JPH11172275A - 電気粘性流体、その製造方法及び保管方法 - Google Patents

電気粘性流体、その製造方法及び保管方法

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JPH11172275A
JPH11172275A JP9345517A JP34551797A JPH11172275A JP H11172275 A JPH11172275 A JP H11172275A JP 9345517 A JP9345517 A JP 9345517A JP 34551797 A JP34551797 A JP 34551797A JP H11172275 A JPH11172275 A JP H11172275A
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JP
Japan
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electrorheological fluid
dielectric breakdown
gas
powder
withstand voltage
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Application number
JP9345517A
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English (en)
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Shigeki Endo
茂樹 遠藤
Takayuki Maruyama
隆之 丸山
Hiroaki Wada
宏明 和田
Tasuku Saito
翼 斎藤
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M171/00Lubricating compositions characterised by purely physical criteria, e.g. containing as base-material, thickener or additive, ingredients which are characterised exclusively by their numerically specified physical properties, i.e. containing ingredients which are physically well-defined but for which the chemical nature is either unspecified or only very vaguely indicated
    • C10M171/001Electrorheological fluids; smart fluids

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  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油状媒体と粉体微粒子を混合した電気粘性
流体において、高電圧を印加した場合にも、放電の発生
等の絶縁破壊が起こりにくい、信頼性の高い電気粘性流
体及びその製造方法、保管方法を提供する。 【構成】 粉体微粒子を電気絶縁性を有する油状媒体に
分散させた電気粘性流体であって、4kV/mm以上の
絶縁破壊強度を有することを特徴とする。これは、電気
粘性流体を10Paの減圧下に置いた場合、発泡を生じ
ないこと、又は、油状媒体中に含まれる気体のうち20
容量%以上を、絶縁破壊強度が4kV/mm以上の、例
えば、SF6 、CCI2 2 、C3 8 、C2 6 、C
5 8 、CF3 CN、C2 5 CN、CI2 、SO
2 、C2 CIF5 、CIO3 Fから選択される一種以
上の気体とすることにより達成しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気粘性流体、詳
しくは、高い絶縁破壊強度を有する電気粘性流体及びそ
の製造方法、保管方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気粘性流体は、電気制御によりその粘
弾性特性を大きく、しかも、可逆的に変化させることが
できる流体で、電場の印加により流体の見掛けの粘度が
大きく変わる現象がウインズロー効果として古くから知
られており、クラッチ、バルブ、エンジンマウント、ア
クチュエーター、ロボットアーム等の装置や部品を電気
的に制御するための構成要素としての応用が検討されて
きた。
【0003】このため、電気粘性効果が高く、再現性に
優れた流体を得ることを目的として、分散質として用い
る粉体や液状媒体に多くの提案がなされている。従来、
流動下で電気粘性流体(以下、適宜、ERFと称する)
に2.5〜3.5kV/mm 以上の高電圧を印加した場合
に、しばしば放電が発生することが見いだされ、実用上
の大きな問題となっていた。
【0004】ところで、このERFを構成するジメチル
シリコーンやフロロシリコーン等の油状媒体及び、炭素
質微粒子等の非水系微粒子は、それぞれ独自には6kV/m
m 以上の絶縁破壊強度を有することが判明した。従っ
て、油状媒体と導電性粉末のいずれも絶縁破壊強度の高
い材料を用いても、得られたERFの絶縁破壊強度は所
