JPH11186044A - モデム用トランス - Google Patents
モデム用トランスInfo
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- JPH11186044A JPH11186044A JP9357538A JP35753897A JPH11186044A JP H11186044 A JPH11186044 A JP H11186044A JP 9357538 A JP9357538 A JP 9357538A JP 35753897 A JP35753897 A JP 35753897A JP H11186044 A JPH11186044 A JP H11186044A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 モデムの小型化や伝送容量の大容量化等に対
応させるために、モデム用トランスの薄型化、小型化、
高性能化等を達成した上で、歪み率の劣化を抑制して信
号の低歪み伝送を可能にする。 【解決手段】 予め巻線2、3が施されたボビン1と、
このボビン1に組み込まれたパーマロイ系軟磁性合金薄
板等の磁性コア片4からなる磁性コア5とを具備するモ
デム用トランスである。磁性コア片4は、その表面に形
成された金属酸化物層、例えば熱膨張係数が 2〜 9×10
6 /Kの金属酸化物からなる金属酸化物層を有している。
応させるために、モデム用トランスの薄型化、小型化、
高性能化等を達成した上で、歪み率の劣化を抑制して信
号の低歪み伝送を可能にする。 【解決手段】 予め巻線2、3が施されたボビン1と、
このボビン1に組み込まれたパーマロイ系軟磁性合金薄
板等の磁性コア片4からなる磁性コア5とを具備するモ
デム用トランスである。磁性コア片4は、その表面に形
成された金属酸化物層、例えば熱膨張係数が 2〜 9×10
6 /Kの金属酸化物からなる金属酸化物層を有している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モデム用トランス
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、パーソナルコンピュータや携帯型
情報端末(PDA)、また移動体通信機器等の普及によ
り、データ(情報)通信に対する必要性が急速に高まっ
てきている。パソコンやPDA等を使用してデータ通信
を行う場合、データ通信制御装置として例えばモデムが
必要であり、パソコンやPDA等の小型・高性能化、高
機能化等に伴って、モデムに対しても小型化や高性能化
等が求められている。
情報端末(PDA)、また移動体通信機器等の普及によ
り、データ(情報)通信に対する必要性が急速に高まっ
てきている。パソコンやPDA等を使用してデータ通信
を行う場合、データ通信制御装置として例えばモデムが
必要であり、パソコンやPDA等の小型・高性能化、高
機能化等に伴って、モデムに対しても小型化や高性能化
等が求められている。
【0003】ここで、一般的なパソコン用のモデムとし
ては、ボックス型、カード型、内蔵型等が知られてお
り、いずれにもパソコンやPDA等の情報端末と通信回
線とを電気的に絶縁した上で信号を伝送するトランスが
搭載されている。これら各種モデムのうち、特にカード
型や内蔵型のモデムに対しては、パソコンの小型化等に
伴って、モデム自体についても小型化が求められてい
る。また、データ通信の伝送容量(伝送速度)も最近急
速に向上しており、モデムの伝送容量も14.4kbpsから2
8.8kbpsや33.6kbpsが一般化しつつあり、さらには56kbp
sの伝送容量を満足するモデムも一部で普及しはじめて
いる。
ては、ボックス型、カード型、内蔵型等が知られてお
り、いずれにもパソコンやPDA等の情報端末と通信回
線とを電気的に絶縁した上で信号を伝送するトランスが
搭載されている。これら各種モデムのうち、特にカード
型や内蔵型のモデムに対しては、パソコンの小型化等に
伴って、モデム自体についても小型化が求められてい
る。また、データ通信の伝送容量(伝送速度)も最近急
速に向上しており、モデムの伝送容量も14.4kbpsから2
8.8kbpsや33.6kbpsが一般化しつつあり、さらには56kbp
sの伝送容量を満足するモデムも一部で普及しはじめて
いる。
【0004】上記したようなモデムの小型化や伝送容量
の大容量化を達成する上で、モデム用トランスにも薄型
