JPH11143047A - フォトマスク及びその製造方法 - Google Patents

フォトマスク及びその製造方法

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JPH11143047A
JPH11143047A JP30290497A JP30290497A JPH11143047A JP H11143047 A JPH11143047 A JP H11143047A JP 30290497 A JP30290497 A JP 30290497A JP 30290497 A JP30290497 A JP 30290497A JP H11143047 A JPH11143047 A JP H11143047A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、ハーフトーン位相シフトフ
ォトマスクにより、半透明補助パターンマスクのフォー
カス特性の改善を図ることができるフォトマスク及びそ
の製造方法を提供することである。 【解決手段】 メインパターンの周辺に半透明の補助パ
ターンを配置したハーフトーン位相シフトマスクとす
る。この、ハーフトーン位相シフトマスクフォトマスク
の透過光に所定の位相エラー(位相差の180度からの
ずれ)が生じるように設定することにより、半透明補助
パターンによるメインパターンのフォーカス特性の傾き
を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトマスク及び
その製造方法に関するものであり、特に半導体集積回路
等の製造工程において微細パターン形成のために用いる
投影露光装置用のフォトマスク及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子の製造工程における半
導体基板上にパターンを形成する工程では、主に光リソ
グラフィ(転写)による技術が用いられている。光リソ
グラフィ技術では、縮小投影露光装置によりフォトマス
クのパターンを感光性樹脂が塗布された半導体基板上に
転写し、現像により感光性樹脂の所定のパターンを得
る。ここで、フォトマスク(単にマスクとも言う)とは
透明領域と遮光領域からなるパターンが形成された露光
用原板であり、縮小率が1:1以外では特にレチクルと
も呼ばれる場合もある。パターン転写後の感光性樹脂を
エッチングマスクとして、半導体基板上に成膜された材
料をエッチングすることにより、半導体素子の回路を作
成することができる。なお、この感光性樹脂はエッチン
グに耐えるという意味でレジストとも呼ばれている。
【0003】近年、半導体集積回路が高集積化している
ため、半導体素子形成のためのパターンの微細化も進展
している。これまで光リソグラフィ技術においては、主
に露光装置の開発、とりわけ投影レンズ系の高NA化等
によって、半導体素子パターンの微細化に対応してき
た。ここで、NAとは即ち開口数を表し、投影レンズの
結像面側での最大入射角θにより、NA=sinθと定
義される値であり、レンズがフォトマスクで回折された
光をどれだけ収束できるかに対応している。この場合、
フォトマスクで回析した光のうち投影レンズで集められ
る最大の角度θ’とNAには投影レンズの倍率をMとす
ると、sinθ’=M×NAの関係となっている。この
NA値が高NA化されて大きくなるほど、より広がった
光を集めることができ、レンズの性能は良いとされる。
【0004】フォトマスクで回析した光の回折角度は、
フォトマスクのパターンが微細になるほど大きくなる。
フォトマスクのパターンが周期パターンである場合に
は、n次回折光の回折角度θnは、以下の式(1)の関
係が成り立つことが知られている。 sinθn=nλ/P (1) ここで、λは光の波長でありPはパターンのピッチであ
る。また、パターンの像を得るには少なくとも0次回析
光と±1次回折光が必要なので、微細パターンを結像す
るにはNAを大きくし±1次回折光を集める必要があ
る。一般にレーレー(Rayleigh)の式としてよ
く知られているように、解像度R(解像できる限界の微
細パターンの寸法)とNAとは、以下の式(2)の関係
が成り立つことが知られている。 R=K1×λ/NA (2) ここで、K1は感光性樹脂の性能等のプロセスに依存す
る定数である。式(2)より、NAを大きくするほど解
像度はより微細になる。
【0005】しかし、露光装置を高NA化すると解像カ
は向上するものの、逆に焦点深度、即ち焦点位置のずれ
