JPH11180319A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置

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JPH11180319A
JPH11180319A JP35646897A JP35646897A JPH11180319A JP H11180319 A JPH11180319 A JP H11180319A JP 35646897 A JP35646897 A JP 35646897A JP 35646897 A JP35646897 A JP 35646897A JP H11180319 A JPH11180319 A JP H11180319A
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current
motor
steering
duty ratio
control means
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JP35646897A
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Satoshi Chin
慧 陳
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 全電流領域において、電流フィードバック制
御系を有する電流ループのローパスフィルタ特性を、異
なるデューティ比の駆動方法によって電流対デューティ
比のゲインの変化にかかわらず一定に保つことができる
電動パワーステアリング装置の制御装置を提供する。 【解決手段】 半導体素子4個のHブリッジ回路の入力
端子間に電源を接続した構成で、モータ駆動回路と、H
ブリッジ回路の互いに対向する2つのアームを構成する
2個1組の半導体素子のうち、第1のアームの半導体素
子を電流制御値に基づいて決定される第1のデューティ
比のPWM信号で駆動し、第2のアームの半導体素子を
第2のデューティ比のPWM信号で駆動する駆動制御手
段とで構成し、モータ電流対第1及び第2のデューティ
比のPWM信号のゲインの変化に応じて、予め定義した
電流ループ周波数特性を得られるように、モータ電流制
御手段のパラメータを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動パワーステアリ
ング装置の制御装置、特にモータ駆動回路をHブリッジ
回路で構成した場合のモータ電流制御手段の構成に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両用の電動パワーステアリング装置
は、操向ハンドルの操作によりステアリングシャフトに
発生する操舵トルクと車速を検出し、その検出信号に基
づいて操舵補助指令値を算出し、算出された操舵補助指
令値に応じてモータを駆動して操向ハンドルの操舵力を
補助するものであり、操舵補助指令値の算出や操舵補助
指令値に基づくモータの制御には、マイクロコンピュー
タを含む電子制御回路が使用されている。
【0003】このような電動式パワーステアリング装置
では、図4に示すように、4個の電界効果型トランジス
タFET1〜FET4をブリッジに接続して第1及び第
2の2つのアームを備えたHブリッジ回路を構成し、そ
の入力端子間に電源Vを、出力端子間にモータMを接続
したモータ制御回路が使用されている。そして、モータ
制御回路を構成するHブリッジ回路の互いに対向する2
つのアームを構成する2個1組のFETのうち、第1の
アームのFET1(或いは第2のアームのFET2)を
電流制御値に基づいて決定されるデューティ比DのPW
M信号(パルス幅変調信号)で駆動することにより、モ
ータ電流の大きさが制御される。
【0004】また、電流制御値の符号に基づいて第2の
アームのFET3をON、第1のアームのFET4をO
FF(或いは第2のアームのFET3をOFF、第1の
アームのFET4をON)に制御することにより、モー
タMの回転方向が制御される。FET3が導通状態にあ
るときは、電流はFET1、モータM及びFET3を経
て流れ、モータMに正方向の電流が流れる。また、第2
のアームのFET4が導通状態にあるときは、電流はF
ET2、モータM及びFET4を経て流れ、モータMに
負方向の電流が流れる。かかるモータ制御回路は、同一
アーム上のFETが同時に駆動されることがないので、
アームが短絡される可能性が低く信頼性が高いため、広
く利用されている(例えば特公平5−10270号公報
参照)。
【0005】図5は、モータ電流I(モータMに実際に
流れる電流であり、電流検出値iとは異なる)とPWM
信号のデューティ比Dとの関係を示すものである。即
ち、操向ハンドルが操作されて操舵トルクが発生してい
る状態では、モータ電流Iとデューティ比Dとの関係
は、図5の特性(a)で示すように変化し、制御回路に
おいて操舵トルクの検出信号に基づいてモータMの制御
目標値である操舵補助指令値Ifefが演算され、操舵
補助指令値IrefとフィードバックされるモータMの
電流検出値iとの差である電流制御値Eがモータ駆動回
路に入力されるから、モータ駆動回路のFETを制御す
るデューティ比Dはある値をとり、格別の支障は生じな
い。
【0006】しかしながら、操向ハンドルを切った後、
セルフアラインメントトルクにより操向ハンドルが直進
走行位置に戻るとき(以下、「ハンドル戻り時」とい
う)は、操舵トルクが発生していない状態にあるため、
モータMの制御目標値である操舵補助指令値Irefは
零となるが、モータMに逆起電力が発生するため、モー
