JPH11149821A - 電荷輸送材料及び光導電性材料 - Google Patents

電荷輸送材料及び光導電性材料

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JPH11149821A
JPH11149821A JP31752197A JP31752197A JPH11149821A JP H11149821 A JPH11149821 A JP H11149821A JP 31752197 A JP31752197 A JP 31752197A JP 31752197 A JP31752197 A JP 31752197A JP H11149821 A JPH11149821 A JP H11149821A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】記録材料等に利用可能な電荷輸送材料を提供す
る。 【解決手段】光または熱エネルギーにより反応して化学
結合を生成し得る、トリフェリレン誘導体のような円盤
状化合物またはその重合体からなる電荷輸送材料及び光
導電性材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録材料、表示材
料として有用な光導電性材料、及び電界発光素子、二次
電池、燃料電池等に利用可能な電荷輸送材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体においては、環境
に対する安全性、コストの優位性等の観点から有機光導
電性材料が例えばポリ−N−ビニルカルバゾール等が広
く用いられるようになってきた。
【0003】しかし、現在用いられている有機光導電性
材料には、電荷移動度が小さく高速性を要求される、レ
ーザープリンティング等の用途には十分に対応できない
という、欠点があり、電荷移動度の大きい有機光導電性
材料の開発が望まれている。
【0004】また、電荷輸送材料を用いた電界発光素子
(EL素子)においても最近はフルカラー化、高輝度化
等の観点から有機材料を用いた電界発光素子(有機EL
素子)の研究がさかんに行われている。しかし、主に有
機電荷輸送材料の電荷移動速度が十分でないことによ
り、有機EL素子の発光効率は未だ十分ではなく、電荷
移動速度の大きい有機電荷輸送材料の開発が望まれてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電荷輸送材料は光導電
性材料、電界発光素子等に利用されている。また、現在
二酸化炭素による地球温暖化などの環境、エネルギー問
題が危惧される中で、リチウムイオン二次電池に代表さ
れる二次電池または新しい発電機関となりうる燃料電池
などがその有力な解決策のひとつとして期待され、さか
んに研究されている。これらの電池は電解質として液体
を用いることが多いが、その場合は電解液の液もれ、蒸
発等の損失や、有機溶媒を用いた場合の引火性などが問
題とされている。そこで主に燃料電池用として金属酸化
物等を用いた固体イオン伝導体等の研究がされている
が、これらは高温でないと効率よくイオン伝導が行え
ず、低温で使用できうる固体電解質の開発が望まれてい
る。
【0006】ところで円盤状化合物とは、ディスコティ
ック液晶化合物のコア部を有する化合物を指し、とりわ
けトリフェニレン誘導体が注目されている。特開平7−
306317号、特開平8−27284号及び特開平8
−231470号の各公報は反応性基を有する円盤状化
合物を液晶相のまま重合させて薄膜を形成することが記
載されている。従って、本発明の目的は、液晶相をとる
ことができ、さらに液晶相における分子配列を固定した
薄膜を製造可能にする重合性基を有した化合物を提供す
ることである。そしてこれらの化合物、または重合物、
または薄膜を用いて電荷輸送材料あるいは光導電性材料
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、下記により本発明の目的が達成できること
を見いだした。 (1)光または熱エネルギーにより反応して化学結合を
生成し得る置換基を有する円盤状化合物またはその反応
物からなることを特徴とする電荷輸送材料。 (2)円盤状化合物が下記一般式(I)で表されること
を特徴とする(1)記載の電荷輸送材料。
【0008】
【化4】
【0009】式中、Pは反応性置換基を表し、Dは分子
の中心にあり、合計n個の置換基A及び置換基(P−
L)を放射状に配するn官能の基を表す。(n−k)個
のAは各々独立に反応組成物の生成に寄与しない置換基
を表し、Lは各々独立に、PとDを連結する基もしくは
化学結合を表し、nは3〜8の整数を表し、kは1から
nの整数を表す。k個のPは各々独立に、イソシアナー
ト基、チオシアナート基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、メルカプト基、ホルミル基、ア
シル基、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホリ
ル基、ハロカルボニル基、ハロスルホニル基、ハロホス
ホリル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、クロ
トニル基、ビニルオキシ基、エポキシ基、アセチレン
基、プロパギル基、アレニル基、ジアセチレン基を表
す。 (3)該一般式(I)において反応性置換基Pが各々独
立に以下の重合性置換基M1 〜M4 のいずれかで表され
ることを特徴とする(1)記載の電荷輸送材料。
【0010】
【化5】
【0011】置換基M1 、M2 、M3 のR11、R12、R
13、R21、R22、R23、R31、R32、R33はそれぞれ独
立に水素原子またはアルキル基を表す。置換基M4 にお
いてR41は水素原子、アルキル基、アリール基を表す。
置換基M1 にてmは0または1を表す。 (4)光を吸収して電荷分離を行い電荷を発生する電荷
発生層と(1)〜(3)の一般式(I)にて表される化
合物またはその反応物、重合物からなる電荷輸送層から
なることを特徴とする光導電性材料。 (5)下記一般式(II)〜(V)にて表される化合物ま
たはその重合物からなることを特徴とする(1)記載の
電荷輸送材料。
【0012】
【化6】
【0013】一般式(II)〜(V)中、M1 〜M4 は一
般式(I)と同義である。一般式(II)中、トリフェニ
レン環に結合する6つのR1 は同じでも異なってもよい
置換してもよいアルキル基またはアリール基を表すが、
そのうち少なくともひとつは置換基M1 を有する。一般
式(III)中、トリフェニレン環に結合する6つのR2
同じでも異なってもよい置換してもよいアルキル基また
