JPH11181152A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH11181152A
JPH11181152A JP9351793A JP35179397A JPH11181152A JP H11181152 A JPH11181152 A JP H11181152A JP 9351793 A JP9351793 A JP 9351793A JP 35179397 A JP35179397 A JP 35179397A JP H11181152 A JPH11181152 A JP H11181152A
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rubber
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rubber layer
atom
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JP9351793A
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Eiji Nakamura
英二 中村
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行初期から走行末期まで、氷雪性能に優れ
た空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 ラジアル方向外側に配置されたキャップ
ゴム層とラジアル方向内側に配置されたベースゴム層の
二層からなるトレッド部を有し、該キャップゴム層の少
なくとも路面と実質接する面に、独立気泡を含有する発
泡ゴム層を設けた空気入りタイヤであって、該発泡ゴム
層が5〜50%の発泡率を有し、かつ、該発泡ゴムの固
相ゴム部を構成するゴム組成物に、特定構造のジチオリ
ン酸金属塩を、再架橋抑制剤として、ゴム成分100重
量部に対して0.1〜5.0重量部含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気入りタイヤに関
し、さらに詳しくは、特に氷雪路面走行時の制動性能、
駆動性能、および操縦性能等に優れる空気入りタイヤに
関する。
【0002】
【従来の技術】スパイクタイヤの規制に伴い、氷雪路面
上を走行する際の駆動性能、制動性能及び操縦性能(以
下、単に「氷雪性能」という)に優れるスタッドレスタ
イヤが強く要請され、タイヤトレッドのパターンやトレ
ッドゴム部材等に着目して、多く検討がなされている。
【0003】タイヤトレッドゴム部材により氷雪性能を
向上したタイヤの例としてはトレッドゴムに発泡ゴム層
を設け、これに、天然ゴム/ブタジエンゴム、カーボン
ブラックを主として配合したゴム組成物を使用したいわ
ゆる発泡タイヤ(特開昭62−283001号)が知ら
れている。この発泡タイヤは優れた氷雪性能を有すると
ともに、このタイヤを製造するために加硫時における加
硫反応と発泡反応のコントロールという技術的難題をク
リアした優れた技術である。また、ゴム表面にミクロ的
な溝を形成するものとして、特開平7−186633号
にて開示されているものがある。
【0004】しかしながら、これらのタイヤでは、初期
の氷上性能は向上できても、走行によるトレッドゴムの
硬化を抑制することができず、走行末期まで、その氷上
性能を維持することができないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、タイヤの走行初期から走行末期まで、氷雪性能に優
れた空気入りタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはタイヤトレ
ッドの発泡ゴム層の固相ゴム部におけるゴム組成物(以
下、単に「発泡ゴム層のゴム組成物」という)のゴム成
分、充填剤、加硫促進剤等の配合剤、これらの配合組成
等に着目し、さらに走行時のタイヤ中での加硫反応のコ
ントロールを勘案して鋭意検討を重ねた結果、以下に詳
述するように、発泡ゴム層のゴム組成物において、適量
のジチオリン酸金属塩を配合することにより、走行時の
タイヤ中での加硫反応の進行がむしろ抑制されることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、(1)本発明の空気入りタイヤ
は、ラジアル方向外側に配置されたキャップゴム層とラ
ジアル方向内側に配置されたベースゴム層の二層からな
るトレッド部を有し、該キャップゴム層の少なくとも路
面と実質接する面に、独立気泡を含有する発泡ゴム層を
設けた空気入りタイヤであって、該発泡ゴム層が5〜5
0%の発泡率を有し、かつ、該発泡ゴムの固相ゴム部を
構成するゴム組成物に、下記一般式(I)で表されるジ
チオリン酸金属塩を、ゴム成分100重量部に対して
0.1〜5.0重量部含有することを特徴とする。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
