JPH11154805A - 積層セラミック部品 - Google Patents

積層セラミック部品

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JPH11154805A
JPH11154805A JP9326909A JP32690997A JPH11154805A JP H11154805 A JPH11154805 A JP H11154805A JP 9326909 A JP9326909 A JP 9326909A JP 32690997 A JP32690997 A JP 32690997A JP H11154805 A JPH11154805 A JP H11154805A
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oxide
silver
conductor
multilayer ceramic
conductive material
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Kazuaki Suzuki
和明 鈴木
Takahide Kurahashi
孝秀 倉橋
Shusuke Ohata
秀典 大波多
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    • H01P1/32Non-reciprocal transmission devices
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    • H01P1/383Junction circulators, e.g. Y-circulators
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイズが更に小型化されても、歩留まりよく
製造することのできる積層セラミック部品を提供する。 【解決手段】 本発明は、同時焼成された内部導体層と
セラミック層とを備える積層セラミック部品において、
前記内部導体層が銀を主成分とする導電材料で形成さ
れ、前記セラミック層がイットリウム鉄ガーネット系酸
化物磁性材料に銀が添加されたもので形成されているこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミック部
品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無線通信関係の飛躍的な進歩にと
もない、数百メガヘルツないし数ギガヘルツもしくはそ
れ以上の周波数帯で使用される電子部品の需要が高まっ
てきている。また、携帯電話のような無線通信機器の小
型化にともない、このような機器に搭載される高周波用
電子部品にも小型化、低価格化等が要求されるため様々
な集積技術を応用した積層セラミック部品が製造されて
いる。
【0003】積層セラミック部品では、酸化物磁性材料
であるセラミック材料と導体材料とが同時焼成され、一
種あるいは二種以上の機能が一つの部品に備えられる。
このような積層セラミック部品は、セラミック材料と導
体材料とを印刷法やシート法などによって積層すること
により積層体を作製し、この積層体を所望の形状、寸法
に切断した後に焼成するか、この積層体を焼成した後に
所望の形状、寸法に切断し、その後、必要に応じて外部
導体を形成することによって製造されている。したがっ
てこれらの積層セラミック部品は、そのセラミック層間
に内部導体を有する構造となっている。高周波、特にマ
イクロ波に適した内部導体としては、一般にAg、Cu
等が用いられているが、上記した製造方法では、十分な
特性を得るためには内部導体の溶融を防止する必要があ
ると考えられており、内部導体の融点以下の温度で焼成
する必要があるとされていた。このため、高温で焼成さ
れるセラミック材料には、Ag、Cuのような抵抗率は
低いが低融点である導電材料を内部導体に使用すること
が不可能であると考えられてた。
【0004】ところで、本出願人による特開平6−25
2618号公報においては、上述のような低融点の内部
導体を、低温焼成用ではないセラミック中に形成する方
法が提案されている。これは導体溶融法と呼ばれ、積層
セラミック部品を、内部導体として用いる導電材料の融
点以上沸点未満の温度で焼成し、焼成した導体材料を冷
