JPH1116219A - 光磁気記録媒体及び光磁気記録媒体再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及び光磁気記録媒体再生方法

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JPH1116219A
JPH1116219A JP9172174A JP17217497A JPH1116219A JP H1116219 A JPH1116219 A JP H1116219A JP 9172174 A JP9172174 A JP 9172174A JP 17217497 A JP17217497 A JP 17217497A JP H1116219 A JPH1116219 A JP H1116219A
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Masahiro Furuta
正寛 古田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光磁気膜を利用した光磁気記録媒
体、特に磁気超解像再生方法が適用される光磁気記録媒
体及び光磁気記録媒体再生方法に関し、現行の記録再生
装置による高解像度再生を可能とする光磁気記録媒体及
び光磁気記録媒体再生方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 垂直磁化膜であるメモリー層13と、垂
直磁化膜である再生層11と、メモリー層と再生層との
間に形成され、常温で面内磁化し、垂直磁化する温度範
囲の下限が、常温より高くメモリー層および再生層のキ
ュリー温度より低い温度である再生中間層12とを有す
る光磁気記録媒体であって、再生層の膜厚は、再生中間
層の膜厚より薄いことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気膜を利用し
た光磁気記録媒体に関し、特に磁気超解像再生方法が適
用される光磁気記録媒体及び光磁気記録媒体再生方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気膜を用いた光磁気記録媒体として
の光磁気ディスクに関しては、高密度記録化の開発が望
まれている。情報の記録の際には、予め磁化向きが一方
向に揃えられた光磁気膜をキュリー温度以上に加熱する
と共に、反対方向の記録磁界を印加することで記録マー
クを形成する。このとき、記録用レーザー光を光学系で
細く絞って光磁気ディスクにスポット照射し、そのスポ
ットの中心近傍の高温領域にのみ記録マークを形成した
り(筆先記録方式)、記録磁界を高い周波数で反転させ
る(磁界変調方式)ことによって、記録マークをスポッ
トのサイズより小さくしている。そして、この記録マー
ク間の距離を狭めることで、記録密度の向上が実現す
る。
【0003】しかし高密度化が実現しても、情報が確実
に読み出されなければ無意味なものとなってしまう。再
生時には、ディスクを回転させながら記録用レーザー光
よりパワーが低い再生用レーザー光を当て、その反射光
の偏光面の回転角を計測することで記録マークの検出が
行われるが、このとき隣り合った記録マークを一緒に検
出しないように、常にスポット内には一つの記録マーク
しか存在しない状態とすることが望まれる。ところが上
記のように高密度化した光磁気ディスクでは、これが不
可能である。
【0004】そこで開発された再生方法が、磁気超解像
(MSR:Magnetically induced Super Resolution )
である。MSRは、スポットのサイズを変えるのではな
く、スポット内に再生不可能な領域であるマスクを形成
するものである。再生時には一定のパワーの再生用レー
ザー光をディスクに照射しつつディスクを回転させ、情
報を記録したトラックをスポットがなぞるよう光ヘッド
の動きを制御する。このときディスク上でスポットが当
たった部分では、蓄熱作用によって後ろ側が前側より高
温となっているので、この高温や低温の領域の何れかを
マスクする。このような再生を実現するために、光磁気
ディスクには、情報が記録されるメモリー層の他に、温
度によってマスクとなったり開口となったりする層が予
め形成される。
【0005】以下、MSRのうち、特に、スポットのう
ち高温領域と低温領域との双方をマスクして、中温の領
