JPH11196896A - スーパーオキシドジスムターゼ活性および活性酸素の測定法 - Google Patents

スーパーオキシドジスムターゼ活性および活性酸素の測定法

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JPH11196896A
JPH11196896A JP10013365A JP1336598A JPH11196896A JP H11196896 A JPH11196896 A JP H11196896A JP 10013365 A JP10013365 A JP 10013365A JP 1336598 A JP1336598 A JP 1336598A JP H11196896 A JPH11196896 A JP H11196896A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便で迅速に、スーパーオキシドジスムター
ゼ活性および活性酸素を測定できる方法を提供する。 【解決手段】スーパーオキシドアニオン発生系に、下記
の式(1)で表されるテトラゾリウム化合物とスーパー
オキシドジスムターゼ酵素とを添加してスーパーオキシ
ドアニオンに対する該テトラゾリウム化合物および該酵
素の反応を競合させ、該テトラゾリウム化合物がスーパ
ーオキシドアニオンにより還元されて生成したホルマザ
ンの吸光度を測定することにより該スーパーオキシドジ
スムターゼ酵素の活性を求めることから成るスーパーオ
キシドジスムターゼ酵素活性の測定法、および、活性酸
素発生系に、下記の式(1)で表されるテトラゾリウム
化合物を添加して、該テトラゾリウム化合物が活性酸素
により還元されて生成したホルマザンの吸光度を測定す
ることにより該活性酸素を定量する活性酸素の測定法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スーパーオキシド
ジスムターゼの活性および活性酸素を測定するための新
規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】動植物のからだをつくる細
胞はすべて酸素呼吸をしており、酸素なしでは細胞は窒
息をしてしまい生きていくことができない。しかしなが
ら、酸素は時として生体にとって極めて有害な形に変化
することがある。例えば、有害酸素種の中で、活性酸素
の1種であり三重項酸素が1電子還元を受け生成するス
ーパーオキシドアニオン(O2 - ) は、キサンチン酸化
酵素(XOD)、NADH酸化酵素などの酵素反応や還
元性物質の自動酸化で生成し、動脈硬化症、肺気腫、Fa
nconi症などの発症に直接的に関わっていることが知ら
れている。さらに、活性酸素は、白血球の殺菌作用など
多くの生理現象に関与し、例えば、顆粒球やマクロファ
ージなどの白血球の機能が正常であれば、刺激時に細胞
外にスーパーオキシドアニオンやヒドロキシラジカル
(・OH)などの活性酸素が放出されることも知られて
いる。
【0003】一方、生体の側はO2 - をはじめとする活
性酸素種に対して種々の調節機構を備えている。例え
ば、我々は、有害な活性酸素の無毒化機構としてスーパ
ーオキシドジスムターゼ(SOD)酵素を備えている。
この酵素は2分子のO2 - を不均化して酸素と過酸化水
素に変換する反応を触媒し、結果的にO2 - の反応性を
低下させることで、その毒性を低減化する。これまでに
SODの活性(肝臓のSOD活性を基礎代謝率で割った
値)と動物種の最大寿命との間に高い直線的な関係が成
立すること、遺伝的にSODを欠損したショウジョウバ
エの寿命が短く、逆に、高いSOD活性を有する突然変
異体のセンチュウが長寿であることなどが明らかにされ
てきた。このことは酸素呼吸をする生物に対してSOD
の活性が寿命を決定する因子のひとつであることを強く
示唆している。
【0004】したがって、活性酸素やその調節に関与す
る酵素の活性を測定することは、生体の機能や状態を調
べる研究、疾病の診断および生体成分を分析する臨床検
査などにおいてきわめて重要であり、これまでにも各種
の方法が案出されている。特に、老化や寿命と深い関わ
りを有することが明らかにされつつあるSODについて
は、上記のごとき医療分野のみならず、老化予防や健康
