JPH11172860A - 防水シート張設用の繊維強化樹脂製接合部材 - Google Patents

防水シート張設用の繊維強化樹脂製接合部材

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JPH11172860A
JPH11172860A JP9634098A JP9634098A JPH11172860A JP H11172860 A JPH11172860 A JP H11172860A JP 9634098 A JP9634098 A JP 9634098A JP 9634098 A JP9634098 A JP 9634098A JP H11172860 A JPH11172860 A JP H11172860A
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sheet
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waterproof
resin
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JP9634098A
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Hidetoshi Kurihara
秀俊 栗原
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Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐寒性や耐候性に優れた熱可塑性エラストマ
ーからなる防水シートを、コンクリート建造物の屋上に
おける陸屋根等の防水施工面に容易に、かつ強固に接合
できるとともに、防水シートの張設に必要な高い耐久性
を有する接合部材を提供する。 【解決手段】 平面方向の引張強度があらゆる方向に4
50kgf/100cm以上である化学繊維からなる繊
維シートの両面に、熱可塑性エラストマーまたはポリオ
レフィン系樹脂よりなる樹脂フィルムが積層されかつ一
体化された構成のものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばコンクリ
ート建造物の屋上における陸屋根等を合成樹脂製の防水
シートを用いて防水施工をする際に、防水シートをコン
クリート躯体に接合するために用いる接合部材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート建造物の陸屋根等を
合成樹脂製の防水シートを用いて防水施工をする際に、
防水シートをコンクリート躯体面に部分的に接合する、
いわゆる機械固定工法が広く採用されている。
【0003】上記防水施工に用いられる代表的な防水シ
ートとしては、軟質ポリ塩化ビニル樹脂製のシートが挙
げられ、該シートはその製造時の加工性や施加工性、耐
久性及びコスト等の点から広く使用されている。とりわ
け、防水施工面に防水シートを部分的に接合して張設す
る、いわゆる機械固定工法に適しているので、その利用
度は高い。
【0004】上記のように、機械固定工法によって軟質
ポリ塩化ビニル樹脂製の防水シートをコンクリート躯体
面に張設するためには、通常、接合部材を介してなされ
るが、この接合部材には、例えば鋼板に防水シートと同
種の材質からなる軟質ポリ塩化ビニル樹脂層を接着剤を
介して被覆した、いわゆる塩ビ鋼板が使用されている。
前記接合部材は、芯材となる金属によって剛性が付与さ
れ、芯材に被覆された軟質ポリ塩化ビニル樹脂層によっ
て芯材の防錆と防水シートとの接合性が付与されている
ものである。
【0005】ところで、防水施工において用いられる防
水シートは、上記軟質ポリ塩化ビニル樹脂のほか、近
年、各種の熱可塑性エラストマーからなる防水シートが
多く使用され始めている。例えば、ポリオレフィン系熱
可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラス
トマー等である。なかでも、ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマー製の防水シートは耐寒性、耐候性等に優
れ、多く使用されている。
【0006】しかしながら、従来の機械固定工法を適用
した防水施工においては、ポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーと軟質ポリ塩化ビニル樹脂との相溶性が悪
く、互いの接合性が悪いので、従来の塩ビ鋼板からなる
接合部材を採用することができないという問題がある。
