JPH11170531A - 液体吐出ヘッド及びヘッド用基板 - Google Patents

液体吐出ヘッド及びヘッド用基板

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JPH11170531A
JPH11170531A JP33606097A JP33606097A JPH11170531A JP H11170531 A JPH11170531 A JP H11170531A JP 33606097 A JP33606097 A JP 33606097A JP 33606097 A JP33606097 A JP 33606097A JP H11170531 A JPH11170531 A JP H11170531A
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知之 廣木
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Yoshiyuki Imanaka
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雅彦 久保田
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博之 石永
Masahiko Ogawa
正彦 小川
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    • B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01—Ink jet
    • B41J2/135—Nozzles
    • B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016—Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032—Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14048—Movable member in the chamber

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的および化学的な耐久性に優れ、かつ、
製造コストの小さい液体吐出ヘッド用基板を提供するこ
と。 【解決手段】 液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連
通し、該吐出口に液体を供給する液流路と、液体に気泡
を発生させるための発熱体を具備する基板と、前記発熱
体に面するように前記吐出口側を自由端として前記液流
路内に設けられ、且つ該自由端が前記発熱体の面積中心
より下流に位置した可動部材とを備えた液体吐出ヘッド
において、前記可動部材は窒化硅素、ダイアモンド、水
素化アモルファスカーボン、炭化硅素のいずれかで形成
されており、前記基板上に作り込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを液
体に作用させることで起こる気泡の発生によって所望の
液体を吐出する液体吐出ヘッド及びヘッド用基板に関
し、特に、気泡の発生を利用して変位する可動部材を有
する液体吐出ヘッド及びヘッド用基板に関する。
【0002】なお、本発明における、「記録」とは、文
字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与
することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像
を付与することをも意味するものである。
【0003】
【従来の技術】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわ
ゆるバブルジェット記録方法が従来から知られている。
【0004】このバブルジェット記録方法を用いる記録
装置には、特公昭61−59911号公報や特公昭61
−59914号公報に開示されているように、インクを
吐出するための吐出口と、この吐出口に連通するインク
流路と、インク流路内に配されたインクを吐出するため
のエネルギー発生手段としての発熱体(電気熱変換体)
とが一般的に設けられている。
【0005】上記のような記録方法によれば、品位の高
い画像を高速、低騒音で記録することができるととも
に、この記録方法を行うヘッドではインクを吐出するた
めの吐出口を高密度に配置することができるため、小型
の装置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容
易に得ることができる等の多くの優れた点を有してい
る。このため、このバブルジェット記録方法は近年、プ
