JPH11197784A - トロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法 - Google Patents

トロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法

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JPH11197784A
JPH11197784A JP10004914A JP491498A JPH11197784A JP H11197784 A JPH11197784 A JP H11197784A JP 10004914 A JP10004914 A JP 10004914A JP 491498 A JP491498 A JP 491498A JP H11197784 A JPH11197784 A JP H11197784A
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尚 今西
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    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高寿命な入出力ディスクを金型の寿命を低下さ
せることなく確実に成形できるとともに、生産コストの
高騰を抑制できるトロイダル型無段変速装置の入出力デ
ィスクの製造方法を提供する。 【解決手段】ハーフトロイダル型無段変速装置の入出力
ディスクは以下に示す工程に沿って製造される。ステッ
プS1では素材としてのワークを鍛造に適した温度まで
加熱する。ステップS2ではワークを第1の金型を用い
て圧鍛して入出力ディスクの突部に相当する部分を有す
るワークに形成する。ステップS3ではワークを第2の
金型を用いて圧鍛して入出力ディスクの取付け穴に相当
する穴を有するワークに形成する。ステップS4ではワ
ークを第3の金型を用いて圧鍛して入出力ディスクの裾
部に相当する部分を有するワークに形成する。ステップ
S5ではワークに打ち抜き加工及び切削加工などを施し
て入出力ディスクを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車な
どの車両用の変速装置として用いられるトロイダル型無
段変速装置の入出力ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車などの車両用の変速装
置としては、複数の歯車を有しこれらの歯車間の噛み合
せを変更して、入力軸から出力軸へトルクを伝えるもの
が主流であった。しかしながら、この従来の歯車式有段
変速装置は、変速時に段階的、断続的にトルクが変化す
るため、動力伝達に損失が生じたり、変速時に振動が生
じたりするなどの欠点を抱えていた。
【0003】そこで、近年、変速時における段階的、断
続的にトルクが変化することがない無段変速装置の実用
化が検討されている。この無段変速装置は、変速時など
の振動が生じなく、かつ前記歯車式有段変速装置より動
力伝達時の損失が少くて優れているとともに、車両に用
いられた際の燃費も優れている。このため、一部の乗用
車などには、前述した無段変速装置の一例としてベルト
式無段変速装置などが実用化されている。
【0004】また、無段変速装置として、トロイダル型
無段変速装置が提案されている。トロイダル型無段変速
装置は、入力軸と一体に回転する入力ディスクと、出力
軸と一体に回転する出力ディスクと、これら入出力ディ
スクと転接するパワーローラ軸受とを備えている。
【0005】前記入出力ディスク80は、図17に示す
ように、側方からみて中央から前記入出力軸の軸線P1
に沿って突出した突部81と、前記突部81から外周方
向に向って徐々に薄肉となる裾部82と、前記突部81
に設けられかつ前記入出力軸取付け用の取付け穴83
と、を一体に備えたディスク状に形成されている。
【0006】また、前記入出力ディスク80は、前記パ
ワーローラ軸受を揺動自在に支持する枢軸を中心とした
断面円弧状のトラクション面85を、前記突部81から
裾部82とに亘って形成している。
【0007】このトロイダル型無段変速装置は、前記ベ
ルト式無段変速装置と比較して、高いトルクを伝達する
ことが可能であるため、中・大型車両用の無段変速装置
として有効である。
【0008】しかしながら、このトロイダル型無段変速
装置は、より高いトルクの伝達が必要とされているた
め、その前記入出力ディスク80及びパワーローラ軸受
が、一般的な歯車及び軸受などの通常の繰り返し応力が
加わる機械部品と比較して、非常に大きな繰り返し曲げ
応力および繰り返しせん断応力を受ける。特に、入出力
ディスク80は、前記突部81の端面81a側に大きな
応力が作用する。
【0009】トロイダル型無段変速装置の前述した入出
力ディスクの製造方法としては、例えば圧延などが施さ
れて棒状に形成された素材から切削加工などによって削
り出す方法や、特開平9−126289号公報に記載さ
れているように、鍛造工程によって、最終形状に近い形
状まで成形し、その後、研削加工などの仕上げ加工を施
すことによって製造する方法があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述した入出力ディス
クを、金属からなる棒状の素材から切削加工によって削
り出して製造するのでは、切削加工のため歩留まりが悪
いとともに、所要時間が長時間化して、生産コストが高
騰するという問題が生じる。
【0011】又、溶解、鋳造・圧延などの工程を経て棒
状に形成された入出力ディスクに用いられる素材は、そ
の中央寄りの径の30%以下の部分に、前述した工程に
おいて不可避的に混入する不純物を多く含んでいる。ま
た、前記素材は、圧延などが施された際に、その金属組
織の流れ所謂メタルフローが、軸線に沿って形成されて
いる。
【0012】中央寄りの部分に不純物を多く含んだ素材
