JPH11196864A - 破骨細胞の分化を誘導する方法 - Google Patents
破骨細胞の分化を誘導する方法Info
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- JPH11196864A JPH11196864A JP10014788A JP1478898A JPH11196864A JP H11196864 A JPH11196864 A JP H11196864A JP 10014788 A JP10014788 A JP 10014788A JP 1478898 A JP1478898 A JP 1478898A JP H11196864 A JPH11196864 A JP H11196864A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡便に単球から破骨細胞を製造する方法、該
方法に用いるモノクローナル抗体、および単球から破骨
細胞への分化を誘導するリガンドのスクリーニング方法
を提供することを課題とする。 【解決手段】 FRP-1タンパク質の単球表面に露出され
た部位に結合するモノクローナル抗体の存在下で、単離
したヒト末梢血単球を培養することにより、該単球をイ
ンビトロで破骨細胞へ分化させることに成功した。さら
に、この破骨細胞への分化系を利用することにより、FR
P-1タンパク質に結合し単球から破骨細胞への分化を誘
導するリガンドを単離することが可能であることを見い
だした。
方法に用いるモノクローナル抗体、および単球から破骨
細胞への分化を誘導するリガンドのスクリーニング方法
を提供することを課題とする。 【解決手段】 FRP-1タンパク質の単球表面に露出され
た部位に結合するモノクローナル抗体の存在下で、単離
したヒト末梢血単球を培養することにより、該単球をイ
ンビトロで破骨細胞へ分化させることに成功した。さら
に、この破骨細胞への分化系を利用することにより、FR
P-1タンパク質に結合し単球から破骨細胞への分化を誘
導するリガンドを単離することが可能であることを見い
だした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単球の破骨細胞へ
の分化を誘導する方法、該方法に用いるモノクローナル
抗体、および単球の破骨細胞への分化を誘導するリガン
ドのスクリーニング方法に関する。
の分化を誘導する方法、該方法に用いるモノクローナル
抗体、および単球の破骨細胞への分化を誘導するリガン
ドのスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】破骨細胞は、骨吸収を担う多核巨細胞で
あり、その起源は造血系であることが知られている(Ud
agawa. N. et al. Proc. Natl. Acad. Sci.USA 87 : 72
60-7264.)。その分化および活性化の詳細なメカニズム
は未だ明らかでないが、破骨細胞は生理学的な骨代謝に
関与する最も重要な因子の一つであり、破骨細胞の異常
は骨粗鬆症と関係している。膜融合により、多核細胞形
成が引き起こされ、それが破骨細胞形成の第一段階であ
る。この膜融合は、生物学的現象において重要な過程で
あり(White, J. M. 1990. Annu. Rev Physiol. 52 : 6
75-697.、Burger,K.N., and A. Verkleij. J. Experien
tia 46 : 63l-644.)、受精、筋形成、エキソサイトー
シス、エンドサイトーシス、オルガネラ形成、および細
胞内オルガネラ間輸送などもまた、膜融合に関連してい
る。しかし、膜融合を調節するメカニズムに関しては未
だよく理解されていない。
あり、その起源は造血系であることが知られている(Ud
agawa. N. et al. Proc. Natl. Acad. Sci.USA 87 : 72
60-7264.)。その分化および活性化の詳細なメカニズム
は未だ明らかでないが、破骨細胞は生理学的な骨代謝に
関与する最も重要な因子の一つであり、破骨細胞の異常
は骨粗鬆症と関係している。膜融合により、多核細胞形
成が引き起こされ、それが破骨細胞形成の第一段階であ
る。この膜融合は、生物学的現象において重要な過程で
あり(White, J. M. 1990. Annu. Rev Physiol. 52 : 6
75-697.、Burger,K.N., and A. Verkleij. J. Experien
tia 46 : 63l-644.)、受精、筋形成、エキソサイトー
シス、エンドサイトーシス、オルガネラ形成、および細
胞内オルガネラ間輸送などもまた、膜融合に関連してい
る。しかし、膜融合を調節するメカニズムに関しては未
だよく理解されていない。
【0003】これまで破骨細胞への分化誘導に関して
は、間質細胞、および1a,25-ジヒドロキシビタミンD3ま
たは副甲状腺ホルモンのようなステロイドが単核のマク
ロファージ/単球系の細胞の融合による、多核破骨細胞
の形成に必要であることが報告されている(Takahashi,
N. et al. Endocrinol. 122 : 1373-1382.、Takahashi,
N. et al. 1988. Endocrinol. 123 : 1504-1510.、Quin
n. J. M. W. et al. 1991. The Endocrin Soc. 134 : 2
4l6-2423.)。また、数種のサイトカインが単球/マクロ
ファージの多核細胞形成を誘導することも報告されてい
る(Lacey D. L.et al. 1995. Endocrinol. 136 : 2367
-2376.、Mundy G. R J. 1993. Bone and Miner. Res.8
: S505-S510.)。しかしながら、これらの方法では、生
じた細胞が骨吸収を行うことが明確に示されていない。
また、これら方法では、ストローマ細胞の存在を必要と
しており、簡便な方法ではなかった。なお、インビトロ
で破骨細胞を分化誘導する方法については、これまでに
報告例はない。
は、間質細胞、および1a,25-ジヒドロキシビタミンD3ま
たは副甲状腺ホルモンのようなステロイドが単核のマク
ロファージ/単球系の細胞の融合による、多核破骨細胞
の形成に必要であることが報告されている(Takahashi,
N. et al. Endocrinol. 122 : 1373-1382.、Takahashi,
N. et al. 1988. Endocrinol. 123 : 1504-1510.、Quin
n. J. M. W. et al. 1991. The Endocrin Soc. 134 : 2
4l6-2423.)。また、数種のサイトカインが単球/マクロ
ファージの多核細胞形成を誘導することも報告されてい
