JPH1120075A - 透明導電性積層体 - Google Patents

透明導電性積層体

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JPH1120075A
JPH1120075A JP9175907A JP17590797A JPH1120075A JP H1120075 A JPH1120075 A JP H1120075A JP 9175907 A JP9175907 A JP 9175907A JP 17590797 A JP17590797 A JP 17590797A JP H1120075 A JPH1120075 A JP H1120075A
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JP
Japan
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transparent conductive
layer
oxide
conductive layer
transparent
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JP9175907A
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English (en)
Inventor
Fumiharu Yamazaki
文晴 山▲崎▼
Shin Fukuda
福田  伸
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 透明な高分子基体(A)の一方の主面
に、少なくとも、主として酸化インジウムからなる透明
導電層(B)と、主として酸化亜鉛からなる酸化物層
(C)をABCなる構成で形成した透明導電性積層体で
あり、該酸化物層の抵抗率が5Ω・cm以上である透明
導電性積層体。 【効果】 分散型EL素子の透明電極として使用する
と、発光層との密着性に優れ、長寿命な発光素子が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電性積層体に
関し、より詳しくはエレクトロルミネッセンス(EL)
面発光体の透明電極として好適に使用できる、発光輝度
の経時劣化を抑制した透明導電性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電性積層体は従来、液晶ディスプ
レイ、EL面発光体、エレクトロクロミックディスプレ
イなどの表示素子の電極、太陽電池などの光電変換素子
の窓電極、電磁波シールドの電磁波遮蔽膜、あるいは透
明タッチパネルなどの入力装置の電極として利用されて
いる。従来公知の透明導電層としては、金、銀、白金、
パラジウムなどの貴金属薄膜と、酸化インジウム、酸化
第二スズ、酸化亜鉛などの酸化物半導体薄膜とが知られ
ている。前者の貴金属薄膜は抵抗値の低いものは容易に
得られるが透明性に劣る。後者の酸化物半導体薄膜は抵
抗値は貴金属薄膜に若干劣るが、透明性に優れているた
め広く利用されている。その中でも酸化スズを含有した
酸化インジウム薄膜(以下、ITO(Indium T
in Oxide)膜とも標記する)は低抵抗で透明性
に優れているため広く利用されている。ITO膜の抵抗
率は通常5×10-5〜1×10-3Ω・cm程度、透過率
は一般に80〜90%である。
【0003】分散型EL素子は透明な基体上に透明導電
層を形成した透明導電性基体をベースにし、上記透明導
電層上に発光体層、絶縁層及び背面電極を順次形成した
構造のものが知られている。透明導電層には酸化スズ、
酸化インジウム等が、発光体層には硫化亜鉛等の粉末を
樹脂バインダーに分散させたものが、絶縁層には発光体
層に用いたのと同じ樹脂バインダーが、背面電極には炭
素、銀等の導電性ペーストが用いられることが多い。分
散型EL素子の特徴は、発光体層、絶縁層、背面電極の
材料が全て液状なため印刷法により形成できることであ
り、特別に高価な装置を使用しなくても面状の発光素子
が得られる。
【0004】透明導電性積層体の基体としては、ガラス
と高分子成形体とが用いられている。ガラスを基体とし
た場合には基体温度を400℃程度にまで加熱できるた
め、化学的に安定な結晶性透明導電層が形成でき、透明
性、及び耐環境性に優れた透明導電性積層体が容易に得
られる。一方、高分子成形体を基体とした場合には、ガ
ラスと比較して軽量で割れず、そして屈曲可能な透明導
電性積層体が得られる。特に屈曲可能であることはガラ
スではいくら薄くしても不可能なことなので、特筆すべ