増進の観点からSOD様活性を有する成分が賦与された
食品の開発が進められている点において食品分野におい
ても、その活性の実用的な測定技術の確立が望まれてい
る。
【0005】従来よりSODの活性測定法としては、酵
素反応(XODの反応)や化学反応を用いて発生させた
2 - の捕捉能力をテトラゾリウム化合物(テトラゾリ
ウム塩)と競合させて測定する方法が一般的に利用され
ている。しかしながら、一般に利用されているテトラゾ
リウム化合物であるニトロブルーテトラゾリウム(NB
T)は還元を受けると水に不溶のホルマザンになり、分
光光度計のセルをはじめ様々な器具に吸着してしまい、
非常に取扱いにくい。そのため臨床検査で汎用されてい
る連続流れ分析システムには不向きであった。また、こ
の方法はO2 -発生系のXODの還元型と直接的な酸化
還元反応を生じることから、高濃度のSODを反応系に
添加しても、NBTホルマザンの生成を完全に阻害する
ことができないという現象が認められ、活性測定の解釈
が非常に複雑になるという欠点を抱えている。
【0006】本発明者らは、先に、還元型ホルマザンが
水可溶性である新しいテトラゾリウム化合物XTT(3
´−{1−[ (フェニルアミノ)−カルボニル ]−3,
4−テトラゾリウム}−ビス(4−メトキシ−6−ニト
ロ)ベンゼンスルホン酸ハイドレート)を用いるSOD
活性測定法を提案した(Analytical Biochemistry,251,
206-209 (1997))。この方法においては、XTTの還元
型ホルマザンが水に溶け易い性質を有していることか
ら、測定器具への吸着という現象は改善された。さら
に、XTTはXODとの直接的な相互作用を示さず、反
応系へのSODの添加により、XTTに対する100 %の
阻害が得られることもわかった。しかしながら、XTT
を用いるこの方法は、NBTを用いる方法と比較する
と、低いpHにおいて極度にSOD活性の検出感度が低
下する難点が見出された。また、測定に最適な濃度のX
TT溶液を調製するためには、加熱によりXTTを溶解
させなければならない。したがって、XTTを用いる方
法も、未だSOD活性を測定する理想的なものとは言え
ない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、簡便で
迅速に活性酸素やSODを測定することのできる新しい
技術を開発することにある。本発明者は、このたび、特
定のテトラゾリウム化合物を用いることによって、上述
したような従来のSOD活性測定法の欠点を解消し得る
ことを見出し本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、スーパーオキシドア
ニオン発生系に、下記の式(1)で表されるテトラゾリ
ウム化合物とスーパーオキシドジスムターゼ酵素とを添
加してスーパーオキシドアニオンに対する該テトラゾリ
ウム化合物および該酵素の反応を競合させ、該テトラゾ
リウム化合物がスーパーオキシドアニオンにより還元さ
れて生成したホルマザンの吸光度を測定することにより
該スーパーオキシドジスムターゼ酵素の活性を求めるこ
とを特徴とするスーパーオキシドジスムターゼ酵素活性
の測定法を提供するものである。
【0009】
【化3】 但し、式(1)中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、そ
れぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、アルコキシル基
またはハロゲン原子を示し、Mはアルカリ金属またはア
ンモニウムを示す。
【0010】式(1)のテトラゾリウム化合物は、SO
D(スーパーオキシドジスムターゼ)活性を測定するの
に特に適しているが、活性酸素そのものを測定するのに
も適用することができる。すなわち、本発明は、別の態
様として、活性酸素発生系に、下記の式(1)で表され
るテトラゾリウム化合物を添加して、該テトラゾリウム
化合物が活性酸素により還元されて生成したホルマザン
の吸光度を測定することにより該活性酸素を定量するこ
とを特徴とする活性酸素の測定法も提出する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のSOD活性測定法および