望のレベルに達しないことが見いだされた。
【0005】このような、電気粘性流体をダンパーやク
ラッチなどに応用した場合、放電により、実用的な振動
制御効果等が得られず、信頼性の低下が問題となってい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、油状
媒体と粉体微粒子を混合したERFにおいて、高電圧を
印加した場合にも、放電の発生等の絶縁破壊が起こりに
くい、信頼性の高い電気粘性流体を提供することにあ
る。また、本発明の第2の目的はこのような電気粘性流
体を簡易な方法で得られる製造方法、及び輸送や保存時
の性能の低下を防止しうる保管方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、油状媒体と粉体微粒子を混合したERFにお
いて、空気もしくは空気を構成する気体(窒素、酸素、
アルゴン、他)が混入した状態では、流動下で3.5kv
/mm 以上の高電圧を印加した場合に放電が発生すること
を見い出し、これを防止することにより、上記目的が達
成されることを見いだして、本発明を完成した。
【0008】本発明の電気粘性流体は、導電性粉体を電
気絶縁性を有する油状媒体に分散させた電気粘性流体で
あって、4kV/mm以上の絶縁破壊強度を有すること
を特徴とする。好ましい態様としては、前記電気粘性流
体を10Paの減圧下に置いた場合、発泡を生じないこ
と、或いは、前記油状媒体中に含まれる気体のうち20
容量%以上が、絶縁破壊強度が4kV/mm以上の気体
であることである。
【0009】また、本発明の電気粘性流体の製造方法
は、10kPa(約0.1気圧)以下、好ましくは10
00Pa以下の減圧下で、粉体と油状媒体を攪拌混合す
る工程を有すること、又は、粉体と油状媒体を攪拌混合
して得た混合物を、10kPa以下、好ましくは100
0Pa以下の減圧下に配置して、脱気する工程を有し、
この脱気工程は、40℃〜80℃に加熱しながら、及び
/又は回転する攪拌翼、超音波の照射などにより、攪拌
しながら行うことが好ましい。
【0010】本発明の電気粘性流体の保管方法は、粉体
微粒子を電気絶縁性を有する油状媒体に分散させた電気
粘性流体を保管する容器内に、電子吸引能力が大きく、
絶縁破壊強度が高い気体を充墳して密閉することを特徴
とするものであり、この電子吸引能力が大きく、絶縁破
壊強度が高い気体としては、分子内にハロゲン原子やC
N基、SO基を有する、SF6 、CCI2 2 、C3
8 、C2 6 、C5 8 、CF3 CN、C2 5 CN、
CI2 、SOF2 、C2 CIF5 、CIO3 Fから選択
される一種以上であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体例を挙げて詳
細に説明する。
【0012】本発明の電気粘性流体に用いる好ましい粉
体微粒子としては、有機半導体微粒子、炭素質微粒子、
ポリウレタン微粒子、表面絶縁膜被覆微粒子、有機無機
複合微粒子、セラミック微粒子、含水系微粒子等の電気
粘性流体用粉体として公知のものはいずれの粉体でも使
用することができる。
【0013】本発明に使用しうる粉体微粒子の好適な一
例として、炭素質粉体が挙げられるが、この炭素質微粒
子としては、炭素含有量80〜97重量%のものが好ま
しく、特に好ましくは85〜95重量%である。また、
炭素質粉体のC/H比(炭素/水素原子比)は、1.2
〜5のものが好ましく、特に好ましくは2〜4である。
【0014】一般に電気粘性流体の分散相の電気抵抗は
半導体領域にあることは古くから知られているが〔W.
M.Winslow:J.Appl.Physics
第20巻、第1137頁(1949年)〕、炭素含有量
が80重量%未満で、且つ、C/H比が1.2未満の炭
素質粉体は絶縁体であり、電気粘性効果を示す液体は殆
ど得られない。一方、炭素含有量が97重量%を超え、
且つ、C/H比が5を超えるものは導電体に近く、電圧
を印加しても過大電流を示し、電気粘性効果を示す流体
は得られない。
【0015】この炭素質粉体の製造方法としては、ピッ
チ等を熱処理して生成したメソフェーズを分別し、熱処
理、微粉砕する方法、熱硬化性樹脂を熱処理により炭化
する方法、微小球体に成形した芳香族スルホン酸類、又
はその塩の縮合物を、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰
囲気下で、熱処理により炭化する方法等が挙げられる。
【0016】粉体微粒子の平均粒子径は、実施例に記載
される如き、粒径測定装置(例えば、MICROTRA
C SPA/MK−II型 日機装株式会社製等)を用い
て測定することができる。炭化処理後に得られた電気粘
性流体用粉体の平均粒子径は、約0.1〜20μmが好
ましく、0.5〜15μmであることが、更に好まし
い。0.1μm未満であると、得られる電気粘性流体の
初期粘度が高くなり、20μmを超えると粉体の分散安
定性が悪化し、いずれも好ましくない。
【0017】本発明の電気粘性流体は、こうして得られ
た前記電気粘性流体用粉体を、電気絶縁性を有する油状
媒体中に分散させて得るものである。電気粘性流体中
に、分散質である前記電気粘性流体用粉体は1〜60重
量%、好ましくは20〜50重量%含有され、分散媒で
ある油状媒体は99〜40重量%、好ましくは80〜5
0重量%含有される。分散質の量が1重量%未満である
と電気粘性効果が小さく、60重量%を超えると電圧を
印加しないときの初期粘度が高くなり好ましくない。
