JPH111548A - ノルボルネン系重合体及びその製造方法 - Google Patents

ノルボルネン系重合体及びその製造方法

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JPH111548A
JPH111548A JP28768996A JP28768996A JPH111548A JP H111548 A JPH111548 A JP H111548A JP 28768996 A JP28768996 A JP 28768996A JP 28768996 A JP28768996 A JP 28768996A JP H111548 A JPH111548 A JP H111548A
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JP
Japan
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norbornene
weight
aromatic ring
film
average molecular
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JP28768996A
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English (en)
Inventor
Jiyunji Kodemura
順司 小出村
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH111548A publication Critical patent/JPH111548A/ja
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光線透過性、引張強度、引張伸び、及び耐水
蒸気透過性に優れ、かつ、PVAフィルムとの接着性に
も優れた偏光膜保護用フィルム材料として好適なノルボ
ルネン系重合体、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 芳香環含有ノルボルネン系モノマー単位
(A)の結合量10〜90重量%と芳香環を含有しない
ノルボルネン系モノマー単位(B)の結合量10〜90
重量%とを含み、重量平均分子量(Mw)が1,000
〜500,000で、重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以下であ
るノルボルネン系重合体。該ノルボルネン系重合体の製
造方法。該ノルボルネン系重合体からなるフィルム、及
びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光線透過性、引張
強度、引張伸び、及び耐水蒸気透過性に優れ、かつ、偏
光膜との接着性にも優れるフィルム材料として好適なノ
ルボルネン系重合体、及びその製造方法に関する。ま
た、本発明は、光線透過性、引張強度、引張伸び、及び
耐水蒸気透過性に優れ、かつ、偏光膜との接着性にも優
れる偏光膜の保護フィルムとして有用なフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】偏光フィルムは、反射光除去、光ロック
性等の諸機能を生かして、例えば、サングラス、カメラ
用フィルター、スポーツゴーグル、照明用グローブ、自
動車ヘッドライトの防眩被覆、室内透視防止、光量調整
フィルター、蛍光表示コントラスター、透光度連続変化
板、顕微鏡用偏光フィルム等の広範な分野に利用されて
いる。最近では、液晶ディスプレイ(LCD)に使用さ
れ、その機能性がクローズアップされている。LCD用
偏光フィルムは、光の透過遮蔽機能を受け持ち、光のス
イッチング機能を果たす液晶とともに電気信号をディス
プレイ化する役割をもっている。このような機能性を発
揮する上で、偏光フィルムに対する光学特性、耐久性、
その他の要求品質が厳しくなっている。
【0003】偏光フィルムは、偏光子として、一般に、
薄膜型の偏光子(偏光膜)が使用されており、その両面
に各種高分子フィルムからなる保護層が接着剤により積
層された構造を有している。偏光膜としては、通常、透
明な高分子フィルムを一定方向に分子配列し、ミセルの
間隙に二色性物質を吸着させた構成の偏光膜が使用され
ている。このような偏光膜には、基体となる高分子フィ
ルムとして、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略
記)の薄いシート(フィルム)が汎用されている。より
具体的には、PVAフィルムからなる偏光基体に、偏光
要素(ヨウ素、染料など)を吸着・分散させた構造を有
する偏光膜が汎用されている。その具体例としては、P
VA・ヨウ素系、PVA・染料系、PVA・ポリビニレ
ン系などのPVA系偏光膜がある。
【0004】ところが、PVA系偏光膜は、透過軸方向
に対する機械的強度が弱く、しかも熱や水分によって収
縮したり、偏光機能が低下し易いため、通常、その両面
に各種フィルムからなる保護層が接着剤により積層さ
れ、それによって耐久性や機械的強度を確保している。
この積層体が、偏光フィルムまたは偏光板と呼ばれてい
る。保護層には、例えば、複屈折がないこと、光線透過
率が高いこと、防湿性や耐熱性が良好であること、機械
的強度が高いこと、表面が平滑で、解像度が高いこと、
偏光膜との密着性が良好であること、外観性に優れてい
ること、などの性能が要求される。従来、保護層として
は、低複屈折性と外観性の良好なセルローストリアセテ
ート(以下、TACと略記)の溶液流延フィルムが主と
して使用されている。しかし、偏光基体を構成するPV
Aフィルムの水蒸気透過度が25μmの厚さで、25
℃、90%RH(相対湿度)の環境下、1000〜12
00g/m2・24hr程度であるのに対して、保護層
のTACフィルムは、同じ条件で700g/m2・24
hr程度の水蒸気透過度を有しており、防湿性が不充分
である。したがって、TACフィルムを保護層とする偏
光フィルムは、高温高湿での耐久性に乏しく、例えば、
80℃、90%RHの環境下では100時間以下で劣化
し、偏光性能が急激に低下してしまう。
【0005】また、TACフィルムは、引張強度が6〜
11kg/mm2程度しかなく、物理的強度が不足して
いる。したがって、TACフィルムは、50μm以下の
薄膜では、強度及び耐久性が低いため、通常、80μm
程度の厚さのものが使用されている。これらの問題点を
解決する技術として、熱可塑性ノルボルネン系樹脂から
なる高分子シートとPVA系シートとの複合シートが、
光線透過性、外観性、引張強度、引張伸び、及び耐水蒸
気透過性にも優れた特性を有することが報告されている
(特開平4−339821号公報、特開平5−2128
28号公報)。しかしながら、この方法では、熱可塑性
ノルボルネン系樹脂シートとPVAシートとの接着性が
充分でないために耐久性に劣る。また、保護層を薄膜化
させる要求も強くなっており、偏光膜の保護フィルムに
は、引張強度や伸びなどの機械的特性の改善が望まれて
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光線
透過性、引張強度、引張伸び、及び耐水蒸気透過性に優
れ、かつ、PVAフィルムとの接着性にも優れた偏光膜
保護用フィルム材料として好適なノルボルネン系重合
体、及びその製造方法を提供することにある。本発明の
他の目的は、光線透過性、外観性、引張強度、引張伸
び、及び耐水蒸気透過性に優れ、かつ、偏光膜との接着
性にも充分に優れた偏光膜保護フィルムとして有用なフ
ィルム、及びその製造方法を提供することにある。
【0007】本発明者らは、前記従来技術の有する問題
点を克服するために鋭意研究を重ねた結果、特定量の芳
香環含有ノルボルネン系モノマー単位結合量と芳香環を
有さないノルボルネン系モノマー単位結合量を有するノ
ルボルネン系重合体を用いることにより、光線透過性、
引張強度、引張伸び、及び耐水蒸気透過性に優れ、か
つ、PVAフィルムとの接着性にも優れた高分子フィル
ムの得られることを見いだし、その知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、芳香環含有ノルボルネン系モノマー単位(A)の結
合量10〜90重量%と芳香環を含有しないノルボルネ
ン系モノマー単位(B)の結合量10〜90重量%とを
含み、重量平均分子量(Mw)が1,000〜500,
000で、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)が2.0以下であるノルボル
ネン系重合体が提供される。
【0009】また、本発明によれば、芳香環含有ノルボ
ルネン系モノマー(a)と芳香環を含有しないノルボル
ネン系モノマー(b)とをメタセシス触媒系の存在下に
開環重合するに当り、メタセシス触媒系として、W化合
物、Mo化合物、及びRe化合物からなる群より選ばれ
る少なくとも一種の遷移金属化合物(i)、有機アルミ
ニウム化合物(ii)、及びアルコール(iii)を含
み、かつ、アルコールの有機残基の炭素数が2つ以上
で、有機アルミニウム化合物(ii)の有機残基の炭素
数とアルコール(iii)の有機残基の炭素数との和が
9以上であるものを用いることを特徴とするノルボルネ
ン系重合体の製造方法が提供される。
【0010】本発明によれば、芳香環含有ノルボルネン
系モノマー単位(A)の結合量10〜90重量%と芳香
環を含有しないノルボルネン系モノマー単位(B)の結
合量10〜90重量%とを含み、重量平均分子量(M
w)が1,000〜500,000で、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
が2.0以下であるノルボルネン系重合体からなるフィ
ルムが提供される。
【0011】本発明によれば、芳香環含有ノルボルネン
系モノマー単位(A)の結合量10〜90重量%と芳香
環を含有しないノルボルネン系モノマー単位(B)の結
合量10〜90重量%とを含み、重量平均分子量(M
w)が1,000〜500,000で、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
が2.0以下であるノルボルネン系重合体を溶液流延す
ることを特徴とするフィルムの製造方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】ノルボルネン系重合体 (1)重合体 本発明のノルボルネン系重合体は、芳香環含有ノルボル
ネン系モノマー単位(A)と芳香環を含有しないノルボ
ルネン系モノマー単位(B)とを含む共重合体である。
ここで、「モノマー単位」とは、各モノマーに由来する
重合体中の結合単位または繰り返し単位を意味する。芳
香環含有ノルボルネン系モノマー単位(A)としては、
格別な限定はないが、例えば、式(A4)で表される繰
り返し単位を挙げることができる。
【0013】
【化1】 式(A4)中、各記号の意味は、次のとおりである。 m:0、1または2である。 h:0、1または2である。 j:0、1または2である。 k:0、1または2である。・・・ :炭素−炭素の単結合または二重結合を表す。 R1〜R11:それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、
及びハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、エステル基
(例、アルキルエステル基)、シアノ基、アミド基、イ
ミド基、シリル基などの極性基よりなる群より選ばれる
原子または基、並びにこれらの極性基が置換した炭化水
素基を表す。 R12〜R20:それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、
及びハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、エステル基
(例、アルキルエステル基)、シアノ基、アミド基、イ
