JPH11178260A - 回転電機の円筒形回転子 - Google Patents
回転電機の円筒形回転子Info
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- JPH11178260A JPH11178260A JP34754297A JP34754297A JPH11178260A JP H11178260 A JPH11178260 A JP H11178260A JP 34754297 A JP34754297 A JP 34754297A JP 34754297 A JP34754297 A JP 34754297A JP H11178260 A JPH11178260 A JP H11178260A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】サイリスタ始動時における回転子渦電流損が大
きくならないように、ダンパバーの厚みを最適な値とす
る。 【解決手段】ウェッジ5が回転電機の軸長より短く、複
数のウェッジ5が一つのスロット2内に収めらている場
合、スロット2の全長にわたってウェッジ5の下部に銅
または銅合金のダンパバー4を設け、各スロット2に収
められたダンパバー4の両端をそれぞれ銅合金の短絡環
8に接続し、ダンパバー4の径方向厚みAを1.1mm以
上2.3mm以下の範囲内にする。
きくならないように、ダンパバーの厚みを最適な値とす
る。 【解決手段】ウェッジ5が回転電機の軸長より短く、複
数のウェッジ5が一つのスロット2内に収めらている場
合、スロット2の全長にわたってウェッジ5の下部に銅
または銅合金のダンパバー4を設け、各スロット2に収
められたダンパバー4の両端をそれぞれ銅合金の短絡環
8に接続し、ダンパバー4の径方向厚みAを1.1mm以
上2.3mm以下の範囲内にする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転電機の円筒形回
転子に関するものであり、特に、タービン発電機のよう
にシャフト,界磁極および鉄心を一塊の鍛鋼から製作す
る回転電機の円筒形回転子に関する。
転子に関するものであり、特に、タービン発電機のよう
にシャフト,界磁極および鉄心を一塊の鍛鋼から製作す
る回転電機の円筒形回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】発電機を駆動するタービンは高速の方が
高効率かつ小形であり、一般に火力用のタービン発電機
は2極機となる。したがって、回転子の遠心力が大きく
なるため、タービン発電機の回転子はシャフト,界磁極
および鉄心を一塊の鍛鋼から製作する。したがって、タ
ービン発電機の回転子は電気的に導電性を示すため、非
同期磁界が生じると回転子表面に渦電流が誘発される。
高効率かつ小形であり、一般に火力用のタービン発電機
は2極機となる。したがって、回転子の遠心力が大きく
なるため、タービン発電機の回転子はシャフト,界磁極
および鉄心を一塊の鍛鋼から製作する。したがって、タ
ービン発電機の回転子は電気的に導電性を示すため、非
同期磁界が生じると回転子表面に渦電流が誘発される。
【0003】発電機が発電運転している場合、三相電機
子巻線の負荷状態が各相毎異なる不平衡負荷時には、電
機子電流のアンバランスにより回転子に逆相回転磁界が
発生する。この逆相回転磁界は、出力電圧の角周波数ω
の2倍の角周波数2ωの非同期磁界成分を含んでいる。
このような逆相回転磁界が発生すると、回転子の各導体
部に渦電流が誘起され、回転子の各部の温度が許容範囲
以上に上昇する。
子巻線の負荷状態が各相毎異なる不平衡負荷時には、電
機子電流のアンバランスにより回転子に逆相回転磁界が
発生する。この逆相回転磁界は、出力電圧の角周波数ω
の2倍の角周波数2ωの非同期磁界成分を含んでいる。
このような逆相回転磁界が発生すると、回転子の各導体
部に渦電流が誘起され、回転子の各部の温度が許容範囲
以上に上昇する。