域のみの記録マークを読み出すことができるダブルマス
ク(D−RAD:Double-Rear Aparture Detection)方
式について説明する。ダブルマスク方式が適用された光
磁気ディスクは、例えば、情報が記録されるメモリー層
と、高質の信号を生成するための再生層とを有し、さら
にこれらの層の間に再生中間層を有する。この再生中間
層は、再生層と同じあるいは再生層より薄く形成され、
室温で面内磁化しておりスポットの中温領域の温度まで
加熱されると垂直磁化し始め、さらにスポットの高温領
域の温度まで加熱されるとキュリー温度に達し磁化を失
う。
【0006】情報の再生は、このディスクの再生層側か
ら再生用レーザー光を照射する。スポットの低温領域で
は再生中間層が面内磁化しており、また、高温領域では
この再生中間層は磁化を失っているので、再生層とメモ
リー層とが磁気的に遮断される。同時に、例えば、記録
マークの消去方向に再生磁界を与え、再生層の高温およ
び低温領域における磁化向きを一定の方向に揃えること
により、マスクを形成できる。そして再生中間層が垂直
磁化している中温領域では、各層間に生じる交換結合力
によってメモリー層の副格子磁化の向きが再生層まで転
写される。すなわち、再生層に照射された再生用レーザ
ー光は、中温領域の情報のみに応じて偏光面を変化させ
ることになる。
【0007】したがって、ダブルマスク方式では、スポ
ットのサイズより小さい領域の情報を確実に読み出すこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このダブルマ
スク方式では、主に低温領域のマスク形成が困難である
ことに起因して、現行の記録再生装置が生成する磁界と
比べて非常に大きな再生磁界を必要とする。この再生磁
界の値は、現行の記録再生装置の最大出力200Oeを
大幅に上回る400〜500Oeとされ、光ヘッドの変
位を制御するフォーカスサーボやトラッキングサーボな
どに悪影響を与えてしまう程の大きさである。また、大
電力が必要となり装置の大型化にもつながる。つまり、
このダブルマスク方式を適用した光磁気ディスクは、実
用的でなかった。
【0009】本発明は、現行の記録再生装置による高解
像度再生を可能とする光磁気記録媒体及び光磁気記録媒
体再生方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の光磁気
記録媒体は、垂直磁化膜であるメモリー層と、垂直磁化
膜である再生層と、メモリー層と再生層との間に形成さ
れ、室温で面内磁化し、垂直磁化する温度範囲の下限
が、室温より高くメモリー層および再生層のキュリー温
度より低い温度である再生中間層とを有する光磁気記録
媒体であって、再生層の膜厚は、再生中間層の膜厚より
薄いことを特徴とする。
【0011】請求項2に記載の光磁気記録媒体は、請求
項1に記載の光磁気記録媒体において、再生中間層は、
垂直磁化する温度範囲の下限より高くメモリー層および
再生層のキュリー温度より低い温度範囲に、キュリー温
度を有することを特徴とする。
【0012】請求項3に記載の光磁気記録媒体は、請求
項1または請求項2に記載の光磁気記録媒体において、
再生中間層の膜厚は、45nm以上、かつ80nm以下
であることを特徴とする。請求項4に記載の光磁気記録
媒体は、請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の
光磁気記録媒体において、再生層の膜厚は、15nm以
上、かつ45nm以下であることを特徴とする。
【0013】請求項5に記載の光磁気記録媒体は、請求
項3または請求項4に記載の光磁気記録媒体において、
再生層の膜厚と再生中間層の膜厚との差は、10nm以
上であることを特徴とする。請求項6に記載の光磁気記
録媒体再生方法は、請求項1ないし請求項5の何れか一
項に記載の光磁気記録媒体のメモリー層に記録された情
報を、磁気超解像により読み出す光磁気記録媒体再生方
法において、再生磁界を、メモリー層に記録する際に印
加した向きと反対向きに印加しながら再生することを特
徴とする。
【0014】(作用)請求項1に記載の光磁気記録媒体
では、垂直磁化膜であるメモリー層と、垂直磁化膜であ
る再生層との間に、室温で面内磁化し、垂直磁化する温
度範囲の下限が、メモリー層および再生層のキュリー温
度より低い再生中間層が形成される。一般に、光磁気記
