JPH1115094A - ハロゲン化銀乳剤および晶癖制御剤 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤および晶癖制御剤

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JPH1115094A
JPH1115094A JP18587797A JP18587797A JPH1115094A JP H1115094 A JPH1115094 A JP H1115094A JP 18587797 A JP18587797 A JP 18587797A JP 18587797 A JP18587797 A JP 18587797A JP H1115094 A JPH1115094 A JP H1115094A
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silver halide
grains
silver
crystal habit
carbon atoms
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JP18587797A
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Tadashi Ikeda
正 池田
Kikue Katou
喜久枝 加藤
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 分光増感色素の吸着を阻害することのない晶
癖制御剤を用いて、高塩化銀(111)型粒子を含むハ
ロゲン化銀乳剤を得る。 【解決手段】 特定のジアザインデン化合物例えば下記
の化合物を晶癖制御剤として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化銀含有率が8
0モル%以上であり、かつ、その表面積の50%以上が
(111)面からなるハロゲン化銀粒子を含むハロゲン
化銀乳剤、およびハロゲン化銀粒子の晶癖制御剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塩化銀粒子および塩化銀含有率の高い
(80%以上の)粒子(以下、これらの粒子を高塩化銀
粒子と総称する)は、ハロゲン化銀写真感光材料におい
て普通に使用されている。高塩化銀粒子は、特に、印刷
用感光材料やプリント用感光材料おいて実際に使用され
ている。高塩化銀粒子は、以下のおよびの利点を有
している。 写真用処理液への溶解性が高いため、現像処理および
定着処理が短時間に完了する。従って、高塩化銀粒子を
含む写真感光材料は、迅速処理に適している。 可視域での吸収(固有感光性)が少なく、分光増感さ
れた領域と固有感光領域とが明確に分離されている。
【0003】一方、表面積の50%以上が(111)面
からなるハロゲン化銀粒子(以下、(111)型粒子と
称する)も、ハロゲン化銀写真感光材料において、普通
に使用されている。(111)型粒子は、(100)型
粒子に比べて、かぶりが生じにくい。そのため、金・硫
黄増感あるいは金・硫黄・セレン増感のような、増感作
用は強力であるがかぶりが生じやすい化学増感も、問題
なく(111)型粒子に対して実施できる。従って、
(111)型粒子を含むハロゲン化銀乳剤に金・硫黄増
感あるいは金・硫黄・セレン増感を実施すると、かぶり
が抑えられた高感度のハロゲン化銀写真感光材料を製造
することができる。(111)型平板状粒子は、(11
1)型粒子の利点に加えて、その大きな比表面積(体積
に対する表面積の割合)のため、有効に分光増感でき、
現像後の被覆力が大きいとの利点も有している。臭化銀
(111)型平板状粒子および沃臭化銀(111)型平
板状粒子は、ハロゲン化銀写真感光材料において使用さ
れている。一般の撮影用ハロゲン化銀写真感光材料(写
真フイルム)では、沃臭化銀(111)型平板状の粒子
が最も頻繁に用いられている。
【0004】高塩化銀粒子と(111)型粒子の特徴を
組み合わせた高塩化銀(111)型粒子は、以上述べた
利点を全て有することが予想される。しかし、高塩化銀
(111)型粒子、特に高塩化銀(111)型平板状粒
子の調製は容易ではなかった。高塩化銀粒子は、通常の
製造条件では(100)型粒子になる傾向を有してお
り、高塩化銀(111)型粒子を製造するためには特別
の工夫が必要である。米国特許4399215号明細書
(Wey)は、アンモニアを用いて高塩化銀平板粒子を
製造する方法を開示している。しかし、この方法は、ハ
ロゲン化銀溶剤としての機能を有するアンモニアを用い
ているため、溶解度の高い塩化銀粒子を、さらに溶解し
やすい条件下で製造することになる。溶解度の高い条件
下でハロゲン化銀粒子を形成すると、大きなサイズの粒
子が形成される。そのため、実用的に有用な小サイズ粒
子を製造することは困難であった。また、製造時のpH
が8〜10と高いため、粒子にかぶりが発生しやすいと
の問題もある。
【0005】米国特許5061617号明細書(Mas
kasky)は、チオシアン酸塩を用いて製造した高塩
化銀(111)型粒子を開示している。チオシアン酸塩
は、アンモニアと同様にハロゲン化銀溶剤としての機能
を有しており、塩化銀の溶解性を増加させる。従って、
チオシアン酸塩の使用には、アンモニアの使用の場合と
同様の問題が生じていた。また、高塩化銀粒子の形成段
階で、(111)面が外表面となるような添加剤(晶癖
制御剤)を使用する方法も知られている。晶癖制御剤を
開示した米国特許および公開公報の番号を以下に列挙す
る。
【0006】 ──────────────────────────────────── 米国特許および公開公報の番号 開示されている晶癖制御剤の種類 ──────────────────────────────────── 米国特許4400463号明細書 アザインデン類+チオエーテルペプタイザー 米国特許4783398号明細書 ジチアゾリジン−2,4−ジオン 米国特許4713323号明細書 アミノピラゾロビリミジン 米国特許4983508号明細書 ビスピリジニウム塩 米国特許5185239号明細書 トリアミノピリミジン 米国特許5178997号明細書 7−アザインドール系化合物 米国特許5178998号明細書 キサンチン 特開昭64−70741号公報 色素 特開平3−212639号公報 アミノチオエーテル 特開平4−283742号公報 チオ尿素誘導体 特開平4−335632号公報 トリアゾリウム塩 ────────────────────────────────────
