JPH11188214A - 空気清浄装置、空気調和装置および熱交換換気装置 - Google Patents

空気清浄装置、空気調和装置および熱交換換気装置

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JPH11188214A
JPH11188214A JP9359923A JP35992397A JPH11188214A JP H11188214 A JPH11188214 A JP H11188214A JP 9359923 A JP9359923 A JP 9359923A JP 35992397 A JP35992397 A JP 35992397A JP H11188214 A JPH11188214 A JP H11188214A
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virus
air
filter
hydrogen atom
acetyl group
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JP9359923A
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Yutaka Ohira
豊 大平
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 インフルエンザウィルス等の病原ウィルスの
捕捉、不活化の機能を長期間維持でき、また、水洗によ
り再使用でき、不快臭も生じない空気清浄装置、空気調
和装置及び熱交換換気装置を提供する。 【解決手段】 空気清浄装置1、空気調和装置は、末端
に式(a) 〔式中の置換基としては例えばR1 、R3 〜R5 は水
素、R2 はアセチル基を示す。〕で表されるシアリル部
分を有する側鎖を備えた糖鎖結合高分子が固定化され
た、ウィルス捕捉フィルタ11を備える。また、フィル
タ11を湿潤させる給水部18を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気中に浮遊す
る、インフルエンザウィルスなどの病原ウィルスを捕捉
して不活化する機能を有する、新規な空気清浄装置、空
気調和装置および熱交換換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】風邪の病原体であるインフルエンザウィ
ルスは、とくに人が集まる室内などで、空気感染あるい
は飛沫感染によって流行をもたらすため、その捕捉なら
びに不活化の方法が種々、検討されている。インフルエ
ンザウィルスは、オルソミクソウィルス科のインフルエ
ンザウィルス属に属するA型およびB型と、インフルエ
ンザウィルスC型属に属するC型とに大別され、いずれ
もその大きさがおよそ80〜100nmというごく微小
なものであるが、空気中に含まれる塵埃粒子や水分など
に付着しながら浮遊していると考えられており、たとえ
ば空気清浄装置、空気調和装置あるいは熱交換換気装置
などの、室内の空気を循環または換気する装置内に設け
た、エレクトレットフィルタなどのフィルタによってこ
れら塵埃粒子などとともに、簡単に捕捉することができ
る。
【0003】そこで、まず第1の方法としては、上記の
装置内に設けたフィルタなどによって、塵埃粒子などと
ともに捕捉したウィルスに、強力な紫外線を照射して不
活化することが検討される。また第2の除去方法として
は、茶の抽出成分によるウィルスの不活化作用を利用す
る方法が検討される(たとえば特開平8−266828
号公報)。すなわち、茶の抽出成分を固定化したフィル
タなどを用いて、塵埃粒子などとともに捕捉したウィル
スを、主として、抽出成分中に含まれる茶ポリフェノー
ル類の作用によって不活化する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし前者の方法は、
紫外線が生体に対して有害であるため、とくに通常の居
住空間やオフィスなどでは、その使用が難しいという問
題がある。また紫外線は、フィルタやその周辺などの、
装置類の内部を構成する部材の劣化を促進するという問
題もある。
【0005】また後者の方法では、上記茶ポリフェノー
ル類が、酸化分解するなどしてフィルタ表面から徐々に
失われ、それにともなってフィルタの、ウィルスを不活
化する機能も徐々に低下するために、とくにフィルタを
長期間にわたって使用すると、一旦、フィルタで捕捉し
たウィルスが、活性を有したままで再飛散するという問
題を生じるおそれがある。
【0006】また茶の抽出成分には、上記茶ポリフェノ