が許容はできる範囲は減少し、この点で更なる微細化が
困難となってきた。低NAレンズでは結像面での光の入
射角度が小さいので焦点位置をずらしての像のぼけは少
ない。一方、高NAレンズによる結像では、結像面での
入射角度が大きく、焦点をずらしたときぼけかたがより
激しくなる。すなわち、NAを大きくするほど焦点深度
は狭くなり、わずかな焦点位置のずれも許容できなくな
る。先と同様レーレーの式として、焦点深度DOFとN
Aとは以下の式(3)の関係が成り立つことが知られて
いる。、 DOF=K2×λ/NA2 (3) ここで、K2はプロセスに依存する定数である。式
(3)より、NAを大きくする程、焦点深度は狭くなり
わずかな焦点位置のずれも許容できなくなることがわか
る。現在、高NA化は既に技術的限界が近づいていると
言われており、さらなる高NA化によるパターン微細化
への対応は困難である。
【0006】そこで、パターンの微細化に対応するた
め、様々な超解像手法が検討されている。一般に、超解
像手法とは照明光学系、フォトマスク及び投影レンズ系
瞳面における透過率及び位相を制御することにより、結
像面での光強度分布を改善する手法である。これらの各
種の超解像手法のうち、所謂変形照明法と呼ばれる照明
光学系の最適化により解像特性を向上させる手法が、近
年その実現性の高さから特に注目を集めている。
【0007】変形照明法とは、フォトマスクを照明する
有効光源の形状を変形させることから付いた名称であ
り、フォトマスクを特定の入射角の光で照明することに
より焦点深度を拡大する方法であり、斜入射照明法とも
呼ぱれている。この有効光源の形状を変化させる手段と
して、通常、露光装置のフライアイレンズの直後に様々
な形状の絞りあるいはフィルターが配置することにより
行う。なお、この手法は有効光源の形状(絞りの形状)
により区別される。例えば、絞りの中央部を遮光してリ
ング型の照明光源を用いる照明法は輪帯照明法と呼ば
れ、また、四隅に用いる場合は4点照明法あるいは四重
極照明法と呼ばれている。
【0008】この変形照明法の効果について簡単に説明
する。図8及び9には、露光装置の主要光学系の概略図
を示す。図8(a)及び図9(a)は絞りの平面図であ
り、図8(b)及び図9(b)は露光装置の主要光学系
の断面図である。通常の照明方法では、図8(a)に示
すような円形開口の絞り201aが用いられる。このと
き、図8(b)に示すように、フライアイレンズ202
を透過して、フォトマスク203に対してほぼ垂直に入
射する入射光が存在する(図中直線矢印で記載)。フォ
トマスク203上の微細パターン204では、入射光が
回折される。そのうち、2次以上の高次の回折光は回折
角度が大きいため投影レンズ205に入射しない。しか
し、0次と±1次回折光は半導体基板206表面で集光
されて像が形成され、3光束干渉による結像が行われ
る。
【0009】一方、図9(a)に示すようなリング状の
開口を有するリング状開口絞り201bを用いる輪帯照
明においては、フォトマスク203はすべて斜め入射光
により照明される。このとき、図9(b)に示すよう
に、±1次回折光のうち一方はより角度が大きくなるた
め、投影レンズ205で集めることができなくなり、0
次回折光と±1次回折光のどちらか一方との、2つ回折
光の干渉により像を形成する、いわゆる2光束干渉によ
る結像が行われる。この2光束干渉による結像は、ベス
トフォーカス状態においても3光束干渉による結像より
コントラストが低下する。しかし、2光束干渉による結
像では、結像面に入射する光の角度が3光束干渉の場合
の1/2となっているため、変形照明による2光束干渉
の結像は通常の3光束干渉の結像より、焦点変化による
コントラスト低下が少なく、より広い焦点深度が得られ
るようになる。しかしながら、これらの変形照明法は回
折光が生じるような周期パターンに対して有効であり、
孤立パターンには全く効果はない。
【0010】そこで、孤立ラインパターンの結像に対し
ては、例えば特開平4−268714号公報に記載の技
術である、パターン周辺に解像及び転写しない微細な補
助パターンを配置して、フォトマスクを透過した露光光
に周期性を持たせる手法が提案されている。以下に、こ
のような孤立パターンの周辺に補助パターンを設ける場
合の一例について説明する。なおここでは、縮小率=1
/5(フォトマスク上のパターン寸法:結像面上のパタ
ーン寸法=5:1)、開口数NA=0.55、コヒーレ
ンスファクターσ=0.8のKrFエキシマレーザー露
