JPH11182604A - 衝撃エネルギー吸収部材 - Google Patents

衝撃エネルギー吸収部材

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Publication number
JPH11182604A
JPH11182604A JP9364768A JP36476897A JPH11182604A JP H11182604 A JPH11182604 A JP H11182604A JP 9364768 A JP9364768 A JP 9364768A JP 36476897 A JP36476897 A JP 36476897A JP H11182604 A JPH11182604 A JP H11182604A
Authority
JP
Japan
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cylindrical body
hollow cylindrical
thermoplastic resin
impact energy
energy absorbing
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Pending
Application number
JP9364768A
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English (en)
Inventor
Toshio Inoue
敏夫 井上
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11182604A publication Critical patent/JPH11182604A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B5/00Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators
    • B66B5/28Buffer-stops for cars, cages, or skips
    • B66B5/282Structure thereof

Landscapes

  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Buffer Packaging (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂材料からなる中空円筒状体の優
れた衝撃エネルギー吸収部材を提供する。 【解決手段】 積層構造を有する中空円筒状体を有する
衝撃エネルギー吸収部材が、熱可塑性樹脂の射出成形に
より製造される。例えば、円筒状のキャビティ13内に
熱可塑性樹脂15を射出させて第1の中空円筒状体層を
射出成形する1次成形工程と、この工程の後、第1の中
空円筒状体層との間にさらに円筒状のキャビティを形成
し、このキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出させて第2
の中空円筒状体層を射出成形する2次成形工程により製
造される。また、積層面の存在により安定した破壊モー
ドが確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】積載物が人間、動物、危険物
等である輸送手段には、不測の衝撃が加わったときに、
その衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収構造部材が装備
されている。本発明は、この衝撃吸収構造部材に関する
ものであり、自身の特定破壊モードで非可逆的にこのエ
ネルギーを吸収する、熱可塑性樹脂の射出成形によって
得られる衝撃エネルギー吸収部材に関する。
【0002】
【従来の技術】車両、船舶等の移動体が互いにあるいは
岸壁、橋脚等の静止体に衝突する衝撃を緩衝するための
緩衝装置(例えば、バンパーの支持部材)として、航空
機、ヘリコプターやエレベーターが故障で着地する際の
衝撃を緩衝するための緩衝装置として、あるいは核燃料
用輸送装置(キャスク)や放射性廃棄物を収容した容器
(キャニスタ)が落下したときの衝撃を緩衝するための
緩衝装置として、非可逆的に衝撃エネルギーを吸収する
衝撃エネルギー吸収部材が装備されている。