に、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜1
0のアリール基を表す。このアルキル基は直鎖状、分枝
鎖状、環状のいずれでもよい。M1 は、Zn原子、Sb
原子、Fe原子、またはCu原子を表す。nは、結合す
る金属の原子価の数を表す。) (2)前記(1)項に記載の一般式(I)で表わされる
ジチオリン酸金属塩が、下記一般式(II)で表わされる
ジチオリン酸金属塩であることが好ましい。
【0010】
【化4】
【0011】(式中、M2 は、Zn原子、またはSb原
子を表す。nは、結合する金属の原子価の数を表す。) (3)前項(1)に記載の固相ゴム部を構成するゴム組
成物が、天然ゴム20〜70重量部およびブタジエンゴ
ム30〜80重量部からなるゴム成分100重量部に対
して、シリカおよびカーボンブラックからなる充填剤を
30〜80重量部を含み、該充填剤の0〜90重量%が
シリカであり、シランカップリング剤をシリカ量の5〜
20重量%配合してなり、該カーボンブラックの窒素吸
着比表面積(N2 SA)が50〜150m2 /g、かつ
ジブチルフタレート(DBP)吸油量が100〜200
cm3 /100gの特性を有することが好ましい。 (4)前項(1)に記載のベースゴム層のゴム組成物
に、前記一般式(I)で表されるジチオリン酸金属塩を
含有することが好ましい。
【0012】本発明は、上記のように、タイヤトレッド
の発泡ゴムの固相ゴム部に、下記一般式(I)で表わさ
れるジチオリン酸金属塩を、固相ゴムのゴム成分100
重量部に対して0.1〜5.0重量部含有させた点に大
きな特徴がある。空気入りタイヤにおいては、タイヤ成
形後に加硫により架橋を行いタイヤとしてのゴム弾性を
付与するが、タイヤ中には、未反応の加硫剤が残存して
おり、走行に伴う発熱により加硫反応は更に進行し、ト
レッドゴムの硬化を引き起こす。従って、走行末期まで
の氷上性能維持という観点からは、この走行時のタイヤ
中での加硫反応の進行を抑制し、ひいてはトレッドゴム
の硬化を抑制する必要がある。従来の加硫促進剤は、走
行時の加硫反応をも促進してしてしまうものであった
が、本発明のジチオリン酸金属塩は、タイヤ成形後の加
硫工程においては、加硫促進剤として働くが、安定な架
橋形態を形成するため、その後の加硫反応の進行を抑制
する再架橋抑制剤としての役割を果たすものである。す
なわち、このようなジチオリン酸金属塩を配合すること
で本発明の空気入りタイヤが得られたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のタイヤは、ラジアル方向
外側に配置されたキャップゴム層とラジアル方向内側に
配置されたベースゴム層の二層からなるトレッド部を有
しており、該キャップゴム層中に、独立気泡を含有する
発泡ゴム層が設けられている。発泡ゴム層は、氷雪性能
等の改善効果を得るためには、キャップゴム層の少なく
とも路面と実質接する面に設けられていればよいが、キ
ャップゴム層の全体を発泡ゴム層(発泡ゴム層100
%)で形成してもよい。また、発泡ゴム層は固相ゴム部
(無発泡ゴム部)と、固相ゴム部中に形成される空洞
(独立気泡)即ち気泡部とから構成されている。このよ
うな構造を採ることで、氷上走行中に発生する水を、効
率良く除水し、氷雪性能等が改善される。
【0014】本発明の発泡ゴム層の発泡率は、下記の式
(1)により、発泡ゴムの密度、発泡ゴムの固相ゴム部
の密度、および発泡ゴムの気泡内のガス部の密度から求
められる発泡率Vsである。 Vs={(ρ0 −ρg )/(ρ1 −ρg )−1}×100(%)・・式(1) (式中、ρ1 は発泡ゴムの密度(g/cm3 )、ρ0
発泡ゴムの固相ゴム部の密度(g/cm3 )、ρg は発
泡ゴムの気泡内のガス部の密度(g/cm3 )を表
す。) ところで、気泡内のガス部の密度ρg は極めて小さく、
ほぼ零に近く、かつ固相ゴム部の密度ρ0 に対して極め
て小さいので、式(1)は、下記の式(2)で近似され
る。 Vs=(ρ0 /ρ1 −1)×100(%)・・・・式(2)
【0015】本発明の発泡ゴム層においては、上記発泡
率が、5〜50%であり、好ましくは10〜35%であ
る。発泡率が5%未満では、得られたタイヤにおいて十
分な初期氷上性能が得られず、50%より大きいと、タ
イヤの耐摩耗性が大巾に低下する。
【0016】本発明の前記一般式(I)で表わされるジ
チオリン酸金属塩は、硫黄等の加硫剤と共に用いられ、
タイヤ成形後の加硫工程においては、加硫促進剤として
働くが、前述したように、その後は、走行時の加硫反応
の進行を抑制し、トレッドゴムの硬化を抑制する役割を
果たすものである。
【0017】前記一般式(I)で表されるジチオリン酸
金属塩のR1 及びR2 はそれぞれ独立に、炭素数1〜8
のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、
このアルキル基は直鎖状、分枝鎖状、環状のいずれでも