から前述したように切削加工によって、前記入出力ディ
スク80を削り出して製造するのでは、図17中に墨塗
りして示す部分R1のように、ディスク80の底面84
から前記突部81の端面81aとに亘って前記取付け穴
83の内面83aに、不純物を多く含んだ部分が存在す
ることとなる。さらに、前記入出力ディスク80は、入
出力軸の軸線P1に沿って、前述したメタルフローJが
形成されている。
【0013】このため、切削加工によって削り出されて
製造された入出力ディスク80は、通常の機械部品と比
較して非常に大きな応力が作用しかつ特に突部82の端
面81a側に大きな応力が作用するので、不純物を多く
含んだ部分R1やメタルフローJに沿って破壊しやすく
なり、比較的寿命が短くなる傾向となるとともに、トロ
イダル型無段変速装置の寿命も短くなる傾向となる。
【0014】また、前記特開平9−126289号公報
に記載されている方法は、一種類の金型を用いて略最終
形状まで鍛造し、その後研削加工などを施して、前記入
出力ディスクを成形する。この方法では、前述した型と
被成形物(以下ワークと呼ぶ)との接触時間が長くな
り、金型が鍛造加工時の熱の影響を受け、金型の表面硬
度が低下して金型の寿命が短くなる傾向となる。
【0015】また、金型が鍛造時にワークを保持する構
造となっていないため、ワークが金型の中心からずれ易
く、ワークが偏心して、その結果加工精度が悪化する。
さらに、成形の最終段階で金型内の空間にワークの素材
が充満するため、金型の角部などに欠肉やバリが生じや
すく、所望の形状に成形するのは困難である。
【0016】さらに、無理に所望の形状にワークを成形
するために過大な荷重をかけて圧鍛すると、金型が破損
する恐れが生じる。また、鍛造後の研削加工の工程にお
ける所要時間を抑制するため削りしろを少くするために
は、金型の摩耗などを抑える必要がある。
【0017】このように、前述した特開平9−1262
89号公報に記載されている製造方法は、鍛造に用いる
金型の寿命が短くなる傾向となって、生産コストを高騰
する傾向となっていた。
【0018】したがって、本発明の目的は、高寿命な入
出力ディスクを金型の寿命を低下させることなく確実に
成形できるとともに、生産コストの高騰を抑制できるト
ロイダル型無段変速装置の入出力ディスクの製造方法を
提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明のトロイダル型無段変速装置の
入出力ディスクの製造方法は、ディスク状に形成されか
つ中央部に軸線方向に突出した突部と、前記突部から外
周方向に向って徐々に薄肉となる裾部と、前記突部に軸
線方向に設けられた取付け穴とを有するトロイダル型無
段変速装置の入出力ディスクの製造方法において、前記
突部を成形する成形部を有する第1の金型を用いて、素
材としてのワークを、この素材の軸線方向に沿って圧鍛
して、前記突部に相当する部分を成形する第1の鍛造工
程と、前記取付け穴を成形する成形部を有する第2の金
型を用いて、前記ワークを、前記軸線方向に沿って圧鍛
して、前記取付け穴に相当する穴を成形する第2の鍛造
工程と、前記裾部を成形する成形部を有する第3の金型
を用いて、前記ワークを、前記軸線方向に沿って圧鍛し
て、前記裾部に相当する部分を成形する第3の鍛造工程
とからなることを特徴としている。
【0020】前述したトロイダル型無段変速装置の入出
力ディスクの製造方法は、素材から入出力ディスクを成
形する際に、突部と、取付け穴と、裾部とに相当する部
分を、それぞれ別体の第1から第3の金型を用いて成形
する。このため、ワークとそれぞれの金型とが互いに接
触する時間が短くなり、成形時に金型に及ぼされるワー
クの温度の影響が少くなって金型の表面硬度が維持され
る。
【0021】さらに、前述した第1から第3の鍛造工程
において用いられる第1から第3の金型を互いに別体と
しているので、それぞれの鍛造工程において無理なくワ
ークを成形することが可能となる。夫々の工程において
ワークの金属組織の流動をスムーズに行え、金属組織の
流動などにおいてバランスの取れた入出力ディスクを成
形することができる。
【0022】また、前述したように、夫々の工程におけ
るワークの金属組織の流動をスムーズに行えるので、そ
れぞれの工程において金型に加える圧力を低く抑えるこ
とができ、金型の破損を防止することができる。
【0023】また、前記突部と取付け穴と裾部とを形成
する第1から第3の鍛造工程において、前記棒状の素材
の両端を前述した第1から第3の金型が当接して拘束し
た状態で、前記入出力ディスクを形成するのが望まし
い。
【0024】この場合、前記取付け穴を形成する第2の
金型によって、前記素材の中央よりの径の30%以下の
不純物を多く含んだ部分が、押圧されて取付け穴の内面
などの周辺部から取り除くことができる。
【0025】前述した第1から第3の鍛造工程を経て前
記入出力ディスクを形成する場合、前記第1〜第3の金
型それぞれに前記ワークを保持する保持部を形成するの
が望ましい。この場合、さらに不純物を多く含んだ部分
が取付け穴の周辺から除去されるとともに、成形中にお
ける金型内での素材の偏心などの位置ずれなどが抑制さ
れて、より高精度な入出力ディスクを成形することがで
きる。
【0026】また、前述した第1から第3の鍛造工程を
経た後、切削加工などを施して前記入出力ディスクを成
形するようにしてもよい。この場合、より高精度な入出
力ディスクを得ることができるとともに、第1から第3
の金型で成形する際の精度要求を緩和することができ
る。このため、摩耗などが進んでも金型を使用すること
ができ、金型費用を抑制して生産コストを抑制すること
ができる。
【0027】前記入出力ディスクを製造するワークとし
て円柱状に形成されかつ軸線方向に沿う金属組織の流れ
(メタルフロー)を有した中実材を用いるのが望まし
い。なお、この中実材の長さをLとし直径をdとする
と、これらLとdとの関係はL/d≦2.2を満たすの
が望ましい。
【0028】この場合、前述した第1ないし第3の鍛造