【0003】従来、これらの衝撃吸収構造部材として
は、「衝撃エネルギーを摩擦エネルギーに、次いで熱エ
ネルギーに変換消費させる原理を利用した液体緩衝機構
を用いたもの」、「衝撃エネルギーを金属の塑性変形に
変換消費させる原理を利用した特定強度金属材料からな
る管状、ハニカム状等の特定形状構造体を用いたもの」
などが使用されている。
【0004】しかし、これら衝撃吸収構造部材は、衝撃
吸収構造部材それ自体としての特性は優れるものの、 (1)構造が複雑で故障し易い(機構的、腐食等) (2)製造費が高い(高度加工、高エネルギー消費製造
プロセス等) (3)重い(金属構造材料の使用等) 等の問題点を有し、それらの点において改善が望まれて
いる。
【0005】近年、車両、航空機、エレベーター等に搭
載される衝撃吸収構造部材に関しては、これら輸送体の
軽量化、高機能化指向に伴い、省スペース、軽量化の要
求が高まっている。この要求に対応するために、単位体
積あたりの衝突エネルギー吸収量の高い衝撃エネルギー
吸収部材、あるいは単位重量あたりの衝突エネルギー吸
収量の高い衝撃エネルギー吸収部材が素材、構造の両面
から検討されている。また、これら輸送体にはコストダ
ウンの指向も強く、この方面からも素材、構造の両面か
らの検討が行われている。
【0006】そして、これらの検討に伴って従来の衝撃
エネルギー吸収部材が有している上記欠点が、今まで以
上に極めて大きな問題として認識されるようになってき
た。この課題を克服すべく、特に、車両用搭載型衝撃エ
ネルギー吸収部材の開発を中心として、繊維複合合成樹
脂を材料とする衝撃エネルギー吸収部材の開発が行われ
るようになってきている。
【0007】たとえば、特開平6−300068号公報
には、補強繊維と弾性率が異なる複数構造を有する繊維
強化中空構造体が提案されているが、上記改善点
(1)、(3)の問題は解決しているものの、プリプレ
グが複雑となり上記改善点(2)に関しては、さらに構
造と製造方法の複雑さが増しており、より一層の改善が
望まれる。また、各種特性要求に関する調整は、材料特
性に加えてプリプレグ特性に大きく依存しており、製造
方法の煩雑さを考慮すると、各種衝撃吸収構造部材製造
に対する適合性に問題がある。さらにこの公報は、炭素
繊維に熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂等を含浸させた
プリプレグを何層にもわたって積層して中空構造体を製
造する方法を開示する。同公報の図2では4層構造のも
のを開示するが、実際には上記プリプレグは薄いために
一定の厚みにするには10層以上の多層構造とする必要
があると考えられる。もちろん、それでは製法が複雑で
あり、得られる商品は高価ともなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】合成樹脂製の衝撃エネ
ルギー吸収部材はプリプレグ(長繊維)/熱硬化性樹脂
で検討されており、特性の優劣は軸方向から等速で加え
られる歪みに対して発生する応力の特性曲線で評価され
る。
【0009】この時、中空円筒状体に含有されるプリプ
レグ繊維の配向方向と中空円筒状体の軸(その方向は圧
縮加重が加わる方向に一致する。)との相対角度はこの
特性に大きな影響を与えることが確認されている。コン
ポジット・サイエンス・アンド・テクノロジ(Comp
osite Science and Technol
ogy, 24 (1985) p.275−298)
によれば、この角度が90°のときに最も優れた値を示
す例が挙げられている。これは、プリプレグ(長繊維)
/熱硬化性樹脂系材料の衝撃エネルギー吸収が複雑であ
るものの、繊維の破断による衝撃エネルギー吸収を最大
限に衝撃エネルギー吸収に関与させることで最良値が得
られるとの解釈が可能である。また、これは、プリプレ
グ(長繊維)/熱硬化性樹脂が優れた中空円筒状体の衝
撃エネルギー吸収部材を与えることができるのは、衝撃
エネルギー吸収に大きく関与する因子、すなわち、充填
剤繊維の配向が任意に制御できることに依存しているこ
とを示す。しかしながら、この適切な配向制御は、煩雑
な工程を経てのみ可能であることは前述したとおりであ
る。
【0010】配向が制御された熱可塑性樹脂、あるいは
短繊維を配合した熱可塑性樹脂に関しても、その配向が
制御された方向と90°の方向から加わる衝撃エネルギ
ーに対して、大きな衝撃エネルギー吸収特性を示すと予