録媒体の利用方法については、予めメモリー層の磁化向
きに変化を与えることによって情報を記録し、再生層側
からこの光磁気記録媒体に照射したレーザー光の反射光
について偏光面の回転角を検出することで情報の再生を
行う。この再生時には、ディスクの回転によりレーザー
光と光磁気記録媒体との相対位置が動き、レーザー光が
光磁気記録媒体に形成するスポット内において、前方の
領域と比べて後方の領域が高温となっている温度分布を
生じさせる。そしてレーザー光のパワーと、スポットに
対する光磁気記録媒体の速度とを適正な値に設定するこ
とで、低温領域の温度が、再生中間層が垂直磁化する温
度範囲の下限より低くなり、かつ高温領域の温度が、そ
の温度範囲に含まれるようにする。これにより、上記レ
ーザー光が照射された光磁気記録媒体のうち高温領域で
は再生中間層が垂直磁化するので各層の遷移金属副格子
磁化の交換結合力によってメモリー層の情報が再生層ま
で転写され、一方、低温領域では再生中間層が面内磁化
しているためメモリー層の情報が転写されない。そして
この光磁気記録媒体に再生磁界を印加して、この低温領
域における再生層の磁化向きを一方向に揃える、または
面内磁化させることにより、スポットの低温領域にマス
クを形成することができる。すなわち、この光磁気記録
媒体は、レーザー光のスポットより小さい領域の情報を
読み出す高解像度の再生を可能とする。
【0015】ここで、本発明の目的はこの再生磁界の低
減にあるが、再生層と再生中間層との膜厚の関係につい
て種々検討した結果、再生層の膜厚を再生中間層の膜厚
より薄くすることによって実現できることを知見した。
これは次の理由による。再生層の膜厚を再生中間層の膜
厚より薄く形成すると、再生層は再生中間層の影響を受
けやすくなる。スポットの低温領域の再生層について
は、面内磁化している再生中間層からの影響を受けて同
じく面内磁化になりやすい。よって低温領域の再生層
は、再生中間層より厚く形成された場合と比べて小さい
磁界で面内磁化する、或いは一方向に磁化向きが揃うこ
とになる。つまり、マスク形成のために印加すべき再生
磁界は低減される。
【0016】要するに、この光磁気記録媒体では、再生
層の膜厚を再生中間層の膜厚より薄く形成することによ
り、低い再生磁界での高解像度再生を可能としている。
請求項2に記載の光磁気記録媒体では、請求項1に記載
の光磁気記録媒体において、再生中間層は、垂直磁化す
る温度範囲の下限より高くメモリー層および再生層のキ
ュリー温度より低い温度範囲にキュリー温度を有する。
この光磁気記録媒体の再生時には、上記請求項1に記載
の光磁気記録媒体とは異なり、スポット内の高温領域の
うち最も高温となる領域が、再生中間層のキュリー温度
以上となるよう設定する。これにより、低温領域のマス
ク形成に加えて、高温領域のうち最も高温となった領域
についてもマスクを形成できる。つまり、最も高温とな
った領域では再生中間層がキュリー温度に達し、メモリ
ー層と再生層とが磁気的に遮断されるので、再生磁界を
印加することによって、この領域の再生層の磁化向きを
揃えてマスクを形成できる。これは、請求項1に記載の
光磁気記録媒体よりさらに再生の解像度が向上するもの
である。
【0017】一般に再生層については、キュリー温度に
達して磁化を失った再生中間層に接している部分は、面
内磁化している再生中間層に接している部分よりマスク
を形成し易いので、最も高温の領域のマスクは、低温領
域のマスクのために印加される再生磁界の大きさで十分
形成される。そしてこの光磁気記録媒体では、請求項1
に記載の磁気記録媒体と同様に再生層の膜厚を再生中間
層の膜厚より薄くし、低温領域のマスクに要する再生磁
界を低減させているので、全体として印加すべき再生磁
界も低減されたこととなる。
【0018】要するに、この光磁気記録媒体では、請求
項1と比べて高い解像度の再生が可能な光磁気記録媒体
について、再生層の膜厚と再生中間層の膜厚との間に所
定の関係をもたせているので、より高解像度の再生が、
低い再生磁界の下で実現されることとなる。請求項3に
記載の光磁気記録媒体では、請求項1または請求項2に
記載の光磁気記録媒体において、再生中間層の膜厚を、
45nm以上、かつ80nm以下とすることで、再生中
間層の膜厚と、再生中間層より薄い再生層の膜厚との和
に上限を設ける。一般に、光磁気記録媒体については膜
厚が厚いほど成膜に手間がかかるが、この上限の設定に