工程を経て成形した際に、入出力ディスクのメタルフロ
ーが入出力軸の軸線に対し軸対称となって形成されて、
高寿命な入出力ディスクを成形することができる。
【0029】前記第1の鍛造工程において、前記円柱状
のワークをこのワークの軸線に沿って圧鍛して第1の金
型に据え込むのが望ましい。この場合、成形中における
金型内での素材の偏心などの位置ずれなどが抑制され
て、より高精度な入出力ディスクを成形することができ
る。
【0030】また、第1の金型は、ワークと接するその
端面に、前記突部に沿って形成された保持部としての凹
部が形成されるのが望ましい。この場合、凹部は、第1
の金型の端面に、前記ワークから離れる方向に凹でかつ
その底面がワークの直径と略同径の円形に形成されるの
が望ましい。
【0031】前記凹部は、前記金型の端面からその底面
に向うにしたがって、徐々に開口径が減少する傾斜面を
有したすり鉢状に形成されるのが望ましい。なお、成形
する入出力ディスクにおいてトラクション面の曲率の中
心から前記軸線に沿って延びた線分が交わる点と前記突
部の端面の外縁とを結んだ線分と、前記端面の延長線と
のなす角が角度δの際に、前記傾斜面は、前記底面の延
長線とのなす角が、角度δ±10度(degree)の範囲内に
形成されるのが望ましい。
【0032】前述した凹部を第1の金型に設けることに
よって、ワークの偏心などの位置ずれなどを確実に防止
でき、高精度な入出力ディスクを成形することが可能と
なる。また、この凹部を第1の金型に設けた場合、第2
の金型にも同形状の凹部を設けるのがさらに望ましい。
第2の金型にも凹部を設けるとワークの偏心などの位置
ずれがより抑制され、より高精度な入出力ディスクを成
形することが可能となる。
【0033】また、前記第2の金型の保持部は、前記ワ
ークを外周方向から包囲する円環状に形成されているの
が望ましく、この場合第1の鍛造工程においてワークの
軸方向に沿って圧鍛する際にこのワークの外径を前記第
2の金型の保持部の内径と略等しく形成するのが望まし
い。この場合、ワークの偏心などの位置ずれがより抑制
され、より一層高精度な入出力ディスクを成形すること
が可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態を
図1から図9を参照して説明する。図1はトロイダル型
無段変速装置としてのハーフトロイダル型無段変速装置
20の一部を構成するバリエータ21を示す断面図であ
る。前記ハーフトロイダル型無段変速装置20は、エン
ジン等の駆動源(図示しない)に連結される入力軸1a
から、この入力軸1aの回転に基く動力を出力軸1bへ
と伝達する装置である。
【0035】図1に示すように、バリエータ21は、ニ
ードルベアリングを介して前記入力軸1aに支持されか
つ前記入力軸1aと一体に回転自在に取付けられた入力
ディスク2と、前記出力軸1bにこの出力軸1bと一体
に回転自在に取付けられた出力ディスク3と、この入力
ディスク2および出力ディスク3に転接するパワーロー
ラ軸受11の内輪10などを備えている。
【0036】入力ディスク2の背面側には、カム板4が
入力軸1aに対してスプライン係合して設けられてい
る。カム板4と入力ディスク2との間にはローラ5が介
在され、入力ディスク2を出力ディスク3側に押し付け
るローディングカム式の押圧機構6が設けられている。
【0037】入力ディスク2と出力ディスク3との間に
は枢軸7を中心として揺動するトラニオン8が設けら
れ、トラニオン8の中心部には変位軸9が設けられてい
る。そして、この変位軸9には前記パワーローラ軸受1
1が回転自在に支持され、このパワーローラ軸受11
は、入力ディスク2及び出力ディスク3と接するトラク
ション部を有し、入力ディスク2と出力ディスク3との
間に傾転自在に転接されている。
【0038】このパワーローラ軸受11は入力ディスク
2及び出力ディスク3から加わるスラスト方向の荷重を
支承しつつ、内輪10の回転を許容するものである。こ
のようなパワーローラ軸受11の複数個の玉12はトラ
ニオン8側に設けられた円環状の外輪13と回転部とし
ての内輪10との間に設けられた円環状の保持器14に
よって保持されている。
【0039】さらに、外輪13と内輪10には玉12を
転動自在に保持する軸走溝15,16が設けられてい
る。軸走溝15,16は、外輪13と内輪10の玉12
との接触面に円環状に設けられ、かつ断面円弧状に形成
されている。
【0040】前記入出力ディスク2,3は、図2(A)
に示すように、ディスク状に形成されている。なお、図
2(A)は入出力ディスク2,3の平面図を示し、図2
(B)は図1中のb−b線に沿う断面図を示している。
【0041】入出力ディスク2,3は、図2(B)に示
すように、前記入出力軸1a,1bに取付けられた際
に、側方からみてその中央部から図中に一点鎖線Pで示
す軸線に沿って突出して設けられた突部22と、この突
部22から外周方向に向って徐々に薄肉となる裾部23
とを一体に備えている。
【0042】前記突部22は、その端面22aが図2
(A)に示すように正面からみて略円形に形成され、か
つ図2(B)に示すように、前記軸線Pに対し略直交す
る方向に沿って略平坦に形成されている。
【0043】前記入出力ディスク2,3の前記突部22
の端面22aと反対側に位置する面24(以下底面と呼
ぶ)は、前記軸線Pに対し略直交する方向に沿って略平
坦に形成されている。また、入出力ディスク2,3の外
周面25は、前記軸線Pに沿って略平坦に形成されてい
る。
【0044】図2(B)に示すように、前記突部22か
ら裾部23とに亘って、側方から見て断面円弧状のトラ
クション面26が、前記入出力ディスク2,3の全周に
亘って形成されている。トラクション面26は、前記枢
軸7を中心とした円弧状に形成されている。なお、図示
例において、前記裾部23は、前記入出力ディスク2,
3の外周面25より中央寄りの位置に、最もディスク
2,3の肉厚を薄くする最薄部23aを一体に設けてい
る。
