JPH1119563A5 - - Google Patents

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JPH1119563A5
JPH1119563A5 JP1997179989A JP17998997A JPH1119563A5 JP H1119563 A5 JPH1119563 A5 JP H1119563A5 JP 1997179989 A JP1997179989 A JP 1997179989A JP 17998997 A JP17998997 A JP 17998997A JP H1119563 A5 JPH1119563 A5 JP H1119563A5
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Description

【発明の名称】塗布装置および塗布方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を、立設した基板の被塗布面に沿って塗布する塗布装置において、
一端が前記塗布液槽に連通し、斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設され、この前面壁部の前端面に、前記塗布液流出路の他端が連通された外部流出口が配設され、毛管現象で前記塗布液流出路を介して汲み上げられた塗布液を前記外部流出口から供給して前記基板の被塗布面に塗布可能なノズル手段と、
前記基板の被塗布面に塗布した塗布液を前記前端面から吸引する吸引手段と、
前記ノズル手段と基板を前記被塗布面に沿って相対移動させる移動手段と、
前記ノズル手段と基板の被塗布面とを接近または離間するように移動させるギャップ可変手段と、
前記基板の端部手前側で前記ノズル手段を前記基板の被塗布面の所定位置に近接させるように前記ギャップ可変手段を制御すると共に、この近接動作に同期して前記吸引手段を駆動した後に、前記基板から前記ノズル手段を引き離すように前記移動手段およびギャップ可変手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする塗布装置。
【請求項2】毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を、立設した基板の被塗布面に沿って塗布する塗布装置において、
一端が前記塗布液槽に連通し、斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設され、この前面壁部の前端面に、前記塗布液流出路の他端が連通された外部流出口が配設され、毛管現象で前記塗布液流出路を介して汲み上げられた塗布液を前記外部流出口から供給して前記基板の被塗布面に塗布可能なノズル手段と、
前記基板の被塗布面に塗布した塗布液を前記前端面から吸引する吸引手段と、
前記ノズル手段と基板を前記被塗布面に沿って相対移動させる移動手段と、
前記ノズル手段と基板の被塗布面とを接近または離間するように移動させるギャップ可変手段と、
前記基板の端部手前側で前記ノズル手段を前記基板の被塗布面の所定位置に近接させるように前記ギャップ可変手段を制御すると共に、この近接動作に同期して前記吸引手段を駆動した後に、前記基板から前記ノズル手段を引き離すように前記移動手段およびギャップ可変手段を制御する制御手段と、
前記制御手段で制御されて塗布された基板を乾燥する乾燥処理および、前記制御手段で制御されて塗布された基板の端縁部を洗浄する基板端縁洗浄処理のうち少なくとも何れかの処理を行う基板処理手段とを有することを特徴とする塗布装置。
【請求項3】前記制御手段は、前記基板の端部手前側で、前記ノズル手段の前記被塗布面に沿った相対移動を停止させるように前記移動手段を制御した後、前記ノズル手段を前記基板に近接させるよう前記ギャップ可変手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載の塗布装置。
【請求項4】前記制御手段は、前記基板の端部手前側で、前記ノズル手段の前記被塗布面に沿った相対移動を行いつつ前記ノズル手段を前記基板に近接させるよう前記移動手段およびギャップ可変手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載の塗布装置。
【請求項5】前記制御手段は、前記基板の端部手前側で、前記ノズル手段の前記被塗布面に沿った相対移動を行いつつ前記ノズル手段を前記基板から引き離すよう前記移動手段およびギャップ可変手段を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項6】前記制御手段は、前記基板の端部手前側で、前記ノズル手段の前記被塗布面に沿った相対移動を停止させるように前記移動手段を制御した後、前記ノズル手段を前記基板から引き離すよう前記ギャップ可変手段を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項7】前記制御手段は、前記基板の端部手前側で、前記ノズル手段の前記被塗布面に沿った相対移動を行って前記ノズル手段を前記基板から引き離すよう前記移動手段を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項8】前記制御手段は、前記基板の端部手前側で、前記ノズル手段前記被塗布面に近接させた後、前記ノズル手段を前記被塗布面に沿った相対移動を行い、その後前記ノズル手段を前記基板から引き離すように前記移動手段およびギャップ可変手段を制御することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項9】前記制御手段は、前記基板の端部手前側で、前記ノズル手段を前記被塗布面に近接させた後、当該近接前の位置より基板に近い位置まで前記ノズル手段を前記被塗布面から離間させ、その後前記ノズル手段を前記基板から引き離すように前記移動手段およびギャップ可変手段を制御することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項10】塗布液を供給可能なノズル手段と、立設した被塗布基板とを被塗布面に沿って相対移動させつつ、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を前記ノズル手段の前端面へ供給して前記基板の被塗布面とのギャップに塗布液を保持して塗布する塗布方法において、
前記ノズル手段の前端面と基板の被塗布面とのギャップに塗布液を保持して前記ノズル手段を前記基板の被塗布面に沿って移動させる工程と、
基板の端部手前側で前記ノズル手段の前端面への塗布液供給を止め、さらに、前記ノズル手段を前記基板の被塗布面の所定位置に近接させると共にこの近接動作に同期して前記ノズル手段の前端面から余剰液を吸引する工程と、
この吸引動作または塗布液供給停止動作の状態で前記基板から前記ノズル手段を引き離す工程とよりなることを特徴とする塗布方法。
【請求項11】塗布液を基板の被塗布面に沿って塗布する塗布装置において、
塗布液を前記被塗布面に塗布可能なノズル手段と、
前記被塗布面に塗布した塗布液を吸引する吸引手段と、
前記ノズル手段と基板とを前記被塗布面に沿って相対移動させる移動手段と、
前記ノズル手段と基板の被塗布面とを接近または離間するように移動させるギャップ可変手段と、
前記基板の端部手前側で前記ノズル手段を前記基板の被塗布面の所定位置に近接させるように前記ギャップ可変手段を制御すると共に、この近接動作に同期して前記吸引手段を駆動した後に、前記基板から前記ノズル手段を引き離すように前記移動手段およびギャップ可変手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする塗布装置。
【請求項12】塗布液を基板の被塗布面に沿って塗布する塗布装置において、
塗布液を前記被塗布面に塗布可能なノズル手段と、
前記被塗布面に塗布した塗布液を吸引する吸引手段と、
前記ノズル手段と基板とを前記被塗布面に沿って相対移動させる移動手段と、
前記ノズル手段と基板の被塗布面とを接近または離間するように移動させるギャップ可変手段と、