はアリール基を表すが、そのうち少なくともひとつは置
換基M2 を有する。一般式(IV) 中、トリフェニレン環
に結合する6つのR3 は同じでも異なってもよい置換し
てもよいアルキル基またはアリール基を表すが、そのう
ち少なくともひとつは置換基M3 を有する。一般式
(V) 中、トリフェニレン環に結合する6つのR4 は同
じでも異なってもよい置換してもよいアルキル基または
アリール基を表すが、そのうち少なくともひとつは置換
基M4 を有する。 (6)光を吸収して電荷分離を行い電荷を発生する電荷
発生層と(5)の一般式(II)〜(V)で表される化合
物またはその重合物からなる電荷輸送層からなることを
特徴とする光導電性材料。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる円盤状コア部
を有する化合物についてまず説明する。円盤状の分子の
母核部分(コア部)を成す円盤状部分の形態的特徴は例
えば、その原形化合物である水素置換体について、以下
のように表現され得る。まず、分子の大きさを以下のよ
うにして求める。 1)該分子につき、できる限り平面に近い、好ましくは
平面分子構造を構築する。この場合、結合距離、結合角
としては、軌道の混成に応じた標準値を用いる事が好ま
しく、例えば日本化学会編、化学便覧改訂4版基礎編、
第II分冊15章(1993年刊 丸善)を参照すること
ができる。 2)前記1)で得られた構造を初期値として、分子軌道
法や分子力場法にて構造最適化する。方法としては例え
ばGaussian92、MOPAC93 、CHARMm/QUANTA 、MM3 が挙げ
られ、好ましくはGaussian92である。 3)構造最適化によって得られた構造の重心を原点に移
動させ、座標軸を慣性主軸(慣性テンソル楕円体の主
軸)にとる。 4)各原子にファンデルワールス半径で定義される球を
付与し、これによって分子の形状を記述する。 5)ファンデルワールス表面上で各座標軸方向の長さを
計測し、それらそれぞれをa、b、cとする。 以上の手順により求められたa、b、cをもちいて円盤
状の形態を定義すると、a≧b>cかつa≧b≧a/
2、好ましくはa≧b>cかつa≧b≧0.7aと表す
ことができる。また、b/2>cであることが好まし
い。
【0015】以下に本発明の一般式(I)〜(V)で表
される化合物について詳しく説明する。ここで一般式
(I)〜(V)で表される化合物がアルキル基、アルケ
ニル基、シクロアルキル基、アルキレン基等を有すると
き、特に断りのない限りこれらは直鎖状でも分岐鎖状で
もよく、置換されていてもよい。また一般式(I)〜
(V)で表される化合物がアリール基、ヘテロ環基、ア
リーレン基(2価の基)等を有するとき、特に断りのな
い限り、これらは縮環していても置換されていてもよ
い。
【0016】円盤状化合物は、例えば、日本化学会編、
季刊化学総説No.22 「液晶の化学」第5章、第10章2
節(1994年刊、学会出版センター)、C.Destradeら
の研究報告、Mol.Cryst.Liq.Cryst.71巻、117 頁(1981
年)、B.Kohne らの研究報告、Angew.Chem. 96巻、70頁
(1984年)、J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Soc.Chem.
Commun., 1794 頁(1985年)、J.Zhang, J.S.Mooreらの
研究報告、J.Am.Chem.Soc., 116 巻、2655頁(1994年)
に記載の母核化合物の誘導体が挙げられる。例えば、母
核化合物Dとしてはベンゼン誘導体、トリフェニレン誘
導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポル
フィリン誘導体、アントラセン誘導体、アザクラウン誘
導体、シクロヘキサン誘導体、β−ジケトン系金属錯体
誘導体、ヘキサエチニルベンゼン誘導体、ジベンゾピレ
ン誘導体、コロネン誘導体およびフェニルアセチレンマ
クロサイクルの誘導体が挙げられる。さらに、日本化学
会編、「化学総説No.15 新しい芳香族の化学」(1977年
東京大学出版会刊)に記載の環状化合物およびそれらの
複素原子置換等電子構造体を挙げることができる。ま
た、上記金属錯体の場合と同様に、水素結合、配位結合
等により複数の分子の集合体を形成して円盤状の分子と
なるものでもよい。母核化合物Dとして好ましくは、ト
リフェニレンおよびトルキセンが挙げられ、トリフェニ
レンがより好ましい。請求項1の化合物にて光または熱
エネルギーを加えることにより反応して化学結合を生成
し得る置換基としては、例えば、S.R.サンドラーおよび
W.カロー(S.R.Sandler, W.Karo) 著、オーガニック・フ
ァンクショナル・グループ・プレパレーションズ(Organ
ic Functional Group Preparations) 第1巻および第2
巻(アカデミックプレス社、ニューヨーク、ロンドン
1968年刊)に記載の置換基を挙げることができる。それ
らのうち好ましくは、多重結合、オキシラン、アジリジ
ンであり、さらに好ましくはR.A.M.Hikmetらの研究報告
〔Macromolecules, 25巻、4194頁(1992年)〕及び〔Po
lymer, 34 巻、8号、1736頁(1993年)〕、D.J.Broer
らの研究報告〔Macromolecules, 26巻、1244頁(1993
年)〕に記載されているように、二重結合すなわちアク
リル基、ビニルエーテル基およびエポキシ基である。
【0017】本発明の請求項1の化合物としては、請求
項2の一般式(I)にて表されることがより好ましい。
一般式(I)にてDは分子の中心にあり、合計n個の置
換基A及び置換基(P−L)を放射状に配するn官能の
基を表す。Dとして好ましくは先述した円盤状化合物の
母核部分である。
【0018】一般式(I)にてAは各々独立に反応組成
物の形成に寄与しない置換基を表し、好ましくはハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基などが置換
あるいは無置換のアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アリールアミノ
基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルコキシカルボニル基、ベンゾイルオキシ基が挙
げられる。
【0019】一般式(I)にてnは3〜8の整数を表
し、kは1からnの整数を表す。
【0020】一般式(I)にてLは反応性置換基Pと円
盤状母核Dを連結する基を表し、一般に化学結合やオキ
シ基よりも、重合により生じる体積ひずみを緩和しやす