化、小型化、高性能化等が要求されはじめている。従
来、モデム用トランスの磁性コアにはフェライトが使用
されてきたが、限られた容積の中で性能を発揮させるた
めに、パーマロイと呼ばれるNi−Fe系の軟磁性合金
薄板が使用されるようになってきている。
の大容量化を達成する上で、モデム用トランスにも薄型
化、小型化、高性能化等が要求されはじめている。従
来、モデム用トランスの磁性コアにはフェライトが使用
されてきたが、限られた容積の中で性能を発揮させるた
めに、パーマロイと呼ばれるNi−Fe系の軟磁性合金
薄板が使用されるようになってきている。
【0005】しかしながら、パーマロイを用いた磁性コ
アはフェライトコア等に比べて交流磁場中での損失、す
なわち渦電流損、ヒステリシス損、残留損失等が大きい
という問題を有している。このような交流磁場中での損
失が大きいパーマロイコアをモデム用トランスに使用す
ると、トランスの歪み率が劣ってしまう。特に、モデム
用トランスには信号を低歪みで伝送することが求められ
るため、トランスの歪み率の増大は大きな問題となる。
アはフェライトコア等に比べて交流磁場中での損失、す
なわち渦電流損、ヒステリシス損、残留損失等が大きい
という問題を有している。このような交流磁場中での損
失が大きいパーマロイコアをモデム用トランスに使用す
ると、トランスの歪み率が劣ってしまう。特に、モデム
用トランスには信号を低歪みで伝送することが求められ
るため、トランスの歪み率の増大は大きな問題となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従
来、モデム用トランスにはフェライトコアが一般的に用
いられてきたが、モデムの小型化や伝送容量の大容量化
を達成する上で、透磁率や磁束密度が大きいパーマロイ
系の軟磁性合金薄板を用いた磁性コアが使用されるよう
になってきている。しかしながら、パーマロイ系の磁性
コアは交流磁場中での損失が大きいため、トランスの歪
み率が劣るという問題を有している。特に、モデム用ト
ランスには信号を低歪みで伝送することが求められるこ
とから、薄型化、小型化、高性能化等を達成した上で、
歪み率の劣化を抑制することが求められている。
来、モデム用トランスにはフェライトコアが一般的に用
いられてきたが、モデムの小型化や伝送容量の大容量化
を達成する上で、透磁率や磁束密度が大きいパーマロイ
系の軟磁性合金薄板を用いた磁性コアが使用されるよう
になってきている。しかしながら、パーマロイ系の磁性
コアは交流磁場中での損失が大きいため、トランスの歪
み率が劣るという問題を有している。特に、モデム用ト
ランスには信号を低歪みで伝送することが求められるこ
とから、薄型化、小型化、高性能化等を達成した上で、
歪み率の劣化を抑制することが求められている。
【0007】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、モデムの小型化や伝送容量の大容量
化等への対応を図るために、薄型化、小型化、高性能化
等を達成した上で、歪み率の劣化を抑制して信号の低歪
み伝送を可能にしたモデム用トランスを提供することを
目的としている。
になされたもので、モデムの小型化や伝送容量の大容量
化等への対応を図るために、薄型化、小型化、高性能化
等を達成した上で、歪み率の劣化を抑制して信号の低歪
み伝送を可能にしたモデム用トランスを提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のモデム用トラン
スは、請求項1に記載したように、巻線が施されたボビ
ンと、前記ボビンに磁性コア片を組み込んで構成された
磁性コアとを具備するモデム用トランスにおいて、前記
磁性コア片はその表面に形成された金属酸化物層を有す
ることを特徴としている。
スは、請求項1に記載したように、巻線が施されたボビ
ンと、前記ボビンに磁性コア片を組み込んで構成された
磁性コアとを具備するモデム用トランスにおいて、前記
磁性コア片はその表面に形成された金属酸化物層を有す
ることを特徴としている。
【0009】本発明のモデム用トランスにおいて、特に
請求項2に記載したように、前記金属酸化物層は熱膨張
係数が 2〜 9×106 /Kの金属酸化物からなることを特徴
としている。さらに、請求項3に記載したように、前記
金属酸化物層は0.01〜10μmの厚さを有することを特徴
としている。
請求項2に記載したように、前記金属酸化物層は熱膨張