ミド基、シリル基などの極性基よりなる群より選ばれる
原子または基、並びにこれらの極性基が置換した炭化水
素基を表す。
【0014】式(A4)において、R10及びR11が結合
している炭素原子と、R14が結合している炭素原子また
はR12が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素
原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよ
い。また、j=k=0の場合には、R16とR13またはR
16とR20は、互いに結合して、炭素−炭素不飽和結合、
単環または多環の芳香環を形成してもよい。
【0015】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができ
る。炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜2
0、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6のアル
キル基、炭素原子数が2〜20、好ましくは2〜10、
より好ましくは2〜6のアルケニル基、炭素原子数が2
〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6の
アルキニル基、炭素原子数が2〜20、好ましくは2〜
10、より好ましくは2〜6のアルキリデン基、炭素原
子数3〜15、好ましくは3〜8、より好ましくは5〜
6のシクロアルキル基、及び炭素原子数6〜20、好ま
しくは6〜16、より好ましくは6〜10の芳香族炭化
水素基などを挙げることができる。極性基が置換した炭
化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜20、好ま
しくは1〜10、より好ましくは1〜6のハロゲン化ア
ルキル基を挙げることができる。芳香環含有ノルボルネ
ン系モノマー単位(A)は、これらの式(A4)で表さ
れるものの中でも、例えば、式(A4-1)または式(A
4-2)で表されるものが好ましい。
【0016】
【化2】 式(A4-1)中、各記号の意味は、次のとおりである。 t:0または1である。 R21〜R23:それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4
の低級アルキル基または炭素数2〜4の低級アルケニル
基であり、好ましくは水素原子である。・・・ :炭素−炭素の単結合または二重結合を表す。
【0017】
【化3】 式(A4-2)中、各記号の意味は、次のとおりである。 u:0または1である。 R24〜R27:それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4
の低級アルキル基、または炭素数2〜4の低級アルケニ
ル基であり、好ましくは水素原子である。R24とR25
で炭素数1〜4の低級アルキリデン基を形成してもよ
く、さらに、R24とR26とで炭素−炭素不飽和結合を形
成してもよい。・・・ :炭素−炭素の単結合または二重結合を表す。
【0018】本発明のノルボルネン系重合体中のこれら
の芳香環含有ノルボルネン系モノマー単位(A)の結合
量は、10〜90重量%、好ましくは30〜85重量
%、より好ましくは50〜80重量%の範囲である。ノ
ルボルネン系重合体中の芳香環含有ノルボルネン系モノ
マー単位(A)の結合量が過度に小さいと、得られるフ
ィルムの偏光膜との接着性が充分でなく、逆に、過度に
多いと引張強度や伸び等の機械的強度特性に劣り、いず
れも好ましくない。芳香環を有さないノルボルネン系モ
ノマー単位(B)としては、格別な限定はないが、例え
ば、式(B4)で表される繰り返し単位を挙げることが
できる。
【0019】
【化4】 式(B4)中、各記号の意味は、次のとおりである。 n:0または1である。 s:0または1である。 p:0、1または2である。 q:0または1である。 r:0または1である。・・・ :炭素−炭素の単結合または二重結合を表す。 R1〜R20:それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、
及びハロゲン原子、水酸基、エステル基、アルコキシ
基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等の極性
基よりなる群より選ばれる原子または基、並びにこれら
の極性基が置換した炭化水素基を表す。 Ra〜Rd:それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、及
びハロゲン原子、水酸基、エステル基、アルコキシ基、
シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等の極性基よ
りなる群より選ばれる原子または基、並びにこれらの極
性基が置換した炭化水素基を表す。
【0020】式(B4)において、R15〜R18は、互い
に結合して単環または多環を形成していてもよく、か
つ、この単環または多環は二重結合を有していてもよ
い。R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。qまたはrが0の場合に
は、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。
【0021】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができ
る。炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜2
0、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6のアル
キル基、炭素原子数が2〜20、好ましくは2〜10、
より好ましくは2〜6のアルケニル基、炭素原子数が2
〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6の
アルキニル基、炭素原子数3〜15、好ましくは3〜
8、より好ましくは5〜6のシクロアルキル基、及び炭
素原子数6〜20、好ましくは6〜16、より好ましく
は6〜10の芳香族炭化水素基などを挙げることができ
る。極性基が置換した炭化水素基としては、例えば、炭
素原子数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましく
は1〜6のハロゲン化アルキル基を挙げることができ
る。芳香環を有さないノルボルネン系モノマー単位
(B)は、これらの式(B4)で表されるものの中で
も、例えば、式(B4-1)または式(B4-2)で表される
ものが好ましい。
【0022】
【化5】 式(B4-1)中、各記号の意味は、次のとおりである。 x:0または1である。 y:0または1である。 z:0または1である。 R21〜R24:それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4
の低級アルキル基、炭素数2〜4の低級アルケニル基で
あり、好ましくは水素原子である。 R25〜R28:それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4
の低級アルキル基または炭素数2〜4の低級アルケニル
基である。また、R25とR26またはR27とR28とで炭素
数1〜4の低級アルキリデン基を形成してもよく、かつ
25とR27とで炭素−炭素不飽和結合を形成してもよ
い。・・・ :炭素−炭素の単結合または二重結合を表す。
【0023】
【化6】 式(B4-2)中、各記号の意味は、次のとおりである。 w:0または1である。 R29〜R32:それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4
の低級アルキル基または炭素数2〜4の低級アルケニル
基である。また、R25とR26またはR27とR28とで炭素
数1〜4の低級アルキリデン基を形成してもよく、かつ
25とR27とで炭素−炭素不飽和結合を形成してもよ
い。・・・ :炭素−炭素の単結合または二重結合を表す。
【0024】本発明のノルボルネン系重合体中のこれら
の芳香環を含有しないノルボルネン系モノマー単位
(B)の結合量は、前記芳香環含有ノルボルネン系モノ
マー単位(A)の結合量の残部であり、通常10〜90
重量%、好ましくは15〜70重量%、より好ましくは
20〜50重量%の範囲である。上記式(A4)、(A
4-1)、(A4-2)、(B4)、(B4-1)及び(B4-2
において、・・・は、炭素−炭素の単結合(C−C)ま
たは二重結合(C=C)を表す。本発明のノルボルネン
系重合体は、芳香環含有ノルボルネン系モノマー(a)
と芳香環を含有しないノルボルネン系モノマー(b)と
をメタセシス触媒系の存在下に開環共重合し、必要に応
じて水素添加することにより得ることができる。この開
環共重合体は、主鎖に炭素−炭素の二重結合を有する。
この開環共重合体を水素添加すると、主鎖の二重結合が
水素添加されて炭素−炭素の単結合となる。この場合、
水素添加率が100%に達しない場合には、炭素−炭素
の単結合と二重結合とが共存することになる。・・・
は、未水素添加物、水素添加物、及び部分水素添加物の
全てを表す。
【0025】主鎖の炭素−炭素二重結合は、95%以上
の水素添加率で水素添加されていてもよい。側鎖に非共
役の炭素−炭素二重結合が存在する場合には、主鎖の二
重結合の水素添加時に、それらも同様に水素添加される
が、側鎖の芳香環は、前記芳香環含有ノルボルネン系モ
ノマー単位(A)の含有量の範囲内に入るように部分水
素添加される。水素添加については、後に詳述する。ま
た、その他の各式中の符号のより具体的な内容について
は、ノルボルネン系重合体の製造方法の説明の箇所で詳
述する。
【0026】本発明のノルボルネン系重合体の分子量
は、トルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・ク
ロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレ
ン換算の数平均分子量(Mn)で表すと、1,000〜
500,000、好ましくは2,000〜200,00
0、より好ましくは5,000〜100,000の範囲
である。ノルボルネン系重合体の重量平均分子量(M
w)が過度に小さいと機械的強度特性が充分でなく、逆
に、過度に大きいと成形加工性に劣り、いずれも好まし
くない。本発明のノルボルネン系重合体の分子量分布
は、トルエンを溶媒するGPCにより測定したポリスチ
レン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)が、2.00以下、好ましく
は1.95以下、より好ましくは1.90以下である。
ノルボルネン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)が過
度に広いと機械的強度特性が充分でなく好ましくない。
【0027】(2)ノルボルネン系モノマー 本発明のノルボルネン系重合体は、例えば、芳香環含有
ノルボルネン系モノマー(a)と芳香環を有さないノル
ボルネン系モノマー(b)とをメタセシス触媒系の存在
下で重合し、必要に応じて水素添加して得ることができ
る。芳香環含有ノルボルネン系モノマー(a)として
は、例えば、式(A1
【0028】
【化7】 [式中、各符号の意味は、式(A4)におけるのと同じ
である。]で表されるモノマーを挙げることができる。
さらに、好ましいノルボルネン系モノマー(a)として
は、例えば、式(A1-1)または(A1-2)で表されるモ
ノマーを挙げることができる。
【0029】
【化8】 [式中、各符号の意味は、式(A4-1)におけるのと同
じである。]
【0030】
【化9】 [式中、各符号の意味は、式(A4-2)におけるのと同
じである。]
【0031】芳香環含有ノルボルネン系モノマー(a)
