JPH11158264A - ポリシアノアリールエーテルの製造方法 - Google Patents

ポリシアノアリールエーテルの製造方法

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JPH11158264A
JPH11158264A JP32562497A JP32562497A JPH11158264A JP H11158264 A JPH11158264 A JP H11158264A JP 32562497 A JP32562497 A JP 32562497A JP 32562497 A JP32562497 A JP 32562497A JP H11158264 A JPH11158264 A JP H11158264A
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JP
Japan
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ppm
polar solvent
nmp
pen
molecular weight
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JP32562497A
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Mikiya Hayashi
幹也 林
Toshikazu Tomura
俊和 戸村
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、原因不明のポリシアノアリールエ
ーテルの分子量の伸び抑制を解消し、充分に高い分子量
を有するPENを生産性良く、かつ確実に製造すること
を目的とする。 【解決手段】 極性溶媒を使用するポリシアノアリール
エーテルの製造方法において、回収されてポリシアノア
リールエーテルの製造に再使用される極性溶媒中の不純
物が10000ppm以下、且つヒドロキシ−N−メチ
ルピロリドンが100ppm以下、好ましくは40pp
m以下であることを特徴とするポリシアノアリールエー
テルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリシアノアリール
エーテル(以下、PENということがある)の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】PENは、耐熱性や種々の機械的物性に
優れた樹脂であることから、電気、電子機器、自動車部
品及び各種機械部品等の素材として有用な高性能エンジ
ニアリングプラスチックとして知られている。一般に、
PENはジクロロベンゾニトリルとレゾルシノールから
製造されることが多いが、レゾルシノールの反応性が充
分でなく、重合反応の途中で分子量の低下を生じ、充分
に高分子量のポリマーが得られないという問題がある。
【0003】そこでこのポリマーの分子量を増大せしめ
るために、重合成分の純度を高くしたり、重合方法を工
夫することが検討されてきた。例えば前者の例として、
重合成分であるジクロロベンゾニトリルの純度を高くし
て分子量増大を実現する方法(特公平8−5960
号)、後者の例として反応初期に少量の水を添加する方
法(特公平8−5959号)が提案されているが、いず
れも前記問題を完全に解決するには至らなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題の
原因を解明し、充分に高い分子量を有するPENを生産
性良く、確実に製造することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題の
解決のため鋭意検討を進めたところ、PENの商業生産
において、回収再使用する重合溶媒中の不純物の存在が
分子量の伸びに大きな影響を及ぼすことを見いだし、本
発明を完成させるに至った。即ち本発明は、(1)極性
溶媒を回収し再使用するポリシアノアリールエーテルの
製造法において、反応工程に供給される極性溶媒中の不
純物が10000ppm以下であり、ヒドロキシ−N−
メチルピロリドンが100ppm以下であることを特徴
とするポリシアノアリールエーテルの製造方法及び、
(2)ヒドロキシ−N−メチルピロリドンが40ppm
以下であることを特徴とする前記(1)のポリシアノア
リールエーテルの製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明のPENの製造方法