活性酸素測定法は、上記式(1)で表されるテトラゾリ
ウム化合物の特性を利用することによって実施される。
式(1)で表される化合物のうち、特に好ましいもの
は、R1 〜R4 のうち少なくとも1つがニトロ基である
ものであり、例えば、R1 およびR4 が水素、R2 がニ
トロ基、R3 がヨウ素であるテトラゾリウム化合物(以
下、本明細書においてはWST−1と略称する)、また
は、R1 が水素、R2 およびR3 がニトロ基、R4 がメ
トキシ基であるテトラゾリウム化合物(以下、WST−
8と略称する)等がある。
【0012】本発明に従いSOD活性を測定するには、
適当な緩衝液中でスーパーオキシドアニオン発生系に、
式(1)で表されるテトラゾリウム化合物とスーパーオ
キシドジスムターゼ(SOD)酵素を添加する。スーパ
ーオキシドジスムターゼ発生系としては、キサンチン酸
化酵素(XOD)を用いるキサンチン(またはヒポキサ
ンチン)−キサンチン酸化酵素系が一般的であるが、そ
の他の化学反応によるスーパーオキシドアニオン発生系
も適用可能である。
【0013】後述するように式(1)の化合物の特性の
1つは、スーパーオキシドアニオンのような活性酸素に
より還元されて吸光光度分析の可能な還元型ホルマザン
を生成することにある。したがって、スーパーオキシド
アニオン発生系において、スーパーオキシドアニオンに
対するテトラゾリウム化合物の反応(スーパーオキシド
アニオンによる還元型ホルマザンの生成反応)と、スー
パーオキシドアニオンに対するSODの反応(SODに
よるスーパーオキシドアニオンの不均化反応)とが競合
し、SODの活性が高い程、前者の反応が阻害されホル
マザンの吸光度変化は小さくなる。かくして、還元型ホ
ルマザンの吸光度を測定することによりSODの活性を
求めることができる。
【0014】活性酸素によって還元されて水溶性ホルマ
ザンを生成する式(1)のテトラゾリウム化合物を使用
すれば、SOD活性を測定できるのみならず、活性酸素
そのものを測定することもできる。この場合には、活性
酸素発生系(インビトロ系のみならずインビボ系も含
む)に、式(1)で表されるテトラゾリウム化合物を添
加して、該テトラゾリウム化合物が活性酸素により還元
されて生成した還元型ホルマザンの吸光度を測定するこ
とにより活性酸素を定量することができる。なお、ここ
で、活性酸素とは、スーパーオキシドアニオンを意味す
る。
【0015】本発明者らは、先に、式(1)に重複する
一連のテトラゾリウム化合物の創製に成功し、そして、
該化合物が乳酸脱水素酵素等の脱水素酵素の定量に使用
し得ることを見出している(特許第2592436 号および特
願平8-121134)。本発明者は、この種のテトラゾリウム
化合物について更に研究を重ねた結果、式(1)で表さ
れる化合物が、スーパーオキシドアニオンのような活性
酸素によって還元される性質を有し、しかも、以下に記
すように、SOD活性測定に従来より採用されているN
BTおよびXTTのそれぞれの欠点を解消して両化合物
の長所を兼備し、SOD活性測定、さらには活性酸素測
定における理想的な試薬となり得ることを見出し、本発
明の測定法を案出した。
【0016】1.先ず、式(1)の化合物は、スーパー
オキシドアニオンにより還元されて、XTTと同様に水
溶性のホルマザンを生成する。したがって、該化合物を
用いる測定系においては測定器具への固形分の吸着とい
う問題は生じない。
【0017】2.また、式(1)の化合物は、常温で溶
解するので、SOD活性や活性酸素の測定における測定
液の調製が容易である。例えば、SOD活性測定におい
ては、テトラゾリウム化合物を0.75mM程度の濃度に設定
するのが一般的であるが、XTTは加熱しなければその
濃度に調製できないのに対して、式(1)の化合物は常
温でも簡単に該濃度に調製できる。
【0018】3.さらに、式(1)のテトラゾリウム化
合物(酸化型)は高濃度の溶液でも殆ど無色に近く、吸
光度がきわめて低い。例えば、同じ0.2mM の終濃度で比
較したとき、XTTは約0.04AUを示したのに対して、W
ST−1やWST−8のような式(1)の化合物は殆ど
無視し得る程度の吸光度しか示さない。したがって、式
(1)のテトラゾリウム化合物の被還元性を利用してS
OD活性や活性酸素を測定すると、ローブランクで測定