き特徴となっている。しかしながら、基体温度を高分子
材料の耐熱温度に制限されるため、低温で透明導電層を
形成する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】分散型EL素子の透明
電極には、以下の特性が必要とされる。 (1)表面抵抗値が低いこと。具体的には、発光面の大
きさにもよるが500Ω/□以下である。 (2)透過率が高いこと。具体的には可視光透過率が7
5%以上であることが望ましい。 (3)バインダー樹脂に対して何ら変質を生じないこ
と。 (4)バインダー樹脂との密着性に優れること。 (5)耐熱温度がバインダー樹脂の乾燥温度以上である
こと。 (6)発光継続時に電気特性、光透過特性になんら変化
を生じないこと。
【0006】基体に高分子を使用した場合にも、表面抵
抗値が500Ω/□以下、可視光透過率が75%以上の
透明導電性積層体は、ITO膜を透明導電層とすること
で得られている。
【0007】しかしながら、従来の透明導電性積層体は
上記(3)〜(6)の要求事項に対して必ずしも満足す
るものではなかった。(3)〜(5)の要求事項はバイ
ンダー樹脂の材料にもよるが、最近多くバインダー樹脂
として使用されている弗素系樹脂を使用した場合には、
特に密着性が低くなることがある。特に現在大きな問題
となっているのは(6)であって、発光継続時にITO
膜が劣化して、その劣化した部分が発光しなくなるとい
った一部不点灯が発生する。これは発光させるための電
源電圧と周波数を高くした場合に顕著に発生する問題で
あって、ITO膜がバインダー樹脂を介して背面電極と
の間で通電され、継続的に電流を流す場合に起こる現象
である。本発明は、上記事情に鑑み、基体に透明な高分
子成形体を使用した透明導電性積層体の、バインダー樹
脂との密着性の向上及び分散型EL素子の発光継続時の
劣化の抑制を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、透明導電層
の上に抵抗率が5Ω・cm以上の酸化亜鉛からなる酸化
物層を形成することによりバインダー樹脂との密着性の
向上、及び透明導電層の発光継続時に発生する劣化を抑
制できることを見いだし本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、(1) 透明な高分子
基体(A)の一方の主面に、少なくとも、主として酸化
インジウムからなる透明導電層(B)と、主として酸化
亜鉛からなる酸化物層(C)をABCなる構成で形成し
た透明導電性積層体であり、該酸化物層(C)の抵抗率
が5Ω・cm以上であることを特徴とする透明導電性積
層体、(2) 透明導電層(B)の厚さが20〜200
nm、酸化物層(C)の厚さが1〜100nmであるこ
とを特徴とする(1)記載の透明導電性積層体、(3)
分散型エレクトロルミネッセンス(EL)素子の透明
電極として好適に使用しうる(1)または(2)記載の
透明導電性積層体に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の透明導電性積層体は、図
1をもって説明するに、透明な高分子基体(A)10の
一方の主面に、主として酸化インジウムからなる透明導
電層(B)20と、主として酸化亜鉛からなる酸化物層
(C)30とをABCなる構成で順次形成したものであ
り、該酸化物層(C)の抵抗率が5Ω・cm以上のもの
である。
【0011】本発明において使用する高分子基体(A)
としては、透明性を有するプラスチック成形体が使用で
きる。具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
カーボネート、ポリプロピレン、ポリイミドなどが挙げ
られる。これら高分子基体は透明導電層を形成する主面
が平滑であれば板状であってもフィルム状であってもよ
い。板状の高分子基体は寸法安定性と機械的強度に優れ
ているため特にそれが要求される場合には好適に使用で
きる。また高分子フィルムは可撓性を有しており、透明
導電層をロール・ツ・ロール法で連続的に形成すること
ができるため、これを使用した場合には効率よく透明導
電性積層体を生産できる故にこれもまた好適に使用でき
る。この場合フィルムの厚さは通常10〜250μmの
ものが用いられる。フィルムの厚さが10μm未満で
は、基体としての機械的強度に不足し、250μm以上
を超えると可撓性が不足するためフィルムをロールで巻
きとって利用するのに適さない。
【0012】上記透明高分子基体のなかでもポリエチレ
ンテレフタレートは透明性及び加工性に優れているため