係数が 2〜 9×106 /Kの金属酸化物からなることを特徴
としている。さらに、請求項3に記載したように、前記
金属酸化物層は0.01〜10μmの厚さを有することを特徴
としている。
【0010】本発明のモデム用トランスにおいては、金
属酸化物層を表面に有する磁性コア片を用いている。こ
のような磁性コア片に熱処理を施した場合、磁性コア片
と金属酸化物層との熱膨張係数の違いに基づいて、熱処
理後の冷却過程で磁性コア片の内部に応力が生じ、この
磁性コア片内部の応力によりヒステリシス曲線をヒステ
リシス面積が減少する方向に変化させることができる。
すなわち、ヒステリシス損を低減することができる。こ
のような損失を低減した磁性コア片を、予め巻線を施し
たボビンに組み込むことによって、歪み率に優れるモデ
ム用トランス、すなわち信号を低歪みで伝送することが
可能なモデム用トランスが得られる。
属酸化物層を表面に有する磁性コア片を用いている。こ
のような磁性コア片に熱処理を施した場合、磁性コア片
と金属酸化物層との熱膨張係数の違いに基づいて、熱処
理後の冷却過程で磁性コア片の内部に応力が生じ、この
磁性コア片内部の応力によりヒステリシス曲線をヒステ
リシス面積が減少する方向に変化させることができる。
すなわち、ヒステリシス損を低減することができる。こ
のような損失を低減した磁性コア片を、予め巻線を施し
たボビンに組み込むことによって、歪み率に優れるモデ
ム用トランス、すなわち信号を低歪みで伝送することが
可能なモデム用トランスが得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
態について説明する。
【0012】図1は、本発明のモデム用トランスの一実
施形態の構成を示す図である。同図において、1はボビ
ンであり、このボビン1には1次巻線2および2次巻線
3がそれぞれ施されている。これら1次巻線2および2
次巻線3が予め施されたボビン1には、軟磁性合金薄板
からなる複数の磁性コア片4が組み込まれている。
施形態の構成を示す図である。同図において、1はボビ
ンであり、このボビン1には1次巻線2および2次巻線
3がそれぞれ施されている。これら1次巻線2および2
次巻線3が予め施されたボビン1には、軟磁性合金薄板
からなる複数の磁性コア片4が組み込まれている。
【0013】上記した磁性コア片4は例えばE形状を有
しており、このような磁性コア片4をボビン1の両側か
ら交互に組み込むことによって、磁性コア5が構成され
ている。そして、1次巻線2および2次巻線3が予め施
されたボビン1と、ボビン1に組み込んだ磁性コア片4
からなる磁性コア5とによって、モデム用トランス6が
構成されている。なお、E形状の磁性コア片4を用いた
磁性コア5は本発明の一実施形態であり、例えばEIコ
ア、PQコア等、種々の形状の磁性コアを使用すること
ができる。
しており、このような磁性コア片4をボビン1の両側か
ら交互に組み込むことによって、磁性コア5が構成され
ている。そして、1次巻線2および2次巻線3が予め施
されたボビン1と、ボビン1に組み込んだ磁性コア片4
からなる磁性コア5とによって、モデム用トランス6が
構成されている。なお、E形状の磁性コア片4を用いた
磁性コア5は本発明の一実施形態であり、例えばEIコ
ア、PQコア等、種々の形状の磁性コアを使用すること
ができる。
【0014】上記した磁性コア5を構成する磁性コア片
4には、パーマロイ系の軟磁性合金、すなわちNi−F
e系合金等が用いられる。具体的には70〜85重量% Ni
−Fe組成の軟磁性合金等が用いられる。このようなN
i−Fe系合金は 3〜15重量% 程度のMo、Cr、N
b、Ti、Mn、Cu等から選ばれる 1種または 2種以
上を添加して用いることもできる。なお、本発明に用い
る磁性コア片は、必ずしもパーマロイ系の軟磁性合金に
限られるものではなく、例えばアモルファス合金等の軟
磁性薄帯を用いる場合にも、本発明は効果を発揮するも
のである。
4には、パーマロイ系の軟磁性合金、すなわちNi−F
e系合金等が用いられる。具体的には70〜85重量% Ni
−Fe組成の軟磁性合金等が用いられる。このようなN
i−Fe系合金は 3〜15重量% 程度のMo、Cr、N
b、Ti、Mn、Cu等から選ばれる 1種または 2種以
上を添加して用いることもできる。なお、本発明に用い
る磁性コア片は、必ずしもパーマロイ系の軟磁性合金に
限られるものではなく、例えばアモルファス合金等の軟
