JPH11193190A - エレベータ速度制御装置 - Google Patents

エレベータ速度制御装置

Info

Publication number
JPH11193190A
JPH11193190A JP9366955A JP36695597A JPH11193190A JP H11193190 A JPH11193190 A JP H11193190A JP 9366955 A JP9366955 A JP 9366955A JP 36695597 A JP36695597 A JP 36695597A JP H11193190 A JPH11193190 A JP H11193190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
car
speed
elevator
motor
control gain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9366955A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Takasaki
一彦 高崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP9366955A priority Critical patent/JPH11193190A/ja
Publication of JPH11193190A publication Critical patent/JPH11193190A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Elevator Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的な制振装置や制御装置での処理上によ
る遅れを補償し、高精度な速度制御が可能であるエレベ
ータ速度制御装置を提供することである。 【解決手段】 制御量を乗りかご速度とし操作量を電動
機の速度指令値とするエレベータの数式モデルを予めエ
レベータ数式モデル記憶手段2に記憶させておき、数式
モデルパラメータ設定手段4でそのエレベータ数式モデ
ルにパラメータの値を設定して制御ゲイン演算手段5に
より制御ゲインを求め、電動機速度指令値演算手段9
は、制御ゲイン演算手段5で演算された制御ゲイン、乗
りかご速度応答調整手段6で設定された調整係数、及び
状態量検出手段7で検出された状態量検出に対し状態量
位相補償手段8で位相補償された状態量に基づいて、乗
りかご速度が乗りかご速度指令値設定手段1で設定され
た乗りかご速度指令値に追従するように電動機12の速
度指令値を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗りかごをロープ
を介してシーブに吊しシーブを駆動する電動機の速度を
制御して乗りかごを昇降制御するようにしたエレベータ
速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ロープ式エレベータではエレベ
ータ機械系を剛体とみなし、シーブ駆動用の電動機を駆
動することにより、乗りかご速度が所望の乗りかご速度
指令値になるように制御している。そして、乗客のとび
跳ねやレールの歪み、エレベータ機械系の共振などによ
る乗りかごの振動は、ダンパや防振ゴムなどを設置する
ことにより、機械的に抑制している。
【0003】通常、エレベータは乗りかごの積載荷重や
位置により、固有振動数が大きく変化するので、ダンパ
や防振ゴムなどの機械的な制振手段では振動を完全に抑
制することができない。そのため、ある特定の階床や積
載荷重において、発生する振動が問題となることがあっ
た。この傾向は、特に固有振動数の変化が大きい長行
程、超高速エレベータで顕著であった。
【0004】また、乗りかごの積載荷重や位置の変化に
かかわらず、常に高精度の速度制御を実現するために
は、これらの検出値に応じて制御ゲインを更新すること
が望まれるが、その際の指針がなく、試行錯誤に膨大な
調整時間を要するため、従来は制御ゲインを一定として
いた。また、エレベータのスペックや要求される性能に
応じて制御ゲインを調整し直す必要があり、効率が悪か
った。
【0005】そこで、特願平8−235824号に示さ
れるように、エレベータをモデル化し乗りかごの振動を
抑制するようにしたものがある。このエレベータ速度制
御装置では、制御量を乗りかご速度、操作量を電動機の
速度指令値とするエレベータ数式モデルを持ち、このモ
デルの状態量に該当する信号のうち、制御で必要な信号
を直接検出又は推定し、これを電動機速度指令値演算装
置に帰還し、エレベータの特性変化にかかわらず、高精
度な速度制御が可能としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のエ
レベータ速度制御装置では、検出値又は推定値はダンパ
や防振ゴムなどの機械的な制振装置及び制御装置での処
理上の時間的誤差により、目標指令値との位相差が生じ
てしまい目標となる電動機速度指令値を出力することが
できないことがあった。
【0007】発明の目的は、機械的な制振装置や制御装
置での処理上による遅れを補償し、高精度な速度制御が
可能であるエレベータ速度制御装置を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
エレベータの制御装置は、乗りかごをロープを介してシ
ーブに吊しシーブを駆動する電動機の速度を制御して乗
りかごを昇降制御するようにしたエレベータ速度制御装
置において、エレベータの起動指令を受け乗りかご速度
指令値を設定する乗りかご速度指令値設定手段と、制御
量を乗りかご速度とし操作量を電動機の速度指令値とす
るエレベータの数式モデルを予め記憶するエレベータ数
式モデル記憶手段と、エレベータ数式モデル記憶手段に
記憶されたエレベータ数式モデルに基づき制御ゲインを
数式の形で演算する制御ゲイン式演算手段と、エレベー
タ数式モデルのパラメータの値を設定するための数式モ
デルパラメータ設定手段と、制御ゲイン式演算手段で演
算された制御ゲイン式に数式モデルパラメータ設定手段
で設定されたパラメータの値を代入し制御ゲインを演算
する制御ゲイン演算手段と、乗りかご速度の応答を所望
の値に調整するための調整係数を設定する乗りかご速度
応答調整手段と、エレベータ数式モデルの状態量に該当
する信号のうち乗りかご速度の制御に必要な状態量を検
出する状態量検出手段と、状態量検出手段で検出された
状態量に制御の位相遅れを補償するため調整を行う状態
量位相補償手段と、制御ゲイン演算手段で演算された制
御ゲイン、乗りかご速度応答調整手段で設定された調整
係数及び状態量位相補償手段からの状態量に基づいて乗
りかご速度が乗りかご速度指令値設定手段で設定された
乗りかご速度指令値に追従するように電動機の速度指令