【0007】以上のように種々の晶癖制御剤が提案され
ている。なお、上記の晶癖制御剤の種類に含まれる全て
の化合物が、晶癖制御機能(所望の形状のハロゲン化銀
粒子を形成する作用)を有しているわけではない。実際
に晶癖制御機能を有しているのは、上記の名称の化合物
の一部にすぎない。化合物の置換基を少し変更するだけ
で、形成されるハロゲン化銀粒子の形状が全く異なった
り、晶癖制御機能が消滅することが多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】晶癖制御剤を使用する
ことで、高塩化銀(111)型粒子を製造することがで
きる。しかし、晶癖制御剤は、分光増感剤のハロゲン化
銀粒子への吸着を阻害することがある。晶癖制御剤はハ
ロゲン化銀粒子の形成段階で使用し、分光増感剤は形成
された粒子の表面に吸着させて粒子を分光増感する。晶
癖制御剤が分光増感剤の吸着を阻害すると、乳剤の写真
性能が大きく低下し、高塩化銀(111)型粒子の利点
も損なわれる。晶癖制御機能が優れている化合物(例え
ば、前記米国特許に記載されているアザインデン類やト
リアミノピリミジン)は、特に分光増感剤の吸着を阻害
する場合が多い。
【0009】粒子を形成後に晶癖制御剤を除去し、それ
から分光増感色素を粒子に吸着させれば、上記の問題を
解決することができる。欧州特許584817号明細書
(Maskasky)は、粒子形成後にpHを下げて、
晶癖制御剤を粒子から脱着しやすくし、さらに5−ヨー
ド置換されたオキサカルボシアニン(分光増感色素)を
晶癖制御剤と交換して粒子に吸着させる方法を開示して
いる。ただし、シアニン色素の(111)面に対する吸
着は、一般に(100)面に比べて一般に劣っている
(臭化銀粒子では公知であり、塩化銀粒子でも同様であ
る)。従って、高塩化銀(111)型粒子において、晶
癖制御剤と分光増感色素とを完全に交換吸着させること
は難しい。また、このような方法では、使用する分光増
感色素が交換吸着可能な色素に限定され、製造条件が大
幅に制約される。さらに、交換吸着の処理が追加される
ため、ハロゲン化銀乳剤の製造コストに負担がかかる。
本発明の目的は、分光増感のような写真性能が低下して
いない高塩化銀(111)型粒子、特に高塩化銀(11
1)型平板状粒子を含むハロゲン化銀乳剤を提供するこ
とである。また本発明の目的は、分光増感色素を吸着を
阻害しない、ハロゲン化銀粒子の晶癖制御剤を提供する
ことでもある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)と(2)のハロゲン化銀乳剤および下記(3)の
晶癖制御剤により達成された。 (1)塩化銀含有率が80モル%以上であり、かつ、表
面積の50%以上が(111)面からなる分光増感され
たハロゲン化銀粒子を、ハロゲン化銀粒子の投影面積当
り50%以上含むハロゲン化銀乳剤であって、該ハロゲ
ン化銀粒子が下記式(I)で表されるジアザインデン化
合物の存在下において形成された粒子であることを特徴
とするハロゲン化銀乳剤。
【0011】
【化2】
【0012】式中、R1 は、水素原子、カルボキシ基ま
たは炭素原子数が2乃至11のアルコキシカルボニル基
であり、R2 は、水素原子、炭素原子数が1乃至10の
アルキル基、カルボキシ基または炭素原子数が2乃至1
1のアルコキシカルボニル基であり、R3 、R4 、R5
およびR6 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数
が1乃至14のアルキル基、炭素原子数が1乃至12の
アルコキシ基、炭素原子数が7乃至20のアラルキル基
または炭素原子数が7乃至20のアラルキルオキシ基で
ある。 (2)上記ハロゲン化銀粒子が、平均厚さ0.5μm以
下で平均アスペクト比5以上の平板状粒子である(1)
に記載のハロゲン化銀乳剤。 (3)上記式(I)で表わされるジアザインデン化合物
からなることを特徴とするハロゲン化銀粒子の晶癖制御
剤。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、下記式(I)で表され
るジアザインデン化合物を晶癖制御剤として使用するこ
とを特徴とする。
【0014】
【化3】
【0015】式(I)において、R1 は、水素原子、カ
ルボキシ基または炭素原子数が2乃至11のアルコキシ
カルボニル基(例、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、オクチルオキシカルボニル)である。アルコ
キシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至6であること
が好ましい。アルコキシカルボニル基のアルキル部分
は、環状アルキルよりも鎖状アルキルの方が好ましい。
鎖状アルキル部分は、分岐を有していてもよい。式
(I)において、R2 は、水素原子、炭素原子数が1乃
至10のアルキル基(例、メチル、エチル、ブチル)、
カルボキシ基または炭素原子数が2乃至11のアルコキ
シカルボニル基(例、エトキシカルボニル、プロポキシ
カルボニル、ペンチルオキシカルボニル)である。アル
キル基の炭素原子数は、1乃至5であることが好まし
い。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好まし
い。鎖状アルキル基は、分岐を有していてもよい。アル
コキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至6であるこ
とが好ましい。アルコキシカルボニル基のアルキル部分
は、環状アルキルよりも鎖状アルキルの方が好ましい。
鎖状アルキル部分は、分岐を有していてもよい。
【0016】式(I)において、R3 、R4 、R5 およ
びR6 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1
乃至14のアルキル基、炭素原子数が1乃至12のアル
コキシ基、炭素原子数が7乃至20のアラルキル基
(例、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル)また