磁性薄帯を用いる場合にも、本発明は効果を発揮するも
のである。
【0015】上述したようなパーマロイ系合金からなる
磁性コア片4は、図2に示すように、その表面(上面4
aおよび下面4b)に形成された金属酸化物層7を有し
ている。この金属酸化物層7は磁性コア片4の表面4
a、4bに、一様な層状物(膜状物質)として固着形成
されている。このような金属酸化物層7を表面4a、4
bに有する磁性コア片4を熱処理した場合、磁性コア片
4と金属酸化物層7との熱膨張係数の違いに基づいて、
熱処理後の冷却過程で磁性コア片4の内部に応力が生じ
る。この磁性コア片4内部の応力は、残留磁束密度Br
が減少する方向に、磁性コア5のヒステリシス曲線を変
化させる。このように、磁性コア片4の内部応力により
ヒステリシス面積を減少させることによって、ヒステリ
シス損を低減することができる。
磁性コア片4は、図2に示すように、その表面(上面4
aおよび下面4b)に形成された金属酸化物層7を有し
ている。この金属酸化物層7は磁性コア片4の表面4
a、4bに、一様な層状物(膜状物質)として固着形成
されている。このような金属酸化物層7を表面4a、4
bに有する磁性コア片4を熱処理した場合、磁性コア片
4と金属酸化物層7との熱膨張係数の違いに基づいて、
熱処理後の冷却過程で磁性コア片4の内部に応力が生じ
る。この磁性コア片4内部の応力は、残留磁束密度Br
が減少する方向に、磁性コア5のヒステリシス曲線を変
化させる。このように、磁性コア片4の内部応力により
ヒステリシス面積を減少させることによって、ヒステリ
シス損を低減することができる。
【0016】すなわち、パーマロイ系合金からなる磁性
コアは磁気特性を引出すために、1273〜 1373K程度の温
度で数時間の熱処理を行う必要がある。この熱処理後の
冷却過程でパーマロイの再結晶化や組織の配向等が起こ
り、これがヒステリシス面積の増大等の原因、すなわち
交流磁場中での損失の増大の原因となっていた。このよ
うな知見に基づいて、本発明では上記したように磁性コ
ア片4の表面4a、4bに、一様な層状物として固着さ
れた金属酸化物層7を形成し、これらの熱膨張係数の違
いにより磁性コア片4の内部に応力を生じさせることに
よって、磁性コア5のヒステリシス面積を減少させてい
る。
コアは磁気特性を引出すために、1273〜 1373K程度の温
度で数時間の熱処理を行う必要がある。この熱処理後の
冷却過程でパーマロイの再結晶化や組織の配向等が起こ
り、これがヒステリシス面積の増大等の原因、すなわち
交流磁場中での損失の増大の原因となっていた。このよ
うな知見に基づいて、本発明では上記したように磁性コ
ア片4の表面4a、4bに、一様な層状物として固着さ
れた金属酸化物層7を形成し、これらの熱膨張係数の違
いにより磁性コア片4の内部に応力を生じさせることに
よって、磁性コア5のヒステリシス面積を減少させてい
る。
【0017】このように、磁性コア片4の表面4a、4
bに形成した金属酸化物層7は、パーマロイ系合金から
なる磁性コア片4のヒステリシス損の低減に寄与する。
そして、このような交流磁場中での損失を低減した磁性
コア片4をボビン1に組み込むことによって、歪み率に
優れるモデム用トランス6、すなわち信号を低歪みで伝
送することが可能なモデム用トランス6が得られる。
bに形成した金属酸化物層7は、パーマロイ系合金から
なる磁性コア片4のヒステリシス損の低減に寄与する。
そして、このような交流磁場中での損失を低減した磁性
コア片4をボビン1に組み込むことによって、歪み率に
優れるモデム用トランス6、すなわち信号を低歪みで伝
送することが可能なモデム用トランス6が得られる。
【0018】上記したように、金属酸化物層7は熱処理
後の冷却過程で磁性コア片4の熱収縮を拘束し、磁性コ
ア片4の内部に適度な応力を生じさせるものである。一
方、例えばパーマロイ系合金の熱膨張係数(273〜373K)
は10〜15×106 /K程度である。従って、金属酸化物層7
は熱膨張係数(273〜1273K)が 2〜 9×106 /Kの金属酸化
物で構成することが好ましい。金属酸化物の熱膨張係数
が 2×106 /K未満であると、磁性コア片4内部の応力が
大きくなりすぎたり、また金属酸化物層7に亀裂や剥離
等が生じるおそれがある。一方、金属酸化物の熱膨張係
数が 9×106 /Kを超えると、磁性コア片4の内部応力が
十分に得られないおそれがある。このような熱膨張係数
を有する金属酸化物としては、ジルコニア(Zr