タ電流Iとデューティ比Dとの関係は図5の特性(b)
で示すように逆起電力に相当するだけ上方にシフトし、
デューティ比Dの値が零の付近でモータ電流Iとデュー
ティ比Dとの関係に不連続部分が生じる。一方、フィー
ドバック制御回路は電流制御値Eを演算しようとする
が、操舵補助指令値Irefに対応するデューティ比D
がないため、図5の特性(c)で示すようにモータ電流
Iの不連続部分にほぼ対応した振幅の振動電流が電流制
御値Eとして出力される。
【0007】このような振動電流の発生は雑音の発生源
となるほか、フィードバック制御の安定性を阻害する原
因ともなるので、その対策として本出願人により以下の
ような装置が提案されている。図6はかかる電動パワー
ステアリング装置の構成の概略を説明する図で、操向ハ
ンドル1の軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント
4a、4b、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタ
イロッド6に結合されている。軸2には、操向ハンドル
1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられ
ており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20
がクラッチ21、減速ギア3を介して軸2に結合されて
いる。
【0008】パワーステアリング装置を制御するコント
ロールユニット30には、バッテリ14からイグニショ
ンキー11を経て電力が供給され、コントロールユニッ
ト30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクT
と車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてアシ
スト指令の操舵補助指令値Irefの演算を行ない、演
算された操舵補助指令値Irefに基づいてモータ20
に供給する電流を制御する。クラッチ21はコントロー
ルユニット30でON/OFF制御され、通常の動作状
態ではON(結合)されている。そして、コントロール
ユニット30によりパワーステアリング装置が故障と判
断された時、及びイグニションキー11によりバッテリ
14の電源がOFFとなっている時に、クラッチ21は
OFF(切離)される。
【0009】コントロールユニット30は主としてCP
Uで構成されるが、そのCPU内部においてプログラム
で実行される一般的な機能は図7のようになっている。
トルクセンサ10で検出されて入力される操舵トルクT
は、操舵系の安定性を高めるために位相補償器31で位
相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助
指令値演算器32に入力される。又、車速センサ12で
検出された車速Vも操舵補助指令値演算器32に入力さ
れる。操舵補助指令値演算器32は、入力された操舵ト
ルクTA及び車速Vに基づいてモータ20に供給する電
流の制御目標値である操舵補助指令値Irefを決定
し、操舵補助指令値演算器32にはメモリ33が付設さ
れている。メモリ33は車速Vをパラメータとして操舵
トルクに対応する操舵補助指令値Iを格納しており、操
舵補助指令値演算器32による操舵補助指令値Iref
の演算に使用される。操舵補助指令値Irefは減算器
30Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフ
ィードフォワード系の微分補償器34に入力され、減算
器30Aの偏差(Iref−i)は比例演算器35に入
力され、その比例出力は加算器30Bに入力されると共
にフィードバック系の特性を改善するための積分演算器
36に入力される。微分補償器34及び積分補償器36
の出力も加算器30Bに加算入力され、加算器30Bで
の加算結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号とし
てモータ駆動回路37に入力される。モータ20のモー
タ電流値iはモータ電流検出回路38で検出され、モー
タ電流値iは減算器30Aに入力されてフィードバック
される。
【0010】モータ駆動回路37の構成例を図8に示し
て説明すると、モータ駆動回路37は加算器30Bから
の電流制御地位Eに基づいて電界効果トランジスタ(F
ET)FET1〜FET4の各ゲートを駆動するFET
ゲート駆動回路371、FET1〜FET4で成るHブ
リッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を駆
動する昇圧電源372等で構成されている。FET1及
びFET2は、電流制御値Eに基づいて決定されるデュ
ーティ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってO
N/OFFされ、実際にモータに流れる電流Iの大きさ
が制御される。FET3及びFET4は、デューティ比
D1の小さい領域では所定1次関数式(a,bを定数と
してD2=a・D1+b)で定義されるデューティ比D
2のPWM信号で駆動され、デューティ比D1の大きい
領域ではPWM信号の符号により決定されるモータの回
転方向に応じてON/OFFされる。たとえばFET3
が導通状態にあるときは、電流はFET1、モータ2
0、FET3、抵抗R1を経て流れ、モータ20に正方
向の電流が流れる。又、FET4が導通状態にあるとき
は、電流はFET2、モータ20、FET4、抵抗R2
を経て流れ、モータ20に負方向の電流が流れる。従っ