より、製造効率を高く保つことができる。
【0019】請求項4に記載の光磁気記録媒体では、請
求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の光磁気記録
媒体において、再生層の膜厚を15nm以上、かつ45
nm以下とするので、再生層の膜厚に下限を設けたこと
になる。一般に、再生は、再生層にレーザー光を照射
し、その再生層において反射した光に基づいて行われ
る。このとき再生層の膜厚が15nmより薄いと、レー
ザー光が他の層にまで透過し、他の層からの反射光が再
生信号に悪影響を与えてしまう。ところがこの光磁気記
録媒体では再生層の膜厚を15nm以上としているの
で、このような虞が解消され、再生信号の品質を高く保
つことができる。
【0020】請求項5に記載の光磁気記録媒体では、請
求項3または請求項4に記載の光磁気記録媒体において
再生層と再生中間層との膜厚の差を、10nm以上とす
る。このような光磁気記録媒体では、再生信号のC/N
値が所望の値以上となることが知見された。よって、所
定層の膜厚の差を最適化するという簡単な方法で、再生
信号の品質を高く保つことができることとなる。
【0021】請求項6に記載の光磁気記録媒体再生方法
では、請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の光
磁気記録媒体の再生時において、再生磁界を、メモリー
層に記録する際に印加した向きと反対向きに印加しなが
ら再生する。一般に、上記の請求項1ないし請求項5の
何れか一項の光磁気記録媒体では、再生層と再生中間層
とは共に遷移金属および希土類金属の合金からなり、再
生層は補償組成近傍の遷移金属優勢の組成とされ、再生
中間層は希土類金属優勢であって補償温度がキュリー温
度より高い組成とされる。そしてこのような光磁気記録
媒体の再生に関しては、再生磁界の向きを情報の消去方
向と一致させる場合にのみ、低再生磁界化が可能である
ことが知見された。
【0022】したがって、上記光磁気記録媒体の再生時
にこの方法を適用すれば、確実に再生磁界が低減される
こととなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に対応した実施形態
について詳細に説明する。
【0024】図1は、請求項1〜6に対応した光磁気デ
ィスク及び光磁気ディスク再生方法を示す図である。図
1上部は、再生時における光磁気ディスク1の概略側面
図であり、再生用レーザー光2に対して図中右から左へ
と移動している状態を示す。先ず、光磁気ディスク1の
構成を説明する。光磁気ディスク1は、円形の基板21
上に下部保護膜10、再生層11、再生中間層12、メ
モリー層13、上部保護膜14を順に成膜してなる。こ
のうち再生層11、再生中間層12、メモリー層13の
3層は、希土類金属と遷移金属との合金からなる磁性体
であり、組成を変えてそれぞれに異なる温度特性をもた
せている。また、下部保護膜10と上部保護膜14とは
SiN等の誘電体であり、上記磁性体の3層を保護する
機能を有する。
【0025】メモリー層13は、例えばTbFeCoか
らなり、垂直磁化膜として利用するために補償組成近傍
であり、かつ遷移金属優勢の組成比とされる。そして、
記録時以外においては常に情報を記録している必要があ
るので、再生用レーザー光2が照射されて温度が上昇し
た状態でも高い保磁力を有するものとしてある。再生層
11は、例えばGdFeCoからなり、メモリー層13
と同様に遷移金属優勢の垂直磁化膜であるが、常に情報
を記録している必要はないので保磁力は低くてもよい。
しかし、再生用レーザー光2の偏光面を大きく変化させ
て良好な信号を生成するために、キュリー温度が所定温
度より高くなっている。
【0026】再生中間層12は、例えばGeFeからな
り、ダブルマスクを形成するために、室温で希土類優勢
であって面内磁化しており、室温から温度を上昇させた
場合に垂直磁化し始め、垂直磁化し始める温度よりさら
に高い温度でキュリー温度に達する組成としてある。ま
た、この再生中間層12は、再生時に補償温度に達して
副格子磁化の向きが反転することがないように、キュリ
ー温度まで補償温度がない。
【0027】そして本実施形態では、この再生層11を
再生中間層12より薄く形成してある。なお、再生層1
1、再生中間層12、メモリー層13それぞれのキュリ
ー温度Tc1、Tc2、Tc3の大小関係については、