前記基板の端部手前側で前記ノズル手段を前記基板の被塗布面の所定位置に近接させるように前記ギャップ可変手段を制御すると共に、この近接動作に同期して前記吸引手段を駆動した後に、前記基板から前記ノズル手段を引き離すように前記移動手段およびギャップ可変手段を制御する制御手段と、
前記制御手段で制御されて塗布された基板を乾燥する乾燥処理および、前記制御手段で制御されて塗布された基板の端縁部を洗浄する基板端縁洗浄処理のうち少なくとも何れかの処理を行う基板処理手段とを有することを特徴とする塗布装置。
【請求項13】塗布液を供給可能なノズル手段を基板の被塗布面に沿って相対移動させつつ、前記ノズル手段によって塗布液を該ノズル手段と被塗布面とのギャップに供給して塗布する塗布方法において、
前記ノズル手段の前端面と基板の被塗布面とのギャップに塗布液を保持して前記ノズル 手段を前記基板の被塗布面に沿って移動させる工程と、
基板の端部手前側で前記ノズル手段の塗布液供給を止め、さらに、前記ノズル手段を前記基板の被塗布面の所定位置に近接させると共にこの近接動作に同期して前記ノズル手段により余剰液を吸引する工程と、
この吸引動作または塗布液供給停止動作の状態で前記基板から前記ノズル手段を引き離す工程とよりなることを特徴とする塗布方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示デバイス(LCD)、プラズマ表示デバイス(PDP)、半導体デバイスおよび各種電子部品などの製造プロセスにおいて、LCDまたはPDP用ガラス基板、半導体基板およびプリント基板などの基板表面に対して、フォトレジスト膜、カラーフィルタ材、平坦化材、層間絶縁膜、絶縁膜および導電膜などを形成するために各種塗布液を毛細管現象で汲み上げて塗布する塗布装置および塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板表面に塗布液を塗布する方式としては、回転塗布方式、ブレード塗布方式、スプレイ塗布方式およびロールコート方式などがある。
【0003】
近年、液晶表示デバイスや半導体デバイスなどの製造プロセスにおいて、基板を水平に保った状態で回転させ、その中央部に塗布液を供給して塗布液に遠心力を与えることで、基板表面上の中央部から外周部に均一に塗布液を塗布する回転塗布方式が広く利用されている。
【0004】
ところが、この回転塗布方式では、基板の大型化や角形化の傾向とも相俟って、塗布液を遠心力で外方に飛ばすため、使用される塗布液の有効利用という点で無駄があり、塗布液の利用効率が悪かった。また、角形の基板を水平姿勢で回転させることで、基板の大型化にも伴って装置も大型化し、その設置スペースも増大せざるを得なかった。さらに、角形の基板を高速に回転させると、基板表面に気流の乱れが発生し易く、しかも、その基板が大型化すると、その回転時における基板表面上の線速度差が増大することにより、塗布むらや塗布膜厚の均一性などの塗布品質を確保することが難しくなっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような回転塗布方式の上記問題、つまり、塗布液の利用効率の低下、設置スペースの増大および塗布膜厚の不均一を解決すべく、基板を鉛直姿勢または傾斜した姿勢に立てて保持し、その基板の幅方向(左右方向)のノズルから基板表面に対して塗布液を吐出させつつ、そのノズルを基板上端から下端に移動させるようにして塗布液を塗布する方式の塗布装置が、特開平8−24740号公報「基板への塗布液塗布装置」で提案されているが、この塗布装置について、以下に説明する。
【0006】
図7は、本出願人による塗布装置の概略構成を示す正面図であり、図8は、図7の塗布装置におけるAA線の断面図である。
【0007】
図7および図8において、この塗布装置は、基板100を鉛直(垂直)方向に立てて保持するステージ101と、基板100の被塗布面に塗布液102を供給する塗布液槽を内部に有するノズル部材103と、このノズル部材103を基板100に沿って下方に直線移動させる移動手段(図示せず)とから構成されている。このノズル部材103は、両端が閉塞され基板100の幅方向に延在する筒状をなしており、基板100の被塗布面と対向する前面壁部104に槽内から外部に貫通したスリット状の塗布液流出路105をその幅方向に形成している。また、基板100の被塗布面と対向する前面壁部104の前端面106は、基板100の被塗布面に非接触でかつ近接するように配設され、その下端106aが塗布液流出路105の流出口よりも下方で且つその反対側の入口よりも上方に位置し、その上端106bが、基板100の被塗布面と前端面106との間の隙間107を上方へ無限に延長させたと仮定した場合に塗布液流出路105を通って隙間107内に流入した塗布液が少なくとも毛細管現象などによって上昇するときの到達高さ位置と塗布液流出路105の流出口との間に位置するようになっている。
【0008】
上記構成により、塗布液槽内に塗布液流出路105の入口と前端面106の下端106aとの間の高さまで塗布液102を注入し、塗布液槽を大気開放とすると、塗布液槽内に供給された塗布液102は、少なくとも毛管現象によって、塗布液流出路105を通って槽外に流出し、ステージ101によって鉛直姿勢に保持された基板100の被塗布面と前端面106との間の隙間107内に流入する。
【0009】
この隙間107内に流入した塗布液は、毛細管現象などによってその隙間107内を前端面106の下端106aまで下降する。また、隙間107内に流入した塗布液の上方への流動は、毛細管現象などによってその隙間107内を前端面106の上端106bまで上昇する。このようにして、基板100の被塗布面と前端面106との間の隙間107内に、基板100の幅方向に延びる帯状の塗布液の液溜りが形成されることになる。
【0010】
さらに、この液溜り109が隙間107内に形成された状態で、基板100の被塗布面と前端面106との間の隙間107を保持したまま、基板100の下方向(基板100の幅方向と直交する上下方向)aにノズル部材103を直動させると、基板100の被塗布面に塗布液が塗布されることになる。このとき、基板100の被塗布面と前端面106の隙間107にある液溜り109は、基板100の被塗布面に塗布されていくに従って消費されるが、大気開放されたノズル部材103の塗布液槽の塗布液にかかる大気圧と毛細管現象などによって、その消費量とほぼ同等の塗布液が塗布液槽内から塗布液流出路105を通ってその隙間107内に供給される。そのため、塗布時の隙間107内の塗布液量は常にほぼ一定に保持されることになって、基板100に塗布液が連続して、略均一な膜厚に塗布されることになる。
【0011】
このように、ノズル部材103内の圧力を大気圧とするとともに、毛細管現象で塗布液槽内の塗布液を隙間107内へ供給することによって、塗布に伴って、基板100の被塗布面とノズル部材103の前端面106との隙間107内にある液溜り量を一定に保持して塗布膜厚を一定にすることが提案されているが、塗終わりの基板100の下端部では液溜りができて厚膜化するという問題を有していた。このように、基板の塗終わり部分で厚膜化すると、現像時に膜残りを来たしたりする。
【0012】
この塗終わりの厚膜化を解決するべく、特開平8−155365号公報「基板への塗布液塗布装置」が提案されている。この塗布装置では、図9(a)に示すように、基板111を保持するステージ112の下方の塗布終端側に配設され、基板111の下端側に当接する上向きの面113および、ノズル部材(図示せず)と対向する鉛直(垂直)方向の前壁面114を有した略L字状の延設部材116を設けることによって、塗終わりの厚膜化した液溜り115を延設部材116の前壁面114上に形成させ、基板111側では塗終わりの厚膜化した液溜り115を回避するようになっている。ところが、塗終わりの厚膜部分を基板111側で回避することができるものの、多数の基板に連続して塗布しようとすると、その延設部材116をその都度洗浄する必要があって作業工数が増加し、スループットが低下すると共に、図9(b)に示すように基板111の下方側の端面111aと延設部材116の面113との間に塗布液が染み込んで、その塗布液が端面111aに付着してしまう。また、塗終わりの厚膜化した液溜り115を延設部材116の前壁面114上に形成させているため、その分の塗布液を余剰液として無駄に消費してしまうことになる。
【0013】