値を演算する電動機速度指令値演算手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0009】請求項1の発明に係わるエレベータの制御
装置では、制御量を乗りかご速度とし操作量を電動機の
速度指令値とするエレベータの数式モデルを予めエレベ
ータ数式モデル記憶手段に記憶させておき、数式モデル
パラメータ設定手段でそのエレベータ数式モデルにパラ
メータの値を設定して制御ゲイン演算手段により制御ゲ
インを求め、電動機速度指令値演算手段は、制御ゲイン
演算手段で演算された制御ゲイン、乗りかご速度応答調
整手段で設定された調整係数、及び状態量検出手段で検
出された状態量検出に対し状態量位相補償手段で位相補
償された状態量に基づいて、乗りかご速度が乗りかご速
度指令値設定手段で設定された乗りかご速度指令値に追
従するように電動機の速度指令値を演算する。
【0010】請求項2の発明に係わるエレベータの制御
装置は、請求項1に記載のエレベータ速度制御装置にお
いて、状態量検出手段は、乗りかごの積載荷重を検出す
る乗りかご荷重検出手段で検出された乗りかご荷重から
乗りかご加速度を推定する乗りかご加速度推定手段を備
え、乗りかご加速度に依存する制御ゲインを乗りかご加
速度推定値の変化に応じて更新することを特徴とする。
【0011】請求項2の発明に係わるエレベータの制御
装置では、請求項1の発明の作用に加え、乗りかご加速
度推定手段は、乗りかご荷重検出手段で検出された乗り
かご荷重に基づいて乗りかご加速度を推定し、その推定
された乗りかご加速度推定値の変化に応じて電動機速度
指令値演算手段での制御ゲインを更新する。これによ
り、乗りかご加速度検出手段が不要となり装置の簡素化
が図れる。
【0012】請求項3の発明に係わるエレベータ速度制
御装置は、請求項1に記載のエレベータ速度制御装置に
おいて、状態量検出手段は、乗りかごの積載荷重を検出
する乗りかご荷重検出手段で検出された乗りかご荷重か
ら乗りかご速度を推定する乗りかご速度推定手段を備
え、乗りかご速度に依存する制御ゲインを乗りかご速度
推定値の変化に応じて更新することを特徴とする。
【0013】請求項3の発明に係わるエレベータ速度制
御装置では、請求項1の発明の作用に加え、乗りかご速
度推定手段は、乗りかご荷重検出手段で検出された乗り
かご荷重に基づいて乗りかご速度を推定し、その推定さ
れた乗りかご速度推定値の変化に応じて電動機速度指令
値演算手段での制御ゲインを更新する。これにより、乗
りかご速度検出手段が不要となり装置の簡素化が図れ
る。
【0014】請求項4の発明に係わるエレベータ速度制
御装置は、エレベータの起動指令を受け乗りかご速度指
令値を設定する乗りかご速度指令値設定手段と、制御量
を乗りかご速度とし操作量を電動機の速度指令値とする
エレベータの数式モデルを予め記憶するエレベータ数式
モデル記憶手段と、エレベータ数式モデル記憶手段に記
憶されたエレベータ数式モデルに基づき制御ゲインを数
式の形で演算する制御ゲイン式演算手段と、エレベータ
数式モデルのパラメータの値を設定するための数式モデ
ルパラメータ設定手段と、制御ゲイン式演算手段で演算
された制御ゲイン式に数式モデルパラメータ設定手段で
設定されたパラメータの値を代入し制御ゲインを演算す
る制御ゲイン演算手段と、乗りかご速度の応答を所望の
値に調整するための調整係数を設定する乗りかご速度応
答調整手段と、エレベータ数式モデルの状態量に該当す
る信号のうち乗りかご速度の制御に必要な状態量を検出
する状態量検出手段と、制御ゲイン演算手段で演算され
た制御ゲイン、乗りかご速度応答調整手段で設定された
調整係数及び状態量検出手段からの状態量検出値に基づ
いて乗りかご速度が乗りかご速度指令値設定手段で設定
された乗りかご速度指令値に追従するように電動機の速
度指令値を演算する電動機速度指令値演算手段と、電動
機の数式モデルを予め記憶する電動機数式モデル手段
と、電動機数式モデルのパラメータの値を設定するため
の電動機モデルパラメータ設定手段と、電動機制御ゲイ
ン式演算手段で演算された電動機制御ゲイン式に電動機
モデルパラメータ設定手段で設定されたパラメータの値
を代入し制御ゲインを演算する電動機制御ゲイン演算手
段と、電動機速度の応答を所望の値に調整するための調
整係数を設定する電動機速度応答調整手段と、電動機モ
デルの状態量に該当する信号のうち制御で必要な状態量
を検出する電動機速度検出手段と、電動機制御ゲイン演
算手段で演算された制御ゲイン、電動機速度応答調整手
段で設定された調整係数及び電動機速度検出手段で検出
された電動機速度が電動機速度指令値設定手段で設定さ
れた電動機速度指令値に追従するように電動機の速度指
令値を補正する電動機速度指令値補正手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0015】請求項4の発明では、制御量を乗りかご速
度とし操作量を電動機の速度指令値とするエレベータの
数式モデルを予めエレベータ数式モデル記憶手段に記憶
させておき、制御ゲイン演算手段でそのエレベータ数式
モデルにパラメータの値を設定して制御ゲインを求め、
電動機速度指令値演算手段は、制御ゲイン演算手段で演
算された制御ゲイン、乗りかご速度応答調整手段で設定
された調整係数及び状態量検出手段で検出された状態量
検出値に基づいて、乗りかご速度が乗りかご速度指令値
設定手段で設定された乗りかご速度指令値に追従するよ
うに電動機の速度指令値を演算する。一方、制御量を電
動機速度とし操作量を電動機速度指令値とする電動機の
数式モデルを予め電動機数式モデル記憶手段に記憶させ
ておき、電動機制御ゲイン演算手段でそのエレベータ数
式モデルにパラメータの値を設定して制御ゲインを求
め、電動機速度指令値補正手段は、電動機速度応答調整
手段で設定された調整係数及び電動機速度検出手段で検
出された電動機速度が電動機速度指令値設定手段で設定
された電動機速度指令値に追従するように電動機の速度
指令値を補正し、電動機をその補正された速度指令値で
制御する。
【0016】請求項5の発明に係わるエレベータ速度制
御装置は、請求項4に記載のエレベータ速度制御装置に
おいて、状態量検出手段は、乗りかごの積載荷重を検出
する乗りかご荷重検出手段で検出された乗りかご荷重か
ら乗りかご加速度を推定する乗りかご加速度推定手段を
備え、乗りかご加速度に依存する制御ゲインを乗りかご
加速度推定値の変化に応じて更新することを特徴とす
る。
【0017】請求項5の発明に係わるエレベータの制御
装置では、請求項4の発明の作用に加え、乗りかご加速
度推定手段は、乗りかご荷重検出手段で検出された乗り
かご荷重に基づいて乗りかご加速度を推定し、その推定
された乗りかご加速度推定値の変化に応じて電動機速度
指令値演算手段での制御ゲインを更新する。これによ
り、乗りかご加速度検出手段が不要となり装置の簡素化
が図れる。
【0018】請求項6の発明に係わるエレベータ速度制
御装置は、請求項4に記載のエレベータ速度制御装置に
おいて、状態量検出手段は、乗りかごの積載荷重を検出