【0018】分散媒である電気絶縁性を有する油状媒体
としては、80℃における体積抵抗率が1011Ω・cm
以上のものが好ましく、特に1013Ω・cm以上のもの
が好ましい。例えば、炭化水素油、エステル系油、芳香
族系油、シリコーン油等が挙げられ、具体的には、ネオ
カプリン酸等の脂肪族モノカルボン酸、安息香酸等の芳
香族モノカルボン酸、アジピン酸、グルタル酸、セバシ
ン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の芳香族ジ
カルボン酸、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルポリシロ
キサン等及びこれらの混合物や共重合体等が挙げられ
る。これらは単独で用いても、二種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0019】電気絶縁性を有する油状媒体は、その粘度
が25℃において0.65〜500センチストークス、
好ましくは2〜200センチストークス、更に好ましく
は5〜50センチストークスのものが用いられる。好適
な粘度の分散媒を用いることにより、分散質である粉体
を効率よく安定に分散させることができる。油状媒体の
粘度が500センチストークスを超えると電気粘性流体
の初期粘度が高くなり、電気粘性効果による粘度変化が
小さくなる。また、0.65センチストークス未満であ
ると、揮発しやすくなり、分散媒の安定性が悪化する。
【0020】本発明の電気粘性流体は、4kV/mm以
上の絶縁破壊強度を有することを要するが、これを達成
するためには、先に述べた空気もしくは空気を構成する
気体(窒素、酸素、アルゴン、他)の流体中への混入を
防止することが重要である。この特性の確認方法として
は、まず、前記電気粘性流体を10Paの減圧下に置い
た場合、発泡を生じないことが好ましい。これにより、
流動状態の電気粘性流体中に、気体成分がほとんど含ま
れないことを示し、この状態で気泡を生じない量であれ
ば、気体の混入は絶縁破壊強度の低下に関与しないと考
えられる。
【0021】一方、気体の混入で問題になるのは、気泡
状態で存在する際に、高電圧を印加すると放電を引き起
こすような物性の気体のみであり、このような特性を有
しない気体が混入していても問題はない。これを具体的
に述べれば、本発明の電気粘性流体において、油状媒体
中に含まれる気体のうち20容量%以上が、比較的分子
量が大きく、絶縁破壊強度の高い気体、言い換えれば、
電子吸引能力が大きく、絶縁破壊強度が4kV/mm以
上の気体であればERFの絶縁破壊強度の低下は生じな
い。なお、気体の絶縁破壊強度は常法により測定するこ
とができる。
【0022】これらの耐電圧を低下させない気体、即
ち、絶縁破壊強度が4kV/mm以上の気体を具体的に
述べれば、分子内にハロゲン原子やCN基、SO基を有
する、SF6 (電気陰性度、以下、括弧内に記載:6.
6kV/mm)、CCI2 2(6.4kV/mm)、
3 8 (5.8kV/mm)、C2 6 (4.8kV
/mm)、C5 8 (14.5kV/mm)、CF3
N(9.2kV/mm)、C2 5 CN(11.9kV
/mm)、CI2 (4.1kV/mm)、SOF
2 (6.6kV/mm)、C2 CIF5 (6.0kV/
mm)、CIO3 F(7.2kV/mm)等が挙げられ
る。
【0023】次に、本発明の電気粘性流体の製造方法に
ついて説明する。電気粘性流体の製造方法としては、粉
体と油状媒体を減圧下で混合してERFを製造するか、
常圧下で混合したERFから空気もしくは空気を構成す
る気体を減圧下で効率的に脱気する後処理を行うことが
挙げられ、いずれの方法によっても、ERFの耐電圧は
菩しく改善される。
【0024】即ち、前者の方法においては、粉体と油状
媒体を減圧下で攪拌混合する工程を有するものであり、
減圧下とは、10kPa(約0.1気圧)以下、好まし
くは、1000Pa以下、さらに好ましくは100Pa
以下である。
【0025】一方、常圧で製造した電気粘性流体を減
圧、脱気する場合、粉体と油状媒体を攪拌混合して得た
混合物を、減圧下に配置して所定時間脱気を行うもので
あるが、その際、40℃〜80℃に加熱しながら、及び
/又は攪拌しながら行うことが好ましい。この減圧条件
は、製造時の減圧条件と同様である。
【0026】また、加熱条件は好ましくは、40℃〜8
0℃の範囲であり、40℃未満では流体の粘度が高く、
脱気が十分に行えず、80℃を超えると電気粘性流体の
安定性に問題を生じる虞がある。
【0027】脱気工程中の攪拌は常法により行うことが
でき、例えば、回転する攪拌翼によって行われてもよ
く、超音波の照射により行われてもよい。回転攪拌の場
合、翼の回転速度は10〜200rpm程度が好まし
く、超音波の照射の場合、30W以上の出力であること
が好ましい。
【0028】一方、高い絶縁破壊強度を有する上記の
(減圧下混合したか又は脱気処理した)ERFを使用/
保管する際に、例えば、輸送中のコンテナ内で振動を受
けると、気体が再混入して、耐電圧が低下する虞があ
る。そこで、空気や空気を構成する気体ではなく電子吸
引能力が大きく絶縁破壊強度が高いガスをデバイスや保
管容器中でERFと共存させることで、デバイス稼働時
や保管容器ごと振とうされるような状態におかれた場合
でも、流体内のガス混入によるERFの耐電圧の低下を
防止できる。
【0029】絶縁破壊強度が高いガスとしては、一般に
電気陰性度が大きく、具体的には、絶縁破壊強度が4.
