JPH11158230A - 水酸基含有多孔質樹脂の製造方法 - Google Patents

水酸基含有多孔質樹脂の製造方法

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JPH11158230A
JPH11158230A JP34436397A JP34436397A JPH11158230A JP H11158230 A JPH11158230 A JP H11158230A JP 34436397 A JP34436397 A JP 34436397A JP 34436397 A JP34436397 A JP 34436397A JP H11158230 A JPH11158230 A JP H11158230A
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monomer
divinylbenzene
resin
porous resin
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Takaharu Tsuno
隆治 津野
Yusuke Sugihara
裕介 杉原
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F212/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F212/34Monomers containing two or more unsaturated aliphatic radicals
    • C08F212/36Divinylbenzene

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水酸基を効率良く1次粒子の表面またはその
近傍に配列・配向でき、しかも2次粒子の粒度分布の狭
い多孔質樹脂の製造方法を提供すること。 【解決手段】 ジビニルベンゼンおよびビニルベンジル
オキシアルカノール誘導体を含有するモノマー混合物、
重合開始剤、ならびに重合反応に関与せず水に難溶でか
つ該モノマー混合物は溶解するがそれから得られる共重
合体は溶解しない有機溶媒とを混合して得られたモノマ
ー溶液を、均一細孔径を有する多孔質ガラス膜を介し
て、アニオン性または非イオン性の界面活性剤を含む水
系媒体中に圧入することにより分散または懸濁させた後
に重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水酸基含有多孔質
樹脂の製造方法に関する。本発明により得られる水酸基
含有多孔質樹脂は、カラムの充填剤や種々の吸着剤、担
体等として有用な素材であり、また化学的に2次修飾し
機能性多孔質樹脂としてさらに有用な素材となり得る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ジビニルベンゼン−スチレン
系多孔質樹脂は、その優れた機械的強度及び化学的安定
性を生かして、分析用や分取用カラムの充填剤、酵素や
触媒の担体、或は種々有用物質の吸着担体等様々な用途
・分野で研究開発され、利用されている。ジビニルベン
ゼン−スチレン系多孔質樹脂は、通常、懸濁重合で得ら
れ、得られた樹脂の見掛け粒子(以下、2次粒子と称す
る)の表面または内部を、電子顕微鏡などを用いて観察
すると、大きさが10〜100nm程度の細かい微粒子
(以下、1次粒子と称する)が強固に凝集している様子
がわかる。つまり、凝集した1次粒子と1次粒子の隙間
は、重合中、有機溶媒が存在していた空間であり、この
1次粒子自体は、高次に架橋された樹脂である場合に
は、殆どの有機溶媒に不溶であり、かつ基本的に殆ど膨
潤しない。
【0003】このようなジビニルベンゼン−スチレン系
多孔質樹脂の具体的な製法としては、例えば、ジビニル
ベンゼンおよびスチレンを含有するモノマー混合物、重
合開始剤、ならびに重合反応に関与せず水に難溶でかつ
該モノマー混合物は溶解するがそれから得られる共重合
体は溶解しない有機溶媒と混合したモノマー溶液を水系
媒体中で懸濁重合する方法が知られている[例えばジャ
ーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス
(J.Appl.Polym.Sci.)第23巻92
7頁(1979年)、アンゲバンテ・マクロモレキュラ
・ケミ(Angew.Makromol.Chem.)
