JPH11142592A - 超厚肉耐食容器およびその製造方法 - Google Patents

超厚肉耐食容器およびその製造方法

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JPH11142592A
JPH11142592A JP31191397A JP31191397A JPH11142592A JP H11142592 A JPH11142592 A JP H11142592A JP 31191397 A JP31191397 A JP 31191397A JP 31191397 A JP31191397 A JP 31191397A JP H11142592 A JPH11142592 A JP H11142592A
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lid
outer layer
container body
container
corrosion
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JP31191397A
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English (en)
Inventor
Koji Ishiwatari
幸二 石渡
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IHI Corp
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Ishikawajima Harima Heavy Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食材の外層容器本体と強度材の内層容器本
体とを内外層一体化構造とし、内層を構成する強度材と
外層を構成する耐食材とが溶接熱で溶融して混ざり合う
ことなく溶接可能なようにする。 【解決手段】 有底の円筒状の外層容器本体11と有底
の円筒状の内層容器本体12とを、外層容器本体11の
上端縁11aが内層容器本体12の上端面よりも僅かに
突出された状態で一体に嵌合して成る容器本体6と、前
記内層容器本体12の上端開口部に落し蓋式に嵌合係止
され、両者間に強度材溶接部19を形成するための内層
開先部18を有する内層蓋7と、前記外層容器本体11
と同径の吊下げ部20とこの吊下げ部20の内部下端
に、吊下げ部20の下端よりも僅かに下方へ突出するよ
うに固設された蓋板21とからなり、これらの間に耐食
材溶接部25を形成するための外層開先部24を有する
外層蓋8とで構成するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電プラン
トなどの原子炉において、使用済みの放射性廃棄物など
を安定した状態で地層処分する際に、放射性廃棄物処分
用のオーバーパックなどに使用可能な超厚肉耐食容器お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラントなどの原子炉におい
て発生した高・中・低放射能レベルの放射性物質(放射
性廃棄物、使用燃料など)は、高・中・低の放射性レベ
ル毎に分類され、それぞれに適した専用の密封容器に収
納した状態で保管、貯蔵されるようになっている。
【0003】放射性物質を保管、貯蔵するには、まず、
放射性物質をガラス固化処理してガラス固化体と呼ばれ
る収納容器を形成し、つぎに、この収納容器を、金属製
などのオーバーパックと呼ばれる密封容器でさらに密封
処理するオーバーパック処理を施した後、この密封容器
を生活圏から隔離された地層処分場所に搬入し、地層処
分場所に設けられた処分孔内に装填し、処分孔内の密封
容器の回りにベンナイトなどの緩衝材を充填する地層処
分が行なわれる。
【0004】この場合、ガラス固化体を収容密封するオ