0kV/mm以上で、且つ、分子量の大きい気体が考え
られ、分子内にハロゲン原子やCN基、SO基を有す
る、SF6 、CCI2 2 、C 3 8 、C2 6 、C5
8 、CF3 CN、C2 5 CN、CI2 、SOF2
2 CIF5 、CIO3 F等が挙げられる。
【0030】このような気体を充填した容器内で輸送を
行うことで、製造時の高い耐電圧性能を維持することが
でき、また、電気粘性流体を封入して使用するダンパー
等のデバイス内もこのようなガスを充填することによ
り、経時的な耐電圧の低下を防止でき、高い信頼性を長
期間維持することができる。
【0031】
【実施例】以下に具体例を挙げて本発明をより詳細に説
明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものでは
ない。
【0032】特性評価 (1)粒径の測定 電気粘性流体用粉体の粒径を日機装株式会社製、MIC
ROTRAC SPA/MK−II型装置を用いて、測定
した。
【0033】(2)ERFの絶縁破壊強度の測定 レオメトリックスファーイースト社製RDS−II型粘
弾性測定装置ならびにトレック社製610型高電圧電源
を用いて、1000/secの剪断速度で室温(約25
℃)にて電界強度を3.0kV/mm から30秒毎に0.1
kV/mm 間隔で増大させた場合に、放電を生じた電界強度
をもってERFの絶縁破壊強度(耐電圧)とした。
【0034】この場合、例えば5.0kV/mm に達するま
でにはすでに10分間にわたって高電圧が印加されてい
るため、この方法で得られたERFの絶縁破壊強度は実
際の材料の固有値よりも低く見積もられている(言い換
えれば、実際はもっと高い)と考えられる。
【0035】(実施例1) 炭素質粉体原料の調整 ナフタレン1280gに硫酸を1050g加え、160
℃で2時間反応させた後、未反応物を減圧下で系外に留
出させた。次いで、濃度35重量%のホルマリン857
gを加え、105℃で5時間反応させ、β−ナフタレン
スルホン酸のメチレン結合型の縮合物を得た。更に、同
縮合物をアンモニア水で中和後、濾過して濾液を得た。
【0036】得られたβ−ナフタレンスルホン酸のメチ
レン結合型の縮合物を含有する濾液に水を加え、β−ナ
フタレンスルホン酸アンモニウム塩のメチレン結合物の
濃度が20重量%の水溶液を調製した。
【0037】この水溶液を、スプレードライヤーにて空
気圧5kg/cm2 で噴霧し、乾燥用空気を導入して造
粒・乾燥を行った。このようにして得られたメチルナフ
タレン主体のスルホン酸のメチレン結合型縮合物の球状
炭素質粒子の平均粒子径(50%体積平均径)は7.0
μmであった。
【0038】電気粘性流体用粉体の調整 得られた炭素質粉体を窒素ガス雰囲気中、400℃で予
備加熱処理して、真球状粉体を得た。この粉体の炭素含
有量は90.8%、炭素/水素原子比(以下、C/H比
と称する)は2.0、平均粒子径は7.0μmであっ
た。この粉体を更に窒素ガス雰囲気中、540℃で4時
間加熱(炭化処理)及び解砕、分級して、真球状電気粘
性流体用粉体を得た。この粉体の炭素含有量は93.6
%、C/H比は2.4、平均粒子径は7μmであった。
【0039】電気粘性流体の調整 実施例1で得られた真球状炭素質粉体45重量%を、分
散媒である25℃における粘度10センチストークスの
フロロシリコーン(ジメチルポリシロキサンとメチルト
リフルオロプロピルポリシロキサンとの共重合体:モル
比60:40)55重量%によく分散し、1000Pa
の減圧下で攪拌を行って電気粘性流体を得た。
【0040】得られた電気粘性流体の耐電圧を前記方法
で測定した結果、耐電圧は4.2kV/mmであった。