よい。M1 はZn原子、Sb原子、Fe原子又はCu原
子であり、nは結合する金属の原子価の数である。中で
も、R1 及びR2 は、炭素数3〜4のアルキル基が好ま
しい。炭素数が2以下のアルキル基を有するジチオリン
酸金属塩はゴムへの溶解性が低下する傾向があり、炭素
数が5以上では効果のさらなる向上が得られず、経済的
な観点からもこれ以上の炭素数の増大は必ずしも効果的
ではない。また、金属としては、Zn原子又はSb原子
が好ましい。つまり、前記式(II)に示すようなジチオ
リン酸金属塩が好ましい。
【0018】本発明で用いられるジチオリン酸金属塩と
しては、例えば、O,O’−ジプロピルジチオリン酸、
O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸、O,O’−ジ
−n−ブチルジチオリン酸、O,O’−ジ−sec−ブ
チルジチオリン酸、O,O’−ジ−t−ブチルジチオリ
ン酸、O,O’−ジフェニルジチオリン酸、O,O’−
ジシクロヘキシルジチオリン酸、等の金属塩が挙げられ
る。
【0019】また、前記一般式(I)で表わされるジチ
オリン酸化合物は、ゴム成分100重量部に対して0.
1〜5.0重量部を含むことが必要である。0.1重量
部未満では走行後の氷上性能低下が抑制できず、5.0
重量部より多いとスコーチタイムが極端に短くなり、す
なわち、早期に加硫が進行して硬くなり、以降の精錬、
押出工程での焦げの問題を生じる。
【0020】本発明ジチオリン酸金属塩は、他の加硫促
進剤と併用することができ、他の加硫促進剤としては、
汎用加硫促進剤である2−メルカプトベンゾチアゾリル
ジスルフィド、N−t−ブチルベンゾチアゾリルスルフ
ェンアミド、N−シクロヘキシルベンゾチアゾリルスル
フェンアミドのようなチアゾール類加硫促進剤やテトラ
(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラ
メチルチウラムジスルフィドのようなチウラム類加硫促
進剤を適宜配合できる。他の加硫促進剤の各配合量は、
ゴム成分100重量部に対して、0.1〜3.0重量部
が好ましい。0.1重量部未満では十分な加硫物性が得
られず、3.0重量部を越えるとスコーチが極端に短く
なる点で好ましくない。
【0021】加硫剤としては硫黄が用いられ、その配合
量はゴム成分100重量部に対して、0.5〜3.0重
量部が好ましい。0.5重量部未満では必要な弾性率を
得るのが難しく、3.0重量部を越えると熱老化の点で
好ましくない。
【0022】本発明の発泡ゴム層のゴム組成物に用いら
れるゴム成分としては、スチレン−ブタジエンゴム、天
然ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム等を用いることが
できるが、低温時に柔軟性を示す点で、天然ゴム20〜
70重量部およびブタジエンゴム30〜80重量部の割
合でブレンドしたブレンドゴムが好ましく用いられる。
より好ましくは、天然ゴム30〜70重量部およびブタ
ジエンゴム70〜30重量部の割合のブレンドゴムであ
る。ブタジエンゴムが30重量部未満では、氷雪路面で
のゴムの硬度が上がり、氷雪性能が不十分となり、ブタ
ジエンゴムが80重量部を超えると、WET性能の大巾
な低下が起こる。特に、ガラス転移温度が低く、氷雪性
能の効果が大きい点でシス−1,4−ポリブタジエンが
好ましい。
【0023】本発明の発泡ゴム層のゴム組成物には、シ
リカおよびカーボンブラックからなる充填剤を配合する
のが好ましい。本発明に用いられるシリカとしては、入
手可能なものはすべて用いられ、特に制限されないが、
乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ
酸)が含まれ、湿式法シリカが好ましい。用いられるシ
リカは窒素吸着比表面積(N2SA)が150m2 /g
以上であることが好ましい。湿式法シリカの好適例とし
ては、日本シリカ(株)製Nipsil AQ(商品
名)及び同様物等が挙げられる。
【0024】本発明に用いられるカーボンブラックとし
ては、窒素吸着比表面積(N2 SA)が50〜150m
2 /g、かつジブチルフタレート(DBP)吸油量が1
00〜200cm3 /100gの特性を有するものが好
適に使用される。カーボンブラックの具体例を挙げれば
SAF、ISAF−HM、ISAF−LM、ISAF−
HS等が含まれる。
【0025】シリカおよびカーボンブラックからなる充
填剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、30
〜80重量部であることが好ましく、40〜70重量部
がより好ましい。また、該充填剤の0〜90重量%がシ
リカであることが好ましく、30〜80重量%がより好
ましい。90重量%より多いと、製造時に押出し工程等
で焦げる等の不都合が生じる。
【0026】この発泡について、付言すれば、安定した
発泡は発泡反応と加硫反応の競争反応をコントロールす