【0004】そこで、このような問題点を解決するた
め、特公昭60−34340 号公報に記載されているように、
塊状鉄心の軸方向に流れる電流を導電性ウェッジを介し
てダンパバーに導くことにより、回転子各部の熱的バラ
ンスを取る方法が提案されている。
め、特公昭60−34340 号公報に記載されているように、
塊状鉄心の軸方向に流れる電流を導電性ウェッジを介し
てダンパバーに導くことにより、回転子各部の熱的バラ
ンスを取る方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、発電
運転時において、非同期回転磁界による渦電流を導電性
ウェッジを介してダンパバーに導くことにより、回転子
各部の熱的バランスをとるもので、逆相耐量の観点から
ダンパバーの厚みを3.0mm より厚くしている。一方、
コンバインドサイクル発電システムに用いられるタービ
ン発電機は400MVA級以下のマシンであり、比較的、
容量が大きくないことから、回転子胴部にはダンパバー
を設けないのが一般的である。しかし、サイリスタ始動
時は発電運転時とは異なるから、回転子の温度上昇を抑
制するためにダンパバーを設ける必要がある。これは以
下の理由による。
運転時において、非同期回転磁界による渦電流を導電性
ウェッジを介してダンパバーに導くことにより、回転子
各部の熱的バランスをとるもので、逆相耐量の観点から
ダンパバーの厚みを3.0mm より厚くしている。一方、
コンバインドサイクル発電システムに用いられるタービ
ン発電機は400MVA級以下のマシンであり、比較的、
容量が大きくないことから、回転子胴部にはダンパバー
を設けないのが一般的である。しかし、サイリスタ始動
時は発電運転時とは異なるから、回転子の温度上昇を抑
制するためにダンパバーを設ける必要がある。これは以
下の理由による。
【0006】コンバインドサイクル発電システムは、ガ
スタービンと、ガスタービンの排気ガスの余熱をボイラ
熱源とする蒸気タービンと、タービン発電機から成り、
ガスタービンと蒸気タービンとタービン発電機は同一軸
上に配置される。コンバインドサイクル発電に用いられ
るタービン発電機は400MVA級以下であるため、7
00MVA級以上の大容量機とは異なり、発電運転時に
おける渦電流による回転子の温度上昇は小さく、一般に
回転子胴部にはダンパバーを設置しない。
スタービンと、ガスタービンの排気ガスの余熱をボイラ
熱源とする蒸気タービンと、タービン発電機から成り、
ガスタービンと蒸気タービンとタービン発電機は同一軸
上に配置される。コンバインドサイクル発電に用いられ
るタービン発電機は400MVA級以下であるため、7
00MVA級以上の大容量機とは異なり、発電運転時に
おける渦電流による回転子の温度上昇は小さく、一般に
回転子胴部にはダンパバーを設置しない。
【0007】サイリスタ始動方式とは、サイリスタ電源
を用いてタービン発電機を可変速の同期電動機として始
動するもので、通常の発電運転時と比較してタービン発
電機が負う負荷は充分小さい。したがって、サイリスタ
始動時においてタービン発電機の電機子巻線に通電する
電流は定格電流の10%以下であるが、低速域では回転
子の冷却効果が小さく、回転子の温度上昇が問題とな
る。
を用いてタービン発電機を可変速の同期電動機として始
動するもので、通常の発電運転時と比較してタービン発
電機が負う負荷は充分小さい。したがって、サイリスタ
始動時においてタービン発電機の電機子巻線に通電する
電流は定格電流の10%以下であるが、低速域では回転
子の冷却効果が小さく、回転子の温度上昇が問題とな
る。
【0008】一般に、容量が大きくなり、発電機の軸長
が長くなると、熱伸びによる諸現象を緩和するため、回
転子ウェッジは軸長に対して充分短い、いわゆる短尺ウ
ェッジが使用される。このように、短尺ウェッジを軸方
向に並べてスロット内の界磁巻線を保持する場合、短尺
ウェッジ間の隙間は通常1mmより小さいが、渦電流回路
としては不完全であり、渦電流はウェッジ間の切れ目を
