JPH1117385A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JPH1117385A
JPH1117385A JP16871097A JP16871097A JPH1117385A JP H1117385 A JPH1117385 A JP H1117385A JP 16871097 A JP16871097 A JP 16871097A JP 16871097 A JP16871097 A JP 16871097A JP H1117385 A JPH1117385 A JP H1117385A
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JP
Japan
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cathode ray
ray tube
conductive
conductive film
face panel
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JP16871097A
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English (en)
Inventor
Katsuya Kinoshita
勝矢 木下
Mikako Maeda
美佳子 前田
Masaru Fujii
優 藤井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェイスパネル上に導電膜を有する陰極線管
において、陰極線管フェイス面から漏洩する電界を低減
させる。 【解決手段】 陰極線管は、フェイスパネル10に形成
された導電膜よりも抵抗値の低い導電材料である銅箔導
電性テープ13をフェイス面12の非有効領域12bに
後から取り付け、導電性テープ14を介して接地してい
る。これにより、陰極線管のフェイスパネル10から放
射される電磁波を遮蔽する効果を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フェイスパネル
前面から放射される交番電界を低減するために、フェイ
スパネル外表面上に設けた導電膜がアースに接地された
陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ディスプレイモニタから放射
されたVLF(Very Low Frequency:帯域2[kHz]〜400
[kHz])や、ELF(Extra Low Frequency:帯域5[Hz]
〜2[kHz])の電磁波の人体に及ぼす影響が懸念されて
いる。そこで、陰極線管が組み込まれたディスプレイモ
ニタでは、漏洩電界の遮蔽機能が要求される。最近にな
って、このような電磁波に対する社会的な規制が厳しく
なっており、特に、スウェーデン労働団体がディスプレ
イモニタの漏洩電界について制定したTCOガイドライ
ンは、この種の規制の中では最も厳しいものとなってい
る。このTCOガイドラインによると、陰極線管のフェ
イス面から 300[mm]だけ離れた位置で、VLF帯域の交
番電界に対しては漏洩電界強度が 1.0[V/m]以下、EL
F帯域の交番電界に対しては漏洩電界強度が10[V/m]以
下に規制されている。
【0003】従来の陰極線管では、このTCOガイドラ
インを満足するための主要な手段として、フェイスパネ
ル外表面上に導電膜を設け、しかも、その導電膜の抵抗
値を低くする等の技術が採用されていた。例えば、大き
さが50[cm]の陰極線管を高圧27[kV]で使用する場合
に、導電膜を設けてTCOガイドラインを満足する遮蔽
効果を実現するためには、2×103[Ω/□]以下の抵抗値
の導電膜が必要であり、そのためには、導電膜を貴金属
微粒子からなる導電物質を用いて形成しなければならな
い。
【0004】ところで、陰極線管におけるフェイスパネ
ルは、真空のガラスバルブの画像表示部を構成するもの
であり、パネル内面の蛍光体からの光に対して一定の膜
透過率が要求される。ところが、貴金属微粒子を含む導
電膜では、その表面抵抗値は容易に低くできる反面で、
高い膜透過率を得ることが難しかった。また、周知の透
明導電材料であるITO(錫をドープしたインジウム酸
化物)微粒子などで導電膜を構成すれば、膜透過率は簡
単に高くできるが、その表面抵抗値を低くすることが難
しくなる。
【0005】図6は、導電膜の材料別の表面抵抗値と膜
透過率との関係を示す図である。横軸には導電膜の表面
抵抗値(×103[Ω/□])、縦軸には膜透過率(%)を示
してある。上述したITO膜であれば、膜透過率を90
