される。検査員はこの照射された光の反射光を観察する。
【0038】
図3に示されるように、被検物体面W2上での薄膜Waによる光の干渉は、薄膜Waの表面上の点Aに波長λの光が入射角度θで入射した場合、薄膜Wa内での屈折角をφとすると、スネルの法則よりsinθ=n・sinφとなる。このとき、薄膜表面で反射される光ADと薄膜の内部に入って薄膜の底面の点Bで反射された光(AB+BC)とが干渉する。ここで、点Cは前記光線の点Bでの反射光と薄膜Waの表面との交点である。また、点Dは前記のように入射角θで入射した光線の反射光線に、点Cから降ろした垂線の足とする。以上のような光線を含む光束の光路長差Δは、次のような式で表せる。
【0039】
【数1】
【0040】
このとき光の干渉により、Δ/λが整数の場合には光は強め合い、Δ/λが半整数の場合には光は弱め合う。人間の目には強め合った光が観察されるので、薄膜の厚さが以上の条件を満たす部分に、その強め合った波長の色がついてみえる。例えば、θが55°で入射した場合を考え、薄膜の屈折率が1.64であるとすると、水銀灯の546nmの光では膜厚が0.961μmのとき強め合う状態となり、576nmの光では膜厚が1.014μmのとき強め合う条件となる。したがって、膜厚が0.961μmの部分が546nmの緑色で見え、膜厚が1.014μmの部分が576nmのオレンジ色で見える。このように人間の目で識別できる色の輝線スペクトルを用いれば、膜厚のムラが容易に判別できる。
【0041】
上式より入射角度θを変化させることにより干渉の条件を変化させることができるので、薄膜の膜厚tに応じてムラに対する感度の高い部分を設定できる。また、水銀灯ではなく、ハロゲンランプのような白色光源に干渉フィルターを入れ、任意の波長の光を組み合わせるようにしてもよく、その場合にはムラに対する感度を自由に設定することができる。ここで組み合わせる光は、人間の目に識別し易くするために、赤と緑などの補色の関係にある波長を選択するのが望ましい。
【0042】
このように本実施の形態によれば、パターンのある被検物体面でパターンが回折格子として作用して回折光が生じても、その回折光の進行方向と薄膜により強め合った光の方向とは一致することはほとんどないので、薄膜の膜厚ムラによる光とパターンからの回折光が重ならず、膜厚ムラの判別を容易につけることができる。
【0043】
また、第一の実施の形態と第二の実施の形態とを組み合わせてもよい。このような検査は、被検査物である生産されるウェハの全数について行なう必要があり、検査の時間を極力短くすることが要求される。異物や傷の検出には強い照明光が必要なのでほぼ白色光を用い、膜厚ムラの検査には水銀灯の2つの波長(546nmと576nm)の照明光を用いて検査すると、ムラがあると緑とオレンジ色の干渉縞が観察できるし、異物や傷があると白く光ってみえる。このように検査項目に応じて異なった色で検査できるので、異常の弁別が容易であり同時に異なる種類の不具合(例えば、膜厚ムラと傷のように)を検査をすることができる。
【0044】
このとき、照明の光量に応じて検査感度が相対的に変化するので、照明光の強度を相対的に変えることにより検査感度を相対的に変えることができる。即ち、本発明の第1と第2の照明系の少なくとも一方に、照明光の光量を調節する光量調整手段が設けられてもよい。照明の光量を変えるには、光源の輝度を変化させる方法やND(ニュートラルデンシティフィルター)や絞りなどにより光学系で光量を変化させる方法などあるが、そのいずれを用いてもよい。ただし、光源のスペクトルを変化させたり、照明の開口数を変化させたりしない点で、 NDフィルターを用いるのが望ましい。
【0045】
図5に、第2の実施の形態で用いた、水銀灯を含む照明系10に代えて用いることのできる照明系30を示す。図中、白色光を発する光源31と光源41とが、お互いの光路が平行になるように並列に配置されている。それぞれの光源の光路中にはそれぞれからの光束を平行光束にするコンデンサーレンズ33、43がそれぞれ配置されており、その先には、各光路に対して反射面が約45°の角度をもってダイクロイックミラー32、42がそれぞれ配置されている。ダイクロイックミラー32で反射された光は、ダイクロイックミラー42の、光源41からの光の入射面とは反対側の面に入射するように、両ダイクロイックミラー32、42は、合成光路上に直列に配置されている。
【0046】
ここで、ダイクロイックミラー32は波長630nm近傍の赤色光を選択的に反射し、ダイクロイックミラー42は波長550nm近傍の緑色光を選択的に反射し、それぞれその他の光は透過させるものとする。
【0047】
以上のような構成において、光源31からの白色光はコンデンサーレンズ33により平行光束にされてダイクロイックミラー32に入射する。ここでは、波長630nm近傍の赤色光だけが反射され、その他の波長の光は透過してこの照明系の外に逃げる。ダイクロイックミラー32で反射された光はダイクロイックミラー42に入射し、これを透過する。
【0048】
一方、光源41からの白色光はコンデンサーレンズ43により平行光束にされてダイクロイックミラー42に、ダイクロイックミラー32の反射光とは反対の側から入射する。ここでは、波長550nm近傍の緑色光だけが反射され、その他の波長の光は透過してこの照明系の外に逃げる。
【0049】
したがって、ダイクロイックミラー42では、波長630nm近傍の赤色光と波長550nm近傍の緑色光の2種類の波長の光のみを含む合成光束となる。このような照明系30を、図2の照明系10に置き換えて用いることができる。