却過程中に凝固させることによって内部導体を形成する
方法である。この方法によれば、溶融した導電材料が凝
固する際に形成される金属粒子間の粒界が、実質的に消
滅しているとみなすことができるほど薄くなり、また、
セラミック材料と内部導体との界面も凹凸が小さくなる
傾向となるため、内部導体の高周波抵抗が減少し、高周
波領域におけるQ値が増加する。さらに、内部導体に、
Ag、Cu等の比較的融点の低い、低コストの導電材料
を用いることができる。また、セラミックと内部導体と
を同時焼成することが可能なため、生産性やコストの面
で非常に有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記導体
溶融法では、内部導体を溶融させた後の冷却過程におい
て、凝固する際に内部導体にボイドが形成され、これに
よって内部導体の抵抗値が増加して積層セラミック部品
のQ値が減少したり、ごくまれに内部導体自体がボイド
のために断線してしまう場合がある。また、ボイドが形
成された場合、ボイド中に存在するガスが冷却過程にお
いて凝固潜熱の影響によって膨張し、素体にクラックを
生じさせてしまう。このため歩留まりが低下してしま
う。したがって導体溶融法により積層セラミック部品を
製造する際には、内部導体のボイドの発生を抑制するこ
とが必要となる。
【0006】そこで、本出願人は、銀を主成分とする内
部導体を用い、導体溶融法によりセラミック材料と同時
焼成してもボイドの発生およびそれに起因するクラック
の発生が抑制され、さらに生産性が向上し、コストも低
減でき、電気特性に優れる高品質な導体ペーストと、こ
れを用いた積層セラミック部品とを提供することを目的
として、特開平9−181412号公報において、次の
ような導体ペーストおよびこの導体ペーストを用いて形
成された内部導体を備える積層セラミック部品を提案し
た。
【0007】すなわち上記導体ペーストは、銀を主成分
とする導電材料と金属酸化物とをビヒクル中に分散した
導体ペーストであって、前記金属酸化物がGa酸化物、
La酸化物、Pr酸化物、Sm酸化物、Eu酸化物、G
d酸化物、Dy酸化物、Er酸化物、Tm酸化物および
Yb酸化物のいずれか一種以上である導体ペーストであ
る。
【0008】この導体ペーストを用いれば、導体溶融法
によりセラミック材料と同時焼成して積層セラミック部
品を製造する際、ボイドが発生せずセラミック素体にク
ラックを生じることがない。また導体抵抗率も低い。こ
の導体ペーストを用いることにより、歩留まりが良く、
非常に高品質な積層セラミック部品を製造することがで
きる。
【0009】しかしながら、上記のような用途、特に移
動体通信機器の小型化の要求に伴い、これらに用いられ
る積層セラミック部品も更なる小型化の要求が高まって
いる。
【0010】そこで本発明は、サイズが更に小型化され
ても、歩留まりよく製造することのできる積層セラミッ
ク部品を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1) 同時焼成された内部導体層とセラミック層とを
備える積層セラミック部品において、前記内部導体層が
銀を主成分とする導電材料で形成され、前記セラミック
層がイットリウム鉄ガーネット系酸化物磁性材料に銀が
添加されたもので形成された積層セラミック部品。 (2) 前記酸化物磁性材料への銀の添加量が10wt%
以下である上記(1)の積層セラミック部品。 (3) 前記酸化物磁性材料への銀の添加量が5wt%以
下である上記(1)の積層セラミック部品。 (4) 前記内部導体層が、銀を主成分とする導電材料
と、Ga酸化物、La酸化物、Pr酸化物、Sm酸化
物、Eu酸化物、Gd酸化物、Dy酸化物、Er酸化
物、Tm酸化物およびYb酸化物のいずれか一種以上で
ある金属酸化物とをビヒクル中に分散した導体ペースト
を焼成したものである上記(1)〜(3)のいずれかの
積層セラミック部品。 (5) 前記導電材料100重量部に対する前記金属酸
化物の含有量が0.1〜20重量部である上記(4)の
積層セラミック部品。 (6) 焼成温度が前記導電材料の融点以上沸点未満の
温度である上記(1)〜(5)のいずれかの積層セラミ
ック部品。 (7) 非可逆回路素子である上記(1)〜(6)のい
ずれかの積層セラミック部品。
【0012】
【発明の作用・効果】本発明においては、同時焼成され