【0045】前記トラクション面26は、例えば図2
(B)に示すように同一断面において、その曲率の中心
α(図2(B)に示す)から前記軸線Pに沿って延びた
線分としての二点鎖線Paが交わる点βと端面22aの
外縁γとを通る線分Fと、前記端面22aの延長線Gと
が、互いに角度δを有するように形成されている。
【0046】入出力ディスク2,3は、その略中央に、
前記入出力軸1a,1bに取付けられる際に用いる取付
け穴27を設けている。取付け穴27は、図2(A)に
示すように、正面からみて略円形でかつ図2(B)に示
すように前記軸線Pに沿って前記突部22の端面22a
から前記底面24とに亘って内径が一定であるととも
に、前記入出力ディスク2,3を貫通している。
【0047】前述した入出力ディスク2,3は、以下に
示す第1から第3の鍛造工程と、切削工程などを経て製
造される。第1の鍛造工程に用いられる第1の金型30
は、図4に示すように、各々円筒状に形成された第1の
型31と第2の型32とを備えている。第1の型31と
第2の型32とは、金属からなる棒状に形成された素材
W(以下ワークと呼ぶ)を、その両端からワークWの軸
線Qに沿って圧するようになっている。
【0048】前記ワークWは、圧延などの工程を経て、
直径d(図4に示す)が前記軸線Qに沿って略一定の円
柱状の中実材に形成されている。このためワークWは、
その内部の金属組織の流れ(以下メタルフローと呼ぶ)
が、前記軸線Qに沿って形成されている。また、図示例
において、ワークWは、その長さL(図4に示す)と直
径dとの比が以下に示す式1を満たしている。
【0049】L/d≦2.2…………式1 第1の型31は、その端面31aが略平坦に形成されて
いる。端面31aには、前記ワークWの外径と略同径の
保持部としての凹み34が形成されている。この凹み3
4は、ワークWが載置された際に、ワークWの軸線Qが
前記端面31aに対し略直交するようにワークWを保持
するようになっている。
【0050】前記第2の型32は、ワークWを圧する際
に、このワークWと接する端面32aに、前記ワークW
から離れる方向に凹の保持部としての第1の凹部33を
設けている。第1の凹部33は、その底面35が、前記
第1の型31上に載置されたワークWの軸線Qに対し略
直交する方向に沿って略平坦でかつワークWの外径と略
同径の円形に形成されている。
【0051】前記第1の凹部33は、前記第2の型32
の端面32aから前記底面35に向うにしたがって、徐
々に開口径が減少する突部成形部としての傾斜面36を
有したすり鉢状で、かつ前記入出力ディスク2,3の突
部22の外形に沿って若干大きく形成されている。前記
傾斜面36は、前記底面35の延長線K(図4(A)に
示す)とのなす角Θが、前述した角度δと以下に示す式
2の関係を満たすように形成されるのが望ましい。
【0052】Θ=δ±10度(degree)…………式2 第2の鍛造工程に用いられる第2の金型37は、図5に
示すように、第3の型38と、第4の型39と、第3の
型38の外周を包囲して設けられた第1の外型40と、
前記第4の型39に取付けられた穴成形部としての第1
の中型41と、を備えている。
【0053】第3の型38は、第1の鍛造工程を経て圧
鍛されたワークW(W1)の外径と略同径の略円筒状に
形成され、かつその端面38aが第1の鍛造工程を経た
ワークW(W1)が載置された際にこのワークW(W
1)の軸線Q(Q1)に対し略直交する方向に沿って略
平坦に形成されている。
【0054】また、前記端面38aの略中央には、前記
ワークW(W1)に向って突出する保持部としての第1
の凸部42が一体に設けられている。この第1の凸部4
2は、前記ワークW(W1)と接する面42aが前記端
面38aに沿って略平坦でかつ、前記取付け穴27の内
径より若干小径な円形に形成されている。
【0055】前記第4の型39は、前記ワークW(W
1)に相対する面に、前記第3の型38の外径と略同径
の円筒部43を一体に備えている。この円筒部43は、
ワークW(W1)と接する端面43aに、前記第2の型
32の端面32aに設けられた第1の凹部33と略同形
状の保持部としての第2の凹部44を設けている。
【0056】前記第1の外型40は、前記第3の型38
の外周を包囲するように形成され、かつその端面がワー
クW(W1)が載置される側に向って前記第3の型38
の端面38aより突出して設けられている。第1の外型
40の保持部としての内周面40aは、前記ワークW
(W1)の軸線Q(Q1)に沿って略平坦に形成されて
いるとともに、前記ワークW(W1)の外周面を包囲す
る円環状に形成されている。
【0057】前記第1の中型41は、前記入出力ディス
ク2,3の取付け穴27の内径より若干細い丸棒状に形
成されている。第1の中型41は、その一端部41aが
前記第2の凹部44の底面44aからワークW(W1)
側に突出しかつ、その軸線Oが前記軸線Q(Q1)と同
一線上に位置するように第4の型39に取付けられてい
る。第1の中型41の前記第2の凹部44の底面44a
より突出した一端部41aは、先端に向うにしたがって
徐々に先細となるように形成されている。
【0058】第3の鍛造工程に用いられる第3の金型4
5は、図6に示すように、第5の型46と、第6の型4
7と、第5の型46の外周を包囲して設けられた第2の
外型48と、前記第6の型47に取付けられた第2の中
型49と、を備えている。
【0059】第5の型46は、第3の型38の外径より
大きな径の略円筒状に形成され、かつその端面46aが
第2の鍛造工程を経たワークW(W2)が載置された際
に、このワークW(W2)の軸線Q(Q2)に対し略直
交する方向に沿って略平坦に形成されている。また、前
記端面46aの略中央には、前記第3の型38の端面3
8aに設けられた第1の凸部42と同形状の保持部とし
ての第2の凸部50が設けられている。
【0060】前記第6の型47は、前記第5の型46の
外径より若干大径な円筒状に形成されている。第6の型
47は、前記ワークW(W2)と接する端面47aの略