る(Lacey D. L.et al. 1995. Endocrinol. 136 : 2367
-2376.、Mundy G. R J. 1993. Bone and Miner. Res.8
: S505-S510.)。しかしながら、これらの方法では、生
じた細胞が骨吸収を行うことが明確に示されていない。
また、これら方法では、ストローマ細胞の存在を必要と
しており、簡便な方法ではなかった。なお、インビトロ
で破骨細胞を分化誘導する方法については、これまでに
報告例はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡便に単球
から破骨細胞を製造する方法、該方法に用いるモノクロ
ーナル抗体、および単球から破骨細胞への分化を誘導す
るリガンドのスクリーニング方法を提供することを課題
とする。
から破骨細胞を製造する方法、該方法に用いるモノクロ
ーナル抗体、および単球から破骨細胞への分化を誘導す
るリガンドのスクリーニング方法を提供することを課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行い、単球表面のFRP-1タンパ
ク質に結合するモノクローナル抗体の存在下で、単離し
た単球を培養することにより、インビトロにて単球を破
骨細胞へ分化させることに初めて成功した。さらに、本
発明者等は、この破骨細胞への分化系を利用することに
より、FRP-1タンパク質に結合し単球から破骨細胞への
分化を誘導するリガンドを単離することが可能であるこ
とを見いだした。
を解決すべく鋭意研究を行い、単球表面のFRP-1タンパ
ク質に結合するモノクローナル抗体の存在下で、単離し
た単球を培養することにより、インビトロにて単球を破
骨細胞へ分化させることに初めて成功した。さらに、本
発明者等は、この破骨細胞への分化系を利用することに
より、FRP-1タンパク質に結合し単球から破骨細胞への
分化を誘導するリガンドを単離することが可能であるこ
とを見いだした。
【0006】即ち、本発明は、単球から破骨細胞への分
化を誘導する性質を有するモノクローナル抗体、該モノ
クローナル抗体を用いて簡便に単球から破骨細胞への分
化を誘導する方法、並びに単球から破骨細胞への分化誘
導を行うリガンドのスクリーニング方法に関し、より具
体的には、(1) FRP-1タンパク質の単球表面に露出
された部位に結合するモノクローナル抗体で単球を処理
する工程を含む、破骨細胞の製造方法、(2) 破骨細
胞がインビトロ培養細胞である、(1)に記載の製造方
法、(3) FRP-1タンパク質の単球表面に露出された
部位に結合するモノクローナル抗体で単球を処理して得
られる、破骨細胞のインビトロ培養細胞、(4) ヒト
由来である、(3)に記載のインビトロ培養細胞、
(5) FRP-1タンパク質の単球表面に露出された部位
に結合するモノクローナル抗体を有効成分として含む、
単球から破骨細胞への分化を誘導するための薬剤、
(6) 被検試料で単球を処理し、単球の破骨細胞への
分化を検出する工程を含む、FRP-1タンパク質に結合す
るリガンドのスクリーニング方法、(7) (6)に記
載の方法により単離しうる、FRP-1タンパク質に結合す
るリガンド、(8) 天然由来である、(7)に記載の
リガンド、に関する。
化を誘導する性質を有するモノクローナル抗体、該モノ
クローナル抗体を用いて簡便に単球から破骨細胞への分
化を誘導する方法、並びに単球から破骨細胞への分化誘
導を行うリガンドのスクリーニング方法に関し、より具
体的には、(1) FRP-1タンパク質の単球表面に露出
された部位に結合するモノクローナル抗体で単球を処理
する工程を含む、破骨細胞の製造方法、(2) 破骨細
胞がインビトロ培養細胞である、(1)に記載の製造方
法、(3) FRP-1タンパク質の単球表面に露出された
部位に結合するモノクローナル抗体で単球を処理して得
られる、破骨細胞のインビトロ培養細胞、(4) ヒト
由来である、(3)に記載のインビトロ培養細胞、
(5) FRP-1タンパク質の単球表面に露出された部位
に結合するモノクローナル抗体を有効成分として含む、
単球から破骨細胞への分化を誘導するための薬剤、
(6) 被検試料で単球を処理し、単球の破骨細胞への
分化を検出する工程を含む、FRP-1タンパク質に結合す
るリガンドのスクリーニング方法、(7) (6)に記
載の方法により単離しうる、FRP-1タンパク質に結合す
るリガンド、(8) 天然由来である、(7)に記載の
リガンド、に関する。
【0007】なお、本発明において「単球」とは、血液
中に存在する直径約10μmの運動性のアメーバ様貪食細
胞である、マクロファージ系細胞の前駆細胞を指す。ま
た、「破骨細胞」とは、骨吸収を行う能力を有する細胞
を指し、多核である、酒石酸耐性であるなどの特徴を有
する。さらに、「リガンド」とは、FRP-1タンパク質の
単球表面に露出された部位に結合して、該単球の破骨細
胞への分化を誘導する化合物を指し、天然物の他、人工
的に合成された化合物も含まれる。
中に存在する直径約10μmの運動性のアメーバ様貪食細
胞である、マクロファージ系細胞の前駆細胞を指す。ま
た、「破骨細胞」とは、骨吸収を行う能力を有する細胞
を指し、多核である、酒石酸耐性であるなどの特徴を有
する。さらに、「リガンド」とは、FRP-1タンパク質の
単球表面に露出された部位に結合して、該単球の破骨細
胞への分化を誘導する化合物を指し、天然物の他、人工
的に合成された化合物も含まれる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、FRP-1タンパク質に結
合するモノクローナル抗体を用いて単球から破骨細胞を
製造する方法に関する。本発明者等は、これまでにウイ
ルスにより誘導される細胞融合を調節するモノクローナ
ル抗体の取得に成功している(Ito. Y. et al. 1992.
J. Virol. 66 :.5999-6007.)。これらモノクローナル
抗体は、ヒト起源の細胞の表面に検出されるgp80および
gp135とともに免疫沈降した(Ito. Y. et al. 1992. J.
Virol. 66 :.5999-6007.)。これらの分子は、融合調節
タンパク質「FRP-1」および「FRP-2」と命名された。本
発明者等は、単球表面上に露出した「FRP-1」タンパク
質に結合するモノクローナル抗体の存在下で、単離した
単球を培養することにより、該モノクローナル抗体が、
単球を破骨細胞へ分化させる性質を有することを見いだ
した。従って、本発明の破骨細胞の製造方法は、「FRP-
1」タンパク質の単球表面に露出された部位に結合する
モノクローナル抗体で単球を処理する工程を含む。
合するモノクローナル抗体を用いて単球から破骨細胞を
製造する方法に関する。本発明者等は、これまでにウイ
ルスにより誘導される細胞融合を調節するモノクローナ
ル抗体の取得に成功している(Ito. Y. et al. 1992.
