JPH11199973A - 疲労特性に優れた複合組織高強度冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
疲労特性に優れた複合組織高強度冷延鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
その製造方法を提供する。 【解決手段】 C:0.03〜0.20%、Cu:0.
2〜2.0%、B:2〜20ppmを含むフェライト−
マルテンサイト複合組織鋼板であり、フェライト相での
Cuの存在状態は、Cu単独で構成される粒子の大きさ
が2nm以下の固溶状態および/または析出状態である
ことを特徴とする疲労特性に優れた複合組織高強度冷延
鋼板、および上記成分の鋼の熱間圧延を、Ar3 変態点
以上で仕上圧延を行う以外は常法に従って行い、引き続
き常法に従って、酸洗、冷間圧延を行った後、連続焼鈍
するに際し、Ac1 変態点以上、Ac3 変態点以下の二
相域で30〜150秒間保持した後、20℃/s以上の
冷却速度で400℃以下の温度域まで冷却することを特
徴とする上記鋼板の製造方法。
Description
複合組織高強度冷延鋼板およびその製造方法に関するも
のであり、特に、自動車の構造部材等の耐久性と加工性
の両立が求められる素材として好適な疲労特性に優れた
複合組織高強度冷延鋼板およびその製造方法に関するも
のである。
軽量化を目的として、Al合金等の軽金属や高強度鋼板
の自動車部材への適用が進められている。ただし、Al
合金等の軽金属は、比強度が高いという利点があるもの
の、鋼に比較して著しく高価であるため、その使用は特
殊な用途に限られてきた。より広い範囲で自動車の軽量
化を推進するためには、安価な高強度鋼板の適用が強く
求められている。
低下して加工性(成形性)が悪くなるばかりでなく、切
り欠き感受性も高くなる。そのため、走行中の振動等に
より疲労破壊が生じる危険性のある部品への高強度鋼板
の適用には、成形性の検討だけでなく、切り欠き、溶接
部等の応力集中部の応力集中係数を低減する配慮に加え
て、鋼板そのものの疲労耐久性も重要な検討課題とな
る。
例えば低降伏比で延性の優れた変態組織強化型(複合組
織)高強度冷延鋼板の発明が、特開昭62−74024
号公報等に開示されている。さらに、この種のフェライ
ト、マルテンサイト、あるいは一部に残留オーステナイ
トを含む複合組織を有する高強度冷延鋼板について、冷
延、焼鈍をする前の熱延板でのミクロ組織を最適化する
ことにより疲労特性を向上させる発明が、特開昭63−
105930号公報や特開昭64−79322号公報で
開示されている。
の振動等により疲労破壊が生じる危険性のある自動車部
品の一部の部品においては、伸び、低降伏比等の加工性
と疲労耐久性の両立が大変重要であり、上記従来技術に
おいても、なおその両立が十分ではなく、さらなる特性
改善の要求が高まっている。
ための鋼板特性とその製造方法を明らかにして、疲労特
性に優れた複合組織高強度冷延鋼板およびその製造方法
を提供することを目的とするものである。
に採用されている連続熱間圧延、それに続く酸洗、冷間
圧延、連続焼鈍設備により工業的規模で生産されている
高強度冷延鋼板の製造プロセスを念頭において、高強度
冷延鋼板の疲労特性と加工性の両立を達成すべく、鋭意
研究を重ねた。その結果、固溶しているCuもしくはC
u単独で構成される粒子サイズが2nm以下のCu析出
物が疲労特性向上に非常に有効であり、かつ加工性も損
なわないことを見出し、本発明をなしたものである。
て説明する。まず、フェライト相におけるCu単独で構
成される粒子サイズの疲労特性に及ぼす効果についての
調査を行った。そのための供試材は、次のようにして準
備した。すなわち、0.05%C−1.0%Si−1.