%以上にすることは簡単であるが、その表面抵抗値は低
くできない。その反面、フェイスパネル外表面上に銀を
主成分とする導電膜を形成した場合には、表面抵抗値を
2×103[Ω/□]以下まで低くできるが、82%以上の膜
透過率を得ることは容易ではない。例えば、フェイスパ
ネルの抵抗値を2×103[Ω/□]以下にして、TCOガイ
ドラインを満足しようとすると、導電膜の膜透過率が8
2%以下になってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来フェ
イスパネル前面から放射される交番電界を低減するため
の方法は、導電膜によりフェイスパネルの抵抗値を低く
するというものであったため、陰極線管がTCOガイド
ラインを満足するように、フェイスパネルに2×103
/□]以下の抵抗値の導電膜を形成すると、導電膜に使用
可能な導電材料は貴金属微粒子に制限される問題があっ
た。また、導電材料として貴金属微粒子を用いる場合
は、コストの面でも高価になる等の問題もあった。
【0007】さらに、抵抗値を低くするために導電膜に
貴金属微粒子を用いると、導電膜の膜透過率がその抵抗
値に比例して低くなる。このため、現行の陰極線管のよ
うに、フェイスパネルのガラス生地としてティントガラ
スを使用する限りでは、輝度の低下を避けることはでき
ない。
【0008】また、陰極線管の輝度やコントラスト性能
を改善させるために、フェイスパネルのコーティング膜
に光の選択吸収性を持つように染料などを入れる場合が
あるが、貴金属微粒子を用いたコーティング膜に更に染
料などを入れると膜透過率が低下して、光の選択吸収性
の利点が生かせなくなる。すなわち、ティントガラスな
どの現行の材料に貴金属微粒子を用いたコーティング膜
を形成した場合には、陰極線管の輝度だけでなく、その
コントラスト性能を改善することも難しくなる。したが
って、陰極線管の輝度を低下させずに抵抗値を低くする
ためには、ガラスバルブの生地自体の変更が必要とな
る。
【0009】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、第1の目的は、低コストでフェ
イスパネルからの漏洩電界を確実に低減させた陰極線管
を提供することである。
【0010】この発明の第2の目的は、輝度やコントラ
スト性能を低下させずにフェイスパネル外表面上に導電
膜を設けて、しかも漏洩電界を確実に低減させた陰極線
管を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る陰極線管は、フェイスパネル前面から放射される交番
電界を低減するために、フェイスパネル外表面上に設け
た導電膜がアースに接地された陰極線管において、導電
膜よりも抵抗値の低い導電性物によって、フェイスパネ
ルの画面周辺の非有効領域の少なくとも30%を覆うと
ともに、導電性物を介して導電膜がアースに接地されて
いるものである。
【0012】この発明の請求項2に係る陰極線管は、フ
ェイスパネルの導電膜として、1層又は2層以上の光学
薄膜による低反射コートを備え、その抵抗値を3×10
3[Ω/□]以下としたものである。
【0013】この発明の請求項3に係る陰極線管は、導
電膜よりも抵抗値の低い導電性物が、フェイスパネルの
画面周辺の非有効領域の60%以上を覆うとともに、導
電膜として、1層又は2層以上の光学薄膜による低反射
コートを備え、その抵抗値を5×103[Ω/□]以下とした
ものである。
【0014】この発明の請求項4に係る陰極線管は、フ
ェイス面導電膜より抵抗値の低い導電性物が、フェイス
パネルの画面周辺の非有効領域の80%以上を覆うとと
もに、導電膜として、1層又は2層以上の光学薄膜によ
る低反射コートを備え、その抵抗値を7×103[Ω/□]以
下としたものである。
【0015】この発明の請求項5に係る陰極線管は、導
電性物をフェイス面導電膜より抵抗値の低い導電性テー
プとしたものである。
【0016】この発明の請求項6に係る陰極線管は、導
電性の低反射コートが、光の選択吸収性を有する染料も
しくは顔料を含むものである。
【0017】この発明の請求項7に係る陰極線管は、導
電性の低反射コートが、錫をドープしたインジウム酸化
物(ITO)を含むものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
この発明の実施の形態を説明する。
【0019】図1は、この発明の実施の形態である陰極
線管を示す図であって、同図(A)は、陰極線管を斜め
上方から見たときの模式図、同図(B)は、陰極線管を
正面から見たときの模式図である。
【0020】同図(A)において、ディスプレイモニタ
の表示面となるフェイスパネル10と、電子銃が封止さ