を行うことができるという利点がある。
【0019】4.式(1)のテトラゾリウム化合物を用
いるSOD活性測定は、従来のテトラゾリウム化合物と
同等以上の感度を示し、しかも感度のpH依存性がきわ
めて小さい。例えば、SODに対する検量線を作成し、
50%の阻害を示す濃度の比較から感度の比較を行ったと
ころ、pH10.2において式(1)に属するWST−1
は、XTTとほぼ同じ感度、またNBTの約2倍の感度
を示した。しかも、XTTはpHの低下とともに感度が
大きく減少するが、式(1)の化合物ではこのようなp
H依存性は見られず、pH8ではWST−1の方がXT
Tよりも3倍程度、感度が高くなることも見出された。
【0020】5.式(1)の化合物は測定系に含まれる
酵素類と直接的な相互作用を示さないので、測定結果の
解釈が容易になる。例えば、式(1)に属するWST−
1やWST−8を用いたSOD活性測定においても、X
TTを用いる場合と同様に反応系へのSODの添加によ
り100 %の阻害または100 %に近い阻害が認められ、N
BTを用いる場合の問題点であったXODとの直接的な
相互作用は存しないことが明らかにされている。
【0021】本発明のSOD活性測定法および活性酸素
測定法において用いられる式(1)のテトラゾリウム化
合物は、特許第2592436 号および特願平8-121134に記載
しているように常法に従って合成することができる。す
なわち、例えば、官能基R1およびR2 を有するフェニ
ルヒドラジンにアルデヒド化合物をアルコール溶媒中で
反応させることにより、対応するヒドラゾンを合成す
る。次いで、このヒドラゾンに、官能基R3 およびR4
を有するフェニルジアゾニウム塩を水溶媒中塩基性条件
下で反応させて、式(1)に対応するホルマザンを得
る。ここで、塩基性化剤としては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどが用いられる。次に、得られたホルマ
ザンを亜硝酸ブチルまたは次亜塩素酸ナトリウム等の酸
化剤を用いてアルコール溶媒中で酸化することにより式
(1)のテトラゾリウム化合物を得ることができる。
【0022】
【実施例】本発明の特徴を更に明らかにするため、式
(1)で表されるテトラゾリウム化合物をSOD活性測
定に適用した実施例を以下に示す。式(1)に属するテ
トラゾリウム化合物としてWST−1(R1 =R4
H;R2 =NO2 ;R3 =I)およびWST−8(R1
=H;R2 =R3 =NO2 ;R4 =OCH3 )を合成し
て、その特性を評価し、必要に応じてXTTおよびNB
Tとの比較を行った。活性酸素(スーパーオキシドアニ
オン)発生系として、キサンチン酸化酵素(XOD)に
よるキサンチン−キサンチン酸化酵素系を採用した。な
お、実験に用いた試薬の入手源は次のとおりである:S
OD(ウシ赤血球由来;EC 1. 15. 1. 1. ;4000U/mg
タンパク質;Sigma 社製)、XOD(バターミルク由
来;EC 1. 2. 3. 2 ;0.3U/mg ;オリエンタル酵母
(株)製)、NBT(和光純薬(株)製)、XTT(米
国Polyscience 社製)、GO(グルコースオキシダー
ゼ)(Aspergillus niger由来;EC 1. 1. 3. 4 ;11
0U/mg ;天野製薬(株)製)。
【0023】SOD活性測定は次のように行った:50mM
の炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.4および10.2の場合)
またはリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0 、7.5 および
8.0の場合)の2.5ml に、3mMのキサンチン、3mMのE
DTA、WST溶液、およびSOD含有溶液または水
を、各0.1ml ずつ添加した。XOD溶液(0.1ml)を添加
することにより反応を開始させた。分光光度計(Pharma
cia Biotech Ultrospec3000)を用い25℃で、WST−
1については438nm 、WST−8については460nm にお
ける吸光度変化を測定することによりSOD活性を求め
た。XTTおよびNBTを用いる場合も同様であるが、