4%Mn−1.0%Cu−0.5%Ni−0.0003
%Bに成分調整して溶製した鋳片を、熱間圧延して常温
で巻取り、さらに、酸洗後、3.0mmから1.2mm
まで60%の冷間圧延を行った冷延鋼板を、800℃で
60秒保持した後、水冷する焼鈍処理を施した供試材を
準備した。さらに、100〜600℃で1時間保持した
後、炉冷する熱処理を施すことで、ミクロ組織が、フェ
ライトを主相とし、マルテンサイトを第二相とする複合
組織を有し、フェライト相におけるCu単独で構成され
る粒子のサイズを変化させた鋼板を得た。なお、ここで
の第二相は、主としてマルテンサイトであるが、一部残
留オーステナイトを含むことも許容されるものである。
これらの鋼板について疲労試験を行った結果を図1に示
す。この結果より、フェライト相とマルテンサイト相お
よび一部残留オーステナイト相を含む複合組織からなる
鋼板において、そのフェライト相におけるCu単独で構
成される粒子の平均サイズと疲労限度比には強い相関が
あり、フェライト相におけるCu単独で構成される粒子
の平均サイズが2nm以下で疲労限度比が著しく向上す
ることを新たに見出した。また、熱間圧延条件、冷間圧
延率、焼鈍条件等を制限することによって、フェライト
相におけるCu単独で構成される粒子の平均サイズが2
nm以下という鋼板を製造できることも新たに見出し
た。
いての調査を行った。そのための供試材は、次のように
して準備した。すなわち、0.05%C−1.0%Si
−1.4%Mn−0.5%Ni鋼をベースとして、1.
0%のCuを添加した鋼とCuを添加しない鋼に、さら
に、B含有濃度を変化させた鋼を成分調整して溶製した
鋳片を、熱間圧延して常温で巻取り、さらに、酸洗後、
3.0mmから1.2mmまで60%の冷間圧延を行っ
た冷延鋼板を、800℃で60秒保持した後、水冷する
焼鈍処理を施して、ミクロ組織が、フェライトを主相と
し、マルテンサイトを第二相とする複合組織を有する鋼
板を得た。これらの鋼板について疲労試験を行った結果
を図2に示す。この結果より、1.0%のCuを添加し
た鋼に限り、B含有濃度と疲労限度比に強い相関があ
り、さらに、Bの含有濃度が2ppm以上で疲労限度比
が著しく向上することを新たに見出した。
は、JIS Z 2201記載の5号試験片にて、JI
S Z 2241記載の試験方法で測定した。また、鋼
板の疲労特性は、図3に示すような板厚1.2mm、長
さ90mm、幅18mm、最小断面部の幅が10mm、
切り欠きの曲率半径が30mmである平面曲げ疲労試験
片を用い、完全両振りの平面曲げ疲労試験によって得ら
れた2×106 回での疲労強度σWを鋼板の引張り強さ
σBで除した値(疲労限度比σW/σB)で評価した。
成される粒子は、供試鋼の1/4厚のところから透過型
電子顕微鏡サンプルを採取し、エネルギー分散型X線分
光(Energy Dispersive X−ray
Spectroscope:EDS)や電子エネルギ
ー損失分光(Electron Energy Los
s Spectroscope:EELS)の組成分析
機能を加えた、200kVの加速電圧の電界放射型電子
銃(Field Emission Gun:FEG)
を搭載した透過型電子顕微鏡によって観察した。観察さ
れる粒子の組成は、上記EDSおよびEELSによりC
u単独であることを確認した。また、本発明で規定する
フェライト相におけるCu単独で構成される粒子のサイ
ズは、観察される粒子のサイズをそれぞれ測定したもの
のその一視野での平均の値である。
のであり、その要旨とするところは以下のとおりであ
る。 (1)質量%にて、C:0.03〜0.20%、Si:
0.1〜2.0%、Mn:0.5〜3.0%、P≦0.
02%、S≦0.01%、Al:0.005〜0.1
%、Cu:0.2〜2.0%、B:0.0002〜0.