O2 )、マグネシア(MgO)、アルミナ(Al
2 O3 )等が挙げられる。これらのうち、特にジルコニ
アは金属酸化物層7の形成材料として好ましい。
後の冷却過程で磁性コア片4の熱収縮を拘束し、磁性コ
ア片4の内部に適度な応力を生じさせるものである。一
方、例えばパーマロイ系合金の熱膨張係数(273〜373K)
は10〜15×106 /K程度である。従って、金属酸化物層7
は熱膨張係数(273〜1273K)が 2〜 9×106 /Kの金属酸化
物で構成することが好ましい。金属酸化物の熱膨張係数
が 2×106 /K未満であると、磁性コア片4内部の応力が
大きくなりすぎたり、また金属酸化物層7に亀裂や剥離
等が生じるおそれがある。一方、金属酸化物の熱膨張係
数が 9×106 /Kを超えると、磁性コア片4の内部応力が
十分に得られないおそれがある。このような熱膨張係数
を有する金属酸化物としては、ジルコニア(Zr
O2 )、マグネシア(MgO)、アルミナ(Al
2 O3 )等が挙げられる。これらのうち、特にジルコニ
アは金属酸化物層7の形成材料として好ましい。
【0019】また、金属酸化物層7は0.01〜10μm 程度
の厚さを有することが好ましい。金属酸化物層7の厚さ
が0.01μm 未満であると、熱処理後の冷却過程で磁性コ
ア片4の熱収縮を十分に拘束できず、磁性コア片4の内
部応力が十分に得られないおそれがある。一方、金属酸
化物層7の厚さが10μm を超えると、磁性コア片4の内
部応力が逆に高くなりすぎるおそれがあると共に、金属
酸化物層7自体に亀裂や剥離等が生じるおそれがある。
の厚さを有することが好ましい。金属酸化物層7の厚さ
が0.01μm 未満であると、熱処理後の冷却過程で磁性コ
ア片4の熱収縮を十分に拘束できず、磁性コア片4の内
部応力が十分に得られないおそれがある。一方、金属酸
化物層7の厚さが10μm を超えると、磁性コア片4の内
部応力が逆に高くなりすぎるおそれがあると共に、金属
酸化物層7自体に亀裂や剥離等が生じるおそれがある。
【0020】このような金属酸化物層7は、例えばジル
コニア、マグネシア、アルミナ等の金属酸化物粉末を有
機溶剤に分散させた液を磁性コア片4の両面に塗布した
り、あるいは磁性コア片4を浸漬した後、これを非酸化
性雰囲気中で加熱して、金属酸化物粉末を一様に固着さ
せることにより得ることができる。金属酸化物層7の形
成原料としては、ジルコニウムアルコキシド(メトキシ
ドやエトキシド等)のような金属アルコキシド等の有機
金属化合物を使用することも可能である。ただし、金属
酸化物粉末を単に塗布しただけでは、磁性コア片4の熱
収縮を拘束することができないため、上記したような一
様な層状物として固着した金属酸化物層7が得られる形
成方法を適用するものとする。
コニア、マグネシア、アルミナ等の金属酸化物粉末を有
機溶剤に分散させた液を磁性コア片4の両面に塗布した
り、あるいは磁性コア片4を浸漬した後、これを非酸化
性雰囲気中で加熱して、金属酸化物粉末を一様に固着さ
せることにより得ることができる。金属酸化物層7の形
成原料としては、ジルコニウムアルコキシド(メトキシ
ドやエトキシド等)のような金属アルコキシド等の有機
金属化合物を使用することも可能である。ただし、金属
酸化物粉末を単に塗布しただけでは、磁性コア片4の熱
収縮を拘束することができないため、上記したような一
様な層状物として固着した金属酸化物層7が得られる形
成方法を適用するものとする。
【0021】上記したような形成方法で金属酸化物層7
を形成した磁性コア片4は、例えばパーマロイ系合金を
用いた場合には1273〜 1373K程度の温度で数時間の熱処
理を施して、適切な磁気特性を付与した後、1次巻線2
および2次巻線3を予め施したボビン1に組み込む。こ
のようにして、目的とするモデム用トランス6が得られ
る。
を形成した磁性コア片4は、例えばパーマロイ系合金を
用いた場合には1273〜 1373K程度の温度で数時間の熱処
理を施して、適切な磁気特性を付与した後、1次巻線2
および2次巻線3を予め施したボビン1に組み込む。こ
のようにして、目的とするモデム用トランス6が得られ
る。
【0022】このような本発明のモデム用トランス6
は、パーマロイ系の軟磁性合金薄板等からなる磁性コア
片4を用いていることに基づいて、カード型や内蔵型等
に好適なモデムの小型化や伝送容量の大容量化(例え
ば、28.8kbps、33.6kbps、56kbps等)等に対応可能な薄