中央に、前記ワークW(W2)から離れるのにしたがっ
て凹でかつ前記入出力ディスク2,3の突部22に沿う
とともに、突部22より若干大きく形成された第3の凹
部51を一体に設けている。
【0061】第6の型47は、前記端面47aに、前記
第3の凹部51から外周方向に向って、前記入出力ディ
スク2,3のトラクション面26に沿った裾部成形部と
しての湾曲面52を形成している。
【0062】前記第2の外型48は、前記第5の型46
の外周を包囲するように形成され、かつその端面48a
がワークW(W2)が載置される側に向って前記第5の
型46の端面46aより突出して設けられている。
【0063】第2の外型48は、前記第5の型46の端
面46aより突出した部分に、この部分の内径が前記第
6の型47の外径と略同径となるように、段差部53を
設けている。前述した構成によれば、第6の型47は前
記第2の外型48内に侵入自在となっている。また、第
6の型47は、第2の外型48内に侵入した際に、その
端面47aと段差部53との間に隙間が生じるようにな
っている。
【0064】前記第2の中型49は、前記第1の中型4
1と略同形状に形成されており、その一端部49aが第
3の凹部51の底面51aからワークW(W2)側に突
出しかつ、その軸線O1が前記軸線Q(Q2)と略同一
線上に位置するように第6の型47に取付けられてい
る。
【0065】次に、前述した入出力ディスク2,3の製
造工程について、図3から図9を参照して説明する。ま
す、図3に示すステップS1において、ワークWは誘導
加熱炉などの適宜の加熱手段によって鍛造に適した変形
しやすい温度まで加熱される。
【0066】そして、図3に示すステップS2におい
て、以下に示す第1の鍛造工程が行われる。第1の鍛造
工程において、ます図4(A)に示すように、ワークW
を前記第1の型31の凹み34に嵌め込むように位置決
めする。第1の型31と第2の型32とを、第1の凹部
33の底面35がワークWに接するように、前記軸線Q
に沿って互いに近付けるように移動する。
【0067】その後、さらに軸線Qに沿って型31,3
2を互いに近付けるように移動して、ワークWを圧鍛す
る。図4(B)に示すように、前記第1の型31の底面
31aおよび第2の型32の第1の凹部33などに応じ
た形状にワークW(W1)を形成する。
【0068】この際、ワークW(W1)には、前記第1
の凹部33に沿った入出力ディスク2,3の突部22に
相当する部分57が形成されるとともに、前記型31,
32の間において、その外径が広がったディスク状に形
成される。
【0069】なお、この工程において、ワークW(W
1)は、前記凹み34および第1の凹部33の傾斜面3
6などによって位置決めされているので、型31,32
の間において偏心などの位置ずれを起こすことがない。
また、ワークW(W1)は、その外径D1(図4(B)
に示す)が前記第1の外型40の内径D2(図5(A)
に示す)と略等しくなるように、前記型31,32を互
いに近付けて成形するのが望ましい。
【0070】前述した第1の鍛造工程が終了した後、ス
テップS3において、以下に示す第2の鍛造工程が行わ
れる。まず、第2の鍛造工程では、ワークW(W1)
を、図5(A)に示すように、第2の金型37の第1の
外型40の内周側でかつ第3の型38の端面38a上に
載置する。
【0071】このとき、ワークW(W1)は、第1の鍛
造工程においてその外径D1が第1の外型40の内径D
2と略同径に形成されているので、前記第1の外型40
との間にガタなどを生じないとともに、その軸線Q(Q
1)が、前記第3の型38の端面38aの鉛直方向に指
向した状態で位置決めされている。またワークW(W
1)は、その底面54が前記第1の凸部42の端面42
aと密接した状態となっている。
【0072】そして、前記型38,39を軸線Q(Q
1)に沿って互いに近付けるように移動し、ワークW
(W1)を圧鍛する。図5(B)に示すように、前記第
3の型38の端面38a、凸部42および第1の中型4
1などに応じた形状にワークW(W2)を形成する。
【0073】この際、ワークW(W2)は、前記第1の
中型41に沿った入出力ディスク2,3の取付け穴27
に相当する穴55が形成されるとともに、その底面54
に第1の凸部42と噛み合う凹部56が一体に形成され
て、第3の型38の端面38aに密接する。
【0074】また、ワークW(W2)が圧鍛されている
際には、前記凹部44などによって偏心などの位置ずれ
しないように位置決めされている。なお、本工程におい
て形成される前記取付け穴27に相当する穴55は、前
記ワークW(W2)を貫通した状態とはなっていない。
【0075】前述した第2の鍛造工程が終了した後、図
3に示すステップS4において、以下に示す第3の鍛造
工程が行われる。まず、第3の鍛造工程では、ワークW
(W2)を、図6(A)に示すように、第3の金型45
の第2の外型48の内周側でかつ第5の型46の端面4
6a上に載置する。
【0076】このとき、ワークW(W2)は、第2の鍛
造工程において、その底面54に形成された凹部56が
前記第2の凸部50と噛み合うので、その軸線Q(Q
2)が、前記第5の型46の底面46aの鉛直方向に指
向した状態に位置決めされている。
【0077】そして、前記型46,47を軸線Qに沿っ
て互いに近付けるように移動し、ワークW(W2)を圧
鍛する。図6(B)に示すように、前記第6の型47の
湾曲面52などに応じた形状にワークW(W3)を形成
する。
【0078】この際、ワークW(W3)は、前記第6の
型47の湾曲面52に沿った前記トラクション面26に
相当する部分58と、前記型46,47の間において、
その外径が広がって形成されて前記裾部23に相当する
部分59と、前記第2の外型48の段差部53と第6の
型47との間において外周方向に突出したバリ部60
と、が一体に形成される。
【0079】そして、ステップS5において、以下に示
すように、打ち抜き加工および切削加工などを施して、