再生時に再生中間層以外の層がキュリー温度に達しない
ために、 Tc2<Tc3、Tc1 の式が成立するものとする。
【0028】次に、この光磁気ディスク1の再生方法を
説明する。光磁気ディスク1に対する再生用レーザー光
2の線速度は、所定の値に制御されており、光磁気ディ
スク1には、図1下部に示すような温度分布が生じる。
再生用レーザー光2のスポット3の後方には蓄熱された
領域4が存在し、その領域4の中央近傍は最も高い温度
になっている。よって、スポット3内には、熱蓄積され
た高温領域5および中温領域6と、熱蓄積していない低
温領域7とが存在することになる。そして、再生用レー
ザー光2のパワーを調整することによって、中温領域6
の温度を再生中間層12が垂直磁化する温度に一致さ
せ、かつ高温領域5の温度を再生中間層12のキュリー
温度に一致させている。
【0029】次に、再生時における各層の副格子磁化の
状態を説明する。図1中各層に示す矢印は遷移金属副格
子磁化の向きを示し、上向きを情報の記録方向とする。
スポット3の高温領域5では、再生中間層12がキュリ
ー温度に達して磁化を失う。よってメモリー層13と再
生層11とが磁気的に切断されるが、再生層11は垂直
磁化膜であるためこのままでは勝手な方向に磁化が向き
再生信号に雑音を与えてしまう。そこで情報の消去方向
に再生磁界を印加して再生層11の磁化向きを一方向に
揃えることで、マスクを形成する(高温部マスク)。
【0030】また、低温領域7では、再生中間層12は
単体で面内磁化している状態にある。一般に、この領域
7では、上記の高温領域5と比べてマスクを形成するこ
とが困難とされていたが、本実施形態のように再生中間
層12と比べて再生層11が薄く形成されている場合に
は、従来と比べて低い再生磁界でマスクを形成すること
が知見された(低温部マスク)。これに関しては、この
領域7の再生層11が面内磁化している再生中間層12
の影響を受け、磁化向きが揃い易くなっていることが理
由として挙げられる。そして、再生層11と再生中間層
12との膜厚の差を最適値(20nm)とした場合に
は、低温部マスクの形成に再生磁界が不要となることも
知見された。
【0031】すなわち、再生磁界については、再生層1
1の膜厚を再生中間層12の膜厚より薄くすることで低
減させることができ、さらには膜厚の差を最適値(20
nm)まで広げると、高温部マスクに最低限必要な値ま
で低く抑えることができる。したがって本実施形態で
は、現行の記録再生装置によるダブルマスク方式が実現
し、上記説明した光磁気ディスクが実用的なものとな
る。
【0032】また、再生層11とメモリー層12とが遷
移金属優勢であるのに対し、再生中間層12が希土類優
勢であることから、消去方向の再生磁界は中温領域6の
記録マーク8を拡大する方向に働く。よって本実施形態
では、従来より再生磁界が小さいにもかかわらず再生信
号の質を高く維持することができる。なお、上述した実
施形態では、ダブルマスク方式について説明したが、上
記マスクのうち、低温部マスクのみを利用したRAD
(Rear Aperture Detection )方式であってもよい。こ
の方式では、高温部マスクの形成が行われないので、再
生層11と再生中間層12との膜厚の関係を最適化する
ことによって再生磁界を不要とすることもできる。
【0033】また、上述した実施形態では、光磁気ディ
スクについて説明したが、同様の磁性体を成膜した記録
媒体であればいかなる光磁気記録媒体でもよい。さら
に、上述した実施形態では、磁性体としてTbFeC
o、TbFe、GeFeを用いたが、同様の特性を示す
ものであれば各層を如何なる物質で形成してもよい。
【0034】上述した実施形態では、光磁気ディスクを
3層構造としたが、同様の特性の再生層および再生中間
層が備えられれば如何なる層構造としてもよい。例え
ば、メモリー層と上部保護膜との間に所定の層を形成
し、ダイレクトオーバーライトを可能としてもよい。
【0035】
【実施例】以下、本発明に対応した実施例について詳細
に説明する。
【0036】(光磁気ディスク形成)以下、本発明に対
応した光磁気ディスクの形成について説明する。直径8
6mmの2P基板上に、RFマグネトロンスパッタリン
グによりSiNからなる下部保護膜を約70nm形成す
る。この場合、スパッタ装置のチャンバー内を一旦、1
×10-6Torr以下に排気した後、ArとN2 の混合