また、塗終わりの厚膜化を解決するべく、特開平8−141475号公報の塗布装置では、図10に示すように、ノズル部材121の進行方向の後方上方にノズル部材121と一体にブレード123を設け、ノズル部材121が基板122の被塗布面に沿って下方に移動することによって、基板122上に塗布液を塗り終えた基板下方端縁部において、基板122の端縁上の余剰塗布液をブレード123で掻き取って吸引するようになっている。ところが、ブレード123の先端部が基板下方端縁部に接触することから発塵をおこし、基板の品質を低下させる可能性があった。また、余剰した塗布液を吸引して回収するものの、余剰塗布液をブレード123で掻き取っている間の溶媒成分の蒸発などにより塗布液の特性が変化し、回収した塗布液の再利用は難しく、回収した塗布液は無駄になってしまうことになる。
【0014】
さらに、以上の塗終わりの厚膜化を解決すると共に、塗布液の消費を防止するべく、塗布装置では、図11(a)に示すように、ノズル部材131が基板132の被塗布面132aに沿って下方に移動することによって、基板132上に塗布液を塗り終えた後に、基板132の下方端から、余剰した塗布液がある状態で下方向に、基板132に対してノズル部材131を引き離すようにしている。ところが、このようにノズル部材131を下方向に引き離すと、基板132とノズル部材131との間で引き切かれた多量の余剰液が、図11(b)に示すように、ノズル部材131の前端面133の上端上面133aに付着してしまうという問題を有していた。このように、ノズル部材131の前端面133の上端上面133aに塗布液が付着すると、次なる基板の塗布を行うときには、図12(b)に示すようなメニスカスカーブD2となってしまい、図12(a)に示すような正常状態のメニスカスカーブD1で塗布を行うことができなくなる。つまり、塗布膜厚に影響するメニスカスカーブが、図12(b)に示すように、上端上面133aが濡れているために上端上面133aからメニスカスカーブD2が形成されてしまうようになる。また、ノズル部材131の前端面133の上端上面133aに塗布液が付着すると、それが乾いてはがれ落ちるなどによってパーティクルの発生要因になったりする。したがって、基板132を1枚塗布する毎にノズル前端部を洗浄しなければならず、洗浄液の過剰な使用や、洗浄動作による基板のスループットの低下を来たしてしまう。
【0015】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、塗終わりの厚膜化を解決すると共に、塗布液の消費を抑え、かつ、ノズル前端部を不所望に塗布液で濡らして汚さない塗布装置および塗布方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の塗布装置は、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を、立設した基板の被塗布面に沿って塗布する塗布装置において、一端が塗布液槽に連通し、斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設され、この前面壁部の前端面に、塗布液流出路の他端が連通された外部流出口が配設され、毛管現象で塗布液流出路を介して汲み上げられた塗布液を外部流出口から供給して基板の被塗布面に塗布可能なノズル手段と、基板の被塗布面に塗布した塗布液を前端面から吸引する吸引手段と、ノズル手段と基板を被塗布面に沿って相対移動させる移動手段と、ノズル手段と基板の被塗布面とを接近または離間するように移動させるギャップ可変手段と、基板の端部手前側でノズル手段を基板の被塗布面の所定位置に近接させるようにギャップ可変手段を制御すると共に、この近接動作に同期して吸引手段を駆動した後に、基板からノズル手段を引き離すように移動手段およびギャップ可変手段を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。また、本発明の塗布方法は、塗布液を供給可能なノズル手段と、立設した被塗布基板とを被塗布面に沿って相対移動させつつ、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液をノズル手段の前端面へ供給して基板の被塗布面とのギャップに塗布液を保持して塗布する塗布方法において、ノズル手段の前端面と基板の被塗布面とのギャップに塗布液を保持してノズル手段を基板の被塗布面に沿って移動させる工程と、基板の端部手前側でノズル手段の前端面への塗布液供給を止め、さらに、ノズル手段を基板の被塗布面の所定位置に近接させると共にこの近接動作に同期してノズル手段の前端面から余剰液を吸引する工程と、この吸引動作または塗布液供給停止動作の状態で基板からノズル手段を引き離す工程とよりなることを特徴とするものである。
【0017】
この構成により、基板の下端部手前側でノズル手段を基板側に接近させると共に、この接近動作に同期して塗布液流出口から塗布液を吸引した後に、基板からノズル手段を引き離すようになっている。このようにして、塗終わりの余剰液が最小限となって塗終わりの厚膜化が防止されると共に、塗終わりの余剰液が回収されて塗布液の消費も抑えられ、かつ、塗終わりの余剰液が最小限の状態でノズル手段が基板から引き離されることでノズル前端部を塗布液で濡らして汚すようなこともない。
【0018】
また、本発明の塗布装置は、毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を、立設した基板の被塗布面に沿って塗布する塗布装置において、一端が塗布液槽に連通し、斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設され、この前面壁部の前端面に、塗布液流出路の他端が連通された外部流出口が配設され、毛管現象で塗布液流出路を介して汲み上げられた塗布液を外部流出口から供給して基板の被塗布面に塗布可能なノズル手段と、基板の被塗布面に塗布した塗布液を前端面から吸引する吸引手段と、ノズル手段と基板を被塗布面に沿って相対移動させる移動手段と、ノズル手段と基板の被塗布面とを接近または離間するように移動させるギャップ可変手段と、基板の端部手前側でノズル手段を基板の被塗布面の所定位置に近接させるようにギャップ可変手段を制御すると共に、この近接動作に同期して吸引手段を駆動した後に、基板からノズル手段を引き離すように移動手段およびギャップ可変手段を制御する制御手段と、制御手段で制御されて塗布された基板を乾燥する乾燥処理および、制御手段で制御されて塗布された基板の端縁部を洗浄する基板端縁洗浄処理のうち少なくとも何れかの処理を行う基板処理手段とを有することを特徴とするものである。
【0019】
また、好ましくは、本発明の塗布装置における制御手段は、基板の端部手前側で、ノズル手段の被塗布面に沿った相対移動を停止させるように移動手段を制御した後、ノズル手段を前記基板に近接させるよう前記ギャップ可変手段を制御することを特徴とする。
【0020】
さらに、好ましくは、本発明の塗布装置における制御手段は、基板の端部手前側で、ノズル手段の被塗布面に沿った相対移動を行いつつノズル手段を基板に近接させるよう移動手段およびギャップ可変手段を制御することを特徴とする。
【0021】
さらに、好ましくは、本発明の塗布装置における制御手段は、基板の端部手前側で、ノズル手段の被塗布面に沿った相対移動を行いつつノズル手段を基板から引き離すよう移動手段およびギャップ可変手段を制御することを特徴とする。
【0022】
さらに、好ましくは、本発明の塗布装置における制御手段は、基板の端部手前側で、ノズル手段の被塗布面に沿った相対移動を停止させるように移動手段を制御した後、ノズル手段を基板から引き離すようギャップ可変手段を制御することを特徴とする。
【0023】
さらに、好ましくは、本発明の塗布装置における制御手段は、基板の端部手前側で、ノズル手段の被塗布面に沿った相対移動を行ってノズル手段を基板から引き離すよう移動手段を制御することを特徴とする。
【0024】
さらに、好ましくは、本発明の塗布装置における制御手段は、基板の端部手前側で、ノズル手段被塗布面に近接させた後、ノズル手段を被塗布面に沿った相対移動を行い、その後ノズル手段を基板から引き離すように移動手段およびギャップ可変手段を制御することを特徴とする。