について各要件ごとに具体的に説明する。 1.ポリシアノアリールエーテル(PEN)及びその製
造方法 (1)本発明で製造されるPENは、典型的には式1の
繰り返し単位からなるポリマーである。
【0007】
【化1】
【0008】(式中、Arはアリール基、好ましくは炭
素数6〜12のアリール基、例として式2のものが挙げ
られる。nは2以上の自然数)
【0009】
【化2】
【0010】PENの還元粘度(p-クロロフェノール,
0.2g/dl, 60℃)は0.5〜1.5が好ましく、特に0.7
〜1.3がより好ましい。 (2)本発明のPENの製造方法は、回収されて再使用
されるものを含め反応工程に供給される極性溶媒中の不
純物量が10000ppm以下であり、ヒドロキシ−N
−メチルピドンが100ppm以下であることを除け
ば、公知のPEN製造方法を用いることができる。
【0011】典型的には、ジハロゲン化ベンゾニトリル
とジヒドロキシアリール化合物とをアルカリ金属炭酸塩
又はアルカリ金属炭酸水素塩の存在下、極性溶媒中で反
応させる方法が挙げられる。このジハロゲン化ベンゾニ
トリルとしては、例えば、2,4−ジクロロベンゾニトリ
ル、2,6−ジクロロベンゾトリル、2,4−ジフルオロベン
ゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2−ク
ロロ−6−フルオロベンゾニトリル、2,6−ジクロロ−
1,4−ジベンゾニトリル、6−ジクロロ−4−メチルベン
ゾニトリル等を挙げることができる。なかでも2,6−ジ
クロロベンゾニトリル及び2,6−ジフルオロベンゾニト
リルが好ましい。
【0012】ジハロゲン化ベンゾニトリルは、低級カル
ボン酸またはその塩の含有量が30〜500ppmに調整された
ものを使用することが、高分子量のPENを生産性良く
得る点から好ましい。低級カルボン酸またはその塩の含
有量が30ppm未満では、重合速度が遅くなる場合があ
る。500ppmを超えると、重合時の分子量増大が抑制され
る場合がある。
【0013】上記の低級カルボン酸としては、例えば酢
酸、ギ酸、プロピオン酸などが挙げられ、またその塩と
しては、ナトリウム塩、カリウム塩、ピリジン塩などが
挙げられる。このような低級カルボン酸またはその塩を
特定量含有するジハロゲン化ベンゾニトリルは、粗ジハ
ロゲン化ベンゾニトリル、例えば酢酸含有量が1000
ppm程度である市販のジハロゲン化ベンゾニトリルを
精製することにより得ることができる。
【0014】粗ジハロゲン化ベンゾニトリルの精製方法
としては、低級アルコール、ケトン、および水から選ば
れた少なくとも1種で洗浄する方法が挙げられる。その
他、再結晶による精製も考えられるが、再結晶により精
製した場合、回収率が低く、工業的には適さない。ま
た、低級カルボン酸またはその塩の含有量が低くなりす
ぎ、重合が遅くなることがある。
【0015】上記の洗浄による精製に用いられる低級ア
ルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、i−プロパノールなどの炭素数1〜3のア
ルコールが好適に用いられる。これら低級アルコール
は、2種以上の混合物として用いることもできる。ま
た、ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケ
トンなどの炭素数3または4のケトンが好適に用いられ
る。これらケトンは、2種以上の混合物として用いるこ
ともできる。
【0016】上記の如きアルコール、ケトン、または水
の少なくとも1種を用いて洗浄を行う場合、その洗浄方
法は特に限定はされないが、通常、粗ジハロゲン化ベン
ゾニトリルと、アルコール、ケトン、または水の少なく
とも1種との混合物を攪拌すればよい。ただし、攪拌は
20℃以上の温度で10分以上行うことが望ましい。こ
の条件以下では、充分に洗浄されないことがある。
【0017】また、アルコール、ケトン、または水の使
用量は、特に限定はされないが、ジハロゲン化ベンゾニ
トリル100gに対し、150ml以上用いることが望
ましい。これより少ないと、充分に洗浄されないことが
ある。また、水を用いて洗浄を行う場合、まず粗ジハロ
ゲン化ベンゾニトリルを非水溶性の溶剤に溶解し、得ら
れた溶液を水で抽出した後、有機層の溶媒を留出して精
製ジハロゲン化ベンゾニトリルを得る方法が好適であ
る。
【0018】上記の非水溶性の溶剤としては、例えば塩