て、加算器30Bからの電流制御値EもPWM出力とな
っている。又、モータ電流検出回路38は抵抗R1の両
端における電圧降下に基づいて負方向の電流の大きさを
検出する。モータ電流検出回路38で検出されたモータ
電流値iは、減算器30Aに入力されてフィードバック
される。
【0011】上述したように、操向ハンドル1を切った
後、セルフアラインメントトルクにより操向ハンドルが
自動的に直進走行位置に戻るハンドル戻り時には、モー
タ電流Iとデューティ比Dとの関係は、図5の特性
(b)で示すように逆起電力に相当するだけ上方にシフ
トする。即ち、デューティ比Dの値が零の付近でモータ
電流Iとデューティ比Dとの間に不連続部分が生じ、不
連続部分にほぼ対応した振幅の振動電流が電流制御値E
として出力され、雑音の発生源となるほか、フィードバ
ック制御の安定性を阻害する原因ともなる。この対策と
して、モータ電流Iとデューティ比Dとの間の不連続部
分を連続させるように制御する。即ち、図9に示すよう
に、ハンドル戻り時におけるモータ電流Iとデューティ
比Dとの関係を示す特性(b)の上で、デューティ比D
=γのときのモータ電流Iを示すP点と原点0との間を
連続するように、モータ電流Iとデューティ比Dとの関
係を制御する。ここで、FET3(又はFET4)を、
PWM信号の符号により決定されるモータ20の回転方
向に応じてON(又はOFF)に維持する制御をせず、
FET1(又はFET2)と同時に、且つ異なるデュー
ティ比Dで駆動する。
【0012】図10はFET1及びFET3を同時に、
且つ異なるデューティ比で駆動した場合の動作を説明す
る図であり、また、図11はFETの動作状態とモータ
端子間電圧VM、モータ端子間電圧VMからモータ逆起
電力K・ωの影響を差し引いた値Ri、及びモータ電
流Iの関係を説明する図である。
【0013】今、FET1をデューティ比D1で駆動す
ると共に、FET3をFET1のデューティ比D1より
も大きい(時間的に長い)デューティ比D2で駆動し、
FET2及びFET4は共にOFFに維持するものとす
る。図11の(A)及び(B)はFET1及びFET3
の時間に対するON/OFFの状態を示している。この
とき、モータ端子間電圧VMは図11の(C)のように
変化する。即ち、FET1及びFET3が共にON(こ
の状態をモードAと呼ぶ)のときは、モータ20の端子
間にはバッテリ電圧Vbが印加される。次に、FET1
がOFFでFET3がON(この状態をモードBと呼
ぶ)のときは、モータ20の端子間電圧VMは零とな
る。さらに、FET1及びFET3が共にOFF(この
状態をモードCと呼ぶ)のときは、モータ20の端子間
には負方向のバッテリ電圧−Vbが印加される。即ち、
モードCでは、FET1及びFET3が共にOFFであ
るため、モータ20には図10(B)で示すように、抵
抗R2→FET4の回生ダイオードDT4→モータ20
→FET2の回生ダイオードDT2→電源に至る電流回
路が形成され、モータ20の端子間電圧VMは負方向の
バッテリ電圧−Vbとなる。
【0014】FET1及びFET3を同時に、且つ異な
るデューティ比で駆動してモータ電流が平衡状態になっ
たとき、PWM信号の周期がモータ20の電気的時定数
に比較して十分に短い場合には、モータ電流Iは近似的
に以下の数1により表わすことができる。
【0015】
【数1】 I={(D1+D2−1)・Vb/R}−K・ω/R 但し、D1,D2はデューティ比、Rはモータ端子間抵
抗、Kはモータ20の逆起電力定数、ωはモータ角速
度である。
【0016】デューティ比D2をデューティ比D1の1
次関数として表わすため、a,bを定数として下記の数
2を定義する。
【0017】
【数2】D2=a・D1+b 定数a、bを求めるため、以下の条件(1)及び(2)
を設定する。
【0018】(1)デューティ比D1=γのとき、デュ
ーティ比D2=1(100%)、但し、γは任意の設定
値である。
【0019】(2)デューティ比D1=0、且つω=ω
retのとき、I=0但し、ωretはハンドル戻り時
のモータ角速度である。
【0020】上記条件(1)は図9において、デューテ
ィ比D1=γのときの特性(b)上の点Pの位置を決定
する条件であり、条件(2)は図9の特性(b)(ゲイ
ン=KH)が原点0を通ることを決定する条件である。
従って、上記条件(1)及び(2)を満たす定数a、b
を求めることにより、点Pと原点0を結ぶ1次関数(ゲ
イン=KL)を決定することができる。尚、デューティ
比D1がγよりも大きい領域では従来の駆動方法、即ち
FET3(又はFET4)が電流方向によりON又はO
FFに制御される制御方法と変わらない。
【0021】前記条件(1)及び(2)を満す定数a、
bは、下記数3及び数4で表わされる。
【0022】
【数3】a=−K・ωret/γ・Vb
【数4】b=1+K・ωret/Vb このときのモータ電流Iは、数1のD2に数2を代入
し、これに数3及び数4で決定される定数a、bを代入
して整理した次の数5で表わすことができる。
【0023】
【数5】I=Vb/R{1−(K・ωret/γ・V
b)}・D1+K/R(ωret−ω) 上記数5によれば、モータ電流Iとデューティ比Dとの
間の関係は、モータ角速度ωがハンドル戻り時のモータ
角速度ωretよりも小さい領域においても不連続部分
が無くなることを意味している。即ち、FET1をデュ
ーティ比D1で駆動し、これと同時にFET3をデュー
ティ比D1とは異なるデューティ比D2で駆動すること
により、モータ角速度ωがハンドル戻り時のモータ角速
度ωretよりも小さい領域においても、モータ電流I
に対してデューティ比D1を連続して変化させることが
できる。