光装置を用いるものとし、また結像面である半導体基板
上に形成するパターンは0.2μmの孤立ラインとす
る。
【0011】図10には、従来の孤立パターンの周辺に
補助パターンを有するフォトマスクの概略図を示す。図
10(a)にはフォトマスクの平面図を示し、図10
(b)には図10(a)のフォトマスクの断面図を示
す。石英からなる透明基板1上には、クロム(膜厚70
nm)及び酸化クロム(膜厚30nm)からなる遮光膜
5により、幅W1=1.00μmのメインパターン10
1(孤立ラインパターン)が形成されている。また、そ
の左右には間隔1.25μmだけ離れて、前記遮光膜4
による幅W2=0.5μmの補助パターン103が形成
されている。なお、ここで各パターンの間隔はメインパ
ターン101寸法程度が適当であり、また補助パターン
103の幅は補助パターン103が解像しない幅に設定
されている。
【0012】この補助パターン103の幅W2は、より
大きい方が結像面での光強度分布改善の効果が高いこと
は明らかである。しかし、補助パターン自体が半導体基
板上に転写されると、作成される半導体素子の機能に悪
影響を及ぼす。よって、フォトマスク作製の誤差による
補助パターン103の幅W2の変動や、このフォトマス
クを使用した露光の際の露光量変動等の様々な要因を考
慮して、補助パターンが解像しないように設定する必要
がある。また、特に変形照明法と組み合わせることによ
りさらに焦点深度が拡大できる。
【0013】また、例えば特開平9−73166号公報
に記載の技術のように、半透明の補助パターンを用いる
手法も提案されている。これは、半透明の補助パターン
の透過率を40〜80%程度に設定することにより、補
助パターンをメインパターンと同寸法としても、半導体
基板上には転写されなくなる技術である。
【0014】なお、ここで半透明とは2%以上99%以
下の透過率を指す。透明とは透明基板のみの部分であ
り、この透明基板の透過率を100%とする。また、半
透明基板に塗布したレジストへの露光を行う際に、透過
率が1%以下の場合はレジストの膜厚を減少させない。
よって、ここでは透過率1%以下を遮光と呼び、透明と
遮光の間の透過率を有する範囲である、透過率が2%以
上99%以下の範囲を半透明とする。
【0015】補助パターンを半透明とした場合、最適透
過率は通常20〜80%の範囲となる。この半透明の補
助パターンの最適透過率は、パターン寸法・形状、露光
条件、レジスト特性に依存する。即ち、メインパターン
の焦点深度がより拡大し、且つ補助パターン自体はレジ
スト上に転写されないという条件で決定する必要があ
る。メインとなるホールパターンに設ける補助パターン
の場合には、補助パターンの透過率が高いほど、ホール
パターンの焦点深度は拡大する。しかし、補助パターン
の透過率が高すぎると、補助パターンまでもがレジスト
上に転写される。
【0016】また、ホールパターンではなく、残存させ
る部分とするドットパターンに半透明補助パターンを配
置する場合、半透明補助パターンの透過率が低いほどド
ットパターンの焦点深度は拡大する。そのため、補助パ
ターンの透過率が低いほど補助パターンが転写され易く
なり、補助パターンが転写されない程度の低い透過率の
半透明補助パターンを用いることとなる。経験的には、
半透明補助パターンの最適透過率は20〜80%程度で
ある。
【0017】従来の微細パターンを用いる方法では、孤
立パターンと補助パターンとの寸法が異なると、電子線
描画装置等のマスク描画装置における近接効果の影響
で、寸法精度が低下するという問題が生じていた。一般
に、孤立パターンに露光条件を最適化した場合、微細な
補助パターンは寸法が細くなっていた。前述のように、
補助パターン法は寸法が細くなると、孤立パターンの焦
点深度が拡大する効果が無くなる。そこで、孤立パター
ンと補助パターンとを同じ寸法にすることにより、マス
ク描画時の近接効果の影響を無くし、補助パターンの寸
法精度を向上させるため、半透明の補助パターンを用い
るフォトマスクが提案されている。
【0018】図11には、従来の半透明補助パターンを
有するフォトマスクの概略図を示す。図11(a)には
フォトマスクの平面図を示し、図11(b)には図8
(a)のフォトマスクの断面図を示す。このフォトマス
クの製造は、まず、透明基板1上のメインパターン10
1及び補助パターン103となる部分に、半透明膜7を
形成する。次に同じ場所に遮光膜5を成膜した後に、補
助パターン103上の遮光膜5を除去する。これにより