化メチレン、トルエン、ベンゼン、四塩化炭素等が挙げ
られる。この非水溶性の溶剤の使用量は、粗ジハロゲン
化ベンゾニトリルを溶解するに足る量であれば充分であ
るが、通常、粗ジハロゲン化ベンゾニトリル100gに対
し、1000ml程度とすることが望ましい。また、抽
出に用いる水の量は特に限定はされないが、1回の抽出
に粗ジハロゲン化ベンゾニトリル100gに対し、水2
00ml程度を用い、数回抽出を繰り返すことが望まし
い。
【0019】反応原料の一方であるジヒドロキシアリー
ル化合物としては、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−
ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、
2−メチル−1,4−ジヒドロキシベンゼン、2,6−ジメチ
ル−1,4−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベン
ゼン類; 4,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,5′−ジ
ヒドロキシビフェニル、3,5−ヒドロキシビフェニル、
3−メチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,2′−
ジメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル等のジヒド
ロキシビフェニル類;1,2 −ジヒドロキシナフタレン、
1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒロキシナフタ
レン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキ
シナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシ
ナフタレン、4,8−ジメチル−2,6−ジヒドロキシナフタ
レン等のジヒドロキシナフタレン類; 4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルエーテル等のジヒドロキシジフェニルエ
ーテル類を挙げることができる。 特に好ましいジヒ
ドロキシアリール化合物は、1,3−ジヒドロキシベンゼ
ン(レゾルシノール)である。
【0020】ジハロゲン化ベンゾニトリルとジヒドロキ
シアリール化合物との使用量は、目的とする重合体の重
合度との関係から決定される。両者は、ほぼ等モル量使
用されればよいが、等モル量でなくても不都合はない。
本発明方法において用いられるアルカリ金属炭酸塩とし
ては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましい。ま
た、本発明方法において用いられるアルカリ金属炭酸水
素塩としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
リウムが好ましい。
【0021】アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭
酸水素塩の使用量は、ジヒドロキシアリール化合物をア
ルカリ塩に転化するに足る量でよい。通常、ジハロゲノ
ベンゾニトリルに対し、モル比で1.0〜3.0の量のアルカ
リ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩が用いられ
る。本発明方法において、反応は極性溶媒中で行われ
る。好ましく用いられる極性溶媒は中性で、極性が大き
く、炭素数が1〜4のアルコールおよび/または炭素数
3〜7のケトンに対する溶解性が高い有機溶媒であっ
て、かつアルコール、ケトンではない有機溶媒である。
なお、極性の大きい溶媒とは、一般に誘電率及び/また
は双極子モーメントが大きい溶媒を言い、例えば、誘電
率が20以上であるか、双極子モーメントが3.0デバイ
以上のものである。
【0022】そのような有機溶媒として、N−メチルホ
ルムアミド、N−エチルアセトアミド等のN−アルキル
カルボン酸アミド類;N,N −ジメチルホルムアミド、N,
N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメルアトアミド等の
N,N−ジアルキルカルボン酸アミド類; N−メチルピロ
リドン、N−エチルピロリドン等のN−アルキルラクタ
