JPH11152252A - 炭酸ジアリールの製造方法 - Google Patents

炭酸ジアリールの製造方法

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JPH11152252A
JPH11152252A JP10264271A JP26427198A JPH11152252A JP H11152252 A JPH11152252 A JP H11152252A JP 10264271 A JP10264271 A JP 10264271A JP 26427198 A JP26427198 A JP 26427198A JP H11152252 A JPH11152252 A JP H11152252A
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oxalate
diaryl
weight
producing
catalyst
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JP10264271A
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English (en)
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Keigo Nishihira
圭吾 西平
Hideji Tanaka
秀二 田中
Hirofumi Ii
宏文 井伊
Shinichi Yoshida
信一 吉田
Yutaka Asada
裕 浅田
Kazuo Miyamoto
一夫 宮本
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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    • Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、シュウ酸ジアリールを脱CO触媒
の存在下で脱CO反応させて炭酸ジアリールを製造する
にあたり、工業的に好適な炭酸ジアリールの製造方法、
特に、原料のシュウ酸ジアリールや脱CO触媒を脱CO
反応に影響を与えないような好適な形態で用いて、高転
化率及び高選択率で、炭酸ジアリールを工業的に製造で
きる方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、シュウ酸ジアリールを
脱CO触媒の存在下で脱CO反応させて炭酸ジアリール
を製造するにあたり、シュウ酸ジアリールに含まれる芳
香族ヒドロキシ化合物、シュウ酸アルキルアリール、水
分などを制御したシュウ酸ジアリールを用いることを特
徴とする炭酸ジアリールの製造方法や、シュウ酸ジアリ
ール及び脱CO触媒を含有する原料混合液に含まれる水
分を制御したシュウ酸ジアリールを用いることを特徴と
する炭酸ジアリールの製造方法によって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シュウ酸ジアリー
ルを脱CO反応させて炭酸ジアリールを工業的に製造す
る方法に関する。炭酸ジアリールは、ポリカーボネート
等の製造原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】シュウ酸ジエステルを脱CO反応させて
炭酸エステルを製造する方法としては、シュウ酸ジフェ
ニルを蒸留フラスコ中で無触媒下で煮沸して炭酸ジアリ
ールを製造する方法が知られている(有機合成協会誌,
5,報47(1948),70)。しかしながら、この
方法は、シュウ酸ジフェニルの選択率及び収率が低く、
しかも反応温度が高いために工業的に非常に不利である
という問題がある。
【0003】また、シュウ酸ジアルキル等のシュウ酸ジ
エステルをアルコラート触媒の存在下に50〜150℃
で液相で加熱して炭酸ジアルキル等の炭酸エステルを製
造する方法も報告されているが(米国特許454450
7号)、公報記載の実施例によれば、この方法は、シュ
ウ酸ジフェニルをカリウムフェノキシド触媒の存在下で
加熱しても原料のシュウ酸ジフェニルを主生成物として
与えるに過ぎず、炭酸ジアリールを製造するには工業的
に有利な方法であるとは言い難い。
【0004】一方、前記の問題を解決できる方法とし
て、シュウ酸ジアリールを脱CO触媒の存在下で加熱し
て炭酸ジアリールを製造する方法が開示されている(特
開平8−333307号公報)。この方法は、炭酸ジア
リールを高転化率及び高選択率で製造できるため、前記
の方法に比べて非常に優れているものであるが、工業的
に実施するには更に解決すべき点が残されている。即
ち、原料のシュウ酸ジアリールは各種の方法で製造され
るが、シュウ酸ジアリールを脱CO触媒の存在下で脱C
O反応させて炭酸ジアリールを製造するにあたり、この
シュウ酸ジアリールや脱CO触媒を脱CO反応に影響を
与えないような好適な形態で用いて、高転化率及び高選
択率で、炭酸ジアリールを工業的に製造する方法は知ら
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シュウ酸ジ
アリールを脱CO触媒の存在下で脱CO反応させて炭酸
ジアリールを製造するにあたり、工業的に好適な炭酸ジ
アリールの製造方法、特に、原料のシュウ酸ジアリール
や脱CO触媒を脱CO反応に影響を与えないような好適
な形態で用いて、高転化率及び高選択率で、炭酸ジアリ
ールを工業的に製造できる方法を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、シュウ
酸ジアリールを脱CO触媒の存在下で脱CO反応させて
炭酸ジアリールを製造するにあたり、シュウ酸ジアリー
ルに含まれる芳香族ヒドロキシ化合物を1重量%以下と
したシュウ酸ジアリールを用いることを特徴とする炭酸
