JPH11188634A - 電鋳薄刃砥石およびその製造方法 - Google Patents

電鋳薄刃砥石およびその製造方法

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JPH11188634A
JPH11188634A JP36131597A JP36131597A JPH11188634A JP H11188634 A JPH11188634 A JP H11188634A JP 36131597 A JP36131597 A JP 36131597A JP 36131597 A JP36131597 A JP 36131597A JP H11188634 A JPH11188634 A JP H11188634A
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metal plating
abrasive
plating phase
layer
grains
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JP36131597A
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Tsutomu Takahashi
務 高橋
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 砥石両面からの砥粒突出が良好で、応力によ
る反りが生じにくく、個々の超砥粒が一斉に摩滅せずに
使用寿命が長い電鋳薄刃砥石を提供する。 【解決手段】 平面基板2上に第1金属めっき相14を
析出させつつ、この第1金属めっき相14中に超砥粒1
2を分散させて、表面から超砥粒12の一部が突出した
第1砥粒層6を形成する工程と、第1砥粒層6を平面基
板2から剥離し、この第1砥粒層6の平面基板2に接し
ていた面から第1金属めっき相14を一定量溶解する工
程と、第1砥粒層6の第1金属めっき相14を溶解した
面に、第2金属めっき相18を析出させつつ、この第2
金属めっき相18中に超砥粒12を分散させて、表面か
ら超砥粒12の一部が突出した第2砥粒層16を形成す
る工程とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度の切断加工
や溝入れ加工に用いられる電鋳薄刃砥石およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェーハから素子チップを切り出
すなどのダイシング加工には、従来より、厚さ10μm
〜100μm程度の円環板状をなす電鋳薄刃砥石が用い
られている。このような電鋳薄刃砥石は、両側面を一対
のフランジで支持するか、円環状のハブに固定されて高
速回転され、スライシングやダイシングに使用される。
【0003】この種の電鋳薄刃砥石は、平均粒径が0.
5〜50μm程度のダイヤモンドやCBN等の超砥粒
を、ニッケルやコバルト等からなる金属めっき相中に分
散した円環板状の砥石であり、従来、このような電鋳薄
刃砥石は次のような方法により製造されている。
【0004】まず、めっき浴内において金属製の平面基
板の表面にダイヤモンドなどの超砥粒を散布した状態
で、前記表面にニッケルやコバルトなどの金属めっき相
を析出させ、この金属めっき相中に超砥粒を取り込ませ
る。金属めっき相が所定の厚さに成長したら、砥粒層を
平面基板から剥離させ、所望の砥石形状に整形して電鋳
薄刃砥石とする。
【0005】ところで、このような方法で製造された電
鋳薄刃砥石では、平面基板から剥離させた面が平滑面と
なり、金属めっき相から超砥粒が突出しない。このた
め、この平滑面による切れ味が悪く、特に、切削初期に
おいて被削材にチッピングやムシリを生じやすいばかり
か、表面と裏面における金属めっき相中の応力に不均衡
が生じるため、反りが生じやすいという問題もあった。
【0006】そこで本発明者は先に、特願昭61−15
7053号(特公平6−49275号公報)において、
図5に示すような電鋳薄刃砥石の製造方法を提案した。