【0007】上記の問題に対し、ポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーからなる防水シートの接合を可能にす
るためには、鋼板に同材質のポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーやポリオレフィン系樹脂よりなる樹脂フィ
ルムを被覆した鋼板材料を接合部材として使用するとい
う手段も考えられるが、実際にはこれらの樹脂フィルム
は鋼板との接着が容易ではなく、接合部材として屋外で
長期間の使用に耐える接着性を有しかつ塩ビ鋼板と同等
の価格であるような接合部材用の鋼板は見いだせていな
いのが現状である。
【0008】しかも、従来の接合部材のように芯材に鋼
板を用いる以上、経年時の発錆は避けられず、ときには
接合部材の発錆による崩壊が漏水の原因となり、防水面
全体の防水機能が阻害されるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】機械固定工法を適用し
た防水施工法で用いられる接合部材は、コンクリート等
の施工面に開脚釘、ネジ等によって強固に固定されたの
ち、その上面に防水シートが接合されるものであるか
ら、それ自体が防水シートの熱膨脹伸縮や負圧による位
置移動を規制して、これに耐え得る強度を保持し、防水
シートを安定に繋ぎ止めるものでなくてはならない。具
体的には、接合部材自体の引張強度、防水シートとの接
合強度及び接合部材の構成層間の密着性が性能上の必須
要件として要求され、とりわけ接合部材の引張強度につ
いては、一定の値を確保するものが強く要求される。
【0010】また、接合部材の表層の材質は、使用され
る防水シートとの十分な接合強度を確保するために防水
シートと同材質であることが望ましく、また異材質であ
っても防水シートに対して相溶性を有するものであるこ
とが必要である。
【0011】この発明は、上記のような背景のもとに、
防水性はもとより、耐寒性や耐候性に優れた熱可塑性エ
ラストマーからなる防水シート、とりわけポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー製の防水シートを、コンクリ
ート建造物の屋上における陸屋根等の防水施工面に張設
する際に、防水施工面に強固に接合することができ、し
かも当該防水シートとの接合が良好で、当該防水シート
の張設に必要な高い耐久性を有する接合部材を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的において、こ
の発明の第1の発明は、化学繊維よりなり平面方向の引
張強度があらゆる方向に450kgf/100cm以上
である繊維シートの両面に、熱可塑性エラストマーより
なる樹脂フィルムが積層されかつ一体化されてなること
を特徴とする防水シート張設用の繊維強化樹脂製接合部
材を要旨とする。
【0013】すなわち、上記第1の発明の防水シート張
設用の繊維強化樹脂製接合部材は、防水施工面に張設さ
れる防水シートと同材質または異材質の熱可塑性エラス
トマーを、上記繊維シートの両面に積層し、加熱加圧に
より、互いに一体化させたものとする。
【0014】上記第1の発明に用いられる熱可塑性エラ
ストマーは、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、
ポリ塩化ビニル系エラストマー等であり、具体的には硬
質相がポリエチレンまたはポリプロピレン、軟質相がE
PDM、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴムからなる
結晶相を有する熱可塑性エラストマー、及び硬質相が結
晶ポリ塩化ビニル、軟質相がニトリルブタジエンラバー
(NBR)からなる水素結合ないしは結晶層を有する熱
可塑性エラストマーである。
【0015】上記の目的において、この発明の第2の発
明は、化学繊維よりなり平面方向の引張強度があらゆる
方向に450kgf/100cm以上である繊維シート
の両面に、ポリオレフィン系樹脂よりなる樹脂フィルム
が積層されかつ一体化されてなることを特徴とする防水
シート張設用の繊維強化樹脂製接合部材を要旨とする。
【0016】すなわち、上記第2の発明の防水シート張
設用の繊維強化樹脂製接合部材は、防水施工面に張設さ
れる防水シートと異材質のポリオレフィン系樹脂を、上
記繊維シートの両面に積層し、加熱加圧により、互いに
一体化させたものとする。
【0017】上記第2の発明に用いるポリオレフィン系
樹脂は具体的にはポリエチレンまたはポリプロピレンで
ある。
【0018】また、この発明の繊維強化樹脂製接合部材
に用いられる、第1の発明の熱可塑性エラストマーより
なる樹脂フィルムと、第2の発明のポリオレフィン系樹
脂よりなる樹脂フィルムとは、いずれも防水施工の対象