想できる。このことは、通常の射出成形品でもスキン層
と呼ばれる成形品の強度に配向した部分が90°の方向
から加わる衝撃エネルギーに対して優れた特性を示すこ
とからも確認できる。また、このときの配向とは、熱可
塑性樹脂分子自身の配向と充填剤の配向の両者、および
その相乗作用を指しており、樹脂分子自身の配向が生じ
る点が熱硬化性樹脂と大きく異なる。
【0011】しかしながら、これら熱可塑性樹脂系の材
料で中空円筒状体を射出成形した場合、ゲートから注入
された樹脂分子、あるいは、充填剤の配向は、高速充填
・急速固化の条件が満たされた部分を除いて極めて弱い
配向しか示さない。特に、コア部分と呼ばれる成形品内
部では配向は極めて弱い。
【0012】したがって、熱可塑性樹脂は極めて成形性
に優れるにもかかわらず、通常の射出成形法で中空円筒
状体の衝撃エネルギー吸収部材を成形した場合、その衝
撃エネルギー吸収に大きく関与する因子、すなわち、樹
脂分子の配向、および、充填剤の配向が小さく、また、
その配向を任意に制御できる方法が存在しない。このこ
とが、熱可塑性樹脂材料からなる中空円筒状体の優れた
衝撃エネルギー吸収部材を製造することができない原因
であると考えられる。
【0013】また、熱硬化性樹脂「長繊維/熱硬化性樹
脂」からなる衝撃エネルギー吸収部材は、前述したよう
に帯状のガラス長繊維を含有した硬化前樹脂(プリプレ
グ)を積層して製造されるために複雑であるが、この各
層が相互に接着した部分は相対的な強度が弱いため円筒
体の軸方向に変位が生じたときに剥離(層間剥離)を生
じ、円筒体の破壊モードを安定化する機能を果たしてい
る。そして、この安定した破壊モードの確保は優れた衝
撃エネルギー吸収部材を得るためには必須の条件と考え
られる。
【0014】従って、熱可塑性樹脂で衝撃エネルギー吸
収部材を製造する場合にも、その成形品内部に積層熱硬
化性樹脂の層間剥離に対応する破壊モードを安定化する
ための機能を有する構造を何らかの手法で導入すること
が好ましいと予想するが、従来このような観点からの提
案はされていない。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の衝撃エ
ネルギー吸収部材に対する合成樹脂製の衝撃吸収構造部
材の優位性を保ちつつ、熱硬化性樹脂製の衝撃エネルギ
ー吸収部材に関する問題を解決した熱可塑性樹脂製の衝
撃エネルギー吸収部材に関する。
【0016】すなわち、本発明の第1は、少なくとも一
つの積層面を有することを特徴とする、熱可塑性樹脂の
射出成形により製造される積層中空円筒状体を有する衝
撃エネルギー吸収部材に関する。
【0017】本発明の第2は、上記本発明の第1におい
て、熱可塑性樹脂が芳香族環を含有する化合物を主構成
モノマーとして含み、該モノマーが主鎖中に含有されて
いることを特徴とする衝撃エネルギー吸収部材に関す
る。
【0018】本発明の第3は、本発明の第1または第2
において、熱可塑性樹脂がサーモトロピック液晶ポリマ
ーであることを特徴とする衝撃エネルギー吸収部材に関
する。
【0019】本発明の第4は、本発明の第1から第3の
いずれかの発明において、熱可塑性樹脂が繊維充填剤を
含有することを特徴とする衝撃エネルギー吸収部材に関
する。
【0020】本発明の第5は、工程:円筒状のキャビ
ティー内に熱可塑性樹脂を射出し、第1の中空円筒状体
を作成する工程と、工程:熱可塑性樹脂製の第1の中
空円筒状体の内側または外側に、円筒状のキャビティー
を形成し、該キャビティー内に熱可塑性樹脂を射出して
第2の中空円筒状体を製造する工程を含む成形方法によ
り成形される衝撃エネルギー吸収部材の製造方法に関す
る。この方法により、本発明の第1の発明である少なく
ともーつの積層面を有することを特徴とする、熱可塑性
樹脂の射出成形樹脂により製造される積層中空円筒状体
を有する衝撃エネルギー吸収部材が製造される。
【0021】本発明に係る衝撃エネルギー吸収部材は、
このように1次成形および2次成形を経て製造するほ
か、各中空円筒状体層を別個に射出成形し、各層を接着
剤により接着し積層して製造することもできる。
【0022】この衝撃エネルギー吸収部材は、積層中空
円筒状体の軸方向から圧縮歪みが発生するように取り付
けられた状態で使用される。そして、衝撃エネルギー吸
収部材は熱可塑性樹脂を射出成形して製造される積層中
空円筒状体からなり、かつ、積層面が引金となるため積
層中空円筒状体がその軸方向からの圧縮荷重を受けて非