流れることができない。したがって、このウェッジの切
れ目においてウェッジに流れていた渦電流が回転子ティ
ース部に回り込まないようにするため、ダンパバーを設
置して渦電流損が大きくならないようにする必要があ
る。
が長くなると、熱伸びによる諸現象を緩和するため、回
転子ウェッジは軸長に対して充分短い、いわゆる短尺ウ
ェッジが使用される。このように、短尺ウェッジを軸方
向に並べてスロット内の界磁巻線を保持する場合、短尺
ウェッジ間の隙間は通常1mmより小さいが、渦電流回路
としては不完全であり、渦電流はウェッジ間の切れ目を
流れることができない。したがって、このウェッジの切
れ目においてウェッジに流れていた渦電流が回転子ティ
ース部に回り込まないようにするため、ダンパバーを設
置して渦電流損が大きくならないようにする必要があ
る。
【0009】しかし、ダンパバーを設置すると、その分
だけ回転子スロットが深くなり、磁気飽和が大きくなる
ため、できるだけダンパバーの厚みは薄くした方がよ
い。そこで、サイリスタ始動時における最適なダンパバ
ーの厚みを検討した結果、ダンパバーの厚みを現行より
薄くしてもダンパバーの損失はほとんど変わらず、ダン
パバーを3.0mm 以上にする必要性がないことを見い出
した。
だけ回転子スロットが深くなり、磁気飽和が大きくなる
ため、できるだけダンパバーの厚みは薄くした方がよ
い。そこで、サイリスタ始動時における最適なダンパバ
ーの厚みを検討した結果、ダンパバーの厚みを現行より
薄くしてもダンパバーの損失はほとんど変わらず、ダン
パバーを3.0mm 以上にする必要性がないことを見い出
した。
【0010】本発明の目的は、渦電流による回転子の温
度上昇ができるだけ高くならないようにダンパバーを薄
くして、その分だけ回転子スロットを浅くし、磁気飽和
の小さい回転電機の円筒形回転子を提供することにあ
る。
度上昇ができるだけ高くならないようにダンパバーを薄
くして、その分だけ回転子スロットを浅くし、磁気飽和
の小さい回転電機の円筒形回転子を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、円筒形の回転子鉄心と該回転子鉄心の外
周側に切られたスロット内に収納された界磁巻線と該界
磁巻線を該スロット内に保持するウェッジとを備え、該
ウェッジが回転電機の軸長より短く、複数の該ウェッジ
が一つのスロット内に収められた回転電機の円筒形回転
子において、前記スロットの全長にわたって前記ウェッ
ジの下部に銅または銅合金のダンパバーを設け、各スロ
ットに収められた該ダンパバーの両端をそれぞれ銅合金
の短絡環に接続し、該ダンパバーの径方向厚みを1.1m
m以上2.3mm以下の範囲内にしたことを特徴とするもの
である。
に、本発明は、円筒形の回転子鉄心と該回転子鉄心の外
周側に切られたスロット内に収納された界磁巻線と該界
磁巻線を該スロット内に保持するウェッジとを備え、該
ウェッジが回転電機の軸長より短く、複数の該ウェッジ
が一つのスロット内に収められた回転電機の円筒形回転
子において、前記スロットの全長にわたって前記ウェッ
ジの下部に銅または銅合金のダンパバーを設け、各スロ
ットに収められた該ダンパバーの両端をそれぞれ銅合金
の短絡環に接続し、該ダンパバーの径方向厚みを1.1m
m以上2.3mm以下の範囲内にしたことを特徴とするもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて詳細に説明する。
いて詳細に説明する。
【0013】図1に本発明の一実施例を示す回転電機の
円筒形回転子断面について、図2に本発明に関わる回転
電機の円筒形回転子について、図3に本発明に関わるダ
ンパバーに流れる渦電流、図4に本発明に関わる渦電流
の流れについて示す。
円筒形回転子断面について、図2に本発明に関わる回転
電機の円筒形回転子について、図3に本発明に関わるダ
ンパバーに流れる渦電流、図4に本発明に関わる渦電流
の流れについて示す。
【0014】回転電機は固定子(図示せず)と回転子1