この方法ではまず、平面基板上に超砥粒24を蒔きつつ
金属めっき相26を析出させ、第1砥粒層20を砥石の
略1/2の厚さに形成する。次に、この第1砥粒層20
を平面基板から剥離させて裏返したのち、この剥離面2
6B上に超砥粒24を蒔きつつ金属めっき相28を析出
させて、第2砥粒層22を1/2厚さに形成する。こう
して得られた電鋳薄刃砥石では、砥石両面から同程度に
超砥粒24が突出するうえ、厚さ方向両側に生じる金属
めっき相の内部応力がほぼ均等になるので、反りの問題
も軽減できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで最近では、電
鋳薄刃砥石をさらに薄くするとともに、その厚さからす
れば比較的大きい平均粒径の超砥粒を用いる要求が高ま
っている。電鋳薄刃砥石を薄くすればその分、切断代が
小さくなって材料の歩留まりが高まる一方、大径の超砥
粒を用いた方が切れ味が良く、しかも切れ味が長く持続
するからである。
【0008】しかしながら、特願昭61−157053
号に係る方法により、電鋳薄刃砥石の厚さを小さくして
かつ大径の超砥粒を使用すると、次のような問題が生じ
ることが判明した。すなわち、第1砥粒層20の剥離面
26Bは平滑であるから、図6に示すように、この剥離
面26B上に極薄い第2砥粒層22を形成すると、その
中に含まれる超砥粒24は単層に近くなり、ほとんど平
面に沿って並ぶことになる。このため、第2砥粒層22
から突出する超砥粒24の切刃先端が剥離面26Bと略
平行に配列されてしまう。
【0009】切刃先端が揃うことは、切断精度の点から
は一見良いことに思えるが、実際には、殆どの超砥粒2
4の切刃寿命が同時期に尽きる原因となり、切れ味の劣
化が急に起こる寿命の短い砥石となってしまうのであ
る。また一方、砥粒層の中央部に着眼すると、第1砥粒
層と第2砥粒層との境界部には実質的に砥粒が存在せ
ず、この砥粒欠陥部を中心とした対称性を有するため、
厚さ方向の砥粒の配置密度が異なり、特に境界部の加工
能力が不足すると共に、中央が凹む形状の摩耗を生じ、
砥石形状が容易に崩れるという問題点があった。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、砥石両面からの超砥粒の突出が良好で、応力による
反りが生じにくく、砥石の厚さ方向に砥粒の欠陥部が存
在せず、しかも、個々の超砥粒が一斉に摩滅せずに使用
寿命が長い電鋳薄刃砥石を提供することを課題としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る電鋳薄刃砥石の製造方法は、平面基板
上に第1金属めっき相を析出させつつ、この第1金属め
っき相中に超砥粒を分散させて、表面から超砥粒の一部
が突出した第1砥粒層を形成する工程と、前記第1砥粒
層を平面基板から剥離し、この第1砥粒層の平面基板に
接していた面から前記第1金属めっき相を一定量溶解す
る工程と、前記第1砥粒層の第1金属めっき相を溶解し
た面に、第2金属めっき相を析出させつつ、この第2金
属めっき相中に超砥粒を分散させて、表面から超砥粒の
一部が突出した第2砥粒層を形成する工程とを具備する
ことを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る電鋳薄刃砥石は、重ね
て形成された平板状の第1砥粒層および第2砥粒層を有
する電鋳薄刃砥石であって、前記第1砥粒層は、前記第
2砥粒層側から成長した第1金属めっき相中に超砥粒を
分散させたものであり、前記第2砥粒層は、前記第1砥
粒層側から成長した第2金属めっき相中に超砥粒を分散
させたものであり、さらに前記超砥粒の一部は、前記第
1金属めっき相と前記第2金属めっき相との界面を貫通
して配置されていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る電鋳薄刃砥
石の製造方法の一実施形態に使用される電鋳装置の一例
を示している。図中符号1は、電気めっき液Mを満たし