【0025】
さらに、好ましくは、本発明の塗布装置における制御手段は、基板の端部手前側で、ノズル手段を被塗布面に近接させた後、当該近接前の位置より基板に近い位置までノズル手段を被塗布面から離間させ、その後ノズル手段を基板から引き離すように移動手段およびギャップ可変手段を制御することを特徴とする。
【0026】
粘度が小さいなど塗布液の特性によっては、塗布後に時間と共に塗布液が垂れ下がって基板の下端部で厚膜を形成してしまうことがあるが、この構成により、制御手段で制御されて塗布された基板を減圧乾燥などの乾燥処理を行うので、塗布液の乾きが早く塗布液が時間と共に垂れ下がることはなくなり、基板の下端部の厚膜化を防止することが可能となる。また、塗布後に時間と共に塗布液が垂れ下がっても、塗布後に基板端縁洗浄処理を行えば、基板の非有効範囲内の端縁部で厚膜化した塗布液を取り除くことが可能となる。
【0027】
また、本発明を、塗布液を基板の被塗布面に沿って塗布する塗布装置において、塗布液を前記被塗布面に塗布可能なノズル手段と、前記被塗布面に塗布した塗布液を吸引する吸引手段と、前記ノズル手段と基板とを前記被塗布面に沿って相対移動させる移動手段と、前記ノズル手段と基板の被塗布面とを接近または離間するように移動させるギャップ可変手段と、前記基板の端部手前側で前記ノズル手段を前記基板の被塗布面の所定位置に近接させるように前記ギャップ可変手段を制御すると共に、この近接動作に同期して前記吸引手段を駆動した後に、前記基板から前記ノズル手段を引き離すように前記移動手段およびギャップ可変手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする塗布装置と規定することができる。
【0028】
さらに、本発明を、塗布液を基板の被塗布面に沿って塗布する塗布装置において、塗布液を前記被塗布面に塗布可能なノズル手段と、前記被塗布面に塗布した塗布液を吸引する吸引手段と、前記ノズル手段を前記被塗布面に沿って相対移動させる移動手段と、前記ノズル手段と基板の被塗布面とを接近または離間するように移動させるギャップ可変手段と、前記基板の端部手前側で前記ノズル手段を前記基板の被塗布面の所定位置に近接させるように前記ギャップ可変手段を制御すると共に、この近接動作に同期して前記吸引手段を駆動した後に、前記基板から前記ノズル手段を引き離すように前記移動手段およびギャップ可変手段を制御する制御手段と、前記制御手段で制御されて塗布された基板を乾燥する乾燥処理および、前記制御手段で制御されて塗布された基板の端縁部を洗浄する基板端縁洗浄処理のうち少なくとも何れかの処理を行う基板処理手段とを有することを特徴とする塗布装置と規定することもできる。
【0029】
加えて、本発明を、塗布液を供給可能なノズル手段を基板の被塗布面に沿って相対移動させつつ、前記ノズル手段によって塗布液を該ノズル手段と被塗布面とのギャップに供給して塗布する塗布方法において、前記ノズル手段の前端面と基板の被塗布面とのギャップに塗布液を保持して前記ノズル手段を前記基板の被塗布面に沿って移動させる工程と、基板の端部手前側で前記ノズル手段の塗布液供給を止め、さらに、前記ノズル手段を前記基板の被塗布面の所定位置に近接させると共にこの近接動作に同期して前記ノズル手段により余剰液を吸引する工程と、この吸引動作または塗布液供給停止動作の状態で前記基板から前記ノズル手段を引き離す工程とよりなることを特徴とする塗布方法と規定することもできる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る塗布装置の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0031】
図1は本発明の一実施形態における塗布装置の概略構成を示す斜視図である。
【0032】
図1において、壁状に構成されて立設された架台1の表面側中央部に、ガラス基板などの基板2の被塗布面を外側に向けた状態で基板2を吸着して保持する吸着ステージ3が配設されている。この吸着ステージ3は、用いるサイズの基板2毎の外周部に対応した適所に、吸引可能な吸着部材としての吸盤(図示せず)が出退自在に為されている細長い凹部3aが複数配設されており、基板2への吸盤(図示せず)による吸着後に吸盤(図示せず)を凹部3a内の所定位置に引き込んで収納することで基板2を保持するようになっている。また、この吸着ステージ3による基板2の立設保持状態は、鉛直(垂直)方向であってもよく、また傾斜した姿勢であってもよく、例えば基板2が吸着ステージ3の上側に位置するように若干傾いた状態でもよい。さらに、吸着部材としての吸盤(図示せず)が基板2の中央部を保持しないのは、基板2の中央部は重要な回路などが配置される部分であり、吸盤(図示せず)による真空吸引と解除によって温度が下がったり上がったりすることで塗布むらとなるのを防止するためである。したがって、吸盤(図示せず)の形状も基板2の外周部だけを吸引すべく、細長い凹部3aと同様の細長い吸盤形状となっている。なお、ここでは、吸着ステージ3による基板2の保持は、吸盤(図示せず)による吸着の場合を示したが、基板2の上下左右を爪状の部材でひっかけて保持するような構成であってもよいことは言うまでもないことである。
【0033】
また、この架台1の表面側および裏面側の幅方向両端部の上下位置の4角部にそれぞれ4個の各アイドルギヤ4が2組回転自在に各軸受部5でそれぞれ軸支されて配設されている。これらの上部に位置する左右2組の各アイドルギヤ4にそれぞれ架けられた左右の各スチールベルト6の一方端にはそれぞれ、ベース部材7の両端上部がそれぞれ連結されており、また、左右の各スチールベルト6の他方端にはそれぞれ、バランスウェイト8の両端上部がそれぞれ連結されている。また、下部に位置する左右2組の各アイドルギヤ4にそれぞれ架けられた左右の各スチールベルト6の一方端にはそれぞれ、ベース部材7の両端下部がそれぞれ連結されており、また、その左右の各スチールベルト6の他方端にはそれぞれ、バランスウェイト8の両端下部がそれぞれ連結されて、ベース部材7が架台1の表面側で、バランスウェイト8が架台1の裏面側でそれぞれ水平に保持されかつ上下に移動可能な状態で、各スチールベルト6が、架台1の幅方向両端部の上下方向にそれぞれ左右2組の各アイドルギヤ4をそれぞれ介して巻回されている。このベース部材7上の中央部には、基板2の幅寸法のノズル口9を有し、そのノズル口9から塗布液を吐出可能なノズルユニット10が配設されている。これらのベース部材7およびノズルユニット10とバランスウェイト8とがそれぞれバランスが取れた静止状態で架台1の表と裏の幅方向両端部間に水平にそれぞれ保持されるようになっている。
【0034】
また、架台1の表面側の両端部にはそれぞれ各上下方向に縦型の各リニアモータ11の固定子12が配設されており、これら左右の各リニアモータ11はその駆動によって、ノズルユニット10を載置したベース部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に直線移動させる構成となっている。この移動手段としてのリニアモータ11は、各上下方向に配設された各スチールベルト6にそれぞれ沿ってベース部材7の両端部および各スチールベルト6の内側にそれぞれ配設されており、図2に示すように、幅方向両端部の各レール部13間にベース部14を有する固定子12と、ベース部材7の両端部裏側の各側壁にそれぞれ各固定子12とそれぞれ対向して配設され、各固定子12の上をスライド自在なスライダ部材15とを有している。このスライダ部材15は、その幅方向両側に各レール部13とそれぞれ嵌合して上下方向に案内される各リニアガイド部16と、各リニアガイド部16の間に配設されると共に、固定子12のベース部14に対向し、図示しない巻線による励磁によって磁力を発生させる磁気回路部17と、この磁気回路部17の巻線(図示せず)の両端に接続されたコネクタ18とを有しており、この磁気回路部17の励磁による磁力で、スライダ部材15は固定子12の各レール部13に各リニアガイド部16で案内されて上下に移動自在である。このスライダ部材15が、ノズルユニット10を載置したベース部材7の両端部裏側にそれぞれ固着されており、これらの各スライダ部材15の移動によってベース部材7が上下に移動自在になっている。