J. Virol. 66 :.5999-6007.)。これらモノクローナル
抗体は、ヒト起源の細胞の表面に検出されるgp80および
gp135とともに免疫沈降した(Ito. Y. et al. 1992. J.
Virol. 66 :.5999-6007.)。これらの分子は、融合調節
タンパク質「FRP-1」および「FRP-2」と命名された。本
発明者等は、単球表面上に露出した「FRP-1」タンパク
質に結合するモノクローナル抗体の存在下で、単離した
単球を培養することにより、該モノクローナル抗体が、
単球を破骨細胞へ分化させる性質を有することを見いだ
した。従って、本発明の破骨細胞の製造方法は、「FRP-
1」タンパク質の単球表面に露出された部位に結合する
モノクローナル抗体で単球を処理する工程を含む。
【0009】本発明の破骨細胞の製造方法に用いるモノ
クローナル抗体は、例えば、文献「Ito. Y. et al. 199
2. J. Virol. 66 :.5999-6007.」に記載の方法で調製
することが可能である。また、単球は、例えば、実施例
1に記載の方法により単離することが可能である。単球
の培養は、例えば、適量のFCSを含む培地(例えば、10
%FCSを含むRPMI1640)中で行うことができる。培養温
度は、36.5℃乃至37.5℃が好適である。単球を刺激する
ために用いるモノクローナル抗体の量は、通常、最終濃
度で5乃至10μg/mlである。
クローナル抗体は、例えば、文献「Ito. Y. et al. 199
2. J. Virol. 66 :.5999-6007.」に記載の方法で調製
することが可能である。また、単球は、例えば、実施例
1に記載の方法により単離することが可能である。単球
の培養は、例えば、適量のFCSを含む培地(例えば、10
%FCSを含むRPMI1640)中で行うことができる。培養温
度は、36.5℃乃至37.5℃が好適である。単球を刺激する
ために用いるモノクローナル抗体の量は、通常、最終濃
度で5乃至10μg/mlである。
【0010】本発明の製造方法によれば、単球を抗FRP-
1モノクローナル抗体の存在下でインビトロ培養開始
後、約24時間で破骨細胞へ分化させることができ、さら
に培養を継続することによりほとんどの単球を破骨細胞
へ分化させることも可能である。本発明の製造方法にお
いては、他の破骨細胞形成刺激、例えば、サイトカイ
ン、間質細胞、1a,25-ジヒドロキシビタミンD3、甲状腺
ホルモンなどのステロイドを用いることなく、破骨細胞
を製造することができる。
1モノクローナル抗体の存在下でインビトロ培養開始
後、約24時間で破骨細胞へ分化させることができ、さら
に培養を継続することによりほとんどの単球を破骨細胞
へ分化させることも可能である。本発明の製造方法にお
いては、他の破骨細胞形成刺激、例えば、サイトカイ
ン、間質細胞、1a,25-ジヒドロキシビタミンD3、甲状腺
ホルモンなどのステロイドを用いることなく、破骨細胞
を製造することができる。
【0011】本発明は、また、FRP-1タンパク質に結合
するモノクローナル抗体を有効成分として含む、単球か
ら破骨細胞への分化を誘導するための薬剤に関する。FR
P-1タンパク質に結合するモノクローナル抗体を用いれ
ば、上記のようにインビトロにおける破骨細胞の製造の
みならず、生体内の単球を破骨細胞へ分化させることも
可能であると考えられる。従って、FRP-1タンパク質に
結合するモノクローナル抗体は、インビトロで単球を破
骨細胞へ分化させるための試薬としての他、骨粗鬆症な
どの骨関連疾患の治療薬などとして利用することが可能
である。本発明における「単球から破骨細胞への分化を
誘導するための薬剤」には、インビトロで単球を破骨細
胞へ分化させるための試薬および骨関連疾患の治療薬が
含まれる。本発明におけるモノクローナル抗体を患者に
投与する場合には、直接投与することも可能であるが、
公知の製剤学的製造法により製剤化して投与することも
できる。例えば、薬理学的に許容される単体または媒体
(例えば、滅菌水、生理食塩水、植物油、安定剤など)
と適宜組み合わせて投与することができる。投与方法
は、例えば、静脈内注射、皮下注射などが挙げられる
が、これらに制限されない。投与量は、患者の体重や年
齢などにより変動するが、当業者であれば治療に有効な
投与量を適宜選択することができる。一般的には、患者
の体重当たり、0.01から1000mg/kgの範囲内である。一
方、本発明におけるモノクローナル抗体をインビトロで
単球を破骨細胞へ分化させるための試薬として用いる場
合には、保存のために必要に応じて、アジド、牛血清ア
ルブミン、グリセロールなどの成分が添加されていても
よい。
するモノクローナル抗体を有効成分として含む、単球か
ら破骨細胞への分化を誘導するための薬剤に関する。FR
P-1タンパク質に結合するモノクローナル抗体を用いれ
ば、上記のようにインビトロにおける破骨細胞の製造の
みならず、生体内の単球を破骨細胞へ分化させることも
可能であると考えられる。従って、FRP-1タンパク質に
結合するモノクローナル抗体は、インビトロで単球を破
骨細胞へ分化させるための試薬としての他、骨粗鬆症な
どの骨関連疾患の治療薬などとして利用することが可能
である。本発明における「単球から破骨細胞への分化を
誘導するための薬剤」には、インビトロで単球を破骨細
胞へ分化させるための試薬および骨関連疾患の治療薬が
含まれる。本発明におけるモノクローナル抗体を患者に
投与する場合には、直接投与することも可能であるが、
公知の製剤学的製造法により製剤化して投与することも
できる。例えば、薬理学的に許容される単体または媒体
(例えば、滅菌水、生理食塩水、植物油、安定剤など)
と適宜組み合わせて投与することができる。投与方法
は、例えば、静脈内注射、皮下注射などが挙げられる
が、これらに制限されない。投与量は、患者の体重や年
齢などにより変動するが、当業者であれば治療に有効な