する乗りかご荷重検出手段で検出された乗りかご荷重か
ら乗りかご速度を推定する乗りかご速度推定手段を備
え、乗りかご速度に依存する制御ゲインを乗りかご速度
推定値の変化に応じて更新することを特徴とする。
【0019】請求項6の発明に係わるエレベータ速度制
御装置では、請求項4の発明の作用に加え、乗りかご速
度推定手段は、乗りかご荷重検出手段で検出された乗り
かご荷重に基づいて乗りかご速度を推定し、その推定さ
れた乗りかご速度推定値の変化に応じて電動機速度指令
値演算手段での制御ゲインを更新する。これにより、乗
りかご速度検出手段が不要となり装置の簡素化が図れ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の第1の実施の形態を示すブロック
構成図である。この第1の実施の形態は、エレベータ1
5を予め数式モデルで表現してエレベータ数式モデル記
憶手段2に記憶しておき、そのエレベータ数式モデルに
基づき、電動機速度指令値演算手段9での制御ゲインを
数式として設定するようにしたものである。そして、そ
の際の状態量検出手段7からの検出信号は状態量位相補
償手段8により位相補償されて電動機速度指令値演算手
段9に入力される。また、制御ゲイン式演算手段3での
制御ゲイン式の演算には、特にILQ制御理論を用い
る。ILQ制御理論に関しては、例えば、「ILQ最適
サーボ系設計法の一般化、藤井隆雄、下村卓著、システ
ム制御情報学会論文誌 Vol.1、No.6、198
8」などの公知文献に記述されている。
【0021】すなわち、エレベータ数式モデル記憶手段
2には、予めエレベータ15を数式モデルで表現したエ
レベータ数式モデルが記憶される。制御ゲイン式演算手
段3では、エレベータ数式モデル記憶手段2に記憶され
たエレベータ数式モデルに基づいて、電動機速度指令値
演算手段9の制御ゲインKi、Kfを数式で表現した制
御ゲイン式を演算する。
【0022】数式で表現された制御ゲイン式は制御ゲイ
ン演算手段5に入力される。この制御ゲイン演算手段5
は、数式で示された制御ゲイン式を、数値で示された制
御ゲインに変換するものであり、数式モデルパラメータ
設定手段4にて、設定された数値をエレベータ数式モデ
ルのそれぞれのパラメータに代入して、数値で示された
制御ゲインを演算し、電動機速度指令値演算手段9に出
力する。
【0023】電動機速度指令値演算手段9は、制御ゲイ
ン演算手段5からの制御ゲイン、及び乗りかご速度応答
調整手段6からの調整係数Tu、σを入力する。また、
状態量検出手段7で検出された乗りかご速度x4を状態
量位相補償手段8を介して入力し、状態量位相補償手段
8で位相補償された乗りかご速度x4'が乗りかご速度指
令値設定手段1に設定された乗りかご速度指令値Vrに
なるように制御するものである。その場合、状態量検出
手段7で検出された電動機速度x2、乗りかご加速度x3
も加味して、エレベータ15の変換手段10への電動機
速度指令値(乗りかご速度換算)uを演算する。
【0024】この第1の実施の形態では、電動機速度指
令値演算手段9の制御ゲインをエレベータ15の数式モ
デルに基づいて求めようにしているので、まず、エレベ
ータ15を数式モデルで表現することが必要である。以
下、エレベータ15の構成について説明し、数式モデル
の導出について説明する。
【0025】エレベータ15は、乗りかご速度y
(x4)を制御量とし、電動機速度指令値(乗りかご速
度換算)uを操作量とする制御対象である。すなわち、
変換手段10には操作量である電動機速度指令値(乗り
かご速度換算)uが入力され、この変換手段10にて、
乗りかご速度換算の電動機速度指令値uを電動機速度の
指令値に変換する。そして、電動機制御装置11は電動
機12の速度を電動機速度検出手段13で検出してフィ
ードバック制御する。つまり、電動機制御装置11は電
動機12の速度が変換された電動機指令値になるように
制御し、エレベータ機械系14を駆動する。
【0026】図2は、エレベータ機械系14の概略構成
図である。図2から分かるように、つるべ式と呼ばれる
ロープ式エレベータは、乗りかご28とカウンタウェイ
ト29とがロープ27で連結され、シーブ26に吊され
ている。電動機12は建物の屋上に設置されシーブ26
を回転させる。シーブ26はロープ27を巻き上げ、乗
りかご28を昇降する。カウンタウェイト29は、乗り
かご28とほぼ等しい質量に設定され、乗りかご28と
バランスさせることにより電動機12の負荷を低減し、
省エネ及び小型化を図っている。
【0027】以上のような構成のロープ式エレベータ1
5を数式モデルで表現するに当たり、各種パラメータ
(記号)を以下のように定める。
【0028】 記号 説明 Mc[kg] 乗りかご質量 Mw[kg] カウンタウエイト質量 Kc[N/m] ロープ弾性定数(乗りかご側) Kw[N/m] ロープ弾性定数(カウンタウエイト側) Xc[m] 乗りかご位置 Xw[m] カウンタウエイト位置 r [m] シーブ半径 Tmi[N・m] 電動機発生トルク Tm[N・m] 電動機外部発生トルク Jm[kg・m2] 電動機慣性モーメント θm[rad] 電動機回転角 Kt[‐] トルク変換係数 Nm[‐] 電動機/シーブ回転比 T1[s] 電動機速度制御PI制御パラメータ T2[s] 電動機速度制御PI制御パラメータ
【0029】エレベータでは、理論的には乗りかご速度
と電動機速度とは比例関係にあるため、変換手段10で
の乗りかご速度換算から電動機速度への変換は、エレベ
ータの構成から決定される比例定数K1を乗じればよ
い。この第1の実施の形態での油圧エレベータ15で
は、比例定数K1は次式で計算できる。
【0030】K1=1/(r・Nm)
【0031】次に、エレベータ15の数式モデルを作成
する際には、より詳細な式(状態量が多く、次数が高い
モデル)とすれば制御性能を向上することが可能である
が、そうすると、制御に必要な状態量が多くなり多くの
センサを必要とする。
【0032】一般に、エレベータ数式モデルは、エレベ
ータの駆動方式や構成、あるいは要求される精度に応じ
て、そのパラメータの種類や次数(状態数)が異なり、
数式モデルが詳細であるほど制御性能は向上するが、構
成された制御系は複雑なものとなる。したがって、数式
モデルを作成する際には、必要な精度や測定可能な信号
などを十分に考慮し、できるだけ簡易なものとすること
が望ましい。つまり、油圧エレベータの特性を精度良く
模擬し、かつできるだけ簡単な数式モデルを作成するこ
とが重要となる。
【0033】そこで、この第1の実施の形態では、エレ
ベータ15を図3に示すようにモデル化する。図3のエ
レベータ数式モデルを状態方程式で表すと、次式のよう
になる。yは制御量である乗りかご速度を示し、uは操
作量である電動機速度指令値(乗りかご速度換算)を示
している。
【0034】
【数1】
【0035】このようにモデル化したエレベータ15の
数式モデルをエレベータ数式モデル記憶手段2に予め記