より好適に利用できる。また、ポリエーテルサルフォン
は耐熱性に優れているため、透明導電性積層体を作製し
た後に熱処理を必要とする場合、また該透明導電性積層
体を使用して分散型EL素子を組み立てる際に高い温度
の加熱処理を必要とする場合に、より好適に利用でき
る。
【0013】透明高分子基体はその表面に予めスパッタ
リング処理、コロナ処理、火炎処理、紫外線照射、電子
線照射などのエッチング処理や、下塗り処理を施してこ
の上に形成される主として酸化インジウムからなる透明
導電層の上記基体に対する密着性を向上させる処理を施
してもよい。また、主として酸化インジウムからなる透
明導電層を成膜する前に、必要に応じて溶剤洗浄や超音
波洗浄などの防塵処理を施してもよい。
【0014】本発明においては、かかる透明高分子基体
の一方の主面に主として酸化インジウムからなる透明導
電層(B)を形成する。該透明導電層は抵抗率を低くす
るためにスズを混合しても良い。通常、3〜20重量%
程度のスズを含有させることにより抵抗率を低下させる
ことができ、より薄い膜厚で必要とされるシート抵抗値
を有する透明導電層が形成できる。
【0015】主として酸化インジウムからなる透明導電
層の厚さは、通常20nm〜200nmが好ましい。透
明導電層の厚さは、その表面抵抗値及び可視光透過率に
影響する。表面抵抗値を低くするためには、該透明導電
層の厚さを厚くすればよいが、厚くすると可視光透過率
が低下してしまう。そのため、要求される表面抵抗値及
び可視光透過率によって該透明導電層の厚さが決定され
る。該透明導電層の厚さが20nm未満であると、表面
抵抗値が高くなり、500Ω/□を超えてしまうため、
分散型EL素子の透明電極として好適に使用できない。
表面抵抗値を下げるためには膜厚を厚くすればよいが、
200nmを超えると可視光透過率が低下してしまい7
5%以下となるため、これもまた分散型EL素子の透明
電極として好適に使用できない。
【0016】主として酸化インジウムからなる透明導電
層の成膜方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法といった従来公知の物理的気相
成長法のいずれも採用できる。表面抵抗値の低い、主と
して酸化インジウムからなる透明導電層は一般的にはス
パッタリング法により形成される。スパッタリング法に
おいては、ターゲットに酸化インジウムあるいはスズを
含有した酸化インジウムを、スパッタガスにアルゴン等
の不活性ガスを用い、通常スパッタガス圧力:1〜10
mTorr、高分子基体温度:20〜150℃の条件下
で、直流(DC)あるいは高周波(RF)マグネトロン
スパッタ法等が利用できる。また、透明導電層の透明性
および導電性を高くするためにスパッタガス中に0.1
〜20流量%の酸素ガスを混合しても良い。また、ター
ゲットにインジウムあるいはインジウム・スズ合金を、
スパッタガスにアルゴン等の不活性ガスを、反応性ガス
に酸素ガスを用いた直流あるいは高周波反応性スパッタ
リング法等も好適に利用できる。この方法では透明導電
層の透過率および導電性が、反応性ガスである酸素ガス
の分圧に非常に敏感に影響するので、その制御を厳密に
行う必要がある。上記のスパッタリング法はいずれも、
透明性及び導電性に優れた透明導電層が容易に得られる
ため、好適に利用できる。
【0017】このように、透明高分子基体の一方の主面
に、厚さが20〜200nmの主として酸化インジウム
からなる透明導電層を形成することで、分散型EL素子
の透明電極に要求される表面抵抗値及び可視光透過率を
有する透明導電性積層体が得られるわけであるが、これ
だけではバインダー樹脂との密着性及び発光継続時の耐
久性が不足していて、そのまま透明電極に使用して分散
型EL素子を作製しても、剥がれ易くて、使用後早期に
発光不良が現れる品質の悪いものとなってしまう。
【0018】そのため本発明においては、上記の如く主
として酸化インジウムからなる透明導電層を形成した
後、さらにこの上に、主として酸化亜鉛からなる酸化物
層(C)を設ける。該酸化物層を設けるのは、一つには
樹脂バインダーとの密着性の向上を目的としている。酸
化物層をバインダー樹脂と接する表面層とすることでバ
インダー樹脂との密着性を向上させることができる。
【0019】該酸化物層を設けることのもう一つの理由
は、透明導電層の通電継続時における劣化を防止するこ
とにある。分散型EL素子は、主にバインダー樹脂を成
分とする発光層と絶縁層とを介して交流電界を印可して
発光させるため、電気的な構造はコンデンサと同じであ
り、電極として透明導電層が使用されている。透明導電