た内部導体層とセラミック層とを備える積層セラミック
部品において、前記内部導体層が銀を主成分とする導電
材料で形成され、前記セラミック層がイットリウム鉄ガ
ーネット系酸化物磁性材料に銀が添加されているので、
この銀の作用により、内部導体層中にボイド等が形成さ
れることが極力防止され、部品の製造歩留まりが向上す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を説明する。
本発明の積層セラミック部品は、内部導体層とセラミッ
ク層とを備える。積層セラミック部品を製造する際に
は、導体ペーストをセラミック材料層間に挟み、前記導
電材料の融点以上沸点未満の温度で焼成することによ
り、内部導体層とセラミック層とを形成する。上記導体
ペーストは銀を主成分とする導電材料をビヒクル中に分
散したものであり、このビヒクル中には所定の金属酸化
物が更に分散されていることが好ましい。
【0014】導電材料は銀を主成分とするものであり、
銀単体のほか、銀に、銅、金、パラジウム、白金等の銀
に固溶する金属を混合したものでもよい。いずれの金属
を加える場合も導電材料中の銀の含有量は70モル%以
上とする。その理由は、混合物量が30モル%を越える
と、合金の抵抗率が銀の抵抗率に比べて増加するからで
ある。さらに望ましくは、製造コストの増加を抑えるた
め、混合量は5モル%以下(銀の含有量が95モル%以
上)とすることが好ましい。
【0015】金属酸化物としてはGa酸化物(Ga
23)、La酸化物(La23)、Pr酸化物(Pr6
11)、Sm酸化物(Sm23)、Eu酸化物(Eu2
3)、Gd酸化物(Gd23)、Dy酸化物(Dy2
3)、Er酸化物(Er23)、Tm酸化物(Tm
23)およびYb酸化物(Yb23)のいずれか一種以
上が選択される。その理由は、これら金属酸化物はセラ
ミック素体と反応し素体中に拡散するからである。この
とき、金属酸化物の導電材料100重量部に対する含有
量が0.1重量部未満であると界面に十分な反応相が生
成されず、銀の濡れ性が悪くなる。また20重量部を越
えると金属酸化物が拡散しきれなくなり、内部導体に金
属酸化物が残留し、導体抵抗が大きくなる。このため、
金属酸化物の含有量は導電材料100重量部に対して
0.1〜20重量部であることが好ましい。導電材料の
粒径は特に限定されないが、導体をスクリーン印刷法で
形成する場合は、平均粒径を0.1〜20μmとするこ
とが好ましい。また、金属酸化物の平均粒径も、同様な
理由で0.1〜20μmとすることが好ましい。
【0016】ビヒクルとしてはエチルセルロース、ニト
ロセルロース、アクリル系樹脂等のバインダー、テルピ
ネオール、ブチルカルビトール、ヘキシルカルビトール
等の有機溶剤、その他分散剤や活性剤等が必要に応じて
適宜添加される。なお、この導体ペーストのビヒクル含
有率は、5〜70重量%とすることが好ましい。また、
導体ペーストの粘度は、300〜30000cps(セ
ンチポイズ)程度に調整しておくのがよい。
【0017】セラミック層を形成するための磁性体材料
には、通常、高周波用ガーネット型フェライトを用い
る。高周波用ガーネット型フェライトとしては、YIG
(イットリウム鉄ガーネット)系のもの、具体的にはY
3Fe512を基本組成とし、これに各種元素を添加した
置換型ガーネットフェライトが好ましい。置換型ガーネ
ットフェライトの組成を 式 (Y3-xαx)(Fe5-yβy)O12 で表わしたとき、Yを置換する元素αとしては、Ca、
BiおよびGdの少なくとも1種、さらに、特性改善の
ための微量添加剤としてHo、DyおよびCeの少なく
とも1種が好ましい。また、Feを置換する元素βとし
ては、V、Al、Ge、Ga、Sn、Zr、Tiおよび
Inの少なくとも1種、さらに、特性改善のための微量
添加剤としてMn、CoおよびSiの少なくとも1種が
好ましい。そして、置換量は、好ましくは 0≦x≦1.5、 0≦y≦2、 0≦y2≦0.5 である。なお、上記した特性改善のための微量添加剤の
上記式における原子比は、通常、0.2以下である。ま
た、(置換元素を含むY):(置換元素を含むFe):
Oは、化学量論組成比である3:5:12から偏倚して
いてもよい。なお、ガーネットフェライトの平均グレイ
ンサイズは1〜10μm 程度である。
【0018】磁性体材料のシートは、磁性体材料とビヒ