投与量を適宜選択することができる。一般的には、患者
の体重当たり、0.01から1000mg/kgの範囲内である。一
方、本発明におけるモノクローナル抗体をインビトロで
単球を破骨細胞へ分化させるための試薬として用いる場
合には、保存のために必要に応じて、アジド、牛血清ア
ルブミン、グリセロールなどの成分が添加されていても
よい。
【0012】本発明は、また、FRP-1タンパク質に結合
するリガンドのスクリーニング方法に関する。上記の破
骨細胞の製造方法において、単球上のFRP-1タンパク質
へのモノクローナル抗体の結合が単球の破骨細胞への分
化を誘導した。この事実はFRP-1タンパク質とFRP-1タン
パク質に対するリガンドとの相互作用により単球の破骨
細胞分化が誘導されることを示す。このため、単球の破
骨細胞への分化を誘導する能力を指標として、単球表面
上のFRP-1タンパク質に結合するリガンドのスクリーニ
ングを行うことが可能である。従って、本発明のスクリ
ーニング方法は、被検試料で単球を処理し、単球の破骨
細胞への分化を検出する工程を含む。
するリガンドのスクリーニング方法に関する。上記の破
骨細胞の製造方法において、単球上のFRP-1タンパク質
へのモノクローナル抗体の結合が単球の破骨細胞への分
化を誘導した。この事実はFRP-1タンパク質とFRP-1タン
パク質に対するリガンドとの相互作用により単球の破骨
細胞分化が誘導されることを示す。このため、単球の破
骨細胞への分化を誘導する能力を指標として、単球表面
上のFRP-1タンパク質に結合するリガンドのスクリーニ
ングを行うことが可能である。従って、本発明のスクリ
ーニング方法は、被検試料で単球を処理し、単球の破骨
細胞への分化を検出する工程を含む。
【0013】本発明のスクリーニング方法に用いる被検
試料としては、特に制限はないが、例えば、タンパク質
(抗体を含む)、ペプチド、遺伝子(cDNAライブラリー
も含む)の発現産物、非ペプチド性化合物、組織または
細胞の抽出液、合成化合物などが用いられる。単球の破
骨細胞への分化は、被検試料で処理した単球を培養し、
一定時間(好ましくは24時間以上)培養後、例えば、後
述の実施例に記載のTRAP染色、カルシトニンレセプター
の検出、骨吸収能の検出によって検出することが可能で
ある。これにより単離されたリガンドは、骨粗鬆症など
の骨関連疾患の治療に有用である。リガンドを治療薬と
して患者に投与する場合には、直接投与することも可能
であるが、公知の製剤学的製造法により製剤化して投与
することもできる。例えば、薬理学的に許容される単体
または媒体(例えば、滅菌水、生理食塩水、植物油、安
定剤など)と適宜組み合わせて投与することができる。
投与方法は、例えば、静脈内注射、皮下注射などが挙げ
られるが、これらに制限されない。投与量は、患者の体
重や年齢などにより変動するが、当業者であれば治療に
有効な投与量を適宜選択することができる。一般的に
は、患者の体重当たり、0.01から1000mg/kgの範囲内で
ある。
試料としては、特に制限はないが、例えば、タンパク質
(抗体を含む)、ペプチド、遺伝子(cDNAライブラリー
も含む)の発現産物、非ペプチド性化合物、組織または
細胞の抽出液、合成化合物などが用いられる。単球の破
骨細胞への分化は、被検試料で処理した単球を培養し、
一定時間(好ましくは24時間以上)培養後、例えば、後
述の実施例に記載のTRAP染色、カルシトニンレセプター
の検出、骨吸収能の検出によって検出することが可能で
ある。これにより単離されたリガンドは、骨粗鬆症など
の骨関連疾患の治療に有用である。リガンドを治療薬と
して患者に投与する場合には、直接投与することも可能
であるが、公知の製剤学的製造法により製剤化して投与
することもできる。例えば、薬理学的に許容される単体
または媒体(例えば、滅菌水、生理食塩水、植物油、安
定剤など)と適宜組み合わせて投与することができる。
投与方法は、例えば、静脈内注射、皮下注射などが挙げ
られるが、これらに制限されない。投与量は、患者の体
重や年齢などにより変動するが、当業者であれば治療に
有効な投与量を適宜選択することができる。一般的に
は、患者の体重当たり、0.01から1000mg/kgの範囲内で
ある。
【0014】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではな
い。
するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではな
い。
【0015】
【実施例】[実施例1] PBMCおよび単球の単離 PBMC(末梢血単核細胞)は、健常なヒトボランティアの
ヘパリン処理済全血から、フィコール・ハイパック密度
勾配遠心分離により、単離した。具体的な分離の条件
は、HISTOPAQUE-1077(SIGMA社製)に添付の使用説明書
の記載に従った。界面のPBMCを回収し、10%FCSを含むR
PMI1640(GIBCO BRL社製)中に懸濁させた。組織培養皿
に付着させることにより、PBMCから付着性単球が得られ
た。得られた単球(CD14+細胞)の純度はおよそ85〜90
%であった。EDTAではなくセル・スクレイパー(cell s
craper)(Nippon Becton Dickinson Co., Ltd, Tokyo
Japan)を用いて剥離した付着性細胞の生存率は、トリ
パンブルー排除により測定したところ、98%以上であっ
た。単球は、ヒト血清ではなく10%FCSを含むRPMI1640
中で培養した。
ヘパリン処理済全血から、フィコール・ハイパック密度
勾配遠心分離により、単離した。具体的な分離の条件
は、HISTOPAQUE-1077(SIGMA社製)に添付の使用説明書
の記載に従った。界面のPBMCを回収し、10%FCSを含むR
PMI1640(GIBCO BRL社製)中に懸濁させた。組織培養皿
に付着させることにより、PBMCから付着性単球が得られ