所望形状の入出力ディスク2,3を得る。まず、図7に
示す第3の鍛造工程が施されたワークW(W3)にプレ
スによる打ち抜き加工を施して、図8に示すように、前
記バリ部60が除去されかつ前記穴55(55a)が貫
通した形状にワークW(W4)を形成する。
【0080】そののち、図9に示すように、前述した打
ち抜き加工などが施された図中の二点鎖線Sで示すワー
クW(W4)の全体に切削加工などを施す。図中の実線
Tに示すように、ハーフトロイダル型無段変速装置20
の入出力ディスク2,3に相当する形状のワークW(W
5)を得る。
【0081】そして、ワークW(W5)に所望の浸炭ま
たは浸炭窒化処理などの熱処理を施し、さらに、必要な
精度まで全体を研削して、ハーフトロイダル型無段変速
装置20の入出力ディスク2,3を得る。
【0082】本実施形態のハーフトロイダル型無段変速
装置20の入出力ディスク2,3の製造方法によれば、
ワークWとしての棒状の素材を成形する鍛造工程におい
て、主に入出力ディスク2,3の突部22に相当する部
分57を成形する第1の金型30と、主に取付け穴27
に相当する穴55を成形する第2の金型37と、主に裾
部23に相当する部分59を成形する第3の金型45と
を、それぞれ用いている。
【0083】このため、ワークWとそれぞれの金型3
0,37,45とが互いに接触する接触時間が短くな
り、成形時に金型30,37,45に及ぼされるワーク
Wの熱の影響が少くなり、金型30,37,45のワー
クWと接触する部分の表面硬度が維持されることとな
る。したがって、金型30,37,45の寿命の低下が
抑制される。
【0084】また、前記突部22に相当する部分57と
取付け穴27に相当する穴55と裾部23に相当する部
分59とを、互いに別体の金型30,37,45を用い
て成形するので、無理なくワークWを成形することが可
能となるとともに、夫々の工程におけるワークWの金属
組織の流動をスムーズに行え、金属組織の流動などにお
いてバランスの取れた入出力ディスク2,3を成形する
ことができる。
【0085】さらに、夫々の工程におけるワークWの金
属組織の流動をスムーズに行えるので、それぞれの工程
において金型30,37,45に加える圧力を低く抑え
ることができ、金型30,37,45の破損を防止する
ことができる。
【0086】また、前記第1から第3の鍛造工程におい
て、ワークWが凹み34、第1の外型40の内周面40
aおよび凸部42,50によって位置決めされているの
で、成形中においてワークWが金型30,37,45内
での偏心などの位置ずれなどをおこすことがない。この
ため、高精度な入出力ディスク2,3を成形することが
できる。
【0087】さらに、前述した第1から第3の鍛造工程
を経た後、打ち抜き加工や切削加工などを施して前記入
出力ディスク2,3を成形するので、より高精度な入出
力ディスク2,3を得ることができるとともに、第1か
ら第3の金型30,37,45で成形する際の精度要求
を緩和することができる。
【0088】このため、前記金型30,37,45に加
える圧力を低く抑えることができるとともに、金型3
0,37,45の摩耗などをあまり気にする必要がなく
なって、摩耗が進んでも金型30,37,45を使用す
ることができる。
【0089】さらに、鍛造加工前のワークWにおいて、
その長さLと直径dとの関係が前記式1を満たす場合に
は、第1の鍛造工程においてワークWがより確実に位置
決めされ、かつワークWの軸線Qに対しメタルフローが
軸対称となって形成される。このため、より高精度でか
つ金属組織の流動においてよりバランスがとれるととも
に高寿命な入出力ディスク2,3を得ることができる。
【0090】図10から図13は、第2の実施形態を示
し、第1の実施形態と同一構成部分および同一工程は同
一符号を付して説明を省略する。本実施形態において、
第3の鍛造工程において用いられる第3の金型45の第
6の型47は、その端面47aの外周部に前記軸線O
1,Q(Q2)に対し略直交する方向に沿って略平坦な
平坦面61が周方向に亘って形成されている。
【0091】本実施形態においても、第1の実施形態と
同様に図4および図5に示す第1の鍛造工程と第2の鍛
造工程とが施されたワークW(W2)に、図10に示す
第3の鍛造工程を施すようになっている。
【0092】第3の鍛造工程において、前記湾曲面52
および平坦面61に沿ったトラクション面26に相当す
る部分58aが形成されたワークW(W3a)を得る。
そして、ワークW(W3a)を、図11から図13に示
す工程に沿ってプレスによる打ち抜き加工や切削加工な
どが施されたワークW(W4a,W5a)に形成する。
そののち、ハーフトロイダル型無段変速装置20の入出
力ディスク2,3を得る。
【0093】本実施形態によれば、前述した第1の実施
形態の効果に加え、第6の型47の端面47aに平坦面
61を形成しているので、型47のコストを抑制するこ
とができ、入出力ディスク2,3の生産コストを抑制す
ることができる。
【0094】さらに、第1から第3の鍛造加工において
ワークWの金属組織の流動をよりスムーズにすることが
できるので、鍛造加工の際に金型30,37,45に加
える圧力をより抑制することが可能となる。
【0095】本実施形態の製造方法によって製造された
入出力ディスク2,3は、前記第2の鍛造工程におい
て、図11中に墨塗りして示す加工前のワークWにおい
て中央寄りに外径の30%以下の部分に存在する不純物
を多く含んだ部分Rが、第1の中型41によって突部2
2の端面22a側から底面24側に向って押圧され、か
つ図12および図13などに示す打ち抜き加工および切
削加工などによって殆ど除去される。
【0096】そして、入出力ディスク2,3は、図14
に示すように、メタルフローJ1〜J6が形成されてい
るとともに、前記部分Rが前記突部22の端面22側に
は存在せずにその一部のみが前記底面24側に存在して
いる。したがって、特に大きな応力が加わる前記突部2
2の端面22a側には不純物を多く含んだ部分Rが存在