0020%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物か
らなる鋼であって、そのミクロ組織が、フェライトを主
相とし、マルテンサイトを第二相とする複合組織であ
り、フェライト相におけるCuの存在状態は、Cu単独
で構成される粒子の大きさが2nm以下の固溶状態およ
び/または析出状態であることを特徴とする疲労特性に
優れた複合組織高強度冷延鋼板。
i:0.1〜1.0%を含有することを特徴とする前記
(1)記載の疲労特性に優れた複合組織高強度冷延鋼
板。 (3)前記鋼が、さらに、質量%にて、Ca:0.00
5〜0.02%、REM:0.005〜0.2%の1種
または2種を含有することを特徴とする前記(1)また
は(2)記載の疲労特性に優れた複合組織高強度冷延鋼
板。
o:0.05〜0.2%、V:0.02〜0.2%、T
i:0.01〜0.2%、Nb:0.01〜0.1%、
Cr:0.01〜0.3%、Zr:0.02〜0.2%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする前記
(1)〜(3)のいずれかに記載の疲労特性に優れた複
合組織高強度冷延鋼板。
載の成分を有する鋼片の熱間圧延を、Ar3 変態点以上
で仕上圧延を行う以外は常法に従って行い、引き続き常
法に従って、酸洗、冷間圧延を行った後、連続焼鈍する
に際し、Ac1 変態点以上、Ac3 変態点以下の二相域
で30〜150秒間保持した後、20℃/s以上の冷却
速度で400℃以下の温度域まで冷却することを特徴と
する、そのミクロ組織が、フェライトを主相とし、マル
テンサイトを第二相とする複合組織であり、フェライト
相におけるCu単独で構成される粒子の大きさが2nm
以下である疲労特性に優れた複合組織高強度冷延鋼板の
製造方法。
まず、本発明の鋼板ミクロ組織およびCuの存在状態に
ついて説明する。鋼板のミクロ組織は、優れた加工性を
確保するために、フェライトを主相とし、マルテンサイ
トを第二相とする複合組織とする。ただし、第二相に
は、一部に残留オーステナイトを含むことを許容するも
のである。なお、良好な加工性を保証する良好な延性や
70%以下の低降伏比を確保するためには、フェライト
の体積分率が50%以上でかつ残留オーステナイトの体
積分率が5%未満が好ましい。
態は、Cu単独で構成される粒子の大きさが2nm以下
の固溶状態および/または析出状態とする。これによ
り、加工性の劣化につながる静的強度の上昇を抑えつ
つ、すなわちフェライトとマルテンサイトの複合組織鋼
板の優れた加工性を損なうことなく、疲労特性を向上さ
せることができる。一方、フェライト相におけるCu単
独で構成される粒子の大きさが2nm超であると、Cu
の析出強化により鋼板の静的強度が著しく上昇するた
め、加工性が著しく劣化することになる。また、このよ
うなCuの析出強化では、疲労限は静的強度の上昇ほど
には上昇しないので疲労限度比が低下してしまう。その
ため、フェライト相におけるCu単独で構成される粒子
の大きさは、2nm以下とする必要がある。
て説明する。Cは0.20%超含有していると加工性お
よび溶接性が劣化するので、0.20%以下とする。ま
た、0.03%未満であると組織中のマルテンサイトの
体積率が減少して強度が低下するので、0.03%以上
とする。Siはフェライト変態の促進と未変態オーステ
ナイト中のC濃度を上げて複合組織を生成するため、
0.1%以上の添加が必要である。一方、2.0%超添
加するとスケールオフ量が増加して歩留りの低下を招く
ため、上限は2.0%とする。
イトを得るために0.5%以上必要である。また、3.