【0035】
ここでは、ノズルユニット10を載置したベース部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に移動させるように構成したが、ノズルユニット10と基板2とが被塗布面に沿って相対的に移動するように構成すればよく、ノズルユニット10を固定して基板2を吸着ステージ3と共に上下にリニアモータやボールねじなどの移動手段で移動するように構成することもできる。このように、吸着ステージ3を上下に移動させる方がノズルユニット10を移動させるよりも振動が少なく、その振動による塗布むら防止などの観点から吸着ステージ3を移動させる方がよいのであるが、吸着ステージ3を上下に移動させると、装置の高さが倍必要となり、クリーンルームの天井高さには制限があるので、非現実的なものとなってしまう。なお、44は配線や薬液供給チューブなどを収容したケーブルベアである。
【0036】
さらに、ノズルユニット10は、図3に示すように、基板2の被塗布面2aに対向して開口した水平方向の細長いノズル口9から塗布液を吐出可能なノズル手段としてのノズル部材19と、このノズル部材19のノズル口9を基板2の被塗布面への対向位置Mと点線で示す洗浄用の下方位置Nとの間で、ノズル部材19をその長手方向を回動軸として回動させるノズル部材回動機構部20と、ノズル部材19のノズル口9と基板2の被塗布面との水平方向の隙間(ギャップ)を可変させるべく、ノズル部材19を基板2に対して接近または離間自在に駆動するギャップ可変機構部21とを備えている。このノズルユニット10は、塗布処理される基板2のサイズに合った幅寸法のノズル部材19と付け変え可能に構成されている。
【0037】
このノズル部材19内には、図4に示すように、気層なく塗布液22を溜める液溜り部61が配設されており、この液溜り部61は、両端が閉塞され基板2の幅方向に延在する水平方向に細長い筒状に構成されている。また、基板2の被塗布面2aと対向する前面壁部25に液溜り部61内から外部に斜め上向きに貫通した塗布液流出路としてスリット26が基板2の幅方向に形成されている。このスリット26は、液溜り部61とノズル口9との間で直線状に図中左上向きに傾斜した状態で連結しており、スリット26の下方端が液溜り部61内に開口し、その上方端が水平方向に細長いノズル口9となっている。また、基板2の被塗布面2aと対向する前面壁部25の前端面27は、塗布液の液溜りが形成可能なように、基板2の被塗布面2aに非接触でかつ所定の隙間28で近接するように配置される。
【0038】
また、ノズル部材19は、その前端面27の上端27bが、基板2の被塗布面2aと前端面27との間の隙間28を塗布時における距離に保って上方へ無限に延長させたと仮定した場合にスリット26を通って隙間28内に流入した塗布液が少なくとも毛細管現象などによって上昇することができる到達高さ位置とスリット26の流出口であるノズル口9との間に位置するようになっている。
【0039】
この液溜り部61の中央部下方位置には供給チューブ24の一端が連結され、供給チューブ24の他端は供給チューブ24a,24bに分岐しており、一方の供給チューブ24aの先端は、バルブ45を介して、塗布液22を貯留する外部塗布液槽23の底部と連結されている。このバルブ45は外部塗布液槽23から液溜り部61への塗布液22の供給を制御可能である。また、この分岐した他方の供給チューブ24bの先端は、バルブ46を介してポンプ47に連結している。これらの供給チューブ24,24a,24b、バルブ45,46およびポンプ47で加圧または吸引手段51が構成されており、この加圧または吸引手段51は、塗布開始時のディスペンス時に一定時間のみ、ポンプ47にてバルブ46を介して液溜り部61内の圧力を一旦高めることでスリット26内の塗布液上昇圧を加圧してノズル口9から少量の塗布液を供給し、塗布終了時には、基板2の被塗布面2aに塗布された塗布液を吸引するようになっている。また、外部塗布液槽23内の液面は、ノズル部材19の前端面27の下端27aよりも下方で且つスリット26の下方端よりも上方の位置になるように塗布液が供給されている。また、外部塗布液槽23は外部開放口23aにより大気開放されており、内部は大気圧となっている。
【0040】
一方、図3のノズル部材回動機構部20は、図示しない電磁弁で制御されて、ロッド先端部31を伸長位置と収縮位置との間を移動させるエアーシリンダ32が、矢印方向Cにシリンダ前方部のピン32aを回動中心として回動可能に軸支されている。このロッド先端部31は、アーム部材33の一方端部と回動可能にピン連結されてリンク機構を構成しており、アーム部材33の他方端部は駆動軸34にその長手方向に直交する方向から回動力を伝達可能に固定されている。この駆動軸34は、所定幅で水平方向に延びたベース部材35を下方から支持する支持部材35aを横方向に貫通して固定されている。このベース部材35の前方端縁上側にはノズル部材19がそのノズル口9を基板2の被塗布面2a側に向けた状態で、ノズル部材19の長手方向と駆動軸34の軸方向が一致する方向になるように取り付けられている。図3は、エアーシリンダ32のロッド先端部31が伸長した場合であり、このとき、ノズル部材19のノズル口9は基板2の被塗布面2aに対向して塗布可能な状態である。これに対して、エアーシリンダ32のロッド先端部31が短縮した場合には、ノズル部材19のノズル口9は、2点鎖線で示すように下方を向いて洗浄可能な状態となる。このロッド短縮の途中で、ピン32aを回動中心としてエアーシリンダ32が矢印方向Cに揺動しつつロッド先端部31が短縮されることになる。
【0041】
また、ギャップ可変機構部21は、ステッピングモータやサーボモータなどの接離モータ36と、前後の軸受部37,38で軸支され、この接離モータ36の回転軸に連結部39を介して連結されたボールねじ40と、このボールねじ40に螺合した移動部材41と、移動部材41の上端が下面で固着されていると共にノズル部材回動機構部20を支持して基板2の被塗布面2aに対してノズル部材19の前端面27が接近または離間するようにスライド自在なスライド部材42とを備えており、接離モータ36によるボールねじ40の回転で、移動部材41が、ノズル部材19およびノズル部材回動機構部20を載置した状態で前後に移動自在に構成されている。
【0042】
ここでは、ギャップ可変機構部21は中央部1個所として、基板2の厚さのばらつき範囲内でギャップ寸法を調整するようにしているが、さらに、基板2の厚さのばらつきだけではなく、基板2の幅方向にテーパがあって左右両端部での厚さ寸法に差があるような場合には、ギャップ可変機構部21をベース部材7の左右2個所配設することで左右独立にギャップ寸法を調整することができ、ノズルユニット10の左右に長いノズル部材19を、基板2の幅両端部で厚さが異なることによる幅方向テーパに合わせて平行に、左右位置で等ギャップ寸法として傾け得るように構成することもできる。
【0043】
図5は、図1の塗布装置の概略制御構成を示すブロック図である。
【0044】
図5において、操作部52としては、数字を入力するテンキー、電源のオン・オフを入力する電源キー、塗布スタートキー、リニアモータ11の駆動速度の基準値を任意に手動で設定する速度設定キーおよび、接離モータ36を駆動させて基板2の被塗布面2aとノズル口9との隙間28または隙間30を調整する隙間設定キー、基板サイズ、基板厚さ、塗布液粘度および塗布膜厚などを設定する各種設定キーなどで構成されている。また、この操作部52が接続される制御部53は記録媒体であるROM54およびRAM55に接続されており、ROM54内に登録された各制御プログラムで用いる制御データを、操作部52から制御部53を介してRAM55内に書き込み可能である。
【0045】
また、これらの操作部52、ROM54およびRAM55が接続される制御部53は、リニアモータ駆動回路56を介してリニアモータ11に接続されており、ROM54内に登録されたリニアモータ駆動制御プログラムと、操作部52から入力され、リニアモータ駆動制御プログラムに対応した制御データに基づいて、その制御信号をリニアモータ駆動回路56に出力し、リニアモータ駆動回路56がリニアモータ11を駆動してベース部材7上のノズルユニット10を基板2の被塗布面2aに対する所定上下位置に移動させるようになっている。この場合の制御データは、基板2の保持位置が精密な場合には、登録された原点データであり、また、マニュアル的に操作部52から所定の高さ位置が入力されたデータであってもよい。さらに、塗布液22の塗始め位置に原点センサ(図示せず)を設けて、その原点センサ(図示せず)がベース部材7を検知する所定の塗始め位置で、制御部53がベース部材7を停止するようにリニアモータ駆動回路56を介してリニアモータ11を駆動制御してもよい。