憶しておく。このエレベータ数式モデルは、制御ゲイン
式演算手段3において制御ゲイン式を演算するのに用い
られる。
【0036】次に、制御ゲイン式演算手段3は、エレベ
ータ数式モデル記憶手段2に記憶されたエレベータ数式
モデルに基づき電動機速度指令値演算手段9で用いる制
御ゲインを数式の形で求めるものである。
【0037】この制御ゲイン式演算手段3における演算
には、さまざまな方法を適用することが考えられるが、
この第1の実施の形態では、ILQ制御理論と呼ばれる
方法を用いる。そのILQ制御理論をエレベータ数式モ
デルに適用した場合のILQ制御系設計アルゴリズムと
演算結果とを以下に示す。
【0038】(Step1)重複度dを次の式(2)の
ように選ぶ。ただし、A、B、Cは式(1)に記載した
行列である。
【0039】
【数2】
【0040】(Step2)Dを次の式(3)により計
算する。
【0041】
【数3】
【0042】(Step3)Nを次の式(4)により計
算する。ただし、Tuは制御系の応答を指定するパラメ
ータである。
【0043】
【数4】
【0044】(Step4)制御ゲイン(フィードバッ
クゲイン)Kfは次の式(5)で計算される。
【0045】
【数5】
【0046】(Step5)制御ゲイン(積分ゲイン)
Kiは次の式(6)で計算される。
【0047】
【数6】
【0048】前記のアルゴリズムによれば、制御ゲイン
Kf、Kiは次の式(7)、式(8)のように演算され
る。
【0049】
【数7】
【0050】上述の通り、このILQ制御系設計アルゴ
リズムにおけるTuは、設計者が乗りかごの速度応答を
指定するためのパラメータであり、その値は乗りかご速
度応答調整手段6で設定されることになる。
【0051】このように、制御ゲイン式演算手段3は、
エレベータ数式モデルに基づき上述のStep1〜St
ep5に示されるILQ制御系設計アルゴリズムに従っ
て、電動機速度指令値演算手段9で用いる制御ゲインを
数式の形で解析的に演算する。すなわち、制御ゲインK
f、Kiを式(7)、式(8)で示されるように求め
る。
【0052】この制御ゲイン式演算手段3で演算された
制御ゲイン式は、制御ゲイン演算手段5に入力され、そ
の制御ゲイン式に数式モデルパラメータ設定手段4で設
定されたパラメータ値を代入し、制御ゲインを数値とし
て演算する。そして、数値で表現された制御ゲインは電
動機速度指令値演算手段9において、電動機速度指令値
uを演算するのに用いられる。
【0053】ここで、数式モデルパラメータ設定手段4
は、前記エレベータ数式モデルのパラメータ値を設定す
るものであり、制御ゲイン演算手段5にそのパラメータ
値を出力する。この数式モデルパラメータ設定手段4で
設定するパラメータ値を以下に示す。
【0054】 パラメータ 説明 Mc[kg] 乗りかご質量 Mw[kg] カウンタウェイト質量 Kc[N/m] ロープ弾性定数(乗りかご側) Kw[N/m] ロープ弾性定数(カウンタウェイト側) r[m] シーブ半径 Jm[kg、m2] 電動機慣性モーメント Kt[−] トルク変換係数 Nm[−] 電動機/シーブ回転比 T1[s] 電動機速度制御PI制御パラメータ T2[s] 電動機速度制御PI制御パラメータ
【0055】このように、数式モデルパラメータ設定手
段4は、エレベータ数式モデルのパラメータ値を制御ゲ
イン演算手段5に入力し、式(7)、式(8)で示され
る制御ゲイン式に上述のパラメータ値を設定する。
【0056】これにより、乗りかご、電動機、シーブな
どのサイズや、ロープの本数などが多様であるロープ式
エレベータに対して、数式モデルのパラメータを設定し
直すだけで、電動機速度指令値演算手段9の最適な制御
ゲインを得ることができる。制御ゲイン演算手段5で演
算された制御ゲインは、電動機速度指令値演算手段9に
入力される。
【0057】次に、乗りかご速度応答調整手段6は、乗
りかごの速度応答を指定するパラメータを調整するもの
であり、この乗りかご速度応答調整手段6で調整するパ
ラメータを以下に示す。
【0058】 Tu:乗りかごの速度応答を指定するパラメータ σ :乗りかごの速度応答を調整するパラメータ
【0059】ここで、調整係数Tuは、制御系設計者が
乗りかごの速度応答を望ましい値に設定するための調整
係数であり、調整係数σは実際の乗りかご速度を設定し
た値に近づけるための調整係数である。すなわち、調整
係数σを無限大とした際に、乗りかご速度Xcは、次式
のようになる。
【0060】
【数8】
【0061】すなわち、調整係数σは大きな値に設定す
るほど設計者が設定した応答である式(9)に近づく
が、操作量である電動機速度指令値uも大きな値となる
ので、あまり大きな値には設定できないことになる。し
たがって、設計者は、まず調整係数Tuを用いて所望の
応答(式(9)となる)を設定し、つづいて可能な範囲
で調整係数σを大きくするという手順で調整を行うこと
になる。
【0062】また、式(9)には振動成分が含まれない
ことから、振動を抑制する効果もあることがわかる。さ
らに、ILQ制御で設計された制御系は、積載荷重や乗
りかごの位置などの特性変化が生じた場合にも性能の劣
化が少ない(ロバストである)という特徴がある。
【0063】次に、電動機速度指令値演算手段9は、乗
りかご速度指令値設定手段1で設定された乗りかご速度
指令値Vr、制御ゲイン演算手段5で演算された制御ゲ
イン、乗りかご速度応答調整手段6で設定された調整係
数Tu、σ、状態量検出手段7で検出した乗りかご速度
検出値x4、電動機速度x2、乗りかご加速度x3を状態
量位相補償手段8で位相補償した乗りかご速度検出値x
4'、電動機速度x2'、乗りかご加速度x3'に基づいて、
電動機速度指令値uを演算するものである。
【0064】状態量位相補償手段8では、状態量検出手
段7で検出した乗りかご速度検出値x4、電動機速度
2、乗りかご加速度x3を入力し、位相遅れの補償を行
う。そして、それらの指令値に追従するように位相を補
正する。これにより、検出値と指令値との偏差による応
答誤りを低減する。この状態量位相補償手段8におい
て、例えば、状態量が電動機速度x2である場合には、
電動機速度指令値uと電動機速度検出手段13によって
検出された値との偏差を取り、その偏差による位相分を
進み位相分として、状態量検出手段7で検出された状態
量に組み込むようにする。これは、乗りかご速度x4
乗りかご加速度x3の補償を行う時にも適用できる。一
方、位相進み分として微分要素を組み込み補償を行うよ
うにしても良い。
【0065】また、状態量検出手段7で検出される状態
量は、エレベータ数式モデルをどのような形に作成する
かにより異なるが、この第1の実施の形態では、以下の
信号を検出するものとする。
【0066】
【数9】
【0067】式(1)で示した状態x1〜x6のうち、x
1、x5、x6は対応する制御ゲインKf1、Kf5、K
f6が0である(式(7))ため、検出する必要がない
ので、状態量検出手段7で検出する状態量は電動機速度
