JPH11193295A - β−D−キシロピラノシド系化合物 - Google Patents
β−D−キシロピラノシド系化合物Info
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- JPH11193295A JPH11193295A JP36688097A JP36688097A JPH11193295A JP H11193295 A JPH11193295 A JP H11193295A JP 36688097 A JP36688097 A JP 36688097A JP 36688097 A JP36688097 A JP 36688097A JP H11193295 A JPH11193295 A JP H11193295A
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Abstract
た癌化細胞や形質転換細胞に特異的に増殖阻害活性を有
する医薬品として有用な新規なキシロピラノシド系化合
物を提供する。 【解決手段】下記一般式(1)で示されるヒドロキシナ
フチル−β−D−キシロピラノシド系化合物。
Description
ピラノシド系化合物に関するものであり、詳しくは、異
常増殖する癌化細胞などに対し強い細胞増殖阻害作用を
示すヒドロキシナフチル-β-D-キシロピラノシド系化
合物に関するものである。
コサミノグリカン鎖が結合した生体内高分子物質であ
り、生体内においては、細胞内顆粒、細胞膜表面、ある
いは結合組織や基底膜などの細胞外マトリックスなどに
広く分布している。グリコサミノグリカンはその糖鎖骨
格からコンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸系と、ヘパ
ラン硫酸/ヘパリン系に分けられ、それぞれの生理的役
割は大きく異なると考えられている。
鎖微細構造は、生物種、細胞の型、年齢、解剖学的部位
によって大きく変化し、それぞれが細胞接着、細胞増
殖、細胞分化、細胞相互認識能、腎などの基底膜の蛋白
選別能、血液抗凝固作用などの重要な生理作用に不可欠
な制御因子として働いていると考えられている。しか
し、グリコサミノグリカンのコア蛋白質との結合領域は
全てのプロテオグリカンで共通であり、コア蛋白質のセ
リン残基にβ−結合したD−キシロースを還元末端にも
つ4糖(キシロース→ガラクトース→ガラクトース→グ
ルクロン酸)から成っている。
抑制したり、ある種のヘパラン硫酸及びデルマタン硫酸
がある種の正常線維芽細胞の増殖を抑制することも知ら
れている(J.Cell Physiol.147,523-530,1991)。しか
し、増殖阻害効果を発現する為にはこれらのグリコサミ
ノグリカンを外から多量に添加することが必要とされて
いる。
基等を有するβ-D-キシロピラノシド系化合物が、コア
蛋白質を介しないグリコサミノグリカン鎖の伸長開始剤
として働き、内在性プロテオグリカンの生合成量を変化
させ、ある種の細胞膜表面の性質を大きく変化させるこ
とが知られている(例えば、J.Biochem.,74,1069-1073,
1973)。このようなことから、フェニル基やアルキル基
等の疎水性アグリコンを持つ各種の両親媒性配糖体を設
計し、これを細胞や生体に投与しプロテオグリカン生合
成を攪乱しようとするアイデアが提案されている(特公
昭63-61308、特公平1-36833、特公平4-25254)。更に、
有機合成的にアグリコン部分を変えた数多くのキシロー
ス誘導体が合成され、グリコサミノグリカンの合成開始
剤として、あるいはプロテオグリカンの生合成攪乱剤と
して使用されている(例えば、Biochem.J.,24,1,591-60
1,1987、特公昭63-60748)。
のアグリコンを有するキシロース誘導体を用いて伸長さ
せたグリコサミノグリカン鎖は、コンドロイチン硫酸や