リンター、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機
器に利用されており、さらに、捺染装置等の産業用シス
テムにまで利用されるようになってきている。
【0006】そこで、本発明者達のうちの一部は、液体
吐出の原理に立ち返り、従来では得られなかった気泡を
利用した新規な液体吐出方法及びそれに用いられるヘッ
ド等を提供すべく鋭意研究を行い、特開平9−2019
66号公報等を出願している。特開平9−201966
号公報に開示された発明は、液路中の可動部材の支点と
自由端との位置関係を、吐出口側つまり下流側に自由端
が位置する関係にすること、また可動部材を発熱体もし
くは、気泡発生領域に面して配置することで積極的に気
泡を制御する技術である。
【0007】上述したような、極めて新規な吐出原理に
基づく液体吐出ヘッド等によると、発生する気泡とこれ
によって変位する可動部材との相乗効果を得ることがで
き、吐出口近傍の液体を効率良く吐出できるため、従来
のバブルジェット方式の吐出方法、ヘッド等に比べて、
吐出効率を向上させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上述した液体
吐出ヘッドに用いられる可動部材の材料としては、様々
な物が考えられるが、気泡の発生による圧力を液体の吐
出に効率的に利用するために、弾性に優れたニッケルが
一般的に使われている。
【0009】ここで、可動部材の効果を十分に引き出す
ためには、可動部と発熱体との間に1〜20μm程度の
ギャップ(間隔)を設ける必要があり、そのため図1の
ように可動部材の固定部分にギャップと同程度の厚さの
台座を設ける必要がある。しかしながら、この構成で
は、特に発熱抵抗体を高密度に配列するような場合に
は、可動部材を発熱抵抗体に対し所定の位置に位置決す
るように台座部に高精度に固定することは困難である。
よって、発熱抵抗体を高密度に配列するような場合にも
高精度に位置決めできるような構成が求められている。
【0010】また、上記構成のうち、台座と可動部材と
をニッケル等のメッキ可能な材料でメッキ(電鋳)によ
って形成する場合には半導体技術であるフォトリソグラ
フィ法を用いて高精度に可動部材の発熱抵抗体に対して
の位置決めを行うことができるが、この場合、工程が複
雑であり、また、例えば高アルカリインクを用いるよう
な場合にはメッキ材料のインクに対する耐食性の点で必
ずしも十分でないことがあった。
【0011】本発明は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みてなされたものであって、機械的および
化学的な耐久性に優れ、かつ、製造コストの小さい液体
吐出ヘッド用基板を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は以下の発明および実施態様を包含する。
【0013】 液体を吐出する吐出口と、該吐出口に
連通し、該吐出口に液体を供給する液流路と、液体に気
泡を発生させるための発熱体を具備する基板と、前記発
熱体に面するように前記吐出口側を自由端として前記液
流路内に設けられ、且つ該自由端が前記発熱体の面積中
心より下流に位置した可動部材とを備えた液体吐出ヘッ
ドにおいて、前記可動部材は窒化硅素、ダイアモンド、
水素化アモルファスカーボン、炭化硅素のいずれかで形
成されており、前記基板上に作り込まれていることを特
徴とする液体吐出ヘッド。
【0014】 該可動部材が不純物を添加した窒化硅
素で形成されていることを特徴とする記載の液体吐出
ヘッド。
【0015】 該可動部材が組成を変化させた、ある
いは不純物を添加した、窒化硅素多層膜で形成されてい
ることを特徴とするの液体吐出ヘッド。
【0016】 液体に気泡を発生させるための発熱体
と、該発熱体に面するように所定の間隔をもって配され
る片持ち梁状の可動部材と、を備えた液体吐出ヘッド用
基板において、前記可動部材は窒化硅素、ダイアモン
ド、水素化アモルファスカーボン、炭化硅素のいずれか
で形成されており、前記基板上に作り込まれていること
を特徴とする液体吐出ヘッド用基板。
【0017】 該可動部材が不純物を添加した窒化硅
素で形成されていることを特徴とする記載の液体吐出
ヘッド用基板。
【0018】 該可動部材が組成を変化させた、ある
いは不純物を添加した、窒化硅素多層膜で形成されてい
ることを特徴とする記載の液体吐出ヘッド用基板。
【0019】(作用)上記のように構成された本発明に
おいては、簡単に基板上に可動部材を形成することがで
きる。そしてこの構成材料は耐薬品性及び耐インク性が
あり、高信頼性のヘッド並びにそれを備えた基板が製造
できる。
【0020】なお、本発明の説明で用いる「上流」「下