2、乗りかご加速度x3、乗りかご速度x4である。以
上の説明では、状態量として、乗りかご速度x4、電動
機速度x2、乗りかご加速度x3の場合について説明した
が、これに乗りかご荷重を加えた場合にも同様に適用で
きることは言うまでもない。
【0068】図4は、電動機速度指令値演算手段9の構
成を示すブロック構成図である。電動機速度指令値演算
手段9では、制御ゲインKi、Kf2、Kf3、Kf4
及び調整係数Tu、σを用いて、電動機速度指令値(乗
りかご速度換算)uを演算する。すなわち、図4に示す
ように、乗りかご速度指令値Vrから位相補償された乗
りかご速度検出値x4'を減算し、積分ゲインKiで積分
した信号から、各々の状態量検出値x2'、x3'、x4'
対応するフイードバックゲインKf2、Kf3、Kf4
を乗じた信号の総和を減算し、調整係数σを乗じた信号
を電動機速度指令値uとする。
【0069】なお、制御ゲインKi、Kf2、Kf3、
Kf4は、式(7)、式(8)で示される制御ゲイン式
を用いて、数式モデルパラメータ設定手段4でパラメー
タ値を代入したものが使用される。また、調整係数Tu
は、式(7)、(8)に含まれており、乗りかご速度応
答調整手段6で設定されたものが使用される。
【0070】以上述べたように、この第1の実施の形態
では、ロープ式エレベータの速度制御装置における制御
ゲインを数式の形で解析的に演算することにより、乗り
かご、電動機、シーブなどの機器のサイズを変更した際
にも、代入計算により最適な制御ゲインを得ることがで
きる。また、速度応答の調整においても、調整係数を導
入することにより、容易に所望の応答に調整することが
できる。これにより、従来多くの時間がかかっていた制
御ゲインの調整を著しく簡易化することが可能になる。
【0071】また、制御ゲイン式の演算にILQ制御理
論を用いることにより、極めて簡易なアルゴリズムによ
り制御ゲイン式を計算できる。さらに、構成された制御
系は、乗りかごの振動を抑制する効果があり、積載荷重
や乗りかごの位置などの特性変化が生じた場合にも性能
の劣化が少ない。
【0072】さらにまた、エレベータ速度制御装置にお
ける制御信号の遅れを状態量位相補償手段8で補償する
ことにより、位相遅れによる誤差をなくして、電動機速
度x2、乗りかご速度x4、乗りかご加速度x3の変化し
た際にも即座に追従し、速度応答性が良くなる。
【0073】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図5は本発明の第2の実施の形態に係わるエレベー
タ速度制御装置のブロック構成図である。この第2の実
施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、状
態量検出手段7は、乗りかごの積載荷重を検出する乗り
かご荷重検出手段16で検出された乗りかご荷重から乗
りかご加速度を推定する乗りかご加速度推定手段17、
および乗りかご荷重検出手段で検出された乗りかご荷重
から乗りかご速度を推定する乗りかご速度推定手段18
とを備え、乗りかご加速度や乗りかご速度に依存する制
御ゲインを乗りかご加速度推定値や乗りかご速度推定値
の変化に応じて更新するようにしたものである。
【0074】この第2の実施の形態では、例えば、エレ
ベータの状態量に相当する乗りかご加速度αや乗りかご
速度yが測定不可能な場合に、エレベータ機械系14か
ら乗りかご荷重検出手段16で乗りかご荷重を検出し、
乗りかご加速度αや乗りかご速度yの検出値の代わり
に、乗りかご加速度推定手段17や乗りかご速度推定手
段18で推定演算した推定値を用いることを特徴とす
る。
【0075】乗りかご加速度推定手段17では、静止時
の乗りかご荷重P0と走行中の乗りかご荷重P1とを検
出し、重力加速度gより乗りかご加速度αとすると以下
の計算式で乗りかご加速度αを推定する。
【0076】α={(P1−P0)/P0}・g
【0077】この第2の実施の形態によれば、高精度で
高価な加速度検出器は不要となるので、エレベータ速度
制御装置のコスト上有利となる。すなわち、エレベータ
の数式モデルに基づいて速度制御装置を構成する場合に
は、エレベータの速度制御を行う際にはエレベータの状
態量に相当する信号が必要になる。そして、より高性能
な速度制御装置を構成するためには、詳細なエレベータ
数式モデルを用いる必要があるが、詳細な数式モデルは
状態量に相当する信号の数が多くなる。この信号には場
合によっては測定不可能なものが含まれる場合がある。
また、信号が測定可能であったとしても、コストや測定
精度の理由から全ての信号の検出器を備えることは現実
的ではない。
【0078】そこで、第2の実施の形態では、状態量検
出手段7として乗りかご加速度推定手段17や乗りかご
速度推定手段18を設けるので、以下の効果を有する。 (1)測定が困難な状態量を含んだより詳細なエレベー
タ数式モデルに基づいて制御装置を構成することが可能
になる。従って、指令値に対する追従性、停止位置精
度、振動抑制性能などの制御性能を向上することが可能
になる。 (2)乗りかご荷重検出手段を備えていれば、乗りかご
速度や乗りかご加速度を推定することが可能になる。従
って、コスト上の制約がある場合には検出手段の数を削
減することが可能になり、制御装置の簡易化およびコス
トダウンを図ることができる。
【0079】次に、本発明の第3実施の形態を説明す
る。図6は、本発明の第3の実施の形態に係わるエレベ
ータ速度制御装置のブロック構成図である。この第3の
実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、
状態量位相補償手段8に代えて、エレベータ15に対し
て、電動機数式モデル19、電動機制御ゲイン式演算手
段20、電動機制御ゲイン演算手段21、電動機モデル
パラメータ設定手段22、電動機速度応答調整手段2
3、電動機速度指令値補正手段24を設け、変換手段1
0、電動機制御装置11、電動機12を電動機制御系2
5として扱うようにし、制御ゲインを電動機12単体の
応答とエレベータシステム15全体の応答とをそれぞれ
個別に設定するできるようにしている。
【0080】電動機数式モデル記憶手段19には、電動
機制御系25に基づいて作成した数式モデルが記憶され
ており、その電動機数式モデルを図7に示す。図7中の
パラメータは以下の通りである。
【0081】 パラメータ 説明 r[m] シーブ半径 Jm[kg、m2] 電動機慣性モーメント Kt[−] トルク変換係数 Nm[−] 電動機/シーブ回転比 T1[s] 電動機速度制御PI制御パラメータ T2[s] 電動機速度制御PI制御パラメータ S ラプラス演算子
【0082】電動機制御ゲイン式演算手段20は、電動
機数式モデル記憶手段19に記憶された電動機数式モデ
ルに基づき、電動機速度指令値補正手段24で用いる制
御ゲインを数式の形で解析的に演算する。この演算は、
第1の実施の形態で述べた設計アルゴリズムを用いる。