である熱可塑性エラストマー製の防水シートとの接合に
適したものであり、なかでも第1の発明の熱可塑性エラ
ストマーであるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
が最も好適である。
【0019】上記接合部材に用いられる繊維シートとし
ては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の合成繊
維、炭化ケイ素等の化学繊維からなる繊維シ−トが挙げ
られ、これらの1種または2種以上から構成されるもの
とする。また、繊維シートの形態としては長繊維からな
る織布や不織布、またはこれら織布や不織布に樹脂を含
浸してできた形態のものが好ましい。さらに、個々の繊
維シートにおける単繊維の方向は、0〜90度の範囲で
互いに不規則方向に重ね合わせられるよう形成されたも
のであることがより好ましい。さらには、2枚以上の前
記繊維シートを互いに90度方向をずらして重ね合わせ
たものが最も好適に使用される。なおこの場合、2枚以
上の個々の繊維シートが、単一では前記引張強度450
kgf/100cmに満たない値のものであっても、互
いに所定枚数重ね合わせられたものが、前記の引張強度
450kgf/100cm以上の値を示すものであれ
ば、適用可能である。
【0020】一般に、機械固定工法による防水シートの
施工においては、防水シートを張設するための接合部材
は、平面方向の引張強度があらゆる方向に少なくとも幅
100cm当たり450kgf以上を要求される。そこ
で、このような要求に対して、この発明では、繊維シー
トとして、平面方向の引張強度があらゆる方向に450
kgf/100cm以上である繊維を選び、その両面か
ら上記熱可塑性エラストマーまたはポリオレフィン系樹
脂よりなる樹脂フィルムを積層し、加熱加圧して少なく
とも前記樹脂が繊維シートの層内に含浸するように一体
化する。繊維シートの前記引張強度が450kgf/1
00cm未満のものであったり、あるいは繊維シートと
樹脂フィルムとが十分に積層一体化されていないと、接
合部材としての所期の引張強度を発現する接合部材とは
なし得ない。なお、この場合の繊維シートと樹脂フィル
ムとの加熱加圧による一体化は、例えばホットプレス方
式によるのが最も好ましいが、ロールプレス方式等の他
の方式によってもよい。
【0021】上記の引張強度に関する発明者らの研究に
よれば、防水シートの敷設施工当初に防水シートにかか
る引張り力は、およそ4kgf/cm2 であり、さらに
敷設施工後12年経過した防水シートにかかっている引
張り力は、34.5kgf/cm2 であった。なお引張
り力の前記測定値は、敷設状態にある防水シートに基準
寸法を示す2つの点を印したのち、前記各防水シートを
敷設状態から解放し、解放によって収縮した防水シート
を引張試験機にかけて、前記基準寸法を示した2点間の
寸法が、前記基準寸法になったときの引張強度を測定し
たものである。
【0022】そこで、この発明においては、12年経過
後における厚さ10mm、幅100cmの接合部材にか
かる引張り力が、上記引張り力34.5kgf/cm2
により計算した値345kgf/100cmであるもの
とし、これに対する繊維シートの引張強度としては、前
記値345kgf/100cmに安全率約30%を見込
んだ値である450kgf/100cmを最低限度必要
とするものとした。なお、この発明における繊維シート
の引張強度の値は、繊維シートを100cm幅で引張強
度測定をしたときの値とし、これをkgf/100cm
の単位で表現するものとした。
【0023】さらに、繊維シートの両面に樹脂フィルム
が積層された接合部材の表裏面は、防水シートとの接合
強度と、それ自体の耐摩耗性を確保するために、樹脂フ
ィルムからなる表層の厚さが0.5〜2.5mm、裏層
の厚さが0.3〜1.0mmの範囲であることが望まし
い。とりわけ、表層の厚さが0.5mm未満であると防
水シートとの接合性に問題が生じ、裏層の厚さが0.3
mm未満であると耐摩耗性が低下し、接合部材としては
使用できない。また、全体の厚さが3.0mmを超える
と接合部材が嵩ばり下地の水勾配を遮る結果となり、設
計上の防水施工面の水勾配に反し逆勾配となる部分が生
じ、防水層の外観品質を低下させるばかりか、防水シー
ト面に水溜まりができる可能性があるので適当でない。
従って、全体の厚さに関しては、樹脂フィルムの厚さの
みならず、前記繊維シートの厚さと枚数も全体の厚さの
構成要素として考慮の上決定されるべきである。
【0024】この発明の防水シート張設用の繊維強化樹
脂製接合部材は、機械固定工法により、熱可塑性エラス
トマー製の防水シートをコンクリート等の躯体面に張設