から成り、円筒形の回転子1は機械的強度が強く、風損
が小さいことから、蒸気タービンやガスタービンで駆動
されるタービン発電機に用いられる。
から成り、円筒形の回転子1は機械的強度が強く、風損
が小さいことから、蒸気タービンやガスタービンで駆動
されるタービン発電機に用いられる。
【0015】タービン発電機の円筒形回転子1は主軸,
界磁極および鉄心など全部を一塊の鍛鋼で作るのが最も
一般的な方法で、磁性材の高張力合金鋼が用いられる。
この円筒形回転子1の鉄心部にスロット2が放射状に切
ってあり、スロット2の内部に界磁巻線3をおさめ、界
磁巻線3が飛び出さないようにウェッジ5で固定してい
る。また、界磁巻線3の端部をおさえるために保持環9
が設けられている。
界磁極および鉄心など全部を一塊の鍛鋼で作るのが最も
一般的な方法で、磁性材の高張力合金鋼が用いられる。
この円筒形回転子1の鉄心部にスロット2が放射状に切
ってあり、スロット2の内部に界磁巻線3をおさめ、界
磁巻線3が飛び出さないようにウェッジ5で固定してい
る。また、界磁巻線3の端部をおさえるために保持環9
が設けられている。
【0016】発電機を駆動するタービンは高速の方が高
効率かつ小形であり、一般に火力用のタービン発電機は
2極機となる。したがって、回転速度は60Hz用で36
00rpm 、50Hz用で3000rpm であり、周辺速度が
大きくなるため、回転子直径は1100mm程度に制限さ
れ、軸方向に長い構造となる。軸長が長くなると、熱伸
びによる諸現象を緩和するため、回転子ウェッジ5は軸
長に対して十分短い、いわゆる短尺ウェッジが使用され
る。
効率かつ小形であり、一般に火力用のタービン発電機は
2極機となる。したがって、回転速度は60Hz用で36
00rpm 、50Hz用で3000rpm であり、周辺速度が
大きくなるため、回転子直径は1100mm程度に制限さ
れ、軸方向に長い構造となる。軸長が長くなると、熱伸
びによる諸現象を緩和するため、回転子ウェッジ5は軸
長に対して十分短い、いわゆる短尺ウェッジが使用され
る。
【0017】一般に、ウェッジ5の材料は鋼またはアル
ミ合金が用いられ、ダンパバー4は銅または銅合金が用
いられる。また、渦電流10は高調波磁束によって生じ
るが、磁束の変化が速くなると渦電流10の周波数が高
くなり、回転子1の表面に集中する。すなわち、図4に
示したようにウェッジ5に流れる渦電流とダンパバー4
に流れる渦電流をそれぞれ渦電流10A、渦電流10B
とすると、ウェッジ5よりもダンパバー4の方が導電率
が高いにも関わらず、周波数が高くなるほど渦電流10
Aの方が渦電流10Bより大きくなる。
ミ合金が用いられ、ダンパバー4は銅または銅合金が用
いられる。また、渦電流10は高調波磁束によって生じ
るが、磁束の変化が速くなると渦電流10の周波数が高
くなり、回転子1の表面に集中する。すなわち、図4に
示したようにウェッジ5に流れる渦電流とダンパバー4
に流れる渦電流をそれぞれ渦電流10A、渦電流10B
とすると、ウェッジ5よりもダンパバー4の方が導電率
が高いにも関わらず、周波数が高くなるほど渦電流10
Aの方が渦電流10Bより大きくなる。
【0018】先に述べたように短尺ウェッジ5を軸方向
に並べて、スロット内の界磁巻線3を保持する場合、発
電機機内に非同期磁界が生じて回転子表面に渦電流10
が流れると、短尺ウェッジ5の切れ目においてウェッジ
5に流れていた渦電流10Aは、主にダンパバー4に回
り込み、特定の箇所に集中する。すなわち、図4に示し
たように渦電流10Aは流れ、ダンパバー4より導電率
の低い回転子ティース6に回り込む渦電流10Aは僅か
である。つまり、渦電流10は回転子表面に集中するた
め、主にウェッジ5に流れるが、ウェッジ5の切れ目の
ように渦電流10が回り込む際には、抵抗の小さいダン
パバー4に集中する。
に並べて、スロット内の界磁巻線3を保持する場合、発
電機機内に非同期磁界が生じて回転子表面に渦電流10
が流れると、短尺ウェッジ5の切れ目においてウェッジ