ム類;N −メチルピロリジノン等のN−アルキルカルボ
キシミド類;ジメチルスルホシド、ジエチルスルホキシ
ド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルス
ルホン、ジフェニルスルホン等のスルホン類;スルホラ
ン等の環状スルホン類;アセトニトリル、プロピオンニ
トリル、ブチロニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニ
トリル等のニトリル類;およびこれらの混合物を挙げる
ことができる。
【0023】これらの中性極性溶媒のなかでも、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホ
ン、ジフェニルスルホン、スルホラン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチ
ルピロリドン、N−メチルピロリジノン等の非プロトン
性極性有機溶媒およびそれらの混合物が好ましく、スル
ホラン、N−メチルピロリドン(以下,NMPとする)
等が特に好ましい。
【0024】溶媒の使用量は、使用されるジハロゲン化
ベンゾニトリル、ジヒドロキシアリール化合物、および
アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩を溶
解せしめるに充分な量であればよい。反応温度は通常14
0〜350℃、好ましくは160〜250℃、反応時間は通常1〜
6時間、好ましくは2〜4時間である。
【0025】反応は、通常、不活性雰囲気中、例えばア
ルゴンガス雰囲気中または窒素ガス雰囲気中、大気圧で
行われるが、加圧下または減圧下で行ってもよい。な
お、この過程で分子量調節剤として、式3で示される一
価フェノールを添加しても良い。
【0026】
【化3】
【0027】(式中、Rは水素原子、炭素数1〜10のア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、シアノ基のいず
れかを表す。) 上記式3で示される一価フェノールとしては、例えば、
フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール、
クミルフェノール、イソプロピルフェノール、メトキシ
フェノール、シアノフェノールが挙げられる。
【0028】このような分子量調節剤の添加量は、目的
とする重合体の分子量との関係から決められる。本発明
方法においては、ジハロゲン化ベンゾニトリルとして始
めにジクロロベンゾニトリルを用いて反応させ、次いで
ジフルオロベンゾニトリルを用いて反応させることが好
ましい。この方法によれば、高分子量化が促進され、生
産性を高めることができる。
【0029】この場合、ジクロロベンゾニトリルを用い
る第1段階の反応は、反応温度、150〜250℃、好ましく
は180〜210℃で2〜5時間、好ましくは2.5〜4時間行
うことが望ましい。この過程においても、前記した一価
フェノールの分子量調節剤を用いることができる。次い
で、ジハロゲン化ベンゾニトリルとしてジフルオロベン
ゾニトリルを添加して反応を行う。ジフルオロベンゾニ
トリルの使用量は、ジヒドロキシアリール化合物の使用
量に対して0.001〜0.05の相対量(モル比)が好まし
い。反応温度は180〜250℃、好ましくは190〜220℃、反
応時間は0.5〜5時間、好ましくは1.0〜2.0時間とする
ことが望ましい。なお、この過程で分子量調節剤として
モノハロゲン化炭化水素を添加することが好ましい。こ
のようなモノハロゲン化炭化水素としては、例えば、メ
チルクロライド、2−フルオロベンゾニトリル、4−フ
ルオロベンゾニトリル、2−フルオロベンゾフェノン、
4−クロロジフェニルスルフォンが挙げられる。また、
この分子量調節剤の添加量は、目的とする重合体の分子
量との関係から決められる。
【0030】なお、本発明方法においては、ジヒドロキ
シアリール化合物とアルカリ金属炭酸塩またはアルカリ
金属炭酸水素塩との反応から発生する水を、水と共沸体
を形成する溶媒とともに共沸させることにより除去する
ことが望ましい。水を除去することにより、さらに高い
分子量を有するポリシアノアリールエーテルを得ること
ができる。この水の除去は、反応を通して行ってもよい
し、プレポリマー形成時に行ってもよい。
【0031】本発明方法において使用しうる水と共沸体