ジアリールの製造方法、シュウ酸ジアリールに含まれる
シュウ酸アルキルアリールを1重量%以下としたシュウ
酸ジアリールを用いることを特徴とする炭酸ジアリール
の製造方法、シュウ酸ジアリールに含まれる水分を脱C
O触媒に対して等モル以下としたシュウ酸ジアリールを
用いることを特徴とする炭酸ジアリールの製造方法、及
びシュウ酸ジアリール及び脱CO触媒を含有する原料混
合液に含まれる水分を脱CO触媒に対して等モル以下と
した原料混合液を用いることを特徴とする炭酸ジアリー
ルの製造方法によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では、炭酸ジアリールは次
式で示されるシュウ酸ジアリールの脱CO反応によって
生成する。
【0008】
【化1】 (式中、Arはアリール基を表す。)
【0009】シュウ酸ジアリールとしては、Arで表さ
れる前記のアリール基が、フェニル基、置換フェニル
基、ナフチル基、又は置換ナフチル基などであるものが
挙げられる。この置換基としては、例えば、メチル基、
エチル基等の炭素数1〜12のアルキル基や、メトキシ
基、エトキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基や、
フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子や、ニトロ基な
どが挙げられる。
【0010】前記の置換フェニル基、置換ナフチル基は
各種異性体を含む。例えば、置換フェニル基の異性体と
しては、o−(又はm−、p−)メチルフェニル基、o
−(又はm−、p−)エチルフェニル基等のフェニル基
のo−(又はm−、p−)位に炭素数1〜12のアルキ
ル基を有するアルキル置換フェニル基や、o−(又はm
−、p−)メトキシフェニル基、o−(又はm−、p
−)エトキシフェニル基等のフェニル基のo−(又はm
−、p−)位に炭素数1〜12のアルコキシ基を有する
アルコキシ置換フェニル基や、o−(又はm−、p−)
フルオロフェニル基、o−(又はm−、p−)クロロフ
ェニル基等のフェニル基のo−(又はm−、p−)位に
フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を有するハロゲ
ン置換フェニル基や、o−(又はm−、p−)ニトロフ
ェニル基などが挙げられる。
【0011】前記のシュウ酸ジアリールは、各種の方
法、例えば、シュウ酸と芳香族ヒドロキシ化合物を触媒
存在下でエステル化反応させる方法(特公昭52−43
826号公報)、あるいはシュウ酸ジアルキルと芳香族
ヒドロキシ化合物を触媒存在下でエステル交換反応させ
る方法などにより製造される。なお、この芳香族ヒドロ
キシ化合物やカルボン酸アリールは、Arで表される前
記のアリール基に相当するアリール基を有する化合物で
ある。これらの方法によって製造されるシュウ酸ジアリ
ールは、いずれも本発明の脱CO反応に用いることがで
きるが、本発明では、中でもシュウ酸ジアルキルと芳香
族ヒドロキシ化合物をエステル交換反応させる方法によ
って製造されるシュウ酸ジアリールを用いることが好ま
しい。
【0012】本発明では、シュウ酸ジアリールの脱CO
反応において、97.0重量%以上、特に99.0重量
%以上の純度を有するシュウ酸ジアリールを用いること
が好ましいが、更に、シュウ酸ジアリールに含まれる芳
香族ヒドロキシ化合物を1重量%以下、特に0.5重量
%以下としたシュウ酸ジアリールを用いることが好まし
い。また、本発明では、シュウ酸ジアリールの脱CO反
応において、97.0重量%以上、特に99.0重量%
以上の純度を有するシュウ酸ジアリールを用いることが
好ましいが、更に、シュウ酸ジアリールに含まれるシュ
ウ酸アルキルアリールを1重量%以下、特に0.1重量
%以下としたシュウ酸ジアリールを用いることが好まし
い。また、本発明では、シュウ酸ジアリールの脱CO反
応において、シュウ酸ジアリールの脱CO反応におい
て、97.0重量%以上、特に99.0重量%以上の純
度を有するシュウ酸ジアリールを用いることが好ましい
が、更に、シュウ酸ジアリール(溶融状態のシュウ酸ジ
アリール)に含まれる水分を、脱CO反応に用いられる
脱CO触媒に対して等モル以下、特に0.5モル以下、
更には0.3モル以下としたシュウ酸ジアリールを用い
ることが好ましい。
【0013】また、本発明では、シュウ酸ジアリールの
脱CO反応において、97.0重量%以上、特に99.
0重量%以上の純度を有すると共に、シュウ酸ジアリー
ルに含まれる芳香族ヒドロキシ化合物を1重量%以下、
特に0.5重量%以下とし、シュウ酸ジアリールに含ま
れるシュウ酸アルキルアリールを1重量%以下、特に
0.1重量%以下とし、シュウ酸ジアリールに含まれる
水分を脱CO反応に用いられる脱CO触媒に対して等モ
ル以下、特に0.5モル以下、更には0.3モル以下と
したシュウ酸ジアリールを用いることが特に好ましい。
【0014】このようなシュウ酸ジアリールは、前記の
方法、特にシュウ酸ジアルキルと芳香族ヒドロキシ化合
物をエステル交換反応させる方法によって得られる反応
液(エステル交換反応液;シュウ酸ジアリール、シュウ
酸アルキルアリール、未反応原料及び触媒を含有する)
から、シュウ酸ジアリールを蒸留精製する方法などによ
って得ることができる。この蒸留精製は必要に応じて繰
り返し行うことができ、それによって目的のシュウ酸ジ
アリールを得ることができる。
【0015】また、本発明では、シュウ酸ジアリールの
脱CO反応において、シュウ酸ジアリール及び脱CO触
媒を含有する原料混合液(溶融状態の原料混合液)に含
まれる水分を、脱CO触媒に対して等モル以下、特に
0.5モル以下、更には0.3モル以下とした原料混合
液を用いることが好ましい。このとき、シュウ酸ジアリ
ールは97.0重量%以上、特に99.0重量%以上の