メインパターン101は不透明、補助パターン102は
半透明となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術には以下の問題が存在する。従来の微細パター
ンを用いる補助パターンマスクにおいては、解像限界以
下の微細パターンが必要なため、マスク作製が困難であ
るという問題点があった。また、補助パターンの作製が
容易である半透明補助パターンマスクにおいては、補助
パターン部を半透明にするために半透明膜を用いてい
た。この半透明膜により、補助パターンとメインパター
ンの透過光に位相差が発生し、フォーカス特性を傾斜さ
せるという新たな問題が生じていた。
【0020】半透明補助パターンはメインパターンと同
じ寸法であるため、補助パターンを精度良く作製するこ
とできる。補助パターン部を半透明にするために用いら
れる半透明膜により位相差が生じ、メインパターンのフ
ォーカス特性が傾くという現象を防止できれば、半導体
基板上に安定してパターン形成ができるようになる。
【0021】そこで、近時、フォトマスクを改善するこ
とによる超解像手法の一つである、位相シフトフォトマ
スクを使用することが行われている。ここでは、ハーフ
トーン方式を採用した位相シフトフォトマスク(以下、
ハーフトーン位相シフトフォトマスクとする)について
説明する。ハーフトーン方式とは、通常のフォトマスク
の遮光膜の代わりに半透明膜を用い、半透明膜を透過す
る光とその周辺の透明領域を透過する光に180度の位
相差が生じるように設定した位相シフトフォトマスクで
ある。半透明膜の材科としては、酸化窒化クロム、酸化
窒化モリブデンシリサイドあるいはフッ化クロム等が用
いられ、その透過率は4%〜10%の範囲が一般的であ
る。
【0022】図12には、従来のハーフトーン位相シフ
トフォトマスクの概略図を示す。図12(a)にはハー
フトーン位相シフトフォトマスクの平面図を示し、図1
2(b)には図12(a)のハーフトーン位相シフトフ
ォトマスクの断面図を示す。合成石英からなる透明基板
1上には、酸化窒化モリブデンシリサイド(1400
Å)からなる半透明のハーフトーン位相シフト膜4が成
膜されている。半透明のハーフトーン位相シフト膜4
は、露光光(例えばi線:波長λ=365nm)をわず
かに透過させ(透過率8%)、且つ透過光は隣接する透
明領域の光に対して180度の位相差が生じるようにな
っている。また、ハーフトーン位相シフト膜4上には遮
光膜5が部分的に配置されている。
【0023】ハーフトーン位相シフトフォトマスクで
は、フォトマスク全面がハーフトーン位相シフト領域1
02であると様々な問題が生じる。例えば、半導体基板
に複数回露光を行うと、隣接する露光領域の境界におい
て光が漏れる現象が複数回起こる。これにより、わずか
な量の光でも複数回重なることによりレジスト膜が減少
する、いわゆるレジストの膜べり現象が生じる。そのた
め、特にハーフトーン位相シフト法の効果が必要なパタ
ーン部分のみをハーフトーン位相シフト領域102と
し、他のパターンは半透明のハーフトーン位相シフト膜
4上に遮光膜5を重ねて遮光領域104にするという手
法がとられていた。
【0024】しかしながら、ハーフトーン位相シフトフ
ォトマスクを用いる場合には、フォーカス特性をさらに
向上しなければならない等の改善点が存在する。本発明
が解決しようとする課題は、このようなハーフトーン位
相シフトフォトマスクにより、半透明補助パターンマス
クのフォーカス特性の改善を図ることができるフォトマ
スク及びその製造方法を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のフォトマスクは、メインパターン部と前記
メインパターン周辺に配置された補助パターン部とを有
し、前記補助パターン部が半透明のハーフトーン位相シ
フト膜からなる領域であることを特徴とする。
【0026】また、本発明のフォトマスクは、前記補助
パターン部の透過光に生じる位相差に比例して、前記ハ
ーフトーン位相シフト膜の透過光に位相エラーを生じさ
せることを特徴とする。
【0027】本発明のフォトマスクの製造方法は、透明
基板上に下層が第1の半透明膜であり上層が第2の半透
明膜であるハーフトーン位相シフト膜を形成する工程
と、メインパターン部となる領域の前記ハーフトーン位
相シフト膜を除去する工程と、補助パターン部となる領
域の前記ハーフトーン位相シフト膜の第2の半透明膜の
みを除去する工程と、遮光膜を形成する工程とを有する