0%超添加するとスラブ割れを生ずるため、3.0%以
下とする。Pは0.02%超添加すると加工性や溶接性
に悪影響を及ぼすだけでなく、粒界に偏析して粒界強度
を低下させ、粒界脆化を起こすので、0.02%以下と
する。
こすので極力低減させるべきであるが、0.01%以下
ならば許容できる範囲である。Alは溶鋼脱酸のために
0.005%以上添加する必要があるが、あまり多量に
添加すると、非金属介在物を増大させ、伸びを劣化させ
るだけでなく、コストの上昇を招くため、その上限を
0.1%とする。
り、固溶もしくは2nm以下の粒子サイズに析出させる
ことにより疲労特性を改善する効果がある。ただし、
0.2%未満では、その効果は少なく、2.0%を超え
て添加しても効果が飽和するので、0.2〜2.0%と
添加範囲を限定する。Bは本発明で最も重要な元素の一
つであり、Cuと複合添加されることによって疲労限を
上昇させる効果がある。ただし、0.0002%未満で
はその効果を得るために不十分であり、0.0020%
超添加するとスラブ割れが起こる。よって、Bの添加は
0.0002%以上、0.0020%以下とする。
あると共に、Cu含有による熱間脆性防止のために添加
する。ただし、0.1%未満ではその効果が少なく、
1.0%を超えて添加してもその効果が飽和するので、
0.1〜1.0%とする。CaおよびREMは、破壊の
起点となったり、加工性を劣化させる非金属介在物の形
態を変化させて無害化する元素である。ただし、それぞ
れ0.005%未満添加してもその効果がなく、Caな
らば0.02%超、REMならば0.2%超添加しても
その効果が飽和するので、Ca:0.005〜0.02
%、REM:0.005〜0.2%とする。
V、Ti、Nb、Cr、Zrの析出強化もしくは固溶強
化元素の1種または2種以上を添加してもよい。ただ
し、Mo:0.05%未満、V:0.02%未満、T
i:0.01%未満、Nb:0.01%未満、Cr:
0.01%未満、Zr:0.02%未満ではその効果を
得ることができない。また、Mo:0.2%超、V:
0.2%超、Ti:0.2%超、Nb:0.1%超、C
r:0.3%超、Zr:0.2%超添加してもその効果
は飽和する。
て、以下に詳細に述べる本発明では、目的の成分含有量
になるように成分調整した溶鋼を鋳込むことによって得
たスラブを、高温鋳片のまま熱間圧延機に直送してもよ
いし、室温まで冷却後に加熱炉にて再加熱して熱間圧延
してもよい。再加熱温度については特に制限はないが、
1350℃以上であると、スケールオフ量が多量にな
り、歩留りが低下するので、再加熱温度は1350℃未
満が望ましい。
(FT)がAr3 点以上の温度域で終了する必要があ
る。これは、熱間圧延中に圧延温度がAr3 点を切る
と、フェライト粒にひずみが残留して強度が上昇し、後
の冷間圧延で支障をきたすためである。仕上圧延後の冷
却と巻取温度(CT)については、組織制御、析出物制
御等を冷延後の焼鈍工程において行うため特に規定しな
い。なお、焼鈍後にフェライト−マルテンサイトの複合
ミクロ組織を得やすくするために熱延板段階においてそ
の組成配分が完了していることが望ましいので、仕上圧
延を終了した後の冷却は、Ar3 変態点からAr1 変態
点までの温度域で1〜10秒間空冷することが好まし
い。また、その後の冷却および巻取温度については、焼
鈍時に、Cuを固溶状態にするために、熱延板段階にお
いもCuを固溶状態にしておくことが望ましいので、巻
取温度は350℃以下で、その温度域までの冷却速度は
20℃/s以上が好ましい。
は、常法に従えばよく、本発明では特に規定しない。た
だし、冷間圧延の圧下率が30%未満であると、その後
の焼鈍工程において再結晶が完全に生じず、延性が劣化
しやすいため、また80%超の圧下率では冷間圧延機に
大きな負荷がかかるため、冷間圧延の圧下率は30%以
上、80%以下が好ましい。
する。連続焼鈍における加熱温度は、Ac1 変態点以
上、Ac3 変態点以下の二相域で行う。なお、その温度
範囲内でも低温すぎると、熱延板段階でセメンタイトや
Cuが析出していた場合、セメンタイトやCuが再固溶
するのに時間がかかりすぎ、また逆に高温すぎるとオー
ステナイトの体積率が大きくなりすぎてオーステナイト
中のC濃度が低下し、その後の冷却の際にベイナイトも
しくはパーライト変態のノーズにかかりやすくなり、所
定のミクロ組織を得ることができなくなるため、780
℃以上、850℃以下で加熱するのが好ましい。
満では、熱延板段階でセメンタイトやCuが析出してい
た場合、セメンタイトやCuが完全に再固溶するのに不