を形成する溶媒としては、ベンゼントルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ンなどがある。 2.反応工程に供給される極性溶媒及びそれに含まれる
不純物 本発明のPENの製造方法においては、コストダウン及
び環境対策等の目的で、バッチ式、連続式製法のいずれ
においても、前記極性溶媒を回収して精製した後、PE
N製造に再利用する。
【0032】本発明のPENの製造方法は、仕込み工
程、反応工程、得られたポリマーの洗浄及び精製工程を
含む主工程と、主工程から回収された極性溶媒を精製す
る工程を含む副工程に大別できる。副工程はパイプ等で
主工程の任意の箇所と接続しても、主工程と離れて存在
していても構わない。主工程が順調に進行するならば、
副工程は、主工程の方式、作業性、プラントのスケール
及び安全性等の都合に合わせて適宜設置すれば良い。
【0033】例えば、主工程がバッチ式、かつ副工程が
主工程と離れて存在するPENの製造方法の場合、得ら
れた重合体(PEN)を反応槽の下部から取り出した
後、残った極性溶媒を回収し、外部の精製設備(副工程
に相当)で精製し、主工程で再利用する方法が挙げられ
る。主工程から回収され、精製された後の極性溶媒中に
含まれる不純物とは、水、ポリーテルニトリルのオリゴ
マー、過酸化物、極性溶媒の分解物及び極性溶媒の置換
体等も含めた全ての不純物を意味する。
【0034】不純物の代表例として、2−ピロリドン、
γ−ブチルラクトン、N−メチルスクシンイミド、ヒド
ロキシ置換NMPが挙げられるが、特に極性溶媒にNM
Pを使用した時に、不純物としてヒドロキシ置換NMP
が特定量以上含まれていると重合反応に影響を及ぼし得
られるPENの分子量も小さく、物性が低下する。前記
不純物の含有量は、全ての不純物量が反応工程に供給さ
れる極性溶媒に対して10000ppm以下、かつヒド
ロキシ置換NMPが100ppm以下であり、更に好ま
しくは不純物の総量で10000ppm以下、かつヒド
ロキシ置換NMPが40ppm以下である。ここで、反
応工程に供給される極性溶媒とは、回収し再使用される
極性溶媒と新たに補給される極性溶媒の混合物であって
も良い。
【0035】不純物の総量が10000ppmを超える
と、分子量の低いPENしか得られない。前記不純物の
発生原因は特定されていないが、重合反応時の高温、高
圧、高アルカリ下におかれることで極性溶媒の一部が酸
化、分解及置換反応等を起こすことで発生すると推定さ
れる。又、保存状態や輸送条件により、未使用の極性溶
媒中に既に相当の不純物が発生していることもある。
【0036】主工程から回収した極性溶媒中の不純物を
10000ppm以下にする方法としては、公知の精製
方法、例えば蒸留することが挙げられる。蒸留方法は特
に限定はなく、目標とする不純物量のレベルや経済性等
に合わせて適宜選択できる。例えば、直列多缶蒸気利用
法、直列多缶蒸気圧縮、多重効用蒸気膨張法及び蒸気圧
縮・多重効用蒸気膨張併用法が挙げられる。又、減圧及
び/又は真空下で、蒸留段数を多くすること、及び適当
な共沸剤を回収した溶媒に配合することも蒸留効率向上
に寄与する。
【0037】尚、前記回収された極性溶媒中の目標不純
物濃度を達成するために、単一方法、例えば蒸留方法で
全て精製する必要はなく、複数の精製方法を組み合わせ
ても良い。例として、回収されたNMP中の不純物濃度
を、不純物総量で10000ppm以下、かつヒドロキ
シ置換NMPを100ppm以下にする場合について説
明する。
【0038】「ヒドロキシ置換NMPが100ppm」
とは通常のガスクロマログラフィ−分析(以下、GC分
析とする)の検出限界に近いレベルであり、目標スペッ
クを達成したか否か確認することが難しい。しかし、例
えばヒドロキシ置換NMPが150〜200ppmにな
るまで蒸留した後、その蒸留後のNMPと同量以上の新
品のNMP(例えばヒドロキシ置換NMPが実質零pp
m,総不純物量が1000ppm以下)で希釈すれば、
目標スペックを容易に、かつ確実に達成する。特にバッ
チ式の比較的少量の生産規模のPEN製造方法において
は、大がかりな蒸留装置を設置するよりは、効率、コス
ト及び品質管理等の面で優れる場合もある。
【0039】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を説明す
る。 (1)還元濃度の測定方法 使用溶媒:p−クロロフェノール(関東化学製,特級試