5に流れていた渦電流10Aは、主にダンパバー4に回
り込み、特定の箇所に集中する。すなわち、図4に示し
たように渦電流10Aは流れ、ダンパバー4より導電率
の低い回転子ティース6に回り込む渦電流10Aは僅か
である。つまり、渦電流10は回転子表面に集中するた
め、主にウェッジ5に流れるが、ウェッジ5の切れ目の
ように渦電流10が回り込む際には、抵抗の小さいダン
パバー4に集中する。
【0019】700MVA級以上のタービン発電機では
ウェッジ5の下部にダンパバー4を設けるが、コンバイ
ンドサイクル発電設備に用いられる400MVA級のタ
ービン発電機にはダンパバー4を設けないのが一般的で
ある。これは、容量が小さければ発電機に流入する非同
期磁界成分も小さく、回転子の温度上昇が比較的問題と
ならないからである。
ウェッジ5の下部にダンパバー4を設けるが、コンバイ
ンドサイクル発電設備に用いられる400MVA級のタ
ービン発電機にはダンパバー4を設けないのが一般的で
ある。これは、容量が小さければ発電機に流入する非同
期磁界成分も小さく、回転子の温度上昇が比較的問題と
ならないからである。
【0020】しかし、サイリスタ始動時は通常の発電運
転時とは異なり、可変速運転であるため、低速域では冷
却効果が小さく、回転子の温度上昇が問題となる。した
がって、ダンパバー4を設けることによりウェッジ5の
切れ目において渦電流10がティース6に回り込まない
ようにして、渦電流10による損失の発生を抑制する必
要がある。
転時とは異なり、可変速運転であるため、低速域では冷
却効果が小さく、回転子の温度上昇が問題となる。した
がって、ダンパバー4を設けることによりウェッジ5の
切れ目において渦電流10がティース6に回り込まない
ようにして、渦電流10による損失の発生を抑制する必
要がある。
【0021】サイリスタ始動時は低速域での冷却効果が
小さいため回転子の温度上昇が問題となるが、渦電流1
0の値は発電運転時の値と比較して十分小さいため、7
00MVA級以上のマシンに用いられるダンパバーの厚
みとは最適値が異なると考えられる。
小さいため回転子の温度上昇が問題となるが、渦電流1
0の値は発電運転時の値と比較して十分小さいため、7
00MVA級以上のマシンに用いられるダンパバーの厚
みとは最適値が異なると考えられる。
【0022】図3はダンパバーの厚みAを変えたときの
ダンパバー4に流れる渦電流10をウェッジ5の切れ目
(図4のB点)において計算および実測したものであ
る。なお、この結果は、サイリスタ始動時の運転条件に
合った電機子電流と界磁電流を入力したときの結果であ
り、ダンパバーの厚みが3.0mm のときの渦電流10の
値を基準にして、相対値表示している。
ダンパバー4に流れる渦電流10をウェッジ5の切れ目
(図4のB点)において計算および実測したものであ
る。なお、この結果は、サイリスタ始動時の運転条件に
合った電機子電流と界磁電流を入力したときの結果であ
り、ダンパバーの厚みが3.0mm のときの渦電流10の
値を基準にして、相対値表示している。
【0023】図からわかるように、ダンパバー4の厚み
Aが2.3mm より厚くなっても、ダンパバー4に流れる
渦電流10はほぼ一定である。この理由は、渦電流10
Aがウェッジ5の間の1.0mm より狭い微小な隙間Cを
回り込む際、渦電流10Aのパスが短くなるように流れ
ることから、ダンパバー4においてウェッジ5寄り(回
転子1の外径側)の電流密度が高く、回転子1の内径側
の電流密度が低くなることによると考えられる。すなわ
ち、ダンパバー4の厚みAを2.3mm より厚くしても、
ダンパバー4の回転子内径側にはほとんど渦電流10A
は流れないことを見い出した。
Aが2.3mm より厚くなっても、ダンパバー4に流れる
渦電流10はほぼ一定である。この理由は、渦電流10
Aがウェッジ5の間の1.0mm より狭い微小な隙間Cを
回り込む際、渦電流10Aのパスが短くなるように流れ
ることから、ダンパバー4においてウェッジ5寄り(回