【0041】(実施例2)減圧条件を100Paとした
他は、実施例1と同様にして電気粘性流体を得た。得ら
れた電気粘性流体の耐電圧を実施例1と同様の方法で測
定した結果、少なくとも4.5kV/mmでは放電は発
生せず、耐電圧は4.5kV/mm以上であることがわ
かった。
【0042】(実施例3)減圧条件を10Paとした他
は、実施例1と同様にして電気粘性流体を得た。得られ
た電気粘性流体の耐電圧を実施例1と同様の方法で測定
した結果、少なくとも5.1kV/mmでは放電は発生
せず、耐電圧は5.1kV/mm以上であることがわか
った。
【0043】(比較例1)減圧を行わず、常圧下でボー
ルミルを用いて攪拌を行った他は、実施例1と同様にし
て電気粘性流体を得た。得られた電気粘性流体の耐電圧
を実施例1と同様の方法で測定した結果、耐電圧は3.
2kV/mmであった。
【0044】(比較例2)減圧を行わず、常圧下で自動
乳鉢を用いて攪拌を行った他は、実施例1と同様にして
電気粘性流体を得た。得られた電気粘性流体の耐電圧を
実施例1と同様の方法で測定した結果、耐電圧は3.6
kV/mmであった。
【0045】(実施例4)前記比較例2で得られた電気
粘性流体を密閉可能な容器内で、10Paの減圧下で、
30分間保持して脱気処理を行った。処理後の電気粘性
流体の耐電圧を実施例1と同様の方法で測定した結果、
耐電圧は4.2kV/mmであった。
【0046】(実施例5)前記比較例2で得られた電気
粘性流体を密閉可能な容器内で、10Paの減圧下で6
0℃に加熱しながら30分間保持して脱気処理を行っ
た。処理後の電気粘性流体の耐電圧を実施例1と同様の
方法で測定した結果、少なくとも5.0kV/mmでは
放電は発生せず、耐電圧は5.0kV/mm以上である
ことがわかった。
【0047】(実施例6)前記比較例2で得られた電気
粘性流体を密閉可能な容器内で、10Paの減圧下で6
0分間、回転翼により攪拌して脱気処理を行った。攪拌
翼の回転速度は40rpmであった。処理後の電気粘性
流体の耐電圧を実施例1と同様の方法で測定した結果、
少なくとも5.0kV/mmでは放電は発生せず、耐電
圧は5.0kV/mm以上であることがわかった。
【0048】(実施例7)前記比較例2で得られた電気
粘性流体を密閉可能な容器内で、10Paの減圧下で1
5分間、超音波を照射することにより攪拌して脱気処理
を行った。超音波の照射条件は40Hz、100Wであ
った。処理後の電気粘性流体の耐電圧を実施例1と同様
の方法で測定した結果、少なくとも5.0kV/mmで
は放電は発生せず、耐電圧は5.0kV/mm以上であ
ることがわかった。
【0049】(比較例3)油状媒体として、25℃にお
ける粘度10センチストークスのジメチルポリシロキサ
ン(東芝シリコーン社製、TSF451−10)を用い
た他は、比較例2と同様にして電気粘性流体を得た。得
られた電気粘性流体の耐電圧を実施例1と同様の方法で
測定した結果、耐電圧は3.9kV/mmであった。
【0050】(実施例8)前記比較例3で得られた電気
粘性流体を密閉可能な容器内で、60℃に加熱しなが
ら、10Paの減圧下で30分間脱気処理を行った。処
理後の電気粘性流体の耐電圧を実施例1と同様の方法で
測定した結果、少なくとも5.0kV/mmでは放電は
発生せず、耐電圧は5.0kV/mm以上であることが
わかった。
【0051】(比較例4)造粒、乾燥工程において、ス
プレードライヤーの運転条件を変更して粒径を制御した
外は、実施例1と同様にして粉体を得た。この粉体を気
流分級機で解砕・分級して電気粘性流体用粉体を得た。
この粉体の炭素含有量は93.5%、C/H比は2.