ーバーパックは、長期間に亘って深地層内で保管、貯蔵
されるために、地圧に耐え得る高い強度と腐食に耐える
高い耐食性能が同時に要求されており、このため、オー
バーパックとして、強度の高い厚肉の内層と耐食性の高
い薄肉の外層を有する二重構造の超厚肉耐食容器とする
ことが検討されている。
【0005】ところで、上述した二重構造のオーバーパ
ックを製造するには、放射性物質を取扱う関係上、現場
では全てが遠隔操作で行なわれるため、簡単且つ確実に
製造できなければならないという条件があり、また、現
場での溶接に際し、強度材である内層の素材(炭素鋼な
ど)と耐食材である外層の素材(チタンなど)とが溶接
熱で溶融して混ざり合うと、溶接部が脆くなったり割れ
たりすることから、内層の素材と外層の素材との間の溶
接は、素材どうしが絶対に混ざらないようにしつつ行な
わなければならないという条件がある。
【0006】このような条件を満たすオーバーパックと
しては、例えば、図5に示すように、強度材製の内層容
器1と耐食材製の外層容器2とを別々に作り、ガラス固
化体を内層容器1内に収容密封した後、内層容器1を外
層容器2内に収容密封させる、内層外層別体構造の超厚
肉耐食容器3が考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た内層容器1と外層容器2とを別体構造とした超厚肉耐
食容器3には、以下のような問題があった。
【0008】即ち、現場加工の段階で、内層容器1内に
ガラス固化体を収容密封した後、内層容器1を外層容器
2内に収容密封する場合、内層容器1と外層容器2とを
隙間なく嵌合させることが困難であるため、内層容器1
と外層容器2との間に空間部4が形成されてしまう。
【0009】すると、強度材により形成された内層容器
1が、上記空間部4内に封じ込められた空気中の酸素な
どによって、腐食などを起こすおそれがある。
【0010】そこで、本発明は、上述の実状に鑑み、強
度材製の内層と耐食材製の外層とを一体化した内層外層
一体化構造容器とするとともに、内層を構成する強度材
と外層を構成する耐食材との双方が溶接熱で溶融して混
ざり合うことなくそれぞれの溶接を確実に行なうことが
でき、製作が容易となる超厚肉耐食容器およびその製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、有底の円筒状
の外層容器本体と有底の円筒状の内層容器本体とを、外
層容器本体の上端縁が内層容器本体の上端面よりも僅か
に突出された状態で一体に嵌合して成る容器本体と、前
記内層容器本体の上端開口部に落し蓋式に嵌合係止可能
な内層蓋と、前記内層容器本体の開口部の内面と前記内
層蓋の周面との間に設けられた強度材溶接部を形成する
ための内層開先部と、前記外層容器本体と同径の吊下げ
部とこの吊下げ部の内部下端に、吊下げ部の下端よりも
僅かに下方へ突出するように固設された蓋板とからなる
外層蓋と、前記吊下げ部の下面と蓋板の周面と前記外層
容器本体の上端縁との間に設けられた耐食材溶接部を形
成するための外層開先部とを備えたことを特徴とする超
厚肉耐食容器にかかるものである。
【0012】この場合において、外層蓋の吊下げ部に、
吊下げ具係止用の複数の係止孔を、側方へ向けて設ける
ようにしても良い。
【0013】また、本発明は、工場加工の段階で、有底
の円筒状の外層容器本体と有底の円筒状の内層容器本体
とを、外層容器本体の上端縁が内層容器本体の上端面よ
りも僅かに突出された状態となるよう一体に嵌合して容
器本体を形成し、前記内層容器本体の開口部に落し蓋式
に嵌合する厚肉強度材からなる内層蓋を形成し、前記内
層容器本体の開口部の内面と前記内層蓋の周面との間に
内層開先部を形成し、前記外層容器本体と同径の円筒状
に形成された耐食材からなる吊下げ部と、この吊下げ部
の内部下端に固設され前記外層容器本体の開口部内に落
し蓋式に嵌合される耐食材からなる蓋板とにより外層蓋
を形成し、前記吊下げ部の下面と蓋板の周面と外層容器