ール類以外にも、たとえば茶の匂いの成分などが含まれ
ており、かかる匂いの成分は揮発性を有するために、使
用前のフィルタを乾燥したり熱処理したりすることによ
ってある程度、除去できるものの、フィルタに少しでも
残っていると、室内が茶の匂いで満たされて、人によっ
ては不快感を感じるという問題を生じるおそれもある。
【0007】さらに、前記のように茶ポリフェノール類
が失われて、ウィルスを不活化する機能がなくなったフ
ィルタは、一般家庭やオフィスなどでは再利用の手段が
なく、結果的に廃棄物として廃棄されることになるた
め、環境や資源の点でも問題がある。本発明の目的は、
インフルエンザウィルスなどの病原ウィルスの捕捉、な
らびに不活化の機能にすぐれるとともに、かかる機能を
長期間にわたって維持することができて廃棄物などの問
題を生じることがなく、しかも安全で、不快感を与える
匂いなども生じない空気清浄装置、空気調和装置および
熱交換換気装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に発明者は、生体における、インフルエンザウィルスを
不活化する機構を応用した抗ウィルス剤として近年、注
目されているシアル酸化合物類の利用を検討した。すな
わち、牛乳などから分離、精製されるシアリルラクトー
スなどのシアル酸化合物は、哺乳動物の子供が、その母
親から授乳されている間、インフルエンザウィルスなど
による感染症から守られるという現象の原因物質であっ
て、近年の研究によるとシアル酸化合物中のシアリル部
分が、インフルエンザウィルスの糖タンパク質(ヘマグ
ルチニン)と強く結合して、ウィルスを不活化するのが
その原因であることが明らかになっている。
【0009】しかし、低分子量のシアル酸化合物をその
まま使用したのでは、やはり茶ポリフェノール類と同様
に酸化分解などしやすいために、ウィルスを不活化する
作用を長期間にわたって維持することは困難である。そ
こで発明者はさらに検討した結果、上記シアル酸化合物
を高分子化した、具体的にはポリスチレンなどの高分子
の側鎖として、シアル酸化合物に相当する基を多数、導
入した、茶ポリフェノール類や低分子量のシアル酸化合
物などよりも安定な高分子(糖鎖結合高分子)を、フィ
ルタなどに固定化して使用すればよいことを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明の空気清浄装置は、末端に
一般式(a) :
【0011】
【化4】
【0012】〔式中、R1 およびR3 は同一または異な
って水素原子またはアセチル基を示し、R2 は水素原
子、アセチル基またはグリコロイル基を示し、R4 は水
素原子、アセチル基、メチル基または硫酸残基を示し、
R5 は水素原子、アセチル基、ラクトロイル基またはリ
ン酸残基を示す。〕で表されるシアリル部分を有する、
ウィルスの捕捉体として作用する側鎖を備えた糖鎖結合
高分子が固定化された、ウィルス捕捉フィルタを備える
ことを特徴とするものである。
【0013】また本発明の空気調和装置は、上記の空気
清浄装置の全体を組み込むか、または上記のウィルス捕
捉フィルタを備えることを特徴とするものである。さら
に本発明の熱交換換気装置は、上記の糖鎖結合高分子が
固定化されたウィルス捕捉部を備えることを特徴とする
ものである。かかる本発明によれば、塵埃粒子などとと
もにウィルスを捕捉するウィルス捕捉フィルタやウィル
ス捕捉部を、前記のようにウィルスの糖タンパク質と強
く結合して不活化する作用を有する側鎖を多数備え、し
かも茶ポリフェノール類や低分子量のシアル酸化合物な
どよりも安定な糖鎖結合高分子の固定化により構成して
いるため、上記ウィルス捕捉フィルタなどにおけるウィ
ルスの捕捉、ならびに不活化の機能を、長期間にわたっ
て、高レベルに維持することができる。
【0014】また、上記の糖鎖結合高分子は、主鎖高分
子の種類にもよるが、その多くが非水溶性で、しかもウ
ィルス捕捉フィルタなどに強固に固定化されるために、
たとえば汚れが付着するなどして、ウィルスの捕捉、な
らびに不活化の機能が低下しても、フィルタごと水洗し
て汚れを落としてやればその機能を復活させることが可
能である。
【0015】このため本発明によれば、フィルタの機能
低下による活性なウィルスの再飛散の問題や、廃棄物発
生の問題を抑制することもできる。また本発明によれ
ば、上記のように生体におけるウィルスの不活化の機構
を利用しているため安全であり、しかも茶の抽出成分の
ような匂いを生じることもない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。本発