デルマタン硫酸のみであり、鎖糖骨格が異なるヘパラン
硫酸やヘパリンは全く合成されてこなかった。近年、ア
グリコンをエストラジオールあるいは2−ナフトールの
ような縮合環化合物に置換したβ−D−キシロピラノシ
ドが、ヘパラン硫酸に対して明らかに合成開始活性を示
すことが見出された(J,Biol.Chem.,266,6674-6677,199
1;Glycobiology,2,492,1992;J,Biol.Chem.,269,300-3
07,1994;WO94/05678)。
シドは、その合成開始活性が依然としてヘパラン硫酸よ
りもコンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸に対してはる
かに強いものであり、また細胞毒性が強いことや水に対
する溶解性が低く投与濃度が限られるなどの不都合があ
った。更に、これらはある種の細胞株でしかヘパラン硫
酸伸長活性を示さないことも指摘されていた。そこで、
本発明者らはアグリコンの親水性に着目し、アグリコン
の親水性を適度に高くすれば、細胞に対するキシロピラ
ノシドの親和性が変化し、ヘパラン硫酸生合成部位(ゴ
ルジ体)に効率よく到達するとの考察に基づき、親水性
基を導入したアグリコンを用いた化合物について鋭意検
討を加え、水酸基を有する特定のアグリコンを用いたキ
シロピラノシドがヘパラン硫酸伸長活性を示すことを見
出し本発明に達した。
パラン硫酸/ヘパリン伸長活性を持つ医薬品として有用
な新規なβ−D−キシロピラノシド系化合物を提供する
ことにある。すなわち、本発明の要旨は、下記の一般式
(1)で示されるヒドロキシナフチル−β−D−キシロ
ピラノシド系化合物に存する。尚、式中、nは1以上の
整数である。
する。本発明化合物は、上記一般式(1)で示されるヒ
ドロキシナフチル−β−D−キシロピラノシド系化合物
である。上記式中、D−キシロピラノースとグリコシド
結合しているヒドロキシナフチル基としては、通常、ナ
フタレン環の1位又は2位でグリコシド結合した1−ナ
フチル基または2−ナフチル基であり、そのナフタレン
環の1位〜8位の水素原子のうち少なくとも一つが水酸
基により置換された構造であるが、2−ナフチル基が好
ましい。ナフタレン環に有し得る水酸基の数nは1以
上、通常1〜3であるが、1が好ましい。水酸基は、ナ
フタレン環の2個の芳香族環のいずれの環に有していて
もよい。
例えば6−ヒドロキシ−2−ナフチル、4−ヒドロキシ
−2−ナフチル、8−ヒドロキシ−2−ナフチル、3−
ヒドロキシ−1−ナフチル、5−ヒドロキシ−1−ナフ
チル、7−ヒドロキシ−1−ナフチル等のモノヒドロキ
シナフチル基;4,6−ジヒドロキシ−2−ナフチル、
4,8−ジヒドロキシ−2−ナフチル、6,8−ジヒド
ロキシ−2−ナフチル、3,5−ジヒドロキシ−1−ナ
フチル、3,7−ジヒドロキシ−1−ナフチル、5,7
−ジヒドロキシ−1−ナフチル等のジヒドロキシナフチ
ル基;4,6,8−トリヒドロキシ−2−ナフチル、
3,5,7−トリヒドロキシ−2−ナフチル等のトリヒ
ドロキシナフチル基等が挙げられる。これらのうち、モ
ノヒドロキシナフチル基、特に6−ヒドロキシ−2−ナ
フチル基が好ましい。
ピラノシド O(4−ヒドロキシ−2−ナフチル)−β−D−キシロ
ピラノシド O(8−ヒドロキシ−2−ナフチル)−β−D−キシロ
ピラノシド O(3−ヒドロキシ−1−ナフチル)−β−D−キシロ
ピラノシド O(5−ヒドロキシ−1−ナフチル)−β−D−キシロ
ピラノシド O(7−ヒドロキシ−1−ナフチル)−β−D−キシロ
ピラノシド 等が挙げられる。
ラノシド系化合物は、基本的にはそれ自体既知のグリコ
シル化反応方法により合成することができる。例えば、
D−キシロースの2位、3位および4位の水酸基を無水
酢酸、塩化ベンジル等によりアセチル基あるいはベンジ
ル基などの保護基で保護した後、1位を塩化アルミ、臭