本体の上端縁との間に外層開先部を形成しておき、現場
加工の段階で、内層容器本体の開口部内に内層蓋を嵌合
した状態で、前記内層容器本体と内層蓋との間に形成さ
れる内層開先部に強度材を溶接肉盛りして強度材溶接部
を形成し、つぎに、前記外層容器本体の開口部に外層蓋
の蓋板を嵌合した状態で、前記外層容器本体と吊下げ部
と蓋板との間に形成される外層開先部を溶接肉盛りして
耐食材溶接部を形成することを特徴とする超厚肉耐食容
器の製造方法にかかるものである。
【0014】したがって、本発明においては、容器本体
を製作する際に、内層容器本体と外層容器本体とを焼き
嵌めや冷やし嵌めなどで嵌合することにより、強度材か
らなる内層容器本体と耐食材からなる外層容器本体とを
周面および底面に亘って隙間なく確実に一体化すること
が可能となる。
【0015】また、強度材溶接部を内層容器本体の上端
開口部内に形成する一方、耐食材溶接部を外層蓋の蓋板
の周面部分に形成したことにより、強度材溶接部と耐食
材溶接部との位置が有る程度離間した位置となってそれ
ぞれの溶接部を溶接する際に強度材と耐食材とが溶融し
て互いに混ざり合うことが全くなくなり、溶接が容易と
なるととともに確実に溶接することが可能となり、各溶
接部で割れたり脆くなるなどの欠陥の発生を確実に防止
することができ、現場での加工能率を向上することがで
きる。
【0016】さらに、耐食材溶接部を外層蓋の周縁部分
に形成したことにより、蓋板の上面が平坦化するため、
探傷検査時の接触媒体の塗布や除去が容易となるととも
に、超音波探傷ヘッドによる強度材溶接部および内層蓋
の板厚の検査が広い範囲で可能となる。
【0017】またさらに、外層蓋の蓋板の周面が開先底
部となるので、外層容器本体に外層蓋の蓋板を溶接する
際に、バックシールドガスを充分に当てることができな
い容器本体でも、耐食材である蓋板が裏当金の役割を
し、耐食材溶接では、溶接シールド室にて空気を溶接シ
ールドガスで置換することにより、材料とシールドの両
方を整えることで(溶接シールドガスはアルゴン又はア
ルゴン・ヘリウムの混合ガス)、溶接裏ビードが酸化す
ることなく良好な耐食材の溶接が可能となる。
【0018】また、外層蓋の吊下げ部を外層容器本体と
同径の円筒状に形成し、吊下げ部に複数の係止孔を設け
てこれらに吊下げ具を係止させるようにしたので、外層
蓋の吊下げ部の外方に突起などが突出した形状となるこ
となくスマートな形状となり、保管時のスペースを最小
限とすることができるとともに、吊下げ部を一枚板で製
作でき、外層蓋の製作が容易となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面とともに説明する。
【0020】図1〜図4は本発明の実施の形態の一例で
ある。
【0021】図1〜図4中、5は本発明にかかる超厚肉
耐食容器、6は超厚肉耐食容器5の容器本体、7は肉厚
強度材からなる落し蓋式の内層蓋、8は耐食材からなる
落し蓋式の外層蓋、9は容器本体6内に形成されるガラ
ス固化体10を収容するための収容空間であり、上記超
厚肉耐食容器5は、容器本体6と内層蓋7と外層蓋8と
によって構成されている。
【0022】上記容器本体6は、図1に示すように、有
底の円筒形状に形成された薄肉の耐食材からなる外層容
器本体11と、同様に有底の円筒形状に形成された厚肉
の強度材からなる内層容器本体12とによって構成さ
れ、内層容器本体12に対して外層容器本体11が焼き
嵌めや冷やし嵌めなどによって隙間なく接合されてい
る。図中、13はガラス固化体10を内層容器本体12
内で支持するスペーサである。
【0023】上記外層容器本体11の上端縁11aは、
円周方向に亘って、内層容器本体12の上端面よりも僅
かな寸法だけ上方へ突出するよう形成されており、外層
蓋8を外層容器本体11の開口部内に嵌合した際に、外
層容器本体11の上端縁が外層蓋8の蓋板21の厚さ中
心位置よりも若干下側に位置するようになっている。