純度であると共に、原料混合液に含まれる芳香族ヒドロ
キシ化合物は1重量%以下、特に0.5重量%以下とす
ることが好ましく、そして原料混合液に含まれるシュウ
酸アルキルアリールは1重量%以下、特に0.1重量%
以下とすることが好ましい。
【0016】このような原料混合液は、蒸留精製された
シュウ酸ジアリールと乾燥不活性ガス(窒素ガス、アル
ゴンガス等)流通下で加熱処理された脱CO触媒とを、
原料混合槽において、乾燥不活性ガス下で混合すること
によって調製される。脱CO触媒の加熱処理は、乾燥不
活性ガス流通下、100〜300℃、特に150〜20
0℃で行うことが好ましく、加熱処理された脱CO触媒
は乾燥不活性ガス下で回収されて原料混合槽に供給され
ることが好ましい。また、蒸留精製されたシュウ酸ジア
リールは、そのまま乾燥不活性ガス下で回収されて原料
混合槽に供給されることが好ましいが、更に乾燥不活性
ガス下でモレキュラーシーブ(4A、5A等)等の脱水
剤で処理されて原料混合槽に供給されてもよい。
【0017】シュウ酸ジアリールの蒸留精製は、例え
ば、図1に示すように、蒸発器Aで、前記のシュウ酸ジ
アリール等を含有するエステル交換反応液の大部分を蒸
発させて、該反応液に含有される触媒を分離し、次い
で、その蒸発分を第1蒸留塔Bへ供給して、第1蒸留塔
Bの頂部から軽質分(シュウ酸アルキルアリール、未反
応の芳香族ヒドロキシ化合物)を主成分とする蒸気を抜
き出して分離すると共に、第1蒸留塔Bの底部からシュ
ウ酸ジアリールを主成分とする缶液を抜き出して第2蒸
留塔Cへ供給し、次いで、第2蒸留塔Cの頂部又は側部
からシュウ酸ジアリールの留分を抜き出すことによって
行うことができる。
【0018】前記の蒸発器としては、シュウ酸ジアリー
ル等を含有するエステル交換反応液を大部分蒸発させて
該反応液に含有される触媒を分離できるものであれば、
どのような形式の蒸発器であってもよく、例えば、薄膜
式蒸発器や流下膜式蒸発器を好適に挙げることができ
る。また、前記の第1蒸留塔、第2蒸留塔としては、例
えば、蒸発器から供給されれるその蒸発分を蒸留してシ
ュウ酸ジアリールの留分を分離できると共に、高温の熱
履歴によるシュウ酸ジアリールの分解が抑えられるもの
であれば、どのような形式の蒸留塔であってもよい。こ
のような蒸留塔としては、例えば、連続多段蒸留塔が挙
げられ、特に5段以上の理論段数を有する蒸留塔(充填
塔又は棚段塔)が好適に挙げられる。
【0019】蒸発器Aでの蒸発操作は、減圧、常圧、加
圧のいずれの条件で行ってもよいが、シュウ酸ジアリー
ル等を含有するエステル交換反応液を大部分蒸発させて
該反応液に含有される触媒を分離できる圧力で行うこと
が好ましい。例えば、蒸発器の温度が160〜350℃
の範囲であれば、圧力は0.1mmHg〜1kg/cm
2 、特に1mmHg〜0.5kg/cm2 程度であるこ
とが好ましい。蒸発操作によって、シュウ酸ジアリール
等を含有するエステル交換反応液(ライン1から供給さ
れる)を大部分蒸発させて得られる蒸気混合物は、蒸発
器Aの頂部からライン3より抜き出されて第1蒸留塔B
の中段へ供給される。触媒を含む釜残は蒸発器Aの底部
に設けた抜き出しライン2から抜き出される。なお、蒸
発器Aで、エステル交換反応液は蒸発器の外部に設けた
ヒーターにより加熱されるが、その温度は160〜35
0℃、特に180〜250℃程度であることが好まし
い。
【0020】第1蒸留塔Bでの蒸留操作は、減圧、常
圧、加圧のいずれの条件で行ってもよいが、シュウ酸ア
ルキルアリールを主成分としてその頂部から蒸発させる
ことができる圧力で行うことが好ましい。例えば、缶液
の温度が50〜350℃であれば、圧力は0.1mmH
g〜2kg/cm2 、特に1mmHg〜1kg/cm2
程度であることが好ましい。なお、缶液は、缶液を循環
ラインで循環させながら、循環ラインに設けた加熱器に
よって加熱される。缶液の温度は50〜350℃、特に
80〜250℃程度であることが好ましい。
【0021】蒸留操作によって、第1蒸留塔Bの頂部か
らシュウ酸アルキルアリールを主成分とする蒸気が抜き
出しライン5より抜き出され、一部は冷却器で冷却・凝
縮されて第1蒸留塔Bへ循環される。一方、第1蒸留塔
Bの底部からはシュウ酸ジアリールが高濃度に濃縮され
た液がライン4から抜き出されて第2蒸留塔Cの中段へ
供給される。
【0022】第2蒸留塔Cでの蒸留操作は、減圧、常
圧、加圧のいずれの条件で行ってもよいが、シュウ酸ジ
アリールを主成分としてその頂部又は側部から蒸発させ
ることができる圧力で行うことが好ましい。例えば、缶
液の温度が150〜300℃の範囲であれば、圧力は
0.1mmHg〜1kg/cm2 、特に1mmHg〜
0.21kg/cm2 程度であることが好ましい。な
お、缶液は、缶液を循環ラインで循環させながら、循環
ラインに設けた加熱器によって加熱される。缶液の温度
は150〜300℃、特に160〜250℃程度である
ことが好ましい。
【0023】蒸留操作によって、第2蒸留塔Cの頂部又
は側部からシュウ酸ジアリールを高濃度で含有する蒸気
がライン7から抜き出され、冷却器で冷却・凝縮され
て、シュウ酸ジアリールを97重量%以上、好ましくは
98重量%以上、更に好ましくは99重量%以上の濃度
で含有する凝縮液が得られる。この凝縮液の一部は第2
蒸留塔Cへ循環される。第2蒸留塔Cの底部からは釜残
がライン6から抜き出される。第2蒸留塔Cにおける蒸
留精製において、蒸留操作の条件を選択するか及び/又
は蒸留精製を繰り返すことにより、目的のシュウ酸ジア
リール、即ち、シュウ酸ジアリールを97重量%以上、
好ましくは99重量%以上の濃度で含有すると共に、シ
ュウ酸ジアリールに含まれる芳香族ヒドロキシ化合物を
1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下とし、シュ
ウ酸アルキルアリールを1重量%以下、好ましくは0.