化アルミ等のハロゲン化アルミ或いはフェニルイソシア
ネート等によりハロゲン化あるいはフェニルカルバモイ
ル化して活性化する。すなわち、ハロゲン、フェニルカ
ルバモイル等の脱離基を導入する。これに2個以上の水
酸基を有するナフタレンの1個の水酸基を除いた他の水
酸基がベンゾイル基等の保護基で保護されているナフタ
レンを反応させ、その後保護基を除去することにより目
的化合物を得ることができる。保護基の除去は常法に従
い二工程で行われ、例えばナフタレン環のベンゾイル基
をソディウムメトキシド(NaOMe)により、更にキ
シロピラノース環のベンジル基を接触水素添加により脱
離させることができる。グリコシル化反応は、キシロー
スの保護基あるいは脱離基の種類、ナフタレン環の水酸
基数、保護基の種類等による求核性の程度、更には反応
剤、溶媒等によって影響される場合があるので、使用す
るキシロース、およびヒドロキシ置換ナフトールの種類
に応じて、最適反応条件を適宜実験的に確認し、選定し
て行うのが好ましい。この様にして得られた反応生成物
は、メタノール等から結晶化させる再結晶法、或いはク
ロマトグラフィー法等の慣用的な精製法により精製する
ことができる。
ロキシナフチル-β-D-キシロピラノシド(以下、Xyl-N
apOHと略記することもある。)系化合物は、後記試験例
で示すように細胞増殖阻害作用を示し、特に形質転換細
胞や癌化細胞に対し顕著な効果を呈する。また、本発明
化合物Xyl-NapOHは、コンドロイチン硫酸/デルマタン
硫酸鎖の伸長ばかりでなく、広くヘパラン硫酸鎖の伸長
活性を示す。そして、その細胞増殖抑制作用とヘパラン
硫酸鎖伸長作用の最適濃度域は一致している。更に、コ
ンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸鎖にしか伸長活性を
示さない公知のO p−ニトロフェニル−β−D−キシ
ロピラノシド及び全くグリコサミノグリカン伸長活性を
示さないO ヒドロキシナフチル-β-L-キシロピラノシ
ドは細胞増殖に対し全く影響を及ぼさなかった。また、
公知のO 2−ナフチル-β-D-キシロピラノシドは、C
HO細胞ではヘパラン硫酸伸長活性をもつ(J.Biol.Che
m.,269,300-307,1994)が、これら形質転換細胞や癌化
細胞に対してはヘパラン硫酸伸長活性や細胞増殖抑制活
性は示さなかった。
化およびその活性の調節が挙げられるが、これはヘパラ
ン硫酸生合成が巧みに細胞増殖を操作することを意味し
ている。形質転換細胞や癌化細胞が正常細胞に比べ、本
発明のXyl-NapOHに対し、より感受性が高く数倍も激し
く増殖阻害効果が現れた理由は、Xyl-NapOHが成長に必
須な内因性のヘパラン硫酸−プロテオグリカンの生合成
を抑制し、成長因子受容体からのシグナル伝達を妨害す
る作用を持つか、あるいはキシロシドから伸長したヘパ
ラン硫酸鎖が直接内因性ヘパラン硫酸−プロテオグリカ
ンの生合成に拮抗し、細胞増殖を抑制する作用をもつも
のと推察される。いずれにしても本発明のXyl-NapOHは
今まで考えられなかった機序で抗増殖作用を持つヘパラ
ン硫酸バリアントを生産すると考えられる。それがオー
トクライン機構で自己増殖する形質転換細胞や癌細胞に
対して特に顕著な増殖阻害効果を示すと思われる。
多くの動物細胞に対しヘパラン硫酸鎖伸長作用を有す
る。そして、正常細胞に対してはあまり強い細胞増殖抑
制作用は示さずに、異常増殖する癌化細胞などに選択的
な強い細胞増殖阻害作用を示すことが明らかになった。
このことは異常部位にのみ作用する安全性の高い医薬品
となる可能性が期待されることを示唆している。従っ
て、例えば、癌抑制剤、あるいは細胞の異常増殖に起因
する疾患、例えば血管平滑筋細胞の増殖によって起こる
動脈硬化、血管閉塞、あるいは関節滑膜細胞や免疫細胞
の異常増殖によって引き起こされる慢性滑膜リウマチや