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(又は可動部
材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関して、
又はこの構成上の方向に関しての表現として表されてい
る。気泡自体に関する「下流側」とは、主として液滴の
吐出に直接作用するとされる気泡の吐出口側部分を代表
する。より具体的には気泡の中心に対して、上記流れ方
向や上記構成上の方向に関する下流側、又は、発熱体の
面積中心より下流側の領域で発生する気泡を意味する。
【0021】本発明でいう「分離壁」とは、広義では気
泡発生領域と吐出口に直接連通する領域とを区分するよ
うに介在する壁(可動部材を含んでもよい)を意味し、
狭義では気泡発生領域を含む流路を吐出口に直接連通す
る液流路とを区分し、それぞれの領域にある液体の混合
を防止するものを意味する。
【0022】さらに、本発明でいう「櫛歯」とは、可動
部材の支点部が共通部材になっており、自由端の前方が
開放されている形状を意味する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施例を説明す
る前に、まず、本発明における液体を吐出する際に、気
泡に基づく圧力の伝搬方向や気泡の成長方向を制御して
吐出力や吐出効率を向上する最も基本となる構成につい
て説明する。
【0024】図1は、本発明の液体吐出ヘッドにおける
吐出原理を説明するための図であり、液流路方向の断面
図である。また、図2は、図1に示した液体吐出ヘッド
の部分破断斜視図である。
【0025】図1に示す例では、液体吐出ヘッドは、液
体を吐出するための吐出エネルギー発生素子として、液
体に熱エネルギーを作用させる発熱体2(本例において
は40μm×105μmの形状の発熱抵抗体)が素子基
板1に設けられており、この素子基板上に発熱体2に対
応して液流路10が配されている。液流路10は吐出口
18に連通していると共に、複数の液流路10に液体を
供給するための共通液室13に連通しており、吐出口1
8から吐出された液体に見合う量の液体をこの共通液室
13から受け取る。
【0026】この液流路10の素子基板上には、前述の
発熱体2に対向するように面して、弾性を有する材料で
構成され、平面部を有する板状の可動部材31が片持梁
状に設けられている。この可動部材の一端は液流路10
の壁や素子基板1上に固定されている。これによって、
可動部材は保持されると共に支点(支点部分)33を構
成している。
【0027】また、可動部材がフォトリソグラフィ法に
よるパターニング法によって精度良く位置が決められる
ので、発熱抵抗体との高精度な位置合わせが可能にな
る。
【0028】この可動部材31は、液体の吐出動作によ
って共通液室13から可動部材31を経て吐出口18側
へ流れる大きな流れの上流側に支点(支点部分:固定
端)33を持ち、この支点33に対して下流側に自由端
(自由端部分)32を持つように、発熱体2に面した位
置に発熱体2を覆うような状態で発熱体から15μm程
度の距離を隔てて配されている。この発熱体2と可動部
材31との間が気泡発生領域11となる。
【0029】発熱体2を発熱させることで可動部材31
と発熱体2との間の気泡発生領域11の液体に熱を作用
し、液体にUSP4,723,129に記載されている
ような膜沸騰現象に基づく気泡を発生させる。気泡の発
生に基づく圧力と気泡は可動部材に優先的に作用し、可
動部材31は図1(b)、(c)もしくは図2で示され
るように支点33を中心に吐出口18側に大きく開くよ
うに変位する。可動部材31の変位若しくは変位した状
態によって気泡の発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身の
成長が吐出口18側に導かれる。またこのとき、自由端
32の先端部が幅を有しているため、気泡の発泡パワー
を吐出口18側へ導きやすくなり、吐出効率や吐出力ま
たは吐出速度等の根本的な向上を図ることができる。
【0030】図3は、本発明の液体吐出ヘッドの基本的
な構造を説明するための、液流路方向に沿った断面図で
ある。
【0031】図3に示すように、この液体吐出ヘッド
は、液体に気泡を発生させるための熱エネルギーを与え
る複数個(図4では1つのみ示す)の発熱体2が並列で
設けられた素子基板1と、この素子基板1上に接合され
た天板3と、素子基板1および天板3aの前端面に接合
されたオリフィスプレート4とを有する。
【0032】素子基板1は、シリコン等の基板上に絶縁
および畜熱を目的としたシリコン酸化膜または窒化シリ
コン膜を成膜し、その上に、発熱体2を構成する電気抵
抗層および配線をパターニングしたものである。この配
線から電気抵抗層に電圧を印加し、電気抵抗層に電流を
流すことで発熱体2が発熱する。