明において、ウィルス捕捉フィルタやウィルス捕捉部に
固定化して使用される糖鎖結合高分子は、前記のように
末端に一般式(a) :
【0017】
【化5】
【0018】〔式中、R1 およびR3 は同一または異な
って水素原子またはアセチル基を示し、R2 は水素原
子、アセチル基またはグリコロイル基を示し、R4 は水
素原子、アセチル基、メチル基または硫酸残基を示し、
R5 は水素原子、アセチル基、ラクトロイル基またはリ
ン酸残基を示す。〕で表されるシアリル部分を有する、
ウィルスの捕捉体として作用する側鎖を備えたものであ
る。なお式(a) 中の基R1 、R3 、R4 およびR5 とし
ては、上記の中でも水素原子またはアセチル基、とくに
水素原子が好ましい。
【0019】かかる糖鎖結合高分子の好適な例として
は、たとえば、前述したように牛乳などから分離、精製
されるシアリルラクトースの還元性末端である水酸基
を、Macromolecules, 30, 2016-2020 (1997)に記載され
た簡便な合成方法などにしたがってアミノ化し、ついで
p−ビニルベンゾイルクロライドとの間でアミド形成し
てえられた単量体(糖鎖結合単量体)を、さらにレドッ
クス開始剤などを用いてラジカル重合させた、スチレン
系の高分子があげられる。
【0020】なお、牛乳から分離、精製されたシアリル
ラクトースは一般に、下記式(10a)で表される(2-3) 異
性体と式(10b) で表される(2-6) 異性体:
【0021】
【化6】
【0022】〔式中Acはアセチル基である。以下同
様。〕との混合物(モル比約6.5:1程度)である。
それゆえ、かかる混合物を出発原料とした場合に、上記
の方法で製造される糖鎖結合高分子は、下記式(1a)およ
び(1b):
【0023】
【化7】
【0024】で表される2種の繰り返し単位の混合した
ものとなる。またシアリルラクトースには、たとえばそ
の出発原料の違いなどに応じて、(2-2) 異性体、(1-3)
異性体、(1-6) 異性体なども含まれる場合があるが、糖
鎖結合高分子は、そのいずれから合成された繰り返し単
位を含んでいてもよい。これらの繰り返し単位を含む高
分子も、上記のものとほぼ同様に、ウィルスを不活化す
る作用にすぐれたものとなる。
【0025】なお、上記のシアリルラクトースを出発原
料とする高分子としては、シアリルラクトースの還元性
末端である水酸基をアミノ化したものを、p−ビニルベ
ンゾイルクロライドではなくアクリル酸との間でアミド
形成してえられた糖鎖結合単量体をラジカル重合させ
た、アクリルアミド系の高分子も使用可能である。上記
以外の糖鎖結合高分子としては、たとえばJounal of Me
dicinal Chemistry, 1995, 38, 4179 に記載された、下
記式(2) :
【0026】
【化8】
【0027】で表される繰り返し単位を有するアクリル
アミド系の高分子や、あるいは上記高分子の出発原料で
ある、下記式(30)で表される化合物を、前記と同様にp
−ビニルベンゾイルクロライドとの間でアミド形成して
糖鎖結合単量体を合成し、それをさらにラジカル重合さ
せた、下記式(3) で表される繰り返し単位を有するスチ
レン系の高分子があげられる。
【0028】
【化9】
【0029】また、たとえばJounal of Medicinal Chem
istry, 1995, 37, 3149 に記載された、下記式(4) :
【0030】
【化10】
【0031】で表される繰り返し単位を有するアクリル
アミド系の高分子や、あるいは上記高分子の出発原料で
ある、下記式(50)で表される化合物を、前記と同様にp
−ビニルベンゾイルクロライドとの間でアミド形成して
糖鎖結合単量体を合成し、それをさらにラジカル重合さ
せた、下記式(5) で表される繰り返し単位を有するスチ
レン系の高分子なども、糖鎖結合高分子として好適に使
用できる。
【0032】
【化11】
【0033】さらに他の糖鎖結合高分子としては、特開
平6−247995号公報に記載された、シアリルラク
トースと同じ機構によるウィルスの結合・不活化を目的
として合成されたシアリル(α2−6)ラクトテトラオ
シルセラミドのセラミド部分に代えて、前記と同様に、
セラミド化する前の還元性末端である水酸基をアミノ化
し、ついでp−ビニルベンゾイルクロライドとの間でア
ミド形成してえられた糖鎖結合単量体を、さらにラジカ
ル重合させた、下記式(6) :
【0034】
【化12】
【0035】で表される繰り返し単位を有するスチレン
系の高分子も使用可能である。かかる高分子は、その元
になる、前記シアリル(α2-6)ラクトテトラオシルセラ