吸光度変化の測定は、それぞれ、470nm および560nm に
おいて行った。
【0024】SOD活性測定への適用性の検討:図1
に、pH10.2、キサンチン濃度3mMおよびWST−1ま
たはWST−8の濃度0.75mMにおけるXOD濃度の変化
に対する吸光度変化を示す。XOD濃度(XOD活性)
が約155mU/mlに達するまで、XOD濃度の上昇に従っ
て、吸光度変化がほぼ直線的に上昇していることが認め
られる。また、図2に、pH10.2、XOD濃度58mU/ml
、WST−1またはWST−8の濃度0.75mMにおける
キサンチン濃度に対する吸光度変化を示すが、キサンチ
ン濃度の上昇に伴い吸光度変化がほぼ直線的に上昇して
いる。
【0025】さらに、図3に、pH10.2、キサンチン濃
度3mMおよびXOD濃度58mU/ml におけるWST−1ま
たはWST−8の濃度変化に対する吸光度変化を示して
いる。図に示されるように、WST−1または−8の濃
度が一定値に到達するまでWST−1または−8の濃度
の上昇に伴い吸光度変化がほぼ直線的に上昇している。
【0026】以上の結果から示されるように、WST−
1やWST−8のようなテトラゾリウム化合物は、スー
パーオキシドアニオン発生系においてその生成量に比例
する吸光度変化を発現し、SOD活性の測定に適用でき
ることが明らかである。
【0027】pHの影響および酵素との相互作用の検
討:図4に、キサンチン濃度3mM、XOD濃度58mU/ml
、WST−1またはWST−8の濃度0.75mMにおける
吸光度変化に対するpHの影響を示す。WST−1およ
びWST−8のいずれについても、pH9.4 において最
大の吸光度変化が認められる。
【0028】さらに、上述の最適測定条件、すなわち、
キサンチン濃度3mM、XOD濃度58mU/ml 、およびWS
T−1またはWST−8の濃度0.75mMにおけるSODの
阻害を測定した。WST−1によるSOD阻害曲線を図
5に、WST−8によるSOD阻害曲線を図6にそれぞ
れ示す。WST−1およびWST−8のいずれを用いる
系においてもSOD濃度が高くなると100 %または100
%に近い阻害が得られ、これらのテトラゾリウム化合物
がスーパーオキシドアニオン発生に用いられる酵素(X
OD)と相互作用しないことが示唆される。
【0029】特に注目すべきは、WST−1を用いる場
合であり、図5に示されるように、pH8.0 、9.4 およ
び10.2のいずれにおいてもSOD添加による100 %の阻
害が認められ、しかも、ほぼ同一のSOD阻害曲線が得
られており、WST−1を用いる系の感度がpHに依存
していないことを示している。ちなみに図7はpH10.2
における阻害をXTTおよびNBTと比較して示すもの
であり(キサンチン濃度3mM;XOD濃度57mU/ml)、W
ST−1はXTTを用いる測定系と同様に100%阻害が
認められる。但し、前述したように、XTTはpHの低
下とともに感度が大きく減少しpH8ではWST−1の
方が感度が高くなった。
【0030】本発明において用いるWST−1およびW
ST−8が酵素と相互作用しないことを確認するため、
GOによるグルコース酸化反応系にWST−1およびW
ST−8を添加して還元型ホルマザンが生成するか否か
を試験した。pH9.5 における結果を図8に示すが、吸
光度の変化は見られずWST−1およびWST−8はG
Oとも相互作用しないことが明らかである。
【0031】生体サンプルのSOD活性の実測 上述の最適条件下にWST−1およびWST−8、さら
に、比較のためにXTTおよびNBTを用いてラットの
血液サンプル中のSOD活性を測定した。なお、ラット
の血液サンプルは次のように調製した:ラット(体重約
500g)の血液に冷却した0.9%NaCl溶液を加え攪拌、
遠沈を繰り返して得た赤血球に冷却蒸留水を加えて溶血
赤血球を得た。これにエタノール/クロロホルムを加え
て遠沈して得た上清を10mMリン酸緩衝液(pH7.8)を用
いて4℃で透析し、これを遠心分離により沈殿を除去し
た上清をサンプルとした。
【0032】SOD活性測定の結果を、各テトラゾリウ
ム化合物を用いる方法について対比させて図9のA〜C
に示す。これらの図から理解されるように、WST−1
を用いる方法は従来のNBTを用いる方法よりも高感度