【0083】電動機制御ゲイン演算手段21は、電動機
制御ゲイン式演算手段20で演算した制御ゲイン式に、
電動機数式モデルパラメータ設定手段22で設定したパ
ラメータ値を代入し制御ゲインを数値として演算する。
電動機モデルパラメータ設定手段22は、電動機数式モ
デル記憶手段19の電動機数式モデルのパラメータ値を
設定するものである。
【0084】電動機速度応答調整手段23は、電動機の
速度応答を指定するパラメータを調整するものであり、
パラメータで設計者が指定する。この電動機速度応答調
整手段23で調整するパラメータを以下に示す。
【0085】 Tu1:電動機速度応答を指定するパラメータ δ1 :電動機速度応答を調整するパラメータ
【0086】電動機速度指令値補正手段24は、電動機
速度指令値演算手段9で演算された電動機速度指令値、
電動機制御ゲイン演算手段21で演算された制御ゲイ
ン、電動機速度応答調整手段23で設定された調整係
数、電動機速度検出手段13で検出した電動機速度検出
値を用いて電動機速度指令値の補正演算を行う。
【0087】図8は、本発明の第3の実施の形態におけ
るエレベータ数式モデルを示すブロック図である。図8
に示される数式モデルをエレベータ数式モデルとして用
いて、第1の実施の形態で示した設計アルゴリズムに基
づき制御ゲイン演算手段5で計算して制御ゲインを作成
する。この制御ゲインを電動機速度指令値演算手段9に
出力する。
【0088】ここで、電動機数式モデル記憶手段19に
記憶された数式モデルは、制御対象である電動機制御系
25に基づいて作成された数式モデルであり、その電動
機数式モデルを作成する際には、より詳細な式(状態量
が多く、次数が高いモデル)とすれば制御性能を向上す
ることが可能である。そうした場合には、制御に必要な
状態量が多くなり多くの検出器を必要とする。したがっ
て、数式モデルを作成する際には、必要な精度や測定可
能な信号などを十分に考慮し、できるだけ簡易なものと
することが望ましい。
【0089】この電動機数式モデルは、電動機制御ゲイ
ン式演算手段20において制御ゲイン式を演算するのに
用いられる。電動機制御ゲイン式演算手段20は、電動
機数式モデルに基づき電動機速度指令値補正手段24で
用いる制御ゲインを数式の形で解析的に演算し、ここで
演算された制御ゲイン式は、電動機速度指令値補正手段
24において、電動機速度指令値を演算するのに用いら
れる。
【0090】電動機制御ゲイン演算手段21は、電動機
制御ゲイン式演算手段20で演算した制御ゲイン式に、
電動機数式モデルパラメータ設定手段22で設定したパ
ラメータ値を代入し制御ゲインを数値として演算する。
このようにして得られた制御ゲインは、電動機速度指令
値補正手段24で用いられる。
【0091】エレベータは乗りかご28、電動機12、
シーブ26などのサイズや、ロープ27の本数などが多
様であるので、これらを変更するたびに制御ゲインを調
整し直す必要があるが、この第3の実施の形態では、電
動機数式モデルパラメータ設定手段22で数式モデルパ
ラメータを設定し直すだけで最適な制御ゲインを計算で
きる。
【0092】そして、電動機速度指令値補正手段24
は、電動機速度指令値演算手段9で演算された電動機速
度指令値、電動機制御ゲイン演算手段21で演算された
制御ゲイン、電動機速度応答調整手段23で設定された
調整係数、電動機速度検出手段13で検出した電動機速
度検出値を用いて電動機速度指令値の補正演算する。
【0093】以上のように、第3の実施の形態では、制
御ゲインを電動機単体の応答とエレベータシステム全体
の応答をそれぞれ個別に設定できるので、電動機とエレ
ベータシステムの個々の目標応答に対して調整が行い易
くなる。また、乗りかごの振動を抑制する効果もあり、
積載荷重や乗りかご位置などの特性変化が生じた場合に
も性能の劣化が少ない。
【0094】次に、本発明の第4の実施の形態を説明す
る。図9は、本発明の第4の実施の形態に係わるエレベ
ータ速度制御装置のブロック構成図である。この第4の
実施の形態は、図6に示した第3の実施の形態に対し、
状態量検出手段7は、乗りかごの積載荷重を検出する乗
りかご荷重検出手段16で検出された乗りかご荷重から
乗りかご加速度を推定する乗りかご加速度推定手段1
7、および乗りかご荷重検出手段で検出された乗りかご
荷重から乗りかご速度を推定する乗りかご速度推定手段
18とを備え、乗りかご加速度や乗りかご速度に依存す
る制御ゲインを乗りかご加速度推定値や乗りかご速度推
定値の変化に応じて更新するようにしたものである。す
なわち、第2の実施の形態と第3の実施の形態とを組み
合わせたもので、調整のし易さと検出器の数を削減する
ことができる。
【0095】以上の説明では、第2の実施の形態におい
て、乗りかご荷重の検出値に基づき乗りかご速度と乗り
かご加速度とを推定する方法を示したが、乗りかご加速
度は乗りかご速度を微分することにより、また乗りかご
速度は乗りかご加速度を積分することにより、容易に演
算することができる。したがって、どちらか一方の推定
値が分かれば制御可能である。
【0096】また、乗りかご速度推定手段18の出力信
号をハイパスフイルタを介して電動機速度指令値演算手
段9に入力するようにすることも可能である。つまり、
乗りかご速度推定値にハイパスフィルタを用いることに
より、推定された乗りかご速度値のオフセット分を削除
することができる。
【0097】また、乗りかご速度推定手段18の推定値
と電動機速度検出手段13による検出値との速度偏差を
電動機速度指令値演算手段9に入力するようにすること
も可能である。つまり、乗りかご速度推定値と電動機速
度との速度偏差を取ることにより、推定値の誤差を少な
くし、乗りかご速度指令値の設定が乗りかご速度に追従
することが可能になる。
【0098】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、状
態量検出値の遅れを補償するための位相補償を行い、乗
りかご速度を乗りかご速度指令値に追従するように電動
機速度の指令値を演算を行うので、高精度な速度制御が
可能であるエレベータ速度制御装置を提供することがで
きる。
【0099】また、制御に必要な乗りかご速度信号を乗
りかご荷重から推定するので、測定の困難な状態量を検
出することができると共に、検出器の数を削減すること
が可能になり装置の簡易化及びコストダウンを図ること
ができる。
【0100】制御ゲインを電動機単体の応答とエレベー
タシステム全体の応答とをそれぞれ個別に設定できるの
で、電動機とエレベータシステムの個々の目標応答に対
して調整が行い易くなる。また、乗りかごの振動を抑制
する効果もあり、積載荷重や乗りかご位置などの特性変
化が生じた場合にも高精度の速度制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるエ
レベータ速度制御装置のブロック構成図である。
【図2】図2は、エレベータ機械系の構成を示す構成図
である。