白血病の憎悪、肉腫の増殖などを抑制する薬剤としての
効果が期待されるのである。
れるヒドロキシナフチル基を有するβ−D−キシロピラ
ノシドは、既知のO 2−ナフチル−β−D−キシロピ
ラノシドがヘパラン硫酸生合成開始活性を持たない細胞
種に対してもヘパラン硫酸を伸長させ得る活性を有す
る。しかも、本発明化合物は癌化細胞および形質転換さ
せた細胞に選択的に増殖阻害活性を持ち、正常細胞には
増殖に影響を与えない特性を有するので、この特性に基
づく医薬としての有用性が期待されるのである。
更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、これらに限定されるものではない。
p(6)OH)の合成 2,3,4-トリ-O-ヘ゛ンシ゛ル-D-キシロヒ゜ラノースとフェニルイソシアネートから得ら
れる2,3,4-トリ-O-ヘ゛ンシ゛ル-1-O-フェニルカルハ゛モイル-β-D-キシロヒ゜ラノ
ース(2.3g;4.3mmol)と2,6-シ゛ヒト゛ロキシナフタレンモノヘ゛ンソ゛エート
(1.15g;4.36mmol)をモレキュラーシーフ゛ス゛4A(3g)が入っ
たシ゛クロロメタン中に添加した。室温で1時間撹拌後、これに
窒素雰囲気下0℃でトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(0.85m
l,1.03eq.)を滴下した。そのまま1.5時間撹拌した
後、その混液を濾過し、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液及び水で洗浄し、MgSO4で脱水した。溶媒を減圧
留去後、エタノールから再結晶し、O (6-O-ヘ゛ンソ゛イル-2-ナ
フチル)-2,3,4-トリ-O-ヘ゛ンシ゛ル-β-D-キシロヒ゜ラノシト゛(1.27g;収
率45%)を得た。常法により2工程で保護基の脱離を
行い、目的のO (6-ヒト゛ロキシ-2-ナフチル)-β-D-キシロヒ゜ラノシト゛(3
80mg;収率63%)を得た。 核磁気共鳴スペクトル:1H-NMR(400MHz,CD3OD)でδH(pp
m)=7.53-6.92(m,6H,aromatic-H),4.83(d,1HJ1.2=7.3H
z,H-1),3.85(dd,1HJ5eq,4=4.9Hz,J5eq,5ax=11.2Hz,H-5e
q),3.52-3.27(m,4H). 旋光度:-25.8°(c=0.1;CH3OH),融点:240℃
(分解点)。
ト゛(L-Xyl-Nap(6)OH)の合成 2,3,4-トリ-O-ヘ゛ンシ゛ル-L-キシロヒ゜ラノースとフェニルイソシアネートから得ら
れる2,3,4-トリ-O-ヘ゛ンシ゛ル-1-O-フェニルカルハ゛モイル-β-L-キシロヒ゜ラノ
ース(2.04g;3.78mmol)と2,6-シ゛ヒト゛ロキシナフタレンモノヘ゛ンソ゛エー
ト(1.0g;3.78mmol)をモレキュラーシーフ゛ス゛4A(3g)が入っ
たシ゛クロロメタン中に添加した。室温で2時間撹拌後、窒素雰
囲気下-78℃に冷却し、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(0.75
ml,1.0eq.)を滴下した。そのまま18時間-78℃で撹
拌した後、室温に戻しその混液を濾過し、濾液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液及び水で洗浄し、MgSO4で脱水
した。溶媒を減圧留去後、メタノールから再結晶し、O
(6-O-ヘ゛ンソ゛イル-2-ナフチル)-2,3,4-トリ-O-ヘ゛ンシ゛ル-β-L-キシロヒ゜ラ
ノシト゛(1.42g;収率56%)を得た。常法により2工程で
保護基の脱離を行い、目的のO (6-ヒト゛ロキシ-2-ナフチル)-β-L
-キシロヒ゜ラノシト゛(522mg;収率78%)を得た。 核磁気共鳴スペクトル:1H-NMR(400MHz,CD3OD)でδH(pp