転子1の外径側)の電流密度が高く、回転子1の内径側
の電流密度が低くなることによると考えられる。すなわ
ち、ダンパバー4の厚みAを2.3mm より厚くしても、
ダンパバー4の回転子内径側にはほとんど渦電流10A
は流れないことを見い出した。
【0024】更に、ダンパバー4が1.1mm より薄くな
ると急激にダンパバー4に流れる渦電流10が小さくな
る。すなわち、ダンパバー4を1.1mm より薄くすると
渦電流10Aがウェッジ5の切れ目を回り込むのに必要
なダンパバー厚みAを満たさないため、ティース6に迂
回して流れる分が大きくなる。
ると急激にダンパバー4に流れる渦電流10が小さくな
る。すなわち、ダンパバー4を1.1mm より薄くすると
渦電流10Aがウェッジ5の切れ目を回り込むのに必要
なダンパバー厚みAを満たさないため、ティース6に迂
回して流れる分が大きくなる。
【0025】したがって、サイリスタ始動方式により駆
動されるタービン発電機のダンパバー4の厚みAを1.
1mm以上,2.3mm以下にするのがよいことを見い出し
た。ダンパバー4の厚みAを1.1mm以上2.3mm以下と
すれば、渦電流10による回転子の温度上昇は、通常用
いられるダンパバーの厚み3.0mm 以上の場合と同等で
あり、ダンパバー4を薄くした分、回転子スロット2を
浅くできるから、回転子1の鉄心部が大きくなり、磁気
飽和を小さくすることができる。更にダンパバー4を薄
くした分だけダンパバーの重量が軽くなり、ウェッジ5
にかかる遠心力が小さくなるから、ウェッジ5の径方向
厚みを薄くすることができる。
動されるタービン発電機のダンパバー4の厚みAを1.
1mm以上,2.3mm以下にするのがよいことを見い出し
た。ダンパバー4の厚みAを1.1mm以上2.3mm以下と
すれば、渦電流10による回転子の温度上昇は、通常用
いられるダンパバーの厚み3.0mm 以上の場合と同等で
あり、ダンパバー4を薄くした分、回転子スロット2を
浅くできるから、回転子1の鉄心部が大きくなり、磁気
飽和を小さくすることができる。更にダンパバー4を薄
くした分だけダンパバーの重量が軽くなり、ウェッジ5
にかかる遠心力が小さくなるから、ウェッジ5の径方向
厚みを薄くすることができる。
【0026】先に述べたように、ウェッジ5は一般にア
ルミ合金または鋼で形成されるが、アルミ合金および鋼
より導電率の高い銅を用いれば、ウェッジ5の渦電流損
を小さくすることができる。しかし、ウェッジ5は高回
転領域において、スロット2内に界磁巻線3を保持しな
ければならないため、高い強度が要求される。銅は機械
的な強度に問題があるため、銅に何らかの材料を添加し
て強度を高くする必要がある。
ルミ合金または鋼で形成されるが、アルミ合金および鋼
より導電率の高い銅を用いれば、ウェッジ5の渦電流損
を小さくすることができる。しかし、ウェッジ5は高回
転領域において、スロット2内に界磁巻線3を保持しな
ければならないため、高い強度が要求される。銅は機械
的な強度に問題があるため、銅に何らかの材料を添加し
て強度を高くする必要がある。
【0027】Crを添加すると、400℃〜600℃の
時効処理によって金属Cr微粒子を析出し、合金の強度
が高められる。Crが0.4% 未満では析出が少なく強
度が不十分であり、1.0% を超えると強度が飽和す
る。Crを添加すると銅合金の導電率が低下するため、
Crの添加量は重量含有量で0.4〜1.0%の範囲がよ
い。
時効処理によって金属Cr微粒子を析出し、合金の強度
が高められる。Crが0.4% 未満では析出が少なく強
度が不十分であり、1.0% を超えると強度が飽和す
る。Crを添加すると銅合金の導電率が低下するため、
Crの添加量は重量含有量で0.4〜1.0%の範囲がよ
い。
【0028】Zrを添加すると、300℃〜600℃の
時効処理によってCu3Zr の微粒子が析出され、その
結果、合金の強度が高められる。Zrが0.01% 未満
では析出が少なく強度が不十分であり、0.3% を超え
ると強度が飽和する。Zrを添加すると銅合金の導電率