しないため、高寿命な入出力ディスク2,3を得ること
ができる。
【0097】また、前記第1の実施形態に示した製造方
法によって成形された入出力ディスク2,3も、図14
に示す第2の実施形態によって得られたものと同様に、
そのメタルフローが図14中の実線J1からJ6で示す
ように形成されている。
【0098】また、不純物を多く含んだ部分Rも同様
に、前記突部22の端面22側には存在せずにその一部
のみが前記底面24側に存在する。したがって、高寿命
な入出力ディスク2,3を得ることができる。
【0099】このことは、以下の表1に示す耐久試験の
試験結果からも明らかである。表1に結果が示された耐
久試験は、図17に示した削り出し加工などの従来の製
造方法によって製造された入出力ディスク80と、前述
した第1の鍛造工程から第3の鍛造工程などを経て製造
された入出力ディスク2,3とを複数製造して供試体A
〜Hとして用いている。
【0100】なお、表1において、供試体A及び供試体
Bは従来の製造方法によって製造されかつ不純物を多く
含んだ部分R1を取付け穴27の内面に有する入出力デ
ィスク80である。表1において、供試体C〜Hは、第
1の鍛造工程から第3の鍛造工程などを経て、不純物を
多く含んだ部分Rの前記端面22aからの距離h(図1
4に示す)と突部22の厚み(端面22aから底面24
までの距離)Hとの比h/Hが互いに異なるように製造
された入出力ディスク2,3である。
【0101】
【表1】
【0102】表1の結果によれば、前述した比h/Hが
すくなくとも33%を超える供試体E〜Hの場合には2
50時間にわたる耐久試験によっても、入出力ディスク
2,3が破壊されないことが明らかとなった。
【0103】また、供試体A〜Dのように、前記突部2
2の端面22a側に不純物を多く含んだ部分Rが存在す
る場合には、比較的短時間で、前記端面22の近傍22
a側の取付け穴27の内面27aから破損するのが明ら
かとなった。
【0104】このため、不純物を多く含んだ部分Rを、
前記取付け穴27の内面27aにおいて、前記突部22
の端面22a側には存在させずに、前記底面24側に存
在させることによって、比較的高寿命な入出力ディスク
2,3を得ることができるのが明らかとなった。
【0105】望ましくは前述した比h/Hが33%以上
となる位置に前記部分Rを形成するとよく、この場合、
より確実に高寿命な入出力ディスク2,3を得ることが
できるのが明らかとなった。
【0106】また、特に、前述した第2の実施形態に示
した製造方法によって得られた入出力ディスク2,3
は、図14〜図15に示すように、そのトラクション面
26にメタルフローJ6が途切れる所謂エンドフローE
1,E2が生じることがある。
【0107】トラクション面26にエンドフローE1,
E2が生じる場合には、このエンドフローE1,E2
が、これらのエンドフローE1,E2と前記トラクショ
ン面26の曲率の中心Uとを通る線分V1,V2と、前
記中心Uを通り入出力軸1a,1bの軸線Pに沿った線
分Vとのなす角Θ1,Θ2の角度が15度(degree)以上
でかつ60度(degree)以下となる範囲内には生じないよ
うに、前記第6の型47の平坦面61などを形成するの
が望ましい。
【0108】このことは、以下の表2に示す耐久試験の
試験結果からも明らかである。表2に結果が示された耐
久試験は、前述した第6の型47の平坦面61の広さな
どを変化させて、前記角Θ1,Θ2が互いに異なる角度
となる位置にエンドフローE1,E2を生じさせた入出
力ディスク2,3を複数製造して供試体A〜Nとして用
いている。
【0109】
【表2】
【0110】表2によれば、前記角Θ1の角度が15度
以上の位置に、入出力ディスク2,3の外周寄りのエン
ドフローE1を生じさせた供試体K〜Nにおいては、試
験時間が250時間以内で破損することが明らかとなっ
た。
【0111】また、前記角Θ2が60度以下の位置に、
入出力ディスク2,3の突部22寄りのエンドフローE
22を生じさせた供試体A,D,E,H,Iにおいて
は、試験時間が250時間以内で破損することが明らか
となった。
【0112】さらに、前記角Θ1,Θ2の角度が15度
(degree)以上でかつ60度(degree)以下となる範囲内に
エンドフローE1,E2を生じさせていない供試体B,
C,F,G,Jにおいては、試験時間が250時間を経
過しても破損しないことが明らかとなった。
【0113】したがって、前記エンドフローE1,E2
を、前期角Θ1,Θ2の角度が15度(degree)以上でか
つ60度(degree)以下となる範囲内には生じさせないよ
うに、前記第6の型47の平坦面61などを形成するこ
とによって、高寿命な入出力ディスク2,3を得ること
ができるのが明らかとなった。
【0114】さらに、前記入出力ディスク2,3の底面
24側においては、前記メタルフローのエンドフロー
が、前記トラクション面26の曲率の中心Uと最大減速
時または増速時に前記パワーローラ軸受11の内輪10
が接するトラクション面26の接触点N(図16に示
す)とを通る線分V3に対し、前記中心Uを中心とした
±10度(degree)の範囲M(図16に示す)内には生じ
ないように、前記第6の型47の平坦面61などを形成
するのが望ましい。
【0115】このことは、以下の表3に示す耐久試験の
試験結果からも明らかである。表3に結果が示された耐
久試験は、前述した第6の型47の平坦面61の広さな
どを変化させて、前記底面24における前記接触点Nに
最も近い前記エンドフローE4,E5と前記中心Uとを
それぞれ通る線分V4,V5と、前記線分V3とのなす
角Θ4,Θ5の角度が互いに異なる入出力ディスク2,
3を複数製造して供試体A〜Lとして用いている。
【0116】
【表3】
【0117】表3によれば、前記角Θ4の角度が10度
以下となる位置に入出力ディスク2,3の外周寄りのエ
ンドフローE4を生じさせた供試体A〜Dにおいては、
試験時間が250時間以内で破損することが明らかとな
った。
【0118】また、前記角Θ5の角度が10度以下とな