1重量%以下とし、水分を500ppm以下、好ましく
は100ppm以下としたシュウ酸ジアリールの凝縮液
を得ることができる。
【0024】前記のシュウ酸ジアリールの製造に用いら
れるシュウ酸ジアルキルとしては、炭素数1〜10、特
に1〜6、更には1〜4であるアルキル基に基づくエス
テル基を2つ有するシュウ酸ジアルキルが用いられる。
このようなシュウ酸ジアルキルとしては、例えば、シュ
ウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジプロピ
ル、シュウ酸ジブチルなどが挙げられる。前記の芳香族
ヒドロキシ化合物としては、例えば、フェノール、メチ
ルフェノール、エチルフェノール、メトキシフェノー
ル、エトキシフェノール、フルオロフェノール、クロロ
フェノール、ニトロフェノール、ナフトールなどが挙げ
られる。但し、これらはo−(又はm−、p−)、α−
(β−)等の異性体を含む。
【0025】また、前記のシュウ酸アルキルアリールと
しては、炭素数1〜10、特に1〜6、更には1〜4で
あるアルキル基に基づくエステル基を1つ有すると共
に、前記のアリール基に基づくエステル基を1つ有する
シュウ酸アルキルアリールが用いられる。このようなシ
ュウ酸アルキルアリールとしては、例えば、シュウ酸メ
チルフェニル、シュウ酸エチルフェニル、シュウ酸プロ
ピルフェニル、シュウ酸ブチルフェニルなどが挙げられ
る。
【0026】シュウ酸ジアリールの脱CO反応は脱CO
触媒の存在下で行われる。脱CO触媒としては、有機リ
ン化合物、特にリン原子の原子価が3価又は5価であっ
て、少なくとも1個の炭素−リン(C−P)結合を有す
る有機リン化合物が好適に用いられる。このような有機
リン化合物としては、一般式(1)〜(4)で表され
る、(1)有機ホスホニウム塩、(2)ホスフィン、
(3)ホスフィンオキサイド、(4)ホスフィンジハラ
イドを好適に挙げることができる。
【0027】
【化2】 (式中、R1 〜R13は炭素数1〜16のアルキル基、炭
素数6〜16のアリール基及び炭素数7〜22のアラル
キル基から選ばれる少なくとも一種の基を示し、Xは対
イオンを形成しうる原子又は原子団を示し、Y1 及びY
2 は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子
を示す。)
【0028】R1 〜R13で示されるアリール基又はアラ
ルキル基は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜
16のアルコキシ基、ハロゲン原子、又はニトロ基等を
置換基としてその芳香環上に有していてもよい。また、
R1 〜R4 は、R1 とR2 、R2 とR3 、R3 とR4 、
又はR4 とR1 の間で架橋又は連結されていても差し支
えない。R5 〜R7 、R8 〜R9 、R10〜R13も同様に
それぞれ2つの基の間で架橋又は連結されていてもよ
い。
【0029】R1 〜R13で示されるアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭
素数1〜16のアルキル基を挙げることができ、R1 〜
R13で示されるアリール基としては、フェニル基、メチ
ルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル
基、エトキシフェニル基、クロロフェニル基、フルオロ
フェニル基、ニトロフェニル基、ナフチル基等の炭素数
6〜16のアリール基を挙げることができ、R1 〜R13
で示されるアラルキル基としては、ベンジル基、フェネ
チル基、p−メチルベンジル基、p−メトキシベンジル
基、p−メチルフェネチル基等の炭素数7〜22のアラ
ルキル基を挙げることができる。
【0030】一般式(1)で表される有機ホスホニウム
塩としては、R1 〜R4 が全てアリール基であって、対
イオンX- がハロゲンイオン又はハイドロジェンジハラ
イドイオンであるものが好適であるが、R1 〜R4 が全
てアリール基であって、対イオンX- がカルボン酸イオ
ンなどであるものや、R1 〜R4 の1〜3個がアリール
基で、残りが前記のアルキル基又はアラルキル基であっ
て、対イオンX- がハロゲンイオン、ハイドロジェンジ
ハライドイオン、又はカルボン酸イオンなどであるもの
であってもよい。
【0031】R1 〜R4 が全てアリール基であって、対
イオンX- がハロゲンイオンである有機ホスホニウム塩
としては、例えば、テトラフェニルホスホニウムクロラ
イド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、4−ク
ロロフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド、4
−クロロフェニルトリフェニルホスホニウムブロマイ
ド、4−メチルフェニルトリフェニルホスホニウムクロ
ライド、4−メチルフェニルトリフェニルホスホニウム
ブロマイド、4−メトキシフェニルトリフェニルホスホ
ニウムクロライド、4−メトキシフェニルトリフェニル
ホスホニウムブロマイドなどが挙げられ、R1 〜R4 が
全てアリール基であって、対イオンX- がハイドロジェ
ンジハライドイオンである有機ホスホニウム塩として
は、例えば、テトラフェニルホスホニウムハイドロジェ