【0046】
また、制御部53は、ROM54内に登録されたリニアモータ駆動制御プログラムと、基板サイズ、塗布液粘度および塗布膜厚などの各種設定キーからの入力や、操作部52の塗布スタートキーの入力によって、リニアモータ駆動制御プログラムに対応した制御データに基づ、リニアモータ駆動回路56を介してリニアモータ11を駆動し所定速度でノズル部材19を走行させつつ塗布可能に制御するようになっている。さらに、制御部53は、ROM54内に登録された塗布終了時のリニアモータ駆動制御プログラムと、そのリニアモータ駆動制御プログラムに対応した制御データに基づいて、リニアモータ駆動回路56を介してリニアモータ11の駆動を基板2の下端部手前側の非有効範囲内で停止するようになっている。なお、ここでいう非有効範囲とは基板の周縁部であって、LCD,PDP等の表示素子が形成されない部分を指す。この制御データとしては、基板サイズなどの入力によって演算された停止位置データであってもよいし、基板サイズに応じて設定され登録された停止位置データであってもよいし、さらには、操作部52から入力された停止位置データであってもよい。また、塗布液22の塗終り位置に終了位置センサ(図示せず)を設けて、その終了位置センサ(図示せず)がベース部材7などを検知する所定の塗終り位置で、制御部53がベース部材7の移動を停止するようにリニアモータ駆動回路56を介してリニアモータ11の駆動を停止制御するようにしてもよい。
【0047】
さらに、これらの操作部52、ROM54およびRAM55が接続される制御部53は、接離モータ駆動回路57を介して接離モータ36に接続されており、ROM54内に登録された接離モータ駆動制御プログラムと、操作部52から入力され、接離モータ駆動制御プログラムに対応した制御データに基づいて、制御部53は、その制御信号を接離モータ駆動回路57に出力し、接離モータ駆動回路57が接離モータ36を駆動してベース部材7上のノズルユニット10を基板2の被塗布面2aに対して接近または離間させて任意のギャップ位置に移動自在である。この場合の制御データは、塗布液22の粘度や必要塗布膜厚、塗布速度などの各種塗布条件に応じて設定され登録されたギャップデータ(所定ギャップ位置データ)であってもよく、また、これらの各種条件に応じた実験データを参照してマニュアル的に操作部52から入力されたギャップデータであってもよい。また、制御部53は、ROM54内に登録された接離モータ駆動制御プログラムに基づいて、その制御信号を接離モータ駆動回路57に出力して接離モータ36を駆動し、塗布終了時のリニアモータ11の停止動作後に、基板2の被塗布面2aに対してノズル部材19を、塗布時の所定ギャップ寸法よりも近接する近接ギャップ位置に最接近させるようになっている。この近接ギャップ位置のギャップ寸法とは、基板2の被塗布面2aとノズル部材19の前端面27とのギャップ寸法ができるだけ接近可能な寸法であり、例えば0.1mm程度である。
【0048】
さらに、制御部53は、ROM54内に登録されたリニアモータ駆動制御プログラムと接離モータ駆動制御プログラムに基づいて、その各制御信号をリニアモータ駆動回路56と接離モータ駆動回路57にそれぞれ出力してリニアモータ11と接離モータ36をそれぞれ同時に駆動し、塗布終了時の接離モータ36による近接動作後に、基板2の被塗布面2aに対してノズル部材19を斜め下方に離間して引き離すようになっている。
【0049】
さらに、制御部53は、加圧または吸引手段51としてのバルブ45,46およびポンプ47に接続されており、ROM54内に登録された制御プログラムに基づいて、その制御信号をバルブ45,46およびポンプ47に出力し、通常塗布時には、バルブ45を開状態でバルブ46を閉状態として、外部塗布液槽23の底部と液溜り部61とを連通状態とし、また、塗布開始時のディスペンス時に一定時間のみ、バルブ45を閉状態でバルブ46を開状態とした後に上記通常状態に戻して、ポンプ47にてバルブ46を介して液溜り部61内の圧力を一旦高めることでスリット26内の塗布液上昇圧を加圧してノズル口9から少量の塗布液を供給するようになっている。このディスペンス時の少量の塗布液量とは、基板2の被塗布面2aとノズル部材19の前端面27とのギャップ間の容量よりも若干少量の塗布液量である。
【0050】
また、制御部53は、ROM54内に登録された制御プログラムに基づいて、その制御信号をバルブ45,46およびポンプ47に出力し、ノズル口9から塗布液が流出しないように、塗布終了時のリニアモータ11の停止動作に同期してバルブ45,46を共に閉状態とし、また、基板2へのノズル部材19の近接動作に同期してバルブ45を閉状態でバルブ46を開状態として、ポンプ47により基板2へのノズル部材19の近接動作分のギャップ容積の塗布液量を吸引制御するようになっている。つまり、ポンプ47で液溜り部61内の圧力を低くする時点は、制御部53が接離モータ駆動回路57を介して接離モータ36を駆動し、ベース部材7上のノズルユニット10におけるノズル部材19を基板2の被塗布面2aに対して、塗布時の所定ギャップ寸法よりも近接するように移動させる時点であり、移動させつつ、近接ギャップ内から溢れ出る塗布液をノズル口9を介して吸引するようになっている。この場合の制御データは、塗布液22の粘度などの各種塗布条件に応じて設定され登録されたギャップデータ(所定近接ギャップ位置データ)であってもよく、また、これらの各種塗布条件に応じた実験データを参照してマニュアル的に操作部52から入力された近接ギャップデータであってもよい。
【0051】
上記構成により、以下、その動作を説明する。
【0052】
まず、所定の塗布液を塗布処理する基板2を搬送ロボット(図示せず)などによって搬送後に、基板2の外周部を吸着ステージ3(図1)の複数の吸盤に対応させた状態で所定の位置に位置決めして、基板2の被塗布面を外側に向けた状態で基板2を各吸盤で吸着する。さらに、各吸盤を吸着ステージ3の凹部3a内の所定位置に引き込んで収納することで基板2を保持する。
【0053】
次に、外部塗布液槽23に所定量の塗布液22を、図1のベース部材7上に載置されたポンプ43にて供給する。この外部塗布液槽23への塗布液22の供給は、ノズルユニット10の停止中に行う方がよい。これは、塗布中に外部塗布液槽23に塗布液22の供給を行えば、外部塗布液槽23内の塗布液22の液面が揺れて、その高さが変化する液面に応じた波動がノズル口9を介して伝播して塗布むらとなる虞があるためである。
【0054】
さらに、制御部53は、ノズル部材19を基板2の被塗布面2aに対する原点位置へ向けてノズルユニット10における上方向または下方向に移動させるべく、ベース部材7をリニアモータ11によって移動させる。このとき、制御部53は、ROM54内に登録されたリニアモータ駆動制御プログラムとその制御データに基づいて、その制御信号をリニアモータ駆動回路56に出力する。これによって、リニアモータ駆動回路56がリニアモータ11を駆動してベース部材7上のノズルユニット10におけるノズル部材19を、基板2の被塗布面2aに対する所定の塗始め位置に原点復帰させることができる。
【0055】
さらに、基板2の被塗布面2aとノズル部材19の前端面27の塗布時の所定ギャップ位置に移動するべく、接離モータ36の駆動によるボールねじ40(図3)および移動部材41によりノズル部材19を基板2の被塗布面2aに対して接近または離間するように移動させる。このとき、制御部53は、ROM54内に登録された接離モータ駆動制御プログラムとその制御データに基づいて、その出力制御信号を接離モータ駆動回路57に出力し、接離モータ駆動回路57が接離モータ36を駆動してベース部材7上のノズル部材19を、基板2の被塗布面2aに対する塗布用の所定ギャップ位置に移動させる。
【0056】