薬) 溶液濃度:0.2g/dl,測定温度:60℃ 測定機器:離合社製自動粘度測定装置VMS−052C (2)NMP中の不純物濃度の測定方法(I) 測定方法:ガスクロマトグラフィー分析 使用カラム:DB−1(コーティング厚1.5μm,J&W
Scientific) 0.53mmφ×30m 注入口・FID温度:300℃ カラム温度:100℃→3℃/分,キャリアガス:40
pKa 試料注入量:0.1μLスプリット(ベント:40ml/
分) (3)NMP中の不純物濃度の測定方法(II) 測定方法:ガスクロマトグラフィー分析 使用カラム:FFAP(コーティング厚0.3μm) 0.25mmφ×50m 注入口・FID温度:250℃ カラム温度:200℃7分保持→220℃(10℃/
分,) キャリアガス:He 試料注入量:0.3μLスプリット(スプリット流量:1
00ml/分) (4)不純物入りNMPの調整に使用する試薬 新品のNMP:三菱化学製を蒸留した物。
【0040】 N−メチルスクシンイミド(アルドリッチ製,特級試薬):NMSIと略記 2−ピロリドン(関東化学製,特級試薬) :2−Pyと略記 γ−ブチルラクトン(関東化学製,特級試薬) :γ−Blと略記 (5)実施例1及び2の実験操作 新品のNMPにNMSI、2−Py、γ−BIを表1の
濃度になるように添加した。(不純物量は試薬の添加量
から計算した値) ディーンシュタルクトラップ、攪拌装置、窒素ガス吹き
込み管,熱伝対を備えた300mlのセパラブルフラス
コに、2,6−ジクロロベンゾニトリル25.686g、レ
ゾルシノール16.517g、炭酸ナトリウム17.488
g及び前記調整したNMP150mlを入れ、窒素雰囲
気下で20℃から200℃まで1時間かけて昇温した。
昇温後、トルエン1mlを添加し、トルエン還流下でデ
ィーンシュタルクトラップを使って60分間脱水を行っ
た。脱水終了後75分に、NMP溶液4ml(2,6−
ジフルオロベンゾニトリルを0.26g含有)を添加し、
その添加後40分と60分にサンプリングを行った。そ
の後加熱を止め、得られたポリマーをブレンダーで粉砕
した後、水で洗浄し乾燥した。得られたポリマーの還元
濃度を前記方法で測定した。 (6)実施例3〜5及び比較例1〜4の実験操作 PENの商業生産プロセスから回収した使用済NMPを
前記ガスクロマトグラフィー分析にかけたところ、5−
ヒドロキシ−N−メチルピロリドン(以下、Hy−NM
Pと略記)が300ppm、NMSIが700ppm、
2−Pyが100ppm未満、4−Blが200ppm
であった。
【0041】この使用済NMPを表1のHy−NMP濃
度になるように新品のNMPで希釈し、更にNMSI、
2−Py、4−BIを表1の濃度になるように添加した
NMP(不純物量は前記GC分析値)を使用する以外は
実施例1と同様に行った。
【0042】
【表1】
【0043】(7)前記実験結果から判明すること 本発明の要件を満たす実施例1〜5では、得られるPE
Nの分子量は十分に高分子量であるが、本発明の要件外
の比較例1〜4は分子量が伸びていない。不純物の総量
が10000ppm以下でも、ヒドロキシN置換NMP
が100ppmより多い比較例4は、分子量の伸びが小
さい。
【0044】ヒドロキシN置換NMPが100ppm以
下でも、不純物の総量が10000ppmより多い比較
例1は、分子量の伸びが小さい。
【0045】
【発明の効果】本発明のPENの製造方法によれば、原
因不明のPENの分子量の伸びが抑制される 現象を解
消し、充分に高い分子量を有するPENを生産性良く、
かつ確実に製造することができる。更に大量に使用する
極性溶媒を、PENの重合反応に悪影響を及ばすことな
く再利用できるため、コスト、省資源及び溶媒の廃棄処
理が少なくてすむ等のメリットがある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性溶媒を回収し再使用するポリシアノ
    アリールエーテルの製造方法において、反応工程に供給
    される極性溶媒中の不純物が10000ppm以下であ
    り、ヒドロキシ−N−メチルピロリドンが100ppm
    以下であることを特徴とするポリシアノアリールエーテ
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシ−N−メチルピロリドンが4
    0ppm以下であることを特徴とする請求項1のポリシ
    アノアリールエーテルの製造方法。
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