た。得られた単球(CD14+細胞)の純度はおよそ85〜90
%であった。EDTAではなくセル・スクレイパー(cell s
craper)(Nippon Becton Dickinson Co., Ltd, Tokyo
Japan)を用いて剥離した付着性細胞の生存率は、トリ
パンブルー排除により測定したところ、98%以上であっ
た。単球は、ヒト血清ではなく10%FCSを含むRPMI1640
中で培養した。
【0016】[実施例2] 血液単球を抗FRP-1モノクロ
ーナル抗体で処理することによる多核巨細胞の誘導 まず、ヒト血液単球(約1×104細胞/ウェル)を抗FRP-
1モノクローナル抗体(4-5-1、6-1-13、4F2、HBJ127、3
8-2-2)(Ito. Y. et al. 1992. J. Virol.66 :5999-6
007.、Ohgimoto. S. et al. 1996. Journal of General
Virology. 77 :2747-2756。なお、これら抗体は出願前
後において本発明者らにより第三者に分譲しうる)の存
在下で培養し、適当な期間にわたり単球の形態学的な変
化を観察した。30分以内に、細胞は小さなクラスターを
形成し始め、2〜3時間のインキュベーションで細胞の凝
集は最大レベルに達した。さらに、単球をHBJ127以外の
抗FRP-1モノクローナル抗体で処理すると、約15時間で
多核細胞が出現し、その大きさは、抗FRP-1モノクロー
ナル抗体とのインキュベーションを始めてから3〜4日目
まで増加した(図1)。対照の抗体では単球に対する区
別しうる効果は示されなかった(図1)。
ーナル抗体で処理することによる多核巨細胞の誘導 まず、ヒト血液単球(約1×104細胞/ウェル)を抗FRP-
1モノクローナル抗体(4-5-1、6-1-13、4F2、HBJ127、3
8-2-2)(Ito. Y. et al. 1992. J. Virol.66 :5999-6
007.、Ohgimoto. S. et al. 1996. Journal of General
Virology. 77 :2747-2756。なお、これら抗体は出願前
後において本発明者らにより第三者に分譲しうる)の存
在下で培養し、適当な期間にわたり単球の形態学的な変
化を観察した。30分以内に、細胞は小さなクラスターを
形成し始め、2〜3時間のインキュベーションで細胞の凝
集は最大レベルに達した。さらに、単球をHBJ127以外の
抗FRP-1モノクローナル抗体で処理すると、約15時間で
多核細胞が出現し、その大きさは、抗FRP-1モノクロー
ナル抗体とのインキュベーションを始めてから3〜4日目
まで増加した(図1)。対照の抗体では単球に対する区
別しうる効果は示されなかった(図1)。
【0017】[実施例3] 抗FRP-1モノクローナル抗体
により誘導された多核巨細胞のTRAP染色 次に、ヒト血液単球を、チャンバースライド上で、抗FR
P-1モノクローナル抗体の存在下で培養し、抗FRP-1モノ
クローナル抗体により誘導された多核巨細胞をTRAP染色
した。24時間まではTRAP陽性細胞は出現しなかったが、
その後TRAP陽性多核細胞が出現し、14日後には95%の多
核細胞が陽性となった(図2aおよびb)。この発見によ
り、抗FRP-1モノクローナル抗体により誘導された多核
巨細胞はTRAP陽性となることが示された。少数の単球は
抗FRP-1モノクローナル抗体とのインキュベーション後
も単核細胞のままであった。これらの細胞のほぼ全てが
TRAP陰性を示したが、TRAP陽性単核細胞もいくつか見ら
れた。さらに、ConAにより誘導されたヒト単球−ポリカ
リオン(polykaryon)、および抗FRP-1抗体により誘導
されたL929細胞のシンシチア(syncytia)(対照のポリ
カリオン)では、全くTRAP陽性は示されなかった。な
お、TRAP染色は、チャンバースライド上で抗FRP-1モノ
クローナル抗体の存在下で血液単球を培養した後、固定
した細胞を、500mM酒石酸の存在下で、pH4のナフトール
リン酸を含む酢酸緩衝液中で30分間37℃でインキュベー
トすることにより行った。それからファースト・バイオ
レット(fast violet)を添加して生成物を可視化した
(Sigma Chemical Co., Histochemical Kit 386-A, St.
louis, MO)。
により誘導された多核巨細胞のTRAP染色 次に、ヒト血液単球を、チャンバースライド上で、抗FR
P-1モノクローナル抗体の存在下で培養し、抗FRP-1モノ
クローナル抗体により誘導された多核巨細胞をTRAP染色
した。24時間まではTRAP陽性細胞は出現しなかったが、
その後TRAP陽性多核細胞が出現し、14日後には95%の多
核細胞が陽性となった(図2aおよびb)。この発見によ
り、抗FRP-1モノクローナル抗体により誘導された多核
巨細胞はTRAP陽性となることが示された。少数の単球は
抗FRP-1モノクローナル抗体とのインキュベーション後
も単核細胞のままであった。これらの細胞のほぼ全てが
TRAP陰性を示したが、TRAP陽性単核細胞もいくつか見ら
れた。さらに、ConAにより誘導されたヒト単球−ポリカ
リオン(polykaryon)、および抗FRP-1抗体により誘導
されたL929細胞のシンシチア(syncytia)(対照のポリ
カリオン)では、全くTRAP陽性は示されなかった。な
お、TRAP染色は、チャンバースライド上で抗FRP-1モノ
クローナル抗体の存在下で血液単球を培養した後、固定
した細胞を、500mM酒石酸の存在下で、pH4のナフトール
リン酸を含む酢酸緩衝液中で30分間37℃でインキュベー
トすることにより行った。それからファースト・バイオ
レット(fast violet)を添加して生成物を可視化した
(Sigma Chemical Co., Histochemical Kit 386-A, St.