クルとを含む磁性体ペーストを用いて形成する。
【0019】ビヒクルとしては、エチルセルロース、ポ
リビニルブチラール、メタクリル樹脂、ブチルメタアク
リレート等のバインダ、テルピネオール、ブチルカルビ
トール、ブチルカルビトールアセテート、アセテート、
トルエン、アルコール、キシレン等の溶剤、その他各種
分散剤、活性剤、可塑剤等が挙げられ、これらのうち任
意のものが目的に応じて適宜選択される。ビヒクルの添
加量は、酸化物骨材とガラスの合計量100重量部に対
し、65〜85wt%程度とすることが好ましい。
【0020】本発明に従い上記磁性体ペースト中には、
銀が添加されている。磁性体中の銀の含有量は、10wt
%以下、特に5wt%以下、更に3wt%以下、更に得には
1wt%以下であることが好ましい。この銀の添加は、極
少量でも効果が認められ、0でさえなければその下限値
は特に限定されないが、好ましい下限値は、0.1wt%
特に0.2wt%である。
【0021】上記磁性体ペースト中への銀の添加は、粒
状で行うことが好ましく、その際銀粒子の平均粒径は
2.5〜4.5μm であることが好ましい。なお、焼成
後、銀は、通常粒界に存在する。
【0022】本発明の導体ペーストとセラミック材料と
を公知の印刷法またはシート法等の方法により積層して
グリーン積層体を形成し、これを導電材料の融点以上沸
点未満の温度で焼成することにより、各種積層セラミッ
ク部品が得られる。例えば、チップコンデンサ、チップ
インダクタ、非可逆回路素子(サーキュレータ、アイソ
レータ)、LCフィルター、半導体コンデンサ、ガラス
セラミック多層基板等が製造される。
【0023】本発明が好ましく適用される非可逆回路素
子のうち、具体的にサーキュレータを挙げて説明する。
本発明が適用される好ましいサーキュレータは、US 08/
219,917(USP 5,450,045)に例示されているものである。
このサーキュレータは、磁気回転子を有する。磁気回転
子は、内部導体を有し、この内部導体と密接状態でこの
内部導体を取り囲むように一体的に焼成された絶縁性の
磁性体を有し、さらに、内部導体の一端に電気的に接続
された複数の端子電極と、印加される高周波に共振させ
るために端子電極にそれぞれ結合された複数のキャパシ
タと、磁気回転子に直流磁界を印加するための励磁用永
久磁石とを有する。この構成のサーキュレータでは、磁
性体内に不連続部が存在しないため磁気回転子内におい
て高周波磁束が連続する閉ループとなるので、反磁界が
発生しない。このため、小型化、広帯域化、低損失化を
図ることができ、低価格化も可能である。
【0024】図1は、上記サーキュレータの一例である
3端子サーキュレータの磁気回転子の構成を概略的に示
す一部破断斜視図であり、図2はこのサーキュレータ全
体の構成を示す分解斜視図、図3はこのサーキュレータ
の等価回路図、図4はこのサーキュレータの磁気回転子
の製造工程の一部を説明する図である。
【0025】図示されるように、このサーキュレータは
3端子型であるため、磁気回転子20は平面形状が正六
角形となるように形成されている。しかし、均等な回転
磁界が発生できる構造であれば、平面形状は必ずしも正
六角形でなくてもよく、正六角形以外の六角形や、その
他の多角形であってもよい。磁気回転子の平面形状をこ
のように多角形とすることにより、その側面に共振用キ
ャパシタ等の回路素子を外付けにした場合に、空いてい
るスペースを有効に利用することができ、全体の寸法を
小型に保つことが可能となる。
【0026】図1において、10は一体的に焼成された
磁性体層を示しており、この磁性体層10に取り囲まれ
て所定パターンの内部導体(中心導体)11が形成され
ている。内部導体11は、この構成例では2層に積層さ
れた構成となっており、2本1組で3つの放射方向(六
角形の少なくとも1つの辺に垂直な放射方向)にそれぞ
れ伸長するストリップ状のコイルパターンが各層に設け
られている。両層上の同一方向に伸長するストリップ状
のコイルパターンは、ヴィアホール導体を介して互いに
電気的に接続されている。これは、磁性体層を絶縁物と
しても利用しているものである。各コイルパターンの一
端は、磁性体層10の1つおきの側面に設けられている
端子電極12に電気的に接続されている。磁性体層10
の上面および下面ならびに磁性体層10の端子電極12