【0024】次に、上述したFET駆動方法を採用した
場合のモータ電流の検出について、図10に示す回路図
を参照して説明する。まず、モードAでは、FET1及
びFET3が共にONであるため、モータ20の端子間
電圧VMはバッテリ電圧Vbとなる。モータ電流は図1
0(A)の実線で示すように、FET1→モータ20→
FET3→抵抗R1の順に流れ、抵抗R1の両端の電圧
降下をモータ電流検出回路38のオペアンプOPRで検
出することにより、モータ電流i(A)を検出すること
ができる。
【0025】モードBではFET1がOFF、FET3
がONであるため、モータ20の端子間電圧VMは零と
なる。このため、モータ20に蓄えられていた磁気エネ
ルギーが電気エネルギーに変換され、電流は図10
(A)の破線で示すように、モータ20→FET3→抵
抗R1→抵抗R2→FET4の回生ダイオードDT4→
モータ20の順に電流が流れる。抵抗R1の両端の電圧
降下をモータ電流検出回路38のオペアンプOPRで検
出することにより、モータ電流i(B)を検出すること
ができる。このとき、抵抗R2の両端の電圧降下を検出
するオペアンプOPLはユニポーラ電源(片電源)で、
逆方向に流れる電流は検出することができないため、オ
ペアンプOPLの検出電流値は零となる。モードCで
は、FET1及びFET3が共にOFFであるため、図
10(B)で示すように、抵抗R2→FET4の回生ダ
イオードDT4→モータ20→FET2の回生ダイオー
ドDT2→電源に至る電流回路が形成され、モータ20
の端子間電圧VMは負方向のバッテリ電圧−Vbとな
る。このとき、モータ20に蓄えられていた磁気エネル
ギーは電気エネルギーに変換されるから、その電流はモ
ータ20の端子間電圧−Vbに逆らう方向に電流i
(C)が流れるが、抵抗R2の両端の電圧降下を検出す
るモータ電流検出回路38のオペアンプOPLはユニポ
ーラ電源(片電源)で、逆方向に流れる電流は検出する
ことができず、オペアンプOPLの検出電流値は零とな
る。
【0026】このため、PWM信号の1サイクル中にお
いて、モードA、モードB、モードCの各段階を通して
モータ20に実際に流れるモータ電流Iは、下記数6で
表わすことができる。
【0027】
【数6】I=i(A)+i(B)+i(C) 一方、モータ電流検出回路38で検出される検出電流i
(dct)の総和は、電流i(C)が検出されないため
次の数7のようになる。
【0028】
【数7】i(dct)=i(A)+i(B) PWM信号の1サイクル中に検出電流i(dct)が検
出される期間は、PWM信号の1サイクル中のモードA
とモードBの期間で、これはデューティ比D2に相当す
る(図11参照)。よって、検出電流i(dct)は次
の数8で表わすことができる。
【0029】
【数8】i(dct)=D2・I 従って、モータ20に実際に流れるモータ電流Iは、数
8を変形して、下記数9で表わすことができる。
【0030】
【数9】I=i(dct)/D2 図11(E)はモードA、モードB、モードCの各段階
におけるモータ電流Iの変化の状態を示しており、時間
の経過と共に次第に平衡状態に近づく。
【0031】次に、上述したFET駆動方法を採用した
場合のモータ角速度ωの推定について説明する。モータ
端子間電圧VM、実際にモータに流れる電流I及びモー
タ角速度ωとの間には
【数10】V=(L・s+R)I+K・ω 但し、Lはモータのインダクタンス、sはラプラス演算
子である。
【0032】の関係があり、モータ端子間電圧VMとモ
ータ電流Iを知れば、モータ角速度ωを求めることがで
きる。
【0033】図11(C)に示すように、モータ端子間
電圧VMは、デューティ比D1で駆動されるモードAの
駆動時間t(A)に印加されるバッテリ電圧Vbと、デ
ューティ比D2で駆動されるモードCの駆動時間t
(C)に印加される負方向のバッテリ電圧−Vbとの和
になる。
【0034】図11から明らかなように、PWM信号の
1サイクル中におけるモードAの比率はD1で、モード
Cの比率は(1−D2)でそれぞれ表わすことができる
から、モータ端子間電圧VMは次の数11で表わすこと
ができる。
【0035】
【数11】VM=D1・Vb+(1−D2)・(−V
b)=(D1+D2−1)Vb 上記数10を用いることにより、バッテリ電圧Vbとデ
ューティ比D1、D2とから容易にモータ端子間電圧V
Mを求めることができ、モータ印加電圧を検出する手段
を必要としない。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】ところで、操舵トルク
Tに対応する操舵補助指令値Irefを演算するとき、
例えば8ビットの有限語長で演算するときに演算結果
(16ビットとなる)の下位桁(8ビット)が切り捨て
られ、デジタル演算に基づく量子化誤差が発生する。こ
のような量子化誤差は、穏やかな操舵を行なった際に運
転者に不連続な操舵感覚を与えて望ましくない。そこ
で、図12に示すように、操舵トルクTに対応する高次
の関数式In=f(T)で定義された操舵補助指令値
Irefから予め4点(p、q、r、s)を抽出し、そ
のうちの中間の2点(q、r)を共有する3点(p、
q、r)及び(q、r、s)を補間する2つの2次関数
式で近似させている。即ち、点(p、q、r)を補間す
る2次関数式I1と、点(q、r、s)を補間する2次
関数式I2を、a1、a2、b1、b2、cを定数とし
て以下の数12及び数13のように定義する。
【0037】
【数12】I1=a1・T+b1・T+c
【数13】I2=a2・T+b2・T+c 図12において、特性(a)は操舵補助指令値Iref
を表す高次関数式In=f(T)の特性曲線を示し、