は炭素原子数が7乃至20のアラルキルオキシ基(例、
ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニルプロポキ
シ、フェニルイソヘキシルオキシ)である。アルキル基
の炭素原子数は、1乃至10であることが好ましい。環
状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましい。鎖
状アルキル基は、分岐を有していてもよい。アルコキシ
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。ア
ルコキシ基のアルキル部分は、環状アルキルよりも鎖状
アルキルの方が好ましい。アルコキシ基の鎖状アルキル
部分は、分岐を有していてもよい。アラルキル基の炭素
原子数は、7乃至12であることが好ましい。アラルキ
ル基のアリール部分はフェニルであることが好ましい。
アラルキル基のアルキル部分は、環状アルキルよりも鎖
状アルキルの方が好ましい。アラルキル基の鎖状アルキ
ル部分は、分岐を有していてもよい。アラルキルオキシ
基の炭素原子数は、7乃至12であることが好ましい。
アラルキルオキシ基のアリール部分はフェニルであるこ
とが好ましい。アラルキルオキシ基のアルキル部分は、
環状アルキルよりも鎖状アルキルの方が好ましい。アラ
ルキルオキシ基の鎖状アルキル部分は、分岐を有してい
てもよい。
【0017】式(I)における、R3 、R4 、R5 およ
びR6 の炭素原子数の合計は、6乃至12であることが
特に好ましい。また、R3 、R4 、R5 およびR6 のう
ち、少なくとも一つが水素原子であることが好ましく、
少なくとも二つが水素原子であることがさらに好まし
い。本明細書において、アルキル基、アルコキシカルボ
ニル基、アルコキシ基、アラルキル基およびアラルキル
オキシ基は無置換である。前述したように、置換基を少
し変更するだけで、形成されるハロゲン化銀粒子の形状
が全く異なったり、晶癖制御機能が消滅することが多
い。以下に、式(I)で表わされるジアザインデン化合
物の具体例を示す。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】式(I)で表わされるジアザインデン化合
物からなる晶癖制御剤は、乳剤中のハロゲン化銀1モル
あたり、6×10-5モル〜6×10-1モルの範囲で用い
ることが好ましく、6×10-4モル〜6×10-2モルの
範囲で用いることが好ましい。なお、本発明の晶癖制御
剤は、分光増感色素の吸着を阻害しないとの効果がある
ため、ハロゲン化銀粒子の形成後に晶癖制御剤を除去す
る必要がない。従って、製造された乳剤中には、晶癖制
御剤が上記の範囲の量で残存することが可能であり、か
つ好ましい。なお、アザインデン化合物のうち、テトラ
ザインデン化合物は、かぶり防止剤または安定化剤とし
て知られているが、本発明が用いる式(I)で表わされ
るジアザインデン化合物は、かぶり防止機能や安定化機
能が非常に弱い。そのような式(I)で表わされる化合
物の性質は、ジアザインデン化合物をかぶり防止剤や安
定化剤のような写真作用を有する添加剤としてではな
く、ハロゲン化銀粒子の晶癖制御剤として使用する本発
明では都合が良い。
【0022】晶癖制御剤の添加時期については、ハロゲ
ン化銀粒子の形成段階であれば特に制限はない。従っ
て、ハロゲン化銀粒子の核形成時、物理熟成時あるいは
粒子成長途中の、いずれかの時期に晶癖制御剤を添加す
ることができる。晶癖制御剤は予め反応容器内に添加し
てもよい。また、粒子成長とともに反応容器内に添加し
てもよい。晶癖制御剤を徐々に反応容器内に添加し、反
応容器内の晶癖制御剤のの濃度を増加させてもよい。晶
癖制御剤を添加すると、ハロゲン化銀粒子の表面に(1
11)面が形成される。本発明の晶癖制御剤を用いる
と、(111)面を有する正常晶(八面体〜14面体)
粒子または平板状粒子を製造することができる。製造さ
れる粒子の形状は、主に核形成方法および晶癖制御剤の
添加時期と添加量に依存する。核形成方法について以下
に述べる。
【0023】正常晶粒子を製造する場合 核形成時には晶癖制御剤を存在させないことが好まし
い。核形成時の塩化物濃度は0.001乃至0.6モル
/リットルが好ましく、0.003乃至0.3モル/リ
ットルがさらに好ましく、0.01乃至0.1モル/リ
ットルが最も好ましい。 平板状粒子を製造する場合 平板状粒子は二つの平行な双晶面を形成することにより
得られる。双晶面の形成は、温度、分散媒(通常はゼラ
チン)の量やハロゲン濃度のような反応条件により左右
される。従って、平板状粒子の形成に適した反応条件を
設定しなければならない。晶癖制御剤を核形成時に存在
させる場合、ゼラチン濃度は0.1乃至10重量%であ
ることが好ましく、0.15乃至5重量%であることが
さらに好ましい。塩化物濃度は0.01乃至0.6モル
/リットルであることが好ましく、0.03乃至0.3
モル/リットルであることがさらに好ましい。核形成温
度は5乃至60℃であることが好ましく、15乃至50
℃であることがさらに好ましく、20乃至40℃である
ことが最も好ましい。
【0024】晶癖制御剤を核形成時に用いない場合、ゼ
ラチン濃度は0.03乃至10重量%であることが好ま
しく、0.05乃至1.0重量%であることがさらに好
ましい。塩化物濃度は0.001乃至1モル/リットル
であることが好ましく、0.003乃至0.1モル/リ
ットルであることがさらに好ましい。核形成温度は、2
乃至90℃であることが好ましく、5乃至80℃である
ことがさらに好ましく、5乃至40℃であることが最も
好ましい。次に、形成した核を、物理熟成および銀塩と
ハロゲン化物の添加により、晶癖制御剤存在下に成長さ
せる。粒子成長時の塩化物濃度は0.01乃至5モル/
リットルであることが好ましく、0.08乃至2モル/
リットルであることがさらに好ましい。粒子成長時の温
度は、10乃至90℃であることが好ましく、30乃至
80℃であることがさらに好ましい。核形成時に使用し
た分散媒(通常はゼラチン)の量が、粒子成長において
不足する場合は、分散媒を補充してもよい。粒子形成時
のゼラチン濃度は、10乃至60g/リットルであるこ
とが好ましい。粒子形成時のpHは、中性から酸性の範
囲に調整することが好ましい。