【図3】図3は、制御対象プロセスであるロープ式エレ
ベータの簡易モデルを表すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態における電
動機速度指令値演算手段のブロック構成図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態に係わるエ
レベータ速度制御装置のブロック構成図である。
【図6】図6は、本発明の第3の実施の形態に係わるエ
レベータ速度制御装置のブロック構成図である。
【図7】図7は、本発明の第3の実施の形態における電
動機数式モデルを示すブロック図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施の形態におけるエ
レベータ数式モデルを示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明の第4の実施の形態に係わるエ
レベータ速度制御装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
1 乗りかご速度指令値設定手段 2 エレベータ数式モデル記憶手段 3 制御ゲイン式演算手段 4 数式モデルパラメータ設定手段 5 制御ゲイン演算手段 6 乗りかご速度応答調整手段 7 状態量検出手段 8 状態量位相補償手段 9 電動機速度指令値演算手段 10 変換手段 11 電動機制御装置 12 電動機 13 電動機速度検出手段 14 エレベータ機械系 15 エレベータ 16 乗りかご荷重検出手段 17 乗りかご加速度検出手段 18 乗りかご速度検出手段 19 電動機数式モデル記憶手段 20 電動機制御ゲイン式演算手段 21 電動機制御ゲイン演算手段 22 電動機モデルパラメータ設定手段 21 電動機制御ゲイン演算手段 23 電動機速度応答調整手段 24 電動機速度指令値補正手段 25 電動機制御系 26 シーブ 27 ロープ 28 乗りかご 29 カウンタウェイト

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗りかごをロープを介してシーブに吊し
    前記シーブを駆動する電動機の速度を制御して前記乗り
    かごを昇降制御するようにしたエレベータ速度制御装置
    において、エレベータの起動指令を受け乗りかご速度指
    令値を設定する乗りかご速度指令値設定手段と、制御量
    を乗りかご速度とし操作量を前記電動機の速度指令値と
    するエレベータの数式モデルを予め記憶するエレベータ
    数式モデル記憶手段と、前記エレベータ数式モデル記憶
    手段に記憶されたエレベータ数式モデルに基づき制御ゲ
    インを数式の形で演算する制御ゲイン式演算手段と、前
    記エレベータ数式モデルのパラメータの値を設定するた
    めの数式モデルパラメータ設定手段と、前記制御ゲイン
    式演算手段で演算された制御ゲイン式に前記数式モデル
    パラメータ設定手段で設定されたパラメータの値を代入
    し制御ゲインを演算する制御ゲイン演算手段と、乗りか
    ご速度の応答を所望の値に調整するための調整係数を設
    定する乗りかご速度応答調整手段と、前記エレベータ数
    式モデルの状態量に該当する信号のうち乗りかご速度の
    制御に必要な状態量を検出する状態量検出手段と、前記
    状態量検出手段で検出された状態量に制御の位相遅れを
    補償するため調整を行う状態量位相補償手段と、前記制
    御ゲイン演算手段で演算された制御ゲイン、前記乗りか
    ご速度応答調整手段で設定された調整係数及び状態量位
    相補償手段からの状態量に基づいて乗りかご速度が前記
    乗りかご速度指令値設定手段で設定された乗りかご速度
    指令値に追従するように前記電動機の速度指令値を演算
    する電動機速度指令値演算手段とを備えたことを特徴と
    するエレベータ速度制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエレベータ速度制御装
    置において、前記状態量検出手段は、乗りかごの積載荷
    重を検出する乗りかご荷重検出手段で検出された乗りか
    ご荷重から乗りかご加速度を推定する乗りかご加速度推
    定手段を備え、乗りかご加速度に依存する制御ゲインを
    乗りかご加速度推定値の変化に応じて更新することを特
    徴とするエレベータ速度制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のエレベータ速度制御装
    置において、前記状態量検出手段は、乗りかごの積載荷
    重を検出する乗りかご荷重検出手段で検出された乗りか
    ご荷重から乗りかご速度を推定する乗りかご速度推定手
    段を備え、乗りかご速度に依存する制御ゲインを乗りか
    ご速度推定値の変化に応じて更新することを特徴とする
    エレベータ速度制御装置。
  4. 【請求項4】 乗りかごをロープを介してシーブに吊し
    前記シーブを駆動する電動機の速度を制御して前記乗り
    かごを昇降制御するようにしたエレベータ速度制御装置
    において、エレベータの起動指令を受け乗りかご速度指
    令値を設定する乗りかご速度指令値設定手段と、制御量
    を乗りかご速度とし操作量を電動機の速度指令値とする
    エレベータの数式モデルを予め記憶するエレベータ数式
    モデル記憶手段と、前記エレベータ数式モデル記憶手段
    に記憶されたエレベータ数式モデルに基づき制御ゲイン
    を数式の形で演算する制御ゲイン式演算手段と、前記エ
    レベータ数式モデルのパラメータの値を設定するための
    数式モデルパラメータ設定手段と、前記制御ゲイン式演
    算手段で演算された制御ゲイン式に前記数式モデルパラ
    メータ設定手段で設定されたパラメータの値を代入し制
    御ゲインを演算する制御ゲイン演算手段と、乗りかご速
    度の応答を所望の値に調整するための調整係数を設定す
    る乗りかご速度応答調整手段と、前記エレベータ数式モ
    デルの状態量に該当する信号のうち乗りかご速度の制御
    に必要な状態量を検出する状態量検出手段と、前記制御
    ゲイン演算手段で演算された制御ゲイン、前記乗りかご
    速度応答調整手段で設定された調整係数及び状態量検出
    手段からの状態量検出値に基づいて乗りかご速度が前記
    乗りかご速度指令値設定手段で設定された乗りかご速度
    指令値に追従するように前記電動機の速度指令値を演算
    する電動機速度指令値演算手段と、前記電動機の数式モ
    デルを予め記憶する電動機数式モデル手段と、前記電動
    機数式モデルのパラメータの値を設定するための電動機
    モデルパラメータ設定手段と、前記電動機制御ゲイン式
    演算手段で演算された電動機制御ゲイン式に前記電動機