特性(b)は2次関数式I1の特性曲線を、特性線
(c)は2次関数式I2の特性曲線をそれぞれ示す。高
次関数式Inを2つの2次関数式I1及びI2で近似さ
せることで、操舵トルクTに対応する操舵補助指令値I
refを容易に演算により求められるようにすると共
に、量子化誤差を最小にすることが可能となる。検出さ
れた操舵トルクTに応じて上記いずれか1つの近似式を
選択し、選択された近似式に基づいて検出操舵トルクT
に対応する操舵補助指令値Irefを演算すれば、演算
を迅速容易に行なうことができる。
【0038】4点を補間する2つの2次関数式で近似す
るときは、関数式の次数が低いため、4次関数式による
演算の場合に比較して量子化誤差を小さくすることがで
きる。また、2つの2次関数式で近似させた場合は、一
方の近似式から他方の近似式に移る遷移点を除き、2次
関数式のいずれかで近似されているため、操舵トルクT
に対応する操舵補助指令値Irefの変化は滑らかに変
化する。これにより、運転者のハンドル操作に違和感を
与えることがない。
【0039】さらに、操舵補助指令値Irefの演算に
おける量子化誤差を低減するため、以下のような処理を
行なう。即ち、操舵トルクTに対応する操舵補助指令値
Irefを2次関数式に基づいて8ビットの有限語長で
演算すると、乗算を含むため演算結果は16ビットで出
力される。しかしながら、演算された操舵補助指令値I
refを入力としてモータ電流を制御するモータ駆動回
路は8ビットデータを入力とするため、16ビットで出
力される演算結果の上位8ビットのみがモータ駆動回路
に入力され、下位8ビットデータは切り捨てられ、これ
が量子化誤差となる。そこで、この切り捨てられた下位
8ビットデータを、次のサンプリング期間に検出された
操舵トルクTに基づいて演算された操舵補助指令値Ir
efに加算することで、下位8ビットデータの切り捨て
による量子化誤差を低減するようにしている。
【0040】図13は、量子化誤差の低減回路を伝達関
数で表わしたもので、101は操舵トルクTに対応する
操舵補助指令値を前記数12及び数13に基づいて演算
する演算要素、102は加算要素、103は16ビット
データの下位8ビットデータδを切り捨てる演算要素、
104は演算要素103で切り捨てられた下位8ビット
データを一時記憶する記憶要素、105はゲイン調整要
素である。このような構成において、検出された操舵ト
ルクTは8ビットデータとして演算要素101に入力さ
れ、前記近似式に基づいて操舵補助指令値が演算され、
16ビットの操舵補助指令値Iaが出力される。出力デ
ータIaは加算要素102を経て演算要素103に入力
され、下位8ビットデータが切り捨てられ、上位8ビッ
トデータが制御目的のための操舵補助指令値Irefと
して出力される。一方、切り捨てられた下位8ビットデ
ータ(量子化誤差)δは記憶要素104に一時記憶さ
れ、ゲイン調整要素105でゲイン調整された上で次の
サンプリング期間に読出されて、加算要素102に1サ
ンプル期間遅れのデータとして出力され、次のサンプリ
ング期間に抽出された操舵トルクTについて演算された
操舵補助指令値Iaに加算される。
【0041】このように、切り捨てられた下位8ビット
データδは逐次次のサンプリング期間に抽出された操舵
トルクTに基づく操舵補助指令値Iaに加算されるた
め、下位8ビットデータδの切り捨てによる量子化誤差
を低減することができる。図13に示す量子化誤差の低
減回路は、量子化誤差の発生から加算器102の出力ま
での伝達特性がハイパスフィルタの特性を持ち、図14
に示す周波数特性を有している。そこで、演算要素10
3の出力側にローパスフィルタを挿入すると、図15に
示すように、全ての周波数領域においてゲインが1以下
となり、全ての周波数において量子化誤差の影響を低減
することができる。
【0042】ここでは、量子化誤差を図13に示す低減
回路でフィードバックしているが、これに限らずハイパ
スフィルタの特性を持つ回路であれば適宜の回路を使用
することができ、一般的には伝達特性が(1−Z−1
になるようにフィードバックすることが望ましい。値
nが大きくなるに従いハイパスフィルタ効果が大きく作
用するようになる。また、(1−Z−1のクロスオ
ーバー周波数はナイキスト周波数に対して1/πである
ため、ローパスフィルタの遮断周波数は1/πであるこ
とが望ましい。
【0043】図8で示すような異なるデューティ比の駆
動方法での電流対デューティ比の特性は、図9に示され
るようになり、この特性は2種類のゲインKL、KHを
持つ直線の折線である。しかし、電流対デューティ比の
ゲインが一致していないため、電流ループのローパスフ
ィルタ特性は広い電流領域において所望の特性を保つこ
とができなくなる。電流対デューティ比のゲイン変化よ
り、電流フィードバック制御系の電流ループの周波数特
性の変化は図16に示されるものとなる。電流対デュー
ティ比のゲインが高い方のゲインKLの電流ループBの
遮蔽周波数fBは、低い方のゲインKHの電流ループA
の遮蔽周波数fAよりも高い。
【0044】ところで、電流対デューティ比のゲインK
LとKHとの差を小さくすれば、電流ループのローパス
フィルタ特性をよく一致させることができるが、ハンド
ル戻り時に逆起電圧で生じる音の抑制に対しては不利と
なる。逆に、電流対デューティ比のゲインKL及びKH
の差を大きくすると、各ゲインKL、KHに対する電流
ループの遮蔽周波数fB、fAは大きく違ってくる。そ
して、電流ループの遮蔽周波数には上限があるので、遮
蔽周波数fAは小さく設定しなければならないが、遮断
周波数fAを小さく設定すると電流の追従性が悪くな