ンジクロライド、テトラフェニルホスホニウムハイドロ
ジェンジブロマイド、テトラフェニルホスホニウムハイ
ドロジェンブロマイドクロライドなどが挙げられる。
【0032】また、R1 〜R4 が全てアリール基であっ
て、対イオンX- がカルボン酸イオンである有機ホスホ
ニウム塩としては、例えば、テトラフェニルホスホニウ
ムアセテート、4−クロロフェニルトリフェニルホスホ
ニウムアセテート、4−メチルフェニルトリフェニルホ
スホニウムアセテート、4−メトキシフェニルトリフェ
ニルホスホニウムアセテートなどが挙げられる。
【0033】一般式(2)で表されるホスフィンとして
は、R5 〜R7 が全てアリール基であるものが好適であ
るが、R5 〜R7 の1〜2個がアリール基であって、残
りが前記のアルキル基又はアラルキル基であるものであ
ってもよい。R5 〜R7 が全てアリール基であるホスフ
ィンとしては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ
ス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−ト
リル)ホスフィンなどが挙げられる。
【0034】一般式(3)で表されるホスフィンオキサ
イドとしては、R8 〜R10が全てアリール基であるもの
が好適であるが、R8 〜R10の1〜2個がアリール基で
あって、残りが前記のアルキル基又はアラルキル基であ
るものであってもよい。R8 〜R10が全てアリール基で
あるホスフィンとしては、例えば、トリフェニルホスフ
ィンオキサイド、トリス(4−クロロフェニル)ホスフ
ィンオキサイド、トリス(4−トリル)ホスフィンオキ
サイドなどが挙げられる。
【0035】一般式(4)で表されるホスフィンジハラ
イドとしては、R11〜R13が全てアリール基であって、
Y1 、Y2 がハロゲン原子であるものが好適であるが、
R11〜R13の1〜2個がアリール基で、残りが前記のア
ルキル基又はアラルキル基であって、Y1 、Y2 がハロ
ゲン原子であるものであってもよい。ハロゲン原子とし
ては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、
これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。R
11〜R13が全てアリール基であるホスフィンジハライド
としては、例えば、トリフェニルホスフィンジクロライ
ド、トリフェニルホスフィンジブロマイドなどが挙げら
れる。
【0036】脱CO触媒としては有機リン化合物が好適
に用いられるが、中でも有機ホスホニウム塩、ホスフィ
ンジハライドが好ましく、特にテトラアリールホスホニ
ウムハライド、テトラアリールホスホニウムハイドロジ
ェンジハライド、トリアリールホスフィンジハライドが
好ましく、更にはテトラアリールホスホニウムクロライ
ド、テトラアリールホスホニウムハイドロジェンジクロ
ライド、トリアリールホスフィンジクロライドが好まし
い。脱CO触媒は有機リン化合物単独であっても、また
それらの混合物であってもよい。更に、脱CO触媒は反
応液中に均一に溶解されていても及び/又は懸濁されて
いてもよい。脱CO触媒はシュウ酸ジアリールに対して
0.001〜50モル%、特に0.01〜20モル%程
度用いられることが好ましい。
【0037】本発明では、有機リン化合物からなる脱C
O触媒に、更に無機ハロゲン化合物及び有機ハロゲン化
合物から選ばれる少なくとも一種のハロゲン化合物が併
用されてもよい。特に、脱CO触媒としてホスフィンや
ホスフィンオキサイドが用いられる場合は、ハロゲン化
合物を併用することが好ましい。このハロゲン化合物
は、有機リン化合物に対して0.01〜150倍モル、
特に0.1〜100倍モル用いられることが好ましい。
【0038】無機ハロゲン化合物としては、アルミニウ
ムのハロゲン化物(塩化アルミウム、臭化アルミニウム
等)、白金族金属のハロゲン化物(塩化パラジウム、塩
化白金、塩化ルテニウム等)、リンのハロゲン化物(三
塩化リン、五塩化リン、三臭化リン、五臭化リン等)、
イオウのハロゲン化物(塩化チオニル、塩化スルフリル
等)、ハロゲン化水素(塩化水素、臭化水素等)、ハロ
ゲン単体(塩素、臭素等)などが挙げられる。無機ハロ
ゲン化合物の中では、これら無機塩素化合物が特に好ま
しい。
【0039】有機ハロゲン化合物としては、飽和炭素に
少なくとも1つのハロゲン原子が結合している構造や、
カルボニル炭素にハロゲン原子が結合している構造や、
ケイ素原子にハロゲン原子が結合している構造や、イオ
ウ原子にハロゲン原子が結合している構造などを少なく
とも1個有する有機ハロゲン化合物が挙げられる。
【0040】飽和炭素に少なくとも1つのハロゲン原子
が結合している構造を少なくとも1個有する有機ハロゲ
ン化合物としては、ハロゲン化アルキル(クロロホル
ム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、塩化ブチ
ル、塩化ドデシル等)、ハロゲン化アラルキル(塩化ベ
ンジル、ベンゾトリクロリド等)、ハロゲン置換脂肪族
ニトリル(β−クロロプロピオニトリル、γ−クロロブ
チロニトリル等)、ハロゲン置換脂肪族カルボン酸(ク
ロロ酢酸、ブロモ酢酸、クロロプロピオン酸等)などが