可逆的に破壊される際、円滑かつ継続的な圧搾破壊が確
保される。
【0023】つまり、積層中空円筒状体中の隣接層間
は、2次成形時の溶融樹脂の射出により、あるいは隣接
層間の接着剤によりかなりの強度で接着されているが、
積層中空円筒状体の破壊は、どうしても積層面部分から
始まる。そして積層円筒状体の破壊は、特に積層面の部
分から先に生じやすく、これがリード役(引金)となっ
て破壊モードを一定化させる。
【0024】さらに、熱可塑性樹脂として、芳香族環を
含有する化合物を主構成モノマーとして含み、該モノマ
ーを主鎖中に含有するものを使用することにより、衝撃
エネルギー吸収部材を、配向性が高く、それ故高強度の
吸収エネルギーの高いものとすることができる。さらに
このことは、熱可塑性樹脂としてサーモトロピック液晶
ポリマーを採用することによりより高度に達成される。
熱可塑性樹脂に、繊維充填剤を配合すればより高強度と
なり、吸収エネルギーのレベルがより高まるものとな
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の衝撃エネルギー吸収部材
は、両端が開放された中空円筒状構造をなしているの
で、円筒の軸方向に加わる圧縮負荷に対して非可逆的な
衝撃エネルギーの吸収を効果的に行うことができる。そ
れ故このような衝撃エネルギー吸収用の部材として最も
有効な形態である。また、両端が開放された中空円筒状
構造を保持したまま、衝撃エネルギー吸収を増大させる
ために公知の変形方法により一部変形された形状のもの
も本発明の範囲内である。すなわち、この変形として
は、例えば、1)円筒の一方の端に底板を取り付ける、
2)円筒の肉厚に、連続的または不連続的な任意の肉厚
変化をつける、3)円筒両端の開口部の面積を互いに異
ならせる(すなわちこの変形の場合、軸に沿った断面形
状としては台形形状となり、中空円錐台状体となる)、
4)円周方向にリブを設置する等の公知の衝撃エネルギ
ー吸収を増大させる、等の設計変更が可能である。本発
明では、熱可塑性樹脂を主材料としているので、これら
任意の設計変更を自由にできる。また端部に公知のトリ
ガー形状を任意に設けることも容易に行うことができ
る。
【0026】上述のように、本発明の衝撃エネルギー吸
収部材は熱可塑性樹脂の射出成形により製造され、積層
構造を有することを特徴とし、それにより、特定方向か
ら加わる衝撃エネルギーを効果的に吸収するものであ
る。樹脂は配向すればさらに強度が向上する。したがっ
て、熱可塑性樹脂としては、配向することによって高い
弾性率が出現する分子構造を有するものを用いるのが好
ましく、これにより、極めて大きな効果を発揮させるこ
とができる。好ましい熱可塑性樹脂として代表的なもの
は、芳香族環を含有する化合物を主構成モノマーとして
含み、該モノマーが主鎖中に含有され、剛直な分子構造
を有するものである。このような主構成モノマーとして
の芳香族環を含有するモノマー化合物としては、具体的
には、ビスフェノールA、メタキシリレンジアミン、テ
レフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2価フ
ェノール等のモノマーが例示される。
【0027】これら芳香族環を含有する化合物を主構成
モノマーとして含み、該モノマーが主鎖中に含有され、
剛直な分子構造を有する樹脂は市販の樹脂から容易に入
手できる。例示すれば、メタキシリレンジアミンを主構
成モノマーとするポリアミド(例えば、三菱ガス化学社
製のMXDナイロン樹脂(商品名)等);テレフタル酸
を主構成モノマーとするポリエステル(例えば、ポリエ
チレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレ
ート系樹脂系);2,6−ナフタレンジカルボン酸を主
構成モノマーとするポリエステル(例えば、PEN系樹
脂);ビスフェノールAを主構成モノマーとするポリカ
ーボネートおよびポリエステル;ポリフェニレンスルフ
ァイド;ポリフェニレンオキシド;ポリスルフォン;2
価フェノールを主構成モノマーとするポリアリレート
(例えば、ユニチカ社製のUポリマー樹脂(商品名)
等);ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケト
ン;p−ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸、