ためっき槽であり、めっき液M中には平面基板2および
陽極8が水平に配置されている。平面基板2はステンレ
ス等の導電体で形成されたもので、陽極8との対向面
に、砥石形状をなす円環状の露出部を残して、他の部分
は絶縁層4によりマスクされている。陽極8はスイッチ
を介して図示しない電源陽極に接続され、平面基板2は
電源陰極に接続されている。この実施形態のめっき液M
は、Ni,Co,Cuなどの金属イオンを含む電気めっ
き液であり、通電により平面基板2の露出面に金属が析
出する。ただし、本発明では、電気めっき法の代わりに
無電解めっき法を利用してもよく、その場合には無電解
めっき液を使用し、陽極8や電源は不要となる。
【0014】この実施形態の方法ではまず、図2に示す
ように、平面基板2の露出部上に超砥粒12を均一に散
布、もしくは超砥粒を超音波撹拌等により均一にめっき
液M中で分散させながら、第1金属めっき相14を析出
させ、多層状(単層状も可能である)に配置された超砥
粒12を含有する第1砥粒層6を形成する。このとき第
1金属めっき相14は、平面基板2側から超砥粒12を
取り込みながら成長するため、その結晶構造中に成長痕
を発生し、製品になった後でもこの成長痕を確認するこ
とが可能である。
【0015】なお、めっき槽1に超音波加震装置10を
付設し、第1金属めっき相14および後述する第2金属
めっき相18を析出させる際に、平面基板2に付着した
超砥粒12に振動を与えることにより、平面基板2上で
超砥粒12が密に配列されるようにしてもよい。この場
合には、超砥粒12の配列密度を高めて、切刃密度の均
一性を高めることが可能である。
【0016】第1金属めっき相14の析出厚さT1は限
定されるものではないが、一般には超砥粒12の平均粒
径の60%以上であることが好ましい。60%より薄い
と超砥粒の保持力が不足すると共に、強度が不足して第
1砥粒層6を平面基板2から剥離することが難しい。
【0017】超砥粒12の粒径は限定されるものではな
いが、一般には5〜100μmであることが好ましい。
5μm未満では金属めっき相による砥粒保持力が不足し
て長寿命化が図りにくく、一方、100μmより大であ
ると、自生発刃作用が低下し、また切断面の面粗さが悪
化する。本発明では特に、比較的粒径が大きい10〜8
0μmであることがより好ましい。
【0018】所望の厚さを有する第1砥粒層6が形成さ
れたら、通電を停止して平面基板2から第1砥粒層6を
剥離させる。第1砥粒層6の研削面14Aからは超砥粒
12が適宜突出しているが、剥離面14Bは超砥粒12
が突出していない平滑面となる。
【0019】次に、図3に示すように、第1砥粒層6の
剥離面14Bにエッチング処理を行い、剥離面14Bで
露出している第1金属めっき相14を一定の厚さ分、溶
解する。それにはまず、第1砥粒層6の剥離面14Bの
みを露出させた状態で、他の部分は絶縁体によりマスク
し、第1金属めっき相14を溶解できるエッチング液に
接触させる。さらに、エッチング液に浸漬した状態で第
1金属めっき相14に通電し、第1金属めっき相14か
ら金属イオンを溶出させてもよい。
【0020】エッチング液は限定されないが、硫酸、硝
酸、燐酸、及びこれらの混酸などが例示できる。もっと
も好ましい方法は、電解研磨法である。電解液には燐酸
系や硫酸系が好適に使用され、望ましい電流密度は10
〜50A/dm2である。
【0021】剥離面14Bの溶解量T2は、超砥粒12
の平均粒径の10〜50%であることが好ましく、より
好ましくは15〜40%とされる。10%未満であると
本発明の効果が乏しくなり、平均粒径の50%より大で
あると、剥離面14B上に形成すべき第2砥粒層16の
構造が乱雑になりすぎるうえ、剥離面14Bに埋まって
いる超砥粒12が脱落するおそれが生じる。
【0022】次に、剥離面14Bの溶解により得られた
溶解面14C上に、図4に示すように第2砥粒層16を
形成する。それにはまず、第1砥粒層6を研削面14A
を下向きにした状態で、図1に示す平面基板2の露出面
上に載置し、第1金属めっき相14と平面基板2とを導