このようにして、ノズル部材19を塗布用の所定ギャップ位置に移動させた後に、一定時間のみバルブ45を閉状態でバルブ46を開状態として、ポンプ47にて液溜り部61内の圧力を高めることでスリット26内の塗布液の流出圧力を高めてノズル口9から少量(ギャップ容積以下の塗布液量)の塗布液を供給する。これによって、基板2の被塗布面2aとノズル部材19の前端面27との間のギャップ間に、塗布液22がスリット26を介して汲み上げられて液溜りが形成されることになる。さらに、バルブ45を開状態でバルブ46を閉状態として、ポンプ47による加圧を解除して大気圧の外部塗布液槽23と液溜り部61を連通させる。
【0057】
さらに、基板2の被塗布面2aに所定の塗布膜厚で塗布するべく、操作部52の塗布スタートキーを操作すると、ROM54内に登録されたリニアモータ駆動制御プログラムと所定の塗布膜厚に応じた制御データとに基づいて、制御部53は、その出力制御信号をリニアモータ駆動回路56に出力し、リニアモータ駆動回路56がリニアモータ11を駆動してベース部材7を図4に示すようにノズル部材19と共に基板2の被塗布面2aに沿って下方向に移動させてノズル走行を行いつつ基板2の被塗布面2aに対して塗布液を塗布する。
【0058】
さらに、図6(a)に示すように基板2の下端部手前側の非有効部内でノズル部材19を停止させるべく、ROM54内に登録された塗布終了時のリニアモータ駆動制御プログラムとその制御データとに基づいて、制御部53は、その出力制御信号をリニアモータ駆動回路56に出力し、リニアモータ駆動回路56がリニアモータ11の駆動を停止してベース部材7を基板サイズに応じた塗布終了位置で停止させる。このとき、制御部53は、バルブ45,46を共に閉状態としてノズル部材19のノズル口9から塗布液が慣性によって吐出されてギャップ内から溢れ出さないように制御する。このバルブ45,46を共に閉状態とするタイミングは、リニアモータ11の停止動作と同時に行ってもよい。また、そのタイミングは、実験的に停止位置の手前側でバルブ45,46を共に閉状態としてもよい。この場合には、基板2の非有効部内でバルブ45,46を共に閉状態とすることが望ましい。
【0059】
さらに、図6(b)に示すように基板2の被塗布面2aとノズル部材19のノズル口9との所定の近接ギャップ位置に移動するべく、接離モータ36の駆動によるボールねじ40および移動部材41によりノズル部材19の前端面27を、基板2の被塗布面2aに対して最接近するように移動させる。このとき、ROM54内に登録された接離モータ駆動制御プログラムとその制御データに基づいて、制御部53が、その出力制御信号を接離モータ駆動回路57に出力し、接離モータ駆動回路57が接離モータ36を駆動してベース部材7上のノズル部材19を基板2の被塗布面2aに対する所定の近接ギャップ位置に移動させる。そして、かかるノズル部材19の近接と同時に、このノズル部材19の近接制御で、基板2とノズル部材19とのギャップ内の塗布液が、狭くなるギャップ内から溢れ出さないように、制御部53は、ROM54内に登録された制御プログラムとその制御データに基づいて、その制御信号をバルブ45,46およびポンプ47に出力し、基板2へのノズル部材19の近接動作に同期してバルブ45を閉状態でバルブ46を開状態で、ポンプ47により基板2へのノズル部材19の近接動作分のギャップ容積の塗布液量を吸引(サックバック)制御して回収する。この吸引(サックバック)制御時に、次の塗布時に生じるであろう支障を回避ため、エアーをノズル口9から吸い込ないようにする必要がある。この状態が図6(b)に示す状態である。このように、ノズル部材19の基板2に対する最接近の状態でノズル部材19を停止させると共に基板2とノズル部材19の間に溜った余剰液を最小限の塗布液量とすることができる。したがって、この近接ギャップ量は、基板2に対してノズル部材19を最接近させたギャップ量であり、この近接ギャップ量が少ないほど余剰液を少なくすることができる。
【0060】
さらに、図6(c)に示すように、ノズル部材19を基板2の被塗布面2aに対して斜め下方Eに引き離すべく、制御部53は、ROM54内に登録されたリニアモータ駆動制御プログラムと接離モータ駆動制御プログラムに基づいて、その各制御信号をリニアモータ駆動回路56と接離モータ駆動回路57にそれぞれ出力してリニアモータ11と接離モータ36をそれぞれ同時に駆動させて、基板2の被塗布面2aに対してノズル部材19を斜め下方Eに離間させる。このとき、バルブ45,46は共に閉状態であるかまたは、エアーをノズル口9から吸いこまない程度に再度、バルブ45を閉状態でバルブ46を開状態としてポンプ47によって吸引(サックバック)制御を行いつつノズル部材19を基板2から斜め下方Eに引き離す。このように、基板2とノズル部材19とのギャップ内の塗布液を最大限に少なくしてからノズル部材19を基板2から引き離すため、図6(d)に示すように、ノズル部材19の前端面27の上端27bにおける上端上面27cに塗布液が付着して汚れることなく、かつ、基板2の有効範囲内はもちろんのこと、基板2における下端部の非有効範囲内においても塗布液の厚膜化は顕著に抑制防止されて、塗布を終了することができる。なお、このとき、バルブ45,46を共に閉状態としていても、塗布液の粘弾性によってスリット26内の塗布液が若干ギャップ部分に引き出されてしまうことがあり得るが、かかる塗布液はギャップ内に残存していた余剰液と共に消費される。
【0061】
なお、この後、粘度が小さいなど塗布液の特性によっては、塗布後に時間と共に垂れ下がるような場合があるが、このような場合には、垂れ下がった塗布液が基板の下端部で厚膜を形成してしまうので、このような場合には、塗布後の基板に対して減圧乾燥処理を実施してもよい。この減圧乾燥処理装置は、ステージ上に保持された基板を覆うように蓋をしてその内部を減圧(真空)状態にするように構成されており、これによって基板上の塗布液を早く乾燥させることができる。
【0062】
また、このような場合に、スピンナー塗布後に実施している端縁洗浄処理を行って、垂れ下がった塗布液が基板の下端部で厚膜化した部分の塗布液を取り去るようにしてもよい。また、上記減圧乾燥処理後にこの端縁洗浄処理を行ってもよい。この端縁洗浄処理装置は、基板の端縁に所定の洗浄液を供給して基板の端縁上に付着した不要な塗布膜を端縁部のみ取り除く処理を行うようになっている。
【0063】
以上のように、本実施形態によれば、基板下端部の厚膜化が防止されるため、現像時などに膜残りや、アライメントマークのパターニング不良、周囲への不均一化拡大作用などを防止することができる。また、基板下端の端面への塗布液の付着が防止されるため、パーティクルの発生などを防止することができる。
【0064】
また、余剰液を発生させないことから、従来のような塗布液の無駄な消費がなくなる。
【0065】
さらに、ノズル部材19の前端面27の上端27bにおける上端上面27cを塗布液で濡らして汚さないため、基板1枚に塗布する毎にノズル部材19のノズル前端部の洗浄をする必要がなく、洗浄液の削減や洗浄時間の省略などによる基板のスループットが向上することになる。
【0066】
さらには、従来の回転塗布方式のように基板2を水平に支持せず基板2を立設するために、その設置スペースの縮小を図ることができ、また、従来の回転塗布方式のように基板2を回転させた遠心力で塗布液を周りに振りきりつつ塗布するのではなく、立設した基板2に対して、基板2の被塗布面に沿ってノズル部材19をリニアモータ11で移動させつつ、毛管現象で供給された塗布液を基板2の被塗布面に塗布するため、塗布液の節約を図ることができる。
【0067】
なお、以上の実施形態で説明した塗り終わり時の基板下端部におけるノズル部材19と吸引手段51の駆動制御は、基板に対するノズル部材19の下降を停止させるようリニアモータ11を制御し、次にノズル部材19を基板に近接させるよう接離モータ36を制御すると同時に塗布液を吸引するよう吸引手段51を制御し、その後、ノズル部材19を斜め下方向に基板から引き離すようにリニアモータ11と接離モータ36を駆動するものであったが、かかる駆動制御は以下の形態を適宜組み合わせて採用し得る。なお、これらの制御は全て制御部53によりリニアモータ11と接離モータ36を駆動制御して実行される。
【0068】
(1)基板下端部における塗布液吸引時の基板に対するノズル部材の近接は、