2、平均粒子径は3μmであった。
【0052】この電気粘性流体用粉体を用いて、比較例
2と同様にして電気粘性流体を得た。得られた電気粘性
流体の耐電圧を実施例1と同様の方法で測定した結果、
耐電圧は3.8kV/mmであった。
【0053】(実施例9)前記比較例4で得られた電気
粘性流体を密閉可能な容器内で、60℃に加熱しなが
ら、10Paの減圧下で30分間脱気処理を行った。処
理後の電気粘性流体の耐電圧を実施例1と同様の方法で
測定した結果、少なくとも5.0kV/mmでは放電は
発生せず、耐電圧は5.0kV/mm以上であることが
わかった。
【0054】(比較例5)コールタールピッチを、窒素
ガス雰囲気中で450℃で熱処理して球晶を成長させた
後、タール油中で抽出、ろ別を繰り返してピッチ成分を
除去し、窒素還流中350℃で再度熱処理した後、粉砕
して不定形の粉体を得た。この粉体の炭素含有量は9
0.8%、C/H比は2.0であった。更に、窒素雰囲
気中で、回転型加熱炉を用いて、熱処理温度を500℃
で、4時間加熱して電気粘性流体用粉体を得た。この粉
体の炭素含有量は93.6%、C/H比は2.4であっ
た。
【0055】得られた炭素質粉体を用いて、比較例2と
同様にして電気粘性流体を得た。得られた電気粘性流体
の耐電圧を実施例1と同様の方法で測定した結果、耐電
圧は3.9kV/mmであった。
【0056】(実施例10)前記比較例5で得られた電
気粘性流体を密閉可能な容器内で、60℃に加熱しなが
ら、10Paの減圧下で30分間脱気処理を行った。処
理後の電気粘性流体の耐電圧を実施例1と同様の方法で
測定した結果、少なくとも4.5kV/mmでは放電は
発生せず、耐電圧は4.5kV/mm以上であることが
わかった。
【0057】(実施例11) 電気粘性流体の保管 前記実施例1で得られた電気粘性流体を密閉可能な保管
容器に入れ、中の空気をSF6 ガスで置換した後、容器
を密閉した。この保管容器を10分間にわたり激しく震
盪した。震盪後の容器から電気粘性流体を取り出し、実
施例1と同様の方法で測定した結果、少なくとも5.1
kV/mmでは放電は発生せず、耐電圧は5.1kV/
mm以上であることがわかった。
【0058】(比較例6) 電気粘性流体の保管 前記実施例1で得られた電気粘性流体を密閉可能な保管
容器に空気とともに封入し、容器を密閉した。この保管
容器を10分間にわたり激しく震盪した。震盪後の容器
から電気粘性流体を取り出し、実施例1と同様の方法で
測定した結果、耐電圧は3.7kV/mmであった。
【0059】後処理 前記比較例6の保管後の電気粘性流体について、密閉可
能な容器内で、10Paの減圧下で30分間脱気処理を
行った。処理後の電気粘性流体の耐電圧を実施例1と同
様の方法で測定した結果、耐電圧は4.8kV/mmで
あり、保存中に空気の混入により耐電圧が低下した電気
粘性流体も、脱気工程の後処理を行うことにより、耐電
圧が回復する傾向が見られた。
【0060】(比較例7) 電気粘性流体の保管 前記実施例1で得られた電気粘性流体を密閉可能な保管
容器に入れ、中の空気をArガスで置換した後、容器を
密閉した。この保管容器を10分間にわたり激しく震盪
した。震盪後の容器から電気粘性流体を取り出し、実施
例1と同様の方法で測定した結果、耐電圧は3.9kV
/mmであった。このことから、容器内にArガス等の
不活性ガスを充填しても、保管中の電気粘性流体の耐電
圧の低下は防止できないことがわかった。
【0061】後処理 前記比較例7の保管後の電気粘性流体について、密閉可
能な容器内で、10Paの減圧下で30分間脱気処理を
行った。処理後の電気粘性流体の耐電圧を実施例1と同
様の方法で測定した結果、耐電圧は4.5kV/mm以
上となり、保存中にArガス等の不活性ガスの混入によ
り耐電圧が低下した電気粘性流体も、脱気工程の後処理
を行うことにより、耐電圧が回復する傾向が見られた。
【0062】(実施例12) 電気粘性流体応用ダンパー 前記実施例1で得られた電気粘性流体をダンパーに用い
る際、緩衝ガスとしてSF6 ガスを封入して用いた。こ
のダンパーは6.0kV/mmの電界強度印加でも放電
は発生せず、耐電圧性能に優れていた。また、このダン
パーを56時間連続使用した後に同様の評価を行ったが
耐電圧性能の低下は見られず、高い信頼性を有すること
がわかった。
【0063】