層の劣化は発光継続時、つまり通電継続時に透明導電層
の表面抵抗値が上昇してしまうことによる。表面抵抗値
上昇の原因は定かではないが、発光層を通じて生じる電
荷の移動により透明導電層が変質したためだと推測され
る。本発明者らは、透明導電層の上に酸化亜鉛、しかも
抵抗率が5Ω・cm以上と、透明導電層よりも3桁以上
高い範囲の酸化亜鉛からなる酸化物層を形成すると、透
明導電層の劣化が抑制できることを見いだしたのであ
る。透明導電層の発光継続時の劣化と、酸化物層の抵抗
率との間に関係があることは、電荷の移動が透明導電層
の劣化に何らかの影響を与えていることを示唆してい
る。
【0020】透明導電層上に酸化亜鉛薄膜を形成するこ
とで耐食性を向上させる技術が、特開昭63−8965
7号公報に開示されている。しかしながら、該公報で用
いられている酸化亜鉛は電導性の酸化亜鉛であり、抵抗
率が2.5〜3.0×10-4Ω・cmの酸化亜鉛膜を使
用しており、なるべく抵抗率の低いものを必要としてい
る。それは抵抗率の低い酸化亜鉛膜を通して電流を流す
必要のある太陽電池の透明電極として使用するためで、
分散型EL素子の透明電極として使用する場合には、驚
くべきことにこのような抵抗率の低い酸化亜鉛膜を積層
したものは使用できない。なぜならば、前述したように
透明導電層の劣化が酸化亜鉛膜を通した電荷の移動によ
ると推測され、酸化亜鉛膜の抵抗率はなるべく高いもの
を使用し電荷の移動を抑制させる必要があるからであ
る。すなわち本発明で使用する主として酸化亜鉛からな
る酸化物層は、絶縁物になるほど好ましいのである。
【0021】主として酸化亜鉛からなる酸化物層の厚さ
は1〜100nmが好ましい。さらに好ましくは1〜5
0nmである。この厚さが1nmより薄いと発光継続時
の劣化発生の抑制効果が得られないため好ましくない。
すなわち、分散型EL素子の透明電極として発光継続時
の劣化抑制効果を付与させるためには、主として酸化亜
鉛からなる酸化物層は少なくとも1nm以上の厚さが必
要なのである。また、この厚さが100nmより厚いと
透明性が損なわれるのに加え、該酸化物層の積層による
発光継続時の劣化抑制は100nm以下の厚さで十分な
されているため、いたずらに成膜時間をかけ厚い層を形
成するのは好ましくない。経済的には該酸化物層の厚さ
は発光継続時の輝度低下効果を損なわない範囲内でなる
べく薄い方が好ましく、50nmの厚さでその効果は十
分得られるため該酸化物層の厚さは、1〜50nmがよ
り好ましい。
【0022】主として酸化亜鉛からなる酸化物層の成膜
方法も透明導電層と同様に、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法といった従来公知の物理
的気相成長法のいずれも採用できる。いずれの方法を使
用するにしても、透明導電層と同じ方法を採用し、同じ
真空装置内で連続的に二層構成を製造すれば透明導電性
積層体が効率よく得られる。スパッタリング法により形
成する場合には、ターゲットに酸化亜鉛を、スパッタガ
スにアルゴン等の不活性ガスを用い、通常スパッタガス
圧力:1〜10mTorr、高分子基体温度:20〜1
50℃の条件下で、直流あるいは高周波(RF)スパッ
タリング法が利用できる。また該酸化物層の透明性を向
上させる目的で、適量の酸素を混合したアルゴンガスを
スパッタガスに使用してもよい。また得られる酸化物層
の抵抗率が5Ω・cm以上となる範囲でアルミニウム等
を適量混合してもよい。
【0023】主として酸化亜鉛からなる酸化物層の抵抗
率の制御は、成膜条件を変化させることにより変化させ
ることができ、主に成膜温度、成膜速度、スパッタリン
グガス中の酸素ガス量を変化させることでできる。抵抗
率の高い酸化物層を形成するには成膜温度はなるべく低
く、成膜速度はなるべく速く、酸素ガス量はなるべく多
くすることが望まれる。ターゲットにもよるが、酸素ガ
ス量は、例えば、スパッタガス流量比で、アルゴン・酸
素比が100:10よりも酸素が多くなるようにするこ
とが望まれる。
【0024】透明な高分子基体と主として酸化インジウ
ムからなる透明導電層との密着力を向上させるために適
当な中間層を、性能が損なわない範囲でそれらの層間に
挿入してもよい。また、耐擦傷性を向上させたり、水蒸
気バリア性を向上させるために、性能が損なわれない範
囲で積層構成を形成する主面とは逆側の透明な高分子基
体の面に、適当なハードコート層等を形成してもよい。
【0025】上記の方法により得られた透明導電性積層
体を、耐環境性を向上させるために、熱処理を施しても
よい。熱処理温度は通常、100〜250℃程度であ