が低下するため、Zrの添加量は重量含有量で0.01〜
0.3%の範囲がよい。
時効処理によってCu3Zr の微粒子が析出され、その
結果、合金の強度が高められる。Zrが0.01% 未満
では析出が少なく強度が不十分であり、0.3% を超え
ると強度が飽和する。Zrを添加すると銅合金の導電率
が低下するため、Zrの添加量は重量含有量で0.01〜
0.3%の範囲がよい。
【0029】したがって、CuCr合金、CuZr合金
およびCuCrZr合金をウェッジ材として用いると共
に、ダンパバー4の厚みAを1.1mm以上2.3mm以下と
すれば、ダンパバー4における渦電流損はダンパバーの
厚みを3.0mm 以上とした場合と同等であり、ウェッジ
5における渦電流損はアルミ合金および鋼ウェッジの場
合と比較して小さくなる。また、ダンパバー4を薄くし
た分、回転子スロット2を浅くできるから、回転子1の
鉄心部が大きくなり、磁気飽和を小さくすることができ
る。更にダンパバー4を薄くした分だけダンパバーの重
量が軽くなり、ウェッジ5にかかる遠心力が小さくなる
から、ウェッジ5の径方向厚みを薄くすることができ
る。
およびCuCrZr合金をウェッジ材として用いると共
に、ダンパバー4の厚みAを1.1mm以上2.3mm以下と
すれば、ダンパバー4における渦電流損はダンパバーの
厚みを3.0mm 以上とした場合と同等であり、ウェッジ
5における渦電流損はアルミ合金および鋼ウェッジの場
合と比較して小さくなる。また、ダンパバー4を薄くし
た分、回転子スロット2を浅くできるから、回転子1の
鉄心部が大きくなり、磁気飽和を小さくすることができ
る。更にダンパバー4を薄くした分だけダンパバーの重
量が軽くなり、ウェッジ5にかかる遠心力が小さくなる
から、ウェッジ5の径方向厚みを薄くすることができ
る。
【0030】また、大形機になると遠心力が大きくなる
と同時に、軸長が長くなり熱膨張,収縮も大きくなるの
で、ダンパバー4および端絡環8に銅ではなくクリープ
特性のよい銀入銅を使用すれば信頼性が高くなる。
と同時に、軸長が長くなり熱膨張,収縮も大きくなるの
で、ダンパバー4および端絡環8に銅ではなくクリープ
特性のよい銀入銅を使用すれば信頼性が高くなる。
【0031】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、ダンパ
バーにおける渦電流損を大きくすることなくダンパバー
を薄くすることができるため、回転子の温度上昇を抑制
することができると共に、回転子スロットを浅くするこ
とができる。その結果、回転子の鉄心部が大きくなるた
め、回転子の磁気飽和を小さくすることができる。
バーにおける渦電流損を大きくすることなくダンパバー
を薄くすることができるため、回転子の温度上昇を抑制
することができると共に、回転子スロットを浅くするこ
とができる。その結果、回転子の鉄心部が大きくなるた
め、回転子の磁気飽和を小さくすることができる。
【図1】本発明の一実施例を示す回転電機の円筒形回転
子の断面図。
子の断面図。
【図2】本発明に関わる回転電機の円筒形回転子の概略
図。
図。
【図3】本発明に関わるダンパバーの厚みと渦電流の関
係を示す特性図。
係を示す特性図。
【図4】本発明に関わる渦電流の流れの模式図。
1…回転子、2…回転子スロット、3…界磁巻線、4…
ダンパバー、5…回転子ウェッジ、6…ティース、7…
界磁極、8…端絡環、9…保持環、10…渦電流。
ダンパバー、5…回転子ウェッジ、6…ティース、7…
界磁極、8…端絡環、9…保持環、10…渦電流。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 誉延 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 宮川 家導 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 八木 恭臣 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内