十分であり、また逆に150秒超では、通板速度を低下
させなければならず操業上好ましくないので、保持時間
は30〜150秒間とする。加熱保持後の冷却速度は、
20℃/s未満では、ベイナイトもしくはパーライト変
態のノーズにかかるおそれがあり、所定のミクロ組織を
得られなくなるため、20℃/s以上の冷却速度とす
る。
イトが生成して目的とするフェライト−マルテンサイト
の複合ミクロ組織が得られない。さらに、Cuの析出が
促進されて粗大なCuの析出が起こり、目的としている
疲労特性が得られないので、400℃以下の温度域まで
冷却する必要がある。
る。表1、表2(表1のつづき)に示す化学成分を有す
るA〜Yの鋼は、転炉にて溶製して、連続鋳造後、加熱
温度1230℃で再加熱し、仕上温度790〜830℃
で熱間圧延を行い、室温〜450℃で巻取った後、酸洗
し、さらに、圧延率60〜80%で0.7〜1.6mm
の板厚に冷間圧延した後、表3、表5(表3のつづき−
2)に示す条件で焼鈍を行った。なお、表1、表2中の
化学組成についての表示は質量%である。
は、供試材を、まずJIS Z 2201記載の5号試
験片に加工し、JIS Z 2241記載の試験方法に
従って行った。表3、表4(表3のつづき−1)、表5
(表3のつづき−2)、表6(表3のつづき−3)にそ
の試験結果を示す。また、さらに図3に示すような長さ
90mm、幅18mm、最小断面部の幅が10mm、切
り欠きの曲率半径が30mmである平面曲げ疲労試験片
にて、完全両振りの平面曲げ疲労試験を行った。鋼板の
疲労特性は、2×106 回での疲労強度σWを鋼板の引
張り強さσBで除した値(疲労限度比σW/σB)で評
価した。
成される粒子は、供試鋼の1/4厚のところから透過型
電子顕微鏡サンプルを採取し、エネルギー分散型X線分
光(EDS)や電子エネルギー損失分光(EELS)の
組成分析機能を加えた、200kVの加速電圧の電界放
射型電子銃(FEG)を搭載した透過型電子顕微鏡によ
って観察した。観察される粒子の組成は、上記EDSお
よびEELSによりCu単独であることを確認した。ま
た、本発明で規定するフェライト相におけるCu単独で
構成される粒子のサイズは、観察される粒子のサイズを
それぞれ測定したもののその一視野での平均の値であ
る。
C−1、D−1、F−1、H−1、I−1、J−1、K
−1、L−1、N−1、O−1、P−1、Q−1、R−
1、U−1、V−1、X−1、Y−1の19鋼であり、
主相であるフェライトにおけるCu単独で構成される粒
子の大きさが2nm以下の疲労特性に優れた複合組織高
強度冷延鋼板が得られている。
明の範囲外である。すなわち、鋼A−2は、加熱温度
(ST)が本発明範囲より低いので、セメンタイトの再
固溶が不十分で、焼鈍後に目的とするフェライト−マル
テンサイトの複合ミクロ組織が得られず、加工性の指標
の一つである低降伏比(YR)および十分な疲労限度比
(σW/σB)が得られていない。
いので、セメンタイトやCuの再固溶が不十分となり、
十分な疲労限度比が得られていない。鋼E−1は、Pの
含有量が本発明範囲より多いので、Pが粒界に偏析して
粒界強度を低下させてしまい、十分な疲労限度比が得ら
れていない。鋼G−1は、Cuの含有量が本発明範囲よ
り少ないので、疲労特性を改善する効果が少なく、十分
な疲労限度比が得られていない。
囲より遅いので、パーライトとベイナイトが生成してし
まい、目的とするフェライト−マルテンサイトの複合ミ
クロ組織が得られず、低降伏比および十分な疲労限度比
が得られていない。鋼J−3は、冷却終了温度が本発明
範囲より高いので、ベイナイトが生成して目的とするフ
ェライト−マルテンサイトの複合ミクロ組織が得られな
い。さらにCuの析出が促進されて粗大なCuの析出が
起こるため、低降伏比および十分な疲労限度比が得られ
ていない。
少ないので、Cuと複合添加されることによって疲労限
を上昇させる効果が不十分であるため、十分な疲労限度
比が得られていない。鋼S−1は、Siの含有量が本発
明範囲より少ないので、フェライト変態の促進と未変態
オーステナイト中のC濃度を上げて複合組織を生成する
効果が失われ、目的とするフェライト−マルテンサイト
の複合ミクロ組織が得られず、十分な疲労限度比が得ら
れていない。
り少ないので、目的とする第二相であるマルテンサイト
を十分に得られず、低降伏比が得られていない。W−1
は、Cの含有量が本発明範囲より少ないので、組織中の
マルテンサイトの体積率が十分ではなく、低降伏比およ
び十分な疲労限度比が得られていない。
性に優れた複合組織高強度冷延鋼板およびその製造方法