り、パワーステアリングの操舵フィーリングに対して不
利となる。また、音対策の要求と操舵フィーリングの要
求の許容レベルにより、それらの相関関数の妥協である
トレードオフには限界がある。
【0045】本発明は上述のような事情よりなされたも
のであり、本発明の目的は、電動パワーステアリング装
置の全電流領域において、電流フィードバック制御系を
有する電流ループのローパスフィルタ特性を、異なるデ
ューティ比の駆動方法によって電流対デューティ比のゲ
インの変化にかかわらず一定に保つことができる電動パ
ワーステアリング装置の制御装置を提供することにあ
る。
【0046】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステアリング
シャフトに発生する操舵トルクを検出する操舵トルク検
出手段と、前記操舵トルクに基づいて操舵補助指令値を
演算する操舵補助指令値演算手段と、前記操舵補助指令
値に基づいてモータ電流を制御するモータ電流制御手段
とを備え、前記操舵トルクに応じた操舵補助力をステア
リング機構に与える電動パワーステアリング装置の制御
装置に関するもので、本発明の上記目的は、前記モータ
電流制御手段を、半導体素子4個をHブリッジに接続し
て構成したHブリッジ回路の入力端子間に電源を、出力
端子間に前記モータを接続した構成で、電流制御値によ
って駆動されるモータ駆動回路と、前記Hブリッジ回路
の互いに対向する2つのアームを構成する2個1組の半
導体素子のうち、第1のアームの半導体素子を前記電流
制御値に基づいて決定される第1のデューティ比のPW
M信号で駆動し、第2のアームの半導体素子を前記第1
のデューティ比の関数で定義される第2のデューティ比
のPWM信号で駆動する駆動制御手段とで構成し、前記
モータ電流対前記第1及び第2のデューティ比のPWM
信号のゲインの変化に応じて、予め定義した電流ループ
の周波数特性を得られるように、前記モータ電流制御手
段のパラメータを得るようにしたことによって達成され
る。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明では、電動パワーステアリ
ング装置の制御装置において、各電流対デューティ比の
ゲインに応じて、予め定義した電流ループの周波数特性
を得られるようにモータ電流制御手段のパラメータを設
計し、電流対デューティ比のゲインの切替点γを通過す
る時にモータ電流制御手段を切替える。従って、電流対
デューティ比のゲインが変化しても所望の電流ループの
ローパスフィルタ特性が得られる。更に、モータ電流制
御手段のパラメータの切替時に制御系の出力を連続にす
るため、モータ電流制御手段の状態変数をその切替に応
じて再設定することにより、モータ電流制御手段の切替
を円滑に行なう。本発明によれば、電動パワーステアリ
ング装置の全電流領域において、電流フィードバック制
御を持つ電流ループはそのローパスフィルタ効果とハン
ドル戻り時に逆起電圧で生じる音の対策を両立すること
ができ、これによりハンドルの操舵フィーリングの改善
をすることができる。
【0048】図1は、本発明の制御装置の構成を部分的
に図7に対応させて示しており、パラメータの異なる2
つのモータ電流制御手段40及び41を有しており、操
舵補助指令値Irefとモータ電流検出値iの差eは切
替スイッチ50を経てモータ電流制御手段40又は41
に入力される。また、モータ電流制御手段40及び41
の出力は切替スイッチ51を経てモータ駆動回路37に
入力され、切替点検出手段60はモータ駆動回路37か
ら前述のデューティ比Dの切替点γを検出し、切替点γ
を検出したときに切替信号SWを出力するようになって
いる。切替信号SWは切替スイッチ50及び51に入力
されて、接点a,bを連動して切替えると共に、状態変
数設定手段61に入力されることによってモータ電流制
御手段40又は41に状態変数を設定する。
【0049】このような構成において、その動作は図2
に示すようになっており、切替点検出手段60は常時デ
ューティ比の切替点γを検出しており(ステップS
1)、切替点γが検出されると切替信号SWを出力して
切替スイッチ50及び51の接点を例えばaからbに切
替え、モータ電流制御手段40から41に切替えること
によってパラメータを切替える(ステップS2)、ま
た、切替信号SWに基づいて状態変数設定手段61は、
モータ電流制御手段41の状態変数を設定する(ステッ
プS3)。
【0050】ここで、パラメータの切替を説明する。先
ず操舵トルクを制御するため、適切なモータのアシスト
トルク指令値が計算され、そのアシストトルクに比例す
るモータ電流指令値を電流フィードバック制御を持つ電
流ループに与える。モータ駆動回路37は異なるデュー
ティ比のPWM信号で駆動されるHブリッジ回路であ
り、モータ特性の伝達関数をGm(s)=1/(Tm・
s+1)とする。電流対デューティ比の特性は2つゲイ
ンKL、KHを持つ図9のような特性で表わされ、各ゲ
インKL、KHに応じたモータ電流制御手段40及び4
1の伝達関数をGcL(s)、GcH(s)とする。電
流ループのローパスフィルタ効果を果すため、電流ルー
プのカットオフ周波数fc(Hz)の近辺に設置するよ
うな一次遅れを設定し、その所望電流ループの周波数特
性は図3に示すものである。その伝達関数Glp(s)
は数14のようになる。
【0051】
【数14】Glp(s)=1/(Tlp・s+1) Tlp=1/(2π・fc) 電流対デューティ比の2つのゲインKH,KLの中の1
つゲイン(例えばKHとする)に基づき、モータ電流制
御手段GcH(s)は電流ループの伝達関数をGlp
(s)になるように数15で決める。