い連結基が好ましい。具体的に好ましくは、炭素原子数
(以下C数と呼ぶ)1〜18のアルキレン基、C数1〜
18のアルキレンオキシ基、C数1〜18のアルキレン
チオ基、C数1〜18のアルキレンアミノ基、C数2〜
20のオリゴエチレンオキシ基、C数1〜18のアルキ
レンオキシカルボニル基、C数6〜26のフェニレン
基、C数6〜26のフェニレンオキシ基、C数6〜26
のフェニレンチオ基、C数6〜26のフェニレンアミノ
基、C数7〜26のフェニレンオキシカルボニル基等が
挙げられる。以下に連結基Lについての好ましい例を具
体的に挙げる。
【0021】
【化7】
【0022】連結基Lとしてより好ましくはアルキレン
基、アルキレンオキシ基、アルキレンチオ基、アルキレ
ンオキシカルボニル基、フェニレン基、フェニレンオキ
シ基、フェニレンオキシカルボニル基が挙げられる。一
般式(I)において、k個の反応性置換基Pは各々独立
に、イソシアナート、チオシアナート基、アミノ基、ア
ルキルアミノ基、アリールアミノ基、メルカプト基、ホ
ルミル基、アシル基、水酸基、カルボキシル基、スルホ
基、ホスホリル基、ハロカルボニル基、ハロスルホニル
基、ハロホスホリル基、アクリロイル基、メタアクリロ
イル基、クロトニル基、ビニルオキシ基、エポキシ基、
アセチレン基、プロパギル基、アレニル基、ジアセチレ
ン基を表す。
【0023】一般式(I)における反応性置換基Pは各
々独立に重合性置換基M1 〜M4 のいずれかで表される
ことが好ましい。
【0024】
【化8】
【0025】重合性置換基M1 、M2 、M3 におけるR
11、R12、R13、R21、R22、R23、R31、R32、R33
はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基(好ましく
は炭素原子数(以後C数という)1〜12、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、t−ブチ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−クロ
ロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチ
ル)を表し、好ましくは水素原子またはC数1〜4の無
置換直鎖アルキル基を表す。R11、R12、R13、R21
22、R23、R31、R32、R33はともに水素原子である
ことが好ましい。
【0026】M1 にてmは0または1を表すが、1であ
る方がより好ましい。
【0027】M4 にてR41は置換してもよいアルキル基
(好ましくはC数1〜12、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、i−プロピル、t−ブチル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、オクチル、シクロヘキシル、2−エチル
ヘキシル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、2
−ヒドロキシエチル、メトキシエトキシエチル、ベンジ
ル、アリル)または置換してもよい、アリール基(例え
ばC数6〜18のフェニル、1−ナフチル、2−ナフチ
ル、4−プロピルフェニル、4−エトキシフェニル、4
−ペンチルオキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、
4−ビフェニル、3−アセチルオキシフェニル、2−ク
ロロフェニル)であり、好ましくはC数1〜6の無置換
直鎖アルキル基またはフェニル基である。一般式(I)
の化合物にて好ましくは円盤状母核Dがトリフェニレン
環であることが好ましく、さらに、一般式(II)〜
(V)で表される 2,3,6,7,10,11−ヘキサアルコキシト
リフェニレンまたはヘキサアリールオキシトリフェニレ
ンであることが、本発明の目的を達成するためにはより
好ましい。
【0028】ここで一般式(II)〜(V)で表される本
発明の化合物について詳しく説明する。一般式(II)の
1 、一般式(III) のM2 、一般式(IV)のM3 、一般
式(V)のM4 はそれぞれ一般式(I)のM1 〜M4
同義である。
【0029】一般式(II)にて6つのR1 は同じでも異
なってもよい、置換されてもよいアルキル基またはアリ
ール基を表すが、そのうち少なくとも一つは置換基M1
を有する。ここでR1 はアルキル基であることが好まし
く、6つのR1 がすべてM1を置換基として有し、かつ
すべて同じであることが好ましい。
【0030】一般式(III)にて6つのR2 は同じでも異
なってもよい、置換されてもよいアルキル基またはアリ
ール基を表すが、そのうち少なくとも一つは置換基M2
を有する。ここでR2 はアルキル基であることが好まし
く、6つのR2 がすべてM2を置換基として有し、かつ
すべて同じであることが好ましい。
【0031】一般式(IV) にて6つのR3 は同じでも異
なってもよい、置換されてもよいアルキル基またはアリ
ール基を表すが、そのうち少なくとも一つは置換基M3
を有する。ここでR3 はアルキル基であることが好まし
く、6つのR3 がすべてM3を置換基として有し、かつ
すべて同じであることが好ましい。
【0032】一般式(V) にて6つのR4 は同じでも異
なってもよい、置換されてもよいアルキル基またはアリ
ール基を表すが、そのうち少なくとも一つは置換基M4
を有する。ここでR4 はアルキル基であることが好まし
く、6つのR4 がすべてM4を置換基として有し、かつ
すべて同じであることが好ましい。
【0033】一般式(II)〜(V)のR1 〜R4 にて末
端置換基M1 〜M4 が置換してなる残基は好ましくはC
数1〜12の置換してもよいアルキレン基、またはC数
6〜18の置換してもよいフェニレン基である。なお、
本発明では-(CH2)2OCH2-や-CH2Ph- 、-PhCH2- 等も置換
アルキレン基、置換フェニレン基等にみなす。以下にそ
の残基の好ましい例を具体的に挙げる。
【0034】
【化9】
【0035】一般式(II)のR1 、一般式(III) の
2 、一般式(V)のR4 にて末端置換基M1 、M2
4 がそれぞれ置換してなる残基は好ましくはC数1〜
8の無置換直鎖状アルキレン基であり、より好ましくは
エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレンである。
【0036】一般式(IV)のR3 にて末端置換基M3
置換してなる残基は好ましくはC数1〜8の無置換直鎖
状アルキレン基または置換アルキレン基であり、より好
ましくはエチレン、プロピレン、ブチレン、-(CH2)2OCH
2-、-(CH2)3OCH2-、-(CH2)4OCH2-である。本発明の化合