【0033】天板3aは、各発熱体2に対応した複数の
液流路7および各液流路7に液体を供給するための共通
液室8を構成するためのもので、天井部分から各発熱体
2の間に延びる液路側壁9が一体的に設けられている。
天板3はシリコン系の材料で構成され、液流路7および
共通液室9のパターンをエッチングで形成したり、シリ
コン基板上にCVD等の公知の成膜方法により窒化シリ
コン、酸化シリコンなど、流路側壁となる材料を堆積し
た後、液流路7の部分をエッチングして形成することが
できる。
【0034】オリフィスプレート4には、各液流路7に
対応しそれぞれ液流路7を介して共通液室8に連通する
複数の吐出口5が形成されている。オリフィスプレート
4もシリコン系の材料からなるものであり、例えば、吐
出口5を形成したシリコン基板を10〜150μm程度
の厚さに削ることにより形成される。なお、オリフィス
プレート4は本発明では必ずしも必要な構成ではなく、
オリフィスプレート4も設ける代わりに、天板3aに液
流路7を形成する際に天板3aの先端面にオリフィスプ
レート4の厚さ相当の壁を残し、個の部分に吐出口5を
形成することで、吐出口付きの天板とすることもでき
る。
【0035】さらに、この液体吐出ヘッドには、液流路
7を吐出口5に連通した第1の液流路7aと、発熱体2
を有する第2の液流路7bとに分けるように、発熱体2
に対面して配置された片持梁状の可動部材6が設けられ
ている。可動部材6は、窒化シリコンや酸化シリコンな
どのシリコン系の材料で形成された薄膜である。
【0036】この可動部材6は、液体の吐出動作によっ
て共通液室8から可動部材6を経て吐出口5側へ流れる
大きな流れの上流側に支点6aを持ち、この支点6aに
対して下流側に自由端6bを持つように、発熱体2に面
した位置に発熱体2を覆うような状態で発熱体2から所
定の距離を隔てて配されている。この発熱体2と可動部
材6との間が気泡発生領域10aとなる。
【0037】上記構成に基づき、発熱体2を発熱させる
と、可動部材6と発熱体2との間の気泡発生領域10a
の液体に熱が作用し、これにより発熱体2上に膜沸騰現
象に基づく気泡が発生し、成長する。この気泡の成長に
伴う圧力は可動部材6に優先的に作用し、可動部材6は
図3に破線で示されるように、支点6aを中心に吐出口
5側に大きく開くように変位する。可動部材6の変位も
しくは変位した状態によって、気泡の発生に基づく圧力
の伝搬や気泡自身の成長が吐出口5側に導かれ、吐出口
5から液体が吐出する。
【0038】つまり、気泡発生領域10a上に、液流路
7内の液体の流れの上流側(共通液室8側)に支点6a
を持ち下流側(吐出口5側)に自由端6bを持つ可動部
材6を設けることによって、気泡の圧力伝搬方向が下流
側に導かれ、気泡の圧力が直接的に効率よく吐出に寄与
することになる。そして、気泡の成長方向自体も圧力伝
搬方向と同様に下流方向に導かれ、上流より下流で大き
く成長する。このように、気泡の成長方向自体を可動部
材によって制御し、気泡の伝搬方向を制御することで、
吐出効率や吐出力または吐出速度等の根本的な吐出特性
を向上させるこよができる。
【0039】一方、気泡が消泡工程に入ると、可動部材
6の弾性力との相乗効果で気泡は急速に消泡し、可動部
材6も最終的には図3に実線で示した初期位置に復帰す
る。このとき、気泡発生領域10aでの気泡の収縮体積
を補うため、また、吐出された液体の体積分を補うため
に、上流側すなわち共通液室側から液体が流れ込み、液
流路7への液体の充填(リファル)が行われるが、この
液体のリファイルは、可動部材6の復帰作用に伴って効
率よく合理的かつ安定して行われる。以下に、本発明の
液体吐出ヘッドの特徴である可動部材を構成する材料及
び製造方法について詳しく説明する。
【0040】実施例1 まず基板201上にCVD法によって、温度350℃の
条件でBPSGを形成する(図5(a))。このBPS
Gの膜厚は最終的に可動部材の可動部と発熱体とのギャ
ップに相当し、1〜20μmの間で流路全体のバランス
上もっとも可動部材の効果が顕著となる値に制御する。
次にBPSGをパターニングするためのレジスト203
をスピンコートなどにより塗布し(図5(b))、露
光、現像する(図5(c))。これにより、可動部材の
固定部に相当する部分のレジストを除去する。
【0041】これをバッファードフッ酸によるウェット
エッチングによってレジストのない部分のBPSGを除
去する。次に酸素プラズマによるプラズマアッシング、
あるいはレジスト除去剤に浸して、残ったレジストを除
去する(図5(e))。この上にプラズマCVD法によ
って、アンモニアとシランガスを原料として温度400
℃の条件で1〜10μmの厚さにSiN(SiN膜の組
成は、Si3 N4 が最も良いとされるが、可動部材の効
果としてはSi:1に対しNが1〜1.5の範囲でも良