ることにより得られる。発泡反応と加硫反応の各速度に
ずれが生じると所望の平均気泡径も発泡率も得難い。シ
リカは本来加硫速度を低下する傾向のあることが知られ
ている。このため、発泡タイヤにあって、シリカの使用
は、通常考えにくいことであるが、シリカの配合を所定
量とし、さらに後述の加硫促進剤の増量と併わせて、加
硫速度をコントロールすることにより、発泡反応と加硫
反応とのバランスを取ることができる。
【0027】本発明の発泡ゴム層のゴム組成物には、シ
リカと共に、シランカップリング剤を用いることが好ま
しい。本発明で用いるシランカップリング剤としては、
下記一般式で表されるものが好ましい。 Y3 −Si −Cn H2n−A 一般式 (式中、Yは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシル
基又は塩素原子であって、3個のYは同一でも異なって
もよく、nは1〜6の整数を表し、Aは−Sm −Cn H
2n−Si −Y3 基、X基、およびSpZ基よりなる群か
ら選ばれた基であり、ここでX基はニトリロ基、メルカ
プト基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、塩素原子、
またはイミド基、Zは下記式で表される基であり、mお
よびpはそれぞれ1〜6の整数を示し、Yは前述の通り
である。)
【0028】
【化5】
【0029】具体的には、ビス(3−トリエトキシシリ
ルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキ
シシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメ
トキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−
トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルト
リメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシ
シラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−
ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキ
シシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−
クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシ
リルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテト
ラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,
N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−
トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカル
バモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプ
ロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエ
トキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィ
ド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモ
ノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタク
リレートモノスルフィド等が挙げられ、ビス(3−トリ
エトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリ
メトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフ
ィドなどが好ましい。
【0030】また、ビス(3−ジエトキシメチルシリル
プロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピル
ジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキ
シメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチル
シラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジ
メチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチ
ルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等
のシランカップリング剤を挙げることができる。