(1−1)リニアモータ11によるノズル部材19の下降を停止させ、接離モータ36によりノズル部材19を基板に近接させる(上記実施形態)。
【0069】
(1−2)リニアモータ11によりノズル部材19を下降させつつ、接離モータ36によりノズル部材19を基板に近接させて斜め下向きに近接させる。この下降速度は、塗布時の速度と同じとするか、または塗布時と比べて変速、例えば減速した速度とする。
【0070】
(2)基板へのノズル部材近接後の引き離しは、
(2−1)リニアモータ11によりノズル部材19を下降させつつ、接離モータ36によりノズル部材19を基板から引き離して斜め下向きに引き離す(上記実施形態)。下降速度は、塗布時の速度と同じとするか、または塗布時と比べて変速、例えば減速した速度とする。
【0071】
(2−2)リニアモータ11によるノズル部材19の下降を停止させ、接離モータ36によりノズル部材19を基板から引き離す。
【0072】
(2−3)接離モータ36を駆動することなく、リニアモータ11によりノズル部材19の下降させることでノズル部材19を基板から引き離す。下降速度は、塗布時の速度と同じとするか、または塗布時と比べて変速、例えば減速した速度とする。
【0073】
(3)上記(1)によるノズル近接と上記(2)による引き離しの間において、 (3−1)接離モータ36を駆動することなく、リニアモータ11によりノズル部材19をわずかだけ下降させる。
【0074】
(3−2)リニアモータ11を駆動することなく、接離モータ36によりノズル部材19をわずかだけ引き離す。具体的には近接前のノズル位置と、近接したノズル位置との間の範囲まで引き離す。
【0075】
なお、(3)における2通りの動作はその2つを連続して行うことも可能である。
【0076】
具体的には例えば、上記(1−1)と(2−3)を組み合わせることで、リニアモータ11によるノズル部材19の下降を停止させ、接離モータ36によりノズル部材19を基板に近接させつつ吸引手段51で塗布液を吸引した後、接離モータ36を駆動することなく、リニアモータ11によりノズル部材19を下降させることでノズル部材19を基板から引き離すという動作を採用し得る。この場合、図6(e)および図6(f)に示すように、ノズル部材19基板に近接させ且つバルブ45,46を閉状態とした位置(図中破線で示す)からノズル部材19を下降させることで、ノズル部材19と基板との間のギャップに残存していた余剰塗布液を消費する。このとき、ノズル部材19と基板とのギャップに保持されている塗布液は塗布時よりも少なく、かつバルブ45,46を閉としているためギャップへの新たな塗布液の供給はなされないため、余剰塗布液は厚膜化してしまうことなく消費される。
【0077】
また例えば、上記(1−1)と(2−3)との組み合せに更に(3−2)を組み合わせることができる。この場合、リニアモータ11によりノズル部材19の下降を停止させ、接離モータ36によりノズル部材19を基板に近接させつつ吸引手段51で塗布液を吸引した後、接離モータ36を駆動してノズル部材19をわずかに引き離す。この引き離し位置は、具体的には近接前の位置と近接させた位置との間の範囲であって、且つノズル部材19と基板との間のギャップに保持されている塗布液が両者の間で切断されないで表面張力により保持し続けられる範囲の距離とする。そしてかかる若干の引き離し後に、リニアモータ11によりノズル部材19を下降させることでノズル部材19を基板から引き離という動作を採用得る。この場合は(3−2)の動作を組み合わせない場合と比べて、リニアモータ11による引き離し時において、ノズル部材19と基板とのギャップに保持されている塗布液の量は不変であるが、そのギャップがより広くなっているため余剰塗布液の消費時における厚膜化をより顕著に確実に防止でき、好ましい。
【0078】
また例えば、上記(1−2)と(2−1)とを組み合せることができる。この場合、リニアモータ11によりノズル部材19の下降を塗布時から停止させることなく継続させるが、その速度を塗布時と比べて例えば減速させながら接離モータ36によりノズル部材19を基板に近接させつつ吸引手段51で塗布液を吸引する。その後、さらにリニアモータ11によるノズル部材19の低速での下降を継続しながら接離モータ36を駆動してノズル部材19を基板から斜め下向きに引き離すという動作を採用し得る。比較的粘度の高い塗布液を吸引手段51で吸引するためにはある程度の時間をかけることが望ましく、そのためにはノズル部材19を基板に近接させながら吸引する際に、リニアモータ11によるノズル部材19の下降を停止させるか、あるいはこの例のように塗布時よりも減速させることが望ましい。
【0079】
また、上記(2−2)のようにリニアモータ11によるノズル部材19の下降を停止させるか、または上記(2−1)でリニアモータ11によるノズル部材19の下降速度を十分遅くした状態で、接離モータ36によりノズル部材19を基板から引き離す場合には、ノズル部材19の前端面27と基板との間で保持されていた塗布液は、切断されるまでは図6(g)に示されるように前端面27の中央部近傍と基板との間で薄くなってつながっており、さらにノズル部材19が基板から離れると図6(h)のように切断される。この場合、塗布液がノズル部材19の前端面27の上端27bよりも上方へ回り込むことが比較的少なくなり、ノズル部材19の汚染が少なくなる点で好ましい。
【0080】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、基板の下端部手前側でノズル手段を止めた後、ノズル手段を基板側に最接近させると共に、この最接近動作に同期して塗布液流出口から塗布液を吸引した後に、前記基板からノズル手段を斜め下方に引き離すため、塗終わりの厚膜化を防止することができると共に、余剰した塗布液の消費も抑えることができ、かつ、ノズル前端部を塗布液で濡らして汚すようなこともない。
【0081】
また、塗布された基板を乾燥処理を行えば、早く乾いて塗布液が時間と共に垂れ下がることはなく、基板の下端部の厚膜化を防止することができる。また、塗布された基板を基板端縁洗浄処理を行えば、塗布液が時間と共に垂れ下がったとしても、基板の端縁部で厚膜化した塗布液を取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における塗布装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1のリニアモータの概略構成を示す一部破断斜視図である。
【図3】図1のノズルユニットの概略構成図である。
【図4】図1の基板、ノズル部材および外部塗布液槽の概略断面構成を示す模式図である。
【図5】図1の塗布装置の概略制御構成を示すブロック図である。
【図6】(a)〜(h)はそれぞれ図4の基板およびノズル部材の概略断面構成に対する各塗布動作を示す模式図である。
【図7】本出願人による塗布装置の概略構成を示す正面図である。
【図8】図7の塗布装置におけるAA線の断面図である。
【図9】(a)は塗終わりの厚膜化を解決する従来例の塗布装置下端部における要部構成を示す断面図、(b)は(a)で基板の下端面側に塗布液が周り込んだ状態を示す基板下端部の断面図ある。
【図10】塗終わりの厚膜化を解決する他の従来例の塗布装置下端部における要部構成を示す断面図である。
【図11】(a)および(b)は塗終わりの厚膜化と余剰液を抑える従来例の塗布装置における要部構成の各動作状態を示す断面図である。
【図12】(a)は正常なメニスカスカーブを示す図11の要部構成の断面図、(b)は不正常なメニスカスカーブを示す図11の要部構成の断面図である。
【符号の説明】
2 基板
3 吸着ステージ
9 ノズル口
10 ノズルユニット
11 リニアモータ
19 ノズル部材
21 ギャップ可変機構部
22 塗布液
23 外部塗布液槽
26 スリット
27 前端面
36 接離モータ
40 ボールねじ
41 移動部材
45,46 バルブ
47 ポンプ
51 加圧または吸引手段
52 操作部
53 制御部
54 ROM
55 RAM
56 リニアモータ駆動回路
57 接離モータ駆動回路
61 液溜り部
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