【0052】
【数15】G1p(s)=KH・GcH(s)・Gm
(s)/(1+KH・GcH(s)・Gm(s)) そして、モータ電流制御手段GcH(s)は数16のよ
うになる。
【0053】
【数16】GcH(s)=G1p(s)/[KH・Gm
(s)・(1−G1p(s))] PI(比例積分)のモータ電流制御手段のパラメータK
pH、KiHは数16に基づいて求められる。同様に、
電流対デューティ比のゲインKLに基づき、モータ電流
制御手段GcL(s)は電流ループの伝達関数をGlp
(s)になるように設計し、その結果は数17に示さ
れ、PI(比例積分)のモータ電流制御手段のパラメー
タKpH、KiHは数16に基づいて求められる。
【0054】
【数17】GcL(s)=G1p(s)/[KL・Gm
(s)・(1−G1p(s))] 電流対デューティ比のゲインの切替点γの通過は切替点
検出手段60によって検出され、モータ電流制御手段
(GcL(s)、GcH(s))を切替スイッチ50及
び51を介して切替える。従って、電流対デューティ比
のゲインの変化に関わらず電流ループのローパスフィル
タ特性は変化しない。
【0055】次に、切替前後の制御手段の出力を連続す
るように、状態変数設定手段61による状態変数の設定
について説明する。数16及び数17で得られたPI
(比例積分)のモータ電流制御手段(GcH(s)=K
pH(1+KiH/s)・GcL(s)=KpL
(1+KiL/s))はディジタル制御器で実施した
場合、例として、連続系の伝達関数(GcH(s)・G
cL(s))を双1次変化より離散系の伝達関数(D1
H(z)/e(z)=GcH(z)=(bH1+bH2
-1)/(1−z-1)、D1L(z)/e(z)=G
cL(z)=(bL1+bL2-1)/(1−
-1))になる。この離散系の伝達関数(GcH
(z)、GcL(z))は、例えば図17の(A)、
(B)で示す公知の継続ID形で実現できる。図17中
のz-1ブロックは、時間遅れ要素である。図17より、
各制御器のデューティ比出力(D1L(k)、D1H
(k))は数18及び数19のように表わすことができ
る。
【0056】
【数18】D1L(k)=bL1・WL(k)+bL2
・WL(k−1)
【数19】D1H(k)=bH1・WH(k)+bH2
・WH(k−1) 上記数18及び19において、W(k−1)は制御器の
過去情報を含む状態変数であり、W(k)は制御器の過
去情報と現時点のモータ電流制御手段の入力e(k)情
報を含む状態変数であり、W(k)=e(k)+W(k
−1)である。
【0057】モータ電流制御手段のパラメータ(b1
L、b2L)と(b1H、b2H)とを切替える際に、
パワーステアリング装置の操舵フィーリングを滑らかに
するため、切替後の制御手段のデューティ比出力(D1
L(k)又はD1H(k))と切替前の制御手段のデュ
ーティ比出力(D1H(k)又はD1L(k))を連続
するように、切替後の制御手段の状態変数(WL(k)
又はWH(k))を再定義する。切替前後の制御手段の
デューティ比出力を連続とするには、数18と数19を
等しくすれば良い。
【0058】モータ電流制御手段の切替前のデューティ
比出力をD1L(k)とし、制御手段切替後のデューテ
ィ比出力をD1H(k)とする場合、制御手段切替前後
のデューティ比出力を連続するようにする制御手段切替
後の状態変数WH(k)は、数18と数19を等しくす
ることにより定義することができる。
【0059】
【数20】 D1H(k)=bH1・WH(k)+bH2・WH(k−1) =bH1・WH(k)+bH2・(WH(k)−e(k)) =WH(k)・(bH1+bH2)−bH2・e(k) =D1L(k)=bH1・WL(k)+bL2・WL(k−1) =bL1・WL(k)+bL2・(WL(k)−e(k)) 上記数20より、制御手段切替後の状態変数はWH
(k)はデューティ比出力D1L(k)とモータ電流制
御手段の入力e(k)、又は、制御手段切替前の状態変
数WL(k)とモータ電流制御手段の入力e(k)によ
り定義することができる。
【0060】
【数21】 WH(k)=[D1L(k)+bH2・e(k)]/(bH1+bH2) =[(bL1+bL2)・WL(k)+(bH2−bL2)・e (k)]/(bH1+bH2) または、数20より、
【数22】e(k)=[(bL1+bL2)・WL
(k)−D1L(k)]/bL2 となり、このe(k)を数21に代入することにより、
制御手段切替後の状態変数WH(k)は制御手段切替前
の状態変数WL(k)とデューティ比出力D1L(k)
より定義することもできる。
【0061】
【数23】WH(k)=[bH2・(bL1+bL2)
・WL(k)−(bH2−bL2)・D1L(k)]/
[bL2・(bH1+bH2)] モータ電流制御手段切替前のデューティ比出力をD1H
(k)とし、制御手段切替後のデューティ比出力をD1
L(k)とする場合、制御手段切替前後のデューティ比
出力を連続するようにする制御手段切替後の状態変数W
L(k)は、前記WH(k)の求め方と同じように再定
義することができる。WL(k)の定義式は以下のよう
になる。
【0062】
【数24】 WL(k)=[D1H(k)+bL2・e(k)]/(bL1+bL2) =[(bH1+bH2)・WH(k)+(bL2−bH2) ・e(k)]/(bL1+bL2) または、
【数25】WL(k)=[bL2・(bH1+bH2)
・WH(k)−(bL2−bH2)・D1H(k)]/
[bH2・(bL1+bL2)] である。前記したPI(比例積分)電流制御手段の連続
系伝達関数(GcH(s),GcL(s))の比例と積
分を別々に双1次変換することにより、離散系の伝達関