第80巻31頁(1979年)参照]。一般に、この種
の通常の懸濁重合では、通常、2次粒子の直径が50μ
m〜2mm程度の多孔質樹脂が得られる。また、重合前
に、モノマー溶液を水系媒体中に分散または懸濁させる
工程として、ホモジナイザーまたはホモミキサーを用い
て高速撹拌下で行なう工程(以下、ミクロサスペンジョ
ン工程と称する)を採用した懸濁重合の場合には、2次
粒子の直径が通常0.5〜50μm程度の多孔質樹脂が
得られる。しかし、これら方法により得られた2次粒子
は粒子径が揃っていないため、粒度分布が広く、これを
各種用途に供するには分級操作が必要になる。
【0004】また、ジビニルベンゼン−スチレン系多孔
質樹脂は、その樹脂母体の優れた機械的強度及び化学的
安定性を生かし、1次粒子の表面またはその近傍に官能
基を導入したり、有用物質を化学修飾して新たな機能性
を付与した、所謂、機能性多孔質樹脂として、様々な用
途・分野で注目を集めている。官能基を導入する方法と
しては、従来より基本的に次の2つの方法が知られてい
る:(i)合成したジビニルベンゼン−スチレン系多孔
質樹脂の芳香環部位や残存しているビニル基との化学反
応を利用して様々な官能基を導入する方法、(ii)ジビ
ニルベンゼン、スチレンモノマーに加え、目的の官能基
を有するモノマー(以後、官能基含有モノマーと称す
る)を予め混合しておき、これを重合する方法。しか
し、(i)の方法においては、化学反応が本質的に固−
液間で行われるため、しばしば過激な反応条件を強いら
れたり、反応転化率が極端に悪かったり、反応中に2次
粒子が破壊されたりする、様々な欠点を有している。ま
た、(ii)の方法においても、用いた官能基含有モノマ
ーの官能基部位を効率良く1次粒子の表面またはその近
傍に配列・配向させることは困難であり、殆どの場合、
官能基含有モノマーの大半がモノマー混合物の領域の内
部に存在し、結果的に官能基部位は架橋された樹脂マト
リックスの内部に埋めこまれてしまい、その機能を十分
に発揮できないという欠点を持っている。すなわち、ジ
ビニルベンゼンによる架橋度が高ければ高いほど1次粒
子の溶媒に対する膨潤性は極端に減少するため、この欠
点は機能性多孔質樹脂を設計・合成して行く上で深刻な
問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、水
酸基を効率良く1次粒子の表面またはその近傍に配列・
配向でき、しかも2次粒子の粒度分布の狭い多孔質樹脂
の製造方法を提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、機能性多
孔質樹脂あるいは官能基含有多孔質樹脂の技術開発にお
ける重要性を鑑み、上述したような従来の製造方法にお
ける欠点を克服すべく、鋭意検討を重ねた。その結果、
上記(ii)の重合方法に用いる官能基含有モノマーとし
て、有機溶媒と親和性が強いまたは強い部分を有する下
記一般式(1)で表されるビニルベンジルオキシアルカ
ノール誘導体を用い、かつ、当該誘導体およびジビニル
ベンゼンを含有するモノマー溶液を、均一細孔径を有す
る多孔質ガラス膜を介して、アニオン性または非イオン
性の界面活性剤を含む水系媒体中に圧入することにより
水系媒体中に分散または懸濁させ(以下、これを膜乳化
工程と称する)た後に重合を行なった場合には、重合
中、該誘導体が「ポリマー+モノマー」と「有機溶媒」
の両領域の界面付近に優占的に存在し、結果として得ら
れる樹脂の1次粒子の表面またはその近傍に、該誘導体
に由来する水酸基が配列・配向し、しかも2次粒子の粒
度分布の狭い多孔質樹脂が得られることを見出し本発明
に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、ジビニルベンゼンお
よび一般式(1):
【0008】
【化2】
【0009】(式中、nは2〜16の整数を示す。)で
表わされるビニルベンジルオキシアルカノール誘導体を
含有するモノマー混合物、重合開始剤、ならびに重合反
応に関与せず水に難溶でかつ該モノマー混合物は溶解す
るがそれから得られる共重合体は溶解しない有機溶媒と
を混合して得られたモノマー溶液を、均一細孔径を有す
る多孔質ガラス膜を介して、アニオン性または非イオン
性の界面活性剤を含む水系媒体中に圧入することにより
分散または懸濁させた後に重合することを特徴とする水
酸基含有多孔質樹脂の製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水酸基含有多孔質
樹脂の製造方法に関して、原料および重合工程について
詳細に説明する。
【0011】本発明の重合に用いるモノマー混合物は、
ジビニルベンゼンおよび前記一般式(1)で表わされる
ビニルベンジルオキシアルカノール誘導体を含有してな
る。
【0012】ジビニルベンゼンは、一般的に入手可能で
ある純度約50〜60%の市販ジビニルベンゼンをその