挙げられる。
【0041】カルボニル炭素にハロゲン原子が結合して
いる構造を少なくとも1個有する有機ハロゲン化合物と
しては、酸ハロゲン化物(塩化アセチル、塩化オキサリ
ル、塩化プロピオニル、塩化ベンゾイル、2−ナフタレ
ンカルボン酸クロライド、2−チオフェンカルボン酸ク
ロライド等)、ハロギ酸アリール(クロロギ酸フェニ
ル)などが挙げられる。
【0042】ケイ素原子にハロゲン原子が結合している
構造を少なくとも1個有する有機ハロゲン化合物として
は、ハロゲン化シラン(ジフェニルジクロロシラン、ト
リフェニルクロロシラン等)などが挙げられる。
【0043】イオウ原子にハロゲン原子が結合している
構造を少なくとも1個有する有機ハロゲン化合物として
は、ハロゲン化スルホニル(p−トルエンスルホン酸ク
ロライド、2−ナフタレンスルホン酸クロライド)など
が挙げられる。
【0044】シュウ酸ジアリールの脱CO反応では、蒸
留精製されたシュウ酸ジアリールと加熱処理された脱C
O触媒を(好ましくは原料混合液として)乾燥不活性ガ
ス下で反応器(好ましくは乾燥された反応器)に供給し
て、反応温度100〜450℃、特に160〜400
℃、更には180〜350℃で、発生するCOガスを除
去しながら、シュウ酸ジアリールを脱CO反応させて炭
酸ジアリールを生成させることが好ましい。この場合、
反応圧力は特に制限されず、例えば、100mmHg〜
10kg/cm2 Gの範囲で反応を行うことができる。
【0045】脱CO触媒としては前記の有機リン化合物
が好適に用いられ、必要に応じて前記ハロゲン化合物が
併用される。脱CO触媒(好ましくは有機リン化合物)
は前記のように加熱処理されて用いられることが好まし
く、ハロゲン化合物についても、無機ハロゲン化合物は
同様に乾燥不活性ガス流通下で加熱処理されて用いられ
ることが好ましく、有機ハロゲン化合物は乾燥不活性ガ
ス下でモレキュラーシーブ(4A、5A等)などで処理
されて用いられることが好ましい。
【0046】シュウ酸ジアリールの脱CO反応は、例え
ば、図1に示すフローで行われる。即ち、前記のよう
に、第2蒸留塔Cにおける蒸留操作によって得られたシ
ュウ酸ジアリールがライン7を経由して脱CO反応器E
へ供給される。そして、加熱処理された脱CO触媒は乾
燥不活性ガス下でライン9から原料混合槽Dへ供給され
て、ライン8から供給されるシュウ酸ジアリールと混合
される。得られた原料混合液はライン10及び7を経由
して反応器Eへ供給される。脱CO反応器Eでは、前記
のようにシュウ酸ジアリールの脱CO反応が行われて、
発生するCOがライン12から抜き出され、生成した炭
酸ジアリールがライン11から抜き出される。なお、有
機リン化合物と併用されるハロゲン化合物はライン9か
ら有機リン化合物と共に原料混合槽Dへ供給される。
【0047】シュウ酸ジアリールの脱CO反応により得
られる反応液には未反応のシュウ酸ジアリールや脱CO
触媒が含まれるが、炭酸ジアリールは、例えば、蒸発缶
や薄膜蒸発器などで触媒を分離・回収し、その蒸発留分
をある程度の段数を有する充填塔や棚段塔を用いて蒸留
することにより、純度の高い炭酸ジアリールとして回収
することができる。
【0048】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。 参考例1 〔シュウ酸メチルフェニルの製造〕1Lボトムフラスコ
を備えた、内径32mm、段数50段のオールダーショ
ーの上から12段目に、フェノール61.2重量%、シ
ュウ酸ジメチル38.5重量%、テトラフェノキシチタ
ン0.3重量%の組成の溶液を300ml/hrの流量
で供給した。ボトムフラスコをマントルヒーターで19
0℃に加熱し、塔頂部からの蒸気を冷却器で凝縮して還
流比2で抜き出しながら、反応を行った。この間、ボト
ム液は500mlを維持するように連続で抜き出した。
塔の状態(温度、液組成)が安定した時点(供給開始か
ら5時間後)での塔底液(反応液)の組成をガスクロマ
トグラフィーにより分析したところ、シュウ酸ジメチル
23.45重量%、シュウ酸メチルフェニル26.7重
量%、シュウ酸ジフェニル6.74重量%、フェノール
42.62重量%であった。なお、塔底液の抜き出し量
は約306g/hrであった。塔頂からは、メタノール
99.7重量%、シュウ酸ジメチル0.3重量%の組成
の液を約24g/hrで抜き出した。
【0049】参考例2 〔シュウ酸ジフェニルの製造〕参考例1と同様のオール
ダーショーを用い、このオールダーショーの上から12
段目に、参考例1で得られた反応液を300ml/hr
で供給した。ボトムフラスコをマントルヒーターで23
0℃に加熱し、塔頂部からの蒸気を冷却器で凝縮して還
流することなく抜き出しながら、反応を行った。この
間、ボトム液は500mlを維持するように連続で抜き
出した。塔の状態(温度、液組成)が安定した時点(供
給開始から5時間後)での塔底液(反応液)の組成をガ
スクロマトグラフィーにより分析したところ、シュウ酸
ジメチル2.82重量%、シュウ酸メチルフェニル2
7.81重量%、シュウ酸ジフェニル54.74重量
%、フェノール13.64重量%であった。なお、塔底
液の抜き出し量は約126g/hrであった。塔頂から
は、メタノール2.32量%、シュウ酸ジメチル45.