ミドが、シアリルラクトースよりもウィルスを結合・不
活化する作用にすぐれているため、やはりウィルスを不
活化する作用の点ですぐれたものとなる。なお、上記の
シアリル(α2-6)ラクトテトラオシルセラミドを基礎と
する高分子としては、前記シアリルラクトース系のもの
と同様に、セラミド化する前の還元性末端である水酸基
をアミノ化したものを、p−ビニルベンゾイルクロライ
ドではなくアクリル酸との間でアミド形成してえられた
糖鎖結合単量体をラジカル重合させた、アクリルアミド
系の高分子も使用可能である。
【0036】上記各糖鎖結合高分子のうちスチレン系の
ものは、とくに合成樹脂製の基材にて形成されるウィル
ス捕捉フィルタなどに固定化するのに適しており、アク
リルアミド系のものは、紙製の基材にて形成されるウィ
ルス捕捉フィルタなどに固定化するのに適している。ま
た糖鎖結合高分子としては、上記の各繰り返し単位を有
する単独重合体の他に、他の通常のビニル単量体との共
重合体を使用してもよい。
【0037】本発明の空気清浄装置および空気調和装置
において、上記の糖鎖結合高分子が固定化されるウィル
ス捕捉フィルタとしては、前述したようにウィルスを、
塵埃粒子などとともに捕捉しうる、従来公知の種々の基
体にて形成されたフィルタ、たとえばHEPAフィル
タ、高性能フィルタ、中性能フィルタ、バグフィルタ、
エレクトレットフィルタなどが、いずれも使用可能であ
る。
【0038】かかるフィルタ用基体の具体例としては、
たとえばポリエステル、ポリスチレンなどの合成樹脂製
の繊維にて形成された織布あるいは不織布や、上記合成
樹脂製の多孔質体、あるいは通気性を有する抄造紙など
があげられる。基体上に糖鎖結合高分子を固定化するに
は、当該糖鎖結合高分子を適当な溶剤に溶解または分散
した溶液を、スプレー法、ディッピング法その他の塗布
方法によって基体上に塗布した後、乾燥させればよい。
【0039】糖鎖結合高分子を、基体上にどの程度の割
合で固定化するかについては、フィルタの目付量や厚み
その他によっても異なるため、とくに限定はされない
が、基体1m2 あたりの糖鎖結合高分子の固定化重量
(濃度)で表して、0.1g/m 2 以上となるように固
定化するのが好ましい。固定化の量がかかる濃度未満で
は、糖鎖結合高分子による、ウィルスを捕捉して不活化
する機能が不十分になるおそれがある。
【0040】なお糖鎖結合高分子の濃度は、フィルタの
通気性などを考慮すると、上記の範囲内でもとくに0.
1〜10g/m2 程度であるのが好ましい。また本発明
の熱交換換気装置において、前記の糖鎖結合高分子が固
定化されるウィルス捕捉部としては、上記のウィルス捕
捉フィルタが使用される他、後述するように、かかる熱
交換換気装置において、室外から室内へ導入される空気
と、室内から室外へ排出される空気との間で熱交換を行
う熱交換エレメントの、空気の風路を構成する面に糖鎖
結合高分子を固定化して、ウィルス捕捉部を構成しても
よい。
【0041】本発明の空気清浄装置は、前述したよう
に、上記のウィルス捕捉フィルタを組み込むことで構成
される。すなわち図1に示すように、空気清浄装置1の
本体10のうち、前面の空気取入口10aから、本体1
0内を通って、後部上面の空気排出口10bに至る空気
風路の途中に、当該空気風路を遮るように、糖鎖高分子
を固定化したウィルス捕捉フィルタ11が配置される。
なお図中符号12は、上記空気風路内に、図中白矢印で
示すように、空気取入口10aから空気排出口10bへ
流れる通気流を発生させるためのファンである。
【0042】また図の例においては、上記空気風路の、
ウィルス捕捉フィルタ11より上流側(図では左側)
に、空気取入口10a側から順に、プレフィルタ13
と、イオン化部14と、光触媒を担持した光触媒エレメ
ント15と、光触媒に光を照射する光源16とが配置さ
れており、ウィルス捕捉フィルタ11より下流側(図で
は右側)には、静電フィルタ17が配置されている。
【0043】上記のうちプレフィルタ13は、比較的に
大きなゴミや塵埃粒子など除去するためのものである。
イオン化部14は、通気流方向と直交する方向に互いに
平行に張り渡された複数本のイオン化線(放電線)14
aと、これらのイオン化線14aを挟んで平行に配置さ
れた複数枚の対向極板14bとを備えており、電源Bか
らおよそ3〜5kV/cm程度の直流電圧を印加して、
上記イオン化線14aと対向極板14bとの間にコロナ
放電を発生させることによって、プレフィルタ13を通
過した通気流中の塵埃粒子を正の電位に帯電させるとと
もに、オゾン(O3)や活性酸素(O2 +)を発生させる
働きをする。