る位置に入出力ディスク2,3の突部22寄りのエンド
フローE5を生じさせた供試体F〜Hにおいては、試験
時間が250時間以内で破損することが明らかとなっ
た。
【0119】さらに、前記角Θ4,Θ5の角度がそれぞ
れ10度以上となる位置にエンドフローE4,E5を生
じさせた供試体E,I,J,Kにおいては、試験時間が
250時間を経過しても破損しないことが明らかとなっ
た。
【0120】したがって、前記メタルフローのエンドフ
ローを、底面24において前記中心Uを通る線分V3に
対し±10(degree)の範囲M内には生じないように、前
記第6の型47の平坦面61などを形成することによっ
て、高寿命な入出力ディスク2,3を製造できることが
明らかとなった。
【0121】このように、本発明のハーフトロイダル型
無段変速装置20の入出力ディスク2,3の製造方法に
よれば、鍛造前のワークWにおいて不純物を多く含んだ
部分Rを突部22側から除去して高寿命な入出力ディス
ク2,3を得ることができる。
【0122】また、金型30,37,45の寿命を低下
させずに金属組織の流動などにおいてバランスが取れか
つ高精度な入出力ディスク2,3を成形できるととも
に、金型30,37,45の破損を防止できかつ摩耗が
進んでも金型30,37,45を使用することができる
ので、金型費用を抑制して生産コストを抑制することが
できる。
【0123】
【発明の効果】本発明のトロイダル型無段変速装置の入
出力ディスクの製造方法は、例えば第2の鍛造工程など
の取付け穴を形成する工程において、ワークの不純物を
多く含んだ部分が取付け穴の内面などの周辺から取り除
かれるので、高寿命な入出力ディスクを製造することが
できる。
【0124】また、金型の表面硬度を維持することがで
きるので金型の寿命を低下させることがないとともに、
鍛造する際に金型に加える圧力を低く抑えて金型の破損
を防止することができるので、金型費用を抑制して生産
コストの高騰を抑制することができる。
【0125】さらに、前述した鍛造工程の後に切削加工
などを施す場合には、前述した不純物を多く含んだ部分
を確実に除去できるとともに、切削加工に必要とされる
所要時間を短縮でき、生産コストの高騰をより抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すハーフトロイダ
ル型無段変速装置の一部を示す縦断面図。
【図2】図1に示された実施形態の入出力ディスクを示
す説明図。
【図3】図2に示された入出力ディスクの製造工程の一
例を示すフローチャート。
【図4】図2に示された入出力ディスクを製造する第1
の鍛造工程を示す説明図。
【図5】図2に示された入出力ディスクを製造する第2
の鍛造工程を示す説明図。
【図6】図2に示された入出力ディスクを製造する第3
の鍛造工程を示す説明図。
【図7】図6に示された第3の鍛造工程が施された後の
ワークを示す断面図。
【図8】図7に示されたワークにプレスによる打ち抜き
加工を施した状態を示す断面図。
【図9】図8に示されたワークに切削加工などを施した
状態を示す断面図。
【図10】本発明の第2の実施形態の第3の金型を用い
た第3の鍛造工程を示す説明図。
【図11】図10に示された第3の鍛造工程が施された
後のワークを示す断面図。
【図12】図11に示されたワークにプレスによる打ち
抜き加工を施した状態を示す断面図。
【図13】図12に示されたワークに切削加工などを施
した状態を示す断面図。
【図14】本発明の第2の実施形態の製造方法によって
得られた入出力ディスクのメタルフローを示す断面図。
【図15】図14に示された入出力ディスクのトラクシ
ョン面におけるエンドフローの位置を説明する説明図。
【図16】図14に示された入出力ディスクの底面にお
けるエンドフローの位置を説明する説明図。
【図17】従来の製造方法によって得られたハーフトロ
イダル型無段変速装置の入出力ディスクのメタルフロー
を示す断面図。
【符号の説明】
1a…入力軸 1b…出力軸 2…入力ディスク 3…出力ディスク 20…ハーフトロイダル型無段変速装置(トロイダル型
無段変速装置) 22…突部 23…裾部 27…取付け穴 36…傾斜面(突部成形部) 41…第1の中型(穴成形部) 52…湾曲面(裾部成形部) 55…取付け穴に相当する穴 57…突部に相当する部分 59…裾部に相当する部分 W,W1,W2,W3…ワーク(素材) P…軸線 Q,Q1,Q2,Q3…ワークの軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今西 尚 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 湯本 武彦 群馬県高崎市倉賀野町3121番地 八木工業 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスク状に形成されかつ中央部に軸線方
    向に突出した突部と、前記突部から外周方向に向って徐
    々に薄肉となる裾部と、前記突部に軸線方向に設けられ
    た取付け穴とを有するトロイダル型無段変速装置の入出
    力ディスクの製造方法において、 前記突部を成形する成形部を有する第1の金型を用い
    て、素材としてのワークを、この素材の軸線方向に沿っ
    て圧鍛して、前記突部に相当する部分を成形する第1の
    鍛造工程と、 前記取付け穴を成形する成形部を有する第2の金型を用
    いて、前記ワークを、前記軸線方向に沿って圧鍛して、
    前記取付け穴に相当する穴を成形する第2の鍛造工程
    と、 前記裾部を成形する成形部を有する第3の金型を用い
    て、前記ワークを、前記軸線方向に沿って圧鍛して、前
    記裾部に相当する部分を成形する第3の鍛造工程と、 からなることを特徴とするトロイダル型無段変速装置の
    入出力ディスクの製造方法。
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