m)=7.53-6.93(m,6H,aromatic-H),4.84(d,1HJ1.2=7.3H
z,H-1),3.86(dd,1HJ5eq,4=4.9Hz,J5eq,5ax=11.2Hz,H-5e
q),3.51-3.25(m,4H). 旋光度:+25.7°(c=0.1;CD3OD),融点:240℃
(分解点)。
の合成 Fritzらの方法(J.Biol.Chem.,269,300-307,1994)に
準じて、O 2−ナフチル−β−D−キシロピラノシド
(Xyl-Nap)、O p−ニトロフェニル−β−D−キシロ
ピラノシド(Xyl-PheNO2)の合成を行った。
胞、ヒト肺カルシノーマ細胞、マウス3T3線維芽細
胞、SV−40形質転換3T3細胞、ヒト臍帯静脈内皮
細胞、及びヒト臍帯静脈形質転換内皮細胞)をトリプシ
ンで剥がして集め、インスリン(10ng/ml)とトランス
フェリン(25ng/ml)および10%ウシ胎児血清を含むF-12
培地(シグマ)中に懸濁した。その3000-5000細胞ずつ
を96-穴マイクロ培養皿に移植して、4時間培養後、血
清を枯渇させて24時間培養した。その後、各種濃度の
上記実施例1で合成したO(6−ヒドロキシ−2−ナフ
チル)-β-D-キシロピラノシド(D-Xyl-Nap(6)OH)ま
たは他のキシロピラノシド化合物の存在下、10ng/mlの
上皮細胞成長因子(EGF;Genzyme,Cambridge,MA)を
添加して細胞を成長させた。ただし、ヒト臍帯静脈内皮
細胞は20%ヒト血清を加えて成長させた。
の培養と、キシロピラノシドを溶解するのに使用した溶
媒(ジメチルスルホキシド:DMSO)を検体と同じ濃度で
添加した培養も行った。72、96、そして120時間
培養後、細胞をグルタールアルデヒドで固定し、細胞の
核をクリスタルバイオレット(Merck,Darmstadt,FRG)
で染色した。過剰の染料を洗い流した後、TritonX-100
(Rohm & Haas社)溶液で24時間処理して、固定細胞
を溶解させ、細胞に結合した染料の量をマイクロプレー
トリーダ(Titertek multiscan)により600nmの吸光度
で測定することにより、細胞数を測定した。結果はDMSO
の影響を補正して算出した。
細胞はD-Xyl-Nap(6)OHの存在下、用量依存的に増殖が抑
制された。しかし、形質転換した細胞や癌細胞は正常細
胞に比べキシロピラノシドに対する感受性が高く、より
強く阻害作用を受けた。例えば、96時間の処理でのE
D50値で比較すると、ヒト肺由来カルシノーマ細胞は正
常ヒト肺線維芽細胞に比べ3〜4倍感受性が高かった
(図1:1-aおよび1-b)。また、SV−40形質転
換3T3細胞は、転換前の3T3細胞よりも6〜7倍感
受性が高かった(図2:1-cおよび1-d)。臍帯静脈
由来内皮細胞は非常に低い濃度のキシロピラノシドにお
いて増殖率の減少がみられたが、高濃度になってもそれ
ほど増殖率の低下は起こらなかった(図3:1-e)。
これに対し、形質転換した臍帯静脈内皮細胞では3倍も
感受性が高い結果であった(図3:1-f)。全般的
に、96時間0.15-0.2mMのD-Xyl-Nap(6)OHにさらした後
では、形質転換細胞は完全に増殖を阻害されたのに対
し、正常細胞は50%或いはそれ以下の阻害作用を受け
ただけであった。
−ナフチル)-β-L-キシロシド(L-Xyl-Nap(6)OH)で
処理しても、ヒト肺線維芽細胞(図4:2-a)や肺カ
ルシノーマ細胞(図4:2-b)共に全く増殖阻害効果
はなかった。また、水酸基がついていないO ナフチル-
β-D-キシロピラノシドの96時間の暴露により、肺線
維芽細胞(図5:2-c)、肺カルシノーマ細胞(図
5:2-d)及び他の細胞(図示せず)に対しても成長
になんら影響を及ぼさなかった。また、公知のナフチル
チオキシロピラノシド(図示せず)やO p−ニトロフ