louis, MO)。
【0018】[実施例4] 多核巨細胞の細胞表面上のカ
ルシトニンレセプター 多核細胞の細胞表面上のカルシトニンレセプターを調べ
た。カルシトニンレセプターの存在は、[125I]-ヒトCT
(Amersham Japan., IM 175, Tokyo Japan)を用いたオ
ートラジオグラフィーにより確認した。具体的には、血
液単球をチャンバースライド上で抗FRP-1モノクローナ
ル抗体の存在下で14日間培養し、次に0.2nM[125I]-CTで
処理し、37℃で2時間インキュベートした。標識CTを結
合させ、細胞を10%FCSを含む冷RPMI1640で洗浄し、2%
グルタルアルデヒド−10%ホルマリン溶液中で10分間固
定し,TRAP染色を行い、乾燥させた。非特異的な結合
は、過剰量の非標識CT(300nM)の存在下で確認した。
チャンバースライドを写真用エマルジョン中に浸し、オ
ートラジオグラフィーにかけた。陰性対照には、0.2nM[
125I]-CTと共にインキュベートする前に、過剰量の非標
識CT(300nM)を添加した。
ルシトニンレセプター 多核細胞の細胞表面上のカルシトニンレセプターを調べ
た。カルシトニンレセプターの存在は、[125I]-ヒトCT
(Amersham Japan., IM 175, Tokyo Japan)を用いたオ
ートラジオグラフィーにより確認した。具体的には、血
液単球をチャンバースライド上で抗FRP-1モノクローナ
ル抗体の存在下で14日間培養し、次に0.2nM[125I]-CTで
処理し、37℃で2時間インキュベートした。標識CTを結
合させ、細胞を10%FCSを含む冷RPMI1640で洗浄し、2%
グルタルアルデヒド−10%ホルマリン溶液中で10分間固
定し,TRAP染色を行い、乾燥させた。非特異的な結合
は、過剰量の非標識CT(300nM)の存在下で確認した。
チャンバースライドを写真用エマルジョン中に浸し、オ
ートラジオグラフィーにかけた。陰性対照には、0.2nM[
125I]-CTと共にインキュベートする前に、過剰量の非標
識CT(300nM)を添加した。
【0019】その結果、血液単球を14日間抗FRP-1モノ
クローナル抗体と共に培養すると、オートラジオグラフ
ィーに示されるように(図3b)、[125I]-CTの結合によ
る多数の濃密度粒子(dense grain)が、TRAP陽性多核
細胞に見出された。標識していないカルシトニンを過剰
に添加するとTRAP陽性細胞の濃密度粒子の蓄積が完全に
阻害された(図3a)。このことから、TRAP陽性多核細胞
がカルシトニンレセプター(CTR)を有していることが
示された。カルシトニンレセプターは、抗FRP-1モノク
ローナル抗体で処理をした培養液中に見出される単核細
胞にはほとんど検出されなかった。
クローナル抗体と共に培養すると、オートラジオグラフ
ィーに示されるように(図3b)、[125I]-CTの結合によ
る多数の濃密度粒子(dense grain)が、TRAP陽性多核
細胞に見出された。標識していないカルシトニンを過剰
に添加するとTRAP陽性細胞の濃密度粒子の蓄積が完全に
阻害された(図3a)。このことから、TRAP陽性多核細胞
がカルシトニンレセプター(CTR)を有していることが
示された。カルシトニンレセプターは、抗FRP-1モノク
ローナル抗体で処理をした培養液中に見出される単核細
胞にはほとんど検出されなかった。
【0020】[実施例5] 抗FRP-1モノクローナル抗体
により誘導される多核巨細胞により形成される骨吸収窩
(bone resorption pit) ヒト皮質骨を調製し、これを血液単球および抗FRP-1モ
ノクローナル抗体(mAb6-1-13)と共に16mmの軟寒天ウ
ェルに添加し、切断面を覆い随から外側への細胞の移動
を防止するために、部分的に浸漬させた。1mlの培地を
各ウェルに添加し、37℃、5%CO2の湿潤空気中で培養液
を14日間インキュベートした。対照として、培養液を抗
FRP-1モノクローナル抗体を加えずに、同条件下でイン
キュベートした。標本を、0.1Mカコジル酸ナトリウム緩
衝液(pH7.2)中に、2.5%グルタルアルデヒドおよび2
%ホルムアルデヒドの混合液を用いて固定し、オスミウ
ム酸染色を行った。次に、それを勾配濃度のエタノール
中で脱水し、液体CO2で臨界点乾燥させ、白金でスパッ
ター・コーティングした。全ての標本を走査電子顕微鏡
で調べた。
により誘導される多核巨細胞により形成される骨吸収窩
(bone resorption pit) ヒト皮質骨を調製し、これを血液単球および抗FRP-1モ
ノクローナル抗体(mAb6-1-13)と共に16mmの軟寒天ウ
ェルに添加し、切断面を覆い随から外側への細胞の移動
を防止するために、部分的に浸漬させた。1mlの培地を
各ウェルに添加し、37℃、5%CO2の湿潤空気中で培養液
を14日間インキュベートした。対照として、培養液を抗
FRP-1モノクローナル抗体を加えずに、同条件下でイン
キュベートした。標本を、0.1Mカコジル酸ナトリウム緩
衝液(pH7.2)中に、2.5%グルタルアルデヒドおよび2
%ホルムアルデヒドの混合液を用いて固定し、オスミウ
ム酸染色を行った。次に、それを勾配濃度のエタノール
中で脱水し、液体CO2で臨界点乾燥させ、白金でスパッ
ター・コーティングした。全ての標本を走査電子顕微鏡
で調べた。
【0021】その結果、単球のみを皮質骨切片上で培養
した場合には、吸収は起こらなかった。他方、単球を抗
FRP-1モノクローナル抗体と共に14日間皮質骨切片上で
培養した場合には、多数の吸収窩がその表面に形成さ
れ、骨吸収窩は切片上に不均一に分布していた(図
4)。さらに、本発明者らは、骨吸収の生化学的な証拠
として、単球−骨切片培養液中のピリジノリンを測定し
た(ピリジノリンはデオキシピリジノリンとともにコラ
ーゲン分子間における架橋物質であり、骨吸収時の骨破
壊により放出されるとされ、骨吸収マーカーの一つとさ
れている)。その結果、抗FRP-1抗体の非存在下または
存在下で10日間培養した単球−骨吸収切片培養液中のピ
リジノリン量は、それぞれ5pMOL/ml以下または19±4.0p
MOL/ml以下であった(データは示していない)。これら
の結果により、抗FRP-1モノクローナル抗体により誘導
された多核巨細胞が骨吸収を行うことができることが示
された。以上、実施例3乃至5の結果から、単球から誘
導した多核巨細胞が破骨細胞であることが判明した。
した場合には、吸収は起こらなかった。他方、単球を抗
FRP-1モノクローナル抗体と共に14日間皮質骨切片上で
培養した場合には、多数の吸収窩がその表面に形成さ