2価フェノールまたはビフェノールを主構成モノマーと
する溶融時に光学的異方性を示すサーモトロピック液晶
ポリマー(例えば、住友化学社製のスミカスーパー(商
品名)、アモコ社製のザイダー(商品名)、デュポン社
のゼナイト(商品名)、ヘキスト−セラニーズ社製のベ
クトラ(商品名)、東レ社製のシベラス(商品名)、ユ
ニチカ社のロッドラン(商品名)等)があげられる。
【0028】これらの中でも、サーモトロピック液晶ポ
リマー、例えばサーモトロピック液晶ポリエステルは、
その分子構造が極めて剛直で、配向しやすく、また配向
により自己補強性と呼ばれる効果を示して配向方向の弾
性率が極めて大きなものになるので本発明の材料として
好ましいものである。
【0029】熱可塑性樹脂は単独で用いても複数の混合
物で使用してもよい。また、熱可塑性樹脂に、配向時の
配向方向の弾性率を増加させることを目的として、繊維
充填剤を加えることが効果的である。例示すれば、ガラ
ス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維(例えば、デ
ュポン社製ケブラー(商品名)等)、炭化珪素繊維、ボ
ロン繊維、フェノール樹脂繊維(例えば、群栄化学社製
カイノール(商品名)等)があげられる。
【0030】本発明の衝撃エネルギー吸収体における積
層中空円筒状体は、少なくとも1層の積層面を有する限
りその製造方法は特に限定されない。たとえば、かかる
積層中空円筒状体の各層は、上述のように、1次成形お
よび2次成形を経て、あるいは別個に射出成形すること
ができる。
【0031】より具体的には、積層中空円筒状体は次の
ようにして製造することができる。すなわち、円筒状キ
ャビティーを有する金型内に常法により熱可塑性樹脂を
射出することにより先ず第1の中空円筒状体を得る。次
いで、得られた第1の中空円筒状体を合わせ金型の内金
型として外金型との間で円筒状のキャビティーを形成さ
せる。そして該キャビティー内へ熱可塑性樹脂を射出成
形し、第2の中空円筒状体を製造することにより少なく
ともーつの積層面を有することを特徴とする、熱可塑性
樹脂の射出成形樹脂により製造される積層中空円筒状体
を有する衝撃エネルギー吸収部材が製造される。初めの
第1の中空円筒状体を合わせ金型の外金型として内金型
との間で円筒状のキャビティーを形成させ、該キャビテ
ィー内へ熱可塑性樹脂を射出することもできる。初めの
第1の中空円筒状体を合わせ金型の内金型とし、これと
外金型の間で円筒状のキャビティーを形成させる前者の
方法の方が、外側の樹脂層の固化時の収縮力が働き、強
固に積層され好ましい。二種の熱可塑性樹脂は同一でも
また異なってもよい。異なる樹脂の場合でも、その融点
の差は特に限定されない。いずれにしろ、初めの第1の
中空円筒状体は射出後十分固化したものを用いるのが通
常であるので、二種の樹脂の融点の差は特に問わない。
なお、もちろんであるが、初めの第1の中空円筒状体
は、射出後十分固化しない前に次の工程に供することも
できる。要は、複数回の射出工程により積層構造を発現
させればよい。十分固化する前に次の樹脂を射出するな
どの方法を採用する場合、両層が融着して一見して積層
面は強固に接合され、あたかも単一の層を構成するかの
ようにみえることがある。しかしながら、複数回の射出
工程により積層構造を発現させる限り、ミクロに観察す
ると必ず積層面としての界面が存在し、この面が引金と
して機能することにより安定した破壊モードでもって吸
収部材は破壊されることになる。
【0032】積層構造は、適宜の接着剤層を介する積層
構造および樹脂層同士の融着による積層構造により発現
する。二つの円筒状体の機械的な勘合等により二つの円
筒状体の積層構造を発現させることも可能であるが、こ
の場合積層面の状態が均一でない可能性が高く、安定し
た破壊モードにつながることが少なく好ましい態様では
ない。
【0033】なお、本発明の衝撃エネルギー吸収部材の
使用形態には制限はない。例えば、単独使用、複数の組
み合わせ使用が可能で、また、他の衝撃エネルギー吸収
部材、構造部材等と組み合わせて使用してもよい。
【0034】
【実施例】次に、図1を用いて、本発明の一実施例に係
る衝撃エネルギー吸収体の製造方法を説明する。以下の
実施例では、回転コアを用いる成形法で説明するが、必
ずしも回転コアを利用する必要はなく、従来公知の積層
方法を利用することももちろん可能である。従来公知の