【0024】上記内層蓋7は内層容器本体12の半径方
向の肉厚とほぼ同一厚さの円板状に形成され、内層蓋7
の下端には全周に亘って半径方向外方へ突出する鍔状の
突出部7aが形成され、内層蓋7の下面には、内層蓋7
を内層容器本体12の開口部内に嵌合した際に上記内層
容器本体12の内面に当接するように裏当金14が設け
られている。
【0025】また、上記内層容器本体12の開口部の内
部には、図2に示すように、内層蓋7を開口部内に嵌合
した際に上記内層蓋7の突出部7aを円周方向に亘って
係止するための段差部15が設けられており、この段差
部15は内層蓋7を開口部内に嵌合した際に内層容器本
体12の上端面と内層蓋7の上面とが面一になる位置に
形成されている。
【0026】さらに、内層容器本体12内面の段差部1
5よりも上方の部分には、図2に示すように、開先構成
部16が設けられるとともに、内層蓋7の外周面にも開
先構成部17が設けられており、これら双方の開先構成
部16、17により内層容器本体12と内層蓋7との間
に内層開先部18が形成され、この内層開先部18に肉
盛り溶接を行うことにより強度材溶接部19が形成さ
れ、内層容器本体12と内層蓋7とが一体に固設される
構造となっている。
【0027】上記外層蓋8は、吊下げ部20と、この吊
下げ部20の下部に固着された円板状の蓋板21とから
構成されており、吊下げ部20は外層容器本体11と同
一の板厚で同径の円筒形に形成され、蓋板21は吊下げ
部20および外層容器本体11内に嵌合できる外径の円
板状に形成されている。
【0028】また、蓋板21は吊下げ部20の下端に僅
かに下方へ突き出した状態で吊下げ部20内に嵌合さ
れ、吊下げ部20の内面下部と蓋板21上面との間を隅
肉溶接して隅肉溶接部22を形成することにより、吊下
げ部20と蓋板21とが一体に固設されている。
【0029】さらに、吊下げ部20の下端面には開先構
成部23が形成され、外層蓋8を外層容器本体11の開
口部内に嵌合した際には、上記開先構成部23と外層容
器本体11の上端縁11aとにより外層開先部24が形
成され、蓋板21の周面21aが開先底部を形成する。
【0030】そして、蓋板21を外層容器本体11の開
口部に嵌合し、上記外層開先部24に肉盛り溶接するこ
とにより耐食材溶接部25が形成され、外層容器本体1
1と蓋板21と吊下げ部20とが一体に固設される構造
となっている。
【0031】この場合、強度材溶接部19と耐食材溶接
部25との位置が有る程度離間した位置となるため、耐
食材溶接部25を溶接する際に強度材と耐食材とが溶融
して互いに混ざり合うことが防止され、溶接が容易とな
るととともに確実に溶接することが可能となり、各溶接
部19,25で割れたり脆くなるなどの欠陥の発生を確
実に防止することができ、現場での加工能率を向上する
ことができる。
【0032】尚、図中、26は外層蓋8の吊下げ具、2
6aは吊下げ具26に出没自在に設けられたロッド、2
6bはロッド26aを出没させるためのシリンダ、26
cは吊下げ具26の上面に形成された係止穴、26dは
吊下げ具26の係止穴26cに係止される搬送装置のフ
ック、28は外層蓋8の吊下げ部20に形成された係止
孔、29はガラス固化体10の吊下げ具、30は内層蓋
7の吊下げ具、31は強度材溶接部19を溶接する溶接
トーチ、32は強度材溶接部19を探傷する超音波探傷
ヘッド、33は耐食材溶接部25を溶接する溶接トー
チ、34は耐食材溶接部25を探傷する超音波探傷ヘッ
ドである。
【0033】つぎに上記構造の超厚肉耐食容器5を製造
する場合の手順について説明する。
【0034】まず、工場加工の段階では、図3(a)に
示すように、容器本体6、内層蓋7および外層蓋8を別
々に製作する。
【0035】すなわち、容器本体6を製作するには、外
層容器本体11をチタンなどの耐食材によって所定の薄
い厚肉で有底の円筒形に作り、内層容器本体12を炭素
鋼などの強度材によって厚さ200mm程度以上の超厚