【0025】式(I)で表わされるジアザインデン化合
物からなる晶癖制御剤は、高塩化銀(111)型粒子
(好ましくは、高塩化銀(111)型平板状粒子)を含
むハロゲン化銀乳剤の製造に特に有効である。高塩化銀
粒子とは、塩化銀含有率が80モル%以上の粒子を意味
する。塩化銀含有率は、95モル%以上であることが好
ましく、98モル%以上であることがさらに好ましい。
塩化銀以外の部分は、臭化銀または沃化銀からなる。沃
臭化銀層を、粒子表面に局在させてもよい。沃臭化銀表
面層を設けると、分光増感色素の吸着が促進される。粒
子内部と外部のハロゲン組成が異なるコア/シェル型の
粒子であってもよい。高塩化銀粒子の表面近傍に少量の
沃化銀を局在させると、現像速度をさほど落とさず、増
感色素の吸着が改善され、さらに他の写真性も改善され
る場合が多い。ただし、粒子全体の沃化銀含有率は、5
モル%以下とするることが好ましく、2モル%以下とす
ることがさらに好ましく、1モル%以下とすることが最
も好ましい。
【0026】(111)型粒子とは、表面積の50%以
上が(111)面からなる粒子を意味する。表面積の7
0%以上が(111)面からなることが好ましい。(1
11)面の割合は、ハロゲン化銀粒子の電子顕微鏡写真
から測定することができる。平板状粒子とは、平均厚さ
0.5μm以下で平均アスペクト比5以上の粒子を意味
する。平板状粒子の「厚さ」とは、平板状粒子を構成す
る2つの平行な面の距離を意味する。平板状粒子の平均
厚さは、0.03乃至0.4μmであることが好まし
く、0.04乃至0.2μmであることがさらに好まし
く、0.04乃至0.1μmであることが最も好まし
い。アスペクト比は、粒子の直径/厚みの比を意味す
る。平均アスペクト比は、5乃至50であることが好ま
しい。ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは、正常晶粒
子の場合、0.1乃至5μmであることが好ましく、
0.2乃至3μmであることがさらに好ましい。なお、
ハロゲン化銀粒子の粒子サイズは、電子顕微鏡写真にお
ける粒子の投影面積に等しい面積の円の直径を意味す
る。
【0027】平板状粒子の平均粒子サイズは、0.3乃
至5.0μmであることが好ましく、0.5乃至3.0
μmであることがさらに好ましい。また、平板状粒子の
体積荷重平均体積は、0.0035乃至2μm3 である
ことが好ましく、0.007乃至1μm3 であることが
さらに好ましい。ハロゲン化銀粒子の粒子サイズの分布
は、単分散であることが好ましい。本発明のハロゲン化
銀乳剤は、以上述べたような晶癖制御剤の存在下で形成
された高塩化銀(111)型粒子を、ハロゲン化銀粒子
の投影面積当り50%以上含む。本発明の定義に従う高
塩化銀(111)型粒子は、乳剤中の全ハロゲン化銀粒
子の(粒子の投影面積当り)70%以上含まれているこ
とが好ましく、90%以上含まれていることがさらに好
ましい。本発明の定義に従う高塩化銀(111)型粒子
を含むハロゲン化銀乳剤と、他のハロゲン化銀乳剤とを
混合して使用してもよい。他のハロゲン化銀乳剤も、8
0モル%以上が塩化銀である高塩化銀乳剤であることが
好ましい。二種類以上のハロゲン化銀乳剤を混合して使
用する場合も、混合乳剤中に、本発明の定義に従う高塩
化銀(111)型粒子が、(粒子の投影面積当り)50
%以上含まれていることが好ましい。ハロゲン化銀乳剤
は、内部潜像型乳剤でも表面潜像型乳剤でもよい。
【0028】ハロゲン化銀粒子の製造時に、ハロゲン化
銀溶剤を用いてもよい。ハロゲン化銀溶剤の例には、チ
オシアン酸塩(米国特許2222264号、同2448
534号、同3320069号の各明細書記載)、チオ
エーテル化合物(米国特許3271157号、同357
4628号、同3704130号、同4297439
号、同4276347号の各明細書記載)、チオン化合
物およびチオ尿素化合物(特開昭53−144319
号、同53−82408号、同55−77737号の各
公報記載)およびアミン化合物(特開昭54−1007
17号公報記載)が含まれる。なお、アンモニアもハロ
ゲン化銀溶剤としての機能を有するが、乳剤の写真性能
に悪影響を及ぼす場合がある。ハロゲン化銀粒子形成ま
たは物理熟成の段階において、金属塩または金属錯塩を
共存させてもよい。金属塩および金属錯塩の例には、カ
ドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム
塩、イリジウム錯塩、ロジウム塩、ロジウム錯塩、鉄塩
および鉄錯塩が含まれる。イリジウム塩とロジウム塩が
特に好ましい。
【0029】ハロゲン化銀粒子は、銀塩溶液(例、Ag
NO3 水溶液)とハロゲン化物溶液(例、NaCl水溶
液)との添加により形成する。粒子成長を速めるため、
銀塩溶液とハロゲン化物溶液の添加速度、添加量または
添加濃度を、添加時問に従って上昇させてもよい。その
ような添加方法については、英国特許1335925
号、米国特許3672900号、同3650757号、
同4242445号の各明細書、特開昭55−1423
29、同55−158124号、同58−113927
号、同58−113928号、同58−111934
号、同58−111936号の各公報に記載がある。ハ
ロゲン化銀乳剤には、一般に化学増感を実施する。化学
増感は、貴金属増感、カルコゲン増感および還元増感に
分類される。貴金属増感は、金化合物(米国特許244
8960号、同3320069号の各明細書記載)ある
いはイリジウム、白金、ロジウム、パラジウムのような
他の貴金属化合物(米国特許2448060号、同25
66,245号、同2566263号の各明細書記載)
を増感剤として使用する。カルコゲン増感剤は、硫黄化
合物(米国特許2222264号明細書記載)、セレン
化合物あるいはテルル化合物を増感剤として使用する。
還元増感は、錫塩類、二酸化チオ尿素やポリアミン(米
国特許2487850号、同2518698号、同25
21925号の各明細書記載)を増感剤として使用す
る。二種類以上の化学増感方法を併用してもよい。金増
感、硫黄増感または金硫黄増感が特に好ましい。
【0030】本発明のハロゲン化銀乳剤には、分光増感
を実施する。分光増感色素は、一般にメチン色素の一種
である。分光増感色素の例には、シアニン色素、メロシ
アニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色