ことを特徴とする。
【0028】また、本発明のフォトマスクの製造方法
は、透明基板上にハーフトーン位相シフト膜を形成する
工程と、メインパターン部及び補助パターン部となる領
域の前記ハーフトーン位相シフト膜を除去し透明基板を
露出させる工程と、前記露出した透明基板の露出部及び
ハーフトーン位相シフト膜の表面に半透明膜を形成する
工程と、前記補助パターン部及び遮光領域の前記半透明
膜が残存するように前記半透明膜を除去する工程とを有
することを特徴とする。
【0029】さらに、本発明のフォトマスクの製造方法
は、前記ハーフトーン位相シフト膜と半透明膜との透過
率の合計が0%を超え1%以下であることを特徴とす
る。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明のフォトマスク及びその製
造方法は、メインパターンの周辺に半透明の補助パター
ンを配置したハーフトーン位相シフトマスクとする。こ
の場合半透明とは、前記の通り、透過率が2%以上99
%以下の領域を指す。この、ハーフトーン位相シフトマ
スクフォトマスクの透過光に所定の位相エラー(位相差
の180度からのずれ)が生じるように設定することに
より、半透明補助パターンによるメインパターンのフォ
ーカス特性の傾きを補正することができる。
【0031】一般にハーフトーンマスクにおいては、位
相エラーによりフォーカス特性が傾くことが知られてい
る。このフォーカス特性の傾きは、位相エラーの大きさ
にほぼ比例する。俗に、焦点位置が+側にシフトしてい
る場合は「右上がり」、−側にシフトしている場合は
「右下がり」といった表現により表される傾きの特性
は、位相エラーの正負、即ち位相差が180度より大き
いか小さいかにより変化する。よって、ハーフトーンマ
スクに半透明補助パターンを配置した場合、半透明補助
パターンによるフォーカス特性の傾きを、意図的に位相
エラーを付加することで打ち消すことができる。
【0032】
【実施例】(実施例1)以下に本発明のフォトマスク及
びその製造方法の一実施例について、図面を用いて説明
する。なお、露光条件として、縮小率5倍(マスクパタ
ーン寸法:結像面上パターン寸法=5:1)、開口数N
A=0.55、50%輪帯照明(最大σ=0.8のうち
中心部分をσ=0.4相当遮光)のKrFエキシマレー
ザー露光装置を用いるのものとして説明する。また、結
像面上で0.2μmのホールパターンを形成するマスク
を用いることとする。
【0033】図1には本発明のフォトマスクの平面図及
び断面図を示す。図1(a)は本発明のフォトマスクの
平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’線断
面図である。この実施例では、図1(a)に示すよう
に、メインパターン101はマスク上で一辺が1.0μ
mのホールパターンとする。メインパターン101の周
辺はハーフトーン位相シフト領域102となっており、
透過率T=6%、位相差170度となっている。また、
メインパターン101周辺には、メインパターン101
より1μm離れて、1μm角の半透明の補助パターン1
03が等間隔のピッチで8個配置されている。各半透明
の補助パターン103部の透過率はそれぞれ40%であ
り、その透過光には50度の位相差が生じる。ハーフト
ーン位相シフト領域102の周囲は、遮光領域104が
形成されている。
【0034】フォトマスクの構造は、図1(b)に示す
ように、合成石英からなる透明基板1上に酸化クロム
(厚さ40nm)からなる第1の半透明膜2と、酸化窒
化モリブデンシリサイド(厚さ90nm)からなる第2
の半透明膜3との積層構造によるハーフトーン位相シフ
ト膜4が形成されている。この第1及び第2の半透明膜
を積層させたハーフトーン位相シフト膜4の透過率が3
%であり、かつ位相差が165度に設定されている。メ
インパターン101はハーフトーン位相シフト膜4(第
1の半透明膜2と第2の半透明膜3との積層構造)がす
べて除去されている。また、補助パターン103の部分
は、第2の半透明膜3のみが除去されている。さらに、
その上層にはクロム(厚さ20nm)と酸化クロム(厚
さ20nm)との積層構造から成る、遮光領域104で
ある遮光膜5が成膜されている。遮光膜5は、パターン
を転写したくない部分や、透過光が到達しないようにし
なければならない部分等を被うようにに設けられてい
る。この遮光膜5の透過率は15%であるが、ハーフト
ーン位相シフト膜4を透過する3%の光を遮光するには