物としては、一般式(II)〜(V)のうち、一般式(I
I)、(III) 、(V)がより好ましく、一般式(III) 、
(V)がさらに好ましく、一般式(III) が特に好まし
い。
【0037】以下に本発明の一般式(I)または一般式
(II)〜(V)で表される化合物の具体例を示すが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
【化10】
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】
【化14】
【0043】
【化15】
【0044】
【化16】
【0045】
【化17】
【0046】
【化18】
【0047】
【化19】
【0048】
【化20】
【0049】
【化21】
【0050】
【化22】
【0051】
【化23】
【0052】
【化24】
【0053】本発明の一般式(I)〜(V)で表される
化合物は液晶相、特にカラムナー液晶相またはディスコ
ティックネマチック液晶相をとるものが多い。本発明の
一般式(I)〜(V)で表される化合物は単独で用いら
れてもよいが、任意の比で混合して用いられてもよく、
本発明以外の種々の化合物と混合して用いられてもよ
い。例えば、界面活性剤等の低分子、ポリカーボナート
等の合成高分子、セルロース誘導体等の天然高分子由来
の化合物、液晶性、非液晶性のいずれでも良く、紫外線
硬化樹脂、熱硬化樹脂として用いられるモノマーなどの
分子間あるいは分子内に新たに結合を形成し得るもの、
キシレン等の容易には新たな結合を形成し得ないものの
いずれでも良い。混合組成物としては、特願平6−97
443号および特願平7−41276号明細書に記載の
円盤状化合物、更には特願平7−110511号、特願
平7−221186号、特願平7−222785号明細
書に記載の化合物を含んでもよい。本発明の材料は、例
えば鋳型を用いて種々の形状に成形して用いる、あるい
は膜状にして用いることが可能である。本発明の材料を
膜状にして用いる場合、蒸着法やスピンコート、ディッ
プコート、エクストルージョンコートなどの塗布法によ
り支持体上に薄膜として形成できる。膜厚としては0.
1μm 以上30μm 以下が好ましく、20μm 以下が好
ましい。
【0054】塗布の際には、該化合物を溶液とすること
が好ましいが、用いられる溶媒としては、沸点が大気圧
下30℃ないし200℃、好ましくは30℃ないし15
0℃、更に好ましくは30℃ないし130℃のものであ
る。例えば、2−ブタノン、2,4−ジメチル−3−ペ
ンタノン、酢酸エチル、1−ブタノール、フルオロベン
ゼン、1,2−ジメトキシエタン、アセトン、塩化メチ
レン等が挙げられる。膜状にして用いる場合、積層する
ことも可能である。積層する場合、本発明の材料を含む
層のみで構成されていても良いが、支持体上に本発明の
材料から成る層が少なくとも一層設けられたもので、用
途に応じて該材料層の上下もしくは該材料層間に、異な
る機能を発現する層(例えば、電荷発生層、光吸収層、
電極層)、保護膜等の他の材料からなる層もしくは支持
体が存在してよい。
【0055】支持体素材としては例えば、ガラス、ゼオ
ネックス(日本ゼオン)、ARTON(日本合成ゴ
ム)、フジタック(富士フイルム)、ポリエステル、ポ
リカーボネート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホンが挙げられる。支持体は必ずしも透
明であることはなく、支持体上には必要に応じてアルミ
ニウム、金、白金などの金属が蒸着されていてもインジ
ウム−スズ−酸化物(ITO)のような導電性化合物が
塗られていてもよい。
【0056】保護膜用素材としては、例えば、ポリメチ
ルメタアクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合
体、スチレン・無水マレイミド無重合体、ポリビニルア
ルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・
ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレ
ン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩
化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高
分子物質及びシランカップリング剤などの有機物質を挙
げることができる。また、ω−トリコサン酸、ジオクタ
デシルジメチルアンモニウムクロライド及びステアリン
酸メチルなどのラングミュア・ブロジェット法(LB
法)により形成される累積膜も用いることができる。
【0057】本発明で用いられる化合物が重合等により
新たな結合の形成が可能な置換基を有している場合、熱
あるいは光による結合形成が可能である。すなわち本発
明においては少なくとも片方の界面が気相と接した状態
即ち一般的な塗布法により適当な支持体上に該液晶薄膜
を形成し、乾燥後、液晶相形成温度範囲内の温度で、デ
ィスコティックネマティック相またはディスコティック
相を形成させつつ一定時間熱処理し、そのまま続いて熱
重合させるかまたは光架橋重合させて後冷却することに
よって所望の薄膜を得ることができる。紫外線による光
重合開始剤を用いるラジカル重合やカチオン重合は一般
に極めて重合速度が大きく、製造工程では生産性の点で
好ましい。
【0058】本発明における光重合開始剤としては、α
−カルボニル化合物、アシロインエーテル、α−炭化水
素で置換された芳香族アシロイン化合物、多核キノン化
合物、トリアリールイミダゾールダイマー/p−アミノ
フェニルケトンの組み合わせ、アクリジン及びフェナジ
ン化合物、オキサジアゾール化合物等が挙げられる。本
発明における光開始剤系の量は、溶媒を除いた塗布組成
物の0.01%から20%の範囲で十分であり、更に好
ましくは0.5%から5%で良好な結果を得る。
【0059】更に本発明では、必要により、種々の有機
アミン化合物を併用することができ、それによってその
効果を増大せしめることができる。これらの有機アミン
化合物としては、例えばトリエタノールアミン、ジエタ
ノールアニリン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエ
ステル、ミヒラーケトンが挙げられる。有機アミン化合
物の添加量は全光重合開始剤の50〜200%が好まし
い。更に本発明で用いる光重合開始剤に必要に応じてN
−フェニルグリシン、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、N,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステ
ル等の水素供与性化合物を加えることによって更に光重
合開始能力を高めることができる。また、酸素による重
合阻害を抑制するために、界面活性剤を少量添加するこ
とも効果的である場合が多い。
【0060】エポキシ基の重合には、紫外線活性化カチ
オン触媒として、アリルジアゾニウム塩(ヘキサフルオ
ロフォスフェート、テトラフルオロボラート)、ジアリ
ルヨードニウム塩、VIa族アリロニウム塩(PF−6、
AsF6、SbF6のようなアニオンをもつアリルスル
ホニウム塩)が好ましく用いられる。また重合用の光線
としては、電子線、紫外線、可視光線、赤外線(熱線)
を必要に応じて用いることができるが、一般的には、紫
外線が用いられる。その光線としては、低圧水銀ランプ
(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラットライ
ト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライ
ドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ラ
ンプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)が挙げら
れる。本発明の化合物の場合は、254nmなどの短波の
紫外線は有効には用いられない場合もある。従って、光
重合開始剤も下記の近紫外に吸収帯を持つ化合物が好ま
しく用いられ、光源も高圧水銀ランプやメタルハライド
ランプなど近紫外光を強く放射できるものが好ましく用
いられる。
【0061】
【化25】
【0062】熱により結合を形成せしめる場合、反応を
促進するための物質を添加することも可能である。例え
ば塩基、例えば水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化アンモニウムが挙げられる)、
アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシドが挙げられ
る)、水素化金属(例えば、水素化ナトリウム、水素化
カルシウムが挙げられる)、アミン(例えば、ピリジ
ン、トリエチルアミン、ピペリジン、1,8−ジアザビ
シクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン(DBU)、テ
トラメチルブタンジアミン(TMBDA)、1,4−ジ
アザ〔2,2,2〕ビシクロオクタン(DABCO)が
挙げられる)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられる)、酢酸塩
(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムが挙げられ
る)が挙げられる。
【0063】また、例えば金属化合物(例えば、ジラウ
リン酸ジ−n−ブチルスズ、オクタン酸スズ、亜鉛アセ
チルアセトナートが挙げられる)が挙げられる。酸、例
えば鉱酸(例えば、硫酸、塩酸が挙げられる)、カルボ
ン酸(例えば、クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、サリチ
ル酸およびその誘導体が挙げられる)、スルホン酸(例
えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸が挙げられる)が挙げられる。なお、
重合は不活性ガス(例えば、アルゴン、ヘリウム、窒
素)下で行われることが重合速度の点で好ましい。
【0064】本発明の一般式(I)〜(V)で表される
化合物またはその重合物を用いて作製した膜上には、目
的によって金、白金、銀、マグネシウム、アルミニウム
のような金属による電極層が作製されてもよい。その場
合、蒸着法が一般によく用いられるが、化学的方法、電
気的方法により作製してもよい。
【0065】また、本発明の一般式(I)〜(V)で表
される化合物を用いて光導電性材料を作製する場合、本
発明の化合物を塗布、重合した薄膜のみを用いても良い
が、その場合本発明の化合物からなる膜は紫外光にしか
吸収を有さないものが多いため、光電荷発生するために
は、レーザーでいえば例えばエキシマーレーザー、YA
G第3高調波、N2 レーザー等の紫外光レーザーしか使
用できないものが多い。それに対し、本発明の化合物か
らなる膜の上層または下層に可視光または赤外光を吸収
して電荷を発生しうる電荷発生層を積層すれば、本発明
の化合物からなる膜を電荷輸送層として用いて、可視光
(例えばYAG第2高調波)または赤外光(例えばYA
Gレーザー、半導体レーザー)を用いた光電荷発生・輸
送材料、すなわち光導電性材料の作製が可能である。な
お、本発明の化合物からなる膜は正孔輸送剤として用い
られる方がより好ましい。ここで、電荷発生層の作製法
としては、一般に色素を適当な溶媒に溶解してスピンコ
ート、ディップコート、エクストルージョンコートなど
の方法で塗布する方法、蒸着による方法、あるいは色
素、顔料を適当なポリマー(ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート等)とペイ
ントシェーカー、サンドグラインダーミル等を用いて固
体分散したものを同様に塗布する方法などが挙げられ
る。
【0066】なお一般に、可視光を吸収する色素、顔料
としてはフタロシアニン系、ペリレン系、多環キノン
系、アゾ系が、赤外光を吸収する色素、顔料としてはフ
タロシアニン系、アズレニウム系などが用いられる。こ
れらの電荷発生材料としては電子写真の分野で知られた
化合物(例えば電子写真学会編、電子写真技術の基礎と
応用、440〜442頁(コロナ社、1988年刊)に
記載された化合物が挙げられる)を含む層が設けられて
もよい。
【0067】
【実施例】実施例1(化合物D−111、D−113、
D−115の合成)
【0068】
【化26】
【0069】特開平7−306317号に記載の方法に
より合成した 2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフ
ェニレン1 9.0g(27.8mmol) 、クロライド2
C50g(0.332mol)、炭酸カリウム70.0g
(0.5mol)、ヨウ化ナトリウム7.5g(50mmol)
をジメチルアセトアミド200mlに溶解し、120℃に
て6時間攪拌した。冷却後、水、酢酸エチルを加えて分
液し、有機相を水で2回洗浄した。硫酸マグネシウムで
乾燥後濃縮し、シリカゲル−酢酸エチル:ヘキサン=
1:1→2:1カラムで精製し、ヘキサアセチルオキシ
体3C結晶25.1g(収率89.7%)を得た。
【0070】3C 17.2g(17mmol)をエタノー