    モデルパラメータ設定手段で設定されたパラメータの値
    を代入し制御ゲインを演算する電動機制御ゲイン演算手
    段と、電動機速度の応答を所望の値に調整するための調
    整係数を設定する電動機速度応答調整手段と、前記電動
    機モデルの状態量に該当する信号のうち制御で必要な状
    態量を検出する電動機速度検出手段と、前記電動機制御
    ゲイン演算手段で演算された制御ゲイン、前記電動機速
    度応答調整手段で設定された調整係数及び電動機速度検
    出手段で検出された電動機速度が前記電動機速度指令値
    設定手段で設定された電動機速度指令値に追従するよう
    に前記電動機の速度指令値を補正する電動機速度指令値
    補正手段とを備えたことを特徴とするエレベータ速度制
    御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のエレベータ速度制御装
    置において、前記状態量検出手段は、乗りかごの積載荷
    重を検出する乗りかご荷重検出手段で検出された乗りか
    ご荷重から乗りかご加速度を推定する乗りかご加速度推
    定手段を備え、乗りかご加速度に依存する制御ゲインを
    乗りかご加速度推定値の変化に応じて更新することを特
    徴とするエレベータ速度制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のエレベータ速度制御装
    置において、前記状態量検出手段は、乗りかごの積載荷
    重を検出する乗りかご荷重検出手段で検出された乗りか
    ご荷重から乗りかご速度を推定する乗りかご速度推定手
    段を備え、乗りかご速度に依存する制御ゲインを乗りか
    ご速度推定値の変化に応じて更新することを特徴とする
    エレベータ速度制御装置。
JP9366955A 1997-12-26 1997-12-26 エレベータ速度制御装置 Pending JPH11193190A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9366955A JPH11193190A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 エレベータ速度制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9366955A JPH11193190A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 エレベータ速度制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11193190A true JPH11193190A (ja) 1999-07-21

Family

ID=18488114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9366955A Pending JPH11193190A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 エレベータ速度制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11193190A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011526233A (ja) * 2008-06-30 2011-10-06 シュネーデル、トウシバ、インベーター、ヨーロッパ、ソシエテ、パル、アクション、セプリフエ 可変速ドライブの速度ループを設定する方法
JP2016111856A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 株式会社明電舎 エレベータ制御装置
JP2017124923A (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 株式会社日立ビルシステム エレベーターの乗り心地診断装置および乗り心地診断方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011526233A (ja) * 2008-06-30 2011-10-06 シュネーデル、トウシバ、インベーター、ヨーロッパ、ソシエテ、パル、アクション、セプリフエ 可変速ドライブの速度ループを設定する方法
JP2016111856A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 株式会社明電舎 エレベータ制御装置
JP2017124923A (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 株式会社日立ビルシステム エレベーターの乗り心地診断装置および乗り心地診断方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3937363B2 (ja) エレベータの速度制御装置
JP3228342B2 (ja) エレベータ速度制御装置
JP5659727B2 (ja) クレーン振れ角検出方法及び装置、並びにクレーン振れ止め制御方法及び装置
KR101263568B1 (ko) 엘리베이터 제어 장치
US5824975A (en) Speed control apparatus for compensating vibration of elevator
JP7384025B2 (ja) 懸架式クレーンの制御装置及びインバータ装置
JPS6356187A (ja) 誘導電動機の速度制御装置
JPH0785671B2 (ja) エレベータdc駆動モータの速度制御システム
JPH11193190A (ja) エレベータ速度制御装置
JPH07300294A (ja) クレーンの振れ止め制御方法
JP5298506B2 (ja) エレベータの制御装置
WO2023238321A1 (ja) エレベーター
JPH1059633A (ja) ロープ式エレベータの速度制御装置
JP4591177B2 (ja) エンジン試験装置
JP3856215B2 (ja) 速度制御装置
WO2021001884A1 (ja) エレベーターの制御装置
JP4727234B2 (ja) エレベータ装置
JPH1059632A (ja) 油圧エレベータの速度制御装置
JP2020108255A (ja) サーボアンプ及びサーボシステム
JPH089672A (ja) モータの速度制御装置
JP4008342B2 (ja) 電動機の位置制御装置
JP2912965B2 (ja) 駆動試験機の電気慣性補償制御方法
JPH09328266A (ja) エレベータ速度制御装置
JP2890393B2 (ja) クレーンの振れ止め制御方法
JP3908323B2 (ja) エレベーターの速度制御装置