十分な遮光性である。ハーフトーン位相シフト膜4と遮
光膜5との透過率は、 0.15×0.03=0.0045 =0.45% であり、1%以下となるため寸法の大きなパターンにお
いてもサイドローブの転写は生じず、隣接露光領域間で
のレジスト膜の減少(膜べり)も生じない。なお、サイ
ドローブとはハーフトーン位相シフトフォトマスクにお
いて、透明領域の周辺に生じる光強度分布のサブピーク
のことである。ハーフトーン位相シフトフォトマスクの
転写像振幅分布では、透明部の正からハーフトーンの負
に振幅が急激に変化する。その振幅分布のハーフトーン
部でのオーバーシュートにより、透明領域よりある間隔
だけ離れた位置に光強度のサブピークが生じる。この透
明部周辺に生じるサブピークがサイドローブと呼ばれ、
不要な膜厚の減少を引き起こすことが知られている(例
えば、Optical/Laser Microlithoography VIII, procee
dings of SPIE vol.2440, pp.804-812, 1995)。
【0035】以下に、本発明のフォトマスクの製造方法
について説明する。図2及び図3には、図1に示した本
発明のフォトマスクの製造方法の実施例1の主要工程の
断面図を示す。まず、図2(a)に示すように、透明基
板1上に第1の半透明膜2及び第2の半透明膜3並びに
遮光膜5を順次成膜し、積層させたマスク基板を作成す
る。
【0036】次に、図2(b)に示すように、このマス
ク基板の遮光膜5の上層にレジスト6を塗布する。続い
て、メインパターン及び補助パターンの描画を行う。な
お、マスク基板周辺部には、後述する2回目のパターン
描画のためのアライメントマーク(図示せず)が描画さ
れている。
【0037】次に、図2(c)に示すように、メインパ
ターン及び補助パターンの形状を現像して、レジスト6
にレジストパターンを形成する。その後、このレジスト
をマスクとしてマスクとして、塩素系ガス(Cl2+H
Cl3)を用いてドライエッチングを行い、遮光膜5を
加工する。さらに続いて、エッチングチャンバーを交換
し、フッ素系ガス(CHF3+O2)を用いて第2の半透
明膜3を加工する。これによりメインパターン101部
と補助パターン103部となる領域を形成する。
【0038】次に、図3(a)に示すように、一旦レジ
スト6を剥離した後、図3(b)に示すように、再び別
のレジスト6の塗布を行い、前記形成したアライメント
マーク(図示せず)を用いて重ねて2回目のパターン描
画を行う。この2回目のパターン描画では、(1)遮光
膜を所定の部分を除去しハーフトーン位相シフトマスク
とするためのパターンと、(2)補助パターン部を被う
レジストパターンとを形成する。この時、遮光膜5と第
1の半透明膜2とに同じクロム系材科を用いているた
め、遮光膜5のエッチング時には補助パターン部をカバ
ーしておき、補助パターンまでもが透明領域となるのを
防止する。
【0039】最後に、図3(c)に示すように、硝酸第
2セリウムアンモニウム水溶液を用いてウエットエッチ
ングを行い、露出している遮光膜5及びメインパターン
101部の第1の半透明膜2を選択的に除去する。遮光
膜5と第1の半透明膜2は同じクロム系材科であり、ま
た膜厚もほぼ同じであるので同時にエッチングすること
が可能である。レジストを剥離し洗浄を行うことで、図
1(b)に示すハーフトーン位相シフトフォトマスクが
完成する。
【0040】次に、図1のフォトマスクの効果(フォー
カス特性)について説明する。図4には、本発明のフォ
トマスクにおいて、メインパターンが0.2μmホール
パターンである場合のフォーカス特性を示す。図中に
は、本実施例のフォトマスクのフォーカス特性の結果
(●)以外に、比較のために、補助パターンが無い通常
のハーフトーンマスク(位相差180度)のフォーカス
特性の結果(□)、及びこのハーフトーンマスク(位相
差180度)に半透明補助パターンを配置した場合のフ
ォーカス特性の結果(○)も示している。図4のハーフ
トーンフォトマスクに半透明補助パターンのみを配置し
た結果(○)が表しているように、ハーフトーンマスク
に半透明補助パターンを配置するだけで焦点深度は拡大
する。ただし、この場合にはフォーカス特性は右上がり
(焦点位置の+側で寸法が大きくなる傾き)となってい
る。このフォーカス特性の傾きは半透明補助パターンの
位相差が原因である。
【0041】また、ハーフトーン位相シフトフォトマス
クにおいて、ハーフトーン位相シフト膜の膜厚及び屈折