の設けられていない各側面には、接地導体(グランド電
極)13が設けられている。各コイルパターンの他端
は、各側面の接地導体13に電気的に接続されている。
【0027】サーキュレータ全体としては、図2に示す
ように、磁気回転子20の3つの端子電極(12)に、
共振用キャパシタ21a、21b、21cが電気的に接
続されている。これらのキャパシタとしては、高周波キ
ャパシタ、例えば本出願人が既に提案し公開されている
特開平5−251262号公報に記載されているような
自己共振周波数の高い貫通型の高周波キャパシタなどを
使用することが好ましい。この高周波キャパシタは、接
地導体、誘電体、内部導体、誘電体の順序で重ねてなる
1単位の多層体を少なくとも1単位重ねた上に、さらに
接地導体、誘電体をこの順序で重ねた多層トリプレート
・ストリップ線路構造からなっている。このような貫通
型の動作周波数範囲の広いキャパシタを用いることによ
り、Q値の低下を防止することができる。なお、端子電
極とキャパシタとの接続態様は、図3の等価回路図に示
す通りである。
【0028】磁気回転子20の上下には、この磁気回転
子20に直流磁界14(図1参照)を印加するための励
磁用永久磁石22および23(図2参照)がそれぞれ取
り付けられている。
【0029】次に、このような構成のサーキュレータの
製造工程について説明する。図4Aに示すように、同一
の絶縁性磁性体材料による上部シート40、中間シート
41および下部シート42を用意する。通常、上部シー
ト40および下部シート42の厚さは0.5〜2mm程度
であり、厚さ100〜200μm程度(好ましくは16
0μm)のシートを複数枚積層して用いる。中間シート
41の厚さは30〜200μm程度であり、好ましくは
約160μmである。
【0030】中間シート41の所定位置には、このシー
トを貫通するヴィアホール43a、43bおよび43c
が形成される。各ヴィアホール位置には、その直径より
やや大きいヴィアホール導体が印刷または転写によって
形成される。ヴィアホール導体としては、内部導体に用
いる導電材料と同じものを用いてもよいが、それにより
も融点の高い材料を用いてもよい。
【0031】中間シート41および下部シート42の上
面には、各組が同一放射方向(六角形の少なくとも1つ
の辺に垂直な放射方向)にヴィアホール部分を避けて伸
長する2本のストリップ状パターンからなる3組のコイ
ルパターンによる上部内部導体44a、44bおよび4
4cならびに下部内部導体45a、45bおよび45c
が、内部導体ペーストの印刷または転写によってそれぞ
れ形成される。このように形成した上部シート40、中
間シート41および下部シート42を順次重ね合わせた
後、加温加圧工程でスタックする。これにより、中間シ
ート41の表裏両面に3回対称のコイルパターンが配置
されることになり、その対称性から、3端子サーキュレ
ータの端子間の伝播特性が互いに一致させられる。
【0032】このようにして図4Bに示すようにスタッ
クされた上部シート40、中間シート41および下部シ
ート42を、前記導電材料の融点以上沸点未満の温度で
焼成する。焼成は1回であってもよいし、複数回行って
もよい。複数回の場合は少なくとも1回は融点以上の焼
成とする。この焼成によって、上部シート40、中間シ
ート41および下部シート42を構成する磁性体が連続
状態となり一体となる。
【0033】なお、図4Aおよび図4Bでは、上部シー
ト40、中間シート41および下部シート42を既に正
六角形状のものとして説明しているが、本発明では導電
材料の融点以上の温度で焼成するため、溶融によって導
電材料が流出しないように、焼成後に切断する。
【0034】以上の焼成工程によって、上部内部導体4
4a、44b、44cの一端と下部内部導体45a、4
5b、45cの一端とがヴィアホール43a、43b、
43c内のヴィアホール導体を介して電気的にそれぞれ
接続されることになる。
【0035】焼成および切断の後、各磁気回転子は、バ
レル研磨されて側面に現れる内部導体が露出させられ、
かつ焼結体のコーナーの面取りが行われる。その後、図
4Cに示すように、磁気回転子の1つおきの側面に端子
電極46を、その上面および下面ならびに磁気回転子の
端子電極46を設けない各側面に接地導体47を焼き付
けて形成する。これにより、上部内部導体44a、44
b、44cの磁気回転子側面に露出している他端が各端