【0044】そして、イオン化部14で帯電した塵埃粒
子は、ウィルス捕捉フィルタ11の背後に配置され、対
向極板14bと同電位(接地電位)とされた静電フィル
タ17によって静電気的に吸引されるために、その前方
に配置されたウィルス捕捉フィルタ11に、より効率よ
く捕捉されるようになる。また、もし塵埃粒子がウィル
ス捕捉フィルタ11をすり抜けたとしても、最終的に静
電フィルタ17によって捕捉されるため、空気排出口1
0dから排出される空気は、塵埃粒子の極めてすくない
清浄な空気となる。
【0045】一方、イオン化部14で発生したオゾンや
活性酸素は、それ自体がウィルスを不活化する作用を有
するため、ウィルス捕捉フィルタ11による、ウィルス
を不活化する機能が向上する。またオゾンや活性酸素
は、空気中に含まれる匂いの成分などの、フィルタで捕
捉できない成分を分解、除去する働きもする。光触媒エ
レメント15は、光源16から、波長およそ300〜4
00nm程度の近紫外線を照射すると、その表面に担持
した、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、
酸化タングステン(WO3)などを主要成分とする、ア
ナターゼ型の結晶構造を有する光触媒が活性化して、そ
のエネルギーによって活性酸素を発生させるもので、発
生した活性酸素は、前記と同様に、ウィルス捕捉フィル
タ11によるウィルスを不活化する機能を向上させると
ともに、匂いの成分などの、フィルタで捕捉できない成
分を分解、除去する働きをする。
【0046】また図の例では光源16が、ウィルス捕捉
フィルタ11にも近紫外線光を照射しうるように、当該
ウィルス捕捉フィルタ11と隣接させて配置されてい
る。このように配置すると、光源16からの近紫外線自
体もウィルスを不活化する作用を有するため、ウィルス
捕捉フィルタ11による、ウィルスを不活化する機能が
向上する。
【0047】また図の例では、ウィルス捕捉フィルタ1
1の下方に、超音波振動などを利用して、水を上方、す
なわちウィルス捕捉フィルタ11に向けて噴霧して、当
該ウィルス捕捉フィルタ11を湿潤させる給水部18が
設けられている。かかる、給水部18からの水の噴霧に
よってウィルス捕捉フィルタ11を湿潤状態とすると、
塵埃粒子や、あるいは単独で空気中に浮遊しているウィ
ルスなどがウィルス捕捉フィルタ11に付着しやすくな
るとともに、その電位(前述したように接地電位)が均
一化するため、当該ウィルス捕捉フィルタ11による、
塵埃粒子やウィルスなどの捕捉の効率がさらに向上す
る。
【0048】また水は、塵埃粒子中に浸透して、当該塵
埃粒子に付着したウィルスが、フィルタ表面の糖鎖結合
高分子と接触する機会を増加させるため、やはりウィル
ス捕捉フィルタ11による、ウィルスを不活化する機能
が向上する。また前記のように、イオン化部14や光触
媒エレメント15からオゾンや活性酸素が供給される
と、水自体が活性化するため、ウィルス捕捉フィルタ1
1による、ウィルスを不活化する機能がさらに向上す
る。
【0049】さらにかかる水は、塵埃粒子が除去され、
かつウィルス捕捉フィルタ11などによってウィルスが
不活化された清浄な水であるため、その余剰分を利用し
て、室内の加湿を行ってもよい。加湿すると、とくにイ
ンフルエンザウィルスの、人体への感染を抑制できると
いう効果がある。なお本発明の空気清浄装置の構成は、
図の例には限定されない。
【0050】たとえばプレフィルタ13は、ウィルス捕
捉フィルタ11の直前の位置に設けてもよい。その場合
にはとくに、プレフィルタ13を白色の材料にて形成し
てやると、その汚れ具合をみて、プレフィルタ13およ
びウィルス捕捉フィルタ11を洗浄する時期を見極める
目安とすることができる。またウィルス捕捉フィルタ1
1自体を直接に接地電位に接続して、静電フィルタ17
を省略してもよい。
【0051】また給水部18としては、ウィルス捕捉フ
ィルタ11の上方に設けた、水を噴霧するノズルなど
と、下方に設けた、フィルタから滴下した水を受ける受
け皿との組み合わせなどを採用してもよい。その他、本
発明の要旨を変更しない範囲で、種々の設計変更を施す
ことができる。
【0052】つぎに、本発明の空気調和装置について説
明する。本発明の空気調和装置は、その室内ユニット
に、上で説明した空気清浄装置1のうちファンなどを除
いた全体を着脱自在に組み込んだり、あるいは通常の室
内ユニット内の、通常のフィルタが配置される位置の近
傍に、ウィルス捕捉フィルタ21を組み込んだりするこ
とで構成される。
【0053】このうち前者の構成は、とくに天井埋め込
み型の大型の空気調和装置などに採用され、後者の構成