れ、骨吸収窩は切片上に不均一に分布していた(図
4)。さらに、本発明者らは、骨吸収の生化学的な証拠
として、単球−骨切片培養液中のピリジノリンを測定し
た(ピリジノリンはデオキシピリジノリンとともにコラ
ーゲン分子間における架橋物質であり、骨吸収時の骨破
壊により放出されるとされ、骨吸収マーカーの一つとさ
れている)。その結果、抗FRP-1抗体の非存在下または
存在下で10日間培養した単球−骨吸収切片培養液中のピ
リジノリン量は、それぞれ5pMOL/ml以下または19±4.0p
MOL/ml以下であった(データは示していない)。これら
の結果により、抗FRP-1モノクローナル抗体により誘導
された多核巨細胞が骨吸収を行うことができることが示
された。以上、実施例3乃至5の結果から、単球から誘
導した多核巨細胞が破骨細胞であることが判明した。
【0022】[実施例6] 破骨細胞上のFRP-1抗原の検
出 ヒト破骨細胞をチャンバーズ(Chambers)およびマグナ
ス(Magnus)の方法(Chambers, T. J., and C. J. Magn
us. 1982. J. Pathology. 136 : 27-39.)に従い、骨断
片から単離した。これらの細胞は、TRAP陽性を示し、多
核であった(図5a)。次に、ヒト破骨細胞を10%パラホ
ルムアルデヒドで固定し、抗FRP-1モノクローナル抗体
(4-5-1)で染色した。骨断片から単離された破骨細胞
上に、FRP-1抗原が検出された(図5b)。さらに、FRP-1
抗原は、培養していないヒト骨巨細胞腫から得られた破
骨細胞様細胞にも検出された。
出 ヒト破骨細胞をチャンバーズ(Chambers)およびマグナ
ス(Magnus)の方法(Chambers, T. J., and C. J. Magn
us. 1982. J. Pathology. 136 : 27-39.)に従い、骨断
片から単離した。これらの細胞は、TRAP陽性を示し、多
核であった(図5a)。次に、ヒト破骨細胞を10%パラホ
ルムアルデヒドで固定し、抗FRP-1モノクローナル抗体
(4-5-1)で染色した。骨断片から単離された破骨細胞
上に、FRP-1抗原が検出された(図5b)。さらに、FRP-1
抗原は、培養していないヒト骨巨細胞腫から得られた破
骨細胞様細胞にも検出された。
【0023】数種のサイトカインが単球/マクロファー
ジの多核細胞形成を誘導することが報告されている(Lac
ey D. L. et al. 1995. Endocrinol. 136 : 2367-237
6.、Mundy G. R J. 1993. Bone and Miner. Res.8 : S5
05-S510.)。しかし、抗FRP-1モノクローナル抗体と共に
インキュベートした血液単球の培養液中には、いずれの
サイトカイン(IL-1a、IL-1b、TNF-a、IL-2、IL-4、IL-
6、GM-CSF、G-CSF、IFNaおよびIFNg)の産生も増加して
いなかった。また、M-CSFおよびそのレセプターが、正
常な破骨細胞形成に必要であることが報告されている(L
acey D. L. etal. 1995. Endocrinol. 136 : 2367-237
6.)。しかし、抗M-CSF抗体は、抗FRP-1モノクローナル
抗体により誘導されたTRAP陽性多核細胞形成に対して何
の影響も与えなかった。これらの結果より、単球の表面
における、FRP-1分子と抗FRP-1抗体(またはFRP-1に対
する天然のリガンド)との相互作用自体により、TRAP陽
性多核細胞(破骨細胞)形成の誘導が直接引き起こされ
ることが示された。
ジの多核細胞形成を誘導することが報告されている(Lac
ey D. L. et al. 1995. Endocrinol. 136 : 2367-237
6.、Mundy G. R J. 1993. Bone and Miner. Res.8 : S5
05-S510.)。しかし、抗FRP-1モノクローナル抗体と共に
インキュベートした血液単球の培養液中には、いずれの
サイトカイン(IL-1a、IL-1b、TNF-a、IL-2、IL-4、IL-
6、GM-CSF、G-CSF、IFNaおよびIFNg)の産生も増加して
いなかった。また、M-CSFおよびそのレセプターが、正
常な破骨細胞形成に必要であることが報告されている(L
acey D. L. etal. 1995. Endocrinol. 136 : 2367-237
6.)。しかし、抗M-CSF抗体は、抗FRP-1モノクローナル
抗体により誘導されたTRAP陽性多核細胞形成に対して何
の影響も与えなかった。これらの結果より、単球の表面
における、FRP-1分子と抗FRP-1抗体(またはFRP-1に対
する天然のリガンド)との相互作用自体により、TRAP陽
性多核細胞(破骨細胞)形成の誘導が直接引き起こされ
ることが示された。
【0024】抗FRP-1モノクローナル抗体が、血液単球
の破骨細胞分化を誘導するメカニズムは、未だよく解明
されていないが、抗β1インテグリン抗体、抗β2インテ
グリン抗体、およびファイブロネクチンにより、抗FRP-
1抗体により誘導される単球の多核細胞形成が阻害され
た。しかし、単球において、抗FRP-1モノクローナル抗
体により、β1インテグリンおよびβ2インテグリンの発
現が増強されるということはなかった(Tabata, N. et a
l. 1995. J. Immun.153 : 3256-3266.)。従って、抗FRP
-1抗体により誘導される単球の多核細胞(破骨細胞)形
成は、活性化されたインテグリン系により仲介されると
考えられる。
の破骨細胞分化を誘導するメカニズムは、未だよく解明
されていないが、抗β1インテグリン抗体、抗β2インテ
グリン抗体、およびファイブロネクチンにより、抗FRP-
1抗体により誘導される単球の多核細胞形成が阻害され
た。しかし、単球において、抗FRP-1モノクローナル抗
体により、β1インテグリンおよびβ2インテグリンの発
現が増強されるということはなかった(Tabata, N. et a
l. 1995. J. Immun.153 : 3256-3266.)。従って、抗FRP
-1抗体により誘導される単球の多核細胞(破骨細胞)形
成は、活性化されたインテグリン系により仲介されると
考えられる。
【0025】
【発明の効果】本発明により、FRP-1タンパク質の単球
表面に露出された部位に結合するモノクローナル抗体で
単球を処理する工程を含む破骨細胞の製造方法が提供さ
れた。これにより簡便に単球から破骨細胞を製造するこ
とが可能となった。また、単球から破骨細胞への分化の
誘導を指標としたFRP-1タンパク質に結合するリガンド