率が変化して生じる位相エラーは、フォーカス特性を傾
けることがすでに報告されている。例えば、Photomask
and X-Ray Technology, proceedings of SPIE vol.225
4, pp.286-293, 1994には、位相差が180度より大き
くなるか小さくなるかによりフォーカス特性は異なる向
きに傾くことが示されている。しかし、本発明において
は、補助パターンの位相差で生じるフォーカス特性の傾
きを、ハーフトーン位相シフト膜の位相エラーで打ち消
すことにより、図4中の●で示すように、平坦なフォー
カス特性が得られている。このように、本発明のフォト
マスクを用いれば、ベストフォーカス(焦点位置:0μ
m)において、焦点位置が変化した差異のホール寸法変
化が最も小さくなっている。
【0042】(実施例2)次に、本発明のフォトマスク
及びその製造方法の他の実施例について、図面を用いて
説明する。なおこの実施例においても、パターンは結像
面上で0.2μm(マスク上で1μm)の孤立ホールパ
ターンとして説明する。
【0043】図5及び図6には、本発明のフォトマスク
の製造方法の実施例2の主要工程の断面図を示す。ま
ず、図5(a)に示すように、透明基板1上に半透明の
ハーフトーン位相シフト膜4を成膜する。ハーフトーン
位相シフトマスクの材料には酸化窒化モリブデンシリサ
イド(MoSiON)を用い、膜厚110nmにて透過
率=3%/位相差=180度としている。
【0044】次に、図5(b)に示すように、ハーフト
ーン位相シフト膜4の上層にレジスト6を塗布し、メイ
ンパターン101部及び補助パターン103部のパター
ン描画を行う。なお、この実施例においても、補助パタ
ーン103部はメインパターン101部と同一寸法のホ
ールパターンである。
【0045】次に、図5(c)に示すように、メインパ
ターン101及び補助パターン103の形状を現像して
レジスト6にレジストパターンを形成する。その後、こ
のレジスト6をマスクとして、ハーフトーン位相シフト
膜4をフッ素系ガスを用いたドライエッチングにて加工
する。
【0046】次に、図6(a)に示すように、一旦レジ
スト6を剥離し検査及び修正を行った後、マスクとして
半透明膜7を成膜する。この半透明膜7には窒化クロム
を用い、25nmの膜厚で透過率を15%、その透過光
に生じる位相差を30度としている。
【0047】次に、図6(b)に示すように、上層に再
びレジスト6を塗布し、実施例1と同様に2回目のパタ
ーン描画を行う。即ち、次工程のウエットエッチングに
おいて、メインパターン101となる領域とハーフトー
ン領域とする部分のレジスト6を除去するようにパター
ン描画を行う。
【0048】最後に、図6(c)に示すように、現像後
ウエットエッチングを行い、メインパターン101及び
ハーフトーン領域の半透明膜7を除去する。レジストを
剥離し洗浄を行うことで、ハーフトーン位相シフトフォ
トマスクが完成する。
【0049】このようにして、図5及び図6に示したフ
ォトマスクの製造方法により得られたハーフトーン位相
シフトフォトマスクの概略図を図7に示す。図7(a)
はハーフトーン位相シフトフォトマスクの平面図であ
り、図7(b)は図7(a)のA−A’線断面図であ
る。補助パターン103の半透明膜7は透過率が15%
であるため、本実施例においても補助パターン103が
半導体基板上に転写されることはない。また、メインパ
ターン101の周辺以外は半透明膜7を残存させること
により、実施例1と同様に透過率を0.45%に低下さ
せた遮光領域104としているので、サイドローブの発
生及び隣接露光領域間でのレジスト膜厚の減少等の問題
の発生が防止されている。
【0050】本実施例のフォトマスクの製造方法におい
ては、ハーフトーン位相シフトフォトマスクにおける従
来の遮光膜を補助パターンの転写防止に用いているた
め、従来のマスク基板及び製造方法が流用できる。そこ
で、ハーフトーン位相シフト膜の位相差を180度と
し、補助パターンに生じる位相差を30度と低く押さえ
ることでなるべく平坦なフォーカス特性が得られるよう
にしている。さらに、補助パターン部の透過率を15%
と低く設定した。補助パターンの透過率が低いと、焦点
深度拡大効果も低下するがフォーカス特性の傾きはなく
なる。よって、本実施例においては、焦点深度拡大効果
がある程度得られ、フォーカス特性の傾きが許容できる
補助パターンの透過率として15%を選択している。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように構成されているの