素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、ス
チリル色素およびヘミオキソノール色素が含まれる。シ
アニン色素、メロシアニン色素および複合メロシアニン
色素が好ましい。シアニン色素類のような分光増感色素
は、一般に塩基性ヘテロ環核を有する。塩基性ヘテロ環
核には、脂環式炭化水素環または芳香族炭化水素環が縮
合していてもよい。塩基性ヘテロ環核の例には、ピロリ
ン核、オキサゾリン核、チオゾリン核、ピロール抜、オ
キサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダ
ゾール核、テトラゾール核およびピリジン核が含まれ
る。縮合環核の例には、インドレニン核、ベンズインド
レニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナフ
トオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾ
ール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール核
およびキノリン核が含まれる。これらの核に含まれる炭
素原子は、置換基を有していてもよい。
【0031】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素は、ケトメチレン構造の核を有する化合物が含まれ
る。ケトメチレン構造の核は、一般に5員または6員の
ヘテロ環を有する。ケトメチレン構造の核の例には、ピ
ラゾリン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオ
オキサゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−
2,4−ジオン核、ローダニン核およびチオバルビツー
ル酸核が含まれる。分光増感色素については、リサーチ
・ディスクロージャー誌(Research Disclosure)、17
643号、23頁IV項(1978年12月)に記載が
ある。分光増感色素は、ハロゲン化銀粒子の形成後に、
ハロゲン化銀乳剤に添加することが普通である。最も普
通の添加時期は、化学増感の完了後、塗布前までの時期
である。ただし、化学増感剤と同時期に分光増感剤を添
加し、分光増感を化学増感と同時に行なうこともできる
(米国特許3628969号、同4225666号の各
明細書記載)。化学増感前に分光増感を実施してもよい
(特開昭58−113928号公報記載)。ハロゲン化
銀粒子の形成(沈澱)が完了する前に、分光増感剤を添
加し、分光増感を開始してもよい。さらに、一部の分光
増感剤を化学増感の前に添加時、残りの分光増感剤を化
学増感後に添加してもよい(米国特許4225666号
明細書記載)。ハロゲン化銀粒子の形成段階で、分光増
感剤を添加することもできる(米国特許4183756
号明細書記載)。
【0032】分光増感色素の添加量は、ハロゲン化銀1
モル当り、4×10-6乃至8×10-3モルの範囲である
ことが好ましい。ハロゲン化銀粒子の平均粒子径が0.
2乃至3μmの場合、分光増感色素の添加量は、5×1
0-5乃至2×10-3モルの範囲であることがさらに好ま
しい。ハロゲン化銀乳剤は、カラー写真感光材料または
黒自写真感光材料の製造に使用できる。カラー写真感光
材料には、カラーぺーパー、カラー撮影用フイルムやカ
ラーリバーサルフイルムが含まれる。黒白写真感光材料
には、X−レイ用フイルム、黒白撮影用フイルムや印刷
感材用フイルムが含まれる。本発明のハロゲン化銀乳剤
は、カラー写真感光材料、特にカラーぺーパーの製造に
好ましく用いることができる。写真感光材料のその他の
添加剤に関しては、特に制限はない。写真感光材料の添
加剤については、リサーチ・ディスクロージャー誌(Re
search Disclosure)、17643号(RD17643)
および同18716号(RD18716)に記載があ
る。RD17643とRD18716の記載を以下に示
す。
【0033】 ──────────────────────────────────── 添加剤の種類 RD17643 RD18716 ──────────────────────────────────── 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 648頁右欄 3 光増感剤、強色増感剤 23〜24頁 648頁右欄〜 4 増白剤 24頁 5 かぶり防止剤、安定剤 24〜25頁 649頁右欄 6 光吸収剤、フィルター 25〜26頁 649頁右欄〜650頁左欄 タ染料、紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左欄〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬膜剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 651頁左欄 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 12 塗布助剤、表面活性剤 26〜27貢 650頁右欄 13 スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 ────────────────────────────────────
【0034】かぶり防止剤や安定化剤としては、アゾー
ル類、メルカプト化合物類、チオケト化合物、アザイン
デン類、ベンゼンチオスルホン酸、ベンゼンスルフィン
酸やベンゼンスルホン酸アミドが好ましく用いられる。
アゾール類の例には、ベンゾチアゾリウム塩、ニトロイ
ミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベ
ンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、ニ
トロインダゾール類、ベンゾトリアゾール類およびアミ
ノトリアゾール類が含まれる。メルカプト化合物類の例
には、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチア
ゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプ
トチアジアゾール類、メルカプトテトラゾール類(例、
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)、メルカ
プトピリミジン類およびメルカプトトリアジン類が含ま
れる。チオケト化合物の例には、オキサゾリンチオンが
含まれる。アザインデン類の例には、トリアザインデン
類、テトラアザインデン類(例、4−ヒドロキシ置換
(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)およびペ
ンタアザインデン類が含まれる。かぶり防止剤や安定化
剤は、ハロゲン化銀粒子の形成が終了してから、ハロゲ
ン化銀乳剤に添加することが好ましく、分光増感色素の
添加が終了してから、乳剤に添加することがさらに好ま
しい。
【0035】カラー写真感光材料用のハロゲン化銀乳剤
は、一般にカラーカプラーを含む。カラーカプラーとし
ては、分子中にバラスト基とよばれる疎水性基を有する
耐拡散性化合物またはポリマー化されたカプラーを用い
ることが好ましい。カプラーは、一般に、銀イオンに対
して4当量性または2当量性の化合物である。色補正の
効果をもつカラードカプラーや現像に伴って現像抑制剤
を放出するカプラー(DIRカプラー)を用いてもよ
い。なお、DIRカプラーのカップリング反応の生成物
は、無色の現像抑制剤である。
【0036】マゼンタカプラーの例には、5−ピラゾロ
ンカプラー、ピラゾロベンズイミダゾールカプラー、ピ
ラゾロトリアゾールカプラー、ピラゾロテトラゾールカ
プラー、シアノアセチルクマロンカプラー、開鎖アシル
アセトニトリルカプラーが含まれる。イエローカプラー
の例には、アシルアセトアミドカプラー(例、ベンゾイ
ルアセトアニリド類、ピバロイルアセトアニリド類)が
含まれる。シアンカプラーの例には、ナフトールカプラ
ーおよびフェノールカプラーが含まれる。シアンカプラ
ーとしては、フェノール核のメタ位にエチル基を有する
フェノールカプラー、2,5−ジアシルアミノ置換フェ
ノールカプラー、2位にフェニルウレイド基を有し5位
にアシルアミノ基を有するフェノールカプラーおよびナ
フトールの5位にスルホンアミドまたはアミドが置換し
たナフトールカプラーがシアン色像の堅牢性が優れてお
り好ましい。これらの好ましいシアンカプラーについて
は、米国特許3772002号、同2772162号、
同3758308号、同4126396号、同4334
011号、同4327173号、同3446622号、
同4333999号、同4451559号、同4427
767号の各明細書に記載がある。カラーカプラーは、
形成する色像の色相を調整するため、同一層に二種類以
上を併用することができる。また、同一のカラーカプラ
ーを、二層以上に添加してもよい。
【0037】ハロゲン化銀乳剤層に、褪色防止剤(色素
画像安定剤)を添加してもよい。褪色防止剤の例には、
ヒンダードフェノール類(例、ハイドロキノン類、6−
ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラン類、ス
ピロクロマン、p−アルコキシフェノール類、ビスフェ
ノール類)、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼ
ン類、アミノフェノール類およびヒンダートアミン類が
含まれる。これらの化合物のフェノール性水酸基を、シ
リル化あるいはアルキル化した、エーテルもしくはエス
テル誘導体も褪色防止剤として用いることができる。さ
らに、(ビスサリチルアルドキシマト)ニッケル錯体や
(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバマト)ニッケ
ル錯体のような金属錯体も、褪色防止機能を有してい
る。ハロゲン化銀写真感光材料は、公知の方法に従い処
理して画像を形成することができる。処理温度は、一般
に18乃至50℃であるが、18℃より低い温度や50
℃を越える温度で処理する場合もある。目的に応じて、
銀画像を形成する現像処理(黒白写真処理)、あるい
は、色素像を形成するカラー写真処理を実施する。
【0038】黒白現像液の現像主薬の例には、ジヒドロ
キシベンゼン類(例、ハイドロキノン)、3−ビラゾリ
ドン類(例、1−フェニル−3−ビラゾリドン)および
アミノフェノール類(例、N−メチル−p−アミノフェ
ノール)が含まれる。二種類以上の黒白現像主薬を併用
してもよい。カラー現像液は、一般に、発色現像主薬を
含むアルカリ性水溶液である。発色現像主薬としては、
一級芳香族アミン類、特にフェニレンジアミン類が代表
的である。フェニレンジアミン類の例には、4−アミノ
−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ
−N,N−ジエチルアニリン、4−アミノ−N−エチル
−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4
−アミノ−N−エチルーN −β−ヒドロキシエチルアニ
リン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−
メタンスルホアミドエチルアニリンおよび4−アミノ−
3−メチル−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニ
リンが含まれる。その他の発色現像主薬については、L.
F.A.メソン著「フォトグラフィック・プロセシン・ケミ
ストリー」、フォーカル・プレス刊(1966年)の2
26〜229頁、米国特許2193015号、同259
2364号の各明細書、特開昭48−64933号公報
に記載がある。
【0039】現像液には現像主薬に加えて、pH緩衝剤
(例、アルカリ金属の亜硫酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、リ
ン酸塩)や現像抑制剤またはカブリ防止剤(例、臭化
物、沃化物、有機かぶり防止剤)を添加してもよい。ま
た、硬水軟化剤、保恒剤(例、ヒドロキシルアミン)、
有機溶剤(例、ベンジルアルコール、ジエチレングリコ
ール)、現像促進剤(例、ポリエチレングリコール、四
級アンモニウム塩、アミン類)、色素形成カプラー、競
争カブラー、かぶらせ剤(例、ナトリウムボロンハイド