23重量%、シュウ酸メチルフェニル5.37重量%、
シュウ酸ジフェニル0.13重量%、フェノール46.
95重量%の組成の液を約189g/hrで抜き出し
た。
【0050】実施例1 〔シュウ酸ジフェニルの蒸留精製〕ヘリパック(5×5
mm)を充填した、内径20mm、高さ2mのガラス製
蒸留塔を用い、この塔の上から80cmの位置に、参考
例2で得られた反応液を100ml/hrで供給した。
缶液温度135℃、塔頂圧力10mmHg、還流比2で
連続蒸留を行って、塔頂から、シュウ酸ジメチル5.6
3重量%、シュウ酸メチルフェニル61.48重量%、
シュウ酸ジフェニル2.46重量%、フェノール30.
43重量%の組成の液を約47g/hrで抜き出した。
塔底からは、シュウ酸ジフェニル97.9重量%の組成
の液を約58g/hrで抜き出した。
【0051】抜き出された塔底液を前記と同様のガラス
製蒸留塔に供給して、前記と同様に連続蒸留を行った。
そして、塔頂から、シュウ酸ジフェニル99.9重量
%、シュウ酸メチルフェニル150重量ppm、フェノ
ール80重量ppm、水分20重量ppmの組成の液を
約90g/hrで抜き出して、乾燥窒素ガス下で容器に
回収した。塔底からは、テトラフェノキシチタンを約1
5重量%含有する液を約15g/hrで抜き出した。
【0052】〔炭酸ジフェニルの製造〕温度計、攪拌機
及びコンデンサーを備えた内容積500mlの四つ口フ
ラスコをよく乾燥し、このフラスコに、乾燥窒素ガスを
吹き込みながら、実施例1で得られたシュウ酸ジフェニ
ル300g(約1.24モル)と、乾燥窒素ガス流通下
に180℃で2時間加熱処理したテトラフェニルホスホ
ニウムハイドロジェンジクロライド5.1g(0.01
2モル)とを仕込んだ。次いで、オイルバス中でフラス
コを加熱してシュウ酸ジフェニルを溶解させた後、反応
液の温度が230℃になるように加熱温度を調節しなが
ら、攪拌下で2時間反応を行った。反応中、前記窒素ガ
ス及び発生するCOガスはコンデンサー上部から排出し
た。反応後に反応液をガスクロマトグラフィーにより分
析したところ、シュウ酸ジフェニルの転化率は93%
で、炭酸ジフェニルの選択率は99.6%であった。
【0053】比較例1 〔炭酸ジフェニルの製造〕実施例1の炭酸ジフェニルの
製造において、フラスコに、大気下で、実施例1で得ら
れたシュウ酸ジフェニル300g(約1.24モル)
と、加熱処理していないテトラフェニルホスホニウムハ
イドロジェンジクロライド5.1g(0.012モル)
とを仕込んだほかは、実施例1と同様に反応を行った。
その結果、シュウ酸ジフェニルの転化率は82%で、炭
酸ジフェニルの選択率は98.1%であった。なお、原
料を仕込んで溶解した時の原料混合液中の水分は850
重量ppmであった。
【0054】比較例2 実施例1の炭酸ジフェニルの製造において、フラスコ
に、乾燥窒素ガスを吹き込みながら、シュウ酸メチルフ
ェニル150重量ppm、フェノール1.2重量%、水
分20重量ppmを含むシュウ酸ジフェニル300g
(約1.24モル)と、乾燥窒素ガス流通下に180℃
で2時間加熱処理したテトラフェニルホスホニウムハイ
ドロジェンジクロライド5.1g(0.012モル)と
を仕込んだほかは、実施例1と同様に反応を行った。そ
の結果、シュウ酸ジフェニルの転化率は31%で、炭酸
ジフェニルの選択率は97.0%であった。
【0055】比較例3 実施例1の炭酸ジフェニルの製造において、フラスコ
に、乾燥窒素ガスを吹き込みながら、シュウ酸メチルフ
ェニル1.2重量%、フェノール80重量ppm、水分
20重量ppmを含むシュウ酸ジフェニル300g(約
1.24モル)と、乾燥窒素ガス流通下に180℃で2
時間加熱処理したテトラフェニルホスホニウムハイドロ
ジェンジクロライド5.1g(0.012モル)とを仕
込んだほかは、実施例1と同様に反応を行った。その結
果、シュウ酸ジフェニルの転化率は57%で、炭酸ジフ
ェニルの選択率は97.0%であった。
【0056】実施例2 〔炭酸ジフェニルの製造〕温度計及び攪拌装置を備えた
内容積300mlの丸底フラスコをよく乾燥し、このフ
ラスコに、乾燥窒素ガスを吹き込みながら、実施例1で
得られたシュウ酸ジフェニル200g(約0.826モ
ル)と、乾燥窒素ガス流通下に180℃で2時間加熱処
理したテトラフェニルホスホニウムクロライド6.2g
(0.0165モル)とクロロホルム0.5g(0.0
04モル)とを仕込んだ。次いで、オイルバス中でフラ
スコを加熱して、攪拌下、230℃で2時間反応を行っ
た。反応中、前記窒素ガス及び発生するCOガスは反応
器に接続した排気管から排出した。反応後に反応液の組
成を分析したところ、炭酸ジフェニルが96.2重量%
で、シュウ酸ジフェニルが3.6重量%であった。
【0057】引き続き、前記の反応液の温度が230℃
になるように加熱温度を調節しながら、攪拌下で、窒素
シールされた内容積1000mlのジャケット付きガラ
ス容器から、シュウ酸ジフェニル、テトラフェニルホス
ホニウムクロライド及びクロロホルムを溶解した原料混
合液を50ml/minで前記フラスコに供給すると共
に、反応液の量が200mlを維持するように連続で反
応液を抜き出した。なお、原料混合液は、実施例1で得
られたシュウ酸ジフェニルに、前記と同様に加熱処理し
たテトラフェニルホスホニウムクロライドを2.0モル