するに適した接合部材であり、鋼板を使用することな
く、対象とする前記防水シートと同材質か、または異材
質ではあるが相溶性のある樹脂フィルムを用い、これを
繊維で補強した形態のものとしたから、従来の塩ビ鋼板
のように錆びを生じたり、錆によって崩壊したりするよ
うなことはなく、望ましい性能を有する防水シートを、
防水施工面に容易に、かつ強固に接合し得るものとし、
しかも防水構造全体の耐久性を高める作用をすものであ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
実施例と図面に従い、かつ比較例と対比して説明する。
【0026】まず、実施例において使用する繊維シート
の両面に積層する樹脂フィルムとしては、実施例1乃至
実施例9ではポリオレフィン系熱可塑性エラストマー製
のフィルムとし、実施例10乃至実施例18ではポリプ
ロピレン製のフィルムとした。なお、以下の実施例及び
比較例において、前記ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーをTPOと、また前記ポリプロピレンをPPと略
称する。
【0027】また、繊維シートとしては下記のものを使
用した。 シート状繊維 A:樹脂含浸したガラス長繊維シート(商品名:Pregron 品番:L15PN、三井東圧化学社製) B:カーボン繊維シート(商品名:トレカ、品番:T300A、 東レ社製) C:アラミド繊維シート(商品名:Kevler、品番:ケブラ ー49、デュポン社製) D:ガラス繊維シート(品番:H25F5104、ユニチカグラ スファイバー社製) E:ガラス繊維シート(品番:H20F5104、ユニチカグラ スファイバー社製)
【0028】実施例1〜9 各実施例について、繊維シートの種類と枚数、及び熱可
塑性エラストマーとしてのTPO製フィルム2枚の各厚
さを、夫々表1に示すように設定し、図1に示すように
設定枚数の前記繊維シート(1)をサンドイッチ状に2
枚の前記TPO製フィルム(2)(2)で挟むようにし
て積層したのち、ホットプレスにより加熱加圧して一体
化し、繊維強化された樹脂積層体(3)とした。なお図
1では、2枚の繊維シート(1)(1)が用いられ、こ
れらが互いにほぼ90度方向をずらして重ね合わされた
場合を示した。
【0029】
【表1】
【0030】上記で得られた樹脂積層体は、防水シート
張設用の接合部材として、これら部材を下記の試験項目
及び試験方法に基づいて夫々試験し、性能上の評価を
し、評価結果を表2に示した。
【0031】引張強度試験 方法:インストロン引張試験機により、150mm長さ
×25mm幅の試料を用い、引張速度200mm/mi
nの条件で測定した。 評価:判定基準として12kgf/25mm以上を良
(○)、同未満を不良(×)とした。なお、前記数値1
2kgf/25mmは、この発明で規定する、繊維シー
トの引張強度450kgf/100cmから、引張試験
の試料幅25mmに換算し、修正した値である。
【0032】接合強度試験 方法:インストロン引張試験機により、150mm長さ
×25mm幅に切断した接合部材にポリオレフィン系熱
可塑性エラストマー製防水シートを接着した試料を用
い、引張速度200mm/minの条件で、前記接合部
材と前記防水シートとの長さ方向の180度剥離により
測定した。 評価:判定基準として前記接合部材と前記防水シートの
両層いずれかの材料破壊を伴うが、両層の層間剥離は起
らない場合を良(○)、両層の層間剥離も同時に起る場
合をやや良(△)、層間剥離のみ起る場合を不良(×)
とした。
【0033】密着性試験 方法:濃度5%の食塩溶液を用い、常温で2000時
間、試料に塩水噴霧を行った。 評価:試料の発錆、繊維シートと樹脂フィル間との層間
剥離等の異常のない場合を良(○)、かかる異常のある
場合を不良(×)とした。
【0034】耐摩耗性試験 方法:接合部材の使用時裏側面を、テーバー式摩耗試験
(4000回転)を実施した。 評価:試験後の試料について、繊維が全く露出していな
い場合を良(○)とし、やや露出したものを不良(×)
とした。
【0035】仕上り外観試験(防水シート面の凹凸) 方法:1m角のスレート上に、上記接合部材を固定し、
さらにその上に防水シートを張設した試料を作製し、こ
れを水平に置いて水をかけたのち、徐々に傾斜させなが
ら状態を観察した。 評価:水溜まりがやや残るものを不良(×)とし、そう
でないものを良(○)とした。
【0036】上記実施例の各項目の評価を総合的に判断
し、上記乃至の評価項目がことごとく良(○)であ
るものは総合評価を良(○)とし、中でも性能上必須の
要件である引張強度、接合強度及び密着性がいず
れも良(○)ないしはやや良(△)ではあるが、耐摩
耗性または仕上り外観が不良(×)であるものは総合