ル100mlに溶解し、そこに水酸化ナトリウム12.2
g(0.306mol)の水30ml溶液を加え2時間還流し
た。冷却後、塩酸を加えてpHを10とした後、食塩を
加え、酢酸エチルで3回抽出した。硫酸マグネシウムで
乾燥後濃縮し、ヘキサヒドロキシ体4C結晶11.5g
(89.4%)を得た。
【0071】4C 3.78g(5mmol)、トリエチル
アミン10.2g(10.1mmol)、ニトロベンゼン
0.3gをジメチルアセトアミド50mlに溶解し、氷冷
下攪拌した。ここにメタクリル酸クロライド6.27g
(60mmol)をゆっくり滴下し、さらに60℃にて1時
間攪拌した。水、酢酸エチルを加えて分液し、有機相を
水で2回洗浄したのち、開放系にて濃縮した。シリカゲ
ル−酢酸エチル:ヘキサン=1:2→1:1カラムで精
製し、メタノールから結晶化して、目的のD−115の
白色結晶3.95g(収率67.8%)を得た。 NMRスペクトル(CDCl3,δ,ppm) 1.97(18H,S,-CH3)、
2.0-2.2(24H,m,-CH2CH 2CH2CH2-) 、4.31(24H,-OCH2-)、
5.56(6H,S,=CH2) 、6.13(6H,S,=CH2) 、7.82(6H,S,arom
atic) DSC及び偏光顕微鏡による相転移温度測定 ディスコティック液晶相→71℃→等方相
【0072】以下、クロライド2Cのかわりにそれぞれ
2a、2bを用いる以外は全く同様にして目的のD−1
11、D−113を合成することができる。
【0073】D−111、NMRスペクトル(CDCl3,
δ,ppm) 1.97(18H,S,-CH3)、4.56(12H,t,-CH2O-)、4.67
(12H,t,-CH2O-)、5.60(6H,S,=CH2) 、6.18(6H,S,=CH2)
、8.02(6H,S,aromatic) DSC及び偏光顕微鏡による相転移温度測定 結晶相→84℃→ディスコティック液晶相→107℃→
等方相
【0074】D−113、NMRスペクトル(CDCl3,
δ,ppm) 1.97(18H,S,-CH3)、2.34(12H,m,-CH2CH2CH2-)
、4.37(12H,t,-CH2O-)、4.50(12H,t,-CH2O-)、5.60(6
H,S,=CH2) 、6.16(6H,S,=CH2) 、7.90(6H,S,aromatic) DSC及び偏光顕微鏡による相転移温度測定 結晶相→70℃→ディスコティック液晶相→82℃→等
方相
【0075】実施例2(化合物D−112 、D−114 の合
成)
【0076】
【化27】
【0077】メタクリル酸クロライドのかわりに等モル
のアクリル酸クロライドを用いる以外は同様にして、実
施例1における4b、4cと反応させることにより目的
のD−112、D−114を得ることができた。
【0078】D−112、NMRスペクトル(CDCl3,
δ,ppm) 2.32(12H,m,-CH2CH2CH2-) 、4.35(12H,m,-CH2O
-)、4.50(12H,m,-CH2O-)、5.85(6H,d,-CH=CH2)、6.18(6
H,t oft,-CH=CH2) 、6.47(6H,d,-CH=CH2)、7.88(6H,S,ar
omatic) DSC及び偏光顕微鏡による相転移温度測定 結晶相→76℃→ディスコティック液晶相→83℃→等
方相
【0079】D−114、NMRスペクトル(CDCl3,
δ,ppm) 1.95-2.15(24H,m,-CH2CH2CH2CH2-) 、4.30(24
H,m,-OCH2-)、5.82(6H,d,-CH=CH2)、6.15(6H,d of d,-C
H=CH2)、6.44(6H,d,-CH=CH2)、7.86(6H,S,aromatic) DSC及び偏光顕微鏡による相転移温度測定 ディスコティック液晶相→56℃→等方相
【0080】実施例3(化合物D−92の合成)
【0081】
【化28】
【0082】水酸化カルシウム53.4g(0.64mo
l)を600mlの水に溶解して攪拌し、ドライアイス−メ
タノール浴にて20℃を保ちながら臭素69.5g
(0.435mol)を30分かけて滴下した。さらに25
0mlのエーテルを加え、−8℃を保ちながら、アルコー
ル5 36.8g(0.375mol)を滴下し、さらに−
8℃にて30分攪拌した。その後30℃にて1時間攪拌
したあと再び氷水浴で10℃に冷却し、亜硫酸ナトリウ
ム15g(14.4mmol) を加えて20分間攪拌した。
塩酸72g、酢酸エチルを加えて分液し、硫酸鉄(II)
6.3g、濃硫酸6.9gの130ml水溶液で洗浄し、
10%炭酸ナトリウム水溶液で2回洗浄した。硫酸ナト
リウムを加えて乾燥し、蒸留(5mmHg 92℃)精製し
てブロマイド6の液体38.6g(収率58.3%)を
得た。
【0083】塩化銅(I)0.068g(0.68mmo
l) 、塩酸ヒドロキシルアミン0.23g(3.3mmol)
をエチルアミン33%、水溶液13.5mlに溶解し、
氷水冷下攪拌し、エチニルベンゼン7 4.7g(45
mmol) /メタノール11ml溶液を滴下した。30℃に昇
温した後ブロマイド6 7.97g(45mmol) /メタ
ノール7ml溶液を滴下し、40℃にて1時間攪拌した。
水、塩化メチレンを加えて分液し、有機相を水で2回洗
浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後濃縮し、シリカ
ゲル−酢酸エチル:ヘキサン=1:5→1:2カラムで
精製し、ジアセチレンアルコール8の液体7.30g
(収率81.8%)を得た。
【0084】ジアセチレンアルコール8 6.94g
(35mmol) 、ピリジン3.04g(38.5mmol) 、
DMF0.1g溶液を攪拌し、塩化チオニル6.25g
(52.5mmol)を加え60℃にて1時間加熱した。
水、エーテルを加え分液し、有機相を水洗した。硫酸マ
グネシウムで乾燥し、濃縮して、ジアセチレンクロライ
ド9の液体7.40g(収率97.4%)を得た。
【0085】ジアセチレンクロライド9 3.80(1
7.6mmol) 、ヒドロキシ安息香酸エチル2.66g
(16mmol) 、炭酸カリウム3.4g(24mmol) 、ヨ
ウ化ナトリウム2.4g(16mmol) をジメチルアセト
アミド50mlに溶解し、70℃にて2時間攪拌した。冷
却後、水、酢酸エチルを加えて分液し、有機相を水で2
回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、シリカ
ゲル−酢酸エチル:ヘキサン=1:10カラムで精製
し、エステル10の液体3.60g(収率65.0%)
を得た。
【0086】エステル10 3.46g(10mmol)を
エタノール20mlに溶解し、さらに水酸化カリウム1.