【0031】シランカップリング剤の配合量は、シリカ
の補強性確保と剛性保持の観点からシリカに対し5〜2
0重量%、好ましくは8〜15重量%である。シランカ
ップリング剤の配合量が5重量%未満ではカップリング
効果が小さいためゴムの強度が低く、耐摩耗性も劣り、
20重量%を越えると著しい弾性率の上昇が起こり、ゴ
ムの強度向上も見られず、コストアップの点からも好ま
しくない。
【0032】本発明の発泡ゴム層のゴム組成物には、こ
れら以外に通常使用されている老化防止剤、亜鉛華、ス
テアリン酸、軟化剤、WAX、等の成分を本発明の効果
を損なわない範囲において適宜配合することができ、必
要に応じて炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ガラス
繊維、水酸化アルミニウム、クレー、ウィスカーなどの
充填剤を添加することもできる。
【0033】本発明に係る空気入りタイヤに用いる発泡
ゴムは、発泡剤を用いて通常のタイヤ製造方法にしたが
って加熱加圧する際に形成される。
【0034】本発明に用いられる発泡剤としては、二酸
化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウ
ム、および、窒素を発生するアゾジカルボンアミド、ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−
ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメ
チル−N,N’−ジニトロソフタルアミド等のニトロソ
化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスル
ホニルヒドラジド、その他芳香族スルホニルヒドラジ
ド、これらの誘導体、p−p’−オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)等のスルホニルヒドラジド化合
物、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p’
−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)
等のスルホニルセミカルバジド化合物が挙げられ、加硫
温度に応じてこれらを適宜選択して使用することができ
る。この中でも発泡径制御の点からジニトロソペンタメ
チレンテトラミンが好適である。また、発泡助剤として
は尿素等が用いられる。
【0035】本発明のタイヤのベースゴム層のゴム組成
物としては、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量
部に対して、カーボンブラックからなる充填剤を30〜
80重量部配合してなるゴム組成物であることが好まし
く、さらに、前記ジチオリン酸金属塩を、含有すること
が好ましい。ベースゴム層のゴム組成物にも、前記ジチ
オリン酸金属塩を配合することで、ベースゴムにおいて
も、硬化が抑制され、走行末期まで、その氷上性能をよ
り高く維持することができる。
【0036】本発明の空気入りタイヤ用の他のゴム組成
物は、通常の方法に従い、ロール、インターナルミキサ
ー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練りする
ことによって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤ
トレッド等に用いられる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明の内容は、本実施例に限定される
ものではない。なお、発泡ゴムの特性の測定及びタイヤ
性能の評価は下記の方法で行った。
【0038】(発泡ゴムの特性の測定及びタイヤ性能の
評価) (1)発泡率 発泡率Vsは試験タイヤのトレッドの発泡ゴム層からブ
ロック状の試料を切り出し、ブロック状の前記試料の密
度ρ1 (g/m3 )を測定し、一方、無発泡ゴム(固相
ゴム)の密度ρ0 を測定し、前記の式(2)を用いて求
めた。 (2)初期氷雪性能 氷雪性能はその指標として、氷上制動性能で表す。18
5/70R13サイズの新品の試験タイヤ4本を排気量
1600ccの乗用車に装着し、氷温−1℃、−8℃の
氷上で制動性能を測定した。氷上性能は次式により指数
表示した。数値が大きい程、制動性能が良好であること
を示す。 初期氷上性能=(コントロールタイヤ(比較例1)の制
動距離/試験タイヤの制動距離)×100 尚、この試験タイヤの最小サイプ間長さは3mmであ
る。 (3)走行後氷雪性能 185/70R13サイズ4本を(2)と同様に乗用車
に装着し、実際に一般道を10000kmおよび200
00km走行した後に、(2)と同様に氷上で制動性能
を測定した。10000km走行後では、まだ、ベース
ゴムは露出しないが、20000km走行後は、ベース
ゴムが露出する。氷上性能は次式により指数表示した。