方法は、簡単には以下で述べる回転コアの回転が停止し
た金型でもって製造することが可能である。
【0035】図において1は射出成形機、2は溶融した
熱可塑性樹脂(溶融樹脂)の通路、3はランナー、4は
回転コア部、5は外金型、6は回転コア部4と外金型5
で形成される円筒状体層の形成部(キャビティ)であ
る。7は回転コア部4の回転を保持する軸受け、8は回
転コア部4を駆動するチェーン、9はチェーン8を駆動
するモータ、10は突き出しピンである。溶融樹脂が射
出成形機1から射出され、溶融樹脂の通路2およびラン
ナー3からキャビティ6内へ射出される。上記寸法の円
筒状体を成形するような場合には回転コア部の回転数は
100〜400rpm、好ましくは200〜400rp
mの範囲で回転される。キャビティ内に射出された溶融
樹脂は回転コアの回転により壁面と共に連れ回り、配向
する。軸受け7は、弾性体で構成すればコアの回転中で
も焼き付く恐れは少ない。ここでは熱可塑性樹脂とし
て、サーモトロピツク液晶ポリエステル樹脂を使用して
いる。具体的には、フタル酸/イソフタル酸/4−ヒド
ロキシ安息香酸/4,4−ジヒドロキシジフェニルから
それぞれ誘導される繰返単位を有するサーモトロピツク
液晶コポリエステル樹脂であって、それぞれのモル比
は、0.75/0.25/3/1のものを使用すること
ができる。これは、ホットステージを装着した偏光顕微
鏡を用いて光学的異方性を観察したところ、340℃以
上で溶融状態で光学的異方性を示したものである。
【0036】この樹脂にガラス繊維30重量%(組成物
全体に対して)を含む組成物を用いて、図1の装置によ
り、例えば、外径が20mm、肉厚1mm、長さ150
mm、重量15gのパイプ形状の一次成形物としての第
1の中空円筒状体層を射出成形することができる。この
とき、例えば、射出時間は、約5秒、冷却時間は約10
秒であり、計約15秒を要する。
【0037】次に、得られた第1の円筒状体層を内側金
型として用い、同様にして第2の円筒状体層を射出成形
する。つまり、第1の円筒状体層を適当な取付け金具に
取り付け、これを回転コア部として、前記1次成形の場
合とは逆方向に回転させながら、その外周囲に射出成形
を行うことにより、2次成形物としての第2の中空円筒
状体層を第1の中空円筒状体層に積層して形成する。し
たがって、この場合、第2の中空円筒状体層を形成する
ためのキャビティは、内側内壁が第1の中空円筒状体層
の外壁で構成され、外側内壁が、外金型5よりも第2の
中空円筒状体層の厚さ分だけ内径の大きい外金型によっ
て構成される。
【0038】次に、別の好ましい実施例に係る衝撃エネ
ルギー吸収部材の製造方法について説明する。この方法
は、内側の金型部を固定し、外側の金型部を回転させる
ようにした点が上述の実施例と異なる。熱可塑性樹脂も
上述の実施例と同じガラス繊維30重量%(組成物全体
に対して)を含むサーモトロピック液晶コポリエステル
樹脂である。
【0039】図2は、1次成形に用いる金型の概要を示
す断面図である。図中、11および12は射出成形用の
金型を構成している外側金型部とコア金型部であり、こ
れらの間に円筒状のキャビティ13が形成されている。
14は熱可塑性樹脂を射出するための経路であり、1次
成形に用いる1次ゲートに接続した1次経路14aと、
2次成形に用いる2次ゲートに接続した2次経路14b
とに分岐している。
【0040】1次成形時には、1次ゲートから溶融した
熱可塑性樹脂15を射出するとともに、外側金型部11
を一定方向に回転させる。射出される溶融樹脂は、1次
ゲートから矢印16の方向に沿ってキャビティ13内を
上方に向かって進行するが、その際、外側の樹脂は、回
転する外側金型部11の内壁、すなわちキャビティ13
を構成している円筒形の外側壁面17により連れ回さ
れ、内側壁面18は静止しているため、外側の樹脂は内
側の樹脂よりもより大きく回転方向へ配向する。これに
より、回転方向への配向方向成分が外側において大き
く、内側において小さい1次成形物つまり第1の中空円
筒状体層が形成される。
【0041】これによって得られる第1の中空円筒状体
層は、内側と外側とで、配向方向の回転軸に対する傾き
の大きさが、上述実施例の場合とは、逆であるが、配向
方向が連続的に変化している点では同様であり、したが
って、同様の利点を有する。
【0042】図3は、2次成形に用いる金型の概要を示
す断面図である。コア金型部12は1次成形時と共通で