型化、小型化、高性能化等を達成している。その上で、
本発明のモデム用トランス6は優れた歪み率を有するこ
とから、信号の低歪み伝送が可能となる。
は、パーマロイ系の軟磁性合金薄板等からなる磁性コア
片4を用いていることに基づいて、カード型や内蔵型等
に好適なモデムの小型化や伝送容量の大容量化(例え
ば、28.8kbps、33.6kbps、56kbps等)等に対応可能な薄
型化、小型化、高性能化等を達成している。その上で、
本発明のモデム用トランス6は優れた歪み率を有するこ
とから、信号の低歪み伝送が可能となる。
【0023】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
価結果について述べる。
【0024】実施例1 まず、 80%Ni−5%Mo−bal.Fe(重量%)組成の磁性
合金を熱間加工および冷間加工により厚さ 0.1mmの薄板
状に加工した。この薄板の表面にジルコニウム系有機金
属化合物を溶解した溶液を塗布した後、これを非酸化性
雰囲気中で1273K に加熱して、薄板の表面に厚さ約 0.2
μm のジルコニウム層を形成した。
合金を熱間加工および冷間加工により厚さ 0.1mmの薄板
状に加工した。この薄板の表面にジルコニウム系有機金
属化合物を溶解した溶液を塗布した後、これを非酸化性
雰囲気中で1273K に加熱して、薄板の表面に厚さ約 0.2
μm のジルコニウム層を形成した。
【0025】表面にジルコニウム層を形成した 80%Ni
−5%Mo−bal.Fe合金薄板を、プレス加工により16×
18mmのE型コア片に加工し、このE型コア片を水素雰囲
気中にて 1373K× 2時間の条件で熱処理した。この後、
これら10枚のE型コア片を、1次巻線および2次巻線を
予め施したボビンに交互に組み込むことによって、モデ
ム用トランスを作製した。
−5%Mo−bal.Fe合金薄板を、プレス加工により16×
18mmのE型コア片に加工し、このE型コア片を水素雰囲
気中にて 1373K× 2時間の条件で熱処理した。この後、
これら10枚のE型コア片を、1次巻線および2次巻線を
予め施したボビンに交互に組み込むことによって、モデ
ム用トランスを作製した。
【0026】一方、本発明との比較例として、上記実施
例1と同組成のNi−Mo−Fe合金薄板を同形状のE
型コア片に加工し、これに溶着防止のためのアルミナ粉
末を単に付着させた後、水素雰囲気中にて 1373K× 2時
間の条件で熱処理した。この後、実施例1と同様に、10
枚のE型コア片をボビンに交互に組み込むことによっ
て、モデム用トランスを作製した。
例1と同組成のNi−Mo−Fe合金薄板を同形状のE
型コア片に加工し、これに溶着防止のためのアルミナ粉
末を単に付着させた後、水素雰囲気中にて 1373K× 2時
間の条件で熱処理した。この後、実施例1と同様に、10
枚のE型コア片をボビンに交互に組み込むことによっ
て、モデム用トランスを作製した。
【0027】このようにして得た実施例1および比較例
1による各モデム用トランスの特性を評価した。すなわ
ち、各モデム用トランスの1kHzにおけるインダクタンス
値、および 600Hzにおける高調波歪み率(THD)を測
定した。それらの結果を表1に示す。なお、測定はいず
れも10個のサンプルについて実施し、インダクタンス値
および歪み率はそれらの平均値として表1に示した。
1による各モデム用トランスの特性を評価した。すなわ
ち、各モデム用トランスの1kHzにおけるインダクタンス
値、および 600Hzにおける高調波歪み率(THD)を測
定した。それらの結果を表1に示す。なお、測定はいず
れも10個のサンプルについて実施し、インダクタンス値
および歪み率はそれらの平均値として表1に示した。
【0028】
【表1】 表1から明らかなように、表面にジルコニア層を形成し
た磁性コア片を用いた実施例1のモデム用トランスは、
溶着防止のためのアルミナ粉末を単に付着させたにすぎ
ない比較例1のモデム用トランスに比べて、インダクタ
ンス値を低下させることなく、歪み率が向上しているこ
とが分かる。すなわち、歪み率に優れたモデム用トラン
スが得られた。
た磁性コア片を用いた実施例1のモデム用トランスは、
溶着防止のためのアルミナ粉末を単に付着させたにすぎ
ない比較例1のモデム用トランスに比べて、インダクタ
ンス値を低下させることなく、歪み率が向上しているこ
とが分かる。すなわち、歪み率に優れたモデム用トラン
スが得られた。