まま使用してもよく、或は蒸留精製して使用してもよい
が、その場合、主な不純物として約50〜40%のエチ
ルビニルベンゼンを含有する。勿論、入手可能であれば
高純度のものを使用しても何ら差し支えない。なお、ジ
ビニルベンゼンは、主にメタ及びパラ異性体が存在する
が、本発明においては、これらの異性体の混合物であっ
てもよく、或はそれぞれの異性体単独であってもよい。
【0013】一般式(1)で表わされるビニルベンジル
オキシアルカノール誘導体は、メタ及びパラ異性体の混
合物であってもよく、或はそれぞれの異性体単独であっ
てもよい。また、式中のnは、2〜16の整数である。
nが2より小さい場合には樹脂表面への水酸基の配列・
配向が低下し、nが16より大きい場合には重合速度が
低下したり、得られる樹脂の比表面積が低下したりする
ため好ましくない。これらの点から、特にnは4以上の
整数であるのがよく、また12以下の整数であるのが好
ましい。なお、一般式(1)で表わされるビニルベンジ
ルオキシアルカノール誘導体のアルキレン鎖の部分は一
般にスぺーサーと呼ばれ、炭化水素系溶媒やアルカノー
ル系溶媒等の有機溶媒との親和性に重要な役割を担って
いる。
【0014】一般式(1)で表されるビニルベンジルオ
キシアルカノール誘導体は、公知の方法により製造する
ことができる[例えば、ジャーナル・オブ・アメリカン
・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.So
c.)第112巻6723頁(1990)を参照]。す
なわち、一般式(2):
【0015】
【化3】
【0016】(式中、nは2〜16の整数を示す。)で
表わされるアルキルジオールを水素化ナトリウム等で処
理してアルコキシドとし、続いてこれにビニルベンジル
クロリドを反応させることにより得ることができる。な
お、ビニルベンジルクロリドは、通常、メタ及びパラ異
性体の混合物で入手できるが、本発明に於いては、その
まま混合物で使用しても何ら差し支えない。勿論、メタ
或はパラ異性体のそれぞれ単独で使用してもよい。ま
た、一般式(1)で表されるビニルベンジルアルカノー
ルは、アルキルジオール、水素化ナトリウム、ビニルベ
ンジルクロリドの仕込みモル量論比を適当に選択するこ
とにより、目的物への反応選択率を向上することができ
る。
【0017】モノマー混合物中に含まれるジビニルベン
ゼンおよび前記一般式(1)で表わされるビニルベンジ
ルオキシアルカノール誘導体の含有量は、モノマー総重
量100重量%に基づいて決められる。通常、モノマー
混合物中の、一般式(1)で表わされるビニルベンジル
オキシアルカノール誘導体の含有量は3〜30重量%程
度であり、残部としてジビニルベンゼン等を含む。一般
式(1)で表わされるビニルベンジルオキシアルカノー
ル誘導体は、樹脂表面またはその近傍に水酸基を導入す
るため、その含有量は、通常、モノマー総重量の3重量
%以上とされる。特に5重量%以上が好ましい。また、
重合速度の低下や、得られる樹脂の表面積が低下を抑え
られることから、該誘導体の含有量は、モノマー総重量
の30重量%以下とするのが好ましい。
【0018】本発明の製造方法によれば、用いた一般式
(1)で表されるビニルベンジルオキシアルカノール誘
導体の75%以上を樹脂の1次粒子の表面またはその近
傍に配列・配向させることができる(一般式(1)でn
が4以上のビニルベンジルオキシアルカノール誘導体の
場合)。言い換えれば、1次粒子表面またはその近傍に
配列・配向できる量はスペース的に限られているので、
目的とする水酸基含有多孔質樹脂を得るには、モノマー
総重量の30重量%まで使用すれば十分であるとも言え
る。
【0019】また、モノマー混合物には、芳香族モノビ
ニルモノマーを含有することもできる。芳香族モノビニ
ルモノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、エチ
ルビニルベンゼン等を使用でき、これらの一種または2
種以上を使用する。これらは、市販のものをそのまま使
用してもよく、或は蒸留精製したものを使用してもよ
い。メチルスチレンは、メタ−、パラ−、α−及びβ−
等の異性体が存在するが、本発明においては、これらの
異性体の混合物であってもよく、或はそれぞれの異性体
単独であってもよい。また、エチルビニルベンゼンは、
メタ及びパラ異性体が存在するが、本発明においては、
これらの異性体の混合物であってもよく、或はそれぞれ
の異性体単独であってもよい。さらに、エチルビニルベ
ンゼンの場合は、市販ジビニルベンゼン中に所定量含ま
れているので、通常これをそのまま使用することになる
が、勿論、入手可能であれば、これを新たに加えて使用
してもよい。
【0020】モノマー混合物中に、芳香族モノビニルモ
ノマーを含む場合にも、前記一般式(1)で表わされる
ビニルベンジルオキシアルカノール誘導体の含有量は3
〜30重量%程度であり、その残部としてジビニルベン