通させ、第1砥粒層6を平面基板2に固定する。研削面
14Aでは、一般に超砥粒12の一部を覆うように第1
金属めっき相14が形成されているので、第2砥粒層1
6を単に平面基板2に載せるだけでも、両者間の導通を
確保することができる。第1砥粒層6を固定するには、
第1砥粒層6の内周縁を、円環状のフランジ状部を有す
る押さえ治具で押さえればよい。
【0023】平面基板2上に第1砥粒層6が固定された
ら、図1のめっき槽1内にこれらを配置し、第1砥粒層
6の溶解面14C上に超砥粒12を均一に散布、もしく
は超砥粒を超音波撹拌等により均一にめっき液M中で分
散させながら、第2金属めっき相18を析出させ、単層
状または多層状に配置された超砥粒12を含有する第2
砥粒層16を形成する。このとき第2金属めっき相18
は、溶解面14C側から超砥粒12を取り込みながら成
長するため、その結晶構造中に成長痕を発生し、製品に
なった後でもこの成長痕を確認することが可能である。
【0024】各砥粒層の境界面14Cを貫通して配置さ
れている超砥粒12を除いて、第2砥粒層16に含まれ
る超砥粒12の層数は、各砥粒層の境界面14Cを貫通
して配置されている超砥粒12を除いて第1砥粒層6に
含まれる超砥粒12の層数と等しいか1層差程度である
ことが望ましい。そのほうが第1砥粒層6の研削面14
Aにおいて突出する超砥粒12の配置の乱雑さと、第2
砥粒層16の研削面18Aにおいて突出する超砥粒12
の配置の乱雑さとがほぼ等しくなり、研削特性のバラン
スがとれるため好ましい。
【0025】第2金属めっき相18の析出厚さT3は限
定されるものではないが、一般には超砥粒12の平均粒
径の60%以上であることが好ましい。60%より薄い
と超砥粒12を十分に保持することができない。
【0026】第1金属めっき相14および第2金属めっ
き相18を合計した厚さは限定されないが、前記平均粒
径の1.1倍以上であることが好ましい。この範囲であ
ると、薄肉でありながら砥粒分布が適度に乱雑な電鋳薄
刃砥石が得られる。より好ましくは1.2倍以上であ
る。
【0027】こうして両面電鋳した電鋳薄刃砥石が得ら
れたら、この電鋳薄刃砥石を平面基板2から取り外し、
必要に応じて砥石の整形を行い、製品砥石とする。必要
であれば、得られた円環板状の電鋳薄刃砥石に円環状の
ハブや台金を同軸に固定してもよい。
【0028】上述した製造方法によって得られた電鋳薄
刃砥石は、重ねて形成された平板状の第1砥粒層6およ
び第2砥粒層16を有する。第1砥粒層6は、第2砥粒
層側から成長した第1金属めっき相14中に超砥粒12
を分散させたものであり、第2砥粒層16は、第1砥粒
層6側から成長した第2金属めっき相18中に超砥粒1
2を分散させたものである。そして、超砥粒12の一部
は、第1金属めっき相14と第2金属めっき相18との
界面14Cを貫通して配置されている。
【0029】前記製造方法によれば、第1砥粒層6を平
面基板2から剥離させ、第1砥粒層6の平滑な剥離面1
4Bから第1金属めっき相14を一定の厚さだけ溶解さ
せて超砥粒12が部分的に突出した溶解面14Cを形成
した後、この凹凸に富む溶解面14C上に超砥粒12を
分散しながら再び第2砥粒層16を形成することによ
り、この第2砥粒層16内における超砥粒12の配置を
乱雑化し、第2砥粒層16の表面に露出する超砥粒12
の突出量をばらつかせることができる。これにより、こ
の製造方法で得られた電鋳薄刃砥石では、砥石の厚さ方
向において超砥粒の欠落部が存在しないため、厚さ方向
の各部の切断能力が一定であり、中央が凹む形状の摩耗
を生じることがない。また、個々の超砥粒12の切刃寿
命が同時期に尽きることがなく、切れ味の劣化が急に起
こらず、長期に亘って良好な研削性能が得られる。そし
て、この効果は、砥石が薄くて超砥粒が大径である場合
に、特に顕著になる。
【0030】また、前記製造方法によって得られた電鋳
薄刃砥石では、第1砥粒層6および第2砥粒層16の各
表面14A,18Aから超砥粒12がバランス良く突出
した状態となるので、使用開始直後から両面の研削性が