であり(図9のA)、XTTとほぼ同等の感度を有し
(図9のB)、さらに、WST−1の方がWST−8よ
りも高い感度を有する(図9のC)。
【0033】また、WST−1、WST−8、NBT、
XTTのそれぞれを用いるSOD活性の値には良好な直
線関係があり(図9のA、BおよびCにおけるr=0.99
9 、0.968 および0.950)、本発明に従うWST−1、W
ST−8のような化合物は、従来よりSOD測定に一般
に使用されているNBTのような化合物に代わるSOD
測定用試薬として適していることが明らかである。
【0034】
【発明の効果】式(1)のテトラゾリウム化合物を利用
する本発明のSOD活性測定法および活性酸素測定法
は、測定液の調製が容易であり、分光光度計のセルなど
器具類に固形分が吸着することもないので、簡便で迅速
性を要求される連続流れ分析システムに適している。特
に、本発明のSOD活性測定法は、広範囲のpH領域に
わたってデータ解析が容易で高感度の分析を行うことが
できるので、医療、臨床検査、機能性食品開発などにお
いてSODまたは活性酸素と健康との関わりを探究する
研究分野の発展に資するものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うSOD活性測定法におけるXOD
濃度と吸光度変化の関係の1例を示す。
【図2】本発明に従うSOD活性測定法におけるキサン
チン濃度と吸光度変化の関係の1例を示す。
【図3】本発明に従うSOD活性測定法におけるテトラ
ゾリウム化合物の濃度と吸光度変化の関係の1例を示
す。
【図4】本発明に従うSOD活性測定法における吸光度
変化に対するpHの影響の1例を示す。
【図5】本発明に従うSOD活性測定法におけるSOD
阻害曲線の1例を示す。
【図6】本発明に従うSOD活性測定法におけるSOD
阻害曲線の別の例を示す。
【図7】本発明に従うSOD活性測定法におけるSOD
阻害曲線を従来より使用されていたテトラゾリウム化合
物と比較して示す。
【図8】本発明において用いられるテトラゾリウム化合
物のグルコース酸化反応系における吸光度変化の1例を
示す。
【図9】本発明に従うテトラゾリウム化合物を用いて測
定したラットの血液サンプルのSOD活性を従来の化合
物を用いた場合と対比して示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スーパーオキシドアニオン発生系に、下
    記の式(1)で表されるテトラゾリウム化合物とスーパ
    ーオキシドジスムターゼ酵素とを添加してスーパーオキ
    シドアニオンに対する該テトラゾリウム化合物および該
    酵素の反応を競合させ、該テトラゾリウム化合物がスー
    パーオキシドアニオンにより還元されて生成したホルマ
    ザンの吸光度を測定することにより該スーパーオキシド
    ジスムターゼ酵素の活性を求めることを特徴とするスー
    パーオキシドジスムターゼ酵素活性の測定法。 【化1】 (式(1)中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、それぞ
    れ独立して、水素原子、ニトロ基、アルコキシル基また
    はハロゲン原子を示し、Mはアルカリ金属またはアンモ
    ニウムを示す。)
  2. 【請求項2】 活性酸素発生系に、下記の式(1)で表
    されるテトラゾリウム化合物を添加して、該テトラゾリ
    ウム化合物が活性酸素により還元されて生成したホルマ
    ザンの吸光度を測定することにより該活性酸素を定量す
    ることを特徴とする活性酸素の測定法。 【化2】 (式(1)中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は、それぞ
    れ独立して、水素原子、ニトロ基、アルコキシル基また
    はハロゲン原子を示し、Mはアルカリ金属またはアンモ
    ニウムを示す。)
JP01336598A 1998-01-06 1998-01-06 スーパーオキシドジスムターゼ活性および活性酸素の測定法 Expired - Lifetime JP3602956B2 (ja)

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