肉で有底の円筒形に作り、内層容器本体12の開口部に
は内層蓋7の係止用の段差部15と開先構成部16とを
予め形成しておく。
【0036】そして、上記段差部15は、内層蓋7を内
層容器本体12に嵌合して段差部15に係止した際に内
層蓋7の上面と内層容器本体12の開口端面とが面一に
なる深さに設ける。
【0037】つぎに、内層容器本体12に外層容器本体
11を、焼き嵌めや冷やし嵌めなどによって、間に隙間
が生じないように一体的に外嵌する。
【0038】また、内層蓋7を製作するには、内層容器
本体12とほぼ同一の強度材により内層容器本体12の
半径方向の肉厚とほぼ同一の厚さで上記内層容器本体1
2の開口部内に挿入できる外径に形成し、内層蓋7の下
端には全周に亘って半径方向外方へ突出する鍔状の突出
部7aを形成する。
【0039】さらに、内層蓋7の周面には上方へ向けて
径寸法が徐々に小さくなる円錐面による開先構成部17
を形成し、内層蓋7の下面外周側には内層蓋7を内層容
器本体12の開口部に装着した際に内層容器本体12の
内周面に当接するように裏当金14を固着しておく。
【0040】上記外層蓋8を製作するには、まず、吊下
げ部20と蓋板21とを、上記外層容器本体11と同一
の板厚で薄肉を有する耐食材の板材によって形成する。
【0041】上記吊下げ部20は、上記板材を丸めて加
工することにより、外層容器本体11と同一の外径の円
筒形で所要の長さを有するように形成し、蓋板21は外
層容器本体11の内径と同一の外形の円板状に形成し、
吊下げ部20の下端から蓋板21が僅かに下方に突出す
るように、吊下げ部20の内部下端に蓋板21を挿入し
て蓋板21と吊下げ部20との隅部を溶接して隅肉溶接
部22を形成することにより、吊下げ部20と蓋板21
を固設する。
【0042】このように、吊下げ部20を一枚板で製作
することにより、外層蓋8の製作が容易となる。
【0043】また、吊下げ部20の下端面には、下方に
向けて先細りの円錐面により開先構成部23を設けてお
く。
【0044】さらに、外層蓋8の吊下げ部20には、図
4に示して後述するように、遠隔操作により外層蓋8を
吊下げて外層容器本体11に嵌合させるための吊下げ具
26のロッド26aに係止する所定の径の係止孔28を
側方へ向けて複数箇所設ける。
【0045】尚、上記係止孔28は本実施の形態では吊
下げ具26のロッド26aに対応して周方向に等間隔に
複数箇所設けられている。
【0046】つぎに、現場加工の段階で、遠隔操作によ
り容器本体6に内層蓋7および外層蓋8を溶接する場合
について説明する。
【0047】まず、図3(b)に示すように、ガラス固
化体10をマニプレータなどの吊下げ具29により把持
し、吊下げ具29を動かして容器本体6に収容し、つぎ
に、図3(c)に示すように、内層蓋用の吊下げ具30
により内層蓋7の上部周縁を把持し、その後、図3
(d)に示すように内層蓋7を容器本体6の開口部に嵌
合し、溶接トーチ31により内層開先部18に肉盛り溶
接により強度材溶接部19を形成して内層容器本体12
と内層蓋7とを固設する。
【0048】より詳細には、内層容器本体12の開口部
に内層蓋7を嵌合すると、内層蓋7の突出部7aが段差
部15に係止され、内層開先部18が形成されるので、
内層開先部18に対する初層裏波溶接をシールドガスに
ヘリウムガスを用いたTig溶接で行い、初層裏波溶接
が済んだ後、内層開先部18の残りの部分をシールドガ
スにアルゴンガスを用いた通常のTig溶接か、Mig
溶接によって強度材でできた溶接ワイヤを溶かして、内
層容器本体12の上端面および内層蓋7の上面と面一に
なるレベルまで溶接肉盛りして強度材溶接部19を形成
し、研磨装置などにより、強度材溶接部19の上面を内
層容器本体12の上端面および内層蓋7の上面と面一に
なるようにする。
【0049】そして、図3(e)に示すように、上面が
面一になった強度材溶接部19の上面を超音波探傷ヘッ
ド32により全体に亘り走査することにより溶接された