ェニル-β-D-キシロピラノシドも同様な濃度範囲内で
全く増殖阻害は起こさなかった(図6:2-e及び2-
f)。
4をMgCl2に置き換えた低硫酸含有培地)に変え、1
時間前培養した後、50μCi/mlの[35S]硫酸と各種
濃度のキシロシド化合物を含んだ新鮮な培地に交換し
た。5時間から24時間培養後、培養液を採取し、DEAE
セルロースのイオン交換クロマトグラフィーにより[35
S]でラベルされたポリアニオニック高分子物質を分離
した。更にオクチル−セファロースの疎水結合クロマト
グラフィーにより遊離のグリコサミノグリカンとプロテ
オグリカンを分離した。
長したグリコサミノグリカンやプロテオグリカンは、ヘ
パリン含有リン酸緩衝液(100μgヘハ゜リン/ml)を1cm2
あたり0.2mlで処理して遊離させた。細胞内に残った物
質は4Mグアニジン塩酸および2% TritonX−100で
抽出した。グリコサミノグリカンやプロテオグリカン鎖
は、コンドロイチナーゼABC(生化学工業(株)製)
によるコンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸鎖の分解の
前後で、4Mグアニジン塩酸/50mM 酢酸ナトリウム:NaOAc
(pH5.8)/0.2% Triton-X-100中のSuperose 6HR 10/
30によるクロマトグラフィーを行った。コンドロイチナ
ーゼABCによる分解は、0.1Mトリス塩酸/10mM EDTA(p
H5.8)を緩衝液として、1mlあたり3mUの酵素を使
い、37℃で一晩作用させた。
キシ−2−ナフチル)-β-D-キシロピラノシド(D-Xyl-
Nap(6)OH)により伸長させ培地に分泌したグリコサミノ
グリカン鎖は、Superose 6HR 10/30のクロマトグラフ
ィーにより、高分子(ピークI)、中間サイズ(ピークI
I)、通常サイズ(ピークIII)に分けられた(図7:実
線)。ピークIIIの通常サイズのグリコサミノグリカン
はコンドロイチナーゼABC消化で分解されることか
ら、コンドロイチン硫酸或いはデルマタン硫酸であるこ
とが判る。それに対し、ピークIとピークIIの大部分は
コンドロイチナーゼABC消化には抵抗性であり、ヘパ
リチナーゼにより分解されるのでヘパラン硫酸鎖である
(図7:破線)。
(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)-β-L-キシロピラ
ノシド(L-Xyl-Nap(6)OH)は調べた限りの全ての細胞で
全くグリコサミノグリカン伸長活性は持たなかった。更
に、ヒドロキシル基を有しないO 2−ナフチル-β-D-
キシロピラノシド(Xyl-Nap)は、CHO細胞(チャイ
ニーズハムスター卵母細胞)においては、コンドロイチ
ン硫酸/デルマタン硫酸鎖のみではなく、ヘパラン硫酸
鎖も伸長する(Fritz,T.A.et al.,J.Biol.Chem.269,30
0-307,1994)が、それにもかかわらず、ヒト肺線維芽
細胞はじめ今回調べた限りの正常及び癌化細胞に対して
は、コンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸鎖の伸長作用
はあっても、ヘパラン硫酸鎖の伸長作用はほとんど見ら
れなかった。O p−ニトロフェニル-β-D-キシロピラ
ノシド(Xyl-PheNO2)も通常言われているように、コン
ドロイチン硫酸/デルマタン硫酸鎖の伸長作用のみを示
した。
する影響をヒト肺線維芽細胞について調べたものであ
り、1-bはヒト肺カルシノーマ細胞で調べたものであ
る。図中、縦軸は細胞増殖率(%)を、横軸はD-Xyl-Na
p(6)OH濃度(mM)を表す。
する影響をマウス3T3線維芽細胞で、1-dはSV−
40で形質転換したマウス3T3細胞で調べたものであ
る。図中、縦軸は細胞増殖率(%)を、横軸はD-Xyl-Na