れたファンネル20とがフリット封止されて、陰極線管
を構成している。フェイスパネル10の側面スカート部
11には、防爆特性を保証するための防爆バンド30が
巻きつけられ、図示しないアース(大地)に接地されて
いる。
【0021】同図(B)において、フェイスパネル10
のフェイス面12には、その内面の蛍光膜が電子ビーム
で走査されて画像が映出される。すなわち、フェイス面
12は長方形の有効画面領域12aと、その周辺領域
(非有効領域)12bとに区分されるが、このフェイス
面12には、外部への漏洩電界を遮蔽するために、外側
から全面に導電膜が塗布されている。
【0022】また、フェイスパネル10のフェイス面1
2には、導電膜よりも抵抗値の低い4本の導電性物(例
えば銅箔導電性テープ13等)が、有効画面領域12a
の長辺と短辺に沿った非有効領域12bにそれぞれ帯状
に形成されている。この図1では、銅箔導電性テープ1
3によってフェイス面12の非有効領域12bの60%
を覆った陰極線管を図示している。さらに、これらの銅
箔導電性テープ13をフェイスパネル10の側面スカー
ト部11で防爆バンド30と電気的に接続するように、
両者にまたがって導電性テープ14が貼着されている。
【0023】この実施の形態の陰極線管では、フェイス
パネル10の非有効領域12bに外側から導電膜に重ね
て銅箔導電性テープ13を設け、この銅箔導電性テープ
13を陰極線管の防爆バンド11を介してアースに接地
させている。このため、陰極線管のフェイスパネル10
に形成した導電膜は、この銅箔導電性テープ13によっ
て確実にアースと同電位となり、フェイス面12に生じ
る電磁波に伴う電流は、抵抗値が低い銅箔導電性テープ
13を経由して防爆バンド11に流れやすくなる。した
がって電磁波を効率よくアースに逃がすことができ、陰
極線管のフェイスパネル10から漏洩する電界を低減で
きる。
【0024】また、この陰極線管では、フェイスパネル
10のフェイス面12に抵抗値の大きな導電膜を設ける
ことが可能になるので、ITO微粒子等を含む膜透過率
の高い導電膜を形成できる。したがって、フェイス面1
2に形成されるコーティング膜の膜透過率が従来並にな
るまで、導電膜もしくは他の膜に染料を添加することが
でき、フェイスパネル10に光選択吸収性を持たせるこ
とができる。
【0025】図2は、フェイス面12の非有効領域12
bにおける導電性物13の占有割合を変更したフェイス
パネル10の模式図を示している。
【0026】フェイス面12での銅箔導電性テープ13
の占有率は、各辺における導電性物13の長さを変更し
て調整を行う。銅箔導電性テープ13の導電膜と重なる
部分での幅を変更してもよい。
【0027】同図(A)に示すように、その占有率が低
いときには長辺側(もしくは短辺側)のみに銅箔導電性
テープ13を設けているが、占有率を高くするには、各
辺に導電性物13を付け(同図(B))るとともに、そ
の長さを変えることで銅箔導電性テープ13の占有率を
調整できる。
【0028】
【実施例】以下に、いくつかの具体的な実施例につい
て、図面に基づいて説明する。
【0029】実施例1.銀を主成分とした金属微粒子を
分散して含有するコーティング液を、フェイスパネル1
0を約45℃に温めて、その1層目のコーティング膜
(導電膜)としてスピンコートにより塗布し、このコー
ティング膜を乾燥させた後、2層目のシリカ膜を同様に
スピンコートにより塗布して焼成する。これにより、陰
極線管のフェイスパネル10に低抵抗のコーティング膜
を形成した。このとき、コーティング液中の金属微粒子
の含有量を変更し、フェイス面12の表面抵抗値が0.
9×103[Ω/□]、2.2×103[Ω/□]、3.2×103
/□]である3種類の陰極線管を作製した。
【0030】それぞれ異なる抵抗値の導電膜を有する3
種類の陰極線管に対して、幅20[mm]、長さ240[mm]
の銅箔導電性テープ13(抵抗値0.05[Ω/□])
が、図2(A)に示すように、フェイス面12の非有効
領域12bのうち、有効画面領域12aの長辺方向に沿
って貼られている。また、これら2本の銅箔導電性テー
プ13をフェイスパネル10の側面スカート部で防爆バ
ンドと電気的に接続するように、同様の銅箔導電性テー
プ14を貼着して、フェイスパネル10から放射される
漏洩電界の強度を測定していた。なお、4本の銅箔導電
性テープ14を先にフェイスパネル10に貼着し、これ
ら導電性テープ14のうちフェイスパネル10の上下の
ものとそれぞれ部分的に重なるように銅箔導電性テープ
13を貼り付けている。
【0031】ここで、陰極線管のフェイス面12は長辺
の長さが420[mm]、短辺の長さが320[mm]の長方形
であり、有効画面領域12aの長辺側の非有効領域12