評価をやや良(△)とし、さらに前記乃至の項目の
内少なくとも1つの項目が不良である場合は総合評価を
不良(×)とした。
【0037】
【表2】
【0038】表2から明らかなように、この発明の第1
の発明による防水シート張設用の繊維強化樹脂製接合部
材は、実施例1乃至6において、引張強度、防水シート
との接合強度、耐摩耗性、及び防水シートの仕上り外観
等、防水シート張設用の接合部材として必要な性能を全
て十分に発揮し得るもので、総合評価は良(○)であ
り、また実施例7乃至9では、実施例7が接合強度にお
いてやや良(△)、実施例8においては仕上り外観が、
また実施例9においては耐摩耗性が夫々不良(×)であ
った以外は全て良(○)であり、総合評価はやや良
(△)となった。
【0039】比較例1〜2 各比較例について、上記実施例1乃至実施例9と同様に
して、繊維シートの種類と枚数、及び熱可塑性エラスト
マーとしてのTPO製フィルム2枚の各厚さを、夫々表
1に併記して示すように設定し、設定枚数の前記繊維シ
ートをサンドイッチ状に2枚の前記TPO製フィルムで
挟むようにして積層したのち、実施例と同様に加熱加圧
して一体化し、比較用積層体とした。
【0040】ついで、上記で得られた比較用積層体は、
上記実施例と同様の試験と、性能上の評価を行い、その
評価結果を表2に併記して示した。表2で明らかよう
に、比較用積層体は、いずれも防水シート張設用の接合
部材として重要な性能の内引張強度について、不良
(×)であり、その性能を発揮し得ないものであった。
【0041】比較例3〜4 比較例3はTPO被覆鋼板(鋼板の厚さ0.40mm、
TPO製フィルムの厚さ0.25mm/上下各面)から
なる比較用板体を、比較例4は塩化ビニル樹脂被覆鋼板
(鋼板の厚さ0.40mm、塩化ビニル樹脂フィルムの
厚さ0.25mm/上下各面)からなる比較用板体を用
い、実施例と同様の方法で試験を行い、同様に評価を行
った。その結果、表2に併記して示したように、防水シ
ート張設用の接合部材として必要な性能の一つである密
着性について明らかに劣るものであった。
【0042】実施例10〜18 各実施例について、上記実施例1乃至9において用いた
TPO製フィルムをPP製フィルムに置き換えた以外
は、表3に示すように、全く上記実施例1乃至9と同様
にして、図1に示す繊維強化された樹脂積層体(3)を
得た。
【0043】
【表3】
【0044】上記で得られた樹脂積層体は、防水シート
張設用の接合部材として、実施例1乃至9と全く同様の
方法で試験をし、同様の評価を行った。評価結果を表4
に示した。
【0045】
【表4】
【0046】表4から明らかなように、この発明の第2
の発明による防水シート張設用の繊維強化樹脂製接合部
材は、実施例10乃至15において、引張強度、防水シ
ートとの接合強度、耐摩耗性、及び防水シートの仕上が
り外観等、防水シート張設用の接合部材として必要な全
ての性能を十分に発揮し得るもので、総合評価は良
(○)であり、また実施例16乃至18では、実施例1
6が接合強度においてやや良(△)、実施例17におい
ては仕上り外観が、また実施例18においては耐摩耗性
が夫々不良(×)であったった以外は全て良(○)であ
り、総合評価はやや良(△)となった。
【0047】比較例5〜6 各比較例について、上記実施例10乃至実施例18と同
様にして、繊維シートの種類と枚数、及びPP製フィル
ム2枚の各厚さを、夫々表3に併記して示すように設定
し、設定枚数の前記繊維シートをサンドイッチ状に2枚
の前記PP製フィルムで挟むようにして積層したのち、
実施例と同様に加熱加圧して一体化し、比較用積層体と
した。
【0048】ついで、上記で得られた比較用積層体は、
上記実施例と同様の試験と、性能上の評価を行い、その
評価結果を表4に併記して示した。表4で明らかよう
に、比較用積層体は、いずれも防水シート張設用の接合
部材として重要な性能の内引張強度について、不良
(×)であり、その性能を発揮し得ないものであった。
【0049】
【発明の効果】以上のように、この発明の防水シート張
設用の繊維強化樹脂製接合部材は、第1の発明では、請
求項1に記載のとおり、特定の繊維シートの両面に、熱
可塑性エラストマーよりなる樹脂フィルムが積層されか
つ一体化されてなるものとし、また第2の発明では、請
求項3に記載のとおり、特定の繊維シートの両面にポリ
オレフィン系樹脂よりなる樹脂フィルムが積層されかつ
一体化されてなるものとしたから、第1の発明及び第2
の発明のいずれにおいても、耐寒性、耐候性等に優れた
熱可塑性エラストマーを防水シートとした機械固定工法
による防水施工に際しては、熱可塑性コンクリート等の
施工面に開脚釘、ネジ等によって強固に固定されること