は、たとえば一般家庭用の小型の空気調和装置などに採
用される。すなわち前者の空気調和装置2の具体例とし
ては、たとえば図2に示すように、天井に埋め込まれる
室内ユニットの本体20のうち、下面中央のパネル20
aの周囲の空気取入口20bから、本体20内を通っ
て、上記空気取入口20bの周囲の空気排出口20cに
至る空気風路の途中に、先に説明した空気清浄装置1の
うち、この場合はファンとプレフィルタとを除いたもの
を空気清浄ユニットとして、着脱自在に配置したものな
どがあげられる。
【0054】なお図中符号21は、前記と同様に、比較
的に大きなゴミや塵埃粒子など除去するためのプレフィ
ルタ、符号22は、上記空気風路内に、図中白矢印で示
すように、空気取入口20bから空気排出口20cへ流
れる通気流を発生させるためのファン、符号23は、室
外ユニットから送られた冷媒と、上記通気流との間で熱
交換を行うための熱交換器である。
【0055】一方、後者の空気調和装置3の具体例とし
ては、たとえば図3に示すように、室内ユニットの本体
30のうち、前面上方の空気取入口30aから、本体3
0内を通って、前面下方の空気排出口30bに至る空気
風路の途中に、空気取入口30a側から順に、プレフィ
ルタ32、ウィルス捕捉フィルタ31、および熱交換器
33をそれぞれ、空気風路を遮るように配置したものな
どがあげられる。
【0056】なお図中符号34は、上記空気風路内に、
図中白矢印で示すように、空気取入口30aから空気排
出口30bへ流れる通気流を発生させるためのファン、
符号35は、空気排出口30bから排出される通気流の
向きを調整するためのルーバを示している。上記のうち
ウィルス捕捉フィルタ31は、先に説明したとおりであ
る。
【0057】プレフィルタ32は、前記と同様に、比較
的に大きなゴミや塵埃粒子など除去するためのものであ
って、かかるプレフィルタ32を白色の材料にて形成し
てやると、その汚れ具合をみて、プレフィルタ32およ
びウィルス捕捉フィルタ31を洗浄する時期を見極める
目安とすることができる。熱交換器33は、室外ユニッ
トから送られた冷媒と、上記通気流との間で熱交換を行
うためのものである。
【0058】なお、上記図2、3の空気調和装置2、3
において、たとえば熱交換時に発生するドレン水を用い
てウィルス捕捉フィルタを湿潤させるようにすると、前
記と同様に塵埃粒子やウィルスなどの捕捉の効率、なら
びにウィルス捕捉フィルタによる、ウィルスを不活化す
る機能を向上させることができる。ドレン水を使用する
代わりに前述した給水部を設けて、かかる給水部から噴
霧した水によってウィルス捕捉フィルタを湿潤させ、か
つ室内の空気を加湿するようにしてもよい。
【0059】その他の部分についても、本発明の要旨を
変更しない範囲で、前記と同様の、種々の設計変更を施
すことができる。たとえば図3の空気調和装置3におい
て、ウィルス捕捉フィルタ31は、図中二点鎖線で示す
ように、ファン34よりも下流側に配置してもよい。ま
た、前述した光触媒エレメントと光源とを、とくにウィ
ルス捕捉フィルタ31より上流側に組み込んでもよい。
【0060】つぎに、本発明の熱交換換気装置について
説明する。本発明の熱交換換気装置4は、前記のウィル
ス捕捉部4aを備えること以外は、従来同様に構成され
る。すなわち図4に示すように、その本体40内のほぼ
中央に熱交換エレメント41を配置するとともに、当該
本体40内に、空気取入口40aから取り込んだ室内か
らの空気を、図中矢印Sで示すように、上記熱交換エレ
メント41を通して、空気排出口40bから室外に排出
する排気用の空気風路と、空気取入口40cから取り込
んだ室外からの空気を、図中矢印Eで示すように、上記
熱交換エレメント41を通して、室内からの空気Sと熱
交換したのち、空気排出口40dから室内に供給する給
気用の空気風路と、上記空気取入口40cから取り込ん
だ室外からの空気を、図中矢印Bで示すように、熱交換
エレメント41を通さずに、したがって熱交換せずに、
空気排出口40dから室内に供給するバイパス用の空気
風路とを形成したものである。
【0061】なお、図において符号42は、上記のうち
排気用の空気風路内に、上記矢印Sで示す排気のための
通気流を発生させるファン、符号43は、給気用または
バイパス用の空気風路内に、上記矢印EまたはBで示す
給気のための通気流を発生させるファン、符号44は、
給気を、給気用、バイパス用のいずれの空気風路を通す
かを切り換えるためのダンパを示している。
【0062】ウィルス捕捉部4aは、図の例の場合、前
記のように熱交換エレメント41のうち、給気用の空気