の具体例としては、例えば、5−フェニル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−フェニル−2−
ノルボルネン),5−メチル−5−フェニル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ベンジル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリル−ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン〔5−(4−メ
チルフェニル)−2−ノルボルネン〕、5−(エチルフ
ェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、8−フェニル−テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
メチル−8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−ベンジル−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−トリル−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−(エチルフェニル)−テ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、8−(イソプロピルフェニル)−テトラシクロ
[4.4.0.12.5.17,10]−3−ドデセン、8,
9−ジフェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−(ビフェニル)−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−(β−ナフチル)−テトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(α−ナフ
チル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、8−(アントラセニル)−テトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、1
1−フェニル−ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.0
2,7.09,14]−4ヘプタデセン、6−(α−ナフチ
ル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5
−(アントラセニル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプ
ト−2−エン、5−(ビフェニル)−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、5−(β−ナフチル)−
ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−
ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、9−(2−ノルボルネン−5−イル)−カルバゾー
ルなどの芳香族置換基を有するノルボルネン系モノマ
ー;1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8
a,9a−オクタヒドロフルオレン類;1,4−メタノ
−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,
4−メタノ−8−メチル−1,4,4a,9a−テトラ
ヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−クロロ−1,
4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メ
タノ−8−ブロモ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ
フルオレン等の1,4−メタノ−1,4,4a,9a−
テトラヒドロフルオレン類、1,4−メタノ−1,4,
4a,9a−テトラヒドロジベンゾフラン類、1,4−
メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロカルバゾー
ル、1,4−メタノ−9−フェニル−1,4,4a,9
a−テトラヒドロカルバゾール等の1,4−メタノ−
1,4,4a,9a−テトラヒドロカルバゾール類、
1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘ
キサヒドロアントラセンなどの1,4−メタノ−1,
4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセ
ン類、7,10−メタノ−6b,7,10,10a−テ
トラヒドロフルオランセン類、(シクロペンタジエン−
アセナフチレン付加物)にシクロペンタジエンをさらに
付加した化合物、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ
[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデ
セン、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.6.
1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、1
4,15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.
2,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイ
コセン、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物な
どの多環体構造中にノルボルネン環構造と芳香族環構造
とを有する芳香環含有ノルボルネン系モノマー;などを
挙げることができる。
【0032】また、芳香環含有ノルボルネン系モノマー
(a)は、上記の具体例の化合物以外にも、アルキル、
アルキリデン、アルケニル置換誘導体、及びこれら置換
または非置換の化合物のハロゲン、水酸基、エステル基
(例、アルキルエステル基)、アルコキシ基、シアノ
基、アミド基、イミド基、シリル基等の極性置換体であ
ってもよい。これらの芳香環含有ノルボルネン系モノマ
ー(a)は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み
合わせて用いることができる。芳香環含有ノルボルネン
系モノマー(a)の使用量は、ノルボルネン系重合体中
の前記芳香環含有ノルボルネン系モノマー単位(A)の
結合量になるように適宜選択される。芳香環を有さない
ノルボルネン系モノマー(b)としては、例えば、式
(B1
【0033】
【化10】 [式中、各符号の意味は、式(B4)におけるのと同じ
である。]で表されるモノマーを挙げることができる。
さらに、好ましい芳香環を有さないノルボルネン系モノ
マー(b)としては、例えば、式(B1-1)または(B
1-2)で表されるモノマーを挙げることができる。
【0034】
【化11】 [式中、各符号の意味は、式(B4-1)におけるのと同
じである。]
【0035】
【化12】 [式中、各符号の意味は、式(B4-2)におけるのと同
じである。]
【0036】芳香環を含有しないノルボルネン系モノマ
ー(b)としては、例えば、特開平2−227424号
公報、特開平2−276842号公報、及び特開平8−
72210号公報などに開示されている公知のモノマー
を使用することができる。芳香環を含有しないノルボル
ネン系モノマー(b)の具体例としては、例えば、ノル
ボルネン、そのアルキル、アルキリデン、芳香族置換誘
導体、及びこれら置換または非置換のノルボルネンのハ
ロゲン、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ
基、アミド基、イミド基、シリル基等の極性基置換体を
挙げることができる。より具体的には、例えば、2−ノ
ルボルネン〔すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン〕、5−メチル−2−ノルボルネン、5,6
−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノル
ボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリ
デン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2
−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−
メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、
5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−
ノルボルネン、5−オクタデシル−2−ノルボルネン等
が挙げられる。
【0037】また、その他の具体例としては、ノルボル
ネンに一つ以上のシクロペンタジエンが付加したモノマ
ー、その上記と同様の誘導体や置換体、より具体的に
は、例えば、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−2,3−シクロペンタジエノ
ナフタレン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−
1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−
1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,1
0,10a−ドデカヒドロ−2,3−シクロペンタジエ
ノアントラセン等;シクロペンタジエンの多量体である
多環構造の単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、
より具体的には、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒ
ドロジシクロペンタジエン等;シクロペンタジエンとテ
トラヒドロインデン等との付加物、その上記と同様の誘
導体や置換体、より具体的には、1,4−メタノ−1,
4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフ
ルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジ
エノナフタレン等;などが挙げられる。これらの芳香環
を含有しないノルボルネン系モノマー(b)は、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いること
ができる。芳香環を含有しないノルボルネン系モノマー
(b)の使用量は、ノルボルネン系重合体中の前記芳香
環を含有しないノルボルネン系モノマー単位(B)の結
合量に成るように適宜選択される。
【0038】本発明のノルボルネン系重合体は、本発明
の目的を損ねない範囲で、共重合可能なビニル化合物の
結合単位を含有してもよい。ビニル化合物としては、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−
ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1
−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメ
チル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテ
ン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−
テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、
1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたは
α−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シク
ロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メ
チルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−
シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a
−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなど
のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチ
ル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキ
サジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;
スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニ
ルナフタレンなどの芳香族ビニル;等が挙げられる。こ
れらのビニル系化合物は、それぞれ単独で、あるいは2
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0039】(3)触媒及び重合方法 本発明のノルボルネン系重合体は、例えば、上記各モノ
マーを、(1)W、Mo及びReの化合物からなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の遷移金属化合物(i)と有
機アルミニウム化合物(ii)とアルコール(iii)
とを含んでなり、アルコール(iii)の炭素数が2以
上であり、かつ、有機アルミニウム化合物(ii)の有
機残基の炭素数とアルコール(iii)の炭素数との和
が9以上、好ましくは10〜30、より好ましくは12
〜20である触媒系を用いて開環共重合することにより
得ることができる。また、本発明のノルボルネン系重合
体は、上記各モノマーを、(2)W、Mo及びReの化
合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移金属
化合物(i)と有機アルミニウム化合物(ii)とアル
コール(iii)とアルコール以外の含酸素有機化合物
(iv)を含む触媒系を用いて開環共重合することによ
り得ることができる。
【0040】上記(1)及び(2)の方法で用いる遷移
金属化合物(i)としては、例えば、WCl6、WC
5、WCl4、WCl2、WBr6、WBr4、WBr2
WF6、WF4、WI6、WI4、WOCl4、WOBr4
WOF4、W(OC656、WCl2(OC654、W
(CO)3・(CH3CN)3、W(OC252Cl3
W(CO)6、(CO)5WC(OCH3)(CH3)、
(CO)5WC(OC25)(CH3)、(CO)5WC
(OC25)(C45)、W(CO)3・(CH3CN)
3、;MoCl5、MoCl4、MoCl3、MoBr4
MoBr3、MoBr2、MoF4、MoOCl3、MoO
3、Mo(OC252Cl3、Mo(OC255、M
oO2(acac)2、Mo(CO)6、(CO)5MoC
(OC25)(CH3);ReCl3、ReOCl3、R
eOBr3、Re2(CO)16、ReOBr3・P(C6
53;等が挙げられる。これらの中でも特に好ましい化
合物としては、MoCl5、Mo(OC252Cl3
WCl6、W(OC252Cl3などが挙げられる。
【0041】前記(1)の製造方法は、使用するアルコ
ール(iii)の炭素原子数が2以上であり、かつ、使
用する有機アルミニウム(ii)とアルコール(ii
i)の有機残基の炭素原子の合計量が9以上、好ましく
は10〜30、より好ましくは12〜20となるような
組み合わせで用いることを特徴とする。有機アルミニウ
ム(ii)としては、例えば、式(1) R313233Al (1) (式中、R31、R32、及びR33は、それぞれ独立して、
有機残基を示す。)で表される。
【0042】R31〜R33の有機残基としては、例えば、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基
などの炭化水素基が挙げられ、好ましくは、アルキル基
である。R31〜R33の炭素数は、格別な制限はないが、
通常2以上、好ましくは3〜20、より好ましくは4〜
10の範囲である。具体的には、例えば、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デカニル、ウンデカニル、ドデカニル、トリデカニ
ル、テトラデカニル、ペンタデカニル、オクタデカニ
ル、エイコシル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の
アルキル基;プロペニル、ペンテニル等のアルケニル
基;プロパギル等のアルキニル基;フェニル、ベンジ
ル、ナフチルなどのアリール基;などが挙げられる。こ
れらの中でも、プロピル、ブチル、イソブチル、sec
−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ノニル、デカニルなどが好ましく、ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが特に好
ましい。
【0043】有機アルミニウム(ii)の好ましい具体
例としては、トリエチルアルミニウム、トリプロピルア
ルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリデシル
アルミニウムなどが挙げられる。これらの有機アルミニ
ウム(ii)は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を
組み合わせて用いることができる。有機アルミニウム
(ii)の使用量は、反応条件に応じて適宜選択される
が、(i):(ii)の金属原子比で、通常1:1〜
1:1000、好ましくは1:2〜1:100、より好
ましくは1:5〜1:50の範囲である。
【0044】アルコール(iii)としては、例えば、
式(2) R34OH (2) (式中、R34は、炭素数が2以上の有機残基を示す。)
で表される。R34の炭素数は、通常2〜20、好ましく
は2〜15、より好ましくは3〜10の範囲である。R
34の有機残基としては、例えば、アルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基などが挙げられ、好ま
しくはアルキル基、アリール基で、より好ましくはアル
キル基である。通常炭化水素基で、例えば、エチル、プ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニ
ル、ウンデカニル、ドデカニル、トリデカニル、テトラ
デカニル、ペンタデカニル、オクタデカニル、エイコシ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのアルキル
基;プロペニル、ペンテニルなどのアルケニル基;プロ
パギルなどのアルキニル基;フェニル、ベンジル、ナフ
チルなどのアリール基;などが挙げられる。これらの中
でも、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、sec
−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ノニル、デカニル、フェニル、ベンジルなどが好まし
く、プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
ペンチル、ヘキシル、フェニルなどが特に好ましい。
【0045】好ましいアルコール(iii)の具体例と
しては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタ
ノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、
デカノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノー
ル、フェノール、ベンジルアルコールなどが挙げられ、
より好ましくは、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、フェノールなどである。これ
らのアルコール(iii)は、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができる。アルコ
ール(iii)の使用量は、反応条件に応じて適宜選択
されるが、(i):(iii)のモル比で、通常1:1
〜1:1000、好ましくは1:2〜1:100、より
好ましくは1:5〜1:50の範囲である。
【0046】前記(1)の製造方法の特徴は、上記
(i)成分、有機アルミニウム化合物(ii)及びアル
コール(iii)とを用い、アルコール(iii)の炭
素原子数が2以上で、かつ、有機アルミニウム化合物
(ii)とアルコール(iii)の各有機残基の炭素原
子数の和が9以上、好ましくは10〜30、より好まし
くは12〜20であるものを用いることを特徴とする。
即ち前記一般式(1)及び(2)においては、R34の炭
素原子数が2以上であり、かつ、R31、R32、及びR33
の有機残基とR34の有機残基との炭素原子数の和が9以
上、好ましくは10〜30、より好ましくは12〜20
の範囲となる。R34の炭素原子数が少ないか、または、
31〜R34の炭素原子数の和が過度に少ないと、重合反
応途中でゲル化が起こり、目的とするノルボルネン系重
合体を得られず好ましくない。
【0047】上記(2)の製造方法としては、メタセシ
ス触媒系としてW、Mo、及びReの化合物からからな
る群より選ばれる少なくとも一種の遷移金属化合物
(i)、有機アルミニウム化合物(ii)、及びアルコ
ール(iii)を用いる他に、アルコール以外の含酸素
有機化合物(iv)を含むことを特徴とする。メタセシ
ス触媒系が、(i)成分、(ii)成分、及び(iv)
成分のみだと、重合反応途中で、ゲル化が起きやすく、
目的とするノルボルネン系重合体を得られず好ましくな
い。
【0048】(2)の方法で使用する有機アルミニウム
(ii)及びアルコール(iii)の炭素原子数は、必
ずしも(1)の方法のように限定されるない。アルコー
ル以外の含酸素有機化合物(iv)としては、例えば、
エーテル、ケトン、エステル、カルボン酸などが挙げら
れる。これらの中でもエーテルが好ましい。エーテルと
しては、例えば、ジメチルエーテル、メチルエチルエー
テル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテ
ル、ジヘキシルエーテル、アニソールなどの鎖状エーテ
ル;テトラヒドロフラン、ジオキサン、パラホルムアル
デヒドなどの環状エーテル;などが挙げられる。これら
のアルコール以外の含酸素有機化合物(iv)は、それ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。(iv)成分の使用量は、反応条件に応じ
て適宜選択されるが、(i):(iv)のモル比で、通
常1:1〜1:1000、好ましくは1:2〜1:10
0、より好ましくは1:5〜1:50の範囲である。
【0049】溶媒は、用いなくても重合可能であるが、
不活性有機溶媒中で実施することが好ましい。溶剤とし
ては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素;n−ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなど
の脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環族炭化水
素;スチレンジクロリド、ジクロルエタン、ジクロルエ
チレン、テトラクロルエタン、クロルベンゼン、ジクロ
ルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素;などが挙げられる。
【0050】これらの重合触媒の調整法には、格別な制
限はないが、(1)の方法では、有機アルミニウム化合
物(ii)とアルコール(iii)とを混合後、ノルボ
ルネン系モノマーの少なくとも一部(モノマー全体の1
〜30重量%、好ましくは5〜15重量%)を混合し、
遷移金属化合物(i)の少なくとも一部(触媒全体の通
常10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%)を
添加して重合を開始し、残部のノルボルネン系モノマー
と遷移金属化合物(i)との混合物を添加して重合を継
続させる。(2)の方法では、順次、有機アルミニウム
化合物(ii)、アルコール(iii)、モノマーの一
部、及び遷移金属化合物(i)の一部の順で混合して触
媒系を調製し、次に、残部のモノマー及び遷移金属化合
物(i)をプロップして重合を行う。重合温度は、通常
−50℃〜100℃、好ましくは−30℃〜80℃、よ
り好ましくは−20℃〜60℃であり、重合圧力は、通
常、0〜50kg/cm2、好ましくは0〜20kg/
cm2である。
【0051】式(A1)で表される芳香環含有ノルボル
ネン系モノマー(a)と式(B1)で表される芳香環を
含有しないノルボルネン系モノマー(b)との開環共重
合体は、下式(A2)及び(B2)で表される繰り返し単
位を含有するポリマーである。
【0052】
【化13】 〔式中、各符号の意味は、式(A1)におけるのと同じ
である。〕
【0053】
【化14】 〔式中、各符号の意味は、式(B1)におけるのと同じ
である。〕
【0054】(4)水素添加 本発明のノルボルネン系重合体は、前記式(A2)及び
(B2)で表される繰り返し単位を含有する未水素添加
物であって、主鎖の炭素−炭素二重結合が残存している
ものであってもよいが、耐熱性及び耐候性などの観点か
ら、少なくとも主鎖の炭素−炭素二重結合を水素添加し
たものであることが好ましい。水素添加物は、常法に従
って、開環重合体を水素添加触媒の存在下に、水素によ
り水素化する方法により得ることができる。水素添加触
媒としては、遷移金属化合物とアルキル金属化合物の組
み合わせからなる触媒、例えば、酢酸コバルト/トリエ
チルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/ト
リイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n
−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−
ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチル
マグネシウム等の組み合わせが挙げられる。
【0055】水素添加反応は、通常、不活性有機溶媒中
で実施する。有機溶媒としては、生成する水素添加物の
溶解性に優れていることから、炭化水素系溶媒が好まし
く、環状炭化水素系溶媒がより好ましい。このような炭
化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族
炭化水素;n−ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水
素、シクロヘキサン、デカリン等の脂環族炭化水素;テ
トラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル類;等が挙げられ、これらの2種以上を
混合して使用することもできる。通常は、重合反応溶媒
と同じでよく、重合反応液にそのまま水素添加触媒を添
加して反応させればよい。
【0056】本発明のノルボルネン系重合体は、耐候性
や耐光劣化性が高いことが好ましく、そのために、開環
共重合体の主鎖構造中の不飽和結合の通常95%以上、
好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上は飽
和していることが好ましい。側鎖にアルキリデン基など
の非共役の不飽和結合がある場合には、主鎖の不飽和結
合の水素添加時に、同時に水素添加される。側鎖の芳香
環は、通常20%以上、好ましくは30%以上、好まし
くは40%以上、最も好ましくは100%が残存してい
ることが望ましい。主鎖構造中の不飽和結合と芳香環構
造中の不飽和結合とは、1H−NMRによる分析により
区別して認識することができる。主鎖構造中の不飽和結
合を主として水素添加するには、−20℃〜120℃、
好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜80℃
の温度で、0.1〜50kg/cm2、好ましくは0.
5〜30kg/cm2、より好ましくは1〜20kg/
cm2の水素圧力で水素添加反応を行うことが望まし
い。芳香環を水素添加するには、例えば、水素添加温度
を150〜250℃程度の高温にする。
【0057】式(A1)で表される芳香環含有ノルボル
ネン系モノマー及び式(B1)で表される芳香環を含有
しないノルボルネン系モノマーとの開環重合体の水素添
加物は、主鎖の不飽和結合が水素添加された下式
(A3)及び(B3)で表される繰り返し単位を含有する
ポリマーである。
【0058】
【化15】 〔式中、各符号の意味は、式(A1)におけるのと同じ
である。〕
【0059】
【化16】 〔式中、各符号の意味は、式(B1)におけるのと同じ
である。〕 ただし、これらの開環重合体の水素添加物であって、水
素添加率が小さいものは、式(A2)及び(B2)で表さ
れる側鎖の二重結合が残存している。一方、側鎖の芳香
環の一部が水素添加されている場合には、式(A3)で
表される繰り返し単位において、芳香環の一部が水素添
加されて飽和されている。
【0060】フィルム 本発明のフィルムは、上記ノルボルネン系重合体からフ
ィルム成形して得ることができる。 (1)任意成分 本発明においては、上記ノルボルネン系重合体に、必要
に応じて、ゴム質重合体やその他の熱可塑性樹脂、ある
いはノルボルネン系樹脂に一般に用いられる各種配合剤
を配合して用いることができる。ゴム質重合体は、ガラ
ス転移温度が0℃以下の重合体であって、通常のゴム状
重合体及び熱可塑性エラストマーが含まれる。ゴム質重
合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、使用目
的に応じて適宜選択され、通常5〜200である。
【0061】ゴム状重合体としては、例えばエチレン−
α−オレフィン系ゴム質重合体;エチレン−α−オレフ
ィン−ポリエン共重合体ゴム;エチレン−メチルメタク
リレート、エテレン−ブチルアクリレートなどのエチレ
ンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;エチレン
−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合
体;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
ラウリルなどのアクリル酸アルキルエステルの重合体;
ポリブタジエン、ポリソブレン、スチレン−ブタジエン
またはスチレン−イソプレンのランダム共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソ
プレン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アル
キルエステル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル
酸アルキルエステル−アクリロニトリル共重合体、ブタ
ジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体などのジエン系ゴム;ブ
チレン−イソプレン共重合体などが挙げられる。
【0062】熱可塑性エラストマーとしては、例えばス
チレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレン
ブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体などの芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック
共重合体、低結晶性ポリブタジエン樹脂、エチレン−プ
ロピレンエラストマー、スチレングラフトエチレン−プ
ロピレンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラスト
マー、エチレン系アイオノマー樹脂などを挙げることが
できる。これらの熱可塑性エラストマーのうち、好まし
くは、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、
水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体などであ
り、具体的には、特開平2−133406号公報、特開
平2−305814号公報、特開平3−72512号公
報、特開平3−74409号公報などに記載されている
ものを挙げることができる。
【0063】その他の熱可塑性樹脂としては、例えば、
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
フェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
カーボネート、セルローストリアセテートなどが挙げら
れる。これらのゴム状重合体やその他の熱可塑性樹脂
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損な
わない範囲で適宜選択される。
【0064】ノルボルネン系重合体で一般に用いられる
各種配合剤としては、例えば、酸化防止剤;紫外線吸収
剤;レベリング剤;顔料;染料;脂肪族アルコールのエ
ステル、多価アルコールの部分エステル及び部分エーテ
ル、天然油、合成油、ワックスなどの滑剤;難燃剤;帯
電防止剤;などを挙げることができる。これらの配合剤
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損ね
ない範囲で適宜選択される。以下に、配合剤のいくつか
の具体例を挙げる。
【0065】安定剤としては、例えば、フェノール系酸
化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤など
が挙げられ、これらの中でも、フェノール系酸化防止剤
が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特
に好ましい。フェノール系酸化防止剤としては、従来公
知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニル アクリレート、2、4−ジ
−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−
2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル アクリレ
ートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1
−168643号公報に記載されるアクリレート系化合
物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オク
タデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4′−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾ
ール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス
(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメ
チルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−
ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリチル−テト
ラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕]、トリエチレングリコ
ール ビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)プロピオネート)、トコフェロー
ルなどのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−
ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,
4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6
−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−
2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジ
ン、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチ
ルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,
5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−
1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノ
ール系化合物;などが挙げられる。
【0066】リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工
業で通常使用されているものであれば格別な制限はな
く、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイ
ソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファ
イト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−
t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリ
ス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−
メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オク
チルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、1
0−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキ
シ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファ
フェナントレンなどのモノホスファイト系化合物;4,
4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−
イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C
12〜C15)ホスファイト)、4,4′−イソプロピリデ
ン−ビス(ジフェニルモノアルキル(C12〜C15)ホス
ファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ
−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)
ブタン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−4,4′−ビフェニレンジホスファイト、サイク
リックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホス
ファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス
(イソデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタ
ンテトライルビス(ノニルフェニルホスファイト)、サ
イクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(2,4−ジメチルフェニルホ
スファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビ
ス(2,6−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)な
どのジホスファイト系化合物などが挙げられる。これら
の中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリ
ス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニル
フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
【0067】イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジ
ラウリル 3,3′−チオジプロピオネート、ジミリス
チル 3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル
3,3′−チオジプロピオネート、ラウリルステアリ
ル 3,3′−チオジプロピオネート、ペンタエリスリ
トール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオ
ネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウン
デカンなどが挙げられる。これらの酸化防止剤は、それ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。酸化防止剤の配合量は、熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂100重量部に対して通常0.001〜5重
量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
【0068】紫外線吸収剤としては、例えば、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル ベンゾエー
ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロ
ネート、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−
(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン系紫
外線吸収剤;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤;2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキ
サデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンゾエートなどのベゾエート系紫外線吸収剤;などが挙
げられる。これらの紫外線吸収剤は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。紫
外線吸収剤の配合量は、重合体の重量基準で通常10〜
100,000ppm、好ましくは100〜10,00
0ppmの範囲である。
【0069】表面粗さを小さくするためのレベリング剤
としては、例えば、フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊
アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング
剤など塗料用レベリング剤を用いることができ、それら
の中でも溶媒との相溶性の良いものが好ましく、添加量
は、重合体の重量基準で通常5〜50,000ppm、
好ましくは10〜20,000ppmである。帯電防止
剤としては、例えば、アルキルスルホン酸ナトリウム塩
及び/またはアルキルスルホン酸ホスホニウム塩などや
ステアリン酸のグリセリンエステル等の脂肪酸エステル
ヒドロキシアミン系化合物等を例示することができる。
これらの帯電防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて用いることができる。帯電防止剤の
配合量は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂100重量部に
対して、通常0〜5重量部の範囲である。
【0070】(2)フィルム成形 フィルム成形法としては、常法に従えばよく、格別な限
定はなく、例えば、溶融成形法や溶液流延法などの方法
が用いられ、これらの中でも、光学的に良好な物性のフ
ィルムが得やすい点で、溶液流延法が好適である。溶液
流延法は、常法にしたがって行うことができ、例えば、
各成分を溶媒に溶解または微分散させた液状組成物を、
適当なキャリヤー(支持体)上に流延し、次いで、溶媒
を乾燥除去することで行うことができる。キャリヤーと
しては、格別な制限はなく、一般的な溶液流延法で用い
られるものが使用され、例えば、ガラス板、金属ドラ
ム、スチールベルト、ポリエステルフィルム、PVCフ
ィルム、フッ素樹脂ベルト、金属箔などの平板、ベルト
またはロールなどを挙げることができる。
【0071】溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;シクロヘキサン
などの脂環式炭化水素類;酢酸ブチルなどのエステル
類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエー
テル類;メタノール、エタノール、イソプロパノールな
どのアルコール類;メチルエチルケトンなどのケトン
類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、二塩化
エチレンなどのハロゲン化溶媒;など用いることができ
る。これらの溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以
上を組み合わせて用いることができる。
【0072】溶媒中のノルボルネン系重合体の濃度は、
製造する高分子フィルム厚に応じて適宜選択されるが、
通常0.1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%、
より好ましくは5〜45重量%の範囲である。芳香環含
有熱可塑性ノルボルネン系樹脂濃度がこの範囲にある時
に、フィルムの厚さの調整が容易でかつ製膜性にも優れ
好適である。 液状組成物をキャリヤー上に流延する方
法としては、特に限定されず、例えば、バーコーター、
Tダイ、バー付きTダイ、ドクターナイフ、メイア・バ
ー、ロール・コート、ダイ・コートなどを用いて行うこ
とができる。液状組成物の流延は、スプレー、ハケ、ロ
ール、スピンコート、デッピングなどで塗布することに
より行ってもよい。1回の塗布で所望の膜厚が得られな
い場合は、繰り返し塗布することができる。
【0073】溶媒の乾燥除去法には、格別な制限はな
く、常法に従ってできるが、残留溶媒濃度が5重量%以
下、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%