良好で、切れ味に優れ、チッピングやムシリを生じにく
い利点を有する。
【0031】また、第1砥粒層6の第1金属めっき相1
4と、第2砥粒層16の第2金属めっき相18とは、互
いに逆方向に成長されて形成されているので、両者の内
部に生じる応力は相殺しあい、電鋳薄刃砥石に反りが生
じることが防止できる。
【0032】さらに、超砥粒12の一部は、第1金属め
っき相14と第2金属めっき相18との界面14Cを貫
通して配置されているため、両者の界面の接合強度を高
めることが可能であり、第1砥粒層6と第2砥粒層16
が剥離するおそれがない。
【0033】
【実施例】平均粒径が80μmのダイヤモンド砥粒を用
い、電気ニッケルめっきにより二層構造の電鋳砥石を作
成した。
【0034】[比較例]めっき液に水平に浸漬した金属
平面基板上に前記ダイヤモンド砥粒を散布したうえ、平
面基板上にニッケル結合相を析出させ、第1層目の砥粒
層を90μmの厚さで形成した。ニッケル結合相からの
砥粒の平均突き出し量は20μmであった。次に、第1
砥粒層を平面基板から剥離させ、その剥離面を上にして
前記平面基板上にセットし、剥離面に前記ダイヤモンド
砥粒を散布したうえ、剥離面にニッケル結合相を析出さ
せ、第2層目の砥粒層を90μmの厚さで形成し、ニッ
ケル結合相からの砥粒の平均突き出し量を20μmとし
た。こうして得られた砥石基板の内周および外周を整形
加工し、外径100mm、内径40mmの比較例の電鋳
砥石を得た。
【0035】[実施例]比較例とまったく同様に、第1
層目の砥粒層を90μmの厚さで形成し、ニッケル結合
相からの砥粒の平均突き出し量を20μmとした。次
に、第1砥粒層を平面基板から剥離させ、その剥離面
を、燐酸70%水溶液を用いて、30A/dm2の電流
密度で電解エッチングした。これにより、溶解された剥
離面側ではダイヤモンド砥粒が平均30μm突出した。
第1砥粒層を水洗等したのち、剥離面側にダイヤモンド
砥粒を散布したうえニッケル結合相を析出させ、第2の
砥粒層を形成し、全体として150μmの厚さの砥石基
板を得た。さらに、この砥石基板の内周および外周を整
形加工し、外径100mm、内径40mmの比較例の電
鋳砥石を得た。
【0036】[比較試験]実施例および比較例の薄刃砥
石を使用して、以下の条件で研削試験を行った。 被削材:ソーダガラス 使用機械:スライシングマシン 切断距離:100m 砥石回転速度:30000rpm 切り込み深さ:5mm 送り速度:500mm/min
【0037】以上の切断試験が終わった後、砥石の外周
部先端形状を観察したところ、実施例の薄刃砥石では中
央が凹む形状にはなっていなかったのに対し、比較例の
薄刃砥石では厚さ方向中央部が約30μm凹んでいた。
このような摩耗形状が発生すると、切断持続性に問題が
ある。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電鋳
薄刃砥石の製造方法によれば、第1砥粒層を平面基板か
ら剥離させ、第1砥粒層の平滑な剥離面から第1金属め
っき相を一定の厚さだけ溶解させて超砥粒が部分的に突
出した面を形成した後、この凹凸に富む面上に超砥粒を
分散しながら再び第2砥粒層を形成することにより、こ
の第2砥粒層内における超砥粒の配置を乱雑化し、第2
砥粒層の表面に露出する超砥粒の突出量をばらつかせる
ことができる。これにより、この製造方法で得られた電
鋳薄刃砥石では、個々の超砥粒の切刃寿命が一斉に尽き
ることがなく、切れ味の劣化が急に起こらず、長期に亘
って良好な研削性能が維持できる。この効果は、砥石が
薄くて超砥粒が大径である場合に特に顕著であるため、
大径の超砥粒を用いた薄い電鋳薄刃砥石が容易に実現で
きる。
【0039】また、本発明に係る製造方法によって得ら
れた電鋳薄刃砥石では、第1砥粒層および第2砥粒層の
各表面から超砥粒がバランス良く突出した状態となるの
で、使用開始直後から両面の研削性が良好で、切れ味に
優れ、チッピングやムシリを生じにくい利点を有する。
さらに、第1砥粒層の第1金属めっき相と、第2砥粒層
の第2金属めっき相とは、互いに逆方向に成長して形成