4g(25mmol)/水10mlを加え60℃にて1時間攪
拌した。冷却後塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチルを加
えて分液し、有機相を水で2回洗浄した。硫酸マグネシ
ウムで乾燥濃縮しカルボン酸11の固体3.18g(収
率100%)を得た。
【0087】メタンスルホニルクロライド1.15g
(10mmol)をテトラヒドロフラン10mlに溶解、攪拌
し、氷−メタノール浴下、カルボン酸11 3.18g
(10mmol)、ジイソプロピルエチルアミン1.42g
(11mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液を加え、
5℃にて20分攪拌した。さらに、4−ジメチルアミノ
ピリジン0.12g(1mmol)、ジイソプロピルエチル
アミン1.29g(10mmol)、ヘキサヒドロキシトリ
フェニレン1 0.32g(1mmol)のテトラヒドロフ
ラン溶液を滴下し、室温に戻し5時間攪拌した。水、塩
化メチレンを加えて分液し、有機相を水で2回洗浄し
た。硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、シリカゲル−酢
酸エチル:ヘキサン=1:3→塩化メチレン:ヘキサン
=1:1カラムで精製した。
【0088】メタノールから再結晶し、目的のD−92
の結晶1.68g(収率78.9%)を得た。 NMRスペクトル(CDCl3,δ,ppm) 1.7-1.9(12H,m,-CH2
CH2CH2-)、1.9-2.1(12H,m,-CH2CH2CH2-)、2.50(12H,t,-
CH2C≡C-) 、3.96(12H,t,-OCH2-)、6.65(12H,d,aromati
c)、7.2-7.4(18H,m,aromatic) 、7.48(12H,m,aromati
c)、7.88(12H,d,aromatic)、8.34(6H,S,aromatic) DSC及び偏光顕微鏡による相転移温度測定 液晶相→135℃→ディスコティック液晶相→147℃
→等方相
【0089】実施例4(薄膜作成−1) 2cm×2cmのITOコートガラス(一部電極とするため
テープでマスクした)上に本発明の化合物D−112の
酢酸エチル20wt%溶液100μリットルを500→100
0rpm にてスピンコートで塗布してD−112の薄膜を
作成した。メトラー社製FP-82 ホットステージ上で加熱
し、偏光顕微鏡で相変化挙動を観測したところ、結晶
相、ディスコティック液晶相を経て83℃にて暗視野と
なり等方相へ転移した。この薄膜を70℃にて放置した
ところ、過冷却状態にてディスコティック液晶状態へと
相転移した。
【0090】ここで紫外線照射装置(ULTRA-VIOLET PRO
DUCTS 社製 UVSL-588(16W)) を使用し、光源を膜から1
4cm離した状態にてアルゴン雰囲気下にて254nmの光
を20分光照射した。この状態では顕微鏡視野内のディ
スコティック液晶相の形態に変化は見られなかった。さ
らに120℃まで昇温しても等方相に転移することはな
く、また25℃に冷却しても結晶相に転移することはな
く、これはディスコティック液晶相を保ったまま重合さ
せることが出来たことを示している。なお、この膜は素
子を作成するのに十分な強固を有する。膜厚は8.5μ
m であった。この薄膜サンプルをD−112−70と名
付ける。
【0091】実施例5(薄膜作成−2) D−112の塩化メチレン20wt%溶液に重合開始剤イ
ルガキュア907(IRG-907,チバガイギー社製)をD−
112の0.03wt%を加え、光重合を空気下で行った
他は、実施例4と同様実験を行い、25〜120℃の範
囲でディスコティック液晶相を保つ十分な強固さの薄膜
を作成することができた。膜厚は5.0μm であった。
【0092】実施例6(薄膜作成−3) 実施例4にて、過冷却時の光重合温度を60℃とした以
外は全く同様にして薄膜D−112−60を作製した。
ここでも25〜120℃の範囲でディスコティック液晶
相を保つ十分な強固さの薄膜を作成することができた。
膜厚は4.4μm であった。
【0093】実施例7(薄膜作成−4) 実施例4にて、D−112のかわりにD−114を用い
60℃に加熱した後過冷却での重合温度を30℃とした
以外は全く同様にして薄膜D−114−30を作製し
た。この薄膜も25〜120℃の範囲にてディスコティ
ック液晶相を保ち、十分な強固さを有する。膜厚は5.