【発明の効果】本発明の電気粘性流体は、高電圧を印加
した場合にも、放電の発生等の絶縁破壊が起こりにく
い、信頼性が高いという効果を奏する。また、本発明の
電気粘性流体の製造方法によれば、前記のような優れた
特性を有する電気粘性流体を簡易な方法で得られ、本発
明の保管方法によれば、輸送や保存時の電気粘性流体の
耐電圧性能の低下を効果的に防止しうる。
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明の電気粘性流体の保管方法は、粉体
微粒子を電気絶縁性を有する油状媒体に分散させた電気
粘性流体を保管する容器内に、電子吸引能力が大きく、
絶縁破壊強度が高い気体を充填して密閉することを特徴
とするものであり、この電子吸引能力が大きく、絶縁破
壊強度が高い気体としては、分子内にハロゲン原子やC
N基、SO基を有する、SF6 、CCI2 2 、C3
8 、C2 6 、C5 8 、CF3 CN、C2 5 CN、
CI2 、SOF2 、C2 CIF5 、CIO3 Fから選択
される一種以上であることが好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】次に、本発明の電気粘性流体の製造方法に
ついて説明する。電気粘性流体の製造方法としては、粉
体と油状媒体を減圧下で混合してERFを製造するか、
常圧下で混合したERFから空気もしくは空気を構成す
る気体を減圧下で効率的に脱気する後処理を行うことが
挙げられ、いずれの方法によっても、ERFの耐電圧は
著しく改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 105:32 107:50 125:02) C10N 20:00 20:06 40:14 60:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体微粒子を電気絶縁性を有する油状媒
    体に分散させた電気粘性流体であって、4kV/mm以
    上の絶縁破壊強度を有することを特徴とする電気粘性流
    体。
  2. 【請求項2】 前記電気粘性流体を10Paの減圧下に
    置いた場合、発泡を生じないことを特徴とする請求項1
    記載の電気粘性流体。
  3. 【請求項3】 前記油状媒体中に含まれる気体のうち2
    0容量%以上が、絶縁破壊強度が4kV/mm以上の気
    体であることを特徴とする請求項1記載の電気粘性流
    体。
  4. 【請求項4】 前記粉体微粒子が炭素質微粒子あること
    を特徴とする請求項1又は2記載の電気粘性流体。
  5. 【請求項5】 10kPa以下の減圧下で、粉体微粒子
    と油状媒体を攪拌混合する工程を有することを特徴とす
    る電気粘性流体の製造方法。
  6. 【請求項6】 粉体微粒子と油状媒体を攪拌混合して得
    た混合物を、10kPa以下の減圧下に配置して、脱気
    する工程を有することを特徴とする電気粘性流体の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記脱気工程を40℃〜80℃の加熱条
    件下で行うことを特徴とする請求項6に記載の電気粘性
    流体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記脱気工程を、攪拌条件下で行うこと
    を特徴とする請求項6に記載の電気粘性流体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 粉体微粒子を電気絶縁性を有する油状媒
    体に分散させた電気粘性流体を保管する容器内に、絶縁
    破壊強度が4kV/mm以上の気体を充墳して密閉する
    ことを特徴とする電気粘性流体の保管方法。
  10. 【請求項10】 前記絶縁破壊強度が4kV/mm以上
    の気体が、SF6 、CCI2 2 、C3 8 、C
    2 6 、C5 8 、CF3 CN、C2 5 CN、C
    2 、SOF2 、C2 CIF5 、CIO3 Fから選択さ
    れる一種以上であることを特徴とする請求項9に記載の
    電気粘性流体の保管方法。
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