bの幅は25[mm]、短辺側の幅は20[mm]である。した
がって、銅箔導電性テープ13がフェイスパネル10の
非有効領域12bに占める割合(占有率)は約30%で
あって、それぞれの漏洩電界の測定値を図3に△印で示
す。
【0032】また、図1(B)の正面模式図に示すよう
に、導電膜の抵抗値が上記の3種類に異なる陰極線管に
対して、幅20[mm]、長さ320[mm]の銅箔導電性テー
プ13(抵抗値0.05[Ω/□])を有効画面領域12
aの長辺方向に沿って貼り、また幅20[mm]、長さ20
0[mm]のものを有効画面領域12aの短辺方向に沿っ
て、フェイス面12の導電膜と重なる部分の幅が16[m
m]になるように貼り、そのはみ出した余部(幅4[mm]部
分)を防爆バンド30上に貼り付けた。この場合は、銅
箔導電性テープ13がフェイスパネル10の非有効領域
12bに占める割合は約60%となり、それぞれ陰極線
管のフェイスパネルから放射される漏洩電界の測定値
は、図3において□印で示す。
【0033】さらに、図2(B)に示す正面模式図のよ
うに、導電膜の抵抗値が上記の3種類に異なる陰極線管
に対して、幅20[mm]、長さ420[mm]の銅箔導電性テ
ープ13を有効画面領域12aの長辺方向に沿って貼
り、また幅20[mm]、長さ320[mm]の銅箔導電性テー
プ13を有効画面領域12aの短辺方向に沿って、フェ
イス面12の導電膜と重なる部分の幅が16[mm]になる
ように貼り、そのはみ出した余部(幅4[mm]部分)を防
爆バンド30上に貼り付けた。この場合は、銅箔導電性
テープ13でフェイスパネル10の非有効領域12bの
約80%を占めることになる。それぞれ陰極線管のフェ
イスパネルから放射される漏洩電界の測定値を、図3の
×印で示す。
【0034】なお、図4(A),(B)は、従来の陰極
線管を示す正面模式図である。同図(A)のフェイスパ
ネル10では、フェイス面12の上下左右の4つの辺の
中央部と陰極線管の防爆バンドとが銅箔導電性テープ1
4により接続されている。また、同図(B)では、フェ
イス面12の上下の長辺の2ヵ所ずつで、防爆バンドと
銅箔導電性テープ14により接続されている。これらの
従来例では、いずれも銅箔導電性テープのような導電性
物を貼着せず、銅箔導電性テープ14のみを用いて陰極
線管の防爆バンドを介してアースに接地させており、図
3の○は、それぞれフェイス面12の表面抵抗値が0.
9×103[Ω/□]、2.2×103[Ω/□]、3.2×103
/□]である3種類の陰極線管の漏洩電界測定結果であ
る。
【0035】図3における4本の近似曲線は、後に説明
する実施例2における漏洩電界測定結果を含めた、フェ
イス面12の表面抵抗値と漏洩電界強度との関係を示し
ている。図3の破線、一点鎖線、及び二点鎖線は、それ
ぞれ銅箔導電性テープ13がフェイスパネル10の非有
効領域12bに占める割合(占有率)が30%のとき、
占有率が60%のとき、及び占有率が80%のときの漏
洩電界強度の近似曲線である。
【0036】これらの漏洩電界の近似曲線を、従来例の
陰極線管の漏洩電界強度を示す実線と比較するとき、前
述のTCOガイドラインである1.0[V/m]以下に漏洩
電界強度を制御するためには、従来では導電膜の表面抵
抗値を約2×103[Ω/□]以下に設計しなくてはならなか
った。ところが、この実施例1においては、銀を主成分
とした金属微粒子を含有する導電膜の表面抵抗値が2×
103[Ω/□]以上であっても、フェイスパネルの非有効領
域の少なくとも30%を銅箔導電性テープのような導電
性物で覆うだけで、陰極線管のフェイスパネルから放射
される漏洩電界強度を1.0[V/m]以下に制御できるこ
とがわかる。
【0037】また、このとき有効画面領域12aでは、
導電膜として銀を主成分とした金属微粒子を分散して含
有するコーティング膜を用いて、その透過率を82%以
上にできる。なお、図5における細線aは、このコーテ
ィング膜の選択吸収特性を示すスペクトルである。
【0038】実施例2.銀を主成分とした実施例1のも
のに代えて、ITOを分散させたコーティング液を、フ
ェイスパネル10を約45℃に温めて、その1層目のコ
ーティング膜(導電膜)としてスピンコートにより塗布
して乾燥させ、次いでチタン酸化物を分散させたコーテ
ィング液を2層目としてスピンコートで塗布して乾燥さ
せた後、3層目のシリカ膜を同様にスピンコートにより
塗布して焼成する。これにより、陰極線管のフェイスパ
ネル10に低抵抗のコーティング膜を形成した。このと
き、コーティング液中のITOの固形分を変更すること
で、フェイス面12の表面抵抗値が3.3×103[Ω/
□]、4.7×103[Ω/□]、7.1×103[Ω/□]、8.