強度材溶接部19内に傷があるかどうかの検査を行う。
【0050】このように、内層容器本体12の開口端
面、強度材溶接部19および内層蓋7の上面が平坦化さ
れるため、探傷検査時に使用する超音波探傷ヘッド32
用の接触媒体の塗布や除去が容易となり、上述した超音
波探傷ヘッド32による強度材溶接部19および内層蓋
7の板厚の検査が広い範囲で可能となる。
【0051】尚、本実施の形態では、内層蓋7を吊下げ
具30により内層蓋7の上部周縁を把持して容器本体6
の開口部に装着するようにしたが、これに限らず、内層
蓋7の上面中央部に上方に向けて図示しない把持用突起
を溶接固定しておき、この把持用突起を吊下げ具により
把持して内層蓋7を吊下げて、内層蓋7を内層容器本体
12に嵌合した後、上記把持用突起を内層蓋7の上面と
面一になるように切断するようにすることもできる。
【0052】つぎに、図3(f)に示すように、外層蓋
8を吊下げ具26により吊下げて外層容器本体11の開
口部に嵌合する。
【0053】上記吊下げ具26は、図4に示すように、
上記外層蓋8の吊下げ部20内に挿入できる外径の円板
状に形成され、吊下げ部20内にはロッド26aを側方
に出没可能にシリンダ26bが周方向等間隔に4つ内蔵
され、側方に突出させた各ロッド26aに吊下げ部20
のそれぞれの係止孔28を係止させる構造となってい
る。尚、26cは搬送装置のフック26dを係止させる
ために吊下げ具26の上部に設けられた係止穴である。
【0054】そして、それぞれのロッド26aと係止孔
28とをおおまかに位置合せしてから、各ロッド26a
を没入した状態で吊下げ具26を外層蓋8の内部に降下
させ、しかる後に、各シリンダ26bのロッド26aを
突出させると、各ロッド26aがそれぞれの係止孔28
内に伸出して係合し、このままの状態で吊下げ具26を
持上げることにより外層蓋8を移動し、外層容器本体1
1の上方で外層蓋8を下降させて開口部に嵌合させた
後、各ロッド26aを没入させてそれぞれのロッド26
aと係止孔28との係合状態を解除してから吊下げ具2
6のみを上昇させ、これにより外層蓋8の嵌合を終了す
る。
【0055】このように、外層蓋8に外層容器本体11
と同径の円筒状の吊下げ部20を設け、吊下げ部20に
複数の係止孔28を設けてこれらに吊下げ具26を係止
させるようにしたので、外層蓋8の吊下げ部20の外方
に突起などが突出した形状となることがない。
【0056】そして、外層容器本体11の開口部内に外
層蓋8を嵌合すると、外層蓋8の蓋板21の下面が内層
容器本体12の開口端面、強度材溶接部19および内層
蓋7の上面に当接し、外層容器本体11の上端縁11a
と外層蓋8の吊下げ部20の下端面との間に外層開先部
24が形成され、蓋板21の周面21aが開先底部とな
る。
【0057】その後、図3(g)に示すように、外層開
先部24に溶接トーチ33により全周に亘って肉盛り溶
接を行なって耐食材溶接部25を形成する。
【0058】この場合、外層蓋8の蓋板21の周面21
aが開先底部となるので、外層容器本体11に外層蓋8
の蓋板21を溶接する際に、バックシールドガスを当て
ることができない外層容器本体11でも、耐食材である
蓋板21が裏当金の役割をするため、溶接裏ビードが酸
化することなく良好な耐食材の溶接が可能となる。尚、
手順の図3(c)工程から図3(g)の終了までを溶接
シールド室内とし、空気を置換し、溶接シールドガスを
充満させてある。
【0059】その後、耐食材溶接部25の表面を研磨装
置などにより外層蓋8の吊下げ部20の外周面と外層容
器本体11の外周面とが面一となるようにする。
【0060】そして、図3(h)に示すように、周面が
面一になった耐食材溶接部25の周面を超音波探傷ヘッ
ド34により全体に亘り走査することにより溶接された
耐食材溶接部25内に傷があるかどうかの検査を行い、
現場での加工作業を終了する。
【0061】このように本実施の形態においては、容器