で、本発明は以下に記す優れた効果を奏する。本発明の
フォトマスクは、ハーフトーン位相シフトフォトマスク
においてメインパターンの周辺に、メインパターンと同
寸法の補助パターンを配置することにより、ハーフトー
ン位相シフト法と補助パターン法の効果により、孤立パ
ターンの焦点深度を従来より拡大することができる。ま
た、補助パターン部に生じる位相差の影響を、ハーフト
ーン位相シフト膜の位相エラーで打ち消すことにより、
フォーカス特性の傾きを調節できる。さらに、本発明の
フォトマスクの製造方法においては、従来のマスク基板
及び製造方法を流用し、安定して精度の良い補助パター
ンマスクが製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフォトマスクの平面図及び断面図を
示す。
【図2】 図1に示した本発明のフォトマスクの製造方
法の実施例1の主要工程の断面図を示す。
【図3】 図1に示した本発明のフォトマスクの製造方
法の実施例1の主要工程の断面図を示す。
【図4】 本発明のフォトマスクにおいて、メインパタ
ーンが0.2μmホールパターンである場合のフォーカ
ス特性を示す。
【図5】 本発明のフォトマスクの製造方法の実施例2
の主要工程の断面図を示す。
【図6】 本発明のフォトマスクの製造方法の実施例2
の主要工程の断面図を示す。
【図7】 図5及び図6に示したフォトマスクの製造方
法により得られたハーフトーン位相シフトフォトマスク
の概略図を示す。
【図8】 露光装置の主要光学系の概略図を示す。
【図9】 露光装置の主要光学系の概略図を示す。
【図10】 従来の孤立パターンの周辺に補助パターン
を有するフォトマスクの概略図を示す。
【図11】 従来の半透明補助パターンを有するフォト
マスクの概略図を示す。
【図12】 従来のハーフトーン位相シフトフォトマス
クの概略図を示す。
【符号の説明】
1 透明基板 2 第1の半透明膜 3 第2の半透明膜 4 ハーフトーン位相シフト膜 5 遮光膜 6 レジスト 7 半透明膜 101 メインパターン 102 補助パターン 103 ハーフトーン位相シフト領域 104 遮光領域 201a 円形開口絞り 201b リング状加工絞り 202 フライアイレンズ 203 フォトマスク 204 微細パターン 205 投影レンズ 206 半導体基板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインパターン部と前記メインパターン
    周辺に配置された補助パターン部とを有し、前記補助パ
    ターン部が半透明のハーフトーン位相シフト膜からなる
    領域であることを特徴とするフォトマスク。
  2. 【請求項2】 前記補助パターン部の透過光に生じる位
    相差に比例して、前記ハーフトーン位相シフト膜の透過
    光に位相エラーを生じさせる請求項1に記載のフォトマ
    スク。
  3. 【請求項3】 透明基板上に下層が第1の半透明膜であ
    り上層が第2の半透明膜であるハーフトーン位相シフト
    膜を形成する工程と、メインパターン部となる領域の前
    記ハーフトーン位相シフト膜を除去する工程と、補助パ
    ターン部となる領域の前記ハーフトーン位相シフト膜の
    第2の半透明膜のみを除去する工程と、遮光膜を形成す
    る工程とを有することを特徴とするフォトマスクの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 透明基板上にハーフトーン位相シフト膜
    を形成する工程と、メインパターン部及び補助パターン
    部となる領域の前記ハーフトーン位相シフト膜を除去し
    透明基板を露出させる工程と、前記露出した透明基板の
    露出部及びハーフトーン位相シフト膜の表面に半透明膜
    を形成する工程と、前記補助パターン部及び遮光領域の
    前記半透明膜が残存するように前記半透明膜を除去する
    工程とを有することを特徴とするフォトマスクの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記ハーフトーン位相シフト膜と半透明
    膜との透過率の合計が0%を超え1%以下である請求項
    4に記載のフォトマスクの製造方法。
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