【0029】実施例2 まず、 80%Ni−4%Nb−1%Mo−bal.Fe(重量%)組
成の磁性合金を、熱間加工および冷間加工により厚さ
0.1mmの薄板状に加工した。この薄板の表面にジルコニ
ウム系有機金属化合物を溶解した溶液を塗布した後、こ
れを非酸化性雰囲気中で 1373Kに加熱して、薄板の表面
に厚さ約 0.2μm のジルコニウム層を形成した。
成の磁性合金を、熱間加工および冷間加工により厚さ
0.1mmの薄板状に加工した。この薄板の表面にジルコニ
ウム系有機金属化合物を溶解した溶液を塗布した後、こ
れを非酸化性雰囲気中で 1373Kに加熱して、薄板の表面
に厚さ約 0.2μm のジルコニウム層を形成した。
【0030】表面にジルコニウム層を形成した 80%Ni
−4%Nb−1%Mo−bal.Fe合金薄板を、プレス加工に
より10×10mmのE型コア片に加工し、このE型コア片を
水素雰囲気中にて 1373K× 2時間の条件で熱処理した。
この後、これら 6枚のE型コア片を、1次巻線および2
次巻線を予め施したボビンに交互に組み込むことによっ
て、モデム用トランスを作製した。
−4%Nb−1%Mo−bal.Fe合金薄板を、プレス加工に
より10×10mmのE型コア片に加工し、このE型コア片を
水素雰囲気中にて 1373K× 2時間の条件で熱処理した。
この後、これら 6枚のE型コア片を、1次巻線および2
次巻線を予め施したボビンに交互に組み込むことによっ
て、モデム用トランスを作製した。
【0031】一方、本発明との比較例として、上記実施
例2と同組成のNi−Nb−Mo−Fe合金薄板を同形
状のE型コア片に加工し、これに溶着防止のためのアル
ミナ粉末を単に付着させた後、水素雰囲気中にて 1373K
× 2時間の条件で熱処理した。この後、実施例2と同様
に、 6枚のE型コア片をボビンに交互に組み込むことに
よって、モデム用トランスを作製した。
例2と同組成のNi−Nb−Mo−Fe合金薄板を同形
状のE型コア片に加工し、これに溶着防止のためのアル
ミナ粉末を単に付着させた後、水素雰囲気中にて 1373K
× 2時間の条件で熱処理した。この後、実施例2と同様
に、 6枚のE型コア片をボビンに交互に組み込むことに
よって、モデム用トランスを作製した。
【0032】このようにして得た実施例2および比較例
2による各モデム用トランスの特性を評価した。すなわ
ち、各モデム用トランスの1kHzにおけるインダクタンス
値および歪み率(THD)を測定した。それらの結果を
表2に示す。なお、測定はいずれも10個のサンプルにつ
いて実施し、インダクタンス値および歪み率はそれらの
平均値として表2に示した。
2による各モデム用トランスの特性を評価した。すなわ
ち、各モデム用トランスの1kHzにおけるインダクタンス
値および歪み率(THD)を測定した。それらの結果を
表2に示す。なお、測定はいずれも10個のサンプルにつ
いて実施し、インダクタンス値および歪み率はそれらの
平均値として表2に示した。
【0033】
【表2】 表2から明らかなように、表面にジルコニア層を形成し
た磁性コア片を用いた実施例2のモデム用トランスは、
溶着防止のためのアルミナ粉末を単に付着させたにすぎ
ない比較例2のモデム用トランスに比べて、インダクタ
ンス値を低下させることなく、歪み率が向上しているこ
とが分かる。すなわち、歪み率に優れたモデム用トラン
スが得られた。
た磁性コア片を用いた実施例2のモデム用トランスは、
溶着防止のためのアルミナ粉末を単に付着させたにすぎ
ない比較例2のモデム用トランスに比べて、インダクタ
ンス値を低下させることなく、歪み率が向上しているこ
とが分かる。すなわち、歪み率に優れたモデム用トラン
スが得られた。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のモデム用
トランスによれば、モデムの小型化や伝送容量の大容量
化等に対応可能な薄型化、小型化、高性能化等を達成し
た上で、歪み率の劣化を抑制して信号の低歪み伝送を実
現することができる。
トランスによれば、モデムの小型化や伝送容量の大容量
化等に対応可能な薄型化、小型化、高性能化等を達成し
た上で、歪み率の劣化を抑制して信号の低歪み伝送を実
現することができる。
【図1】 本発明のモデム用トランスの一実施形態の構
成を示す図であって、(a)はその平面図、(b)は
(a)のA−A線に沿った断面図である。
成を示す図であって、(a)はその平面図、(b)は