数(D1H(z)/e(z)=GcH(z)=KpH+
bH(1+z-1)/(1−z-1),D1L(z)/e
(z)=GcL(z)=KpL+bL(1+z-1)/
(1−z-1)が得られる。この離散系の伝達関数(Gc
H(z),GcL(z))は図18のように実現でき
る。図18の制御手段の状態変数の設定方法は、図17
の制御手段の設定と同じ方法で(切替前後の制御手段の
出力を連続するように)設定することができる。
【0063】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の電動パワー
ステアリング装置の制御装置の電流制御部分は、電流対
PWMデューティ比のゲインの変化により、PWM信号
で駆動するモータ電流制御手段のパラメータの適応的な
切替方法とパラメータの切替により、全電流領域におい
て、電流フィードバック制御を持つ電流ループのローパ
スフィルタ特性を、異なるデューティ比の駆動方法によ
る電流対デューティ比のゲインの変化に関わらず一定に
保つことができる。従って、電流ループのローパスフィ
ルタ効果と、ハンドル戻り時の逆起電圧で生じる音の対
策とが両立することができる。これにより、ハンドルの
操舵フィーリングを著しく改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成例の要部を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の動作例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の周波数特性を示す図である。
【図4】ブリッジ回路の接続例を示す図である。
【図5】モータ電流とPWM信号のデューティ比との関
係を説明する図である。
【図6】電動パワーステアリング装置の構成例を示す図
である。
【図7】コントロールユニットの回路例を示すブロック
図である。
【図8】モータ駆動回路の一例を示すブロック図であ
る。
【図9】モータ電流とPWM信号のデューティ比との関
係を説明する図である。
【図10】FET1とFET3を同時に、かつ異なるデ
ューティ比で駆動した場合の動作を説明する図である。
【図11】FETの動作状態、モータ端子間電圧、モー
タ電流等の関係を説明するタイムチャートである。
【図12】操舵トルクに対応する所望の操舵補助指令値
を高次の関数式で表した場合の特性曲線と近似式を説明
するための図である。
【図13】伝達関数で示した量子化誤差低減回路のブロ
ック図である。
【図14】量子化誤差低減回路の伝達特性を説明するた
めの図である。
【図15】量子化誤差低減回路の出力側にローパスフィ
ルタを挿入した場合の伝達特性を説明するための図であ
る。
【図16】量子化誤差低減回路の周波数特性を示す図で
ある。
【図17】デイジタル制御器の継続ID形の構成例を示
すブロック図である。
【図18】デイジタル制御器の構成例を示すブロック図
である。
【符号の説明】
10 トルクセンサ 12 車速センサ 20 モータ 30 コントロールユニット 31 位相補償器 32 操舵補助指令値演算器 34 微分補償器 35 比例演算器 36 積分演算器 37 モータ駆動回路 38 モータ電流検出回路 40,41 モータ電流制御手段 50,51 切替スイッチ 60 切替点検出手段 61 状態変数設定手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングシャフトに発生する操舵ト
    ルクを検出する操舵トルク検出手段と、前記操舵トルク
    に基づいて操舵補助指令値を演算する操舵補助指令値演
    算手段と、前記操舵補助指令値に基づいてモータ電流を
    制御するモータ電流制御手段とを備え、前記操舵トルク
    に応じた操舵補助力をステアリング機構に与える電動パ
    ワーステアリング装置の制御装置において、前記モータ
    電流制御手段を、半導体素子4個をHブリッジに接続し
    て構成したHブリッジ回路の入力端子間に電源を、出力
    端子間に前記モータを接続した構成で、電流制御値によ
    って駆動されるモータ駆動回路と、前記Hブリッジ回路
    の互いに対向する2つのアームを構成する2個1組の半
    導体素子のうち、第1のアームの半導体素子を前記電流
    制御値に基づいて決定される第1のデューティ比のPW
    M信号で駆動し、第2のアームの半導体素子を前記第1
    のデューティ比の関数で定義される第2のデューティ比
    のPWM信号で駆動する駆動制御手段とで構成し、前記
    モータ電流対前記第1及び第2のデューティ比のPWM
    信号のゲインの変化に応じて、予め定義した電流ループ
    の周波数特性を得られるように、前記モータ電流制御手
    段のパラメータを得るようにしたことを特徴とする電動
    パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ゲインの変化時に、前記モータ電流
    制御手段の切替前後の出力を連続するように、制御手段
    の過去情報を含む状態変数を再設定するようになってい
    る請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002345295A (ja) * 2001-05-14 2002-11-29 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
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