のスクリーニングが可能となった。
表面に露出された部位に結合するモノクローナル抗体で
単球を処理する工程を含む破骨細胞の製造方法が提供さ
れた。これにより簡便に単球から破骨細胞を製造するこ
とが可能となった。また、単球から破骨細胞への分化の
誘導を指標としたFRP-1タンパク質に結合するリガンド
のスクリーニングが可能となった。
【0026】また、本発明によりFRP-1タンパク質に結
合するモノクローナル抗体を有効成分とする単球から破
骨細胞への分化を誘導するための薬剤が提供された。該
薬剤や上記のリガンドは骨粗鬆症などの骨関連疾患の治
療などへの利用が期待される。
合するモノクローナル抗体を有効成分とする単球から破
骨細胞への分化を誘導するための薬剤が提供された。該
薬剤や上記のリガンドは骨粗鬆症などの骨関連疾患の治
療などへの利用が期待される。
【図1】抗FRP-1抗体を用いた単球処理による多核巨細
胞の誘導を示す。(a)は抗FRP-1モノクローナル抗体6-1-
13、(b)は抗FRP-1モノクローナル抗体4-5-1、(c)は抗FR
P-1モノクローナル抗体4F2、(d)はイソタイプ適合対照
抗体を用いたものであり、ギムザ溶液で染色した。(倍
率x600)
胞の誘導を示す。(a)は抗FRP-1モノクローナル抗体6-1-
13、(b)は抗FRP-1モノクローナル抗体4-5-1、(c)は抗FR
P-1モノクローナル抗体4F2、(d)はイソタイプ適合対照
抗体を用いたものであり、ギムザ溶液で染色した。(倍
率x600)
【図2】(a)は、抗FRP-1抗体により誘導された多核巨細
胞のTRAP染色を示す。抗FRP-1抗体(6-1-13;1mg/ml)
の存在下で14日間培養した血液単球のTRAP染色を示す
(倍率x600)。(b)は、抗FRP-1抗体(6-1-13;1mg/ml)の
存在下で培養したヒト末梢血白血球(約1x104細胞/ウェ
ル)の、全多核球数(黒丸の折れ線グラフ)およびTRAP
陽性多核球数(棒グラフ)を示す。
胞のTRAP染色を示す。抗FRP-1抗体(6-1-13;1mg/ml)
の存在下で14日間培養した血液単球のTRAP染色を示す
(倍率x600)。(b)は、抗FRP-1抗体(6-1-13;1mg/ml)の
存在下で培養したヒト末梢血白血球(約1x104細胞/ウェ
ル)の、全多核球数(黒丸の折れ線グラフ)およびTRAP
陽性多核球数(棒グラフ)を示す。
【図3】多核巨細胞の表面上のカルシトニンレセプター
を示す。血液単球を抗FRP-1モノクローナル抗体(6-1-1
3;1mg/ml)の存在下で培養し、(a)過剰の非標識カル
シトニンの存在下で細胞を標識カルシトニン処理、また
は(b)過剰の非標識カルシトニンの非存在下で細胞を標
識カルシトニン処理した。(倍率x1000)
を示す。血液単球を抗FRP-1モノクローナル抗体(6-1-1
3;1mg/ml)の存在下で培養し、(a)過剰の非標識カル
シトニンの存在下で細胞を標識カルシトニン処理、また
は(b)過剰の非標識カルシトニンの非存在下で細胞を標
識カルシトニン処理した。(倍率x1000)
【図4】抗FRP-1抗体により誘導された多核巨細胞によ
り形成される骨吸収窩を示す。(a)は抗FRP-1モノクロー
ナル抗体の存在下で単球をヒト皮質骨切片上で培養し骨
吸収を測定したものであり、(b)は抗FRP-1モノクローナ
ル抗体の非在下で単球をヒト皮質骨切片上で培養し骨吸
収を測定したものである。(倍率x100)
り形成される骨吸収窩を示す。(a)は抗FRP-1モノクロー
ナル抗体の存在下で単球をヒト皮質骨切片上で培養し骨
吸収を測定したものであり、(b)は抗FRP-1モノクローナ
ル抗体の非在下で単球をヒト皮質骨切片上で培養し骨吸
収を測定したものである。(倍率x100)
【図5】ヒト骨断片から単離された破骨細胞上のFRP-1
抗原の検出を示す。(a)はTRAP陽性で多核化した骨断片
から単離したヒト破骨細胞を示す。(b)はヒト破骨細
胞をパラホルムアルデヒドで固定し抗FRP-1モノクロー
ナル抗体(4-5-1)で染色したものである。(倍率x60
0)
抗原の検出を示す。(a)はTRAP陽性で多核化した骨断片
から単離したヒト破骨細胞を示す。(b)はヒト破骨細
胞をパラホルムアルデヒドで固定し抗FRP-1モノクロー
ナル抗体(4-5-1)で染色したものである。(倍率x60
0)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/68 G01N 33/68
Claims (8)
- 【請求項1】 FRP-1タンパク質の単球表面に露出され
た部位に結合するモノクローナル抗体で単球を処理する
工程を含む、破骨細胞の製造方法。 - 【請求項2】 破骨細胞がインビトロ培養細胞である、
請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 FRP-1タンパク質の単球表面に露出され
た部位に結合するモノクローナル抗体で単球を処理して
得られる、破骨細胞のインビトロ培養細胞。 - 【請求項4】 ヒト由来である、請求項3に記載のイン
ビトロ培養細胞。 - 【請求項5】 FRP-1タンパク質の単球表面に露出され
た部位に結合するモノクローナル抗体を有効成分として
含む、単球から破骨細胞への分化を誘導するための薬
剤。 - 【請求項6】 被検試料で単球を処理し、単球の破骨細
胞への分化を検出する工程を含む、FRP-1タンパク質に
結合するリガンドのスクリーニング方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載の方法により単離しう
る、FRP-1タンパク質に結合するリガンド。 - 【請求項8】 天然由来である、請求項7に記載のリガ
ンド。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10014788A JPH11196864A (ja) | 1998-01-08 | 1998-01-08 | 破骨細胞の分化を誘導する方法 |
| CA002240798A CA2240798A1 (en) | 1998-01-08 | 1998-06-16 | Method for induction of differentiation of osteoclasts |
| US09/993,076 US6589528B2 (en) | 1998-01-08 | 2001-11-06 | Method for induction of differentiation of osteoclasts |
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