い。)膜を形成する。このSiN膜は半導体プロセスに
一般的に使用され、耐アルカリ性、化学的安定性があ
り、耐インク性もある。
【0042】すなわち、この膜が最終的に可動部材とな
るため、最適の物性値を得る構造および組成を達成する
製造方法は限定されない。例えばSiNの形成方法は、
先にあげたプラズマCVD法にかかわらず、常圧CV
D、LP(低圧)CVD、バイアスECRCVD、マイ
クロ波CVD、あるいはスパッタ法、塗布方法でも製造
は可能である。またSiN膜においてもその応力、剛
性、ヤング率等の物理的特性、耐アルカリ性、耐酸性等
の化学的特性を、その用途に応じて向上させるために、
段階的に組成比を変えて多層膜化する。あるいは段階的
に不純物を添加して多層膜化する。あるいは、単層で不
純物を添加しても良い。次にSiN膜をパターニングす
るためのレジストをスピンコートなどにより塗布し、パ
ターニングする。そして、CF4 ガス等を使用したドラ
イエッチング、あるいはリアクティブイオンエッチング
法等によって可動部材の形状にエッチングを行なう。
【0043】最後にバッファードフッ酸によるウェット
エッチングを行って可動部の下部に残っているBPSG
を全て取り除くと図5(h)に示すように可動部材を形
成することが出来る。また、万一、BPSGが可動部下
の最奥部に一部、エッチング残りをおこしたとしても、
BPSGはインクのようなアルカリ性のものにエッチン
グされやすく、最終的にインクを供給した時に溶け出す
ために、信頼性上の問題を起こしにくい。またここでは
可動部材のギャップとして、上記のようにBPSGにこ
だわらず、バッファードフッ酸によるSiNとの選択比
が取れるものであれば良く、BPSG以外には、低温、
例えば400℃未満で低いものほどエッチングされやす
いSiO膜でも良く、Pのみを添加したPSGでも良
い。また、上記以外でも、工程上の簡便さの観点から、
有機性の材料を使用しても良い。
【0044】なお、上記において、可動部材の厚さを1
〜10μmの範囲で規定したが、例えば公知としてあげ
られている可動部材のNiに対し、SiNはそのヤング
率が約2倍程度高いため、その相対的厚さを1/2とし
ても同等の効果が得られる。
【0045】なお、上記記述においては可動部材につい
てのみであるが、この可動部材を支持する部分も同時に
作り込むことも可能である。あるいは支持部分だけ密着
性、あるいは製造方法を簡単にするための別材料で形成
しても本件の効果に何ら影響をおよぼすものではない。
【0046】実施例2 可動部材をダイヤモンド膜、あるいは水素化アモルファ
スカーボン膜で形成することも可能である。実施例1に
おいてSiN膜の代りにメタンガス、窒素、酸素を原料
として、マイクロ波(2.45GHz)を使いプラズマ
を励起させ、基板温度450℃で成膜させればダイヤモ
ンド膜を形成することが出来る。あるいはダイヤモンド
よりさらに容易に製造可能な水素化アモルファスカーボ
ン膜(ダイヤモンドライクカーボン)は13.56MH
zのRFバイアスによってプラズマを励起させたプラズ
マCVD法によって形成することが出来る。
【0047】このようにして形成したダイヤモンド膜は
きわめて物理的特性(例えばヤング率はSiNの約3倍
であり、相対的に1/3の厚さでも同様の効果が得られ
る。)にすぐれ、化学的安定性が高く、放熱特性もすぐ
れている事から、SiN膜より可動部材として適してい
る。また水素化アモルファスカーボン膜はダイヤモンド
膜よりその物理的特性は劣るが、SiN膜より勝るの
で、性能と、製造の困難さ、すなわち製造コストのバラ
ンスの観点から、ダイヤモンド膜およびSiN膜と同様
に、使用することが出来る。
【0048】実施例3 可動部材をさらにSiCにしても同様の効果が得られ
る。SiC膜の組成はSi:C=1:1が最も良いとさ
れるが、可動部材としてはSi:1に対し、Cは0.5
〜1.5の範囲でも同様の効果が得られる。
【0049】以下に、液体に熱を与えるための発熱体2
が設けられた素子基板1の構成について説明する。
【0050】図6は、本発明の液体吐出ヘッドが適用さ
れた液体吐出装置の一構成例を示す縦断面図であり、
(a)は後述する保護膜がある装置を示す図、(b)は
保護膜がない装置を示す図である。
【0051】図6においては、図1に示した液流路10
を第1の液流路14とし、また、液体供給路12を第2
の液流路16としており、各々に供給される液体を同じ
液体としても良いが、異なる液体を使用すれば、第1の
液流路14に供給される液体つまり吐出液の選択の範囲
を広げることができる。
【0052】図6に示すように、素子基板1上に、第2
の液流路16と、分離壁30と、可動部材31と、第1
の液流路14と、第1の液流路14を構成する溝が設け
られている溝付部材50とが設けられている。