ライド)、補助現像薬(例、1−フェニル−3−ピラゾ
リドン)、粘性付与剤、ポリカルボン酸系キレート剤
(米国特許4083723号明細書記載)や酸化防止剤
(西独特許公開2622950号明細書記載)を現像液
に添加することもできる。
【0040】カラー現像処理を実施する場合、現像後の
写真感光材料には、通常漂白処理を実施する。漂白処理
は、定着処理と同時に実施してもよい。漂白剤として
は、多価金属(例、鉄(III) 、コバルト(III) 、クロム
(VI)、銅(II))の化合物、過酸類、キノン類あるいはニ
トロソ化合物が用いられる。漂白剤の例には、フェリシ
アン化物、重クロム酸塩、鉄(III) またはコバルト(II
I) と有機酸(例、エチレンジアミン四錯塩、ニトリロ
トリ酢酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢
酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸)の錯塩、過硫酸塩、
過マンガン酸塩、ニトロソフェノールが含まれる。フェ
リシアン化カリ、エチレンジアミン四錯塩鉄(III) ナト
リウムおよびエチレンジアミン四錯塩鉄(III) アンモニ
ウムは、特に好ましい漂白剤である。エチレンジアミン
四錯塩鉄(III) 錯塩は、独立の漂白液においても、一浴
漂白定着液においても好ましく使用できる。漂白液や漂
白定着液には、漂白促進剤(米国特許3042520
号、同3241966号の各明細書、特公昭45−85
06号、同45−8836号の各公報に記載)やチオー
ル化合物(特開昭53−65732号公報記載)のよう
な添加剤を加えてもよい。漂白処理後または漂白定着処
理後は、水洗処理または安定化浴処理を実施してもよ
い。
【0041】
【実施例】
実施例1 純塩化銀正常晶粒子の調製 水1リットル中に塩化ナトリウム4.8gおよび不活性
ゼラチン30gを添加して得られた水溶液を入れ60℃
に保った容器中へ、攪拌しながら硝酸銀水溶液600m
l(硝酸銀21.3g)と塩化ナトリウム水溶液600
ml(塩化ナトリウム7.74g)をダブルジェット法
により20分間で添加した。後述する第1表に示す粒子
2および3の形成では、硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム
水溶液の添加終了から5分後に、晶癖制御剤を添加し
た。粒子2および3の形成では晶癖制御剤の添加から5
分後、粒子1の形成では硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム
水溶液の添加終了から10分後に、硝酸銀水溶液300
ml(硝酸銀112.5g)と塩化ナトリウム水溶液3
00ml(塩化ナトリウム40.14g)を60分間か
けて添加した。ただし、粒子1の形成では、硝酸銀の添
加量の合計が37.5gになった時点で晶癖制御剤の全
量を添加した。添加終了後、温度を40℃に下げてから
アニオン系沈降剤を合む水溶液を加え全量を3リットル
した後、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpH
を下げた。次に全体積の85%の上澄み液を除去した
(第1水洗)。さらに除去したものと同量の蒸留水を加
えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。
再度全体積の85%の上澄み液を除去した(第2水
洗)。第2水洗と同じ操作をさらに1回繰り返し(第3
水洗)て脱塩工程を終了した。ゼラチン80gとフェノ
ール(5%)85mlおよび蒸留水242mlを添加し
た。苛性ソーダと硝酸銀溶液で、pH6.2、pAg
7.5に調整した。このようにして純塩化銀で平均球相
当直径0.57μmの粒子を得た。粒子形状は、第1表
に示す。
【0042】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 乳剤 晶癖制御剤 粒子形状 種類 添加量(モル/モル銀) 添加時期 ──────────────────────────────────── 1 (1) 2.0×10-3 硝酸銀37.5g添加時 14面体 2 (1) 2.0×10-3 硝酸銀21.3g添加時 8面体 3 A 4.0×10-3 硝酸銀21.3g添加時 8面体 ────────────────────────────────────
【0043】
【化7】
【0044】乳剤塗布液の調製 乳剤2または3に、下記の分光増感色素−1を5×10
-4モル/モル銀添加して、60℃で30分間攪拌した。
さらにハロゲン化銀1モル当り、ゼラチンを120g、
下記の化合物−1を1.6gおよび下記の化合物−2を
1.6g添加して、乳剤塗布液とした。
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】塗布液のpHを6.0に調整した後、ゼラ
チンを含む表面保護層塗布液と共に、トリアセチルセル
ロース支持体上に、塗布銀量が1.4g/m2 になるよ
うに塗布し、塗布試料BおよびCを得た。
【0048】分光増感色素吸着の評価 塗布試料BおよびCの吸収率を測定した(日立制作所製
のU3500型スペクトロフォトメーターを使用)。結
果を下記第2表に示す。
【0049】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 塗布試料 乳剤 晶癖制御剤 550nmでの吸収率 ──────────────────────────────────── B 2 (1) 48.9% C 3 A 16.2% ────────────────────────────────────
【0050】使用した分光増感色素−1は、緑感性の色
素で550nmにJバンドを形成する。本発明に従う晶
癖制御剤(2)を使用して製造したハロゲン化銀写真感
光材料は、比較用の晶癖制御剤Aを使用して製造した感
光材料よりも、良好な色素の吸収を示した。
【0051】実施例2 本発明に従う純塩化銀平板状粒子の調製 水1.68リットル中に塩化ナトリウム3.8g、本発
明に従う晶癖制御剤(2)を2ミリモルおよび不活性ゼ
ラチン10gを添加して得られた水溶液を入れ30℃に
保った容器中へ、攪拌しながら硝酸銀水溶液28.8m
l(硝酸銀7.34g)と塩化ナトリウム水溶液28.