ゼン15〜97重量%程度および芳香族モノビニルモノ
マー0〜82重量%程度を含む。ジビニルベンゼンが1
5重量%より少ない場合は、得られる樹脂の比表面積が
低下して好ましくない。こうした点からジビニルベンゼ
ンの含有量は20重量%以上であるのが好ましい。ま
た、芳香族モノビニルモノマーは、得られる樹脂の機械
的強度の点から82重量%以下とされる。なお、通常、
モノマー混合物中には、芳香族モノビニルモノマーを5
重量%以上含有する場合が多いが、この場合にはジビニ
ルベンゼンの含有量の上限は92重量%となる。
【0021】重合開始剤としては、上記モノマー混合物
に可溶なものであれば特に限定はない。たとえば、ベン
ゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド等の有機過
酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が
挙げられる。重合開始剤の使用量は、得られる多孔質樹
脂の要求物性等に応じて任意の範囲で用いられるが、通
常は、モノマー総重量の0.5〜5重量%程度とするの
がよい。
【0022】上記モノマー混合物と混合する有機溶媒と
しては、重合反応に関与せず、水に難溶で、かつ該モノ
マー混合物は溶解するがそれから得られる共重合体は溶
解しないものである。かかる有機溶媒であればいわゆる
多孔化溶媒としての機能を充分に発揮することができ
る。
【0023】このような有機溶媒としては、得られる多
孔質樹脂の1次粒子の表面またはその近傍への水酸基の
配列・配向をより効果的にさせるためには、前記一般式
(1)で表されるビニルベンジルオキシアルカノール誘
導体と親和性が良い有機溶媒が好ましい。例えば、炭素
数6〜12の炭化水素系溶媒や炭素数3〜12のアルカ
ノール系溶媒があげられる。具体的には、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等の脂肪
族炭化水素系溶媒、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、へプタノール、オクタノール、デカノール等の
アルカノール系溶媒が挙げられる。勿論、前記例示の有
機溶媒の脂肪族炭化水素部分等は、直鎖型でも分岐型で
もかまわない。また、これらの有機溶媒は、単独で用い
てもよく、また2種類以上を混合して用いてもよい。有
機溶媒とモノマー混合物との混合比は、得られる多孔質
樹脂の要求物性等に応じて任意の範囲で混合できるが、
通常は、有機溶媒/モノマー混合物の容量比で、70/
30から25/75の範囲内で混合するのがよい。
【0024】本発明では、前記モノマー混合物、重合開
始剤及び有機溶媒を均一に混合したモノマー溶液を、均
一細孔径を有する多孔質ガラス膜を介して、アニオン性
または非イオン性の界面活性剤を含む水系媒体中に圧入
することにより水系媒体中に分散または懸濁させる工
程、すなわちモノマー溶液の膜乳化工程を行なった後に
重合を行う。
【0025】膜乳化工程で用いる多孔質ガラス膜として
は、平均細孔径が0.1〜10μm程度の範囲で均一な
細孔を有するガラス膜であればよい。特に、シラス多孔
質ガラスより調製されるガラス膜は、細孔の均一性とい
う点で優れており本発明に於いては好ましいものであ
る。多孔質ガラス膜の平均細孔径が0.1未満のものを
用いた場合は、膜乳化に長時間を要し工業的生産の見地
から好ましいとは言えない。また、平均細孔径が10μ
mを超えるガラス膜を用いた場合は、均一粒径の乳化液
滴を得ることが非常に困難となり、均一粒径の2次粒子
を欲する場合はやはり好ましくない。すなわち、該ガラ
ス膜の平均細孔径が0.1〜10μm程度のものを使用
すれば、膜乳化により得られる乳化液滴は通常ガラス膜
の細孔径の3〜10倍程度の粒子径を有し、しかもその
粒径分布は非常にシャープである。
【0026】水系媒体中に含れる界面活性剤としては、
アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム等のア
ニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イ
オン性界面活性剤などを挙げることができ、その使用量
は膜乳化工程中、モノマー溶液が水系媒体中で乳化液滴
として安定に存在し得る量であればよいが、通常、水系
媒体中の濃度で0.05〜2重量%程度とするのが好ま
しい。モノマー溶液と水系媒体の量は、通常、工業的見
地から、容量比でモノマー溶液/水系媒体=1/10〜
1/2の範囲で行なうのがよい。
【0027】膜乳化工程において、モノマー溶液からな
る有機相を前記ガラス膜を介して水系媒体の水相中に圧
入する時の圧力については、目的とする乳化液滴が得ら
れ、変形したり破壊したりしない範囲であればよく特に
制限はないが、通常、臨界圧(ここでは、有機相がガラ
ス膜の細孔を透過し得る最低の圧力を意味する)の1.