0μm であった。
【0094】実施例8(正孔ドリフト移動度測定用サン
プルの作製) トリスアゾ顔料21 70mg及びポリエステルのバイロ
ン200(東洋紡社製)70mgをテトラヒドロフラン8
ml、ガラスビーズ1mmφと共にマヨネーズびんに入れて
ペイントシェーカーにて固体分散した。
【0095】
【化29】
【0096】実施例4および6で作製した、ITOガラ
ス上の薄膜D−112−70、D−112−60、D−
114−30上に前記トリスアゾ顔料21の固体分散テ
トラヒドロフラン溶液50μリットルを500rpm でスピン
コートとし、電荷発生層を作成した。乾燥後、さらに電
極として金を約1000Å真空蒸着して、正孔ドリフト
移動度測定用サンプルD−112−70−G、D−11
2−60−G、D−114−30−Gを作製した。
【0097】実施例9(正孔ドリフト移動度の測定) Time of Flight法により、正孔ドリフト移動度の測定を
行った。Time of Flight法による測定については多くの
文献、成書等に記載されているが、たとえば電子写真学
会誌第22巻第1号69頁(1983年)に詳しく記載
されている。
【0098】ITOガラスを負極に、金を正極につない
で200V の電圧(約2〜4×10 5V/cmの電場)を印
加し、Q−スイッチNd:YAGレーザーの第二高調波
(532nm) を光源(160mW/cm2)として25℃にて
ITO側から照射した。回路に2000Ωの抵抗とオシ
ロスコープを接続し、得られた光電流の減哀曲線より正
孔ドリフト移動度μ=L2/vxtT cm2/vs(L:膜厚、
V:電圧、tT :電荷移動時間)を求めた。結果を比較
例とともに表1にまとめて記す。
【0099】
【表1】
【0100】現在電子写真に主に用いられている公知の
ポリビニルカルバゾール22やポリマー分散されたTP
D23等の値が10-5〜10-6cm2/v.s であることに比
べると、本発明の化合物D−112及びD−114から
成る薄膜は1×10-3以上の非常に大きい正孔ドリフト
移動速度を与えることがわかる。特にD−122では、
本来は結晶相である測定温度の25℃においても、本発
明の光重合薄膜D−112−70−G、D−112−6
0−Gは過冷却状態でのディスコティック液晶相を保っ
たまま固まっていることを示唆している。なお、電圧を
逆にかけると、正孔よりは遅いものの電子の移動も観測
され、電子輸送材料としても機能できる。
【0101】それに対しD.AdamらのBer.Bunsenges.Phy
s.Chem.,97 1366(1993)、Phys.Rev.Lett.,70 457(1993)
に記載された、ヘキサペンチルオキシトリフェニレン
24は液晶セル中、77℃のディスコティック液晶相に
て10-3cm2/v.s という本発明並の正孔ドリフト移動速
度を示すが、24は重合性基を有さないため液晶相のま
ま固めることができない。さらに26℃では深いトラッ
プを有する結晶相に転移してしまい、10-5cm2/v.s 以
下と本発明よりはるかに低い正孔ドリフト移動速度しか
示さなくなる。また24のみを用いて強固な薄膜を作成
することも不可能である。
【0102】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
の一般式(I)〜(V)で表される化合物を塗布した膜
を、液晶相をとりうる温度にて重合させることにより、
広い温度範囲にて液晶相の構造を保ち、高い電荷輸送性
を有する強固な薄膜を作成することができる。高い電荷
輸送性と、強固さを有する本発明の薄膜は電子写真のみ
ならず電界発光素子、二次電池、燃料電池等様々な分野
への応用が可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光または熱エネルギーにより反応して化
    学結合を生成し得る置換基を有する円盤状化合物または
    その反応物からなることを特徴とする電荷輸送材料。
  2. 【請求項2】 円盤状化合物が下記一般式(I)で表さ
    れることを特徴とする請求項1記載の電荷輸送材料。 【化1】 式中、Pは反応性置換基を表し、Dは分子の中心にあ
    り、合計n個の置換基A及び置換基(P−L)を放射状
    に配するn官能の基を表す。(n−k)個のAは各々独
    立に反応組成物の生成に寄与しない置換基を表し、Lは
    各々独立に、PとDを連結する基もしくは化学結合を表
    し、nは3〜8の整数を表し、kは1からnの整数を表
    す。k個のPは各々独立に、イソシアナート基、チオシ
    アナート基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールア
    ミノ基、メルカプト基、ホルミル基、アシル基、水酸
    基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホリル基、ハロカ
    ルボニル基、ハロスルホニル基、ハロホスホリル基、ア
    クリロイル基、メタアクリロイル基、クロトニル基、ビ
    ニルオキシ基、エポキシ基、アセチレン基、プロパギル
    基、アレニル基、ジアセチレン基を表す。
  3. 【請求項3】 該一般式(I)において反応性置換基P
    が各々独立に以下の重合性置換基M1 〜M4 のいずれか
    で表されることを特徴とする請求項1記載の電荷輸送材
    料。 【化2】 置換基M1 、M2 、M3 のR11、R12、R13、R21、R
    22、R23、R31、R32、R33はそれぞれ独立に水素原子
    またはアルキル基を表す。置換基M4 においてR41は水
    素原子、アルキル基、アリール基を表す。置換基M1
    おいてmは0または1を表す。
  4. 【請求項4】 光を吸収して電荷分離を行い電荷を発生
    する電荷発生層と請求項1〜3の一般式(I)にて表さ
    れる化合物またはその反応物、重合物からなる電荷輸送
    層からなることを特徴とする光導電性材料。
  5. 【請求項5】 下記一般式(II)〜(V)にて表される
    化合物またはその重合物からなることを特徴とする請求
    項1記載の電荷輸送材料。 【化3】 一般式(II)〜(V)中、M1 〜M4 は一般式(I)と
    同義である。一般式(II)中、トリフェニレン環に結合
    する6つのR1 は同じでも異なってもよい置換してもよ
    いアルキル基またはアリール基を表すが、そのうち少な
    くともひとつは置換基M1 を有する。一般式(III)中、
    トリフェニレン環に結合する6つのR2 は同じでも異な
    ってもよい置換してもよいアルキル基またはアリール基
    を表すが、そのうち少なくともひとつは置換基M2 を有
    する。一般式(IV) 中、トリフェニレン環に結合する6
    つのR3 は同じでも異なってもよい置換してもよいアル
    キル基またはアリール基を表すが、そのうち少なくとも
    ひとつは置換基M3 を有する。一般式(V) 中、トリフ
    ェニレン環に結合する6つのR4 は同じでも異なっても
    よい置換してもよいアルキル基またはアリール基を表す
    が、そのうち少なくともひとつは置換基M4 を有する。
  6. 【請求項6】 光を吸収して電荷分離を行い電荷を発生
    する電荷発生層と請求項5の一般式(II)〜(V)で表
    される化合物またはその重合物からなる電荷輸送層から
    なることを特徴とする光導電性材料。
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