はもちろんのこと、その表面に前記防水シートを強固に
接合することができ、接合された前記防水シートの熱膨
脹伸縮や負圧による位置移動を規制して、これに耐え得
る強度、とりわけ高い引張強度を保持し、前記防水シー
トを安定して繋ぎ止めることができるという効果があ
る。
【0050】また、この発明の防水シート張設用の繊維
強化樹脂製接合部材は、繊維シートの両面に積層一体化
する樹脂フィルムとして、請求項2及び請求項4に記載
のとおりの特定の樹脂を用いることにより、耐寒性や耐
候性に優れた耐久性の高い、例えばポリオレフィン系熱
可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラス
トマー等の熱可塑性エラストマーからなる防水シートと
の接合性を十分に高めたものとすることができ、しかも
従来の合成樹脂製鋼板からなる接合部材とは異なり発錆
して崩壊することがなく、それ自体の耐久性が高いの
で、コンクリート建造物の陸屋根等の防水施工を確実な
ものとし、かつ耐久性に富むものとすることができる。
【0051】さらに、この発明において用いられる、平
面方向の引張強度があらゆる方向に450kgf/10
0cm以上のシート状の特定の形態を有するものの、そ
の材質は請求項5に記載したとおりの、いずれも一般的
に極めて容易に調達可能のものであり、しかも繊維の両
面に積層される樹脂フィルムの厚さは請求項6に記載の
とおり薄い範囲に設定されるので、当該接合部材をコス
ト的に安価に仕上げることができる。
【0052】さらに加えて、この発明による当該接合部
材は、全体の厚さが3.0mm以下と薄いものであるか
ら嵩ばらず、防水施工面の水勾配を遮ったり、防水面の
設計上の水勾配に反して逆勾配の原因とならず、張設さ
れた防水シートの平坦性を失うことがないので防水面の
外観品質を損なわないという利点があり、また同時に表
裏両面の樹脂フィルムの厚さを体摩耗性と防水シートと
の接合性とが確保される範囲の厚さに確保したものとし
たから、耐久性を著しく高めることができ、ひいては防
水施工部分全体の耐久性の向上に寄与するという利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の防水シート張設用の繊維強化樹脂
製接合部材の概念的な構成を示す一部切欠斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…繊維シート 2…TPO製フィルム 3…樹脂積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04D 5/06 E04D 5/06 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学繊維よりなり平面方向の引張強度が
    あらゆる方向に450kgf/100cm以上である繊
    維シートの両面に、熱可塑性エラストマーよりなる樹脂
    フィルムが積層されかつ一体化されてなることを特徴と
    する防水シート張設用の繊維強化樹脂製接合部材。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマーがポリオレフィン
    系熱可塑性エラストマーである、請求項1に記載の防水
    シート張設用の繊維強化樹脂製接合部材。
  3. 【請求項3】 化学繊維よりなり平面方向の引張強度が
    あらゆる方向に450kgf/100cm以上である繊
    維シートの両面に、ポリオレフィン系樹脂よりなる樹脂
    フィルムが積層されかつ一体化されてなることを特徴と
    する防水シート張設用の繊維強化樹脂製接合部材。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン
    である、請求項3に記載の防水シート張設用の繊維強化
    樹脂製接合部材。
  5. 【請求項5】 繊維シートが、ガラス繊維、カーボン繊
    維、アラミド繊維、及び炭化ケイ素繊維のうちの1種ま
    たは2種以上の化学繊維からなる、請求項1乃至請求項
    4に記載のいずれか1に記載の防水シート張設用の繊維
    強化樹脂製接合部材。
  6. 【請求項6】 繊維シートの両面に積層される樹脂フィ
    ルムの厚さは、表層では0.5〜2.5mm、裏層では
    0.3〜1.0mmの各範囲の厚さであるとともに、前
    記繊維シートと前記樹脂フィルムとが一体化されたのち
    の厚さが3.0mm以下である、請求項1乃至5のいず
    れか1に記載の防水シート張設用の繊維強化樹脂製接合
    部材。
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