【0050】
以上説明したように、本発明の実施の形態では複数の波長領域とは、選択された、特に人間の目で識別し易い程度に色の異なる、できれば補色関係にある波長領域同士である。波長領域は第2の実施の形態で説明したように、2つの波長領域であってもよいし、3から7程度の領域であってもよい。但し無数の領域が連続した白色光は好ましくない。第2の実施の形態は、可視光の一部の光に対して人間の目が波長に関して高い分解能があることを利用してムラを色で判別するようにしたものであり、膜厚ムラの検査に特に適する。さらに言えば、複数の波長領域は離散的ピークを有することが望ましく、その領域の幅は狭く、例えば10nm程度とするのが望ましい。
【0051】
このようにして、生産のスループットを落とすことなく高い検出率で、基板上にパターンの形成された被検物体上の傷や膜厚ムラの検査を行なうことができる。
【0052】
また、本発明の他の実施の形態の外観検査装置においては、図2に示されるように、被検面Wa、Wbからの回折光により目視で前記被検面Wa、Wbを検査する外観検査装置において、各波長領域を相互に人間の目が色として識別できる複数の波長領域を含む照明光を照射する照明系10と、前記照明系10からの照明光の前記被検面に対する入射角θ(図3)を変更できるように、前記被検面と前記照明系とを相対的に保持する不図示の保持装置とを備えるようにしてもよい。
【0053】
このように構成すると、入射角θ(図3)が可変であるので、膜厚tに応じて入射角θを設定することができるので、照明光の波長を特定の値に固定的に設定しても、種々の膜厚を検査することが可能となる。
【0054】
また、前記保持装置は、前記入射角を所定の角度に維持しながら、目視の角度を変化させることができるように構成してもよい。この外観検査装置は目視により観察する装置であるので、図2において目視の方向はほぼ入射角θと同一の角度方向になってしまい、一時に観察できる範囲は目視観察方向が角度θになる被検物体上の点近傍のみとなってしまう。ここで上記のように構成すると、特定の点についてみて目視の角度を変化させることができるように構成されているので、目視角度がθである点は被検物体上を移動する。したがって被検物体上を全面にわたって目視観察することができる。
【0055】
前記照明系は、複数の波長領域を含む照明光を提供するNDフィルタを備えるようにしてもよい。
【0056】
さらには図1に示されるように、別の実施の形態の外観検査装置では、被検面W1からの散乱光により目視で前記被検面W1を検査する外観検査装置において、前記被検面W1を照明光で照射する照明系1と、前記照明光1の前記被検面W1に対する入射角が90°に近くなるように、且つ目視による観察方向が前記被検面の法線8より前記照明光の入射側になるように、前記被検面W1と前記照明系1とを保持する不図示の保持装置とを備える。
【0057】
また、図1と図2を組み合わせた外観検査装置として、被検面からの回折光及び散乱光により目視で前記被検面を検査する外観検査装置において、各波長領域を相互に人間の目が色として識別できる複数の波長領域を含む照明光を照射する第1の照明系と、前記被検面を入射角が90°に近くなるような角度で入射する照明光で照射する第2の照明系と、前記第1の照明系からの照明光の前記被検面に対する入射角を変更できるように、且つ前記被検面を、目視による観察方向が前記被検面の法線より前記第2の照明系からの照明光の入射側になるように保持する不図示の保持装置とを備えてもよい。
【0058】
さらに、前記保持装置は、前記第1の照明系からの照明光の入射角と前記第2の照明系からの照明光の入射角とをそれぞれ所定の角度に維持しながら、目視の角度を変化させることができるように構成されていてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数の波長領域を含む照明光を照射するので、薄膜の形成された被検物体の外観を目視で検査することが容易になる。また、斜め方向から照射する照明系を備え、その照明系は目視観察方向に位置するので、目視する目に正反射光が入射せず、目の眩惑を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施の形態を示す概略斜視図である。
【図2】
本発明の第2の実施の形態を示す概略斜視図である。
【図3】
被検物体面上の薄膜干渉を説明する部分断面図である。
【図4】
従来の目視観察用照明装置を示す概略図である。
【図5】
照明系の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 照明系
2 可視光光源
3 楕円鏡
4 ライトガイドファイバー
5 シリンドリカルレンズ
6 遮光板
7 光軸
8 法線
9 目視位置
10 照明系
11 水銀灯
12 短波長カットフィルター
13 コンデンサレンズ
30 照明系
31 光源
32 ダイクロイックミラー
33 コンデンサーレンズ
41 光源
42 ダイクロイックミラー
43 コンデンサーレンズ
S1、S2 平面
W1 ウェハ
W2 被検物体
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1997
- 1997-11-11 JP JP9325296A patent/JPH11142345A/ja active Pending
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