8ml(塩化ナトリウム2.71g)をダブルジェット
法により1分間で添加した。添加終了2分後に10%不
活性ぜラチン水溶液188gを添加した。次の15分間
で反応容器の温度を75℃に昇温した。75℃で12分
間熟成した後、硝酸銀水溶液480ml(硝酸銀12
2.7g)と塩化ナトリウム水溶液を39分間かけて加
速された流量で添加した。この間の電位は飽和カロメル
電極に対して+100mVに保った。
【0052】添加終了後、温度を40℃に下げてからア
ニオン系沈降剤(イソブテンとマレイン酸モノナトリウ
ム塩とのコポリマー)を含む水溶液を加え、全量を3リ
ットルにした後、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降する
までpHを下げた。次に全体積の85%の上澄み液を除
去した(第1水洗)。さらに除去したものと同量の蒸留
水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加
えた。再度全体積の85%の上澄み液を除去した(第2
水洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1回繰り返し(第
3水洗)て、脱塩工程を終了した。ゼラチン80g とフ
ェノール(5%)85mlおよび蒸留水242mlを添
加した。苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH6.2、pAg
7.5に調整した。このようにして、純塩化銀で平均球
相当直径0.85μmで平均厚み0.13μmの平板状
粒子を得た。図1に、粒子構造の電子顕微鏡写真を示
す。図1は、得られた平板状粒子の電子顕微鏡写真(3
000倍)である。写真中の黒丸は、直径0.5μmの
ラテックス粒子である。
【0053】比較用の純塩化銀平板状粒子の調製 水1.68リットル中に塩化ナトリウム3.8g、実施
例1で用いた比較用の晶癖制御剤Aを1.5ミリモルお
よび不活性ゼラチン30gを添加して得られた水溶液を
入れ30℃に保った容器中へ、攪拌しながら硝酸銀水溶
液28.8ml(硝酸銀7.34g)と塩化ナトリウム
水溶液28.8ml(塩化ナトリウム2.71g)をダ
ブルジェット法により1分間で添加した。次の15分間
で反応容器の温度を75℃に昇温した。75℃で12分
間熟成した後、硝酸銀水溶液480ml(硝酸銀12
2.7g)と塩化ナトリウム水溶液を39分間かけて加
速された流量で添加した。この間の電位は飽和カロメル
電極に対して+100mVに保った。
【0054】添加終了後、温度を40℃に下げてからア
ニオン系沈降剤を含む水溶液を加え、全量を3リットル
にした後、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでp
Hを下げた。次に全体積の85%の上澄み液を除去した
(第1水洗)。さらに除去したものと同量の蒸留水を加
えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。
再度全体積の85%の上澄み液を除去した(第2水
洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1回繰り返し(第3
水洗)て、脱塩工程を終了した。ゼラチン80g とフェ
ノール(5%)85mlおよび蒸留水242mlを添加
した。苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH6.2、pAg
7.5に調整した。このようにして、純塩化銀で平均球
相当直径0.86μmで平均厚み0.11μmの平板状
粒子を得た。
【0055】以上のように得られた二種類の乳剤を攪拌
しながら、56℃に保った状態で化学増感を実施した。
まず、球相当径0.5μmの純臭化銀微粒子を塩化銀1
モル当り0.01モル添加した。10分経過後、下記の
分光増感色素−2を1×10-3モル/モル銀、下記の分
光増感色素−3を1×10-5モル/モル銀およびチオシ
アン酸カリウムを添加した。その5分後に、4−ヒドロ
キシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザイン
デンを6×10-4モル/モル銀添加した。さらに、塩化
カルシウム水溶液0.5gを添加した。引続き、チオ琉
酸ナトリウム4.4×10-6モル/モル銀と下記のセレ
ン化合物−1を2.2×10-6モル/モル銀と、塩化金
酸1.0×10-5モル/モル銀を添加し、30分後に3
5℃に冷却した。このようににて乳剤D(本発明)およ
び乳剤E(比較用)を得た。各乳剤には、それぞれ下記
のカプラー−1を加えた。
【0056】
【化10】
【0057】
【化11】
【0058】
【化12】
【0059】
【化13】
【0060】乳剤塗布層の調製 化学増感を実施した乳剤DおよびEに、1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾール(かぶり防止剤)、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム(塗布助剤)、トリク
レジルホスフェートおよびゼラチンを順次加えて、塗布
液を調製した。得られた乳剤塗布液を、ゼラチンを含む
保護層塗布液と共に、下塗り層を設けたトリアセチルセ
ルロース支持体上に塗布し、塗布試料DおよびEを得
た。
【0061】塗布試料DおよびEに対して、干渉フィル
ターを用いて365nmおよび550nmのウェッジ露
光を与えた後、現像処理(富士写真フイルム(株)製の
CN16を使用)を行ない、写真性能を比較した。な
お、露光は、1/100秒間行なった。結果を第3表に
示す。感度は、かぶり+0.2の濃度を与えるのに要す
る露光量の逆数の対数で求め、試料Eの相対感度を10
0とした。
【0062】
【表3】 第3表 ──────────────────────────────────── 試料 乳剤 晶癖制御剤 365nmの感度 550nmの感度 かぶり ──────────────────────────────────── D D (2) 100 162 0.06 E E A 100 100 0.12 ────────────────────────────────────
【0063】第3表に示される結果から明らかなよう
に、本発明に従うハロゲン化銀乳剤を用いて製造したハ
ロゲン化銀写真感光材料は、高感度でかぶりが低い。感
度における優位性は、550nmのの分光増感領域で顕
著である。これは、使用した晶癖制御剤が、分光増感色
素の吸着を阻害しないことによる結果であると考えられ
る。
【0064】
【発明の効果】本発明に従うジアザインデン化合物を晶
癖制御剤として使用すると、分光増感色素のハロゲン化
銀粒子への吸着を阻害することなく、高塩化銀(11
1)型粒子を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2において、本発明の晶癖制御剤(2)
を用いて得られた平板状粒子の電子顕微鏡写真(300
0倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07D 471/04 108 C07D 471/04 108A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化銀含有率が80モル%以上であり、
    かつ、表面積の50%以上が(111)面からなる分光
    増感されたハロゲン化銀粒子を、ハロゲン化銀粒子の投
    影面積当り50%以上含むハロゲン化銀乳剤であって、
    該ハロゲン化銀粒子が下記式(I)で表されるジアザイ
    ンデン化合物の存在下において形成された粒子であるこ
    とを特徴とするハロゲン化銀乳剤。 【化1】 式中、R1 は、水素原子、カルボキシ基または炭素原子
    数が2乃至11のアルコキシカルボニル基であり、R2
    は、水素原子、炭素原子数が1乃至10のアルキル基、
    カルボキシ基または炭素原子数が2乃至11のアルコキ
    シカルボニル基であり、R3 、R4 、R5 およびR6
    は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1乃至1
    4のアルキル基、炭素原子数が1乃至12のアルコキシ
    基、炭素原子数が7乃至20のアラルキル基または炭素
    原子数が7乃至20のアラルキルオキシ基である。
  2. 【請求項2】 上記ハロゲン化銀粒子が、平均厚さ0.
    5μm以下で平均アスペクト比5以上の平板状粒子であ
    る請求項1に記載のハロゲン化銀乳剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の式(I)で表わされる
    ジアザインデン化合物からなることを特徴とするハロゲ
    ン化銀粒子の晶癖制御剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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