本体6の製作時には内層容器本体12と外層容器本体1
1とが焼き嵌めや冷やし嵌めなどにより一体化されるの
で、これらの間に隙間が生ずることなく確実に接合する
ことができ、現場加工の段階で内層蓋7と外層蓋8を溶
接する場合に、強度材溶接部19と耐食材溶接部25と
の位置が有る程度離間するので、強度材と耐食材とが溶
融して互いに混ざり合うことがなくなり、各溶接部1
9,25で割れたり脆くなるなどの欠陥が発生するのを
確実に防止することができる。
【0062】また、内層蓋7の上部を平坦化し易いた
め、探傷検査時に使用する超音波探傷ヘッド32用の接
触媒体の塗布や除去が容易となり、超音波探傷ヘッド3
2による強度材溶接部19および内層蓋7の板厚の検査
が広い範囲で可能となる。
【0063】さらに、外層容器本体11に外層蓋8の蓋
板21を溶接する時に、外層蓋8の蓋板21の周面が開
先底部となるので、耐食材である蓋板21が裏当金の役
割を果たし、溶接裏ビードが酸化することなく良好な耐
食材の溶接が可能となる。
【0064】またさらに、外層蓋8の吊下げ部20を外
層容器本体11と同径の円筒状に形成して吊下げ用の係
止孔28を設けたので、吊下げ部20の外方に突起など
が突出した形状となることがなく、外層蓋8保管時のス
ペースを最小限とすることができるとともに、吊下げ部
20を一枚板で製作でき外層蓋8の製作が容易となる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下のような種々の優れた効果を奏し得る。
【0066】1) 工場加工の段階で、内層容器本体と
外層容器本体とを焼き嵌めや冷やし嵌めなどで一体化し
ておくことにより、強度材からなる内層容器本体と耐食
材からなる外層容器本体とを周面および底面に亘って隙
間なく確実に接合することが可能となる。
【0067】2) また、強度材溶接部を内層容器本体
上端の開口部内に形成する一方、耐食材溶接部を外層蓋
の蓋板の周面部分に形成したことにより、強度材溶接部
と耐食材溶接部との位置が有る程度離間した位置となっ
て各溶接部を溶接する際に強度材と耐食材とが溶融して
互いに混ざり合うことが防止され、溶接が容易となると
とともに確実に溶接することが可能となり、各溶接部で
割れたり脆くなるなどの欠陥の発生を確実に防止するこ
とができ、現場での加工能率を向上することができる。
【0068】3) さらに、耐食材溶接部を外層蓋の周
縁部分に形成したことにより、内層蓋の上面が平坦化す
るため、探傷検査時に使用する超音波探傷ヘッド用の接
触媒体の塗布や除去が容易となるとともに、超音波探傷
ヘッドによる強度材溶接部および内層蓋の板厚の検査が
広い範囲で可能となる。
【0069】4) また、外層蓋の蓋板の周面が開先底
部となるので、外層容器本体に外層蓋の蓋板を溶接する
際に、バックシールドガスを当てることができない容器
本体でも、耐食材である蓋板が裏当金の役割をするた
め、溶接裏ビードが酸化することなく良好な耐食材の溶
接が可能となる。
【0070】5) さらに、外層蓋の吊下げ部を外層容
器本体と同径の円筒状に形成して吊下げ用の係止孔を設
けたので、吊下げ部の外方に突起などが突出した形状と
なることなくスマートな形状となり、保管時のスペース
を最小限とすることができるとともに、吊下げ部を一枚
板で製作でき外層蓋の製作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例に係る超厚肉耐食容
器を示す縦断面図である。
【図2】各溶接部を示す図1の要部拡大縦断面図であ
る。
【図3】(a)ないし(e)は内層容器本体と内層蓋の
溶接手順を示す縦断面図、(f)ないし(h)は外層容
器本体と外層蓋の溶接手順を示す縦断面図であり、手順
の(c)工程から(g)の終了までを溶接シールド室内
とし、空気を置換し、溶接シールドガスを充満させてあ
る。
【図4】外層蓋の吊下げ具を示す縦断面図である。