ガスを導入すると共にチャンバー内のガス圧を5×10
-3Torrとし、ターゲット材料にSiを使用してスパ
ッタを行う。
【0037】次に、この下部保護膜上に、GdFeCo
からなる再生層を約30nm形成する。この際用いるタ
ーゲット材料は、Gd、Fe、Coであり、Arガスを
導入してチャンバー内のガス圧を5×10-3Trrとし
てコスパッタリングを行う。このGdFeCoの組成
は、(Gd:25atm%、Fe:60atm%、C
o:15atm%)である。そして、このコスパッタリ
ングを行う時間を可変することによって、膜厚の調整を
行う。
【0038】この再生層上に、GdFeからなる再生中
間層を約50nm形成する。この際用いるターゲット材
料は、Gd、Feであり、Arガスを導入してチャンバ
ー内のガス圧を5×10-3Torrとしてコスパッタリ
ングを行う。このGdFeの組成は、(Gd:30at
m%、Fe:70atm%)である。この再生中間層上
に、TbFeCoからなるメモリー層を約50nm形成
する。この際用いるターゲット材料は、Tb、Fe、C
oであり、Arガスを導入してチヤンバー内のガス圧を
5×10-3Torrとしてコスパッタリングを行う。こ
のTbFeCoの組成は、(Tb:21atm%、F
e:63.2atm%、Co:15.8atm%)であ
る。
【0039】なお、上記メモリー層は、保磁力を高める
ために、希土類金属と遷移金属とを交互に成膜する積層
構造としてもよい。この場合には、所定のターゲットの
堆積速度を制御してコスパッタリングを行い、希土類金
属層を約2.5nm、遷移金属層を約3nmとする。
【0040】更に、メモリー層上に、下部保護膜の形成
条件と同一条件によりRFマグネトロンスパッタリング
を行って、SiNからなる上部保護膜を約70nm形成
する。 (光磁気ディスクの再生)次に、本発明に対応した光磁
気ディスクの再生について説明する。記録再生装置は、
ディスクの回転駆動系、記録再生用レーザー光源、光源
駆動系、磁界発生源、再生系および信号処理系を備え、
情報の記録および再生を行うことができる。
【0041】予め、前述した構成の光磁気ディスクに
は、トラック上にマーク長さ0.3μm、マーク間距離
0.3μmとした記録マークが記録されているものとす
る。この光磁気ディスクは、回転駆動系に取り付けられ
た状態で、記録再生用レーザー光源から後述する再生用
レーザー光が照射される。回転駆動系は、光磁気ディス
ク上に形成されるスポットの線速度が約9m/sとなる
よう光磁気ディスクの回転速度を制御する。この際、磁
界発生源により、記録マークの消去方向に再生磁界を印
加する。
【0042】記録再生用レーザー光源は、光源駆動系に
よって光磁気ディスクの半径方向への移動が制御され、
波長λ=680nm、開口数NA=0.55の半導体レ
ーザーによりパワー約3.5mWの再生用レーザー光を
出射する。この再生用レーザー光は、光学系により回折
限界まで絞られ、光磁気ディスク上に径が約1.1μm
のスポットを形成する。そのレーザー光の反射光は、再
生系に入射し、光学系を経てフォトダイオード等のディ
テクターで受光された後、電気信号に変換される。さら
に、この電気信号は信号処理系に送出され、情報として
出力される。
【0043】この記録再生装置において、再生磁界を1
00Oeに設定したところ、C/N値が45dB以上で
ある良好な出力信号が得られた。この再生磁界の大きさ
は、現行の記録再生装置で生成可能な範囲内にあるの
で、上記説明した光磁気ディスクは十分に実用的である
ことが分かった。
【0044】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、この光磁気記
録媒体では、再生層の膜厚を再生中間層の膜厚より薄く
形成することにより、低い再生磁界での高解像度再生を
可能としている。請求項2に記載の発明は、請求項1と
比べて高い解像度の再生が可能な光磁気記録媒体につい
て再生層の膜厚と再生中間層の膜厚との間に所定の関係
をもたせているので、より高解像度の再生が低い再生磁
界の下で実現されることとなる。
【0045】請求項3に記載の発明は、再生中間層の膜
厚と、再生中間層より薄い再生層の膜厚との和に上限を
設けるので、光磁気記録媒体の製造効率を高く保つこと
ができる。請求項4に記載の発明は、再生層の膜厚に下
限を設けることにより再生用のレーザー光が再生層以外