子電極(46)に電気的に接続されることとなり、下部
内部導体45a、45b、45cの磁気回転子側面に露
出している他端が各側面の接地導体(47)に電気的に
接続されることとなる。そして、この磁気回転子の各端
子電極(46)に、図2に示すように共振用キャパシタ
21a、21b、21cを組み付けて、リフロー法等に
よりはんだ付けする。その後、直流磁界を印加するため
の励磁用永久磁石と磁気ヨークを兼用する金属ハウジン
グとを組み付けて、サーキュレータが完成する。
【0036】上記構成例は、3端子型のサーキュレータ
に関するものであるが、本発明はそれ以上の数の端子を
有するサーキュレータについても適用可能である。さら
に、上述した集中定数型サーキュレータ以外にも、磁気
回転子と容量回路とが一体化され端子回路に動作周波数
範囲を広げるためのインピーダンス変換器が組み込まれ
ているような分布定数型サーキュレータにも適用可能で
ある。また、このようなサーキュレータを発展させるこ
とにより、アイソレータ等の非可逆回路素子も容易に作
製できる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。 (実施例1)酸化イットリウム(Y23)と酸化鉄(F
23)をモル比で3:5の割合で混合した。混合粉を
1200℃で仮焼した。得られた仮焼粉をボールミルに
て粉砕した。有機バインダーおよび溶剤を添加し、さら
に銀粉をそれぞれ表1に示すように0.2〜5wt%添加
し磁性体スラリーを作製した。得られたスラリーをドク
ターブレード法にて、グリーンシートに成形した。グリ
ーンシートにヴィアホール用の穴をパンチングマシーン
で形成し、その後グリーンシートに厚膜印刷法で銀導体
パターンを印刷した。なお、銀導体の幅は、特開平9−
181412号の際の2分の1とした(以下同じ)。こ
のとき、ヴィアホールの充填も同時に行った。印刷ペー
ストには、銀のみを分散したペーストと、銀にGa23
を3mol%添加したペーストを使用した。グリーンシー
トを熱圧着し、積層体を得た。その後、1430℃で焼
成した後、所定の大きさの形状に切断した。
【0038】次に焼成体の上下面に銀ペーストを焼き付
けることによってグランド電極を形成した。さらに、焼
成体側面に、各端子電極および上下のグランド電極をつ
なぐ電極を、銀ペーストを焼き付けることにより形成し
た。これにより磁性体、中心導体が一体化された磁気回
転子を得た。磁気回転子101、容量基板102、フェ
ライトマグネット103、ヨーク104を図5の配置で
組み立てることにより非可逆回路素子のサンプル(実施
例1−1〜1−10)を得た。比較例1としては磁性体
材料に銀を添加しないこと以外は実施例と同じサンプル
を用いた。なお、容量基板102、フェライトマグネッ
ト103、ヨーク104については従来と同様のものを
用いた(以下の実施例、比較例についても同様)。表1
に非可逆回路素子のサンプルの歩留まりを示した。な
お、サンプルは108個作製した。透過X線測定装置に
より素子の内部電極を観察し、素子の断線および素子配
線幅の2/3以上にわたる欠陥の発生をもって素子を不
良と判定した。なお、平均グレインサイズは3.2〜
5.4μm であった。
【0039】
【表1】
【0040】(実施例2)酸化物磁性体材料として、酸
化イットリウム(Y23)と酸化鉄(Fe23)と酸化
アルミニウム(Al23)をモル比で6:9:1の割合
で混合したものを用いたほかは、実施例1と同様にして
非可逆回路素子(実施例2−1〜2−10、比較例2)
を得た。表2に、磁性体材料への銀の添加量、非可逆回
路素子の歩留まりを示した。高周波特性はネットワーク
アナライザで測定した。
【0041】
【表2】
【0042】(実施例3)酸化物磁性体材料として、酸
化イットリウム(Y23)と酸化鉄(Fe23)と酸化
バナジウム(V25)と炭酸カルシウム(CaCO3
をモル比で11:23:2:8の割合で混合したものを
用いたほかは実施例1と同様にして非可逆回路素子を得
た。
【0043】表3に磁性体材料への銀の添加量、非可逆
回路素子の歩留まりを示した。高周波特性はネットワー
クアナライザで測定した。
【0044】
【表3】
【0045】上記実施例1−1〜1−5、2−1〜2−
5および3−1〜3−5において、GaO3の代わり
に、La23、Pr611、Sm23、Eu23、Gd2