【図5】従来検討されている超厚肉耐食容器を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
5 超厚肉耐食容器 6 容器本体 7 内層蓋 8 外層蓋 11 外層容器本体 11a 外層容器本体の上端縁 12 内層容器本体 18 内層開先部 19 強度材溶接部 20 吊下げ部 21 蓋板 21a 蓋板の周面 23 吊下げ部の下端面 24 外層開先部 25 耐食材溶接部 28 係止孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底の円筒状の外層容器本体と有底の円
    筒状の内層容器本体とを、外層容器本体の上端縁が内層
    容器本体の上端面よりも僅かに突出された状態で一体に
    嵌合して成る容器本体と、 前記内層容器本体の上端開口部に落し蓋式に嵌合係止可
    能な内層蓋と、 前記内層容器本体の開口部の内面と前記内層蓋の周面と
    の間に設けられた強度材溶接部を形成するための内層開
    先部と、 前記外層容器本体と同径の吊下げ部とこの吊下げ部の内
    部下端に、吊下げ部の下端よりも僅かに下方へ突出する
    ように固設された蓋板とからなる外層蓋と、 前記吊下げ部の下面と蓋板の周面と前記外層容器本体の
    上端縁との間に設けられた耐食材溶接部を形成するため
    の外層開先部とを備えたことを特徴とする超厚肉耐食容
    器。
  2. 【請求項2】 外層蓋の吊下げ部に、吊下げ具係止用の
    複数の係止孔を、側方へ向けて設けた請求項1記載の超
    厚肉耐食容器。
  3. 【請求項3】 工場加工の段階で、有底の円筒状の外層
    容器本体と有底の円筒状の内層容器本体とを、外層容器
    本体の上端縁が内層容器本体の上端面よりも僅かに突出
    された状態となるよう一体に嵌合して容器本体を形成
    し、 前記内層容器本体の開口部に落し蓋式に嵌合する厚肉強
    度材からなる内層蓋を形成し、 前記内層容器本体の開口部の内面と前記内層蓋の周面と
    の間に内層開先部を形成し、 前記外層容器本体と同径の円筒状に形成された耐食材か
    らなる吊下げ部と、この吊下げ部の内部下端に固設され
    前記外層容器本体の開口部内に落し蓋式に嵌合される耐
    食材からなる蓋板とにより外層蓋を形成し、 前記吊下げ部の下面と蓋板の周面と外層容器本体の上端
    縁との間に外層開先部を形成しておき、 現場加工の段階で、内層容器本体の開口部内に内層蓋を
    嵌合した状態で、前記内層容器本体と内層蓋との間に形
    成される内層開先部に強度材を溶接肉盛りして強度材溶
    接部を形成し、 つぎに、前記外層容器本体の開口部に外層蓋の蓋板を嵌
    合した状態で、前記外層容器本体と吊下げ部と蓋板との
    間に形成される外層開先部を溶接肉盛りして耐食材溶接
    部を形成することを特徴とする超厚肉耐食容器の製造方
    法。
JP31191397A 1997-11-13 1997-11-13 超厚肉耐食容器およびその製造方法 Pending JPH11142592A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009085966A (ja) * 2008-12-01 2009-04-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 放射性廃棄物収納容器の把持装置

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JP2009085966A (ja) * 2008-12-01 2009-04-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 放射性廃棄物収納容器の把持装置

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