【0053】素子基板1には、シリコン等の基体107
上に、絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜また
はチッ化シリコン膜106が成膜されており、その上に
0.01〜0.2μm厚の発熱体を構成するハフニュウ
ムボライド(HfB2 )、チッ化タンタル(TaN)、
タンタルアルミ(TaAl)等の電気抵抗層105と、
0.2〜1.0μm厚のアルミニウム等の配線電極10
4とがパターニングされている。この2つの配線電極1
04から電気抵抗層105に電圧を印加し、電気抵抗層
105に電流を流して発熱させる。配線電極104間の
電気抵抗層105上には、酸化シリコンやチッ化シリコ
ン等の保護層103が0.1〜0.2μm厚で形成さ
れ、さらにその上に、0.1〜0.6μm厚のタンタル
等の耐キャビテーション層102が成膜されており、イ
ンク等各種の液体から電気抵抗層105を保護してい
る。
【0054】特に、気泡の発生、消泡の際に発生する圧
力や衝撃波は非常に強く、堅くてもろい酸化膜の耐久性
を著しく低下させるため、金属材料のタンタル(Ta)
等が耐キャビテーション層102として用いられる。
【0055】また、液体、液流路構成、抵抗材料の組み
合わせにより上述の保護層を必要としない構成でもよ
く、その例を図6(b)に示す。
【0056】このような保護層を必要としない抵抗層の
材料としては、イリジュウム=タンタル=アルミ合金等
が挙げられる。特に、本発明において、発泡のための第
2の液流路の液体を第1の液流路の吐出液と分離して発
泡に適したものにできるため、このように保護層がない
場合に有利である。
【0057】このように、上述した実施の形態における
発熱体2の構成としては、配線電極104間に電気抵抗
層105(発熱部)だけででもよく、また電気抵抗層1
05を保護する保護層を含むものでもよい。
【0058】本形態においては、発熱体2として、電気
信号に応じて発熱する抵抗層で構成された発熱部を有す
るものを用いたが、本発明は、これに限られることな
く、吐出液を吐出させるのに十分な気泡を第2の液流路
の発泡液に生じさせるものであればよい。例えば、発熱
部としてレーザ等の光を受けるとこで発熱するような光
熱変換体や高周波を受けることで発熱するような発熱部
を有する発熱体でもよい。
【0059】なお、前述の素子基板1には、発熱部を構
成する電気抵抗層105とこの電気抵抗層105に電気
信号を供給するための配線電極104とで構成される電
気熱変換体の他に、この電気熱変換素子を選択的に駆動
するためのトランジスタ、ダイオード、ラッチ、シフト
レジスタ等の機能素子が一体的に半導体製造工程によっ
て作り込まれていてもよい。
【0060】また、上述したような素子基板1に設けら
れている電気熱変換体の発熱部を駆動し、液体を吐出す
るためには、電気抵抗層105に配線電極104を介し
て矩形パルスを印加し、配線電極104間の電気抵抗層
105を急峻に発熱させればよい。
【0061】図7は、図6に示した電気抵抗層105に
印加する電圧波形を示す図である。
【0062】上述した実施の形態における液体吐出装置
においては、それぞれ電圧24V、パルス幅7μse
c、電流150mA、電気信号を6kHzで加えること
で発熱体を駆動させ、前述のような動作によって、吐出
口から液体であるインクを吐出させた。しかしながら、
本発明における駆動信号の条件はこれに限られることな
く、発泡液を適正に発泡させることができる駆動信号で
あればよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
耐インク性のある材料で形成された可動部材が基板上作
り込まれているために、気泡発生領域に対面し、気泡発
生領域で発生する気泡を誘導して液体の吐出に効率的に
利用可能かつ、簡単に製造が出来信頼性の高い液体吐出
ヘッド及び液体吐出ヘッド用基板を提供することができ
る。すなわち、可動部材の製造コストと信頼性との両立
を実現可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体吐出ヘッドにおける吐出原理を説
明するための図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドの部分破断斜視図
である。
【図3】本発明の液体吐出ヘッドの機能を説明するため
の断面図である。
【図4】図4に示した工程によって作製された可動部材
の形状を示す断面図である。
【図5】本発明の液体吐出ヘッドに用いられる可動部材
の製造方法の実施の一形態を示す図である。
【図6】本発明の液体吐出ヘッドが適用された液体吐出
装置の一構成例を示す縦断面図であり、(a)は後述す
る保護膜がある装置を示す図、(b)は保護膜がない装
置を示す図である。