05〜1.5倍程度の圧力とすると、非常にシャープな
粒度分布を有する乳化液滴が安定にかつ操作性よく得ら
れる。また、膜乳化時の温度についても、膜乳化が安定
に行なえ重合が開始しない温度であれば有機相、水相と
も特に制限はないが、通常0〜60℃で行なうとよい。
【0028】膜乳化工程の後の重合条件等は、従来より
知られている公知の懸濁重合と何ら変わりはなく、たと
えば、膜乳化工程で分散または懸濁させたものを、加温
して重合する、ごく一般的な懸濁重合の方法で行うこと
ができる。したがって、重合中に乳化液滴が合一・凝集
するのを防ぐために、通常の懸濁重合の際よく用いられ
る水溶性高分子等の分散安定剤を使用できる。勿論、重
合中、乳化液滴が合一・凝集することなく安定に反応が
進行する場合は水溶性高分子等の分散安定剤を併用する
必要はない。また、分散安定剤を用いる場合、膜乳化工
程の時から水相中に含ませていても、重合工程の時に加
えてもかまわない。水溶性高分子としては、一般的によ
く知られたポリビニルアルコール、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリル酸、ゼラチンなどが挙げられ、その使
用量は、重合中、乳化液滴が、要求する粒子径で安定に
分散でき得る量であれば特に限定はされない。
【0029】重合工程における重合温度や重合時間につ
いても特に制限はないが、重合開始剤の分解温度や半減
期、有機溶媒の沸点等を考慮しながら適当な条件を選択
すればよい。また、重合反応容器の形式や撹拌方法も、
モノマー液滴が合一・凝集することなく安定に重合が進
行でき得るものであれば何ら限定されるものではない。
また、重合中のモノマー液滴の合一・凝集を抑制するた
めに上述の水溶性高分子やコロイダルシリカ等の無機系
分散剤を添加してもよく、その種類や使用量も特に限定
はされない。
【0030】上記重合で得られた樹脂の単離、洗浄や乾
燥の方法には何ら制限はなく、例えば以下のようにして
行なうことができる。重合で得られた樹脂を適当な方法
でろ別し、樹脂に付着した界面活性剤や分散安定剤を除
去するために熱水でよく洗浄した後、さらに未反応モノ
マーや多孔化溶媒である有機溶媒を除去するためアセト
ンやメタノールなどで十分に洗浄し、続いて減圧下で加
熱乾燥して、水酸基含有多孔質樹脂を得ることができ
る。
【0031】このようにして得られた水酸基含有多孔質
樹脂は、比表面積、1次及び2次粒子径等の一般的な物
性評価に加え、水酸基価、官能基配向率(%)等の化学
的物性評価を行うことで特徴づけることができる。すな
わち、水酸基価からは、樹脂中の反応可能な水酸基量を
知ることができる。また、官能基配向率(%)とは、
“重合に用いた一般式(1)で表されるビニルベンジル
オキシアルカノールに基づく水酸基量”に対する“1次
粒子の表面或はその近傍に存在する水酸基量”の割合を
示す。
【0032】本発明の製造方法により得られる水酸基含
有多孔質樹脂は、通常50m2 /g以上の高い比表面積
を有し、75%以上の官能基配向率で、5〜60mgK
OH/gの水酸基価を有している。また、本発明の水酸
基含有多孔質樹脂は、2次粒子の外観が球状で不透明で
あり、その粒子径は、通常の懸濁重合による場合は50
μm〜2mm、マイクロサスペンジョン工程を含んだ懸
濁重合の場合は0.5〜50μm、膜乳化工程を含んだ
懸濁重合の場合は0.3〜100μm程度である。また
1次粒子の大きさは、何れの方法の場合も、通常10〜
100nm程度である。
【0033】また、本発明の製造方法により得られる水