Claims (3)
- 【請求項1】円筒形の回転子鉄心と該回転子鉄心の外周
側に切られたスロット内に収納された界磁巻線と該界磁
巻線を該スロット内に保持するウェッジとを備え、該ウ
ェッジが回転電機の軸長より短く、複数の該ウェッジが
一つのスロット内に収められた回転電機の円筒形回転子
において、前記スロットの全長にわたって前記ウェッジ
の下部に銅または銅合金のダンパバーを設け、各スロッ
トに収められた該ダンパバーの両端をそれぞれ銅合金の
短絡環に接続し、該ダンパバーの径方向厚みを1.1mm
以上2.3mm以下の範囲内にしたことを特徴とする回転
電機の円筒形回転子。 - 【請求項2】円筒形の回転子鉄心と該回転子鉄心の外周
側に切られたスロット内に収納された界磁巻線と該界磁
巻線を該スロット内に保持するウェッジとを備え、該ウ
ェッジが回転電機の軸長より短く、複数の該ウェッジが
一つのスロット内に収められた回転電機の円筒形回転子
において、前記ウェッジを銅合金で形成し、前記スロッ
トの全長にわたって該ウェッジの下部に銅または銅合金
のダンパバーを設け、各スロットに収められた該ダンパ
バーの両端をそれぞれ銅合金の短絡環に接続し、該ダン
パバーの径方向厚みを1.1mm以上2.3mm以下の範囲内
にしたことを特徴とする回転電機の円筒形回転子。 - 【請求項3】前記ダンパバーを銀入銅としたことを特徴
とする請求項1および請求項2記載の回転電機の円筒形
回転子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34754297A JPH11178260A (ja) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | 回転電機の円筒形回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34754297A JPH11178260A (ja) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | 回転電機の円筒形回転子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11178260A true JPH11178260A (ja) | 1999-07-02 |
Family
ID=18390938
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34754297A Pending JPH11178260A (ja) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | 回転電機の円筒形回転子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11178260A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103501083A (zh) * | 2013-10-15 | 2014-01-08 | 湘潭电机股份有限公司 | 一种实心磁极凸极同步电动机阻尼环与极靴的连接结构 |
-
1997
- 1997-12-17 JP JP34754297A patent/JPH11178260A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103501083A (zh) * | 2013-10-15 | 2014-01-08 | 湘潭电机股份有限公司 | 一种实心磁极凸极同步电动机阻尼环与极靴的连接结构 |
| CN103501083B (zh) * | 2013-10-15 | 2015-12-23 | 湘潭电机股份有限公司 | 一种实心磁极凸极同步电动机阻尼环与极靴的连接结构 |
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