【図7】図6に示した電気抵抗層に印加する電圧波形を
示す図である。
【符号の説明】
1 素子基板 2 発熱体 3 面積中心 3a 天板 4 オリフィスプレート 5 吐出口 6 可動部材 6a 支点 6b 自由端 7 液流路 7a 第1の液流路 7b 第2の液流路 8 共通液室 9 液路側壁 10a 気泡発生領域 10 液流路 11 気泡発生領域 12 液体供給路 13 共通液室 14 第1の液流路 16 第2の液流路 18 吐出口 20 第1液体供給路 21 第2液体供給路 30 分離壁 31 可動部材 32 自由端 33 支点 34 台座 40 気泡 45 液滴 50 溝付部材 70 支持体 102 耐キャビテーション層 103 保護層 104 配線電極 105 抵抗層 106 シリコン層 107 基体 201 基板 202 BPSG 203 レジスト 204 台座 205 可動部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今仲 良行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 久保田 雅彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 石永 博之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小川 正彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 池田 雅実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連
    通し、該吐出口に液体を供給する液流路と、液体に気泡
    を発生させるための発熱体を具備する基板と、前記発熱
    体に面するように前記吐出口側を自由端として前記液流
    路内に設けられ、且つ該自由端が前記発熱体の面積中心
    より下流に位置した可動部材とを備えた液体吐出ヘッド
    において、 前記可動部材は窒化硅素、ダイアモンド、水素化アモル
    ファスカーボン、炭化硅素のいずれかで形成されてお
    り、前記基板上に作り込まれていることを特徴とする液
    体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 該可動部材が不純物を添加した窒化硅素
    で形成されていることを特徴とする請求項1記載の液体
    吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 該可動部材が組成を変化させた、あるい
    は不純物を添加した、窒化硅素多層膜で形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 液体に気泡を発生させるための発熱体
    と、該発熱体に面するように所定の間隔をもって配され
    る片持ち梁状の可動部材と、を備えた液体吐出ヘッド用
    基板において、 前記可動部材は窒化硅素、ダイアモンド、水素化アモル
    ファスカーボン、炭化硅素のいずれかで形成されてお
    り、前記基板上に作り込まれていることを特徴とする液
    体吐出ヘッド用基板。
  5. 【請求項5】 該可動部材が不純物を添加した窒化硅素
    で形成されていることを特徴とする請求項4記載の液体
    吐出ヘッド用基板。
  6. 【請求項6】 該可動部材が組成を変化させた、あるい
    は不純物を添加した、窒化硅素多層膜で形成されている
    ことを特徴とする請求項4記載の液体吐出ヘッド用基
    板。
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DE69819976T DE69819976T2 (de) 1997-08-05 1998-08-04 Flüssigkeitsausstosskopf, Substrat und Herstelllungsverfahren
US09/128,538 US6374482B1 (en) 1997-08-05 1998-08-04 Method of manufacturing a liquid discharge head
US10/071,799 US6834943B2 (en) 1997-08-05 2002-02-11 Liquid discharge head, a substrate for use of such head and a method of manufacture therefor

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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