ある。ただし、1次成形で形成され固化した第1の中空
円筒状体層19がそのまま残され、あるいは取り付けら
れており、これが、コア金型の外壁となって、第2の中
空円筒状体層を形成するためのキャビティ20の内側壁
面を形成している。つまり、第2の中空円筒状体層は第
1の中空円筒状体層19の外側に積層して形成されるよ
うになっている。外側金型部21はこれに合わせ、1次
成形時に用いた外側金型部11よりも、キャビティ20
を形成する内壁の半径が大きくなっている。
【0043】2次成形は、1次成形において成形した中
空円筒状体層19の樹脂が冷却した後、外側金型部11
を脱型し、代わりに2次成形用の外側金型部21をセッ
トしてから行う。コア金型部12は1次成形後に抜いて
もよいし、抜かずに1次成形時のままにしておいてもよ
い。通常は抜かない方がよいと考えられる。2次成形に
おいては、溶融樹脂は、キャビティ20に通じた経路1
4bを経て2次ゲートから射出する。これに並行して、
外側金型部18を1次成形における外側金型部11の回
転方向とは逆の方向に回転させる。その際、中空円筒状
体層19の外側表面の樹脂は、射出されてくる溶融樹脂
と接触し、その熱で一部が軟化または溶融することも可
能である。
【0044】樹脂が冷却した後、外側金型部11を脱型
し、コア金型部12を抜くことにより、目的とする積層
中空円筒状体が得られる。すなわちこの積層中空円筒状
体では、回転軸方向についての配向方向の傾きが第1の
中空円筒状体層19とは逆向きである第2の中空円筒状
体層が第1の中空円筒状体層19の外側に積層して形成
されており、隣接層の、それらが接する面における配向
の方向が互いに異なる。また、第2の中空円筒状体層
は、第1の中空円筒状体層におけると同様の連続的に変
化した配向を有する。
【0045】なお、中空円筒状体層19は2次成形にお
いて上述のように一部が軟化または溶融するため、得ら
れる積層中空円筒状体において、第1および第2の中空
円筒状体層間の接着強度は高まる。このため、各層間に
接着剤を使用することは原則として不要である。もちろ
ん、適宜に接着剤を使用することは可能である。
【0046】このように、1次成形で成形した第1の中
空円筒状体層の外側に、2次成形として第2の中空円筒
状体層を射出成形することにより、第2の中空円筒状体
層が冷却・固化するときに、その樹脂が中心に向かって
収縮するため、第1および第2の中空円筒状体層間の接
着強度をさらに高いものとすることができる。
【0047】なお、本発明は上述の実施例に限定される
ことなく種々変形して実施することができる。例えば、
上述の各実施例では2次成形においても金型部分を回転
させているが、2次成形においてはいずれの金型部分を
も回転させないで単に樹脂を射出するだけにしてもよ
い。
【0048】また、上述の各実施例では1次成形および
2次成形を経て各層を積層しているが、この代わりに、
第1および第2の中空円筒状体層を別々に成形し、これ
らを適宜の接着剤を使用して接着することにより積層す
るようにしてもよい。その際に、各中空円筒状体層の成
形は、上述の各実施例における第1の中空円筒状体層と
同様にして成形することができるが、第1および第2の
中空円筒状体層の成形間で、回転させる金型部分の回転
方向を互いに異ならせるようにする。
【0049】また、上述各実施例においては、回転させ
る金型部分の回転方向は1次成形と2次成形とで異なら
せているが、これを同一方向とし、回転速度や溶融樹脂
の粘度等を異ならせてもよい。例えば、回転速度と方向
が同一であっても、溶融樹脂の粘度が異なれば、配向は
異なるものとなるからである。要は、隣接層間で、接触
面における配向方向が相互に異なれば良い。つまり、同
じ配向方向の層を積層したのでは、単に厚手の積層中空
円筒状体層を作る結果となって、層間の界面が破壊のリ
ード役を勤めるということにならないので、これを避け
るようにすればよい。
【0050】また、上述の各実施例では1次成形におい
て内側の中空円筒状体層を成形し、2次成形において外
側の中空円筒状体層を成形するようにしているが、この
逆に、1次成形において外側の中空円筒状体層を成形
し、2次成形において内側の中空円筒状体層を成形する
ようにしてもよい。
【0051】また、上述の各実施例では1次成形と2次
成形において同じ熱可塑性樹脂を用いているが、この代
わりに、異なる熱可塑性樹脂を用いてもよい。つまりこ
の場合、回転される金型部分の回転数が同じでも、熱可