酸基含有多孔質樹脂は、樹脂母体がジビニルベンゼン−
スチレン系樹脂であるため機械的強度及び化学的安定に
優れており、勿論、それ自体でカラムの充填剤や種々の
吸着剤、担体として有用な素材であるが、さらに、樹脂
表面またはその近傍の水酸基を利用して様々な官能基や
機能物質で化学的に2次修飾することが可能であり、機
能性多孔質樹脂として非常に有用なものである。さらに
言えば、水酸基はポリマー主鎖からアルキルスぺーサー
を介して存在しているため、水酸基本来の反応性を充分
に発揮できると考えられ、この2次修飾を容易に行うこ
とができる。
【0034】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、水酸基を効
率良く1次粒子の表面またはその近傍に配列・配向し、
しかも2次粒子の粒度分布の狭い多孔質樹脂が得られ
る。
【0035】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。
【0036】実施例1(膜乳化工程を含む懸濁重合) ジビニルベンゼン(含有量(純度)55%、残り45%
はエチルビニルベンゼン)51.38g、スチレン2
5.69g、ビニルベンジルオキシヘキサノール(一般
式(1)でnが6の化合物)8.56g、n−ヘプタン
42.68g及びアゾビスイソブチロニトリル1.71
3g(モノマー総量の2重量%)を均一に混合したモノ
マー溶液からなる有機相1を調製した。また、イオン交
換水630mlにポリビニルアルコール(ポバール−2
24:(株)クラレ製)12.6g、ドデシル硫酸ナト
リウム1.26gを加えて溶解した水系媒体からなる水
相2を調製した。図1に示した膜乳化装置(伊勢化学工
業(株)製)の有機相タンク3及び水相タンク4に、調
製した有機相1及び水相2をそれぞれ投入した。循環ポ
ンプ11を用いて水相ライン6に水相2を循環させ、続
いて有機相1を、窒素ガスを用いて0.66kgf/c
2 の圧力で、循環する水相ライン6中に設けられた二
重管モジュール7内の平均細孔径0.70μmの多孔質
ガラス膜8を介して水相2へ圧入し膜乳化を行ない、エ
マルジョンを得た。膜乳化は120ml(100g)の
有機相1を2時間半程度かけて圧入して行い、そこで終
了させた。また、膜乳化は、有機相1及び水相2の温度
を25〜30℃に保ちながら行なった。
【0037】次に上記で得られたエマルジョン740g
を1Lのセパラブルフラスコに仕込み、撹拌機、温度
計、窒素導入管及び冷却管をセットし、窒素気流下にて
約400〜500rpmで撹拌しながら、75〜80℃
に昇温し、この温度を保ちながら6時間かけて重合を行
なった。重合後、室温まで冷却し、得られた樹脂をろ別
した後、これを最初に熱水、続いてメタノール、アセト
ンでよく洗浄し、減圧下(約1mm/Hg)で加熱(7
0〜80℃)乾燥し、57.6g(収率86%)の多孔
質樹脂を得た。
【0038】実施例2〜7 実施例1において、各モノマーの仕込み量または有機溶
媒の仕込み量を表1に示すように変え、膜乳化条件を表
2に示したように変えた以外は、実施例1と全く同様に
して重合を行い水酸基含有多孔質樹脂を得た。
【0039】比較例1〜2(ミクロサスペンジョン工程
を含む懸濁重合) 1Lのセパラブルフラスコにイオン交換水600mlを
仕込み、これにポリビニルアルコール1.50g(ポバ
ール−217:(株)クラレ製)を加え溶解した。続い
て、表1に示すモノマー混合物、有機溶媒及びアゾビス
イソブチロニトリル1.647g(モノマー総量の2.