%、そしてクロロホルムを0.5モル%溶解したものを
用いた。反応液の組成が安定した時点(連続反応開始時
より約15時間後)で、抜き出された反応液の組成を分
析したところ、炭酸ジフェニルが88.5重量%で、シ
ュウ酸ジフェニルが11.2重量%であった。
【0058】
【発明の効果】本発明により、シュウ酸ジアリールを脱
CO触媒の存在下で脱CO反応させて炭酸ジアリールを
製造するにあたり、原料のシュウ酸ジアリールや脱CO
触媒を脱CO反応に影響を与えないような好適な形態で
用いて(即ち、シュウ酸ジアリールの脱CO反応に影響
を与える微量成分を制御して)、高転化率及び高選択率
で、炭酸ジアリールを製造することができる。本発明
は、シュウ酸ジアリールを脱CO反応させて炭酸ジアリ
ールを工業的に連続製造できる方法であり、非常に有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示すプロセス図である。
【符号の説明】
A:蒸発器 B:第1蒸留塔 C:第2蒸留塔 D:原料混合槽 E:脱CO反応器 1〜9:導管(ライン)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 信一 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部ケミカル工場内 (72)発明者 浅田 裕 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部ケミカル工場内 (72)発明者 宮本 一夫 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部ケミカル工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュウ酸ジアリールを脱CO触媒の存在
    下で脱CO反応させて炭酸ジアリールを製造するにあた
    り、シュウ酸ジアリールに含まれる芳香族ヒドロキシ化
    合物を1重量%以下としたシュウ酸ジアリールを用いる
    ことを特徴とする炭酸ジアリールの製造方法。
  2. 【請求項2】 シュウ酸ジアリールを脱CO触媒の存在
    下で脱CO反応させて炭酸ジアリールを製造するにあた
    り、シュウ酸ジアリールに含まれるシュウ酸アルキルア
    リールを1重量%以下としたシュウ酸ジアリールを用い
    ることを特徴とする炭酸ジアリールの製造方法。
  3. 【請求項3】 シュウ酸ジアリールを脱CO触媒の存在
    下で脱CO反応させて炭酸ジアリールを製造するにあた
    り、シュウ酸ジアリールに含まれる水分を脱CO触媒に
    対して等モル以下としたシュウ酸ジアリールを用いるこ
    とを特徴とする炭酸ジアリールの製造方法。
  4. 【請求項4】 シュウ酸ジアリールを脱CO触媒の存在
    下で脱CO反応させて炭酸ジアリールを製造するにあた
    り、シュウ酸ジアリール及び脱CO触媒を含有する原料
    混合液に含まれる水分を脱CO触媒に対して等モル以下
    とした原料混合液を用いることを特徴とする炭酸ジアリ
    ールの製造方法。
  5. 【請求項5】 シュウ酸ジアリールを脱CO触媒の存在
    下で脱CO反応させて炭酸ジアリールを製造するにあた
    り、97.0重量%以上の純度を有すると共に、シュウ
    酸ジアリールに含まれる芳香族ヒドロキシ化合物を1重
    量%以下とし、シュウ酸ジアリールに含まれるシュウ酸
    アルキルアリールを1重量%以下とし、シュウ酸ジアリ
    ールに含まれる水分を脱CO触媒に対して等モル以下と
    したシュウ酸ジアリールを用いることを特徴とする炭酸
    ジアリールの製造方法。
  6. 【請求項6】 脱CO触媒が有機リン化合物である、請
    求項1〜5のいずれかに記載の炭酸ジアリールの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 脱CO触媒が有機ホスホニウム塩、ホス
    フィン、ホスフィンオキサイド、又はホスフィンジハラ
    イドである、請求項1〜5のいずれかに記載の炭酸ジア
    リールの製造方法。
  8. 【請求項8】 脱CO触媒がテトラアリールホスホニウ
    ムハライド、テトラアリールホスホニウムハイドロジェ
    ンジハライド、又はトリアリールホスフィンジハライド
    である、請求項1〜5のいずれかに記載の炭酸ジアリー
    ルの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016141651A (ja) * 2015-02-02 2016-08-08 三菱化学株式会社 炭酸ジフェニルの製造方法およびポリカーボネートの製造方法
KR20170012247A (ko) 2014-05-23 2017-02-02 미쓰비시 가가꾸 가부시키가이샤 탄산디페닐의 제조 방법, 그 제조 방법에 의해 얻어지는 탄산디페닐, 그 탄산디페닐로부터 제조되는 폴리카보네이트, 탄산디페닐 제조용 촉매, 그 촉매의 제조 방법, 촉매의 회수·재이용 방법

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