る。なお、本発明のように別種の元素からなる薄膜層を
積層した場合、その界面は明確に区別されるものではな
く、通常相互拡散を生じている。しかしながら、透明導
電層と酸化亜鉛からなる薄膜層との界面付近において相
互拡散が生じても、性能に影響しない範囲であればかま
わないのである。本発明にいう層構成はかかる意義を有
するものであり、以下の分析法により確認できる。
【0026】上記の方法により形成した透明導電層及び
酸化物層の原子組成は、オージェ電子分光法(AE
S)、誘導結合プラズマ法(ICP)、ラザフォード後
方散乱法(RBS)等により測定できる。またこれらの
膜厚は、オージェ電子分光の深さ方向観察、透過型電子
顕微鏡による断面観察等により測定できる。
【0027】また、表面抵抗値は四端子法やホール測定
法により測定できる。抵抗率(ρ)は表面抵抗値(R)
とその膜厚(t)とから下記式(1)により計算でき
る。 ρ(Ω・cm)=R(Ω/□)×t(cm) (1)
【0028】なお、ここで注意しなければならないの
は、二層構成からなる透明導電性積層体の抵抗率を四端
子法やホール測定法で得ると、その値は二層あわせた値
であり、酸化物層のみの抵抗率ではない。抵抗率が5Ω
・cm以上である酸化物層を形成するには、前もって酸
化物層のみを形成し、その表面抵抗値を知っておき、抵
抗率が5Ω・cm以上となる酸化物層の得られる成膜条
件をあらかじめ調査しておき、その条件で成膜すればよ
い。
【0029】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により具体的に説明
する。なお、透明導電性積層体を作製するに先立ち、主
として酸化亜鉛からなる酸化物層を同じ基体、材料、製
膜条件により厚さが100nmとなるように成膜しその
表面抵抗値を四端子法で測定し、前記式(1)から抵抗
率を算出しておいた。
【0030】また、透明導電層、及び酸化物層の膜厚の
制御は、予め同じ基体、材料、成膜条件により一定時
間:T(min)成膜した膜の厚さを触針型表面粗さ計
により、膜の段差の高さ:h(nm)を測定することで
得て、成膜速度DR(nm/min)を下記式(2)に
より算出しておき、成膜時間を変化させることで膜厚を
変化させた。 DR(nm)=h(nm)/T(min) (2)
【0031】[実施例1]厚さ125μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(帝人(株)製:テトロンH
SA)の一方の面に、ターゲットに酸化スズを5重量%
含有した酸化インジウムを、スパッタリングガスに流量
比が、アルゴン:酸素=100:1のアルゴン・酸素混
合ガスを用いて、2mTorrの雰囲気の下で、DCマ
グネトロン反応性スパッタリング法により厚さ50nm
のITO膜からなる透明導電層を形成した。さらにその
上面に、ターゲットにアルミニウムを1wt%含有した
酸化亜鉛を、スパッタリングガスに流量比が、アルゴ
ン:酸素=100:20のアルゴン・酸素混合ガスを用
いて、2mTorrの雰囲気下で、DCマグネトロンス
パッタリング法により厚さ10nmの酸化物層を形成
し、二層構成の透明導電性積層体を作製した。
【0032】[実施例2〜実施例3]酸化物層の抵抗率
を変化させるために、酸化物層を形成する時のスパッタ
リングガスの流量を、アルゴン:酸素=100:10
(実施例2)、アルゴン:酸素=100:50(実施例
3)とした以外は実施例1と同じ手法で、二層構成の透
明導電性積層体を作製した。
【0033】[比較例1]酸化物層の抵抗率を変化させ
るために、酸化物層を形成する時のスパッタリングガス
の流量を、アルゴン:酸素=100:5とした以外は実
施例1と同じ手法で、二層構成の透明導電性積層体を作
製した。
【0034】[実施例4〜実施例5]酸化物層の厚さを
1nm(実施例4)、100nm(実施例5)とした以
外は実施例1と同じ手法で、二層構成の透明導電性積層
体を作製した。
【0035】[比較例2]酸化物層を形成しなかったこ
と以外は実施例1と同じ手法で、一層構成の透明導電性
積層体を作製した。 [比較例3]酸化物層の厚さを200nmとした以外は
実施例1と同じ手法で、二層構成の透明導電性積層体を
作製した。
【0036】[実施例6〜実施例7]透明導電層の厚さ
を20nm(実施例6)、200nm(実施例7)とし
た以外は実施例1と同じ手法で、二層構成の透明導電性
積層体を作製した。
【0037】[比較例4〜比較例5]透明導電層の厚さ
を10nm(比較例4)、500nm(比較例5)とし
た以外は実施例1と同じ手法で、二層構成の透明導電性