3、Dy23、Er23、Tm23およびYb23
いずれかを添加したこと以外は、それぞれの実施例と同
様にして歩留まりを測定したところ、同等の効果が得ら
れた。以上から、本発明の効果が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】3端子サーキュレータの磁気回転子の構成を概
略的に示す一部破断斜視図である。
【図2】3端子サーキュレータの全体構成を示す分解斜
視図である。
【図3】図2の3端子サーキュレータの等価回路図であ
る。
【図4】図1の磁気回転子の製造工程の一部を説明する
図である。
【図5】実施例で製造した非可逆回路素子の構造を説明
するための図である。
【符号の説明】
101 磁気回転子 102 容量基板 103 フェライトマグネット 104 ヨーク
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年10月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】そこで、本出願人は、銀を主成分とする内
部導体を用い、導体溶融法によりセラミック材料と同時
焼成してもボイドの発生およびそれに起因するクラック
の発生が抑制され、さらに生産性が向上し、コストも低
減でき、電気特性に優れる高品質な導体ペーストと、こ
れを用いた積層セラミック部品とを提供することを目的
として、WO98/05045において、次のような導
体ペーストおよびこの導体ペーストを用いて形成された
内部導体を備える積層セラミック部品を提案した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。 (実施例1)酸化イットリウム(Y)と酸化鉄
(Fe)をモル比で3:5の割合で混合した。混
合粉を1200℃で仮焼した。得られた仮焼粉をボール
ミルにて粉砕した。有機バインダーおよび溶剤を添加
し、さらに銀粉をそれぞれ表1に示すように0.2〜5
wt%添加し磁性体スラリーを作製した。得られたスラ
リーをドクターブレード法にて、グリーンシートに成形
した。グリーンシートにヴィアホール用の穴をパンチン
グマシーンで形成し、その後グリーンシートに厚膜印刷
法で銀導体パターンを印刷した。なお、銀導体の幅は、
WO98/05045の際の2分の1とした(以下同
じ)。このとき、ヴィアホールの充填も同時に行った。
印刷ペーストには、銀のみを分散したペーストと、銀に
Gaを3mol%添加したペーストを使用した。
グリーンシートを熱圧着し、積層体を得た。その後、1
430℃で焼成した後、所定の大きさの形状に切断し
た。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同時焼成された内部導体層とセラミック
    層とを備える積層セラミック部品において、前記内部導
    体層が銀を主成分とする導電材料で形成され、前記セラ
    ミック層がイットリウム鉄ガーネット系酸化物磁性材料
    に銀が添加されたもので形成された積層セラミック部
    品。
  2. 【請求項2】 前記酸化物磁性材料への銀の添加量が1
    0wt%以下である請求項1の積層セラミック部品。
  3. 【請求項3】 前記酸化物磁性材料への銀の添加量が5
    wt%以下である請求項1の積層セラミック部品。
  4. 【請求項4】 前記内部導体層が、銀を主成分とする導
    電材料と、Ga酸化物、La酸化物、Pr酸化物、Sm
    酸化物、Eu酸化物、Gd酸化物、Dy酸化物、Er酸
    化物、Tm酸化物およびYb酸化物のいずれか一種以上
    である金属酸化物とをビヒクル中に分散した導体ペース
    トを焼成したものである請求項1〜3のいずれかの積層
    セラミック部品。
  5. 【請求項5】 前記導電材料100重量部に対する前記
    金属酸化物の含有量が0.1〜20重量部である請求項
    4の積層セラミック部品。
  6. 【請求項6】 焼成温度が前記導電材料の融点以上沸点
    未満の温度である請求項1〜5のいずれかの積層セラミ
    ック部品。
  7. 【請求項7】 非可逆回路素子である請求項1〜6のい
    ずれかの積層セラミック部品。
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