数値が大きい程、制動性能が良好であることを示す。 走行後氷上性能=(コントロールタイヤ(比較例1)の
制動距離/試験タイヤの制動距離)×100 また、コントロールタイヤの初期の氷上性能との比較の
ため、次式で表される走行後氷上性能を併記した。 走行後氷上性能=(コントロールタイヤ(比較例1)の
初期の制動距離/試験タイヤの制動距離)×100
【0039】〔実施例1〜3、比較例1〕下記表1に示
す配合処方に従って、得られた配合ゴムを表2に示す組
合せで、トレッド部のキャップゴム層とベースゴム層に
用いて発泡タイヤを作製し、発泡ゴムの特性の測定及び
タイヤ性能の評価を行ない、その結果を表1および表2
に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】実施例より、本発明の空気入りタイヤは、
初期氷雪性能に優れるだけでなく、一般道を10000
km走行した後においても、氷雪性能を維持しているこ
とがわかる。また、ベースゴム層に本発明のジチオリン
酸金属塩を、適量配合した場合には、より高い割合で氷
雪性能を維持していることがわかる。
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、初期氷
上性能と走行後の氷上性能の両立を可能とする、空気入
りタイヤを提供できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/36 C08K 3/36 5/5398 5/5398

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジアル方向外側に配置されたキャップ
    ゴム層とラジアル方向内側に配置されたベースゴム層の
    二層からなるトレッド部を有し、該キャップゴム層の少
    なくとも路面と実質接する面に、独立気泡を含有する発
    泡ゴム層を設けた空気入りタイヤであって、 該発泡ゴム層が5〜50%の発泡率を有し、 かつ、該発泡ゴムの固相ゴム部を構成するゴム組成物
    に、下記一般式(I)で表されるジチオリン酸金属塩
    を、ゴム成分100重量部に対して0.1〜5.0重量
    部含有することを特徴とする空気入りタイヤ。 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、炭素数1
    〜10のアルキル基、または炭素数6〜10のアリール
    基を表す。このアルキル基は直鎖状、分枝鎖状、環状の
    いずれでもよい。M1 は、Zn原子、Sb原子、Fe原
    子、またはCu原子を表す。nは、結合する金属の原子
    価の数を表す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)で表わされるジチオリ
    ン酸金属塩が、下記一般式(II)で表わされるジチオリ
    ン酸金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の空
    気入りタイヤ。 【化2】 (式中、M2 は、Zn原子、またはSb原子を表す。n
    は、結合する金属の原子価の数を表す。)
  3. 【請求項3】 前記固相ゴム部を構成するゴム組成物
    が、天然ゴム20〜70重量部およびブタジエンゴム3
    0〜80重量部からなるゴム成分100重量部に対し
    て、シリカおよびカーボンブラックからなる充填剤を3
    0〜80重量部を含み、該充填剤の0〜90重量%がシ
    リカであり、シランカップリング剤をシリカ量の5〜2
    0重量%配合してなり、該カーボンブラックの窒素吸着
    比表面積(N2 SA)が50〜150m2 /g、かつジ
    ブチルフタレート(DBP)吸油量が100〜200c
    3 /100gの特性を有することを特徴とする請求項
    1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記ベースゴム層のゴム組成物に、前記
    一般式(I)で表されるジチオリン酸金属塩を含有する
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に
    記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005336483A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Rhein Chemie Rheinau Gmbh ゴム混合物を製造する方法
CN104669948A (zh) * 2013-11-28 2015-06-03 招远市东晟橡胶制品有限公司 一种雪地防滑轮胎
JP2018053179A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

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