風路を構成する面に糖鎖結合高分子を固定化することで
構成される。詳しくは、紙製の波板を交互に直交させて
積層するなどして形成される熱交換エレメント41のう
ち、給気用の空気風路を構成する波板の表面に、糖鎖結
合高分子を適当な溶剤に溶解または分散した溶液を、ス
プレー法、ディッピング法その他の塗布方法によって塗
布した後、乾燥させることにより、ウィルス捕捉部4a
が構成される。
【0063】上記の熱交換換気装置においては、とくに
冬期の熱交換時に、ウィルス捕捉部4aを構成する糖鎖
結合高分子の表面が、当該表面で発生したドレン水によ
って湿潤状態となるため、前記と同様に塵埃粒子やウィ
ルスなどの捕捉の効率、ならびにウィルス捕捉部4aに
よる、ウィルスを不活化する機能を向上させることがで
きる。
【0064】ドレン水を使用する代わりに前述した給水
部を設けて、かかる給水部から噴霧した水によってウィ
ルス捕捉部4aを湿潤させ、かつ室内の空気を加湿する
ようにしてもよい。その他の部分についても、本発明の
要旨を変更しない範囲で、前記と同様の、種々の設計変
更を施すことができる。
【0065】たとえばウィルス捕捉部4aとしては、先
に述べたように、糖鎖結合高分子を固定化したウィルス
捕捉フィルタを使用してもよい。
【0066】
【発明の効果】以上、詳述したように請求項1記載の発
明によれば、糖鎖結合高分子が固定化されたウィルス捕
捉フィルタを備えることによって、インフルエンザウィ
ルスなどの病原ウィルスの捕捉、ならびに不活化の機能
にすぐれるとともに、かかる機能を長期間にわたって維
持することができて廃棄物などの問題を生じることがな
く、しかも安全で、不快感を与える匂いなども生じない
空気清浄装置を提供することができる。
【0067】請求項2記載の発明によれば、光触媒エレ
メントから発生する活性酸素の働きによって、上記ウィ
ルス捕捉フィルタにおける、ウィルスを不活化させる機
能をさらに向上することができる。請求項3記載の発明
によれば、上記光触媒エレメントを活性化させる光源か
らの光によって、ウィルス捕捉フィルタにおける、ウィ
ルスを不活化させる機能をさらに向上することができ
る。
【0068】請求項4記載の発明によれば、イオン化部
から発生するオゾンや活性酸素の働きによって、ウィル
ス捕捉フィルタにおける、ウィルスを不活化させる機能
をさらに向上することができる。請求項5記載の発明に
よれば、給水部からの水によってウィルス捕捉フィルタ
を湿潤させることで、当該ウィルス捕捉フィルタによ
る、ウィルスや塵埃粒子などを捕捉する効率を向上でき
るとともに、ウィルスを不活化させる機能をさらに向上
することができる。
【0069】請求項6記載の発明によれば、ウィルス捕
捉フィルタを構成する基体上に、糖鎖結合高分子を0.
1g/m2 以上の濃度で固定化することによって、当該
ウィルス捕捉フィルタにおける、ウィルスの捕捉、なら
びに不活化の機能を十分に発揮させることができる。請
求項7および8記載の発明によれば、上記請求項1〜6
のいずれかの空気清浄装置を組み込むか、あるいは糖鎖
結合高分子が固定化されたウィルス捕捉フィルタを備え
ることによって、インフルエンザウィルスなどの病原ウ
ィルスの捕捉、ならびに不活化の機能にすぐれるととも
に、かかる機能を長期間にわたって維持することができ
て廃棄物などの問題を生じることがなく、しかも安全
で、不快感を与える匂いなども生じない空気調和装置を
提供することができる。
【0070】請求項9記載の発明によれば、糖鎖結合高
分子が固定化されたウィルス捕捉部を備えることによっ
て、インフルエンザウィルスなどの病原ウィルスの捕
捉、ならびに不活化の機能にすぐれるとともに、かかる
機能を長期間にわたって維持することができて廃棄物な
どの問題を生じることがなく、しかも安全で、不快感を
与える匂いなども生じない熱交換換気装置を提供するこ
とができる。
【0071】請求項10記載の発明によれば、熱交換エ
レメントの、空気の風路を構成する面に糖鎖結合高分子
を固定化してウィルス捕捉部が構成されるため、部品点
数を減少できるとともに、熱交換時に発生するドレン水
によってウィルス捕捉部が湿潤状態となるため、当該ウ
ィルス捕捉部による、ウィルスや塵埃粒子などを捕捉す
る効率を向上できるとともに、ウィルスを不活化させる
機能をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気清浄装置の、実施の形態の一例を
示す側断面図である。
【図2】本発明の空気調和装置の、実施の形態の一例を
示す側断面図である。
【図3】本発明の空気調和装置の、実施の形態の他の例