2×103[Ω/□]である4種類の陰極線管を作製した。
【0039】それぞれ異なる抵抗値の導電膜を有する4
種類の陰極線管に対して、実施例1と同様に、銅箔導電
性テープ13(抵抗値0.05[Ω/□])をそれぞれフ
ェイスパネル10の非有効領域12bに占める割合(占
有率)が30%(図2(A))、60%(図1)、及び
80%(図2(B))となるように貼着し、さらに銅箔
導電性テープ14によって銅箔導電性テープ13をフェ
イスパネル10の側面スカート部で防爆バンドと電気的
に接続した。これらについて、フェイスパネル10から
放射される漏洩電界の強度を測定した結果は、図3に示
す通りである。
【0040】図3からわかるように、フェイスパネルの
非有効領域を覆う導電性物の占有率が大きくなるに従っ
て、導電膜の表面抵抗値を高くしても、陰極線管のフェ
イスパネルから放射される漏洩電界の強度がTCOガイ
ドラインを満足する1.0[V/m]以下に設定できる。す
なわち、導電性物の占有率が60%であれば、導電膜の
表面抵抗値は5×103[Ω/□]であっても、漏洩電界の強
度を1.0[V/m]以下に設定でき、導電性物の占有率が
80%のときには、7×103[Ω/□]の導電膜であっても
TCOガイドラインを満足するように、漏洩電界強度を
低減できる。
【0041】実施例3.実施例1及び実施例2で用いた
陰極線管のフェイスパネルに形成されたコーティング膜
の膜透過率を測定した。図6には、導電膜の材料別の表
面抵抗値と膜透過率との関係を示す。図中の実線は、銀
を主成分とした膜の透過率を、破線はITOを用いた膜
の透過率を表している。
【0042】ITOを用いて、表面抵抗値が3×103
/□]のコーティング膜(膜透過率90%)を形成した場
合に、従来用いていた銀を主成分とするコーティング膜
の膜透過率(82%)に等しくなるまで、コーティング
膜のシリカの層に赤、青、紫及び黄色の4種類の染料を
入れることによって、図5における実線bのスペクトル
で示される選択吸収性を有するコーティング膜を得るこ
とができた。
【0043】この時、実施例1と同様にフェイスパネル
の非有効領域の30%以上を銅箔導電性テープで覆うこ
とによって、陰極線管の漏洩電界強度をTCOガイドラ
インを満足する1.0[V/m]以下に設定できるだけでな
く、従来の金属微粒子を含む導電膜と同等の膜透過率で
あって、さらに選択吸収性を備えるものとなる。
【0044】実施例4.ITOを用いて、表面抵抗値が
7×103[Ω/□]のコーティング膜(膜透過率95%)を
形成した場合に、従来用いていた銀を主成分とするコー
ティング膜の膜透過率(82%)に等しくなるまで、コ
ーティング膜のシリカの層に実施例3よりもさらに多量
の染料を入れることによって、図5における実線cのス
ペクトルで示される選択吸収性を有するコーティング膜
を得ることができた。
【0045】この時、実施例1と同様にフェイスパネル
の非有効領域の80%以上を銅箔導電性テープで覆うこ
とによって、陰極線管の漏洩電界強度を1.0[V/m]以
下に設定できるだけでなく、従来の金属微粒子を含む導
電膜と同等の膜透過率であって、且つ実施例3のものよ
りもさらに選択吸収性が改善される。
【0046】以上では、平滑膜としてコーティング膜に
ついて述べたが、フェイスパネルの最外層にノングレア
処理をした場合でも、漏洩電界強度の低減効果に変わり
はない。また、銅箔導電性テープ13に代えてアルミ箔
などの導電性テープを用いてもよい。
【0047】
【発明の効果】この発明は、以上に説明したように構成
されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0048】請求項1の発明によれば、陰極線管のフェ
イスパネルにおいて、画面周辺の非有効領域の一部の抵
抗値を低下させ、電磁波に伴う電流を流れやすくして、
電磁波を効率よくアースに逃がすようにしたので、陰極
線管フェイスパネルから放射される漏洩電磁波のシール
ド性を向上できる。
【0049】請求項2の発明によれば、フェイスパネル
外表面上の導電膜抵抗値を3×103[Ω/□]以下に設定し
て、輝度やコントラスト性能を低下させずに漏洩電界を
確実に低減させることができる。また、抵抗値に余裕が
できるため、陰極線管のコーティング膜の膜透過率に対
する裕度が広がる。
【0050】請求項3の発明によれば、画面周辺の非有
効領域の60%以上を覆うことにより、フェイスパネル