0重量%)を混合したモノマー溶液を加え、ホモジナイ
ザー(IKA社製)を用いて約10000rpmの撹拌
速度で5分間分散した。次に通常の撹拌機に取り替え、
温度計、窒素導入管及び冷却管をセットし、この分散液
を窒素気流下にて約400〜500rpmで撹拌しなが
ら、75〜80℃に昇温し、この温度を保ちながら6時
間かけて重合を行なった。重合後、室温まで冷却し、得
られた樹脂をろ別した後、これを最初に熱水、続いてメ
タノール、アセトンでよく洗浄し、減圧下(約1mm/
Hg)で加熱(70〜80℃)乾燥し、68.0g(収
率81%)の樹脂を得た。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】各実施例、比較例で得られた樹脂の諸物性
値を表3及び表4に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】尚、各実施例で得られた樹脂の諸物性は下
記の方法に従って測定した。
【0046】1次粒子径(nm):走査型電子顕微鏡
(日立製、「S−2000」)写真より、任意の100
個以上の1次粒子の大きさを測定し数平均粒子径を算出
した。
【0047】2次粒子径(μm):走査型電子顕微鏡
(日立製、「S−2000」)写真より、任意の500
個以上の2次粒子の大きさを測定し、体積平均粒子径d
v、数平均粒子径dn、粒度分布の目安としてdv/d
nを算出した。
【0048】比表面積(m2 /g):BET表面積測定
装置(カウンタクロム社製、「NOVA1200」)を
用いて測定した。
【0049】水酸基価(mgKOH/g):中和滴定法
(JIS K 0070)を以下の如くモディファイし
て行なった。平底フラスコに、樹脂を1gを秤り取り、
これにアセチル化試薬(無水酢酸25gを100mlメ
スフラスコに取り、ピリジンを加えて100mlにし、
十分に振り混ぜたもの)2.5ml及びピリジン2.5
mlを加え、オイル浴60℃で2時間加熱した。次に、
これを室温まで冷却し、水1mlを加え、超音波浴80
℃で1時間加熱し無水酢酸を分解した。放冷後エタノー
ル5mlでフラスコ内壁を洗浄し、フェノールフタレイ
ン溶液数滴を指示薬として加え、0.5mol/l水酸
化カリウムエタノール溶液で滴定して水酸基価(mgK
OH/g)を算出した。
【0050】尚、本発明における多孔質樹脂の如きジビ
ニルベンゼン−スチレン系樹脂では、その1次粒子は高
次に架橋しているため、本条件下でアセチル化は、1次
粒子の表面またはその近傍で進行し、粒子の内部に浸透
して反応することは殆どない。従って、上記で測定され
た水酸基価は、樹脂(1次粒子)表面またはその近傍に
存在する水酸基に基づくものと仮定できる。
【0051】水酸基配向率(%):以下の式により算出
した。
【0052】
【数1】
【0053】ここで、樹脂(1次粒子)表面・近傍の水
酸基量は、前記水酸基価より次式により算出した。
【0054】
【数2】
【0055】また、用いた一般式(1)で表されるビニ
ルベンジルオキシアルカノールに基づく理論水酸基量
は、次式により算出した。
【0056】
【数3】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜7において用いた膜乳化装置の概略
図である。
【符号の説明】
1……有機相 2……水相 3……有機相タンク 4……水相タンク 5……有機相ライン 6……水相ライン 7……2重管モジュール 8……多孔質ガラス膜 9……窒素ガスライン 10…圧力ゲージ 11…循環ポンプ 12…窒素ガスボンベ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 212:06)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジビニルベンゼンおよび一般式(1): 【化1】 (式中、nは2〜16の整数を示す。)で表わされるビ
    ニルベンジルオキシアルカノール誘導体を含有するモノ
    マー混合物、重合開始剤、ならびに重合反応に関与せず
    水に難溶でかつ該モノマー混合物は溶解するがそれから
    得られる共重合体は溶解しない有機溶媒とを混合して得
    られたモノマー溶液を、均一細孔径を有する多孔質ガラ
    ス膜を介して、アニオン性または非イオン性の界面活性
    剤を含む水系媒体中に圧入することにより分散または懸
    濁させた後に重合することを特徴とする水酸基含有多孔
    質樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 モノマー混合物が、さらに芳香族モノビ
    ニルモノマーを含有してなることを特徴とする請求項1
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機溶媒が、炭素数6〜12の炭化水素
    系溶媒及び炭素数4〜12のアルカノール系溶媒のいず
    れか少なくとも一種であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の製造方法。
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