の層に透過することを防ぎ、再生信号の品質を高く保つ
ことができる。
【0046】請求項5に記載の発明は、再生層と再生中
間層との膜厚の差を10nm以上とし、再生信号のC/
N値を所望の値以上とするので、再生信号の品質を高く
保つことができる。請求項6に記載の発明は、再生磁界
の向きを情報の消去方向と一致させるものであるが、こ
の場合には低再生磁界化が可能であることが知見された
ので、上記光磁気記録媒体の再生時にこの方法を適用す
ることによって確実に再生磁界を低減させることができ
る。
【0047】要するに、本発明では、低再生磁界化が実
現するので、現行の記録再生装置を利用した再生が可能
となる。そして、このように高解像度再生への課題を解
決したことにより、既に提案されている高密度記録の各
方法が実際に適用されうるものとなった。また、本発明
によれば、磁界発生に供される装置の簡略化や小型化に
ついても開発の可能性が広がった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光磁気ディスク及び光磁気ディ
スク再生方法の一例を示す図
【符号の説明】 1 光磁気ディスク 2 再生用レーザー光 3 スポット 4 熱蓄積された領域 5 高温領域 6 中温領域 7 低温領域 8 記録マーク 10 下部保護膜 11 再生層 12 再生中間層 13 メモリー層 14 上部保護膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直磁化膜であるメモリー層と、 垂直磁化膜である再生層と、 前記メモリー層と前記再生層との間に形成され、室温で
    面内磁化し、垂直磁化する温度範囲の下限が、室温より
    高く前記メモリー層および前記再生層のキュリー温度よ
    り低い温度である再生中間層とを有する光磁気記録媒体
    であって、 前記再生層の膜厚は、 前記再生中間層の膜厚より薄いことを特徴とする光磁気
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光磁気記録媒体におい
    て、 前記再生中間層は、 前記垂直磁化する温度範囲の下限より高く前記メモリー
    層および前記再生層のキュリー温度より低い温度範囲
    に、キュリー温度を有することを特徴とする光磁気記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の光磁気
    記録媒体において、 前記再生中間層の膜厚は、 45nm以上、かつ80nm以下であることを特徴とす
    る光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れか一項に
    記載の光磁気記録媒体において、 前記再生層の膜厚は、 15nm以上、かつ45nm以下であることを特徴とす
    る光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の光磁気
    記録媒体において、 前記再生層の膜厚と前記再生中間層の膜厚との差は、 10nm以上であることを特徴とする光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5の何れか一項に
    記載の光磁気記録媒体のメモリー層に記録された情報
    を、磁気超解像により読み出す光磁気記録媒体再生方法
    において、 再生磁界を、 メモリー層に記録する際に印加した向きと反対向きに印
    加しながら再生することを特徴とする光磁気記録媒体再
    生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002065465A1 (fr) * 2001-02-14 2002-08-22 Fujitsu Limited Support d'enregistrement magneto-optique

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WO2002065465A1 (fr) * 2001-02-14 2002-08-22 Fujitsu Limited Support d'enregistrement magneto-optique
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