以下、最も好ましくは0.5重量%以下にするには、通
常、2段階以上に分けて乾燥させる。まず、第1段階の
乾燥としては、平板またはロール上のフィルムを室温〜
100℃、好ましくは室温〜80℃の温度範囲で、残留
溶媒温度が10重量%以下、好ましくは5重量%以下に
なるまで乾燥する。この場合、乾燥温度が高すぎると、
溶媒の揮発に際し、フィルムが発泡する。次いで、平板
またはロールからフィルムを剥離し、第2段階の乾燥と
して、室温から60℃以上、好ましくは70℃から樹脂
のガラス転移温度(Tg)までの温度範囲に昇温させ、
残留溶媒濃度が2重量%以下、好ましくは1重量%以
下、より好ましくは0.5重量%以下になるまで乾燥す
る。乾燥温度が低すぎると乾燥が進まず、温度が高すぎ
ると発泡しやすくなる。第1段階の乾燥を行い、乾燥終
了後にシートを平板またはロールから剥離し、第2段階
の乾燥を行っても、あるいは第1段階の乾燥後、一旦冷
却してシートを平板またはロールから剥離し、第2段階
の乾燥を行ってもよい。溶媒の乾燥は、必要に応じて、
減圧で行うことができる。
【0074】溶融成形法でシートを作製する場合は、T
ダイを用いた方法やインフレーション法などの溶融押出
法、カレンダー法、熱プレス法、射出成形法などがあ
る。中でも、厚さムラが小さく、10〜500μm程度
の厚さに加工し易く、かつ、レターデーションの絶対値
及びそのバラツキを小さくできるTダイを用いた溶融押
出法が好ましい。 溶融成形法の条件は、同程度のTg
を有する光学材料に用いられる一般的な条件と同様であ
り、例えば、Tダイを用いる溶融押出法では、樹脂温度
240〜300℃程度で、引き取りロールの温度を10
0〜150℃程度の比較的高温として、樹脂シートを徐
冷できる条件を選択することが好ましい。ダイライン等
の表面の欠陥を小さくするためには、ダイには滞留部が
極力少なくなるような構造が必要であり、ダイの内部や
リップにキズ等が極力無いものを用いることが好まし
い。
【0075】かくして得られる高分子フィルムの厚さ
は、通常0.5μm〜5mm、好ましくは1μm〜2m
m、さらに好ましくは5μm〜0.5mmの範囲であ
る。高分子フィルムの厚さがこの範囲である時に、溶媒
乾燥が容易となり、しかもフィルムの外観性にも優れ好
適である。 本発明の製造方法で、製造される高分子フ
ィルムを偏光フィルムの保護フィルムと使用する場合
は、そのフィルム厚さを、通常5〜500μm、好まし
くは10〜150μm、さらに好ましくは20〜100
μmの範囲するのが、機械適強度、透明性、複屈折性な
どの特性が高度にバランスされ好適である。また、フィ
ルムの厚みムラも、通常、全面において平均厚さの±5
%以内、好ましくは±3%以内、より好ましくは±2%
以内であるものが、画像の歪みやレターデーションのバ
ラツキが少なく、液晶ディスプレイ用偏光フィルムの保
護層として好適である。
【0076】(3)フィルムの特性 本発明のノルボルネン系重合体体からなるフィルムは、
以下の特性を有し、特に偏光膜の保護フィルムとして有
用である。本発明のフィルムの光線透過率は、80%以
上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上
である。光線透過率が過度に小さいと保護膜の厚さを極
薄いものにしなければならず、補強効果が充分に発揮で
きない。本発明のフィルムの水蒸気透過度は、100g
/m2・24hr以下、好ましくは50g/m2・24h
r以下、より好ましくは20g/m2・24hr以下で
ある。高分子フィルムの水蒸気透過度が過度に大きい
と、高温・多湿での接着性等の耐久性に劣り好ましくな
い。
【0077】本発明のフィルムの偏光膜(通常はPVA
系偏光膜)との接着強度は、5.5kg/cm2以上、
好ましくは6.0kg/cm2以上、より好ましくは
6.5kg/cm2以上、最も好ましくは7.0kg/
cm2以上である。偏光膜との接着強度が過度に小さい
と、偏光フィルムとした場合、耐久性能に劣り好ましく
ない。本発明のフィルムの引張強度は、通常400kg
/cm2以上、好ましくは450kg/cm2以上、より
好ましくは500kg/cm2以上、最も好ましくは5
30kg/cm2以上である。フィルムの引張強度が過
度に小さいと、保護膜として補強効果をだすために膜厚
が厚くなり好ましくない。
【0078】本発明のフィルムの伸びは、通常20%以
上、好ましくは50%以上、より好ましくは100%以
上である。フィルムの伸びが過度に小さいと、補強効果
や耐久性に劣り好ましくない。本発明の高分子フィルム
の厚さは、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、
通常1〜200μm、好ましくは5〜100μm、より
好ましくは10〜50μmの範囲であうR.高分子フィ
ルムがこの範囲にあるときに、機械的強度と光線透過性
とが高度にバランスされ好適である。
【0079】(4)偏光フィルム 本発明の高分子フィルムは、偏光膜に積層させる保護フ
ィルムとして有用である。偏光フィルムは、偏光膜の片
面または両面に前記高分子フィルムを積層してなる。両
面に保護用の高分子フィルムを積層することが好ましい
が、片面にのみ本発明の高分子フィルムを積層し、多面
には、他の材質の高分子フィルムを積層してもよい。接
着方法は、常法に従えばよく、通常は接着剤が用いられ
る。接着剤としては、特に制限はないが、好適にはアク
リル系粘着剤が用いられる。アクリル系粘着剤として
は、一種以上のアクリル酸エステルの(共)重合体をト
ルエン、酢酸エチルなどの有機溶媒に溶解した溶液、ま
たはこれらの(共)重合体の水系エマルジョンなどが使
用できる。
【0080】アクリル系粘着剤は、一般に、主構成モノ
マーとして、そのホモポリマーのガラス転移温度(T
g)が−50℃以下のもの(低Tgモノマー)が使用さ
れ、これに適当なコモノマーを選び、共重合体のTgや
粘着特性を調整している。具体的には、アクリル酸ブチ
ルやアクリル酸2−エチルヘキシルなどの粘着性を付与
する低Tgモノマーを主体とし、これらのモノマーと、
酢酸ビニル、メチルメタクリレート、スチレン、不飽和
カルボン酸、アクリロニトリルなどの接着性や凝集力を
付与する高Tgモノマーとの共重合体を挙げることがで
きる。アクリル系粘着剤は、イソシアネートやブチル化
メラミンなどの架橋剤を併用することもあり、その場合
には塗布前に架橋剤と混合して用いる。これらの接着剤
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。
【0081】接着剤の偏光膜及び/または高分子フィル
ムへの塗布は、例えば、刷毛塗り、ガンスプレーを用い
る方法、スピンコート、バーコーターを用いる方法など
の方法によって行われる。これらの塗布方法は、これら
に限定されるものではないが容易に均一に塗布する上で
は、バーコーターを用いることが好ましい。接着剤の塗
布厚みは、通常1〜100μm、好ましくは10〜50
μm、より好ましくは15〜30μmの範囲である。光
学的な屈折ムラなどを小さくするため、接着剤の塗布厚
みのムラを小さくすることが好ましい。同様に、転写法
で使用する離型膜も表面の平滑性に優れたものが好まし
い。
【0082】本発明においては、偏光膜の少なくとも一
面に、接着剤層を介してノルボルネン系重合体フィルム
を積層し、次いで加熱し加圧して接着(加熱圧着)させ
ることで、より好適な偏光フィルムが製造できる。通常
50〜120℃、好ましくは80〜100℃の範囲で、
1〜10分間、好ましくは1.5〜5分間保ち、次いで
1〜10kg/cm2、好ましくは4〜7kg/cm2
圧力で加圧して接着する。本発明により得られる偏光フ
ィルムは、優れた光線透過性と層間接着強度、耐久性を
有し、かつ、熱可塑性ノルボルネン系樹脂フィルムの本
来有する低複屈折性、耐湿性、耐熱性、物理的強度等の
特性を有しているため、各種分野における偏光フィルム
として有用である。
【0083】
【実施例】以下、本発明について、参考例、実施例、及
び比較例を挙げて、より具体的に説明するが、本発明
は、これらの実施例のみに限定されるものではない。な
お、部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
各種物性の測定方法は、以下のとおりである。 (1)分子量は、トルエンを溶媒とするGPC法により
ポリスチレン換算で測定した。 (2)水素添加率は、1H−NMRにより測定した。 (3)レターデーションは、波長550nmのベレク・
コンベンセイターにより測定した。 (4)シート及びフィルムの厚さは、ダイヤル式厚さゲ
ージにより測定した。 (5)光線透過率は、分光光度計により、波長400〜
700nmの範囲について波長を連続的に変化させて測
定し、最小の透過率を光線透過率とした。 (6)水蒸気透過度は、25℃、90%RHの環境下で
JIS K7129に準じて測定し、25μmの厚さに
換算して示した。 (7)引張強度及び伸びは、厚さ80μmのシートを打
抜いた3号試験片を使用し、引張速度100mm/mi
nで、JIS K7127に従って測定した。 (8)粘着強度は、Tピール剥離試験(JIS Z02
37)に準じて測定した。 (9)偏光フィルムの耐久試験は、80℃、90%R
H、1時間と、−40℃、1時間のヒートサイクルテ
ストを200サイクル繰り返した後に目視し、以下の基
準で評価した。 ○:偏光度の低下、目視観察ともに全く異常がない場
合、 ×:偏光度の低下がある/もしくは接着層と保護層の間
に泡(トンネル)は発生する。
【0084】〈参考合成例1〉窒素で置換した1リット
ルのフラスコに、1,4−メタノ−1,4,4a,9a
−テトラヒドロフルオレン(以下、MTFと略す。)5
gとトルエン120gを加え、重合触媒として、トリイ
ソブチルアルミニウム0.287mmolとイソブチル
アルコール0.287mmol、分子量調整剤として1
−ヘキセン2.30mmolを添加した。ここに、六塩
化タングステン0.057mmolを添加し、40℃で
5分間撹拌した。その後、MTF45gと、六塩化タン
グステン0.086mmolを約30分間で連続的に系
内に滴下し、滴下終了後、さらに30分間撹拌して重合
を終了した。この重合反応液を1リットルのオートクレ
ーブに移し、トルエン160gを加え、ニッケルアセチ
ルアセトナート0.5gとトリイソブチルアルミニウム
の30重量%トルエン溶液5.15gを混合したものを
加え、反応器内を水素置換した後、撹拌しながら80℃
に昇温した。温度が安定したところで水素圧力を30k
g/cm2に昇圧し反応過程で消費される水素を補充し
ながら3時間反応させた。次いで、4.2gの水と、活
性アルミナ(表面積320cm2/g、細孔容量0.8
cm3/g、平均粒径15μm、水澤化学製、ネオビー
ドD粉末)を2.5gを加え、80℃にて1時間撹拌し
た後、固形分をろ過して除去した水素添加反応液を、3
リットルのイソプロピルアルコール中に注いで析出さ
せ、ろ別して回収した。回収した樹脂を100℃、1T
orr以下で48時間乾燥させた。合成結果を表1に示
した。このポリマーをAとする。
【0085】〈参考合成例2〉MTFを5−フェニル−
2−ノルボルネン(以下、PNBと略す。)に代える以
外は、参考合成例1と同様にして白色粉末を得た。合成
結果を表1に示した。このポリマーをBとする。
【0086】<参考合成例3>MTFをジシクロペンタ
ジエン(以下、DCPと略す。)に代える以外は、参考
合成例1と同様にして白色粉末を得た。合成結果を表1
に示した。このポリマーをCとする。
【0087】〈参考合成例4〉窒素で置換した1リット
ルの重合器に、MTFのシクロヘキサン溶液、触媒とし
てVO(OC25)Cl2のシクロヘキサン溶液、およ
びエチルアルミニウムセスキクロライド〔Al(C
251.5Cl1.5〕のシクロヘキサン溶液を重合器内で
の濃度がそれぞれ60g/リットル、0.5mmol/
リットル、4.0mmol/リットルとなるように供給
し、これにエチレンを15リットル/Hr、水素を0.