されているので、両者の内部に生じる応力は相殺しあ
い、電鋳薄刃砥石に反りが生じることが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電鋳薄刃砥石の製造方法の一実
施形態に使用されるめっき装置を示す断面図である。
【図2】 同実施形態において第1砥粒層を形成した状
態を示す断面拡大図である。
【図3】 同実施形態において第1砥粒層の剥離面を溶
解した状態を示す断面拡大図である。
【図4】 同実施形態において第2砥粒層を形成した状
態を示す断面拡大図である。
【図5】 従来の電鋳薄刃砥石を示す断面拡大図であ
る。
【図6】 従来の電鋳薄刃砥石の問題点を示す電鋳薄刃
砥石である。
【符号の説明】
1 めっき槽 2 平面基板 4 絶縁層 6 第1砥粒層 8 陽極 10 超音波加震装置 12 超砥粒 14 第1金属めっき相 14A 研削面 14B 剥離面 14C 溶解面 16 第2砥粒層 18 第2金属めっき相 18A 研削面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C25D 15/02 C25D 15/02 Q

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面基板上に第1金属めっき相を析出さ
    せつつ、この第1金属めっき相中に超砥粒を分散させ
    て、表面から超砥粒の一部が突出した第1砥粒層を形成
    する工程と、 前記第1砥粒層を平面基板から剥離し、この第1砥粒層
    の平面基板に接していた面から前記第1金属めっき相を
    一定量溶解する工程と、 前記第1砥粒層の第1金属めっき相を溶解した面に、第
    2金属めっき相を析出させつつ、この第2金属めっき相
    中に超砥粒を分散させて、表面から超砥粒の一部が突出
    した第2砥粒層を形成する工程とを具備することを特徴
    とする電鋳薄刃砥石の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1金属めっき相の析出厚さを前記
    超砥粒の平均粒径の60%以上とするとともに、前記第
    1金属めっき相の溶解厚さを前記平均粒径の10〜50
    %とすることを特徴とする請求項1記載の電鋳薄刃砥石
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2金属めっき相の析出厚さは、前
    記平均粒径の60%以上であることを特徴とする請求項
    1または2記載の電鋳薄刃砥石の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1金属めっき相および前記第2金
    属めっき相を合計した厚さは、前記平均粒径の1.1倍
    以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の電鋳薄刃砥石。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2金属めっき相を析出
    させる際に、これらに取り込ませるべき超砥粒に振動を
    与えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の電鋳薄刃砥石の製造方法。
  6. 【請求項6】 重ねて形成された平板状の第1砥粒層お
    よび第2砥粒層を有する電鋳薄刃砥石であって、前記第
    1砥粒層は、前記第2砥粒層側から成長した第1金属め
    っき相中に超砥粒を分散させたものであり、前記第2砥
    粒層は、前記第1砥粒層側から成長した第2金属めっき
    相中に超砥粒を分散させたものであり、さらに前記超砥
    粒の一部は、前記第1金属めっき相と前記第2金属めっ
    き相との界面を貫通して配置されていることを特徴とす
    る電鋳薄刃砥石。
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