を示す側断面図である。
【図4】本発明の熱交換換気装置の、実施の形態の一例
を示す平面断面図である。
【符号の説明】
1 空気清浄装置 11 ウィルス捕捉フィルタ 14 イオン化部 15 光触媒エレメント 16 光源 18 給水部 2、3 空気調和装置 31 ウィルス捕捉フィルタ 4 熱交換換気装置 4a ウィルス捕捉部 41 熱交換エレメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B03C 3/41 B03C 3/41 A C07H 5/06 C07H 5/06 13/06 13/06 F24F 1/00 F24F 3/16 3/16 7/00 A 7/00 1/00 371B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】末端に一般式(a) : 【化1】 〔式中、R1 およびR3 は同一または異なって水素原子
    またはアセチル基を示し、R2 は水素原子、アセチル基
    またはグリコロイル基を示し、R4 は水素原子、アセチ
    ル基、メチル基または硫酸残基を示し、R5 は水素原
    子、アセチル基、ラクトロイル基またはリン酸残基を示
    す。〕で表されるシアリル部分を有する、ウィルスの捕
    捉体として作用する側鎖を備えた糖鎖結合高分子が固定
    化された、ウィルス捕捉フィルタ(11)を備えることを特
    徴とする空気清浄装置(1) 。
  2. 【請求項2】空気風路の、ウィルス捕捉フィルタ(11)よ
    り上流側に、光触媒を担持した光触媒エレメント(15)
    と、光触媒に光を照射して活性化させる光源(16)とが設
    けられている請求項1記載の空気清浄装置(1) 。
  3. 【請求項3】光源(16)が、ウィルス捕捉フィルタ(11)に
    も光を照射しうる位置に配置された請求項2記載の空気
    清浄装置(1) 。
  4. 【請求項4】空気風路の、光触媒エレメント(15)より上
    流側に、当該空気風路に沿う通気流中の塵埃粒子をイオ
    ン化するイオン化部(14)が設けられている請求項2記載
    の空気清浄装置(1) 。
  5. 【請求項5】水を噴霧するか、または水を供給すること
    によってウィルス捕捉フィルタ(11)を湿潤させる給水部
    (18)を備えている請求項1記載の空気清浄装置(1) 。
  6. 【請求項6】ウィルス捕捉フィルタ(11)が、基体上に、
    糖鎖結合高分子を0.1g/m2 以上の濃度で固定化し
    たものである請求項1記載の空気清浄装置(1) 。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の空気清浄
    装置(1) を組み込んだことを特徴とする空気調和装置
    (2) 。
  8. 【請求項8】末端に一般式(a) : 【化2】 〔式中、R1 およびR3 は同一または異なって水素原子
    またはアセチル基を示し、R2 は水素原子、アセチル基
    またはグリコロイル基を示し、R4 は水素原子、アセチ
    ル基、メチル基または硫酸残基を示し、R5 は水素原
    子、アセチル基、ラクトロイル基またはリン酸残基を示
    す。〕で表されるシアリル部分を有する、ウィルスの捕
    捉体として作用する側鎖を備えた糖鎖結合高分子が固定
    化された、ウィルス捕捉フィルタ(31)を備えることを特
    徴とする空気調和装置(3) 。
  9. 【請求項9】末端に一般式(a) : 【化3】 〔式中、R1 およびR3 は同一または異なって水素原子
    またはアセチル基を示し、R2 は水素原子、アセチル基
    またはグリコロイル基を示し、R4 は水素原子、アセチ
    ル基、メチル基または硫酸残基を示し、R5 は水素原
    子、アセチル基、ラクトロイル基またはリン酸残基を示
    す。〕で表されるシアリル部分を有する、ウィルスの捕
    捉体として作用する側鎖を備えた糖鎖結合高分子が固定
    化された、ウィルス捕捉部(4a)を備えることを特徴とす
    る熱交換換気装置(4) 。
  10. 【請求項10】室外から室内へ導入される空気と、室内
    から室外へ排出される空気との間で熱交換を行う熱交換
    エレメント(41)の、空気の風路を構成する面に、糖鎖結
    合高分子が固定化されて、ウィルス捕捉部(4a)が構成さ
    れている請求項9記載の熱交換換気装置(4) 。
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