積層体を作製した。以上の透明導電性積層体の表面抵抗
値、可視光線透過率を表1に掲げる。
【0038】
【表1】
【0039】以上の如く作製した透明導電性積層体を使
用して、以下の手法により分散型EL素子を作製した。 <材料> ・発光層 メチルエチルケトン100cc当たり、20gの弗素エ
ラストマー(ダイキン工業(株)製、商品名:ダイエ
ル)を溶解させこれをバインダー樹脂とした。このバイ
ンダー樹脂1gに対して、発光体粉末(オスラム・シル
バニア社製硫化亜鉛粉末、製品番号:カプセルタイプ#
30)を2g分散させ発光層材料とした。 ・誘電層 発光層に使用したバインダー樹脂を使用した。 ・裏面電極 純度99.9%のアルミニウムを使用した。
【0040】<製造法>透明導電層、酸化物層を成膜し
た上に発光層材料をバーコーターにより塗布し、これを
120℃で2時間大気中で加熱して乾燥させ、さらに誘
電層材料を同じくバーコーターにより塗布し同じ条件で
乾燥させた。その際ITO膜電極取り出し部分は塗布せ
ず残しておいた。厚みはそれぞれ30μm、40μmと
なるようにバーコーターを調節した。次に裏面電極材料
を抵抗加熱式真空蒸着法により形成した。厚みは0.3
μmとした。
【0041】以上の如く作製した分散型EL素子の透明
電極(ITO膜)と裏面電極(アルミニウム蒸着膜)と
の間に100Vrms、400Hzの正弦波を印加し発
光させた。なお、この発光は温度50℃、相対湿度90
%に管理された恒温槽の中で実施した。発光させたまま
それを放置し、直径1mm以上の非発光部が発生した時
点までの発光時間を寿命時間とした。
【0042】また、発光層と透明導電性積層体との間の
密着力を測定するために、分散型EL素子を1cm幅の
短冊状に切り出し、発光層と透明導電性積層体とを90
°の角度で引き剥しその時要した力を測定した。以上の
結果を表2に掲げる。
【0043】
【表2】
【0044】表2から明らかなように本発明の透明導電
性積層体は、分散型EL素子の透明電極として使用した
場合に、発光層との密着性に優れ、長寿命なものとなる
ことが分かる。それに対し、酸化物層を形成しなかった
比較例2は密着力が小さく、また寿命時間が短かった。
また、酸化物層の抵抗率の低い比較例1は寿命時間が短
かった。
【0045】また、分散型EL素子としたときの発光輝
度が、実施例は、50〜70cd/m2 であったのに対
し、比較例3及び比較例5では、各層が厚かったため、
15cd/m2 であった。表示部が夜間でもはっきり見
えるようにするためには、20cd/m2 程度以上が必
要なため、比較例の場合は好適に使用できない。
【0046】
【発明の効果】以上のごとく、本発明においては、高分
子透明基体の一方の主面に、主として酸化インジウムか
らなる透明導電層を形成し、その上に主として酸化亜鉛
からなる酸化物層とを積層させることにより、分散型E
L素子の寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電性積層体の一例を示す断面図
【符号の説明】
10 透明な高分子基体(A) 20 主として酸化インジウムからなる透明導電層
(B) 30 主として酸化亜鉛からなる酸化物層(C)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な高分子基体(A)の一方の主面
    に、少なくとも、主として酸化インジウムからなる透明
    導電層(B)と、主として酸化亜鉛からなる酸化物層
    (C)をABCなる構成で形成した透明導電性積層体で
    あり、該酸化物層(C)の抵抗率が5Ω・cm以上であ
    ることを特徴とする透明導電性積層体。
  2. 【請求項2】 透明導電層(B)の厚さが20〜200
    nm、酸化物層(C)の厚さが1〜100nmであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の透明導電性積層体。
  3. 【請求項3】 分散型エレクトロルミネッセンス(E
    L)素子の透明電極として好適に使用しうる請求項1ま
    たは2記載の透明導電性積層体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101236039B1 (ko) * 2007-12-18 2013-02-21 주식회사 엘지화학 도전 적층체 및 이의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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