外表面上の導電膜の抵抗値を5×103[Ω/□]以下に設定
して、輝度やコントラスト性能を低下させずに漏洩電界
を確実に低減させることができる。
【0051】請求項4の発明によれば、画面周辺の非有
効領域の80%以上を覆うことにより、フェイスパネル
外表面上の導電膜の抵抗値を7×103[Ω/□]以下に設定
して、輝度やコントラスト性能を低下させずに漏洩電界
を確実に低減させることができる。
【0052】請求項5の発明によれば、導電性物には、
比較的手に入れやすく抵抗値の低い銅箔やアルミ箔など
の導電性テープを用いることができる。
【0053】請求項6の発明によれば、透過率に裕度が
広がったことで、選択吸収性を持たせることにより、陰
極線管の特性及び機能の向上につなげることができる。
【0054】請求項7の発明によれば、導電材料の固形
分を減少させるだけで、導電膜として貴金属微粒子など
の高価な材料を使う必要がなくなり、容易にコストを低
減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態である陰極線管を示す
図である。
【図2】 図1の導電性物の占有割合を変更したフェイ
スパネルを示す模式図である。
【図3】 フェイス面の表面抵抗値と漏洩電界強度との
関係を示す図である。
【図4】 従来の陰極線管を示す正面模式図である。
【図5】 コーティング膜の選択吸収特性を示すスペク
トル図である。
【図6】 導電膜の材料別の表面抵抗値と膜透過率との
関係を示す図である。
【符号の説明】
10 フェイスパネル、 20 ファンネル、 30
防爆バンド、 11フェイスパネルの側面スカート部、
12 フェイス面、 13 導電性物、14 導電性
テープ、 12a フェイス面の有効画面領域、 12
b フェイス面の非有効領域。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェイスパネル前面から放射される交番
    電界を低減するために、フェイスパネル外表面上に設け
    た導電膜がアースに接地された陰極線管において、 前記導電膜よりも抵抗値の低い導電性物によって、前記
    フェイスパネルの画面周辺の非有効領域の少なくとも3
    0%を覆うとともに、前記導電性物を介して前記導電膜
    がアースに接地されていることを特徴とする陰極線管。
  2. 【請求項2】 フェイスパネルの導電膜として、1層又
    は2層以上の光学薄膜による低反射コートを備え、その
    抵抗値を3×103[Ω/□]以下としたことを特徴とする請
    求項1記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】 前記導電膜よりも抵抗値の低い導電性物
    が、フェイスパネルの画面周辺の非有効領域の60%以
    上を覆うとともに、 前記導電膜として、1層又は2層以上の光学薄膜による
    低反射コートを備え、その抵抗値を5×103[Ω/□]以下
    としたことを特徴とする請求項1記載の陰極線管。
  4. 【請求項4】 フェイス面導電膜より抵抗値の低い導電
    性物が、フェイスパネルの画面周辺の非有効領域の80
    %以上を覆うとともに、 前記導電膜として、1層又は2層以上の光学薄膜による
    低反射コートを備え、その抵抗値を7×103[Ω/□]以下
    としたことを特徴とする請求項1記載の陰極線管。
  5. 【請求項5】 導電性物が、フェイス面導電膜より抵抗
    値の低い導電性テープであることを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれかに記載の陰極線管。
  6. 【請求項6】 導電性の低反射コートが、光の選択吸収
    性を有する染料もしくは顔料を含むことを特徴とする請
    求項2乃至請求項5のいずれかに記載の陰極線管。
  7. 【請求項7】 導電性の低反射コートが、錫をドープし
    たインジウム酸化物(ITO)を含むことを特徴とする
    請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の陰極線管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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