5リットル/Hr、で供給し、系内を10℃に制御し
た。一方、重合器上部から連続的にフラスコ内の重合液
の全量が1リットルとなり、平均滞留時間が0.5時間
となるように抜き出した。抜き出した重合液にイソプロ
ピルアルコールを少量添加して重合を停止し、その後、
水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液と
重合液を1対1の割合でホモジナイザーを用いて強撹拌
下で接触させ、触媒残差を水相へ移行させた。上記混合
液を静置し、水相を除去後さらに蒸留水で2回水洗を行
い、重合液を精製分離した。この重合液を3リットルの
アセトン中に注いで析出させ、ろ別して回収した。回収
した樹脂を100℃、1Torr以下で48時間乾燥さ
せ、白色粉末を得た。合成結果を表1に示した。このポ
リマーをDとする。
【0088】〈実施例1〉MTFを、MTF70重量%
とDCP30重量%の混合モノマーに代える以外は、参
考合成例1と同様にして白色粉末を得た。合成結果を表
1に示した。このポリマーをEとする。
【0089】〈実施例2〉MTFを、MTF50重量%
とDCP50重量%の混合モノマーに代える以外は、参
考合成例1と同様にして白色粉末を得た。合成結果を表
1に示した。このポリマーをFとする。
【0090】〈実施例3〉MTFを、PNB70重量%
とテトラシクロドデセン(以下、TCDと略す)30重
量%の混合モノマーに代える以外は、参考合成例1と同
様にして白色粉末を得た。合成結果を表1に示した。こ
のポリマーをGとする。
【0091】〈実施例4〉MTFを、PNB50重量%
とTCD50重量%の混合モノマーに代える以外は、参
考合成例1と同様にして白色粉末を得た。合成結果を表
1に示した。このポリマーをHとする。
【0092】
【表1】 (*1):mol比率
【0093】[実施例5〜8、参考例1〜4、比較例1
〜3]参考合成例1〜4、及び実施例1〜4で得た各々
のポリマー、または市販品の芳香環を含有しないノルボ
ルネン系樹脂(表2記載)15gを、それぞれキシレン
85gに溶解し、これにレベリング剤(フロラード F
C−430;住友スリーエム)500ppm(ポリマー
量に対して)、紫外線安定剤(Viosorb80;共
同製薬)300ppm(ポリマー量に対して)を添加し
て、樹脂溶液を得た。この溶液を表面研磨されたガラス
板上にたらし、バーコーターにより幅300mm、長さ
500mmに適量を流延した。これを第一段階の乾燥と
して、ガラス板ごと空気還流型のオーブン中で25℃か
ら60℃まで15分かけて昇温させて乾燥した。次い
で、第二段階の乾燥として、樹脂膜をガラス板から剥離
し、90℃のオーブンで30分乾燥し、室温に冷却後、
周囲10mmを切り落として、平均厚さ30μmのシー
トを得た。各シートの諸物性を測定したところ、いずれ
のシートも良好な残留溶剤濃度、耐熱性、厚さムラ、光
線透過率、レターデーション値、水蒸気透過性、引張強
度、引張伸びであった。結果を表2に示した。離型膜
(藤森工業社製、バイナシート)の表面に、アクリル系
粘着剤(ノガワケミカル社製、DD−624)をバーコ
ーターを用いて厚さ20μmに塗布し80℃で2分間乾
燥し、前記のシートに転写した。次いで、ヨウ素を吸着
させて一軸延伸したPVA製偏光膜(厚さ約100μ
m)の両面に、アクリル系粘着剤層を介して前記転写シ
ートに貼付け、90℃で2時間保持し、5kg/cm2
加圧して接着した。接着直後と、ヒートサイクルテスト
後の接着強度、目視結果を表2に示した。
【0094】
【表2】
【0095】(脚注) (1)ZNX;日本ゼオン社製ZEONEX450;数
平均分子量(Mn)が37,500、重量平均分子量
(Mw)が81,400、主鎖の水素添加率が99%以
上、1H−NMRで芳香環の吸収ピークは確認されな
い。 (2)APEL;三井石油化学社製APEL5015;
数平均分子量(Mn)が47,200、重量平均分子量
(Mw)が83,100、1H−NMRで芳香環の吸収
ピークは確認されない。 (3)ARTON;日本合成ゴム社製APEL501
5;数平均分子量(Mn)が17,600、重量平均分
子量(Mw)が57,700、1H−NMRで芳香環の
吸収ピークは確認されない。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、光線透過性、引張強
度、引張伸び、及び耐水蒸気透過性に優れ、かつ、偏光
膜との接着性にも優れるフィルムを与えることができる
ノルボルネン系重合体、及びその製造方法が提供され
る。また、本発明によれば、上記のごとき特性に優れた
フィルム及びその製造方法が提供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香環含有ノルボルネン系モノマー単位
    (A)の結合量10〜90重量%と芳香環を含有しない
    ノルボルネン系モノマー単位(B)の結合量10〜90
    重量%とを含み、重量平均分子量(Mw)が1,000
    〜500,000で、重量平均分子量(Mw)と数平均
    分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以下であ
    るノルボルネン系重合体。
  2. 【請求項2】 芳香環含有ノルボルネン系モノマー
    (a)と芳香環を含有しないノルボルネン系モノマー
    (b)とをメタセシス触媒系の存在下に開環重合するに
    当り、メタセシス触媒系として、W化合物、Mo化合
    物、及びRe化合物からなる群より選ばれる少なくとも
    一種の遷移金属化合物(i)、有機アルミニウム化合物
    (ii)、及びアルコール(iii)を含み、かつ、ア
    ルコールの有機残基の炭素数が2つ以上で、有機アルミ
    ニウム化合物(ii)の有機残基の炭素数とアルコール
    (iii)の有機残基の炭素数との和が9以上であるも
    のを用いることを特徴とするノルボルネン系重合体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 開環重合後に、芳香環の少なくとも一部
    を残して、重合体中の炭素−炭素不飽和結合を水素添加
    する請求項2記載のノルボルネン系重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 芳香環含有ノルボルネン系モノマー単位
    (A)の結合量10〜90重量%と芳香環を含有しない
    ノルボルネン系モノマー単位(B)の結合量10〜90
    重量%とを含み、重量平均分子量(Mw)が1,000
    〜500,000で、重量平均分子量(Mw)と数平均
    分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以下であ
    るノルボルネン系重合体からなるフィルム。
  5. 【請求項5】 芳香環含有ノルボルネン系モノマー単位
    (A)の結合量10〜90重量%と芳香環を含有しない
    ノルボルネン系モノマー単位(B)の結合量10〜90
    重量%とを含み、重量平均分子量(Mw)が1,000
    〜500,000で、重量平均分子量(Mw)と数平均
    分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以下であ
    るノルボルネン系重合体を溶液流延することを特徴とす
    るフィルムの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001354755A (ja) * 2000-06-13 2001-12-25 Jsr Corp 樹脂フィルムおよびその製造方法
JP2003279741A (ja) * 2002-03-25 2003-10-02 Nippon Zeon Co Ltd 光学用フィルムおよびその製造方法
JP2005173072A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Nippon Zeon Co Ltd 光学用フィルム及びその製造方法

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