(a)のA−A線に沿った断面図である。
【図2】 図1に示すモデム用トランスに用いた磁性コ
ア片の構成を示す要部断面図である。
ア片の構成を示す要部断面図である。
1……ボビン 2……一次巻線 3……二次巻線 4……磁性コア片 5……磁性コア 6……モデム用トランス 7……金属酸化物層
Claims (3)
- 【請求項1】 巻線が施されたボビンと、前記ボビンに
組み込まれた磁性コア片からなる磁性コアとを具備する
モデム用トランスにおいて、 前記磁性コア片は、その表面に形成された金属酸化物層
を有することを特徴とするモデム用トランス。 - 【請求項2】 請求項1記載のモデム用トランスにおい
て、 前記金属酸化物層は、熱膨張係数が 2〜 9×106 /Kの金
属酸化物からなることを特徴とするモデム用トランス。 - 【請求項3】 請求項1記載のモデム用トランスにおい
て、 前記金属酸化物層は、0.01〜10μm の厚さを有すること
を特徴とするモデム用トランス。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9357538A JPH11186044A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | モデム用トランス |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9357538A JPH11186044A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | モデム用トランス |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11186044A true JPH11186044A (ja) | 1999-07-09 |
Family
ID=18454650
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9357538A Withdrawn JPH11186044A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | モデム用トランス |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11186044A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6773619B2 (en) | 2001-07-17 | 2004-08-10 | Tdk Corporation | Magnetic core for transformer, Mn-Zn based ferrite composition and methods of producing the same |
| JP2011009644A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Tdk Corp | フェライトコアおよび電子部品 |
| JP2012244064A (ja) * | 2011-05-23 | 2012-12-10 | Tdk Corp | フェライトコアおよび電子部品 |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP9357538A patent/JPH11186044A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6773619B2 (en) | 2001-07-17 | 2004-08-10 | Tdk Corporation | Magnetic core for transformer, Mn-Zn based ferrite composition and methods of producing the same |
| JP2011009644A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Tdk Corp | フェライトコアおよび電子部品 |
| JP2012244064A (ja) * | 2011-05-23 | 2012-12-10 | Tdk Corp | フェライトコアおよび電子部品 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050301 |