塑性樹脂の分子量、配合剤の量、種類などが異なれば
(溶融粘度が相違すれば)、配向が異なるからである。
なお、同一の熱可塑性樹脂を用いた場合においても、回
転される金型部分の回転数が異なれば、配向方向も異な
ることは、上述したとおりである。
【0052】また、上述の各実施例では、2層の中空円
筒状体層を積層する場合について説明したが、同様の方
法で多数次の成形を繰り返すことにより、多層構造のた
とえば3、4層程度の積層中空円筒状体を成形するよう
にしてもよい。また、多層構造とする場合、各層を上述
のように別個に成形し、これらを接着剤で積層するよう
にしてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明の衝撃エネル
ギー吸収部材によれば、積層面を有するため、熱可塑性
樹脂の射出成形により製造される積層中空円筒状体を有
する衝撃エネルギー吸収部材を、破壊されやすい積層面
部分を破壊のリード役とした一定した安定な破壊モード
を有するものとして提供することができる。
【0054】また、本発明の製造方法によれば、所定の
1次成形および2次成形を経て積層中空円筒状体を成形
するようにしたため、衝撃エネルギー吸収部材を、簡便
かつ安価に製造することができる。また、1次成形で成
形した第1の中空円筒状体層の外側に、2次成形として
第2の中空円筒状体層を射出成形することにより、第2
の中空円筒状体層が冷却・固化するときに、その樹脂が
中心に向かって収縮するため、第1および第2の中空円
筒状体層間の接着強度を高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例で使用される製造装置を示
す図である。
【図2】 本発明の別の実施例において1次成形に用い
る金型の概要を示す断面図である。
【図3】 本発明の別の実施例において2次成形に用い
る金型の概要を示す断面図である。
【符号の説明】
1:射出成形機、2:溶融ポリマーの通路、3:ランナ
ー、4:回転コア部、5:外金型、6:円筒状体の形成
部(キャビティ)、7:軸受け、8:チェーン、9:モ
ータ、10:突き出しピン、11:外側金型部、12:
コア金型部、13:キャビティ、14:射出経路、14
a,14b:分岐した射出経路、15:溶融樹脂、1
6:溶融樹脂の進行方向を示す矢印、17:外側壁面、
18:内側壁面、19:第1の中空円筒状体層、20:
キャビティ、21:外側金型部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B66B 5/28 B65D 81/14 Z B29L 31:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの積層面を有することを
    特徴とする、熱可塑性樹脂の射出成形により製造される
    積層中空円筒状体を有する衝撃エネルギー吸収部材。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が芳香族環を含有する化合
    物を主構成モノマーとして含み、該モノマーが主鎖中に
    含有されていることを特徴とする請求項1に記載された
    衝撃エネルギー吸収部材。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂がサーモトロピック液晶ポ
    リマーであることを特徴とする請求請1または請求項2
    に記載された衝撃エネルギー吸収部材。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が繊維充填剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記
    載された衝撃エネルギー吸収部材。
  5. 【請求項5】 次の工程およびを含むことを特徴と
    する請求項1記載の衝撃エネルギー吸収部材の製造方
    法。 工程:円筒状のキャビティー内に熱可塑性樹脂を射出
    し、第1の中空円筒状体を作成する工程、 工程:熱可塑性樹脂製の第1の中空円筒状体の内側ま
    たは外側に、円筒状のキャビティーを形成し、該キャビ
    ティー内に熱可塑性樹脂を射出し第2の中空円筒状体を
    製造する工程。
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