を提供するものであり、これらの複合組織高強度冷延鋼
板を用いることにより、伸びを始めとする加工性を十分
に確保しつつ疲労特性の大幅な改善が期待できるため、
工業的価値が高い発明であると言える。
成される粒子の大きさと疲労限度比の関係で示す図であ
る。
と疲労限度比の関係で示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 質量%にて、 C:0.03〜0.20%、 Si:0.1〜2.0%、 Mn:0.5〜3.0%、 P≦0.02%、 S≦0.01%、 Al:0.005〜0.1%、 Cu:0.2〜2.0%、 B:0.0002〜0.0020% を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼で
あって、そのミクロ組織が、フェライトを主相とし、マ
ルテンサイトを第二相とする複合組織であり、フェライ
ト相におけるCuの存在状態は、Cu単独で構成される
粒子の大きさが2nm以下の固溶状態および/または析
出状態であることを特徴とする疲労特性に優れた複合組
織高強度冷延鋼板。 - 【請求項2】 前記鋼が、さらに、質量%にて、 Ni:0.1〜1.0% を含有することを特徴とする請求項1記載の疲労特性に
優れた複合組織高強度冷延鋼板。 - 【請求項3】 前記鋼が、さらに、質量%にて、 Ca:0.005〜0.02%、 REM:0.005〜0.2% の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1
または2記載の疲労特性に優れた複合組織高強度冷延鋼
板。 - 【請求項4】 前記鋼が、さらに、質量%にて、 Mo:0.05〜0.2%、 V:0.02〜0.2%、 Ti:0.01〜0.2%、 Nb:0.01〜0.1%、 Cr:0.01〜0.3%、 Zr:0.02〜0.2% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
項1〜3のいずれか1項に記載の疲労特性に優れた複合
組織高強度冷延鋼板。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の成
分を有する鋼片の熱間圧延を、Ar3 変態点以上で仕上
圧延を行う以外は常法に従って行い、引き続き常法に従
って、酸洗、冷間圧延を行った後、連続焼鈍するに際
し、Ac1 変態点以上、Ac3 変態点以下の二相域で3
0〜150秒間保持した後、20℃/s以上の冷却速度
で400℃以下の温度域まで冷却することを特徴とす
る、そのミクロ組織が、フェライトを主相とし、マルテ
ンサイトを第二相とする複合組織であり、フェライト相
におけるCu単独で構成される粒子の大きさが2nm以
下である疲労特性に優れた複合組織高強度冷延鋼板の製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00760998A JP3619359B2 (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | 疲労特性に優れた複合組織高強度冷延鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP00760998A JP3619359B2 (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | 疲労特性に優れた複合組織高強度冷延鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11199973A true JPH11199973A (ja) | 1999-07-27 |
| JP3619359B2 JP3619359B2 (ja) | 2005-02-09 |
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ID=11670561
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP00760998A Expired - Fee Related JP3619359B2 (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | 疲労特性に優れた複合組織高強度冷延鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3619359B2 (ja) |
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