p(6)OH濃度(mM)を表す。
する影響をヒト臍帯静脈内皮細胞で、1-fはヒト臍帯
静脈形質転換内皮細胞で調べたものである。図中、縦軸
は細胞増殖率(%)を、横軸はD-Xyl-Nap(6)OH濃度(m
M)を表す。
−2−ナフチル)-β-L-キシロピラノシドの増殖に対
する影響をヒト肺線維芽細胞(a)及びヒト肺カルシノ
ーマ細胞(b)について調べたものである。図中、縦軸
は細胞増殖率(%)を、横軸はキシロピラノシド濃度
(mM)を表す。
-D-キシロピラノシドの増殖に対する影響をヒト肺線維
芽細胞(c)及びヒト肺カルシノーマ細胞(d)について
調べたものである。図中、縦軸は細胞増殖率(%)を、
横軸はキシロピラノシド濃度(mM)を表す。
ル-β-D-キシロピラノシドの増殖に対する影響をヒト肺
線維芽細胞(e)及びヒト肺カルシノーマ細胞(f)につ
いて調べたものである。図中、縦軸は細胞増殖率(%)
を、横軸はキシロピラノシド濃度(mM)を表す。
して得られたヒト肺線維芽細胞分泌培養液中の[35S]
ラベルされたグリコサミノグリカンのSuperose6HRによ
るゲル濾過クロマトグラフィーである。図中、実線
(−)はコンドロイチナーゼABCの処理前、破線(・・
・)は処理後の[35S]パターンである。また、横軸
は、分画番号を表し、縦軸は[35S]の放射線活性(dm
p×10-2)を表す。なお図中、Voは排除体積を、Vtは
カラム体積を表す。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるヒドロキシ
ナフチル-β-D-キシロピラノシド系化合物。 【化1】 (式中、nは1以上の整数である。) - 【請求項2】 一般式(1)において、nが1であるこ
とを特徴とする請求項1記載の化合物。 - 【請求項3】 一般式(1)で示される化合物が、O
(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)−β−D−キシロピ
ラノシドであることを特徴とする請求項1記載の化合
物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP36688097A JPH11193295A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | β−D−キシロピラノシド系化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP36688097A JPH11193295A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | β−D−キシロピラノシド系化合物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11193295A true JPH11193295A (ja) | 1999-07-21 |
| JPH11193295A5 JPH11193295A5 (ja) | 2005-07-28 |
Family
ID=18487923
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP36688097A Pending JPH11193295A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | β−D−キシロピラノシド系化合物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11193295A (ja) |
-
1997
- 1997-12-26 JP JP36688097A patent/JPH11193295A/ja active Pending
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